第 話トラクトリックス Trcri 追跡曲線 Ercis HoundKurv 問題猟犬曲線問題パリの医師であり解剖学者 フランス王立科学アカデミー会員のクロード ペロ-はズボンのポケットから鎖のついた銀の懐中時計を取り出し テーブルの向こうまで引き出し どんな曲線に対して 各点 での接線と 軸との間が一定の長さ になるだろうか? この問題を提出した (67~676) 当時 フェルマーもこの式を求めることが出来なかった 69 年ライプニッツが HoundKurv(Hound Curv) 猟犬曲線と名前をつけて 微分方程式を用いて解法し発表した 平面上の原点 O(,) に飼主 が 点 (, ) > に犬が伸縮しない長さ一定の の紐でつながれている 今 飼主 が 軸正の水平方向に沿って犬を引っ張ったとき 犬の歩く軌跡はどのような曲線になるか? 動かないワン! (, ) 飼い主は水平移動 N.5.5.5.5.5.5 ピタゴラスの定理より N N N N N 点 における求める曲線の傾きを求めると d N より N d S 変数分離型微分方程式を解法する これは 典型的な変数分離型の微分方程式である.5.5.5.5.5.5 69 年ライプニッツが解を発見した S 微分方程式を作成する og の座標 (, ) として微分方程式を作成する は紐の長さ から 軸へ垂線を引き点 N とする sr を点 とする d d 以下 この微分方程式を解いていこう d S u 両辺を 乗すると u と置き置換積分を行う u より これを u で微分すると u > d du u u
より u d u u u du u u u u du u du u du u du du du u S 後半部の部分分数分解を実施する A B ( u )( u ) u u ( A B ) u ( B A ) ( u )( u ) 分子の係数を比較して A B を解いて A, B A B du du ( u )( u ) du du du u u S5 絶対値に注意して積分を実施する u log u log u C C は不定積分定数 u u log C u u より log C S6 符号をチェックする (, ),N は直角三角形の斜辺より N< < < N 分子の符号はマイナス! log C S7 有理化を実施しまとめる.5.5.5 ( ) log C ( ) log ( ) C log C S8 不定積分定数 C を求める のとき より C log この点 (, ).5.5.5.5.5.5.5.5.5.5 のときの Trcri のグラフ にカスプを持つ曲線を Trcri という 日本語では 追跡曲線, 猟犬曲線 とか 牽引曲線 と呼ばれている
S9 トラクトリッスをパラメーター表示する とおくと π π 下図より のとき より < < π < であることに注意しておく.5.5.5 log へ を代入すると log log log < であることに注意して絶対値を展開する log 倍角公式, を利用して log log log log n log n トラクトリックスのパラメーター表示 log n パラメーターの範囲 π < < π S パラメーターの範囲を拡張する π パラメーターの範囲を < < π から < < π に拡張して表示すると - - - - - - π < < より > をへ代入すると - - - S 別のパラメーター表示を実施する とおくとの取り方は下図のような.5.5.5 log log > より符号に注意して log log ( ) log ( )( ) ( ) log ( ) log log log n
Ercis 年旭川医科大学後期 π π 平面上の曲線 C を, log n < < で定義する d d (), を で表せ () 曲線 C 上の点 における接線と 軸との交点を Q とするとき 線分 Q の長さは一定であることを示せ この問題はトラクトリックスがベースになっていることがわかる ただし は として変数変換したが この問題は として変数変換していることがわかる 5 log n 三角関数の倍角公式 n n n n を5へ代入すると log n n log n より n n n log n n n n log n n log n n n log n π n であることに注意して π n n log π n n n の加法定理を使って π log n 旭川医科大学に出題されたトラクトリックスの式であることがわかる ただし, の変数が逆になっ ていることに注意しよう のとき hmic によるアニメーションを作成すると下図のようになる.5.5.5 Q -
解答例 d d d π π n n n 点 π π, log n, < < における接線の方程式を求める d n より 接線 ; π n ( ) log n を代入して 軸との交点 Q を求めると π n log n π log n 点 π Q,log n 距離公式より Q 線分 Qとなり一定の長さになる.5.5.5.5 Q d d d d n ( 答 ).5 Q.5 d d d d d d d ( 答 )
第 話縮閉線 極率円との関係について d (), における法線の方程式は ( ) 同様に 点 Q ( h, ( h) ) における法線の方程式は ( h) ( ) h,を連立方程式として解く ( h)( h), ( h)( h) lim lim h h h Ercis 年名古屋市立大 医学部 曲線 C: 上の 点 (, ), Q ( h, ( h) ) においてそれぞれの法線を引く 法線の交点をR とし h としたときのRの極限を R とする () R の座標を を用いて表せ () 点 が曲線 C 上を動くとき 点 R の軌跡を f ( ) の形で表せ f のグラフの増減 凹凸を調べて概形を書け ()() で求めた ( ) より 点 ( ) { ( )( )} h ( h)( h) lim h () より 点 R の軌跡の方程式は から を消去する を R, へ代入する () より - -
微分法による包絡線を求める方法 点 (, ) における法線の方程式 ; をパラメ-タ-としてを で微分する d d のとき 5 d d 6 を 7 へ代入すると 6 5 を へ代入すると 比較 ; と 8 は一致する ( ) 7 f の点 における法線 : f ( ) ( ) f ( ) 8 KWord 曲率円曲率中心曲率, が与えを円に近似する この円を曲率円 中心を曲率中心 曲率円の 67 年出版されたニュートン著 流率論 によると 曲線 f ( ) と曲線上の点 ( f ( ) ) られたとき の近くで曲線 f ( ) 半径の逆数を (, f ( ) ) での曲率と定義する 9 疑問点 ; をパラメーターとして法線 の通過領域の包絡線は何を意味するのだろうか? 右図より を無限に小さく動かすと 法線は動かす法線と曲率中心で交わる 法線の包絡線は曲率中心の軌跡を表している を について微分すると d f ( ) ( ) ( ( )) ( ) f d f f ( ) d を満たす を求めると d { ( f ( ) ) } f ( ) f ( ) を9へ代入すると ( ) ( f ( ) ) f f ( ) は曲率中心を表す 曲率半径 r ( ) ( f ( )) ( ( f ( ) ) ) f ( ) KWord 縮閉線曲線 f ( ) する と をパラメ-タ-とする曲線上の点 ( f ( ) ) Thorm 縮閉線と包絡線 f の法線族の包絡線である 縮閉線が曲線 ( ), における曲率中心の軌跡を縮閉線と定義
第 話ルーレット Roul 回転する正多角形について Roul とは hmic in Acion に記述されている多角形の回転である カテナリー曲線 上を正多面体が 滑ることなく回転している様子が描かれている h://mhworld.wolfrm.com/nobooks/curvs/ Roul.nb. b Eric W. Wissin, には 正三角形, 正四角形, 正五角形, 正六角形が曲線上を回転している様子がある 正三角形 S 正三角形の 辺の長さを求める B A 正四角形 O 点 は辺 AB の中点 O 正五角形 正六角形 上図から 多角形の中心の 成分が一定の値をとりながら回転している様子が理解できる hworld とは 軸と線対称なカテナリー の下を正三角形が滑ることなく回 転する場合について分析してみよう この正三角形は原点 O を中心とする半径 の円に外接する正三角形であることから O:OA:A:: 辺の長さ ABl とすると A より l S 孤 A なる点 の座標を求める A l A となる の 座標 を求める f とおく カテナリー曲線 ; ( ) f ( ) なる を求める
f 微分すると ( ) f ( ) とおくと A B O A O B S 必要な部分を ClosU してみる! ± > より log ( ) log ( ) < < の範囲のカテナリー上を正三角形は回 転する このとき 辺 AB の中点 の軌跡はどうなるのだろうか? < < の範囲でカテナリーを作図.5 O.5 A O [ 一定 ] 点 の軌跡は 点 を og 点 O を sr とする Trcri ではないだろうか? B A 点 の軌跡?.5 O 5.5.75.5.5.75 O 予測 Cnr と Trcri Trcri の縮閉線が Cnr になる Cnr の伸開線が Trci になる
Ercis カテナリーとトラクトリックスとの重大な関係 カテナリー h はトラクトリックス log n π < < π の縮閉線になる カテナリー曲線 C; トラクトリックスT; log n を重ねて作図してみる.5 法線の方程式 ; log n n 展開してまとめると log n ( 法線 ) これは 法線です.5.5 5.5.75.5.5.75 カテナリーがトラクトリックスの縮閉線になっていることが予想される S トラクトリックス上の法線を求める トラクトリックスT; 上 log n の点 における法線の方程式を求める d d, d n d d d d n 接線 の傾き n 法線 の傾き n ( ).5.5.5.5.5.5 S トラクトリックスの曲率中心を求める, log n を活用して この法線を に関して微分してみよう log n
log n log n のときが極率中心を表すので log n ( 法線 ) へ代入して log n log n 曲率中心 log n, 曲率半径 r r log n log n r n r n log log n n n u とおくと u をY へ代入して u ( u ) Y u よりu Y Y を代入すると 分母分子に Y をかけると となり 曲率中心の軌跡はカテナリーである 各点の座標をまとめると log n, log n, log n, S 曲率中心の軌跡を求める 曲率中心の軌跡の方程式 をパラメーターとする法線の包絡線の方程式を求めてみよう log n, Y より を消去する log n log log n
Ercis5 995 年大阪大学 f ( ) とおき 曲線 C; f ( ) を考える 辺の長さ の正三角形 QR は最初 辺 QR の 中点 が曲線 C 上の点 (, f ( ) ) に一致し QR が C に接し さらに が > f ( ) の範囲にあるようにおか れている ついで QR が曲線 C に接しながら滑ることなく右に傾いてゆく 最初の状態から 点 R が初めて曲線 C 上にくるまでの間 点 の 座標が一定であるように を定めよ 解答例 (, ( ) ) 線分 R f とする が曲線 C の上を接しながら滑ることな く傾き R が曲線 C と交わる点を R (, f ( ) ) の値を求めよう 曲線 C 上の距離 R ( ) とおく f となるの値 を求める ( ) f より Q R [ ] ( ) ± > より R R log C 上の点 R の 成分を求める f ( ) へ を代入すると R log, (#) f ( ) 上の点 R (, f ( ) ) める f ( ) f ( ) を代入すると f ( ) ( ) における接線の傾きを求 へ を代入 ( ) ( ) ( 接線の傾き ) この接線と 軸とのなす角を とすると n
正三角形 QR の頂点 を中心にして点 R を 回転した点の座標 R を求める n へ n を代入する > より n より n Q R 点, R が点, を中心に 回転すると O R (*) O OR R,,, O, Q を (*) へ代入 R R R は R を点 を中心に 回転した点である (*) より, を代入して ($) 点 を中心として回転するので R と R の 成分は一致する (#) の 成分 ($) の 成分 両辺に をかけて分母を払う でくくり因数分解すると ( ) ( ) ( )( ) または ( 不適 ) ( 答 )