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ジメチルエーテルを利用したディーゼルエンジン燃料の燃焼改善 ( 研究課題番号 18579) 平成 18~ 平成 19 年度科学研究費補助金 ( 基盤研究 (C)) 研究成果報告書 平成 年 3 月 研究代表者段智久 ( 神戸大学大学院海事科学研究科 )

目 次 はしがき 第 1 章試験燃料 1-1 DME( ジメチルエーテル ) について 1- について 第 章実験装置および方法 -1 実験装置 - 燃料混合方法 7-3 機関性能試験 7 - 図示平均有効圧力の定義 8-5 熱発生率の定義 8 第 3 章実験結果および考察 3-1 噴射圧力 3- 燃焼圧力 3-3 熱発生率 3- NOx 濃度, 煙濃度,CO 濃度,O 濃度 3 3-5 燃焼状態の割合について 8 3- PMについて 5 むすび 58 1

はしがき ディーゼルエンジンは, 他の種類のエンジンに比べて熱効率が高く, 二酸化炭素排出量も低いといった利点があり, 現在の日本の物流では長距離輸送の大型トラックや船舶などの原動機として幅広く使用されている. しかしながら, 燃料の燃焼にともなって排出される成分には, 人体や自然環境に有害なものが含まれており, 国内の一部地域では自動車用ディーゼルエンジンの微粒子状物質 (Particulate Matter : PM) や窒素酸化物 (NOx) の排出量に関して厳しく規制されている. 船舶用ディーゼルエンジンでは,PM NOx に加えて酸性雨の原因となる硫黄酸化物 (SOx) が排気ガスに含まれる. これらの船舶から排出される有害排気成分に関しては, 環境保全の観点から国際海事機関 (IMO) が中心となって大気汚染物質の放出に関する規制を条約化することが検討されており,NOx については5 年 5 月から排出規制が条約として発効している. それらの有害排気成分は, ディーゼルエンジンに特有の燃焼形態や燃料の含有組成に由来するものであり, 従来システムのエンジンを使用する限り避けられないものである. また, 近年, 石油資源の枯渇が懸念されており, エネルギーとして石油に依存しないクリーンエネルギー体制を作らなければならない. 原動機としては内燃機関の代替物として燃料電池によるモーター駆動の自動車などが開発されているが, その燃料として水素などが必要であり, 社会基盤設備の新設や整備など実用化にはまだ多くの課題があるのが現状である. そこで, 現在普及しているエンジン技術をもとに, 燃焼時に有害成分の排出を抑えることが可能な代替燃料を使用することでクリーンエネルギー体制の確立の一助になると考えられる. 本研究では, 従来のディーゼル燃料 ( 軽油 重油 ) にジメチルエーテル (Dimethyl Ether : DME) を混合することで, ディーゼルエンジンにおける排気ガスの清浄化を試みるものである. DMEは化学式がCH 3 OCH 3 で表される最も簡単なエーテルであり, きわめて不活性で低毒性な化合物である. もともとはフロンガスの代替物としてスプレーの噴射剤として主に使用されており, 世界で約 15 万 ton/ 年, 日本で約 1 万 ton / 年の生産量である.DMEは, 軽油に比べて自己着火しやすいこと 含酸素燃料であること 炭素同士が直接結合していない構造のため燃焼時に煤が発生しにくいことなどからディーゼル機関の代替燃料として有用な点がある. その反面, 潤滑性に乏しい

ゴムなどを腐食するといった欠点がある. そこで本研究では, 潤滑性を補うために軽油や重油燃料に DME を混合することで使用し, またテフロンなどの素材を燃料配管に使用することで腐食をさけることを検討した. 実験では, まず水制動力計と小型ディーゼルエンジンを配置し,DME と従来燃料の混合燃料を使用できるように燃料噴射系統を製作した. DME は大気圧下で沸点は-5 であり, 常温 大気圧場では気体の物質である. DME の混合率を高くするために, 従来燃料に対して DME を液化させて混合することを試みた. そのために耐圧容器 (5MPa 程度 ) を燃料タンクとして使用し, 混合燃料の圧力を DME の飽和蒸気圧以上に保ったままで送油できるようにした. 試験は排気ガス成分の測定を行い, エンジンの負荷条件との相関を明らかにした. また, 燃焼室内部の圧力の時間履歴を測定できるようにエンジンを改造し, 圧力や熱発生率の履歴を計測 算出して, 燃焼形態の変化を明らかにした. 以上, 本研究課題の背景 目的について, その概略を述べたが, 詳細に関しては各章に記載している. 研究組織研究代表者段智久 ( 神戸大学大学院海事科学研究科 ) 交付決定額 ( 金額単位 : 千円 ) 直接経費 間接経費 合計 平成 18 年度,, 平成 19 年度 18 78 総 計,8 18,98 研究発表 ( 有審査論文 ) Tomohisa DAN et.al., Improvement of Exhaust Gas Emission in Marine Diesel Engine by Blending DME, SAE Technical Paper, 7-1-1 3

第 1 章試験燃料 1-1 DME( ジメチルエーテル ) について DME は化学式では CH3-O-CH3 で表される, 最も簡単なエーテルである. 化学式を図 1 に示す.DME は安定で低毒素な化合物で, もともとフロンの代替物としてエアゾール噴射剤として使用されてきた. 燃料としてみた場合, 常温常圧で気体だが,-5 または約 気圧で液化するため, 取り扱いが比較的容易である. また, セタン価が 55~ と高く, ディーゼルエンジンの燃料として適している. そして, 燃焼させた場合も,SOx やすすをまったく発生させないという利点がある. しかし,DME は に比べて, 単位質量あたりの発熱量が小さい. また, ゴムなどのシール剤を腐食させる可能性があるなどの欠点がある. 製造方法は水素と炭素から直接合成する直接合成法と, メタノールの脱水反応により製造する間接合成法 ( メタノール脱水法 ) の 種類があり, 間接合成法では, 世界で年間約 15 万トン, 日本で約 1 万トンの生産量がある. 図 1 DME の構造式 1- について は JIS の分類では A 重油に相当する燃料である.A 重油は, 硫黄分により 1 号及び 号に細分される.A 重油の 1 種 1 号は, 硫黄分 (Sulfer) が.5% 以下とされ,LSA 重油 (Low Sulfer A Fuel Oil) とも呼ばれる. この低硫黄の A 重油の色は半透明の黄色である. また, 低硫黄の LSA 重油はメーカによっては SCF または SCFO(Super Clean Fuel Oil) とも称されることがある. 同じく A 重油 号は, 硫黄分が.5% 以上.% 以下とされ,HSA 重油 (High Sulfer A Fuel Oil) ともよばれている. また, 重油は褐色又は黒褐色の重質油で, 比重は.8~.95 程度, 発熱量は,~11,kcal /kg 程度である. 重油の成分は炭化水素が主なもので, 若干 (.1~% 程度 ) の硫黄分及び微量の無機化合物が含まれている. 近年, 大気汚染防止上の要請から重油の低硫黄化のため, 直接脱硫や間接脱硫に

より残油の脱硫が行われることが一般的となっている. 表 1に DME 及び の性状を示す. 表 1 各燃料の性状 DME 化学式 (CH 3 )O 沸点 ( ) -5 35< 含酸素量 (%) 3.8 低位発熱量 (MJ/kg) 8.9.5 セタン価 55~ < 動粘度 (cst) <1 7 液密度 (g).7.8 自着火温度 (K) 3 83~88 蒸発潜熱 (kj/kg) 7.13 8 5

第 章実験装置および方法 -1 実験装置本実験で使用した実験機関は YANMAR NFD13-M(E) 横形水冷 サイクル単気筒直接噴射式ディーゼル機関である. 表 1 に機関運転緒元を示す. 機関の仕様は, 実験で DME と の混合燃料を使用するため, 燃料系統を変更している. 燃料系統以外は大幅な変更は行っていない. 具体的には, 常温常圧で気体である DME は通常の燃料系統のままでは配管内および燃料噴射ポンプで減圧沸騰を起こし, 燃料の不整噴射ならびに機関停止を及ぼすおそれがある. よって, 減圧沸騰による燃料の不整噴射を防ぐために, 窒素ガスを用いて加圧し, 燃料供給圧力を調整した. そのため, 従来の燃料タンクでは加圧に耐えることができないので,DME 用の耐圧燃料タンクを製作し, 燃料ラインと接続できるようにした. その際, 耐圧燃料タンクには, ドレン抜きと窒素ガスの供給ラインを設けた. 燃料配管系等については, 窒素ガスでの加圧による燃料漏洩を防ぐために, 強化テフロンチューブ, 銅管, クイックカプラを設置し, 配管各所の継ぎ手の機密性を高めた. また, 燃料噴射弁からの燃料漏洩を防ぐために, 燃料噴射弁からの燃料漏洩を防ぐために, 燃料噴射弁からのリターンのラインを燃料タンクに直接接続して対応した. 図 に機関系統図を示す. 表 機関運転緒元 YANMAR NFD13-ME エンジン形式横型単気筒 サイクルディーゼルエンジン ボア ストローク 9 9mm 排気容量.38 リットル 燃焼形式 直接噴射式 圧縮比 17.7 定格出力 rpm:11ps(8.1kw) 最高出力 rpm:1.5ps(9.kw) 噴射ポンプ Jerk 式 四孔ノズル 噴射ノズル 開弁圧 kg/ cm (19.1MPa)

7 15 1 1 8 9 13 3 1 11 1 5 1Test engine Injection pump 3Injection nozzle Nitrogen cylinder 5Fuel tank Dynamometer 7Rotary encoder 8Amplifier 9Combustion analyzer Pressure transducer 11Injection pressure sensor 1Air tank 13Flow meter 1Smoke meter 15Exhaust gas analyzer 1Exhaust 図 機関系統図 - 燃料混合方法計量した をエア抜きバルブを開放した状態の耐圧燃料タンクに充填する. エア抜きバルブを閉じて密封状態にした後に,DME の充填されている耐圧タンクを重量計 ( ディジタル台はかり ) に乗せ, 耐圧タンクと耐圧燃料タンクとを接続して設定した割合になるまで DME を充填した. その際, よりよい混合状態を得るために,DME はバブリングにて充填した. -3 機関性能試験実験機関の回転数を (rpm),185(rpm),(rpm) の3 段階に, 過給圧力を 18(kpa) 一定, 制動負荷を1~(kW) の1(kW) 毎に設定した. また, 燃料系統への窒素ガスの加圧は.3(MPa) とした. 測定項目は, 回転数 (rpm), 制動荷重 (kgf), 吸気温度 ( ), 排気温度 ( ), 潤滑油温度 ( ), 気温 ( ), 気圧 ( mm Hg), 湿度 (%), 吸気圧力 (KPa),HC(volppm), 煙濃度 (vol%),nox(volppm),co(vol%),o(vol%), CO(vol%) である. 7

- 図示平均有効圧力の定義今回の実験では負荷だけではなく回転数変化させて行う. 比較の尺度として pi( 図示平均有効圧力 ) を使用した. ここで, 図示平均有効圧力の求め方は, S: ピストン行程 (m) D: シリンダ直径 (m) n e : 機関回転数 (rpm) u:1サイクルの行程数 V t : シリンダ全容積 (m 3 ) V c : すきま容積 (m 3 ) W th : 理論仕事量 (J) W t : 図示仕事量 (J) P th : 理論平均有効圧力 (Pa) とすれば, Vt V c = (π / ) D S であるから Wth Wth P th = = Vt Vc (π / ) D S 同様に実際の p-v 線図から Wi および pi が求められる. 実際の p-v 線図は理論的 p-v 線図の角に丸味がついたものであるから, その面積は小さくなり, したがって, 図示仕事量 Wi は理論仕事量 Wth よりも小さく, この両者の比, Wi pi ηi f = = = Wth pth ηth f を線図係数,pi を図示平均有効圧力という. 実際の図示平均有効圧力の算出は, 燃焼圧力のグラフを上死点で折り返し, 本の線によって囲まれた面積を利用した. -5 熱発生率の定義ディーゼル機関でのシリンダ内での燃焼状態を把握しようとした場合, 燃焼に関する因子は非常に数多くあり, その一つ一つの関係も複雑である. そこで, 燃料より得た熱量がクランク角度毎にどのように変化しているのかを調べることによって, 燃焼状態を知るということが熱発生率を求める意義である. 熱発生率を求める式は一般に dq = du + pdv ( 熱力学の第一法則 ) 式 1 PV = GRT を微分して, PdV + VdP = GRdT 式 1 du c v = G dt から, du = cvgdt 式 3 Rk Cp= k 1 式 8

1 式に,,3, 式を代入すると, 1 dq = ( kpdv + VdP) k 1 ここで, Q = 燃焼により発生した熱量 θ=クランク角度 とすると任意のクランク角度 θにおける熱発生率 dq dθ は, 1 dv dq / dθ= ( kp + V k 1 dθ dp ) dθ 式 5 この式 5 を熱発生率という. ここで, c p k = k: 比熱比 cv V: シリンダ容積 c p ( : 定圧比熱 c v : 定容比熱 ) P: 燃焼室圧力 となっている. 燃焼過程は 予混合燃焼 と 拡散燃焼 に分けて評価したが, これはピーク後の熱発生率曲線の変曲点で分けて考えたものである. 実際の熱発生率の算出は, 機関の燃焼室壁にピエゾ式圧力センサを取り付けてシリンダ内圧力を測定, また, ロータリーエンコーダー等でクランク角度をモニターしながら燃焼解析装置で P θ 線図を描かせ, 上式により導いた. シリンダ容積のクランク角度毎の変化はモータリングにより機関を運転し, 燃料無噴射状態での圧力波形を得ることでわかる. 比熱比 kについては, 燃焼履歴により若干変化するであろうが, 一般には定数として用いる. 燃焼圧力線図は燃焼解析装置 CB によりクランク角度.5(deg.) 毎に 個のデータを 5 サイクル平均で測定した. 9

第 3 章実験結果および考察 3-1 噴射圧力 通常噴射圧力の場合図 3~5 に,rpm 時の MDO%,MDO7%+ DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃料噴射圧力を示す. 負荷は Pi( 図示平均有効圧力 ) にて 段階設定し, 縦軸を燃料噴射圧力, 横軸をクランク角としている. DME 混合燃料では燃料噴射期間が長くなっていることが分かる. この理由として,DME は低位発熱量が軽油や A 重油に比較して約 7 割と低いことが挙げられる. 発熱量が低いため,DME を混合した分だけ, 同出力を維持するためには多くの燃料が必要となる. 結果として噴射される燃料の量が増加し, 噴射期間が延長されたと考えられる. この傾向は, 高い出力が必要となる高負荷域で顕著に見られた. 図 ~8 に,185rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃料噴射圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 9~11 に,rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃料噴射圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 1 に,rpm 時の燃料別における各燃料噴射圧力を示す. 比較し易いように最小負荷 (Pi:.3MPa) と最大負荷 (Pi:.8MPa) の数値を示した. 低負荷域では, 燃料噴射までの圧力勾配に大きな違いは見られない. だが, 高負荷域において, 燃料噴射の際の圧力上昇が A 重油 % に比べて緩やかになっていることが分かる. これはDMEの弾性係数がほかの燃料に比べて低いので他の燃料に比べて圧縮されやすいためであると考えられる. この結果, 若干ではあるが噴射タイミングが遅延する傾向にある. 図 13 に,185rpm 時の燃料別における各燃料噴射圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 1 に,rpm 時の燃料別における各燃料噴射圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた.

Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa -3 T.D.C +5-3 T.D.C +5 図 3 rpm 時の % における燃料噴射管圧力 図 185rpm 時の % における燃料噴射管圧力 -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 rpm 時の 7%+DME3% における燃料噴射管圧力 -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 7 185rpm 時の 7%+DME3% における燃料噴射管圧力 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa -3 T.D.C +5-3 T.D.C +5 図 5 rpm 時の %+DME% における燃料噴射管圧力 図 8 185rpm 時の %+DME% における燃料噴射管圧力 11

-3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 9 rpm 時の % における燃料噴射管圧力 @Pi.3MPa @Pi.8MPa +DME(7:3)%@Pi.3MPa +DME(7:3)%@Pi.8MPa +DME(:)%@Pi.3MPa +DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 1 rpm 時における燃料別の燃料噴射管圧力の比較 -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 rpm 時の 7%+DME3% における燃料噴射管圧力 @Pi.3MPa @Pi.8MPa +DME(7:3)%@Pi.3MPa +DME(7:3)%@Pi.8MPa +DME(:)%@Pi.3MPa +DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 13 185rpm 時における燃料別の燃料噴射管圧力の比較 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa @Pi.3MPa @Pi.8MPa +DME(7:3)%@Pi.3MPa +DME(7:3)%@Pi.8MPa +DME(:)%@Pi.3MPa +DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 11 rpm 時の %+DME% における燃料噴射管圧力 -3 T.D.C +5 図 1 rpm 時における燃料別の燃料噴射管圧力の比較 1

燃料噴射圧力が高い場合図 1~1 に,rpm 時の MDO%,MDO7% +DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃料噴射圧力を示す. 負荷上昇に伴い, 燃料消費量が増加することから, 噴射期間が増大することが見られる.MDO% においては, 負荷が上昇するにつれ, 噴射のタイミングが早くなるが, 混合燃料 (MDO7%+DME3%,MDO%+DME %) では, 徐々に遅延していることがわかる. 図 17~19 に,185rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃料噴射圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 ~ に,rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃料噴射圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 3 に,rpm 時の燃料別における各燃料噴射圧力を示す. 比較し易いように最小負荷 (Pi:.3MPa) と最大負荷 (Pi:.8MPa) の数値を示した. 最小負荷においては燃料別の噴射タイミングの差は大きく見られないが, DME の混合比率が増加するに伴い, 噴射期間が増大していることがわかる. これは,DME の発熱量が MDO のそれより小さいことから, 燃料をより多く必要とするためだと考えられる. さらに, 最大負荷においては,DME の混合比率が増加するに伴い, 噴射タイミングは遅延した. これは,DME の高い圧縮性から, 昇圧するまでの時間を余分に要したためだと推測される. 図 に,185rpm 時の燃料別における各燃料噴射圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 5 に,rpm 時の燃料別における各燃料噴射圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 13

3 Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 3 Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP -3 T.D.C +5-3 T.D.C +5 図 1 rpm 時の MDO% における燃料噴射圧力 図 17 185rpm 時の MDO% における燃料噴射圧力 3 Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 3 Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP -3 T.D.C +5-3 T.D.C +5 図 15 rpm 時の MDO 7%+DME 3% における燃料噴射圧力 図 18 185rpm 時の MDO 7%+DME 3% における燃料噴射圧力 3 Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 3 Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP -3 T.D.C +5-3 T.D.C +5 図 1 rpm 時の MDO %+DME % における燃料噴射圧力 図 19 185rpm 時の MDO %+DME % における燃料噴射圧力 1

3-3 T.D.C +5 Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 図 rpm 時の MDO% における燃料噴射圧力 3 @Pi.3MPa @Pi.8MPa +DME(7:3)%@Pi.3MPa +DME(7:3)%@Pi.8MPa +DME(:)%@Pi.3MPa +DME(:)%@Pi.8MPa - T.D.C +5 図 3 rpm 時の燃料別における各燃料噴射圧力の比較 3-3 T.D.C +5 Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 3 @Pi.3MPa @Pi.8MPa +DME(7:3)%@Pi.3MPa +DME(7:3)%@Pi.8MPa +DME(:)%@Pi.3MPa +DME(:)%@Pi.8MPa - T.D.C +5 図 1 rpm 時の MDO 7%+DME 3% における燃料噴射圧力 図 185rpm 時の燃料別における各燃料噴射圧力の比較 3-3 T.D.C +5 Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 図 rpm 時の MDO %+DME % における燃料噴射圧力 @Pi.3MPa @Pi.8MPa +DME(7:3)%@Pi.3MPa +DME(7:3)%@Pi.8MPa +DME(:)%@Pi.3MPa +DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 5 rpm 時の燃料別における各燃料噴射圧力の比較 15

噴射圧力の比較図 ~3 に年度別の噴射圧力を示す. すべてのグラフにおいて点線 (7 年度実施の高圧燃料噴射 ) の噴射管圧力の方が高くなっている. これは, 燃料噴射弁内にシムを使用してノズル開弁圧を上げているためである. 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 rpm,pi.3mpa 時の噴射圧力の比較 - T.D.C +5 図 8 rpm,pi.5mpa 時の噴射圧力の比較 3 - MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 T.D.C +5 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 7 rpm,pi.mpa 時の噴射圧力の比較 図 9 rpm,pi.mpa 時の噴射圧力の比較 1

3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 3 rpm,pi.7mpa 時の噴射圧力の比較 - T.D.C +5 図 33 185rpm,Pi.MPa 時の噴射圧力の比較 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 31 rpm,pi.8mpa 時の噴射圧 力の比較 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 3 185rpm,Pi.5MPa 時の噴射圧 力の比較 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 3 185rpm,Pi.3MPa 時の噴射圧力の比較 - T.D.C +5 図 35 185rpm,Pi.MPa 時の噴射圧力の比較 17

3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 3 185rpm,Pi.7MPa 時の噴射圧 力の比較 - T.D.C +5 図 39 rpm,pi.mpa 時の噴射圧 力の比較 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 37 185rpm,Pi.8MPa 時の噴射圧 力の比較 - T.D.C +5 図 rpm,pi.5mpa 時の噴射圧力の比較 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 38 rpm,pi.3mpa 時の噴射圧 力の比較 - T.D.C +5 図 1 rpm,pi.mpa 時の噴射圧 力の比較 18

3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 rpm,pi.7mpa 時の噴射圧力の比較 3 MDO%- MDO7%+DME3%- MDO%+DME%- MDO%-7 MDO7%+DME3%-7 MDO%+DME%-7 - T.D.C +5 図 3 rpm,pi.8mpa 時の噴射圧力の比較 19

3- 燃焼圧力 通常噴射圧力の場合図 ~ に,rpm 時の MDO%,MDO7%+ DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃焼圧力を示す. 負荷は Pi( 図示平均有効圧力 ) にて 段階設定し, 縦軸を燃焼圧力, 横軸をクランク角としている. 負荷の増大に伴い, 燃焼圧力の立ち上がりが早くなることがわかる. また, 負荷が最大のとき燃焼圧力も最大になることが見られる. 図 7~9 に,185rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃焼圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 5~5 に,rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃焼圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 53 に,rpm 時の燃料別における各燃焼圧力を示す. 比較し易いように最小負荷 (Pi:.3MPa) と最大負荷 (Pi:.8MPa) の数値を示した. 最小負荷において MDO%+DME% では,MDO% に比べ, 燃焼圧力の立ち上がりが早くなっていることがわかる. これは DME のセタン価が MDO のそれよりも高く, 火炎伝播速度が速いことが影響したと考えられる. 最大負荷においては, 燃焼圧力の立ち上がりに大きな差は見られなかった. また,DME の混合率の増加に伴い, 燃焼圧力の最大値が減少することがわかる. これは,DME の発熱量が MDO のそれよりも低いことが影響したと考えられる. 図 5 に,185rpm 時の燃料別における各燃焼圧力を示す. 最小負荷, 最大負荷共に,rpm 時と同様の結果が得られた. 図 55 に,rpm 時の燃料別における各燃焼圧力を示す. 最小負荷において,MDO% に比べ,MDO%+DME % では燃焼圧力の立ち上がりが早くなっていることがわかる. これは,DME のセタン価が MDO のそれよりも高く, 火炎伝播速度が速いことが影響したと考えられる. また, MDO7%+DME3% ではの燃焼圧力の立ち上がりが若干遅れている. これは DME 混合による, 噴射タイミングの遅延が影響したためだと考えられる. 最大負荷では,MDO% と混合燃料とを比較すると, 混合燃料のほうが, 燃焼圧力の立ち上がりが緩慢になっていることが見てとれる. これは,DME の噴射タイミングが遅延する影響が強く出たためと考えられる.

Combustion Pressure (MPa) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 rpm 時の % 燃焼圧力 Combustion Pressure (MPa) -3 T.D.C +5 図 7 185rpm 時の % 燃焼圧力 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa Combustion Pressure (MPa) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa Combustion Pressure (MPa) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 5 rpm 時の 7%+DME3% における燃焼圧力 図 8 185rpm 時の 7%+DME3% における燃焼圧力 Combustion Pressure (MPa) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa Combustion Pressure (MPa) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 rpm 時の %+DME% における燃焼圧力 図 9 185rpm 時の %+DME% における燃焼圧力 1

Combustion Pressure (MPa) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 5 rpm 時の % 燃焼圧力 Combustion Pressure (MPa) @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 53 rpm 時における燃料別の燃焼圧力の比較 Combustion Pressure (MPa) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa Combustion Pressure (MPa) @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 51 rpm 時の 7%+DME3% における燃焼圧力 図 5 185rpm 時における燃料別の燃焼圧力の比較 Combustion Pressure (MPa) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 5 rpm 時の %+DME% における燃焼圧力 Combustion Pressure (MPa) @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 55 rpm 時における燃料別の燃焼圧力の比較

燃料噴射圧力が高い場合図 5~58 に rpm 時の MDO%,MDO7% +DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃焼圧力を示す. 負荷の増大に伴い, 燃焼圧力の立ち上がりが早くなることがわかる. また, 負荷が最大のとき燃焼圧力も最大になることが見られる. 図 59~1 に,185rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃焼圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 ~ に,rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各燃焼圧力を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 5 に,rpm 時の燃料別における各燃焼圧力を示す. 比較し易いように最小負荷 (Pi:.3MPa) と最大負荷 (Pi:.8MPa) の数値を示した. 最小負荷において MDO%+DME% では,MDO% に比べ, 燃焼圧力の立ち上がりが早くなっていることがわかる. これは DME のセタン価が MDO のそれよりも高く, 火炎伝播速度が速いことが影響したと考えられる. それに対し, MDO7%+DME3% では,MDO% に比べ, 若干立ち上がりが遅れている. これは燃料供給系統の高温部にて DME が気化し, ベーパーロック現象を起こすことによって噴射タイミングが遅延したと推測される. 最大負荷においては, 燃焼圧力の立ち上がりに大きな差は見られない. また, DME の混合率の増加に伴い, 燃焼圧力の最大値が減少することがわかる. これは,DME の発熱量が MDO のそれよりも低いことが影響したと考えられる. 図 に,185rpm 時の燃料別における各燃焼圧力を示す. 最小負荷では,MDO% に比べ, 混合燃料 (MDO7%+DME3%,MDO% +DME %) の燃焼圧力の立ち上がりが, 若干早いことがわかる. この場合も DME のセタン価が MDO のそれよりも高いことが影響したと考えられる. 最大負荷においては,rpm 時と同様の結果が得られた. 図 7 に,rpm 時の燃料別における各燃焼圧力を示す. 最小負荷においては 185rpm 時と同様の結果が得られた. 最大負荷においては,MDO% に比べ, 混合燃料 (MDO7%+DME3%,MDO%+DME %) の燃焼圧力の立ち上がりが若干遅れている. これは DME 混合による, 噴射タイミングの遅延が影響したためだと考えられる. また,DME の混合率の増加に伴い, 燃焼圧力の最大値が減少することがわかる. 3

Combustion Pressure (MPa) 7 5 3 - T.D.C +3 Pi:.3MPa Pi:.MPa Pi:.5MPa Pi:.MPa Pi:.7MPa Pi:.8MPa Combustion Pressure (MPa) 7 5 3 - T.D.C +3 Pi:.3MPa Pi:.MPa Pi:.5MPa Pi:.MPa Pi:.7MPa Pi:.8MPa 図 5 rpm 時の MDO% における燃焼圧力 図 59 185rpm 時の MDO% における燃焼圧力 Combustion Pressure (MPa) 7 5 3 - T.D.C +3 Pi:.3MPa Pi:.MPa Pi:.5MPa Pi:.MPa Pi:.7MPa Pi:.8MPa Combustion Pressure (MPa) 7 5 3 - T.D.C +3 Pi:.3MPa Pi:.MPa Pi:.5MPa Pi:.MPa Pi:.7MPa Pi:.8MPa 図 57 rpm 時の MDO 7%+DME 3% における燃焼圧力 図 185rpm 時の MDO 7%+DME 3% における燃焼圧力 Combustion Pressure (MPa) 7 5 3 - T.D.C +3 Pi:.3MPa Pi:.MPa Pi:.5MPa Pi:.MPa Pi:.7MPa Pi:.8MPa Combustion Pressure (MPa) 7 5 3 - T.D.C +3 Pi:.3MPa Pi:.MPa Pi:.5MPa Pi:.MPa Pi:.7MPa Pi:.8MPa 図 58 rpm 時の MDO %+DME % における燃焼圧力 図 1 185rpm 時の MDO %+DME % における燃焼圧力

Combustion Pressure (MPa) 7 5 3 - T.D.C +3 Pi:.3MPa Pi:.MPa Pi:.5MPa Pi:.MPa Pi:.7MPa Pi:.8MPa 図 rpm 時の MDO% における燃焼圧力 Combustion Pressure (MPa) -3 @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa T.D.C +5 図 5 rpm 時の燃料別における各燃焼圧力の比較 Combustion Pressure (MPa) 7 5 3 - T.D.C +3 Pi:.3MPa Pi:.MPa Pi:.5MPa Pi:.MPa Pi:.7MPa Pi:.8MPa 図 3 rpm 時の MDO 7%+DME 3% における燃焼圧力 Combustion Pressure (MPa) @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 185rpm 時の燃料別における各燃焼圧力の比較 Combustion Pressure (MPa) 7 5 3 - T.D.C +3 Pi:.3MPa Pi:.MPa Pi:.5MPa Pi:.MPa Pi:.7MPa Pi:.8MPa 図 rpm 時の MDO %+DME % における燃焼圧力 Combustion Pressure (MPa) -3 @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa T.D.C +5 図 7 rpm 時の燃料別における各燃焼圧力の比較 5

3-3 熱発生率 通常噴射圧力の場合図 8~7 に,rpm 時の MDO%,MDO7%+ DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各熱発生率を示す. 負荷は Pi( 図示平均有効圧力 ) にて 段階設定し, 縦軸を熱発生率, 横軸をクランク角としている. 負荷の上昇に伴い, 立ち上がりが早くなり, 燃焼期間が増大していることがわかる. さらに, 熱発生率の最大値も徐々に減少し, その後の拡散燃焼期間及び後燃え燃焼期間における値が大きくなっている. これにより, 負荷の上昇に伴い, 予混合燃焼期間が短縮し, 拡散燃焼期間及び後燃え燃焼期間が延長したことがわかる. また, 混合燃料 (MDO7%+DME3%,MDO%+DME %) では,DME の特性である高セタン価, 着火性が良いことから拡散燃焼期, 後燃え燃焼期においても良好な燃焼が行われていることがグラフの脈動からわかる. 図 71~73 に,185rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各熱発生率を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 7~7 に,rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各熱発生率を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 77 に,rpm 時の燃料別における各熱発生率を示す. 比較し易いように最小負荷 (Pi:.3MPa) と最大負荷 (Pi:.8MPa) の数値を示した. 低負荷域では予混合燃焼期間の熱発生率の最大値が大きいのに対し, 高負荷域ではそれが小さくなっており, 熱発生率の立ち上がりに大きな差がないため, 高負荷域では予混合燃焼期間が短縮し, 拡散燃焼期間及び後燃え燃焼期間が延長したことがわかる. 図 78 に,185rpm 時の燃料別における各熱発生率を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 79 に,rpm 時の燃料別における各熱発生率を示す. この場合も 185rpm 時と同様の結果が得られた.

Rate of heat release (kj/deg.) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 8 rpm 時の % における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) -3 T.D.C +5 図 71 185rpm 時の % における熱発生率 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa Rate of heat release (kj/deg.) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 9 rpm 時の 7%+DME3% における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) -3 T.D.C +5 図 7 185rpm 時の 7%+DME3% における熱発生率 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa Rate of heat release (kj/deg.) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 7 rpm 時の %+DME% における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) -3 T.D.C +5 図 73 185rpm 時の %+DME% における熱発生率 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 7

Rate of heat release (kj/deg.) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 7 rpm 時の % における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 77 rpm 時における燃料別の熱発生率の比較 Rate of heat release (kj/deg.) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 75 rpm 時の 7%+DME3% における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 78 185rpm 時における燃料別の熱発生率の比較 Rate of heat release (kj/deg.) -3 T.D.C +5 Pi.3MPa Pi.MPa Pi.5MPa Pi.MPa Pi.7MPa Pi.8MPa 図 7 rpm 時の %+DME% における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa -3 T.D.C +5 図 79 rpm 時における燃料別の熱発生率の比較 8

燃料噴射圧が高い場合図 8~8 に,rpm 時の MDO%,MDO7% +DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各熱発生率を示す. 負荷の上昇に伴い, 立ち上がりが早くなり, 燃焼期間が増大していることがわかる. さらに, 熱発生率の最大値も徐々に減少し, その後の拡散燃焼期間及び後燃え燃焼期間における値が大きくなっている. これにより, 負荷の上昇に伴い, 予混合燃焼期間が短縮し, 拡散燃焼期間及び後燃え燃焼期間が延長したことがわかる. また, 混合燃料 (MDO7%+DME3%,MDO%+DME %) では,DME の特性である高セタン価, 着火性が良いことから拡散燃焼期, 後燃え燃焼期においても良好な燃焼が行われていることがグラフの脈動からわかる. 図 83~85 に,185rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各熱発生率を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 8~88 に,rpm 時の MDO%,MDO7%+DME3%,MDO%+DME % における負荷ごとの各熱発生率を示す. この場合も rpm 時と同様の結果が得られた. 図 89 に,rpm 時の燃料別における各熱発生率を示す. 比較し易いように最小負荷 (Pi:.3MPa) と最大負荷 (Pi:.8MPa) の数値を示した. 低負荷域では予混合燃焼期間の熱発生率の最大値が大きいのに対し, 高負荷域ではそれが小さくなっており, 熱発生率の立ち上がりに大きな差がないため, 高負荷域では予混合燃焼期間が短縮し, 拡散燃焼期間及び後燃え燃焼期間が延長したことがわかる. 図 9 に,185rpm 時の燃料別における各熱発生率を示す. 低負荷においては,MDO と混合燃料 (MDO7%+DME3%,MDO%+DME %) とで大きな差は見られない. この場合も同様に, 高負荷域では予混合燃焼期間が短縮し, 拡散燃焼期間及び後燃え燃焼期間が延長したことがわかる. また, 高負荷においては DME の混合率が増加するに伴い, 予混合燃焼期間における熱発生率の最大値が若干小さくなっており, 予混合燃焼期間が短縮したと考えられる. さらに,DME の特性である, 高セタン価, 着火性が良いことから, 拡散燃焼期間及び後燃え燃焼期間においても, より良好な燃焼が行われていることがわかる. 図 91 に,rpm 時の燃料別における各熱発生率を示す. この場合も同様に,185rpm 時と同様の結果が得られた. 9

Rate of heat release (kj/deg.) 8 - T.D.C + Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP Rate of heat release (kj/deg.) 8 - T.D.C + Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 図 8 r pm 時の MDO% における熱発生率 図 83 185rpm 時の MDO% における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) 8 - T.D.C + Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP Rate of heat release (kj/deg.) 8 - T.D.C + Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 図 81 rpm 時の MDO 7%+DME 3% における熱発生率 図 8 185rpm 時の MDO 7%+DME 3% における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) - T.D.C + Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP Rate of heat release (kj/deg.) 8 - T.D.C + Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 図 8 rpm 時の MDO %+DME % における熱発生率 図 85 185rpm 時の MDO %+DME % における熱発生率 3

Rate of heat release (kj/deg.) 8 - T.D.C + Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 図 8 rpm 時の MDO% における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa - T.D.C + 図 89 rpm 時の燃料別における各熱発生率の比較 Rate of heat release (kj/deg.) 8 - T.D.C + Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 図 87 rpm 時の MDO 7%+DME 3% における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) - @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa T.D.C + 図 9 185rpm 時の燃料別における各熱発生率の比較 Rate of heat release (kj/deg.) 8 - T.D.C + Pi:.3MP Pi:.MP Pi:.5MP Pi:.MP Pi:.7MP Pi:.8MP 図 88 rpm 時の MDO %+DME % における熱発生率 Rate of heat release (kj/deg.) @Pi.3MPa @Pi.8MPa + DME(7:3)%@Pi.3MPa + DME(7:3)%@Pi.8MPa + DME(:)%@Pi.3MPa + DME(:)%@Pi.8MPa - T.D.C + 図 91 rpm 時の燃料別における各熱発生率の比較 31

3- NO X 濃度, 煙濃度,CO 濃度,O 濃度 通常噴射圧力の場合図 9~9 に rpm 時,185rpm 時,rpm 時の各燃料における NO X 濃度を示す. DME の混合率の増加に伴い, 特に高負荷域において,NO X 濃度が減少することがわかる. これは DME の特性である大きな蒸発潜熱によって周囲の温度が低下して, 生成の抑制につながったと考えられる. 9 8 rpm NOx (ppm) 7 5 3 Marine Diesel oil % + DME(7:3) Marine Diesel oil + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 9 rpm 時における NOx 濃度 3

NOx (ppm) 9 8 7 5 3 185rpm % + DME(7:3) + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 93 185rpm 時における NOx 濃度 NOx (ppm) 9 8 7 5 3 rpm % + DME(7:3) + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 9 rpm 時における NOx 濃度 33

図 95~97 に rpm 時,185rpm 時,rpm 時の各燃料における煙濃度を示す. 低負荷域ではあまり差は見られないが, 高負荷域になるにつれ,DME の混合率の増加に伴い減少することがわかる. これは DME が分子構造上, 炭素の直接結合をもたないためと考えられる. Smoke (%) 5 3 rpm % + DME(7:3) + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 95 rpm 時における煙濃度 3

Smoke (%) 5 3 185rpm % + DME(7:3) + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 9 185rpm 時における煙濃度 Smoke (%) 5 3 rpm % + DME(7:3) + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 97 rpm 時における煙濃度 35

図 98~ に rpm 時,185rpm 時,rpm 時の各燃料における CO 濃度を示す. DME を混合した場合に,CO 濃度は若干現象していることが見て取れる. なので,CO 濃度が少ないと言うディーゼルエンジンの利点を失っていないと言える. rpm 8 CO (%) % + DME(7:3) +DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 98 rpm 時における CO 濃度 3

8 185rpm CO (%) % Marine Diesel oil + DME(7:3) + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 99 185rpm 時における CO 濃度 8 rpm CO (%) Marine Diesel oil % Marine Diesel oil + DME(7:3) Marine Diesel oil + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 rpm 時における CO 濃度 37

図 1~3 に rpm 時,185rpm 時,rpm 時の各燃料における O 濃度を示す. 各回転数ともに DME 混合燃料使用時の方が若干上昇している. これは DME が含酸素燃料であり, 空気中の酸素使用量が減少したためと考えられる. 18 rpm 1 O (%) 1 1 8 % + DME(7:3) + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 1 rpm 時における O 濃度 18 185rpm 1 O (%) 1 1 8 % + DME(7:3) + DME(:)..3..5..7.8.9 Pi (MPa) 図 185rpm 時における O 濃度 38

18 rpm 1 O (%) 1 1 8 % + DME(7:3) + DME(:)....8 1 Pi (MPa) 図 3 rpm 時における O 濃度 39

燃料噴射圧力が高い場合図 ~ に rpm 時,185rpm 時,rpm 時の各燃料における NO X 濃度を示す. DME の混合率の増加に伴い, 特に高負荷域において,NO X 濃度が減少することがわかる.rpm 時には,MDO% と MDO%+DME% を比較すると, 最大で約 % 近く減少した. これは DME の特性である大きな蒸発潜熱によって周囲の温度が低下して, 生成の抑制につながったと考えられる. NOx (ppm) 9 8 7 5 3 rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %.3..5..7.8.9 Pi (MPa) 図 rpm 時の各燃料における NO X 濃度 NOx (ppm) 9 8 7 5 3 185rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %.3..5..7.8.9 Pi (MPa) 図 5 185rpm 時の各燃料における NO X 濃度

NOx (ppm) 9 8 7 5 3 rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %.3..5..7.8.9 Pi (MPa) 図 rpm 時の各燃料における NO X 濃度 1

図 7~9 に rpm 時,185rpm 時,rpm 時の各燃料における煙濃度を示す. 低負荷域ではあまり差は見られないが, 高負荷域になるにつれ,DME の混合率の増加に伴い減少することがわかる. MDO% と MDO%+DME% を比較すると最大で約 75% 低減されたことがわかる. Smoke (%) 5 3 rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %....8 1 Pi (MPa) 図 7 rpm 時の各燃料における煙濃度

Smoke (%) 5 3 185rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %....8 1 Pi (MPa) 図 8 185rpm 時の各燃料における煙濃度 5 rpm Smoke (%) 3 MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %....8 1 Pi (MPa) 図 9 rpm 時の各燃料における煙濃度 3

図 1~11 に rpm 時,185rpm 時,rpm 時の各燃料における CO 濃度を示す. MDO% に比べて MDO%+DME% では CO 濃度がわずかながら減少しているが, ほぼ, 同様の傾向を示している. このことにより, ディーゼルエンジンの本来の性能, 長所を失っていないといえる. CO (%) 1 8 rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %..3..5..7.8.9 Pi (MPa) 図 1 rpm 時の各燃料における CO 濃度

CO (%) 8 185rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %..3..5..7.8.9 Pi (MPa) 図 111 185rpm 時の各燃料における CO 濃度 CO (%) 8 rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %..3..5..7.8.9 Pi (MPa) 図 11 rpm 時の各燃料における CO 濃度 5

図 113~115 に rpm 時,185rpm 時,rpm 時の各燃料における O 濃度を示す. 各回転数において, 負荷の増大に伴い O 濃度が減少することがわかる.MDO % と比べると MDO%+DME% では増大が見られた.rpm 時では最大で約 % の増大が見られた. これは DME が含酸素燃料なので空気中の酸素使用量が減少するためだと考えられる. O (%) 18 1 1 1 8 rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME %..3..5..7.8.9 Pi (MPa) 113 rpm 時の各燃料における O 濃度 図

O (%) 18 1 1 1 185rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME % 8..3..5..7.8.9 Pi (MPa) 図 11 185rpm 時の各燃料における O 濃度 O (%) 18 1 1 1 rpm MDO % MDO 7% + DME 3% MDO % + DME % 8..3..5..7.8.9 Pi (MPa) 図 115 rpm 時の各燃料における O 濃度 7

3-5 燃焼状態の割合について 通常噴射圧力の場合図 11 に rpm 時の最小負荷 (Pi:.3MPa) における燃焼状態の割合を示す. MDO% と混合燃料とを比較すると, 混合されている DME の量が多くなるほど, 拡散燃焼の比率が多くなった. 図 117 に rpm 時の最大負荷 (Pi:.8MPa) における燃焼状態の割合を示す. この場合も負荷 1 の時と同様に MDO % と混合燃料とを比較すると, 混合されている DME の量が多くなるほど, 拡散燃焼の比率が多くなった. 図 118 に 185rpm 時の最小負荷 (Pi:.3MPa) における燃焼状態の割合を示す. MDO % と混合燃料とを比較すると, 混合されている DME の量が多くなるほど, 拡散燃焼の比率が多くなった. 図 119 に 185rpm 時の最大負荷 (Pi:.8MPa) における燃焼状態の割合を示す. この場合も負荷 1 の時と同様に MDO % と混合燃料とを比較すると, 混合されている DME の量が多くなるほど, 拡散燃焼の比率が多くなった. 図 に rpm 時の最小負荷 (Pi:.3MPa) における燃焼状態の割合を示す. MDO % と混合燃料とを比較すると MDO 7%+DME3% の予混合燃焼の比率が多くなっているが, これは噴射タイミングの影響と考えられる. 図 11 に rpm 時の最大負荷 (Pi:.8MPa) における燃焼状態の割合を示す. MDO % と混合燃料とを比較すると MDO % より, 予混合燃焼の比率が多くなった. 8

Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi.3MPa@rpm 予混合燃焼 拡散燃焼 % + DME(7:3)% + DME(:)% 図 11 最小負荷,rpm 時においての燃焼状態の割合 Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi.8MPa@rpm 予混合燃焼 拡散燃焼 % + DME(7:3)% + DME(:)% 図 117 最大負荷,rpm 時においての燃焼状態の割合 9

Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi.3MPa@185rpm 予混合燃焼 拡散燃焼 % + DME(7:3)% + DME(:)% 図 118 最小負荷,185rpm 時においての燃焼状態の割合 Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi.8MPa@185rpm 予混合燃焼 拡散燃焼 % + DME(7:3)% + DME(:)% 図 119 最大負荷,185rpm 時においての燃焼状態の割合 5

Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi.3MPa@rpm 予混合燃焼 拡散燃焼 % + DME(7:3)% + DME(:)% 図 最小負荷,rpm 時においての燃焼状態の割合 Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi.8MPa@rpm 予混合燃焼 拡散燃焼 % + DME(7:3)% + DME(:)% 図 11 最大負荷,rpm 時においての燃焼状態の割合 51

燃料噴射圧力が高い場合図 1 に rpm 時の最小負荷 (Pi:.3MPa) における燃焼状態の割合を示す.MDO7%+DME3% において予混合燃焼の割合は最大となり,MDO% に比べ MDO%+DME% では, 若干, 拡散燃焼の割合が多くなることがわかる. 図 13 に rpm 時の最大負荷 (Pi:.8MPa) における燃焼状態の割合を示す. MDO7%+DME3% において予混合燃焼の割合が最大になることがわかる. 図 1 に 185rpm 時の最小負荷 (Pi:.3MPa) における燃焼状態の割合を示す. DME の混合比が増加するに伴い拡散燃焼の割合が多くなることがわかる. 図 15 に 185rpm 時の最大負荷 (Pi:.8MPa) における燃焼状態の割合を示す. DME の混合比が増加するに伴い拡散燃焼の割合が多くなることがわかる. 図 1 に rpm 時の最小負荷 (Pi:.3MPa) における燃焼状態の割合を示す. MDO7%+DME3% において拡散燃焼の割合が最大になることがわかる. 図 17 に rpm 時の最大負荷 (Pi:.8MPa) における燃焼状態の割合を示す. MDO7%+DME3% において拡散燃焼の割合が最大になることがわかる. 5

Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi:.3MPa@rpm 拡散燃焼予混合燃焼 % MDO% MDO7%+DME3% MDO%+DME% 図 1 rpm 時の最小負荷における燃焼状態の割合 Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi:.8MPa@rpm 拡散燃焼予混合燃焼 % MDO% MDO7%+DME3% MDO%+DME% 図 13 rpm 時の最大負荷における燃焼状態の割合 53

% Pi:.3MPa@185rpm 拡散燃焼予混合燃焼 Combustion type ratio(%) 8% % % % % MDO% MDO7%+DME3% MDO%+DME% 図 1 185rpm 時の最小負荷における燃焼状態の割合 Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi:.8MPa@185rpm 拡散燃焼予混合燃焼 % MDO% MDO7%+DME3% MDO%+DME% 図 15 185rpm 時の最大負荷における燃焼状態の割合 5

Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi:.3MPa@rpm 拡散燃焼予混合燃焼 % MDO% MDO7%+DME3% MDO%+DME% 図 1 rpm 時の最小負荷における燃焼状態の割合 Combustion type ratio(%) % 8% % % % Pi:.8MPa@rpm 拡散燃焼予混合燃焼 % MDO% MDO7%+DME3% MDO%+DME% 図 17 rpm 時の最大負荷における燃焼状態の割合 55

3- PM について PM について, 年度は計測していないため,7 年度の燃料噴射圧力が高い場合のみの結果である. 図 18 に各回転数の最小負荷 (Pi:.3MPa) における PM 量と SOF,IOF の割合を示す. rpm 時では,MDO% と混合燃料を比較すると,PM 量に大きな差は見られなかったが,DME の混合率の増加に伴い,IOF の割合が若干減少したことがわかる. 185rpm 時では,DME の混合率の増加に伴い PM 量が低減し, さらに IOF の割合も若干減少したことがわかる. rpm 時では,DME の混合率の増加に伴い PM 量が低減し, さらに IOF の割合も大きく減少したことがわかる. 図 19 に各回転数の最大負荷 (Pi:.8MPa) における PM 量と SOF,IOF の割合を示す. rpm 時では,DME の混合率の増加に伴い PM 量が低減し, さらに IOF の割合も大きく減少したことがわかる. 185rpm 時では,DME の混合率の増加に伴い PM 量が低減し, さらに IOF の割合も減少したことがわかる. rpm 時では,DME の混合率の増加に伴い PM 量が低減し, さらに IOF の割合も若干減少したことがわかる. 5

(mg/m3) 35 3 5 IOF SOF 15 5 MDO+DME(:)%@rpm MDO+DME(7:3)%@rpm MDO%@rpm MDO+DME(:)%@rpm MDO+DME(7:3)%@rpm MDO%@rpm MDO+DME(:)%@185rpm MDO+DME(7:3)%@185rpm MDO%@185rpm 図 18 最小負荷 (Pi:.3MPa) における PM の量とその割合 (mg/m3) 35 3 5 IOF SOF 15 5 MDO+DME(:)%@rpm MDO+DME(7:3)%@rpm MDO%@rpm MDO+DME(:)%@rpm MDO+DME(7:3)%@rpm MDO%@rpm MDO+DME(:)%@185rpm MDO+DME(7:3)%@185rpm MDO%@185rpm 図 19 最大負荷 (Pi:.8MPa) における PM の量とその割合 57

むすび 本研究課題では, 舶用ディーゼルエンジンの燃料である重油に, ジメチルエーテル (Dimethyl Ether : DME) を混合することで, エンジンにおける排気ガスの清浄化を試みるものである. 本研究では, 潤滑性を補うために軽油や重油燃料に DME を混合することで使用し, またテフロンなどの素材を燃料配管に使用することで腐食をさけることを検討した. 耐圧容器 (5MPa 程度 ) を燃料タンクとして使用し, 混合燃料の圧力を DME の飽和蒸気圧以上に保ったままで送油できるようにして, エンジンにおける燃焼試験を行った. その結果, 下記のような知見を得た. ジメチルエーテルを混合することで, 燃料噴射期間は増大する. また噴射開始時期も若干遅延する. すすの排出はジメチルエーテルを混合することで大幅に低減できる. この効果は, 燃料噴射圧力, 負荷条件によらず見られた. 窒素酸化物は, 通常燃料噴射圧力の場合には高負荷域で若干低減された. 燃料噴射圧力を高くすると, いずれの負荷域でも排出量の低減がみられた. 低減率は最大で約 % 程度であった. 通常の燃料噴射圧力の場合, ジメチルエーテルの混合量が多くなると, 拡散的な燃焼期間が大きくなった. 燃料噴射圧力が高くなると, この傾向は顕著でなくなる. 以上より, ジメチルエーテルはディーゼルエンジン燃料の燃焼改善に有効であると結論した. 本研究課題では, 燃料噴射圧力を変化させることで燃料分散過程に違いを設けて, 排気ガス清浄化の効果を確かめたが, 燃料の分散過程と燃焼との関連には推測する部分も多く, 今後の検討課題としたい. 58