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尿酸の体内動態 小腸 体内循環血 腎臓 糞便中へ ( 排泄 ) 約 30% 尿酸合成 糸球体ろ過再吸収 尿中へ ( 排泄 ) 約 70% 肝臓 分泌 尿酸合成 尿酸濃度 200~500 μm 尿酸の移動 ( 排泄方向 ) 尿酸の移動 ( 供給方向 ) 4

尿酸の体内動態 小腸 腎臓 肝臓 尿酸の細胞膜透過 体内動態 には トランスポーターが必要である 5

1 尿酸合成酵素 ( キサンチンオキシダーゼ ) 阻害薬 プリン代謝物 治療薬の現在 ヒポキサンチン キサンチンオキシダーゼ アロプリノール キサンチン キサンチンオキシダーゼ 尿酸 フェブキソスタット 6

7 治療薬の現在 2 尿酸排泄促進剤 :URAT1 阻害薬 腎臓 ベンズブロマロン プロベネシド

既存の治療薬とその問題点 既に上市されている高尿酸血症 痛風治療薬には ①尿酸合成酵素 キサンチンオキシダーゼ 阻害薬 ②尿酸排泄促進剤 URAT1阻害薬 があるが 尿酸の排泄を低下させる可能性が示唆されている ① 重篤な腎毒性を誘発する事例が報告されている ② ①②の治療薬で効果が認められない患者がいる 等の問題があり 異なる作用点の治療薬が求められている 8

病型からみた高尿酸血症の原因とメカニズム 高尿酸血症の約9割は 尿酸排泄低下 を伴う 安西尚彦 URAT1阻害の意義 トランスポーターの視点から http://www.urinorm.jp/current_topics/hyperuricemia/pdf/anzai.pdf 9

Equilibrative Urate Transporter (EUT)の発見 小腸 腎臓 肝臓 10

EUT の機能解析 (in vitro) ヒト EUT 安定発現 MDCKII( イヌ腎臓由来 ) 細胞を樹立 *MDCKII: トランスポーターの機能解析で宿主細胞として汎用される 24 well plate に細胞を播種 [ 14 C]urate を用いた輸送実験液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定し輸送量を評価 EUT の機能を解析する 11

EUT の機能 (in vitro) タイムコース 親和性 EUT による尿酸輸送 ミカエリス定数 (K m ): 532 μm ミカエリス定数と 血中尿酸濃度がほぼ同じ程度 12

13 EUT の機能 (in vitro) 駆動力 阻害剤 Inhibitor Concentration Urate uptake Concentration Urate uptake Inhibitor (mm) (% of control) (mm) (% of control) Riboflavin 0.1 N.D. Lactate 1 116.1 ± 2.7** FMN 0.1 8.5 ± 0.8* 10 86.6 ± 3.4* Allopurinol 0.5 92.5 ± 1.2* Nicotinate 1 68.1 ± 4.5* Amiloride 0.5 81.2 ± 6.2* 10 71.9 ± 2.1* BSP 1 18.2 ± 1.8* Oxypurinol 0.5 77.9 ± 3.6* Benzbromarone 0.1 55.6 ± 2.8* PAH 1 98.1 ± 6.7* Butyrate 1 73.0 ± 2.0* Probenecid 1 78.8 ± 2.1* 10 61.5 ± 2.4* Pyrazinate 1 76.5 ± 3.7* DIDS 1 19.5 ± 1.5* Sulfinpyrazone 1 39.0 ± 0.4* Estron sulfate 1 51.8 ± 7.3* Xanthine 0.5 56.3 ± 3.4* Hypoxanthine 0.5 94.3 ± 2.4* Indmethacin 0.1 79.2 ± 4.3* 促進拡散的な輸送様式を示したことから equilibrative urate transporter (EUT) と命名 N.D.: not detected riboflavin, FMN, BSP, DIDS, sulfinpyrazoneが 比較的強く EUTを阻害

EUT の特徴 トポロジー 発現分布 推定 11 回膜貫通型タンパク 胎盤 小腸において高い発現 主な治療対象者である男性においては ほぼ小腸特異的である 14

EUTのヒト小腸における発現と局在 ヒト空腸組織切片を用いた免疫染色 EUTは小腸上皮細胞の基底膜側 に局在している 赤: EUT 緑: BCRP 刷子縁膜 青: 核 15

種差による尿酸動態の違い 高等霊長類 ヒト サルなど ラット マウスなどのげっ歯類 それ以外の動物 血中尿酸濃度 200 500 μm 50 100 μm 尿酸合成酵素 あり あり 尿酸分解酵素 なし あり あり なし あり なし 尿酸に起因した病態の罹患 EUTの保持 EUTは高等霊長類にのみ存在する遺伝子である 治療薬の標的分子として これまでに見逃されてきた可能性があるのではないか 16

17 EUT の機能解析 (in vivo) マウス小腸にヒト EUT を発現する transgenic mice を作成 麻酔下で小腸ループを作成 1,3-15 N 2 Urate を定速静注 尾静脈からの血液サンプルの経時的採取 所定時間経過後 小腸ループ内からのサンプル回収 control(wild type) と transgenic mice のデータを比較検討し EUT の機能を解析する

EUTの機能 in vivo 尿酸 1,3-15N2 Urate の小腸排泄 尿酸 1,3-15N2 Urate の血漿中 濃度推移 Concentration ( g/ml) 30 Control Tg (EUT) Urate excreted (μg) 2.37 1.12 ± 0.08 CLexc (μl/h) 0.129 0.05 ± 0.02 Urate excreted (μg) 5.19 1.46 ± 0.95 CLexc (μl/h) 0.283 0.06 ± 0.03 Control Tg (EUT) 25 20 Jejunum 15 10 5 Ileum 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 Time (h) Mean ± S.E. (control, n = 1; Tg, n = 3); dose of urate, 80 mg/h/kg. Mean ± S.D. (control, n = 1; Tg, n = 3); dose of urate, 80 mg/h/kg. UA: 1,3-15N2 Urate EUT導入により小腸における尿酸排泄低下 EUTが血漿中への尿酸供給経路として働いている 18

新技術の特徴 EUT の生理的役割 1 小腸上皮細胞で合成された尿酸を血中に供給 2 血中から取り込まれた尿酸を再び血中に輸送 EUT 阻害剤の作用小腸上皮細胞から血中への尿酸供給を阻害 糞便中へ 小腸での尿酸排泄増加 EUT は有望な高尿酸血症治療薬の新規標的分子である 19

既存の医薬品との比較 EUT阻害剤のメリット 尿酸排泄低下型症例への対応 尿酸腎排泄促進剤の欠点 有機アニオン分泌系阻害による 薬物相互作用 の回避 EUT特異性の高い非アニオン型阻害剤 riboflavin類似 化合物等 の可能性 汎用性の高い経口剤の投与部位に当たる小腸が標的臓器 体内移行 他臓器への分布 を抑えながら標的部位 濃度を確保できるような薬物設計 投与設計の可能性 20

高尿酸血症 痛風治療薬の市場規模 2015年 日本 425億円 1位 フェブリク キサンチンオキシダーゼ阻害剤 2位 ザイロリックを含むアロプリノール製剤 キサンチンオキシダーゼ阻害剤 3位 ユリノーム URAT1阻害剤 2015年12月 その他 プロベネシド lesinurad URAT1阻害剤 URAT1阻害剤 がFDAより承認される 世界 638億円 フェブリク錠のみ MLリソース 高尿酸血症治療剤より http://www.medmk.com/mm/add/mp_hyperuricemia.htm 21

22 想定される用途 EUT 阻害剤 ( 尿酸排泄促進剤 ) のスクリーニング方法 スクリーニング系 EUT 導入哺乳類細胞 : EUT 単独系 SNBT1( 尿酸取り込みトランスポーター ) またはBCRP( 尿酸分泌トランスポーター ) との共導入系 EUT 導入アフリカツメガエル卵母細胞 EUT 導入トランスジェニックマウス

医薬品開発に向けた課題 現在 EUT阻害剤のスクリーニングの実施可能なところ まで研究が進んでいる しかし 強力な阻害活性を示す 化合物を見出すまでには至っていない 今後 トランスジェニックマウスを用いた検討を推進し in vivoにおける検討で 本モデルがヒトでの生体環境を 反映するか検討を行う 高等霊長類における病態モデルを作成し 検討を行う必 要がある 23

企業への期待 EUT阻害剤の探索には 製薬会社で保有する化合物ライ ブラリーを使用させていただくことで 強力な阻害活性 を示す化合物を見出すことが可能であると考えている 高等霊長類を用いた薬物動態試験等を行う技術を持つ企 業との共同研究を希望 本技術の導入により 高尿酸血症 痛風治療薬開発に繋 がると考えられる このことから 生活習慣病治療薬の 開発に力を入れる企業には 本技術の導入は有効である と思われる 24

本技術に関する知的財産権 発明の名称 小腸上皮細胞特異的な尿酸トランスポーター及びその利用 出願番号 特願2017-152034 出願人 名古屋市立大学 東京薬科大学 発明者 湯浅博昭 保嶋智也 井上勝央 山本俊輔 25

26 お問い合わせ先 名古屋市立大学 社会連携センター ( 事務局学術課内 ) TEL: 052-853 - 8041 FAX: 052-841 - 0261 e-mail: ncu_renkei@sec.nagoya-cu.ac.jp