34 34. 水質
3 水質 流域の状況 3 金山ダムは 石狩川水系空知川の上流域に位置する ダム流域は森林が約 9% を占めており 流入河川の流入付近が南富良野町の市街地となっている 流域の概要 面積 47km 2 人口 約 2,8 人 ( 南富良野町 H2.9) 土地利用森林が約 9% その他 牧場 農場あり流入河川の流入付近が市街地
36 水質 2 定期水質調査地点 金山ダムでは 流入河川 2 地点 貯水池内 3 地点 下流河川 地点で 定期水質調査を実施している 36 太平橋 下金山 基線橋 H8 まで 上流 ダムサイト 湖心 凡例 定期水質調査地点
37 水質 3 水質調査状況 37 金山ダムでは 生活環境項目 富栄養化関連項目等について 貯水池内で 9 回 流入河川 下流河川で 7 回の頻度で調査している 健康項目については ダムサイトで 回調査している 定期水質調査頻度の概要 種別流入河川貯水池下流河川調査地点太平橋基線橋ダムサイト湖心上流下金山 調査頻度 7 回 9 回 7 回 (~ 月 ) ( 2 ~ 月 ) (~ 月 ) 表層 中層 底層での採水 調査項目 生活環境項目 富栄養化関連項目 健康項目 ( 回 ) ダムサイト 計器観測 ( 水温 濁度 DO 等 ) 貯水池( 多水深 ) 植物プランクトン 貯水池 下流河川 その他 ( 糞便性大腸菌群数等 ) 注 ) 基線橋の調査は H8 まで
38 水質 4 流入河川及び下流河川の水質 ( 経 ) 流入 下流河川ともに 水温 SS BOD DO は 経的にほぼ横這いで変動しており 著しい水質変化はない SS は 概ね環境基準値よりも低い値で変動している BOD は 下流河川で環境基準値を超えるも見られるが 概ね mg/l 程度で変動している DO は いずれの地点も環境基準を満足している 流入河川 ( 太平橋 ) 流入河川 ( 基線橋 ) 下流河川 ( 下金山 ) 38 水温平均値 水温 ( ) 2 S46 S47 S48 S49 S S S2 S3 S4 S S6 S7 S8 S9 S6 S6 S62 S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 SS 平均値 SS(mg/L) 4 3 42 河川 AA 類型環境基準値 2mg/L 以下 S46 S47 S48 S49 S S S2 S3 S4 S S6 S7 S8 S9 S6 S6 S62 S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 BOD 7% 値 BOD(mg/L) DO 平均値 DO(mg/L) 3. 2. 2..... 河川 AA 類型環境基準値 mg/l 以下 S46 S47 S48 S49 S S S2 S3 S4 S S6 S7 S8 S9 S6 S6 S62 S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 河川 AA 類型環境基準値 7.mg/L 以上 S46 S47 S48 S49 S S S2 S3 S4 S S6 S7 S8 S9 S6 S6 S62 S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24
39 水質 流入河川及び下流河川の水質 ( 経 ) 流入 下流河川ともに COD T-N T-P は 経的にほぼ横這いで変動しているが Chl-a は下流河川で近若干高い傾向にある COD は 昭和 代に高い値が観測されているが SS の挙動とほぼ一致していることから出水等による水の濁りの影響と考えられる 流入河川 ( 太平橋 ) 流入河川 ( 基線橋 ) 下流河川 ( 下金山 ) 39 COD 7% 値 COD(mg/L) 8 6 4 2 S46 S47 S48 S49 S S S2 S3 S4 S S6 S7 S8 S9 S6 S6 S62 S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 T-N 平均値 T-N(mg/L).8.6.4.2 S46 S47 S48 S49 S S S2 S3 S4 S S6 S7 S8 S9 S6 S6 S62 S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 T-P 平均値 Chl-a 平均値 T-P(mg/L) Chl-a(μg/L)... S46 S47 S48 S49 S S S2 S3 S4 S S6 S7 S8 S9 S6 S6 S62 S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 2 9 6 3 S46 S47 S48 S49 S S S2 S3 S4 S S6 S7 S8 S9 S6 S6 S62 S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24
4 水質 6 流入河川及び下流河川の水質 ( 経月 ) 水温は 流入河川に比べ下流河川で高い傾向にあり 特に夏期に顕著である これは 貯水池表層の温かい水を表面取水で放流するために起こる SS は 下流河川において若干高い傾向にあるため 継続して注視する 4 流入河川 ( 太平橋 ) 下流河川 ( 下金山 ) 2 水温 水温 ( ) 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 H H2 H22 H23 H24 SS SS(mg/L) 3 2 河川 AA 類型環境基準値 2mg/L 以下 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 H H2 H22 H23 H24
4 水質 7 流入河川及び下流河川の水質 ( 経月 ) BOD COD Chl-a は 下流河川で高い傾向にあり 特に夏期に顕著である これは 貯水池表層で増殖した植物プランクトンの一部を放流しているためと考えられる BOD は 夏期以外は概ね環境基準値以下である 4 2 流入河川 ( 太平橋 ) 下流河川 ( 下金山 ) BOD BOD(mg/L).. 河川 AA 類型環境基準値 mg/l 以下 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 H H2 H22 H23 H24 COD COD(mg/L) 4 3 2 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 H H2 H22 H23 H24 7 Chla Chl-a(μg/L) 2 9 6 3 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 H H2 H22 H23 H24
42 水質 8 流入河川及び下流河川の水質 ( 経月 ) 流入 下流河川とも T-N は.4mg/L 程度 T-P は.mg/L 程度の低い値で変動している DO は 概ね 9mg/L 以上で変動している 42 流入河川 ( 太平橋 ) 下流河川 ( 下金山 ) T-N T-N(mg/L).8.6.4.2 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 H H2 H22 H23 H24. T-P T-P(mg/L).4.3.2.. 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 H H2 H22 H23 H24 DO DO(mg/L) 2 9 6 3 H H2 H22 H23 H24 河川 AA 類型環境基準値 7.mg/L 以上 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月
43 水質 9 貯水池表層の水質 ( 経 ) 43 水温 SS BOD DO は 経的にほぼ横這いで変動しており 著しい水質変化はないと考えられる BOD は 概ね環境基準値以下で変動している SS DO は経的に環境基準を満足している 平均値 7% 値 水温平均値 水温 ( ) 2 S46S47S48S49SSS2S3S4SS6S7S8S9S6S6S62S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 SS 平均値 SS(mg/L) 4 3 河川 AA 類型環境基準値 2mg/L 以下 S46S47S48S49SSS2S3S4SS6S7S8S9S6S6S62S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 BOD 7% 値 BOD(mg/L) 3. 2. 2..... 河川 AA 類型環境基準値 mg/l 以下 S46S47S48S49SSS2S3S4SS6S7S8S9S6S6S62S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 DO 平均値 DO(mg/L) 平均値は河川にあわせ ~2 月を除いて算出 河川 AA 類型環境基準値 7.mg/L 以上 S46S47S48S49SSS2S3S4SS6S7S8S9S6S6S62S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24
44 水質 貯水池表層の水質 ( 経 ) COD T-P は 経的にほぼ横這いで変動しているが T-N は平成 7 頃から若干高くなる傾向が見られる Chl-a については 概ね μg/l 以下の値で変動している 44 平均値 7% 値 COD 7% 値 COD(mg/L) 8 6 4 2 S46S47S48S49SSS2S3S4SS6S7S8S9S6S6S62S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 T-N 平均値 T-N(mg/L).8.6.4.2 S46S47S48S49SSS2S3S4SS6S7S8S9S6S6S62S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 T-P 平均値 T-P(mg/L).6..4.3.2. S46S47S48S49SSS2S3S4SS6S7S8S9S6S6S62S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 HHH2H3H4HH6H7H8H9HH2H22H23H24 Chl-a 平均値 Chl-a(μg/L) 2 9 6 3 平均値は河川にあわせ ~2 月を除いて算出 S46S47S48S49SSS2S3S4SS6S7S8S9S6S6S62S63 H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24
4 水質 貯水池内の水質 ( 経月 ) 水温は 表層では概ね ~2 の範囲で季節変動しているが 底層では 約 4 で大きな変動はない SS は 概ね mg/l 以下の低い値で変動している 平成 ~2 23~24 に底層で SS が若干高くなっている 4 上層中層底層 水温 水温 ( ) 3 2 H H2 H22 H23 H24 3 2 43 河川 AA 類型環境基準値 2mg/L 以下 SS SS(mg/L) H H2 H22 H23 H24
46 水質 2 貯水池内の水質 ( 経月 ) BOD Chl-a は 表層で高い傾向にあり 特に夏期に顕著である これは 貯水池表層で植物プランクトンが増殖しているためと考えられる COD は 平成 ~2 23~24 に底層で高い傾向が見られており 特に平成 ~2 は SS の変動と一致している 46 2 上層中層底層 BOD BOD(mg/L).. 河川 AA 類型環境基準値 mg/l 以下 H H2 H22 H23 H24 2 COD COD(mg/L) H H2 H22 H23 H24 Chla Chl-a(μg/L) H H2 H22 H23 H24
47 水質 3 貯水池内の水質 ( 経月 ) 底層 T-N は 高い傾向が見られ SS の変動と一致する傾向が見られる また 底層 T-P も 平成 ~2 に高い傾向が見られ SS の変動と一致する傾向が見られる 底層 DO は 低い値で変動している 底層からの栄養塩の溶出の可能性がある 47 T-N T-N(mg/L) 上層中層底層 8.3 4 3 2 H H2 H22 H23 H24. T-P T-P(mg/L).4.3.2. H H2 H22 H23 H24 DO DO(mg/L) 2 9 6 3 河川 AA 類型環境基準値 7.mg/L 以上 H H2 H22 H23 H24
48 水質 4 貯水池内の水質鉛直分布 ( 水温 ) 48 ~8 月にかけて表層から水深 m 程度に強い水温躍層を形成し 表層水温は ~ 2 程度まで上昇する 9 月からは水温躍層は衰退し 2 月には表層と底層の水温が逆転し 表層で となる 底層では間を通じて水温 4 程度で変動は小さい 月 2 月 月 6 月 7 月 8 月 9 月 月 月
49 水質 貯水池内の水質鉛直分布 (DO) 49 DO は 水温躍層上では 高い値を維持するが 水温躍層より底層側では低くなる傾向が見られる 底層では間を通じて低い値が継続する嫌気化の傾向が見られる これは 上層に比べて底層の水循環が小さく DO の供給が少ないためと考えられる 月 2 月 月 6 月 7 月 8 月 9 月 月 月
水質 6 大腸菌群数 大腸菌群数は 流入河川 ダムサイト 下流河川とも 夏期に高くなり 環境基準値を超える傾向が見られる 大腸菌群数 河川 AA 類型環境基準値 MPN/mL, 3, 33, 太平橋 流入河川 ( 太平橋 ) 大腸菌群数 (MPN/mL), ( 不検出 ) H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 流入河川 ( 基線橋 ) 大腸菌群数 (MPN/mL), 3, 基線橋,, ( 不検出 ) H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24, ダムサイト表層 ダムサイト ( 表層 ) 大腸菌群数 (MPN/mL), ( 不検出 ) H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 下流河川 ( 下金山 ) 大腸菌群数 ( MPN/mL),, ( 不検出 ) H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 大腸菌群 糞便による汚染の指標として 大腸菌の生化学的性状をもつ細菌を検出した菌群 土壌や環境由来の菌類も検出される 3, 下金山
水質 7 糞便性大腸菌群数 糞便性大腸菌群数は 流入河川 ダムサイト 下流河川とも 水浴場水質基準の 可 の基準以下及び人と河川の豊かなふれあいの確保の評価レベルの A B ランク (, 個 /ml 以下 ) と少ないことを確認しており 衛生上及び人と河川の豊かなふれあいの確保上問題ない水質であると考えられる 流入河川 ( 太平橋 ) 流入河川 ( 基線橋 ) 糞便性大腸菌群数 ( 個 /ml) 糞便性大腸菌群数 ( 個 /ml),, ( 不検出 ) H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24,, ( 不検出 ) 糞便性大腸菌群数水浴場水質基準 ( 可 : 個 /ml 以下 ) H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 太平橋 基線橋 評価レベル C,Dランク Bランク Aランク評価レベル C,Dランク Bランク Aランク ダムサイト ( 表層 ) 下流河川 ( 下金山 ) 糞便性大腸菌群数 ( 個 /ml) 糞便性大腸菌群数 ( 個 /ml),, ダムサイト表層 ( 不検出 ) H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24,, ( 不検出 ) H9 H H H2 H3 H4 H H6 H7 H8 H9 H H2 H22 H23 H24 人と河川の豊かなふれあいの確保 の評価レベル 下金山 評価レベル C,Dランク Bランク A ランク 評価レベル C,Dランク Bランク A ランク 糞便性大腸菌群 一般に 4 付近の高温条件で増殖できる大腸菌群をいう 大腸菌群に比べると糞便汚染による指標性がはるかに高い指標細菌とみなされている
2 水質 8 貯水池内の植物プランクトン 貯水池表層の植物プランクトン現存量は 平成 8 3 8 9 2 22 に, 細胞数 /ml を超えている 優占種は 平成 7 までは珪藻綱 ( 主にフラギラリア属 アステリオネラ属 ) が優占する傾向であったが 平成 8 9 22 は夏期に緑藻綱 ( ゲミネラ属 ) が優占した 2
3 水質 9 水質のまとめ 3 水質のまとめ 流入河川 貯水池内 下流河川のいずれの調査地点でも 経的に大きな水質変化は見られない 表層から取水することで下流河川の水温が高い傾向を示しており かんがい用水への貢献として 冷水被害を軽減していると考えられる 下流河川の SS は環境基準を下回っており 濁水長期化の問題はみられない 富栄養化の問題は生じていないが 貯水池底層が貧酸素状態であることから 今後 富栄養化に向かう可能性があり また 植物プランクトンの優占種が珪藻綱から緑藻綱に変化してきているため 注視する必要がある 大腸菌群数は環境基準値を超えているが 糞便性大腸菌群数が少ないことを確認しており 衛生上及び人と河川の豊かなふれあいの確保上問題ない水質であると考えられる 今後の方針 今後も調査 監視を継続して良好な水質を維持管理していく