半導体の数理モデル 龍谷大学理工学部数理情報学科 T070059 田中元基 T070117 吉田朱里 指導教授 飯田晋司
目次第 5 章半導体に流れる電流 5-1: ドリフト電流 5-: 拡散電流 5-3: ホール効果第 1 章はじめに第 6 章接合の物理第 章数理モデルとは? 6-1: 接合第 3 章半導体の性質 6-: ショットキー接合とオーミック接触 3-1: 半導体とは第 7 章ダイオードとトランジスタ 3-: バンド構造 7-1: ダイオードとは 7-: 代表的な他のダイオードの種類別構造第 4 章キャリア 7-3: ダイオードを使った簡単な電気回路 4-1: 状態密度 7-4: トランジスタとは 4-: 量子統計 7-5: 代表的な他のトランジスタの種類別構造 4-3: 型半導体と 型半導体 7-6: トランジスタを使った簡単な電気回路第 8 章まとめ参考文献 参考サイト参考サイト 吉田 田中
はじめに このテーマにした理由は 講談社出版の 高校数学でわかる半導体の原理 に興味を持ったことがきっかけである 特に 半導体が電気を通さなかったりすることが 興味深いものであり 性質を調べた
数理モデルとは 大気中で空気抵抗を受ける物体の落下運動 d x dx () = () モデル実際の現象 dt dt m t mg k t モデルの結果 m m xt () = {( v + g)( e 1) + gt} + x k k k t m 0 0 比較
半導体とは 金属は電気を通し導体と呼ばれ ガラスは電気を通さず絶縁体と呼ばれる さらに 物質の中には電気を通したり通さなかったりする物質があり 今日半導体といわれる物質である 半導体は 抵抗率が電気を通す導体と電気を通さない絶縁体の中間の値を示す物質であるので この呼び名がある 以下に 導体と半導体と絶縁体の抵抗率の一覧を掲載する覧を掲載する 導体半導体絶縁体 抵抗率 8 10 Ω m 4 5 10 ~ 10 Ω m 9 10 Ω m 主な物質金 銀 銅などケイ素 ゲルマニウム スズなどガラス プラスチック 木など
が電子のネルギー価電子帯 バンド構造ギプギ バンドギャップエネルギー g 伝導帯 軸電子 縦エ禁制帯 室温 300 K 10 ev 半導体 0.1eV~3eV 絶縁体 3 ev以上
型半導体と 型半導体 型半導体は 正 (ositive) の電荷である正孔が多数あって電気 を流す半導体であり 型半導体は 負 (egative) の電荷である電子が多数あって 電気を流す半導体である 型半導体 型半導体
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ H He Li e C N O F Ne 半導体にまぜる不純物 Na Mg Al Si P S Cl Ar K Ca Ga Ge As Se r Kr アクセプタ ドナー
型半導体のキャリア密度の近似 = f( ) D ( ) d q C = 1 D ( ) d F q C k T 1 + e F : 擬フェルミエネルギー
フェルミ ディラック分布あるエネルギーを持つ粒子が存在する確率 f() ) f ( ) = 1 k T 1+ + e F F T : : フェルミエネルギー 絶対温度 T = 0 T = 300K 7
スピンも考慮した電子の状態密度 ( 単位エネルギー 単位体積あたりの状態の数単位体積あたりの状態の数 ) 1 m m 3 : ネギ Dq ( ) = ( ) π : エネルギー 換算プランク定数 状態密度 D ( ) q が エネルギーの平方根 に 比例する
型半導体の各ドナー原子が全てイオン化している 場合の擬フェルミエネルギー N D = = = C fdd ( ) ( ) 1 q log e C k T Dq ( ) d C F 1+ e kt F 3 8 π * 3 ( ) kt kt mq e Ce d h C = Ne C F C kt N D ; ドナー密度 N C C e F = log e N N N = loge kt N F D C C F D = + k T ; 伝導帯の実効状態密度 ; 伝導帯の最低エネルギー C log e C N N D N C
ドリフト電流 オームの法則 V = RI
電界 をかけたとき電界を取り去ったとき * dv * x m () t = q * dv m v () t x ( 運動方程式 ) x x dt m () t + = 0 ( 運動方程式と運動量 ) dt τ t qx vx() t = t ( 電子の速さ) * vx() t = vde m τ q x l = v () t dt = t ( 移動距離 ) x * m qxt q xτ t va = = ( τ = : 平均緩和時間 ) ( 平均速度 ) * * m m qτ qτ vd = ( ) ( ) * x μx μ= : 移動度ドリフト速度 * m m m * : 電子の有効質量 q : 電荷 : 電界
J = qv = qμ ( 電流密度 ) d V = ( 電界 ) L I = JS ( 電流 ) qμ VS I = L L : 半導体の長さ L V = I( ( ) qμs 電圧 V : 半導体の両端の電位差 S : 半導体の断面積 L R = ( 抵抗 ) q μ S
拡散電流 Jq = qdq ( Dq : 拡散係数 ) ( 拡散電流 ) xx Jq = qμqx + qd q ( 全電流密度 ) x μ qx = Dq x φ x = ( 電界 ) x qφ kt = 0 e ( マクスウェル ボルツマン分布 ) q φ q = ( ) = x x kt x kt D q kt μ = q q : 密度勾配 x φ : 静電ポテンシャルアインシュタインの関係 x
接合 1 型半導体には正の電荷を帯びた正孔 型半導体には負の電荷を帯びた電子がそれぞれ多く含まれており 両者を接合すると正孔と電子が互いに拡散して結びつく また このときに拡散電流が生じる キャリアが打ち消し合った結果 接合部付近に空乏層 ( キャリアが少ない部分 ) が形成される また 電子と正孔をそれぞれ 型 型領域へ引き戻そうとする電位障壁が生じる このとき 熱平衡状態でありフェルミ準位が一定となる このとき ドリフト電流が生じると同時に拡散電流と釣り合う
N : 型半導体の電子密度 : 型半導体の正孔密度 A N D : 型半導体の電子密度 : 型半導体の正孔密度 : アクセプタ密度 : ドナー密度 1 x < x = N x > x i A = N 3 x < x< x i D = = e qv D k T qv D k T N DN A log ( ) 電位障壁の高さ i
NAx = NDx ( 電気的中性条件 ) φ : 電位 ρ() r ρ : 電荷密度 ( + + ) φ( r) = ( ポアソン方程式 ) x y z ε ε : 誘電率 V φ, qnd ρ dv x = xで = 0, x = 0でV = 0 dx dv x = xで = 0, x = 0でV = 0 dx q V V x V x N x N x ε dv qn = D dx ε qnd Vx () = ( x x) x (0 x x) εε < qna Vx () = ( x+ x) x ( x x< 0) ε = ( ) ( ) = ( + )( 電位障壁 ) D D A
0( x < x ) qn A ( x + x ) ( x < x < 0) ε V ( x) = qn D ( x x ) + V D (0 < x < x ) ε q ( N D x + N A x )( x < x) ε
: 型半導体の電子密度 : 型半導体の正孔密度 : 型半導体の電子密度 : 型半導体の正孔密度 C = C + q( VD V) V : 順方向電圧 1 = D ( ) d C 1+ e kt F q F kt kt kt C C 3 C F 8 π * = 3 ( m ) e e d N e h = C = C kt NCe qv k T e qv = = e k T F
電気的中性領域 x< x, x > x 正孔の電流連続の式 Δ = Dh ( Δ = ) t x τ = 0 x τ D h x x qv qv Dτ kt kt ( x) = e ( e 1) + ( ) =, ( x ) = e 境界条件 x x qd h Dτ kt Jh( x) = e ( e 1) Dτ 正孔による電流 Jh = qd h ( x< x, x > x) 拡散電流 x qv x+ x qv qdq D ( ) = τ kt Jq x e ( e 1) Dτ 電子による電流
qv kt Dh = q + Dτ D q J = J ( x ) + J ( x ) = J ( e 1) J S ( ) h q s Dτ
まとめ 名前だけしか聞いたことがなかった半導体が 内部の電子やた半導体が キャリア 接合 電気回路まで理解できてよかったです 特に 講義で学んだ数理モデルや電磁気学を卒論に活かせたことが とても光栄に思いました 機会があれば 今回は数理モデルを中心に説明できなかった 複雑な電気回路や集積回路も数値計算することでの分析だけでなく 実際に基板と電子部品を使い 設計や開発もしたいと思います
ご静聴ありがとうございました