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Transcription:

2019 年フォレストカーボンセミナー (JIFPRO) REDD+ 最新動向 COP24 と緑の気候基金 (GCF) 林野庁計画課国際森林減少対策調整官中野彰子 2019 年 1 月 18 日 0

目次 COP24 における REDD+ 関連事項 緑の気候基金 (GCF) での議論の動向 1

COP24 における REDD+ 関連事項 2

気候変動条約と REDD+ の系譜 1992 地球サミット ( リオ ) 2015 COP21 2018 COP24 2020 気候変動枠組条約 1997 COP3 京都議定書 2005 COP11 第 1 約束期間 2008-2012 REDD+ の議論 PNG とコスタリカが REDD+ を共同提案 第 2 約束期間 2013-2020 我が国不参加 パリ協定 パリ協定第 5 条 REDD+ 明記 実施指針採択 本格実施 3

REDD+ とは REDD+ の基本コンセプト 途上国の森林減少 劣化に由来する排出の削減等 Reducing emissions from deforestation and forest degradation in developing countries REDD+ の流れ : 段階的アプローチ フェーズ 1: 準備 Readiness REDD プラスのコンセプト 排出削減量に基づき成果支払い ( 資金やクレジット ) を実施する経済的インセンティブ REDD+ 準備活動の内容 1 REDD+ 国家戦略 (NRS) 2 国家森林参照レベル (FREL) 3 国家森林モニタリングシステム (NFMS) 4 セーフガード ( ガバナンス 社会 環境及び気候 ) 情報提供システム (SIS) フェーズ 2: 実施 Implementation 排出量 フェーズ 3: 成果支払い Results-based Payments 参照排出レベル 実際の排出量 森林減少からの排出抑制 経済的インセンティブ 時間 4

REDD+ の議論の変遷 2005 発案 途上国の森林減少 劣化に由来する排出削減等パプア ニューギニアとコスタリカ提案 2006 スターン レビュー気候変動の経済学 森林減少抑制の費用対効果を評価 概念の合意 2010 カンクン合意 REDD+の活動 途上国が整備すべき要素を明記 2007 IPCC 第 4 次評価報告書 森林減少抑制の削減ポテンシャルの大きさを指摘 2013 ワルシャワ枠組 技術指針 資金や支援の調整のあり方を採択 技術指針決定 条文に規定 2015 パリ協定 第 5 条第 2 項 :REDD+ の実施 支援を奨励 5

REDD+ に関する議題の終了 2013 COP19 REDD+ 実施支援のための自主的会合の実施を決定 2017 COP23 2018 SB48 ボン会合 REDD+ 支援の調整の議論終了に合意 2018 COP24 設立すべし 途上国 2014 COP20 第 1 回自主的会合 2015 SB42 ボン会合第 2 回開催 2016 SB44 ボン会合第 3 回開催 2017 SB46 ボン会合第 4 回開催 REDD+ 支援の調整の議論は 終了する REDD+ に関連する組織の設立 不要じゃないか 先進国 非国家主体による緩和成果を計上 報告 検証するためのゲートウェイ 設立の提案 自主的会合 については特に決定されず いよいよ実施の段階へ 6

COP24 のパリ協定実施指針と REDD+ パリ協定第 5 条 : 吸収源 ( 森林等 ) 第 2 項 :REDD+ の実施支援を奨励 REDD+ 緩和成果の取引 6 条 2 項 実施指針で決めるべき事項 協力的な取り組み 国際的な緩和成果の移転に関する計算方法 COP24 の決定内容 カトヴィゼ パッケージ 実施指針の詳細は 2019 年に継続議論 REDD+ 含む各種報告 4 条 1 3 条 緩和 NDC の事前情報に含める要素 計上方法 透明性 報告にあたっての詳細事項 NDC の事前情報に含める要素 計上方法を採択 排出量 吸収量報告のインベントリ作成に共通ルールを適用することに合意 6 条の交渉対立のポイント 二重計上の防止我が国含む大多数が賛成 少数国が反対 7

COP24 イベント :REDD+ 関係その 1 サイドイベント : 劣化した熱帯林の再生 炭素 生物多様性とコミュニティのレジリエンスの調和を考える 日時 12 月 13 日 13:15-14:30 会場 サイドイベント会場 主催 ( 国研 ) 森林研究 整備機構森林総合研究所 国際熱帯木材機関 (ITTO) 開催概要 劣化した熱帯林ランドスケープの再生を促進する最新の活動に焦点を当て議論を深めた 8

COP24 イベント :REDD+ 関係その 2 生態系に配慮したアプローチによる REDD+ の実施 日時 12 月 13 日 13:15-14:30 会場 主催 ジャパンパビリオン ( 国研 ) 森林研究 整備機構森林総合研究所 開催概要 生態系に配慮したアプローチに期待される効果に焦点を当て 地域の複雑な環境に対応した REDD プラスや土地利用の計画立案方法について議論を深めた 9

REDD に関連した動き 12 月 11 日熱帯雨林連合がサイドイベントを主催 Catalyc Fund 立ち上げを宣言 Fund についての資金規模等はまだ検討段階 実際の資金拠出がどうなるか今後の動きが気になるところ REDD+ Catalytic Fund REDD+ Registries & Trading Platforms サイドイベントの様子 主催 パネル出席 概要 熱帯雨林諸国連合 (CfRN) コンゴ ( 民 ) 環境持続可能な開発大臣 ベリーズ農林水産大臣ほか REDD+ の推進のために不可欠である民間資金の導入促進を目的として Catalytic Fund の設立が宣言された 多くの REDD+ プロジェクトを実施する国として コンゴ ( 民 ) 環境持続可能な開発大臣が歓迎の挨拶を実施した 10

COP24 イベント :UN-REDD が 10 周年記念イベント 12 月 10 日夜 : UN-REDD UNDP 森林炭素パートナーシップ基金 (FCPF) 主催 10 周年記念レセプション実施 12 月 11 日 :UN-REDD 主催サイドイベント Forest First 実施 11

緑の気候基金 (GCF) での議論の動向 12

REDD+ 支援に関する国際資金のイメージ Green Climate Fund 緑の気候基金 (GCF) は REDD+ 全フェーズを支援 UN-REDD Programme ( 国連系 ) Bio-carbon Fund ( 世銀 ) FCPF Readiness Fund ( 世銀 ) FCPF Carbon Fund ( 世銀 ) Central Africa Forest InitiativeAmazon Fund ( ノルウェーほか ) ( ノルウェーほか ) Forest Investment Programme ( 世銀 ) GEF SFM フェーズ 1: Readiness フェーズ 2: Implementation フェーズ 3:Results-based Payments 出典 :Green Climate Fund GCF support for the early phases of REDD+ (GCF B.17/16) を改変

緑の気候基金 (GCF) の概要 設立 : 気候変動枠組条約 (UNFCCC)COP16 で設立決定 目的 : 途上国による温室効果ガス削減 ( 緩和 ) と気候変動の影響への対処 ( 適応 ) の支援 意思決定 : 毎年 2~3 回開催される GCF 理事会 理事会構成 : 先進国と途上国から各 12 名の合計 24 名 資金拠出の基本理念 : 長期的に見て 緩和と適応に半分ずつ 地域バランスにも配慮 資金拠出の割合 緩和 39% 適応 25% Cross Cutting 36% 優先分野 緩和 ( 温室効果ガス削減 ) 発電 エネルギーアクセス向上 ( 再エネ ) 交通建物 都市 産業 家電 ( 省エネ ) 森林 土地利用 適応 ( 気候強靭性の強化 ) 出典 :GCF Website を元に作成 (2019 年 1 月 7 日時点 ) 生態系 生態系サービスインフラ 建築環境健康 食糧 水の安全住民 コミュニティの生計向上 GCF 事務局 : 韓国仁川市 14

GCF の案件採択のイメージ ホスト国 GCF 理事会 プロジェクトの承認事務局プロジェクトレビュー 独立技術アドバイザリパネル プロジェクト評価 国家指定機関 同意書 申請 提案書 資金 認証機関 AE ( ダイレクトアクセス機関 / 国際アクセス機関 ) 案件形成 プロジェクト 信託機関トラスティ World Bank 贈与 / 融資 / 保証 / 出資法的手続 民間セクター 関係機関等 出典 :GCF Website を元に講師作成 (2019 年 1 月 18 日時点 )

GCF における REDD+ 関連議論の経緯 2016 年 10 月第 14 回理事会成果支払いを含む全フェーズへの REDD+ 支援を決定 12 月第 15 回理事会 REDD+ 担当理事 ( カナダ DRC) の任命 2017 年 2018 年 4 月第 16 回理事会 REDD+ 専門家ワークショップ開催 7 月第 17 回理事会初期フェーズの REDD+ 支援のあり方を検討 RPF 等既存の GCF プログラムの積極的活用を奨励 10 月第 18 回理事会成果支払いのパイロットプログラム (5 億ドル ) を決定 6 月第 20 回理事会レギュラープログラムにおける REDD+ 関連提案のアイデア説明 第 21 回理事会への提案提起はなし 第 22 回理事会へ? アジェンダ合意が難航しプロジェクト採択ゼロ 事務局長が突如辞任

直近の GCF 第 21 回理事会 ポイント 1 新規プロジェクトを 19 件採択 新規プロジェクトを 19 件 ( 約 11 億ドル ) 採択 1 理事会における案件採択額としては過去最高額 ポイント 2 増資交渉の開始に合意 増資開始トリガー ( 初期資金 ( 約 102 億ドル ) に対し事業承認額が 60% を超える ) を超えるとして 増資交渉開始に合意 ポイント 3 信託機関を世銀に決定 ポイント 4 新事務局長選出プロセス 17

2019 年の動き GCF 2 月第 22 回理事会 新事務局長の選出 新理事メンバー最初の理事会 REDD 関連プロジェクト提案? 4 月第 1 回増資協議 7 月第 23 回理事会 8 月第 2 回増資協議 10 月第 24 回理事会 REDD 支援プロジェクトは引き続き提案される可能性あり UNFCCC 6 月 SB50 ボン会合 パリ協定実施指針の積み残し議論 市場メカニズム ( 第 6 条 ) のルールも技術的論点から具体的な再交渉 REDD 含む市メカ議論大詰め 2019 年末 UNFCCC COP25 @ チリ 2020 年以降のパリ協定本格実施に向けた最終準備の 2019 年 REDD+ の成果を出すためにも GCF 等からのプロジェクト支援が一層重要となってくる 18

ご清聴ありがとうございました 19