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IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税

国際課税原則帰属主義

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3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

タイ財務省 (Ministry of Finance) は 2015 年 5 月 1 日付の官報にて勅令 (Royal Decree) No. 586, 587 を公布しました これは 国際地域統括本部 (International Headquarters IHQ ) 及び国際貿易センター (In

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日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

国際課税原則帰属主義

また 税務局は VAT 還付に対して非協力的な姿勢なため 理不尽な理由で還付を認めないことや 還付を認めたにもかかわらず送金までに時間を要することもあるため 資金繰りを考える際には慎重に時間を見積もることをお勧めする なお 還付手続に係る労力や還付が否認されるリスクを勘案すると 控除しきれない仕入

貸借対照表 (2019 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 科目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 3,784,729 流動負債 244,841 現金及び預金 3,621,845 リース債務 94,106 前払費用 156,652 未払金 18,745

2015年中国税务年会

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

KPMG Insight Vol.2_税務01

わかりやすいタイの会計・税務制度基礎セミナー

法人による完全支配関係下の寄附金 1.100% グループ内の法人間の寄附 ( 法法 372) 現行税制上では 寄附金は支出法人では損金計上限度額を超える部分が損金不算入 受領法人では益金算入です 平成 22 年度税制改正により 100% グループ内での支出法人では寄附金全額を損金不算入とし 受領法人

粉飾決算と過年度損益修正 1. 概要 経営上の諸般の事情により やむを得ず粉飾して架空売上や架空在庫を計上する場合があります 前期以前の 過年度の決算が間違っていた場合は 会計上は当期の期首で修正できます ただし 過年度の損失を当期に損金算入すれば その事業年度に損金計上すべきであり 過年度の損失は

TAC2017.indb

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き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

第 5 章国税の還付及び還付加算金 第 5 章国税の還付及び還付加算金 第 1 節国税の還付 学習のポイント 1 国税の還付金等とはどのようなものか 2 充当とはどのようなものか 1 還付金等の種類国税の還付には 還付金の還付と過誤納金の還付の二種類があり 還付金と過誤納金を併せて還付金等という (

JV 工事における取下金の分配についての消費税取扱いは JV 工事における出資金の請求での消費税取扱いは 立替金の請求は税込みでスポンサー会社に請求するが 消費税の対象外と して税抜きで請求する場合とは 各構成員が消費税を申告する際に 仕入税額控除を個別対応方式で計算する 場合に必要な計算要素は J

チャイナアラート(中国速報)- 第6回, 2012年4月-増値税ゼロ税率課税役務の税金免除、控除及び還付の管理弁法の公布について

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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税が課税される所得を生み出す事業活動に使われているか否かを基準に損金算入規制を設けていると考えられます 株式などの出資の取得のために資金を使った場合, 株式から生じる配当やキャピタルゲインは資本参加免税により非課税となります このケースでは, オランダでの課税所得を生じないことが想定されるため, 出

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

ミャンマーでの建設受注に関わる税務問題

2017年度税制改正 相続税・贈与税国外財産に対する納税義務の範囲の見直し

損金算入できる税金 1. 概要消費税の計算を税抜経理処理して決算時点で課税売上割合が 95% 未満になった場合 控除対象外消費税が出てきます この仮受消費税と仮払消費税の差額と 確定納付額のずれは 損金算入できます 課税売上割合が 80% 以上 95% 未満の場合は 全額を租税公課として損金計上でき

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

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【表紙】

⑵ 過誤納金還付金が各税法の定めに基づいて発生するのに対して 過誤納金は 法律上 国税として納付すべき原因がないのに納付された金額で 国の一種の不当利得に係る返還金である なお この過誤納金は 次の二つに分かれる イ過納金過納金は 納付時には納付すべき確定した国税があったが 減額更正や不服審査の裁決

平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

 

3 平成 25 年 4 月に給与の支給規程を改訂し 平成 24 年分 10 月にまでさかのぼって実施する こととなり 平成 25 年 4 月の給与支給日に支払うこととなった平成 24 年 10 月から平成 25 年 3 月までの給与改訂差額 A 3 1 給与所得の収入金額の収入すべき時期は 契約又は

ニュース 2017 年 12 月 内容 I. 付加価値税 VAT 還付および保険料の損金算入上限に関する政令 146/2017/ND-CP 号 (2016 年 7 月 1 日付政令 100/2016/ND-CP 号及び 2015 年 2 月 12 日付政令 12/2015/ND-CP 号 の幾つかの

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

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(1) 理由付記等

法人税 住民税及び事業税等に関する会計基準 ( 案 ) について PwC あらた有限責任監査法人第 3 製造 流通 サービス部パートナー市原順二 はじめに 2016 年 11 月 9 日 企業会計基準委員会は企業会計基準公開草案第 59 号 法人税 住民税及び事業税等に関する会計基準 ( 案 )(

[2] 財務上の影響 自己株式を 取得 した場合には 通常の有価証券の Ⅰ. 株主資本 ように資産に計上することはせず 株主との間の資本取 1. 資本金 引と考え その取得原価をもって純資産の部の株主資本 2. 資本剰余金 (1) 資本準備金 から控除します そのため 貸借対照表上の表示は金額 (2

一定の要件を満たす中小 個人事業は売上高ベースのみなし課税制度 (Lump-sum Tax) も適用できる 事業内容と売上高により 3% から 7% の累進税率が適用される 年間収益額 が 12 百万キープ以下の事業者は法人所得税が免税となる (1) 課税所得課税所得は課税年度における全ての種類の事

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

1 関税法上の用語の定義 輸入 外国貨物を本邦に引き取ること輸出 内国貨物を外国に向けて送り出すこと 外国貨物 1 輸出の許可を受けた貨物 2 外国から本邦に到着した貨物 ( 外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む ) で輸入が許可される前のもの内国貨物 1 本邦にある貨物で外国貨物でないもの

平成23年度税制改正の主要項目

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

第 12 章 税制 図表 12-1 法人が源泉徴収を求められる主な項目 支払の種類 税率 1 内国法人が内国法人または個人に支払う賃貸室料 5% 2 内国法人が弁護士等の職業的専門家に支払う報酬 3% 3 内国法人が内国法人または個人に支払う広告料 2% 4 内国法人が内国法人に支払う貨物運送料 1

企業会計の利益 法人税法上の所得金額 売上原価販売費一般管理費営業外費用特別損失 売上 営業外収益特別利益 損金の額原価費用損失の額 益金の額 ( 収益の額 ) 当期純利益所得の金額 2 益金の額に算入すべき金額とは何か益金の額に算入すべき金額とは 法人税法の規定や他の法令で 益金の額に算入する 又

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

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e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

デンマークとの新租税条約

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

税務調査ではない 行為の定義が規定されていますので 上記通達と合わせて確認しましょう 国税通則法第 7 章の2( 国税の調査 ) 関係通達の制定について ( 法令解釈通達 ) 1-2( 調査 に該当しない行為) 当該職員が行う行為であって 次に掲げる行為のように 特定の納税義務者の課税標準等又は税額

Ⅲ 納付 [Q6] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q7] 今般の熊本地震災害により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q8] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの程度の損失を

本報告書の利用についての注意 免責事項 本報告書は 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) ニューデリー事務所が現地会計事務所 KPMG に作成委託し 2017 年 3 月に入手した情報に基づくものであり その後の法律改正などによって変わる場合があります 掲載した情報 コメントは作成委託先の判断によるも

2018年度改正 相続税・贈与税外国人納税義務の見直し

仮想通貨に係る税制と今後

自力執行権 ( 徴 47など ) が特別に認められる点を除けば 私債権と同様に取り扱うことが妥当である ( 通 723) 国税の徴収権及び納税者の国に対する還付請求権は 私債権と同様に時効制度が採られている ( 通 ) 徴収権及び還付請求権と私債権との消滅時効における違いは 次表のとお

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

Taro-入門ⅡA jtd

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(消費税)確定申告書作成(一般課税)編

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

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?? TAX LAW NEWSLETTER 2017 年 2 月号 (Vol.24) 国税庁 米国リミテッド パートナーシップをパススルー ( 構成員課税 ) と取り扱うとの見解を公表 Ⅰ. はじめに Ⅱ. これまでの議論 Ⅲ. 今回の国税庁の見解の内容 Ⅳ. 最高裁判決との関係 ( 納税者のパスス

( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ

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マンション管理組合の会計監査

わかりやすいタイの会計・税務制度基礎セミナー

税金の時効 税務では 時効のことを更正 決定処分の期間制限 = 除斥期間 といいます その概要は 以下の通りです 1. 国税側の除斥期間 ( 通則法 70) 1 期限内申告書を提出している場合の所得税 相続税 消費税 税額の増額更正 決定処分の可能期間 : 法定申告期限から 3 年 2 無申告の場合

2019 年度版 2019 年度版 CPE カリキュラム一覧表 4. 税務 学習成果 税務に関連する理論及び諸規定を適用する 大分類 40 総論 必須 税務 小分類 ( 研修コード ) 01 租税法概論 ( 4001 ) 租税法入門 税法総論 1. 租税の意義 種類とその役割 2. 租税法の法体系及

(Microsoft Word \246~11\244\353\245x??\260\310???\247\353\270\352\252k\245O??????_JP2.docx)

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

40 総論 01 租税法概 租税制度総論 必須 税務 論 1. 公認会計士と税務業務 ( 4001 ) 2. 税理士制度 3. 税務官庁の組織 4. 不服申立て 税務訴訟 5. 税務調査と否認の処理 6. 処罰法 7. その他 02 税制の動 向 ( 4002 ) 税制改正一般改正税法の研究 将来税

平成30年3月期決算の留意事項(税務)


損金経理と積立金経理の違い ( 圧縮超過額がない場合の基本構造 ) 例 A 社は 50の国庫補助金を得て 100で機械を取得した なお A 社の経常利益は 100 である * 仕訳の違い ( 単位 : 百万円 ) 損金経理積立金経理 補助金受贈と機械取得時の仕訳 ( 両者とも同じ ) 現金預金 50

過納金とは 納付納入の時にはそれに対応する租税債務が存在していたが 結果的に不適法な納付納入となった場合における地方公共団体の徴収金のことであり 1 納付納入の時には一応適法であったものが その申告 更生 決定又は賦課決定が誤って過大にされていたため 後になって減額更正 減額の賦課決定又は賦課決定の

目 次 1. 政策税制措置の延長 1 入国者が輸入するウイスキー等に係る酒税の税率の特例の適用期限の延長 1 2 入国者が輸入する紙巻たばこのたばこ税の税率の特例の適用期限の延長 1 2. その他 (1) 納税者利便の向上 < 所得税関係 > 3 年金所得者の申告手続の簡素化 2 4 申告義務のある

相続税の大増税に備える! 不動産による最新節税対策

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります


II. 課税標準の確定申告と納付 ( 地 税法第 103 条の23) 1. 申告期限 各事業年度の終了 が属する の末 から4ヶ 以内 ( 連結法 は5ヶ 以内 ) に納税地管轄の地 治 団体の に申告 納付しなければなりません 法 地 所得税の申告納付期限は下記のとおり 部変更されました 区分 従

PG_第3期期末配当の取扱いに関するQA

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

受取利息及び受取配当金等に課される源泉所得税 35 外国法人税 36 適用時期等 38-2-

Transcription:

税務調査の事例 柴田智以 Executive Director, Tax & Legal 1

1. 税務調査の概要 税務調査の流れ 時効に関する規定 スタート 申告内容の確認調査 一般調査 申告書をレビューして問題点を指摘 税務当局は 法人税申告書の提出日から 2 年以内に召喚状を発行する権限を有する ただし 税務当局が租税回避を疑った場合には 召喚状を発行する権限が同 5 年以内に延長される 民商法上の租税債務の消滅時効は 10 年間 本格調査 納税者が自主的に申告書を修正し追加納税 (+ 延滞税 ) YES 指摘事項について 納税者が納得 NO Official Summon ( 召喚状 ) 疑わしい事実の調査 更正事項の指摘 追徴税 罰則金の納付 AGREE 賦課 ( 更正 ) 決定 納税者側からの反証の提示 DISAGREE 異議申立 課税見送り 租税裁判所 最高裁判所 2

1. 税務調査の概要 法人税 VAT 源泉税のペナルティ 法人税 税金の種類要因根拠条文金額備考 加算税 延滞税 過少申告 無申告 歳入法 22 条 歳入法 26 条 100% ( 追徴税額と同額 ) 交渉により減額される場合 200% もある ( 追徴税額の2 倍 ) 納付遅延歳入法 27 条月 1.5% 追徴税額と同額が限度 VAT 源泉税 加算税過少申告歳入法 89 条 延滞税 加算税 延滞税 無申告 Tax invoice の不正発行 Tax invoice の発行もれ 納付遅延 歳入法 89 条 歳入法 89/1 条 100% ( 追徴税額と同額 ) 200% ( 追徴税額の 2 倍 ) N/A 月 1.5% 交渉により減額される場合もある 追徴税額と同額が限度 納付遅延歳入法 27 条月 1.5% 追徴税額と同額が限度 3

1. 原価割れ販売 歳入法第 65 条の 2 (4) では 法人税の計算上 合理的な理由なく会社が市場価格よりも低い価格で取引を行っている場合は 税務当局がその価格を市場価格に更正することができると規定している 歳入法第 79/3 条 (1) では VAT の計算上も 会社が市場価格よりも低い価格で取引を行っている場合は 市場価格を課税標準とすると規定している 上記の規定は関係会社間取引に限定していないことから 実際の税務調査の場では 第三者間の取引であっても 原価割れ販売は市場価格での販売でないとの議論になる 具体的には 顧客別または製品別の損益の一覧表を提出するように要求され 粗利益ベースで赤字の取引があると その赤字相当もしくは税務当局が妥当と認める利益率相当の利益があったものとみなして課税所得を増額させるような指摘があり 最終的にそのみなし利益 売上に対する法人税及び VAT の納税を要求されるのが一般的である 実際の課税実務では 税務調査官に原価割れ販売の取引上の理由を説明したとしても その経済合理性を理解してもらえるケースは限定的であり 調査が泥沼化するケースが数多く見受けられる 販売先 売上 原価 粗利益 販管費 営業利益 A 社 1,000 (800) 200 (47) 153 B 社 2,000 (1,700) 300 (94) 206 C 社 1,500 (1,650) (150) (71) (221) D 社 4,000 (3,600) 400 (188) 212 4

2. 棚卸差損 歳入法第 77/1 条及び第 79/3 条では 棚卸資産の帳簿と実際残高との差額 ( 不足額 ) は 市場価格により国内販売したものとして VAT を納付しなければならないと定めており 歳入局通達 No. Paw. 58/2538 では 法人税の計算上 資産の滅失はその損失を立証できない限り 損金として算入できないと定めている 本件については 税法で明確に規定されているため 税務調査で指摘を受けた場合には反論の余地がない もちろん事業の運営上 棚卸差額の発生は望ましいことではないが それ以上にタイの法人には 余分な税負担を避ける目的での厳格な在庫管理が要求される 帳簿残高 (A) 実地残高 (B) 棚卸差額 (B) (A) 製品 A 100 110 +10 製品 B 250 220 30 原材料 A 200 180 20 原材料 B 150 160 +10 指摘内容 法人税の計算上 損金算入不可 販売価格の 7% の VAT の納税 5

3. 製品の国外移送 下記のように タイ法人がタイ国外の物流会社の倉庫に在庫を保管し その国外の顧客へ販売するという取引を行っている場合 税務上の販売収益の認識時期は 当該在庫をタイ国外に輸出 ( 国外移送 ) した時点となる ( 歳入法第 70 条の 3) この場合 税務上と会計上の収益認識時期が異なるため 法人税申告書において税務調整 ( 売上の所得加算 原価の所得減算 ) が必要となるが この税務調整を行っていないと 税務調査にて指摘を受け 最大 100% の加算税 (+ 月 1.5% の延滞税 ) が課される可能性がある タイ国内 タイ国外 タイの会社 A Co. 1 輸出 ( 国外移送 ) 海外の物流会社の倉庫 在庫所有権 : A Co. 2 販売 海外の顧客 B Co. 税務上の販売収益認識時点 1 会計上の販売収益認識時点 2 6

4. 海外の親会社等を介した取引 タイの VAT 法では 以下のような取引を行った場合 請求先が海外であったとしても 引渡し ( 所有権の移転 ) がタイ国内で行われていることから VAT(7%) の課税対象取引に該当する VAT の輸出免税 (0%) が適用されるのは あくまで物品が物理的に輸出されたものに限られる ( 輸出通関書類の保存が必要 ) ため このような取引においてタイ法人がタックスインボイスを発行していなかった場合 税務調査時に VAT の追徴額とともに最大 200% の加算税 (+ 月 1.5% の延滞税 ) が課される可能性がある 1. 海外親会社等を通じた販売 インボイスの流れ 2. 海外親会社等への金型費の請求 VAT 7% 日本の親会社 B モノの流れ VAT 7% 日本の親会社 B 1Invoice 2Invoice 2Invoice VAT 7% タイ子会社 A 製品 タイ国内での製品の所有権の移転 :A B タイの顧客 タイ子会社 A 金型 タイ国内での金型の所有権の移転 :A B 1Invoice タイのベンダー 7

5. サービスの輸入取引 タイ法人が海外の修理業者へ製品の修理を依頼し その修理代金の請求を受けた場合 その海外の修理業者はタイの VAT 登録事業者ではないため VAT は請求されない 一方 当該サービス ( 製品の修理 ) は 海外で提供されているものの タイ国内にて使用されるものであるため VAT の課税対象取引となる この場合 VAT の登録事業者であるサービスの購入者 ( タイ法人 ) が 当該修理代金を支払った月の翌月 7 日までに 一定の申告フォーム (Phor.Phor.36) を用いて VAT を自己申告 納付 ( セルフ アセスメントという ) しなければならない これにより支払った VAT は タイ法人において仕入 VAT として売上 VAT と相殺が可能なため 実質的にはキャッシュフローの影響のみ ただし これを失念すると セルフ アセスメントにより納付しなければならなかった VAT の金額に対して月 1.5% の延滞税が課される 海外の修理業者 Invoice VAT 7% タイの法人 申告 納税 タイ歳入局 領収書 (= Tax invoice) 8

6. ロイヤリティ 税目法人税 VAT 源泉税関税 論点 一般の税務調査において 業績が赤字で法人税を支払っていないステイタスの法人の場合 その法人税の計算上 そのロイヤリティの損金算入を認めてもらえず その金額分の繰越欠損金が減額されたり 追加納税を求められることがある 海外から物品を輸入する場合は その通関時に VAT を納付することになるが 海外から役務提供を受ける場合は 通関することがないため 海外にロイヤリティを支払った月の翌月 7 日以内に一定の申告フォームを用いて 支払ったロイヤリティ金額の 7% 相当の VAT を歳入局に納付する必要がある ( 支払った VAT は仕入税額控除可 ) ロイヤリティの支払額の 15% を源泉徴収 ( 日 タイ租税条約上は制限税率が 15% となっていることから租税条約の適用による軽減はない ) ロイヤリティの支払先である海外の親会社等から輸入している原材料 部品 金型や機械と ロイヤリティとの関連性を問われることがある 関税局 日本の親会社から輸入している原材料等の輸入申告額にロイヤリティを含めるべきでは?( ロイヤリティと輸入物品との関連性について説明を求められる可能性あり ) 原材料等の輸入 日本の親会社 タイの子会社 ロイヤリティの支払 歳入局 法人税の計算における損金性 ( 具体的な便益について説明を求められる可能性あり ) VAT のセルフ アセスメント 15% の源泉徴収 9

7. 印紙税 2016 年 5 月に以下の趣旨の歳入局ガイドライン No.Paw.153/2559 が公布されており 税務調査はこのような見解に従って実施されることから 注意が必要である ( ケース 1) 1 見積書の送付 ( 諸条件の記載あり ) 修理業者 見積書 タイ国内法人 印紙税の税率表 No.4 の請負契約書として見積書 発注書に記載金額の 0.1% の印紙税の納付を要求 ( ケース 2) 見積書サイン 2 承諾の署名をして返送 1 見積書の送付 ( 諸条件の記載あり ) 歳入局の見解 契約書というかたちをとっていなくとも 双方の当事者が書面にて諸条件に合意していれば 課税文書とみなす 修理業者 見積書 タイ国内法人 発注書サイン 2 発注書に署名をして送付 10

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