MATLAB EXPO 10 月 31 日 MATLAB を用いたリチウム イオン電池の実践研究 リチウム イオン電池の用途 基本特性 性能要求 立命館大学福井正博 2 今起きていること EV 続いて定置用蓄電池ブームが来る EV ブームの背景 : 急激な環境対応車シフト中国 : 環境問題により EV にシフト (ZEV 規制 :2020 年に 100 万台 ) 米国 : カリフォルニア ZEV 規制 :2025 年に 150 万台ドイツ : 燃費規制 (ZEV 規制 :2020 年に 100 万台 ) トヨタ ホンダも EV 開発をせざるを得なくなっている 充電器普及が加速される EV がより普及推進される 共同住宅へも充電器設置が進む 自動車各社が蓄電池保障に向かう (5 年保証 あるいは 10 万キロ補償 ) 3 エネルギーの多極化と電力融通 V2G: どこで給電するか? G2V: どこで充電するか? F2V: どこで水素補給するか? G2F: どこで水素に変換するか? EV 自然エネルギー 系統 スマートセンサー : 蓄電池の常時管理 最適充放電 最適エネ変換 ( 電 蓄 水 ) FV 2035 以降エネルギーネットワーク社会 水素エネルギー 水素ステーション 4 LiB は夢の蓄電デバイス. しかし リチウムイオン蓄電池の仕組み ( 充電 ) Energy Density [Wh/Kg] 250 200 150 100 50 0 Pb Ni-ad BMS の開発 動作検証が困難 高容量化 低コスト化のプレッシャーが強いしかも 安全が求められる 劣化 温度変動を考慮した高精度 BMSが必須 Ni-H 1850 1900 1950 1990 2000 Li- 正極 負極材料の組み合わせが多い Ni o Mn athode: Li y-x M n2 O 4 xli x Li y M n2 O 4 Li Li Li Li Li y M n2 O 4 e- Electrolyte Solution Anode: Li Li Li Li Li Li Li Li 5 6 1
電池構造 電解質抵抗早い反応 電池構造と等価回路の関係 Al 正極 Li Li u 負極 活物質表面抵抗早い反応 ( 時定数が数 ms) 放電曲線と電池容量 内部抵抗 ( 内部インピーダンス ) は温度 SO 依存 等価回路 OV 開放電圧 電解質 Re 電解質抵抗 電極表面 Rct 表面抵抗 dl 活物質 ( 拡散 ) Rz 拡散抵抗 z 拡散インピーダンス遅い反応 ( 時定数が 30min ~2h) ナイキスト図 ( 交流インピーダンス ) ω1/r ct dl Rz は時間と共に増える 高温 低温 電池容量 (F) は温度 電流依存 Re Rct Rz 7 8 MATLAB 製品を活用した研究開発事例 ( 適用例 1) カルマンフィルタを用いた残量計アルゴリズム 9 IoT データサイエンス IoT 型蓄電池スマートセンサーの開発 データ分析 ( 統計処理 ) 深層学習 データーセンター 機械学習 センサーネットワークによる蓄電池の動的診断 蓄電池モデル化技術 マイコン実装技術 11 ネットワーク実装技術 12 2
(1) カルマンフィルタによる状態予測 棒の位置は見える ( 観測値 y k ) k は離散時間 カルマンフィルタ概説 ノイズ ノイズ ねずみの位置は見えない ( 状態 x k ) ( 問題 ) 時間 k のねずみの位置がわかっているときに 時間 k1 の位置を推定しなさい ねずみの動き 外からは 中が見えない箱 13 14 時間 k1 でのねずみの位置 対象システムの記述 時間 k でのねずみの位置 外的要因 ( 餌のにおいなど ) 不確定要因 ( ノイズ ) ねずみは この方程式に従って動く 予測ステップ : ねずみは状態方程式に従って移動する 不確定要因 ( 観測誤差 ) 状態方程式 観測方程式 ねずみの位置と棒の位置の関係 時間 k での棒の位置 および は それぞれ平均が 0 の正規ノイズ従って E[ ]0,E[ ]0 15 16 補正ステップ : 観測値の変化を使って推定精度を上げる ねずみが いると仮定したときの棒の位置 ( 観測値 ) 実際に見えている棒の位置 ( 観測値 y k1 ) 棒の位置情報も参考にしてみよう! 観測値から推定精度を上げる ( 事後推定 ) 真値はわからない ねずみのいる位置 ( 真値 ) 事前状態推定誤差 事後推定 - 観測誤差 カルマンゲイン - g k1 17 18 3
カルマンフィルタをブロック線図で描くと 拡張カルマンフィルタの処理フロー 予測ステップ T 状態と誤差共分散 の事前予測 T 2 制御入力 システムノイズ フィルタリングステップ gk1 ねずみの位置 の補正値 /( (I gk1 ) ( σ - 2 ) ) カルマンゲインの計算 の初期値 状態と誤差共分散の補正 平均 分散 19 分散 プラント 状態空間方程式 事前の 平均 観測ノイズ カルマンゲイン ( ) 事後の 平均 分散 観測方程式 観測値 観測量の 推定値 20 MATLABデモ リチウムイオン蓄電池等価回路モデル構築 カルマンフィルタのSimulinkモデル ontrol System Toolbox システムノイズ 制御入力 観測ノイズ プラント 平均 分散 観測値 設定するパラメータ の初期値 状態空間方程式 観測方程式 の分散 の分散 観測量の 推定値 21 22 MATLABデモ カルマンフィルタを用いた残量推定システム 適用例② リチウムイオン組蓄電池用 性能 劣化シミュレータの構築 23 4
EV用蓄電池最適化システム モデルベースシステム設計 モデル 計算機上 電池データ 電池モデル 機構モデル モデル化 EV用蓄電池 性能 劣化シミュレータ 高精度残走行距離メータ 車両モデル 最適化 環境モデル 車体走行データ 実設計への反映 検証 地図データ 勾配 カーブ 渋滞情報 速度 天候 実データ収集 筑波サーキット EVカートレース(2017.10) 25 環境情報の 定義 環境温度 充放 電スケジュール 他 劣化しやすい バランスが崩れる要因となる 放熱 SOC計算 温度分布計算 26 組電池の温度管理 組蓄電池用劣化シミュレータの構成 組蓄電池の 構成定義 LIB部門2位 学生1位 放熱 FCC計算 劣化計算 温度, SO, 電流補正 電流計算 充放電による発熱 内部ほど熱く 周辺ほど温度が低い 温度 SO 容量 内部抵抗のばらつきは 性能低下や 劣化加速の要因となる 劣化によるモデル F,R) の変動を毎時間アップデート 27 28 熱回路による表現 Battery 発熱と放熱 空気流による 放熱 熱流量 Rin, in : 蓄電池の熱抵抗 熱容量 Ra, a : 空気の熱抵抗 熱容量 熱抵抗 熱抵抗 環境温度 表面温度 トータルの熱収支 内部温度 電池 熱容量 内部抵抗による ジュール熱 化学反応による エントロピー熱 熱容量 in d (Tin Ts ) Qs Q j q 29 dt q Qs, Qj 30 5
熱回路による表現 ( 組電池 ) バッテリーの等価回路モデル ( 電気 熱 ) Simscape 電気系と熱系の連成解析が可能 外部環境の温度 バッテリー内部の電力損失に伴う発熱の解析が可能 バッテリー電流 [A] バッテリー電圧 [V] 蓄電残量 SO [%] バッテリー温度 [ ] 31 32 劣化加速率 [%] 1 2 4 保存劣化の補正係数キャリブレーションによるフィッティング ( 仮説 )Δx e βi ( 仮説 )Δx e βi -10-5 0 5 10 放電電流 [A] 劣化加速率 [%] 0.1 1 10 温度 [ ] 劣化加速率 [%] 0 1 2 0 10 20 30 40 0 0.5 1.0 SO 劣化加速率 [%] 1 2 4-10 -5 0 5 10 劣化モデル 放電電流 [A] 実測定 初期を 100 とした時の容量の変化 [%] 110 100 90 80 70 60 50 40 0 50 100 150 200 期間 [ 日 ] 0 0.5 0.5 推定値 1 1 推定値 33 34 MATLAB/ Simulink の歩き方 試作 : とりあえず試してみるのが簡単とりあえず Simulink で組み立て 工夫したいところは MATLAB でコード作成 教育 : 初学者にイメージを伝えるのが容易数式だけだと敷居が高くても 簡単な動作をつけると理解しやすい コミュニケーション : 共同研究者との共通理解 技術トランスファーが容易 自動化 : 組込みシステムへの自動アップロードと実動作の確認ができる ( 設計 TAT の短縮 ) まとめ 蓄電池を中心とした EV やスマートグリッドシステムへの MATLAB 活用事例を紹介した MATLAB は電卓や EXEL 並みの使いやすさでシステムレベルのモデル化 シミュレーション フィティング 最適化を有機的にこなす 化学系 ( 電池 ) 熱系 ( 温度解析 ) 電気系 ( 回路 ) の混在するシステムのモデル化 解析に有効である 今後は MATLAB からスマートセンサープログラム ( パラメータ ) の自動アップデートに取り組む 35 36 6
OV-SO特性 実験データ を多項式で近似 urve Fitting Toolbox GUI上で多項式近似の推定作業を一度行うと その作業を一つの関数の形でMATLABコードに 自動変換することが可能 異なるSO OVの実験データを使って同じ多項式近似の作業をした いときはそれを自動化することが可能 付録 OVとSOの関係を表す 実験データを設定する 実験データにフィッティングする 多項式の数式を定義する フィッティングされた多項式の 係数の推定結果を確認する 実験データ と フィッティングされた多項式 ー を 重ね合わせたグラフで確認する 37 OV-SOの多項式の数式処理 微分など カルマンフィルタを用いた蓄電残量の推定 Symbolic Math Toolbox この部分は ExcelやMATLABで作られたロジックがあれば そのロジックをSimulink環境にMATLAB Functionブロック等を使い 組み込むことも可能 MATLAB 数値解析 で Symbolic Math Toolboxを使うことで数式処理をすることも可能 また 数式処理により得られた数式を Simulink ブロック線図 で使うためにMATLAB Functionブロックに自 動変換することも可能 39 熱ライブラリ Thermal 要素 熱容量 センサ 熱伝導 温度の基準 信号源 熱流センサ 温度センサ 熱流源 40 推奨ツール構成 熱放射 断熱 ontrol System Toolbox Simscape 熱伝達 38 温度源 41 MATLAB Simulink Stateflow 基本環境 urve Fitting Toolbox 曲線 曲面近似 Symbolic Math Toolbox 数式処理 Simscape 物理モデリング 電気 熱 Simulink Design Optimization Optimization Toolbox パラメータ最適化 ontrol System Toolbox Simulink ontrol Design System Identification Toolbox カルマンフィルタ 逐次最小二乗法 42 7
Accelerating the pace of engineering and science 2017 The MathWorks, Inc. MATLAB and Simulink are registered trademarks of The MathWorks, Inc. See www.mathworks.com/trademarks for a list of additional trademarks. Other product or brand names may be trademarks or registered trademarks of their respective holders. 43 8