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第 6 章 機器設置 配置基準 6-1 機器構成と各設備共通の設置 配置基準 6-1-1 機器構成 本システムに必要な設備は 以下のとおりである (1)IS 路側処理設備 (2) 道路状況把握設備 (3) 情報表示設備 (4)IS 管理設備なお IS 管理設備については サービスの管理体制に応じて省略してもよい 解説 本システムの機器構成について解説する 本サービスに必要な機器の構成を図 6.1.1-1 に示す IS 管理設備 道路管理者の IS 管理端末 監視場所に設置 IS 路側処理設備 道路状況把握装置 IS 路側処理装置 路側又は局舎内の同一場所に設置 可視または赤外画像撮 像装置 表示板 対象事象検出位置 情報伝達位置に設置 道路状況把握設備 情報表示設備 図 6.1.1-1 機器構成 85

(1)IS 路側処理設備 IS 路側処理装置で構成する (2) 道路状況把握設備道路状況把握設備は 撮像装置 機側装置と道路状況把握装置で構成する 撮像装置には可視画像式 赤外画像式の2 種類がある 撮像装置の選定は 事象の特徴 道路の特徴 環境条件等を考慮して行う 可視画像式は一般的であり 汎用性がありますが 特に夜間の事象 ( 停止車 低速車 ) 検知を重視する場合 また降雪 霧の多発箇所は赤外画像式が有利である (3) 情報表示設備 表示板で構成する (4)IS 管理設備 IS 管理端末で構成する 86

6-1-2 各設備共通の設置 配置基準 各設備に共通した機器設置 配置基準は 以下のとおりとする (1) 本サービスで必要な設備 (IS 管理設備は除く ) は サービス対象区間の近傍に設置する ことを原則とする (2) 各設備は関係法規の規定に従い設置する (3) 各設備の設置にあたっては 経済性 景観および保守性を十分考慮する (4) 歩行者の通行の妨げや 車両にとって見通し不良の要因とならないように設置する (5) 設備をポール等に設置する場合は 設備の底面高さが 2.5m 以上となるように設置する (6) 積雪寒冷地に設置する場合 屋内設置を考慮する (7) 光ファイバ網のクロージャまたはハンドホールが存在する場合は その近傍に設置する (8) 落雷 停電等を考慮してその対策をする 解説 (1) 本サービスで必要な設備 (IS 管理設備は除く ) は サービス対象区間の近傍に設置することを原則とする また サービス対象区間の近傍に設置できず離れた場所に設置する場合や 既存施設 ( 局舎等 ) を利用して屋内設置とする場合など 設備間の接続距離が長く信号の劣化が想定される場合は 信号中継装置を両者の間に設ける 光ファイバ伝送の場合は O/E E/O 変換装置を内蔵する 尚 O/E,E/O 変換装置 又はコーデックでの映像伝送で MPEG2(6.0Mbps 以上 ) の映像品質であれば画像処理が可能である (2) 各設備は 関係法規の規定に従い設置する (3) 各設備を設置するにあたっては 経済性 景観および保守性を十分考慮する (4) 各設備を歩道に設置する場合 歩行者の妨げにならないように設置する また 機器自体が車両にとって見通し不良の要因とならないように設置する (5) 各設備をポール等に設置する場合は 堆積雪高さや歩行者の通行の安全を考慮して設備の底面高さが 2.5m 以上となるように設置する (6) 積雪寒冷地に設置する場合 積雪および除雪堆積雪の影響を避けるため屋内 ( 専用局舎内 ) 配置を考慮する (7) 既存光ファイバ網のクロージャもしくはハンドホールが付近に存在する場合には その近傍に設置する (8) 落雷 停電等を考慮して 耐電性能を補償したトランスおよびUPSを採用するなどの対策をする 87

6-2 サービスにおける設置 配置の考え方 6-2-1 対向車両情報表示サービスの設置の考え方 対向車両情報表示サービスにおけるサービス対象区間 情報提供位置 表示板設置位置 対向 車両検知用撮像装置設置位置は 以下のように考える (1) サービス対象区間 サービス対象区間は カーブ区間内における対向車両の存在を情報提供する区間であり 情 報提供位置から見通し不良区間の終了地点までの区間とする (2) 情報提供位置 情報提供位置は カーブ区間内における対向車両の存在に関する情報をドライバーに提供す る位置とする (3) 表示板設置位置 表示板設置位置は 情報提供を行うための表示板を設置する位置であり 見通し不良区間開 始地点のサービス対象車両が走行する車線の路肩とする (4) 撮像装置設置位置 撮像装置設置位置は 対向車両を検知するための撮像装置を設置する位置であり カーブ終 了地点から距離 (L 5 ) 下流側の位置となる カーブ終了地点からの距離は式 6.2.1-1 および 式 6.2.1-2 より求める L 4 =(L 0 +L 2 ) (Ⅴ B /Ⅴ A ) ( 式 6.2.1-1) L 5 = L 4 -L 1 +L 3 ( 式 6.2.1-2) Ⅴ A = サービス対象車両の走行速度 [km/h] Ⅴ B = 対向車両の走行速度 [km/h] L 0 = 見通し不良区間長 [m] L 1 = カーブ開始地点から見通し不良区間終了地点までの距離 [m] L 2 = 表示板の判読所要距離 + 消失距離 [m] L 3 = 撮像装置検出外範囲 [m] L 4 = サービス対象車両が表示板の消失位置から見通し不良区間終了地点までの区間 を走行したときの所要時間内に対向車両が走行する距離 [m] L 5 = カーブ終了地点から撮像装置までの距離 [m] 88

解説 (1) サービス対象区間 本サービスの対象とする区間は 情報提供位置から見通し不良区間終了地点までの区間であ る カーブ区間は クロソイド曲線等の緩和曲線も含めてカーブ区間として扱います 見通し不良区間とは カーブ区間内における対向車両の存在を情報提供する区間であり カ ーブ区間の上流側を走行しているサービス対象車両からカーブ区間の道路線形が消失する箇 所 ( 以下 見通し不良区間開始地点 という ) とカーブ区間を走行しているサービス対象車 両から直線区間の線形が完全に回復する箇所 ( 以下 見通し不良区間終了地点 という ) の 間の道路区間と定義する 具体的には以下のとおり定義する (a) 見通し不良区間開始地点 センタラインのカーブ開始地点での接線と道路の最も外側との交点の位置 (b) 見通し不良区間終了地点 センタラインのカーブ終了地点での接線と道路の最も外側との交点の位置 図 6.2.1-1 に示すとおり 見通し不良区間長 L 0 は式 6.2.1-3 カーブ開始地点から見通し 不良区間開始地点の間の距離 ( 見通し不良区間終了地点からカーブ終了地点の間の距離も同 様 )L 1 は式 6.2.1-4 により算出される L 0 ={R+W(N 1)}θ 0 ( 式 6.2.1-3) θ 0 =θ 2cos -1 {R/(R+WN)} ( 式 6.2.1-4) L 1 ={R+W(N 1)}θ 1 ( 式 6.2.1-5) θ 1 = cos -1 {R/(R+WN)} ( 式 6.2.1-6) L 0 : 見通し不良区間長 (m) θ 0 : 見通し不良区間の中心角度 ( ) L 1 : カーブ開始地点から見通し不良区間開始地点の間の距離 (m) θ 1 : カーブ開始地点から見通し不良区間開始地点の間の中心角度 ( ) R: カーブ区間の曲線半径 (m) W: カーブ区間の車線幅員 (m) N: カーブ区間の片側車線数 ( 本資料では 1 車線 ) 89

見通し不良区間終了地点 L 1 対向車 L 0 半径 R θ 1 カーブ終了地点 見通し不良区間開始地点 見通し不良区間の中心角度 θ 0 L 1 カーブ区間の中心角度 θ θ 1 サービス対象車両 カーブ開始地点 W 図 6.2.1-1 カーブ区間における見通し不良区間の定義 (2) 情報提供位置 情報提供位置は カーブ区間内における対向車両の存在に関する情報をドライバーに提供す る位置であり 表示板設置位置より表示板の消失距離上流側の位置である サービス対象区間 必要視認距離 見通し不良区間 消失距離 判読所要距離 対向車 サービス対象車両 見通し不良区間終了地点 見通し不良区間開始地点 ( 表示板設置位置 ) 情報提供位置 図 6.2.1-2 情報提供位置 表示板設置位置 見通し不良区間の位置関係 90

(3) 表示板設置位置本サービスにとって最も条件の悪い状況は 比較的低速で走行しているサービス対象車両が表示板の手前の消失位置を通過したとき 比較的高速で走行してくる対向車両が撮像装置の車両検出範囲の直前にいる場合である この場合 サービス対象車両のドライバーは 対向車両の存在を知ることなくカーブ区間で対向車両とすれ違う可能性が高い できる限りこのような場合を避けるために 表示板は見通し不良区間開始地点のできるだけ近くのサービス対象車両走行車線の路肩に設置することを基本とし 現場の状況 ( 設置可否 視認性など ) を考慮して設置位置を決定する (4) 撮像装置設置位置撮像装置の設置位置は サービス対象車両と対向車両の相対的な位置関係を考慮しなければならない サービス対象車両のドライバーが対向車両に関する情報を知ることなく対向車両とカーブ区間ですれ違う可能性が高い条件は サービス対象車両が表示板の手前の消失地点を通過しようとするとき 比較的高速で走行してくる対向車両が撮像装置の車両検出範囲の直前に存在する場合であるから サービス対象車両が表示板の消失地点に存在する場合を前提として撮像装置の位置を決定する 撮像装置は サービス対象車両が表示板の消失地点を通過してから見通し不良区間を通過し終わる時間内に 対向車両が見通し不良区間に進入することがないように配置しなければならない したがって 撮像装置は サービス対象車両が表示板の消失地点から見通し不良区間終了地点までの区間を走行したときの所要時間内に対向車両が走行する距離 (L 4 ) だけ 見通し不良区間終了地点より下流の地点で対向車両の存在を検出できるように設置する 撮像装置の替わりに超音波車両検出装置を使用する場合も同様である 91

見通し不良区間終了地点 L 4 L 3 見通し不良区間 L 0 L 1 L 5 見通し不良区間開始地点 表示板 対向車 (Ⅴ B ) 撮像装置 L 2 サービス対象車両 (Ⅴ A ) Ⅴ A =サービス対象車両の走行速度 [km/h] Ⅴ B = 対向車両の走行速度 [km/h] L 0 = 見通し不良区間長 [m] L 1 =カーブ開始地点から見通し不良区間終了地点までの距離 [m] L 2 = 表示板の判読所要距離 + 消失距離 [m] L 3 = 撮像装置検出外範囲 [m] L 4 =サービス対象車両が表示板の消失位置から見通し不良区間終了地点までの区間を走行したときの所要時間内に対向車が走行する距離 [m] L 5 =カーブ終了地点から撮像装置までの距離 [m] L 2 の算出方法については 6-3 情報表示設備 に示す L 3 の算出方法については 6-4 道路状況把握設備 に示す 図 6.2.1-3 対向車両情報表示サービスにおける配置例 92

6-2-2 前方停止車両 低速車両情報表示サービスの設置の考え方 前方停止車両 低速車両情報表示サービスにおける情報提供位置 表示板設置位置 撮像装置 配置位置は以下のように考える (1) 情報対象区間 路側の設備からドライバーに提供する情報の対象となる区間を 情報対象区間と定義する (2) 情報提供位置 事象に関する情報をドライバーに提供する位置を 情報提供位置と定義する 情報提供位置は 情報対象区間で事象が発生したとき 情報対象区間に向かって走行する車両 が減速または停止することを期待するサービスにおいて ドライバーが事象の情報を視認し判 読完了してから減速が開始されるまでの反応時間および車両の減速度から求める 事象位置に関する理論的な情報提供位置は 情報対象区間の開始点 ( 事象検出開始地点 ) か ら式 6.2.2-1 により算出するLで示される距離だけ上流側となる 2 V L V T 2 ( 式 6.2.2-1) ただし L=サービス対象車両の制動停止距離 [m] V=サービス対象車両のサービス上限速度 [m/s ] α=サービス対象車両の車両の通常減速度 (2.4or1.0/s 2 )[ m m/s 2 ] T=ドライバーの反応時間 (2.5 秒 )[s] (3) 表示板設置位置表示板設置位置は 情報提供を行うための表示板を設置する位置であり 事象検出開始地点から表示板設置距離 (L p ) 上流側となる 表示板設置距離は以下に示す式 6.2.2-2 式 6.2.2-3 より求める L 2 H p h p h ( 式 6.2.2-2) tan c ただし L 2 = 消失距離 [m] H p = 表示板の設置高さ [m] h p = 表示板の高さ [m] h= ドライバーの視線高さ ( 通常 1.2m)[m] θ c = ドライバーの目線角度 ( 通常 7 ) L L ( 式 6.2.2-3) L p = 2 ただし L = 表示板設置距離 [m] p 93

(4) 撮像装置の配置 停止車両 低速車両の存在を検出する撮像装置は 事象検出区間全体を網羅できるように配 置しなければならない (5) 余裕距離 表示板の計算上の設置位置から実際の設置位置までのかい離の許容範囲を規定した距離であ る 余裕距離は 最大 170m とする 解説 (1) 情報対象区間 情報対象区間は 停止車両 低速車両を検知している区間 またはカーブ区間等路側設備が 提供する情報の対象となる区間である (2) 情報提供位置 情報提供位置は 事象に関する情報をドライバーに提供する位置である 情報提供位置は 式 6.2.2-1 により算出する (3) 表示板設置位置 表示板設置位置は 事象検出開始点より表示板設置距離 (L p ) 上流側の位置であり 情報提 供位置より消失距離 ( ドライバーが表示板の表示が視認できなくなる距離 ) だけ下流となる 情報提供位置 表示板設置位置 情報対象区間の位置関係を図 6.2.2-1 に示す 制動停止距離 L 必要視認距離 L 1 情報対象区間 情報板設置距離 Lp 消失距離 L2 判読所要距離 Lr 事象位置 事象検出 開始地点 地点 C 地点 B ( 情報板設置位置 )( 情報提供位置 ) 図 6.2.2-1 情報提供位置 表示板設置位置 情報対象区間の位置関係 94

(4) 撮像装置の配置停止車両 低速車両の存在を検出する撮像装置は 事象検出区間全体を網羅できるように配置しなければならない 撮像装置の配置方法は カーブの曲線半径や道路交角により異なる 撮像装置の車両検出範囲の制約により カーブの曲線半径が大きくなるにつれて またカーブの道路交角が大きくなるにつれて 必要な撮像装置設置数は多くなる 事象検出開始地点は 曲率 Rの円弧と車線中央線の延長線の交点分だけカーブ開始地点より先である 事象検出終了地点は カーブ終了位置からL 3 だけ先の地点である カーブ終了地点から視距が確保可能なカーブ上の位置から制動距離 Lで停止するサービス対象車両の事象検出終了地点とカーブ終了地点との差がL 3 である 事象検出開始地 点 停止 低速車両検知カメラ L p L 2 停止 低速車両検知カメラ 停止車 L サービス対象車両 表示板 カーブ終了地点 R カーブ開始地点 停止車 L 3 事象検出終了地点 ( 内側車線 ) L: 制動停止距離サービス対象車両のドライバーが表示を見て判読後に制動操作を開始し 車両を停止させるまでの距離 L p : 表示板設置距離事象検出開始地点から表示板までの距離 L 2 : 消失距離サービス対象車両がこれ以上接近すると表示を判読できなくなる地点と表示板までの距離 L 3 : カーブ終了地点から事象検出終了地点までの距離 図 6.2.2-2 前方停止車両 低速車両情報表示サービスの撮像装置配置例 95

(5) 余裕距離実配置においては 表示板の計算上の設置位置から実際の設置位置までのかい離の許容範囲を 計算上の設置位置を基点として上流側に対して余裕距離の範囲とする この余裕距離は 最大 170m とする この値は 道路標識設置基準における警戒標識の設置場所は 屈曲 屈折始点の手前 30m から 200m までの地点における左側の路端とする という規定に準じて設定した 出典: 社団法人日本道路協会発行の道路標識設置基準 同解説 ( 昭和 62 年 1 月 ) 96

6-2-3 組み合わせサービス ( 対向車両情報表示サービス+ 前方停止車両 低速車両情報表示サービス ) の設置の考え方対向車両情報表示サービスおよび前方停止車両 低速車両情報表示サービスを同じカーブ区間で提供するときには 6-2-1 対向車両情報表示サービスの設置の考え方 および 6-2 -2 前方停止車両 低速車両情報表示サービスの設置の考え方 に記述したサービス対象区間と情報提供位置を勘案して 撮像装置および表示板の位置を決定する必要がある (1) サービスで対象とする区間の考え方本サービスの対象とする区間は 対向車両情報表示サービスのカーブへの進入路区間と 前方停止車両 低速車両情報表示サービスのカーブの見通し不良区間である (2) 情報提供位置の考え方走行中の車両に情報を知らせる情報提供位置は サービス毎に以下のとおりである 対向車両情報サービスでは 見通し不良カーブ区間でのすれ違う可能性のある車両の情報をサービス対象車両と対向車両がカーブ区間に進入するタイミングと走行速度に留意して 表示板および撮像装置 ( 道路状況把握装置 ) を配置する また 前方停止車両 低速車両情報表示サービスでは 見通し不良カーブの最も入り口に近い地点に停止車両が存在するとしたとき 停止車両の直前で停止できる制動距離より手前の地点で その存在を知らせる配置とする 解説 (1) 組み合わせサービスで対象とする区間対向車両情報表示サービスで対象とする情報対象区間は 見通し不良カーブ区間およびカーブへの進入路区間である また 前方停止車両 低速車両情報表示サービスで対象とする情報対象区間 ( 見通し不良区間 ) は 情報対象区間の開始点から 終了点までの区間である これらの区間の考え方は 6-2-1 対向車両情報表示サービスの設置の考え方 および 6-2-2 前方停止車両 低速車両情報表示サービスの設置の考え方 に記述した内容と同じである 97

(2) 情報提供位置 (a) 対向車両情報表示サービスの情報提供位置 対向車両情報表示サービス用の情報提供位置は サービス対象車両のドライバーがより新 しい対向車両の情報を認識できるように カーブ区間内の事象検出開始地点に設置する この場合 カーブ区間におけるはみ出し対向車両による衝突事故を避ける上で 対向車両 相互で相手の存在を認識できるように カーブ双方向での情報提供が必要である (b) 前方停止車両 低速車両情報表示サービスの情報提供位置 前方停止車両 低速車両情報表示サービスの情報提供位置は 6-2-2 前方停止車 両 低速車両情報表示サービスの設置の考え方 に記載のとおり サービス対象車両のドラ イバーが情報を認識した後 停止車両や低速車両の手前で停止できるように 事象検出開始 地点から制動停止距離を確保できる位置に設置する (c) 組み合わせサービスにおける情報提供位置 1 つのカーブ区間において 対向車両検知サービス および 停止車両 低速車両検知サ ービス の両サービスを提供する場合には 事象検出開始地点に対向車両情報表示サービス 用の情報提供用表示板を カーブ区間の上流側に前方停止車両 低速車両情報表示サービス 用の表示板を用意する必要がある これらの考え方を元にした サービス区間と設備配置例を図 6.2.3-1 に示す 98

見通し不良カーブ区間 ( 事象検出区間 ) 停止車 停止車両 低速車両検知センサ 表示板 表示板 ( 対向車両情報表示用 ) ( 停止車両 低速車両情報表示用 ) 対向車両検知センサ 表示板 ( 対向車両情報表示用 ) 停止車両 低速車両検知センサ 表示板 ( 停止車両 低速車両情報表示用 ) 情報表示板の配置 : 1 対向車両情報表示サービス用の表示装置は カーブ区間内の事象検出開始地点への設置が望ましい 2 前方停止車両 低速車両情報表示サービスと対向車両情報表示サービスの情報表示板を一つに統合する場合は サービスの優先度に応 じて配置を決定する 対向車両検知センサ 図 6.2.3-1 組み合わせサービスにおけるサービス区間および配置例 99

6-3 情報表示設備 情報表示設備を構成する機器の設置 配置の考え方は以下のとおりである (1) 設置 配置の方針 情報表示設備は サービス対象区間に配置する 停電 地震等の非常時に備えた設置とする 保守 点検に配慮した設置とする (2) 設置位置の設定表示板の設置位置は 表示板をドライバーが視認できる距離 ( 必要視認距離 ) 表示板が見えなくなる距離 ( 消失距離 ) から設定する また 計算位置に設置できない場合は サービスの事象位置から より上流に余裕距離として定めた距離の範囲で設置する (3) 設置施工における留意事項表示板は 縦型または横型を設置する 解説 (1) 設置 配置の方針 (a) 機器の配置位置の制約 ( ア ) 情報表示設備は サービス対象区間に配置する 設備を設置する局舎等が既にある場合は 表示部と制御部を分散して配置することも可能である ( イ ) 表示板と他の表示板 道路標識と隣接して設置する場合 互いに視線の妨げにならないように十分な距離をとる それら相互の間隔の決定については 道路標識設置基準に準拠して行う ( ウ ) 表示板の設置位置として2カ所以上の候補がある場合 より安全側である設置位置を選択する サービス提供場所がスピードの出しすぎによる車線逸脱等の事故削減も設置目的に含む場合 車両に減速を促すため 停止車両 低速車両等の事象発生していない場合も カーブ注意 等の注意喚起を行う この場合 注意喚起の情報提供位置は カーブ入り口で安全速度へ減速できる位置とする (b) 非常事対応 1 日 24 時間運用が基本であり 設備の施工において以下の留意が必要である ( ア ) 停電対策情報表示設備は 原則として 無人環境で 24 時間連続運転すると規定している このため 停電時には故障表示 ( 例 : 固定表示板: 調整中 ) ができるように機械式表示板等を設ける 100

( イ ) 耐震対策設置する装置および機器収納架は移動 転倒しないよう強固に固定し 必要により耐震補強を行い耐震性を確保する また 車両の通過等に伴う振動が直接きょう体内機器に影響しないような施工とする (c) 保守 点検対応保守作業を行うための十分な保守スペースを確保するなど保守 点検に配慮した設置とする (d) その他積雪寒冷地においては 積雪高さを考慮して設置土台を設ける (2) 設置位置の設定表示板の設置位置を算出するために 必要な距離の算出についての考え方を以下に述べる なお以下の計算位置に設置できない場合は サービスの事象位置から より離れた方向に余裕距離として定めた距離の範囲で設置するものとする (a) 判読所要距離の算出表示板に表示された内容を判読するために必要な距離を算出する計算式を以下に示す 判読所要時間 :t r =0.13 M ( 式 6.3-1) ただし t r : 判読所要時間 [s] M: 文字数 判読所要距離 :L r =V t r ( 式 6.3-2) ただし L r : 判読所要距離 [m] V: 車速 [m/s ] t r : 判読所要時間 [s] (b) 必要視認距離算出の考え方必要視認距離 L 1 [m] と文字サイズの関係を以下に規定する 出典: 社団法人日本道路協会発行の道路標識設置基準および解説 ( 昭和 62 年 1 月 ) L 1 = 5.67 h c k 1 k 2 k 3 ( 式 6.3-3) ただし L 1 : 必要視認距離 [m] h c : 表示文字の高さ [cm] k 1 : 文字の種類による補正係数 (0.6~1.2) k 2 : 文字の複雑さによる補正係数 (0.85 ~1.0) k 3 : 走行速度による補正係数 (0.77 ~1.0) 101

(c) 消失距離算出の考え方 消失距離 L 2 [m] とドライバーの関係を以下に規定する L 2 H p h p h ( 式 6.3-4) tan c ただし L 2 : 消失距離 [m] H p : 表示板設置高さ [m] h p : 表示板高さ [m] h : ドライバーの視線高さ [m] 通常 1.2 m θ C : ドライバーの視線角度 [m] 通常 7 必要視認距離と消失距離の位置関係を 図 6.3-1 に示す 消失距離とは 車両が表示板に 近付いたとき 表示板の表示内容をドライバーが確認できなくなる距離である hp h p : 情報板高さ (m) H p : 情報板設置高さ (m) H p 視線角度 θ C ドライバの視線高さ h (m) 消失距離 L 2 消失位置 判読所要距離 Lr 情報板位置 必要視認距離 L 1 視認位置 図 6.3-1 表示板における必要視認距離と消失距離の位置関係 (3) 設置施工における留意事項 (a) 支持方式表示板と他の表示板 道路標識と隣接して設置する場合 互いに視線の妨げにならないように十分な距離をとる それら相互の間隔の決定については 道路標識設置基準に準拠して行う 102

(b) 表示板の支持高さ 表示板の支持高さは 一般道路では 道路構造令の解説と運用 ( 昭和 58 年 2 月社団法 人日本道路協会 ) に 高速道路等では 日本道路公団設計要領第 5 集第 13-3 編可変式 道路表示板設置要領 ( 日本道路公団 ) に従い 片持式の場合 ( 路面と取付けた表示板の下端 の長さ ) 以下のとおりとする ( ア ) 一般道路 2.5 m 以上 ( 路側に設置の場合 ) 4.5 m 以上 ( 車道上へ設置の場合 ) ( イ ) 自動車専用道路 5m 以上 (c) 表示板の表示面の方向角 表示板の表示面の方向角は 日本道路公団設計要領第 5 集第 13-3 編 可変式道路表示 板設置要領 ( 日本道路公団 ) を参考にし 表示板面の直角方向が 視認開始地点と消失位置 の中間程度に設置する 進行方向車線中央部 情報板 直角 消失位置 視認範囲の中間位置 消失距離 L/2 視認範囲 L 必要視認距離 L 1 出典 : 日本道路公団設計要領第 5 集第 13-3 編可変式道路表示板設置要領 ( 日本道路公団 ) 図 6.3-2 表示板の表示面方向角の説明 103

6-4 道路状況把握設備撮像装置装置の種類 設置高さと俯角 設置場所は 適用する道路の道路線形や実勢速度により実勢に合わせて決定する (1) 設置 配置の方針 道路状況把握装置は 原則としてサービス対象区間の近くに配置する 停電 地震等の非常時に備えた設置とする 保守 点検に配慮した設置とする なお 道路状況把握装置の機能面からは配置上の制約はない (2) 撮像装置における設置 配置上の留意事項設置場所の特殊な条件によって制約が生じる場合は 各条件に応じた配慮が必要である 解説 (1) 設置 配置の方針 (a) 機器の配置位置の制約撮像装置は検出対象を検知できる位置に配置する しかし 道路状況把握装置は検知できる位置に配置する必要はない 設備を設置する局舎等が既にある場合は そこに集約して配置することも可能である (b) 非常時対応本システムは道路交通と同様に 24 時間運用が基本であり 停電 地震等の非常時に備えた設置とする ( ア ) 非常用電源の設置道路状況把握設備は 電源の瞬断等によるデータの破壊を防止するため無停電電源装置からの電源供給を基本とする ( イ ) 耐震対策設置する装置および機器収納架は移動 転倒しないよう強固に固定し 必要により耐震補強を行い耐震性を確保する (c) 保守 点検対応保守作業を行うための十分な保守スペースを確保するなど保守 点検に配慮した設置とする 特に 屋外に設置する場合には 道路脇であることを考慮し保守のための作業領域の確保が必要である 設置場所での作業が不可能な場合は 移動して行うことを含めて検討する 104

設置高さ(2) 撮像装置における設置配置の留意事項撮像装置の設置 配置は 6-1-2 各設備共通の設置 配置基準 に準拠して行う 撮像装置固有の設置 配置の留意事項を以下に示す (a) 使用する撮像装置の選定撮像装置は 2-2-4 道路状況把握装置選定の考え方 あるいは 5-2 機器構成 (2) 道路状況把握設備 (b) に基づき 設置場所に合った装置を選択する (b) 検出率の向上を図る必要がある場合は 複数の撮像装置で監視する 異なる方向から監視することで シャドウイングによる検出率の低下を防ぐ 異なる種類の撮像装置を併用して 検出率の向上を図る (c) 設置高さと俯角設置高さと俯角により 手前側に生じる撮像装置視野外の範囲が変化するので 検出率が最適となるように 現場の状況に合わせて調整する (d) 未検出部視野内に進入した車両に対する検出処理を完了するためには 撮像装置視野手前側に一定の範囲を必要とし この範囲に未検出部が生じる 垂直画角範囲から未検出部を除いた部分が検出対象範囲となる 直線部では 検出対象範囲を長くするような 設置高さと俯角の組み合わせを採用する カーブ半径が小さい場合には カーブにより視界が妨げられるため 撮像装置から見通せる範囲は短くなる そのため 俯角を大きくして手前の撮像装置視野外の範囲がより短くなるようにする センサ 俯角 垂直画角 センサ視野外 検出対象範囲 未検出部 検出外範囲 ( 直下 ) 視野最近部 視野最遠部 図 6.4.1-4 撮像装置の設置高さと俯角 (e) カーブ等による死角の影響 カーブにより視界が妨げられ 撮像装置 1 基あたりの検出対象範囲が短くなる また 視 界が確保されている領域のうち 手前側 x[m] の区間は未検出部であるため 検出対象範囲 105

はさらに縮小する これらの点を考慮して 撮像装置の配置を計画する センサ 水平画角 x 視界の左端 最遠部 検出範囲 視界の右端 最近部 道路外側の接線 x: 車両の認識に必要な区間 死角 道路内側の接線 図 6.4.1-5 カーブ等による死角の影響 (f) 揺れの許容量 各撮像装置の揺れの許容範囲は 計測最遠方位置での位置 速度の計測精度が確保できる ように定める 106

6-5 IS 路側処理設備 IS 路側処理設備を構成する機器の配置 設置の考え方は以下のとおりである (1)IS 路側処理設備の配置 IS 路側処理設備は原則としてサービス対象区間近くに配置する なお IS 路側処理設備の機能面からは 配置上の制約はない (2) 非常時対応停電 地震等の非常時に備えた設置とする (3) 保守 点検対応保守 点検に配慮した設置とする なお IS 管理設備がないシステムの場合 運用 保守作業は本装置を介して実施することになるため 運用 保守の利便性を考慮し 以下の配慮をする 運用 保守員のための駐車スペースの確保 運用 保守の作業スペースの確保 解説 (1)IS 路側処理設備の配置 IS 路側処理設備は原則としてサービスを提供する区間の近くに配置する しかし IS 路側処理設備が保有する機能の面からはサービス対象区間の近くに配置する必要性はない 設備を設置する局舎等が既にある場合は そこに集約して配置することも可能である (2) 非常時対応本システムは道路交通と同様に1 日 24 時間運用が基本であり 停電 地震等の非常時に備えた設置とする (a) 非常用電源の設置 IS 路側処理設備は 電源の瞬断等によるデータの破壊を防止するため無停電電源装置からの電源供給を基本とする (b) 耐震対策設置する装置および機器収納架は移動 転倒しないよう強固に固定し 必要により耐震補強を行い耐震性を確保する (3) 保守 点検対応保守作業を行うための十分な保守スペースを確保するなど保守 点検に配慮した設置とする 特に 屋外に設置する場合には 道路脇であることを考慮し 保守のための作業領域の確保が必要である 設置場所での作業が不可能な場合は 移動して行うことを含めて検討する 107

6-6 IS 管理設備 IS 管理設備は 以下の方針で配置 設置する (1) システムを運用する組織の体制に従って配置する (2) 屋内設置を基本とする なお 本システムでは 通信ネットワークが未整備で路側設備単独での運用 保守が可能と判断した場合は 本設備の設置を省略できる 解説 (1)IS 管理設備の配置システムを運用するためには 個々の路側設備を管理運用する担当者および責任者に必要な情報を提供できるように IS 管理設備を配置する このため IS 管理設備は 管理運用部門の配置場所に合わせて配置する (2) 屋内への設置 IS 管理設備は 運用担当者が運用操作することに加え 動作環境の安定性およびセキュリティ対策の観点から システム監視が可能な屋内設置が望ましい また 空調設備等を設置して 動作環境を一定に保つ対策を施す IS 管理設備の動作環境の一例を以下に示す 温度:+5~+35 湿度:20~80%RH( 結露なきこと ) 108