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Transcription:

1. ゲル内細胞の免疫染色 蛍光観察の方法 以下の 1-1, 1-2 に関して ゲルをスパーテルなどで取り出す際は 4% パラホルムアルデヒドで固定してから行うとゲルを比較的簡単に ( 壊さずに ) 取り出すことが可能です セルカルチャーインサートを用いた培養ではインサート底面をメス等で切り取ることで またウェルプレートを用いた培養ではピペットの水流でゲル ( 固定後 ) を底面から浮かすことで 回収しやすくなります 1-1 凍結切片作製からの免疫染色 ( 蛍光観察 ) 1) 細胞を3 次元培養したゲルを4% パラホルムアルデヒドに一晩以上浸漬し 固定する 2) 必要に応じて1) の固定液を10~30% のスクロース水溶液に交換する (10 20 30% と段階的に または直接 30% を使用 浸漬時間は一つの液につき一晩程度 最終的にゲルが容器底面から浮いてくるまで ) 3) スパーテルやメスを使って固定されたゲルを取り出し OTCコンパウンド内に移して 5mm 角程度に刻む 4) OTCコンパウンドごと液体窒素などで凍結させる 5) クライオトームで凍結切片を作製し スライドガラスに固定する ( スライドガラスはMATSUNAMIの剥離防止コートスライドグラス FRONTIER FRC-04 推奨 ) 6) スライドガラスを風乾後 PBSにて洗浄しOTCコンパウンドを取り除く (10 分浸漬 2 回 ) 7) 必要に応じて PBSに0.1% TritonX-100を加えて溶液をスライドガラスの上に置き 切片中の細胞壁に穴を開ける ( 室温, 1mL, 5 分間 ) 8) PBSでスライドガラスを洗浄する (1mL 5 回 ) 9) カゼイン溶液やブロックワン ( ナカライテスク 10 倍希釈後 ) などブロッキングを行う ( 室温, 1mL, 1 時間 ) 10) 一次抗体を加えたブロッキング液で抗体反応を行う ( 室温, 200-300uL, 1 時間 ) 11) PBS またはPBSに0.1%tween20を加えた液でスライドガラスを洗浄する (1mL 5 回 ) 12) 二次抗体を加えたブロッキング液で抗体反応を行う ( 室温, 200-300uL, 30 分 ~1 時間 ) 13) 11) と同様に洗浄する 14) 封入剤とカバーガラスにてスライドガラスを封入する 15) 蛍光顕微鏡 共焦点レーザー顕微鏡で観察する 1

1-2 ゲル内細胞の固定後の直接染色免疫染色 ( 蛍光観察 ) 1) 細胞を3 次元培養したゲルを4% パラホルムアルデヒドに一晩以上浸漬し 固定する 2) スパーテルやメスを使って固定されたゲルを取り出し 5mm 角程度に刻んでから 適当な観察用容器に移し PBSにゲルを浸す ( 底面がガラスになっているウェルプレートなど ) 3) 必要に応じて PBSに0.1% TritonX-100を加えて溶液を加えて 切片中の細胞壁に穴を開ける ( 室温, ~5 分間 ) 4) PBSでスライドガラスを洗浄する (5 分浸漬 3 回 ) 5) カゼインやブロックワン ( ナカライテスク 10 倍希釈後 ) などブロッキングを行う ( 室温, ~1 時間 ) 6) 一次抗体を加えたブロッキング液で抗体反応を行う ( 室温, ~1 時間 ) 7) PBS またはPBSに0.1%tween20を加えた液で洗浄する (10 分浸漬 3 回 ) 8) 二次抗体を加えたブロッキング液で抗体反応を行う ( 室温, 30 分 ~1 時間 ) 9) 7) と同様に洗浄する 10) 封入剤とカバーガラスにてスライドガラスを封入する 11) 共焦点レーザー顕微鏡で観察する 1-3 ゲル内細胞の生死判別 ( 蛍光観察 ) 1) 細胞を3 次元培養したゲルについて 液体培地をカルセイン-AMとPI (Propidium iodide) の入った血清なし液体培地に交換する ( カルセイン-AMとPIの最終濃度は10uM DOJINDOなどから市販されています ) 2) 細胞培養用インキュベーター (37 5%CO2) で30 分インキュベーションする 3) 生細胞はカルセインで緑に 死細胞核はPIで赤に染色されていることを共焦点レーザー顕微鏡で確認する 2

2. ゲル内細胞の電子顕微鏡観察 ( 透過型電子顕微鏡 =TEM 超薄切片 ) 固定 洗浄 脱水などの操作が多いため 以下の 1) の操作によりゲルを固定した後にサンプルをセルカルチャーインサートへ移すと以降の操作が比較的簡単になります または初めからセルカルチャーインサート内で 3 次元培養を行い 1) 以降の操作を実施する方法も考えられます 1) 細胞を3 次元培養したゲルを2% グルタールアルデヒドと2% パラホルムアルデヒドが入った0.1MのPBSもしくは3% グルタールアルデヒドリン酸緩衝液に浸漬させ 4 で一晩保存する ゲルが柔らかく移動が困難な場合は 細胞培養を培養プレート内で行うことも可能です 2) 超純水もしくは蒸留水で洗浄する (10 分浸漬 3 回 ) また 培養プレートのままで行う場合は 1 回の洗浄時間を例えば30 分と長めに設定ください 3) 2% の四酸化オスミウム溶液に浸漬させ 室温で2 時間保存する (* オスミウムは毒性 揮発性が高いため ドラフト内で行い 処理中は遮光してください ) 4) 超純水もしくは蒸留水で洗浄する (10 分浸漬 3 回 ) また 培養プレートのままで行う場合は 1 回の洗浄時間を例えば30 分と長めに設定ください 5) エタノールで脱水する 例 : 30% エタノール 1 時間 ~ 一晩 50% エタノール 10 分 60% エタノール 10 分 70% エタノール 10 分 80% エタノール 10 分 90% エタノール 10 分 95% エタノール 10 分 100% エタノール 10 分 3 回 6) <Spurr resin:polysciences, Warrington, PA, USA 使用の場合 > プロピレンオキサイドでエタノールを置換する (10 分浸漬 3 回 ) 7) プロピレンオキサイド : 包埋樹脂 =1:1の液に1 時間浸漬する 8) 包埋樹脂 100% にゲルを1 時間浸漬後 包埋する ( エポキシ樹脂の場合は QY-1を用いて同様にする ) 9) ウルトラミクロトームで60-90nmの超薄切片を作製する 10) 酢酸ウラニル クエン酸鉛で染色する 酢酸ウラニルは2-4% の水溶液あるいは 50-100% のエタノールまたはメタノールで溶解 11) クエン酸鉛 : 硝酸鉛とクエン酸ナトリウムで調整 12) 電子顕微鏡で観察する 3

3. 内で 3 次元培養した細胞からの RNA の抽出方法 ( 概略 ) はペプチドからなるゲルであるため 小片組織 [ 細胞 +マトリックス ( タンパク質 )] から RNA を取り出し RCR を行う操作と同様の操作で PCR を行うことができます そのため 弊社ではゲルから細胞を分離せず ゲルごとそのまま各種 RNA 回収 Kit の通常プロトコールに従い RNA を回収し その後 cdna を合成し PCR を行います 以下に RNeasy Plus Micro kit と QlAzol Lysis Reagent ( 類似商品 :TRZOL Reagent ISOGEN) を用いて 中で培養された細胞から RNA 回収した実験例を示します ご参考にして頂ければ幸いです < 操作手順 > 1) 細胞を含んだゲル ( 細胞 ゲルの塊として およそ 100~300uL) をピペッティングによって破壊する 2) 遠心後 上清を除去する ( 遠心スピードは細胞回収時と同程度 時間は5~10 分程度と少し長めに設定をお願いします ゲルと細胞の塊が沈殿します ) RNeasy Plus Micro kit 3-1)QIAGEN 社 RNessy Plus Micro kit 付属のβ-ME を添加した Buffer RLT Plus 350µL を回収サンプルに添加する 3-2) 良く撹拌遠心 (vortex) する 3-3) その後は RNessy Plus Micro kit のプロトコールに従い RNA を回収する QlAzol Lysis Reagent ( 類似商品 :TRZOL Reagent ISOGEN) 使用 3-1)QIAGEN 社 QlAzol Lysis Reagent を 1mL 添加する 3-2) 良く撹拌遠心 (vortex) する 3-3) その後は QlAzol Lysis Reagent のプロトコールに従い RNA を回収する 4

4. 内で 3 次元培養した細胞からのタンパク質抽出方法 ( ウェスタンブロッティング用 ) 1) あらかじめ エッペンドルフチューブに1mLのプロテアーゼインヒビター入りPBSを加え 氷冷する (* ターゲットがリン酸化タンパク質の場合は プロテアーゼインヒビターに加え フォスファターゼインヒビター入りのTBSを使用 ) 2) また 同じく RIPA bufferにプロテアーゼインヒビターを入れて氷冷する (* ターゲットがリン酸化タンパク質の場合は プロテアーゼインヒビターに加え フォスファターゼインヒビターも使用する ) 3) 任意の方法で3 次元培養して得られたサンプル (= 細胞 / ゲル混合物 ) を 1) のエッペンドルフチューブに入れる 4) 4 8,500rpmで5 分間遠心する 5) 上清を捨て 2) の氷冷プロテアーゼインヒビター入りRIPA bufferを100~200ul 加える 6) 超音波プローブで超音波をあて DNAを破砕する ( 超音波の出力は最低値とし 氷水中で冷却しながら 5sec 超音波照射 10secインターバル を5 回繰り返す ) 7) 4 15000rpmで60 分間遠心する 8) 上清を回収し 氷上で保存し タンパク質定量操作 ウェスタンブロッティングへ移行する 5