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対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復

CPP approach Conjoint tendon Preserving Posterior Surgical Technique

大腿骨頚部骨折

2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アクソス ロッキングプレート カタログ

足関節

復習問題

運動療法と電気療法の併用 ~シングルケース~

6 腰椎用エクササイズパッケージ a. スポーツ選手の筋々膜性腰痛症 ワイパー運動 ワイパー運動 では 股関節の内外旋を繰り返すことにより 大腿骨頭の前後方向への可動範囲を拡大します 1. 基本姿勢から両下肢を伸展します 2. 踵を支店に 両股関節の内旋 外旋を繰り返します 3. 大腿骨頭の前後の移

TheShoulderJoint,2005;Vol.29,No.3: はじめに a 転位骨片を伴う関節窩骨折に対しては直視下に整復, 内固定を施行した報告が多いが, 鏡視下での整復固定の報告は比較的稀である. 今回我々は転位骨片を伴う関節窩骨折に腋窩神経麻痺を合併した1 例に対し,

愛知県理学療法学会誌(29巻1号).indd

2011ver.γ2.0

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足部について

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3. 肘関節 屈曲 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩に近づく動き 伸展 : 基本軸は上腕骨 移動軸は橈骨 前腕が肩から遠ざかる動き 前腕は回外位で検査 肘関節伸展位 前腕回外位で前腕が橈側に偏位する ( 生理的外反肘 肘角 ) 他覚所見として外反( 内反 ) ストレス時疼痛 屈曲 ( 伸展

骨・関節を“診る”サブノート

Ⅰ はじめに 柔道整復師が取り扱う骨折や脱臼などの外傷の治療の基本原則は非観血的療法である その中で通常は 観血的療法の適応となる外傷でも非観血的療法を行なう場合がある 今回は 観血的療法を選択すること が多い中手指節関節 以下 MCP関節 脱臼を伴った示指基節骨骨折に対し非観血的療法を行った症例を

小児大腿骨骨幹部骨折

図表 リハビリテーション評価 患 者 年 齢 性 別 病 名 A 9 消化管出血 B C 9 脳梗塞 D D' E 外傷性くも幕下出血 E' 外傷性くも幕下出血 F 左中大脳動脈基始部閉塞 排尿 昼夜 コミュニ ケーション 会話困難 自立 自立 理解困難 理解困難 階段昇降 廊下歩行 トイレ歩行 病

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CLS Spotorno Hip Stem CLS スポトルノヒップステム Nature is Our Model


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質疑回答 [ 肢体不自由 ] ( 肢体不自由全般 ) 1. 各関節の機能障害の認定について 関いずれか一方が該当すれば 認定可能で節可動域 (ROM) と 徒手筋力テスト (MMT) ある で具体例が示されているが 両方とも基準に該当する必要があるのか 2. 身体障害者診断書の 肢体不自由の状況 及

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スライド 1

5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側

スケジュール 14:00 受付開始 15:00 開会の辞 15:15 情報提供 血液凝固阻止剤 クレキサン皮下注キット 2000 IU 科研製薬株式会社 15:30 一般演題 ( 研究 症例発表 ) 発表 :7 分質疑応答 :5 分座長 : 吉田整形外科病院理学療法士近藤秀哉 1) 超音波画像診断装

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

リハビリテーション歩行訓練 片麻痺で歩行困難となった場合 麻痺側の足にしっかりと体重をかけて 適切な刺激を外から与えることで麻痺の回復を促進させていく必要があります 麻痺が重度の場合は体重をかけようとしても膝折れしてしまうため そのままでは適切な荷重訓練ができませんが 膝と足首を固定する長下肢装具を

平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 -

氏名 ( 本籍 ) 中 川 達雄 ( 大阪府 ) 学位の種類 博士 ( 人間科学 ) 学位記番号 博甲第 54 号 学位授与年月日 平成 30 年 3 月 21 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題目 股関節マイクロ牽引が腰下肢部柔軟性に及ぼす影響 - 身体機能および腰痛

選考会実施種目 強化指定標準記録 ( 女子 / 肢体不自由 視覚障がい ) 選考会実施種目 ( 選考会参加標準記録あり ) トラック 100m 200m 400m 800m 1500m T T T T33/34 24

KST(気兼ねなく,しゃべる,ところ) ~第1回 運動器疾患編~

A.L.P.S. Total Foot System LC

Gamma3 ヒップフラクチャーシステム カタログ

80 武凪沙, 他 態で腰椎のわずかな右側屈により 骨盤を右挙上させ下肢を後方へと振り出す これに対し本症例は 立位姿勢から上位胸椎部屈曲位 胸腰椎移行部屈曲 左非麻痺側 ( 以下 左 ) 側屈位を呈し体幹直立位保持が困難となっていた また右股関節 膝関節が左側と比べてより屈曲していることで骨盤右下

県医会報0608

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和光市高齢福祉センター 介護予防トレーニング

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Microsoft Word - 5肢体不自由.docx

スライド 1

[ 骨損傷の分類 (1) 外傷性骨折 正常な骨に外力が作用して骨組織の連続性が完全にまたは部分的に離断されたもの (2) 疲労性骨折 比較的軽度な負荷が繰り返し加わって発生下肢の疲労骨折は 10 代に好発 (16 歳にピークがある ) 中足骨 脛骨 腓骨 肋骨などに発生 (3) 病的骨折 骨に基礎疾

第3回 筋系

のモチベーションを上げ またボールを使用することによって 指導者の理解も得られやすいのではないかと考えています 実施中は必ず 2 人 1 組になって パートナーがジャンプ着地のアライメントをチェックし 不良な場合は 膝が内側に入っているよ! と指摘し うまくいっている場合は よくできているよ! とフ

平成30年度茨城県理学療法士会

の内外幅は考慮されず 側面像での高さのみで分類されているため正確な評価ができない O Driscoll は CT 画像を用いて骨片の解剖学的な位置に基づいた新しい鉤状突起骨折の分類を提案した この中で鉤状突起骨折は 先端骨折 前内側関節骨折 基部骨折 の 3 型に分類され 先端骨折はさらに 2mm

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インプラント一覧 OM N エンドキャップ OM N AR ピン B OM N ラグスクリュー OM Short Femoral ネイル (H) OM ロッキングスクリュー OM Short Femoral ネイル (H) 製品番号 頚体角 遠位径 φ JANコード NH mm

Clinical Indicator 2016 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL

施術料金表 (1 割負担額 ) 相談支援料算定あり 初検日 + 冷罨法料 初検日 ( 冷罨法料加算なし ) 冷罨法料 初検料 1,460 円 初検料 1,460 円 相談支援料 50 円 相談支援料 50 円 1 部位 760 円 85 円 2,355 円 240 円 1 部位 760 円 2,27

で経過観察を行うのみであった頃と比べれば 大きな進歩だと思います リエゾンサービスの同意を得たら患者情報を収集しメンバーで共有山際リエゾンサービスの対象となる骨粗鬆症性骨折患者さんには 平日の日勤帯に外来を経由するケースと時間 外 休日に救急外来を経由して入院となるケースの 2 通りがあります 青木

1 経 緯

平成25年6月14日

脊髄損傷を呈した症例 ~必要なことは何か~

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

第 126 回北海道整形外科外傷研究会 一般演題 (1) 大腿骨頚部骨折に対する仰臥位前方進入法の有用性市立札幌病院後山恒範 (2) 大腿骨転子下骨折への CITS 固定後角度可変機構破綻を生じた一例森山病院仲俊之 (3) 大腿骨近位部 近位骨幹部骨折に対する大腿骨遠位部用ロッキングプレートによる骨

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Microsoft PowerPoint 指標の定義[version1.4_1].ppt [互換モード]

摂食嚥下訓練 排泄訓練等を開始します SCU で行うリハビリテーションの様子 ROM 訓練 ( 左 ) と端坐位訓練 ( 右 ) 急性期リハビリテーションプログラムの実際病棟訓練では 病棟において坐位 起立訓練を行い 坐位耐久性が30 分以上となればリハ訓練室へ移行します 訓練室訓練では訓練室におい



地域医療連携パスの概念

第 128 回北海道整形外科外傷研究会 一般演題 1 11:30~12:00 座長土田芳彦先生 ( 湘南鎌倉病院 ) (1) 近位骨片が関節内に嵌頓した小児肘頭骨折の一例 函館五稜郭病院村橋靖崇先生 (2) 鎖骨近位端骨折に対する骨接合にてロッキングプレートを用いた 1 例札幌東徳洲会病院畑中渉先生

次に 車いす シーティングの適合評価をすすめるにあたって 評価の目的 対象をどのように考えるべきかといったとらえ方を基本概念として4つの要素に分けて認識しておくことが大切です その上で どのような内容について どのような方法で評価を行えばよいかといった適合技術を具体的に習得し 実施できるようにしてお

4.Spondylolitic( 脊椎分離 ):10 歳から 20 歳台で起こり脊椎すべりを合併する 5.Post-traumatic( 外傷後 ) 6.Miscellaneous( その他 ) Corticosteroid excess(cushing s syndrome) Paget s di


転倒教室評価項目について

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退院患者数 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 合計 24 年度 年度

Microsoft PowerPoint - 【逸脱半月板】HP募集開始150701 1930 2108 修正反映.pptx

骨筋18-中1

m A, m w T w m m W w m m w K w m m Ⅰはじめに 中手指節関節 以下 MP関節屈曲位でギプス固定を行い その直後から固定下で積極的に手指遠位指 節間関節 以下 DI P関節 近位指節間関節 以下 PI P関節の自動屈伸運動を行う早期運動療法 以下 ナックルキャストは

Ⅰはじめに 中節骨基部掌側骨折掌側板付着部裂離骨折 はPI P関節の過伸展によって生じる外傷で 日常でしばし ばみられるPI P関節背側脱臼に合併して発生することや単なる捻挫と判断されるなど 見逃されること が多く 骨癒合不全による掌側不安定性 運動痛および関節拘縮を起こすことがあるこの骨折に対する

0.45m1.00m 1.00m 1.00m 0.33m 0.33m 0.33m 0.45m 1.00m 2


札幌鉄道病院 地域医療連携室だより           (1)

11総法不審第120号

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

2015 年度手術のうちわけ ( 実績 ) セキツイ脊椎 ナンブソシキ軟部組織 椎間板摘出術 35 アキレス腱断裂手術 40 内視鏡下椎間板摘出 4 腱鞘切開術 ( 関節鏡下によるものを含む ) 0 シュコンカン 脊椎固定術 椎弓切除術 椎弓形成術 ( 多椎間又は多椎弓の場合を含む )( 椎弓形成

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手指中節骨頚部骨折に対する治療経験 桐林俊彰 1), 下小野田一騎 1,2) 3), 大澤裕行 1) 了德寺大学 附属船堀整形外科 了德寺大学 健康科学部医学教育センター 2) 3) 了德寺大学 健康科学部整復医療 トレーナー学科 要旨今回, 我々は初回整復後に再転位を生じた右小指中節骨頚部骨折に対


かかわらず 軟骨組織や関節包が烏口突起と鎖骨の間に存在したものを烏口鎖骨関節と定義する それらの出現頻度は0.04~30.0% とされ 研究手法によりその頻度には相違がみられる しかしながら 我々は骨の肥厚や軟骨組織が存在しないにも関わらず 烏口突起と鎖骨の間に烏口鎖骨靭帯と筋膜で囲まれた小さな空隙

結果 上記の運動の概念を得た 2010 年 10 月以降に治療を行った PIP 背側脱臼損傷 19 指のうち 6 指に ORIF を施行した 結果 PIP 関節伸展平均 -2 度 屈曲平均 96 度であった 考察 掌側板と側方支持機構や伸筋腱は吊り輪状に連結しており リンクした運動をしている PIP

人工膝関節置換術後にデュシャンヌ歩行を呈した患者に OKC で 筋力増強訓練を実施した症例 右大腿骨人工骨頭置換術後 股関節痛に対して骨盤 体幹に 介入し疼痛軽減を認めた症例 北川拓弥 三好卓弘 社会医療法人医真会八尾総合病院 金起徹 永井勝 宅間幸祐 八尾はぁとふる病院 Key word: 人工膝

当院の股関節疾患歩容評価法を用いた歩容の検討 - 第 2 報 - 近藤秀哉 1) 中宿伸哉 1) 三田村信吾 1) 宮ノ脇翔 1) 坪井真幸 2) THA のアプローチの違いにおける術後筋力回復の比較について Supine Anterolateral approach と Posterolatera

背屈遊動 / 部分遊動 装具の良好な適合性 底屈制動 重心移動を容易にするには継手を用いる ただし痙性による可動域に抵抗が無い場合 装具の適合性は筋緊張の抑制に効果がある 出来るだけ正常歩行に近付けるため 痙性が軽度な場合に用いる 重度の痙性では内反を矯正しきれないので不安定感 ( 外 ) や足部外

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

3 ⑹ 職業復帰訪問指導料 76 * 点検しましょう 78 2 検査料 79 ⑴ 振動障害に係る検査料 79 3 画像診断料 80 ⑴ コンピューター断層撮影料 80 * 点検しましょう 81 リハビリテーション料 処置料 1 リハビリテーション料 84 ⑴ 疾患別リハビリテーション料 84 ⑵ A

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公益社団法人大阪府理学療法士会堺市ブロック 第 10 回堺市ブロック新人症例発表会を開催するにあたって 平成 30 年 6 月 18 日に大阪府北部を震源とする地震 また 9 月 3 日の台風 21 号の上陸による大阪湾周辺では記録的な暴風や高潮による浸水のため甚大な被害が発生し 堺市内に勤務されて

平成28年9月 日

Spinal Surgery 標準治療と明日の医療を考える 誌上フォーラム Forum Stratagies & Indications vol.1 上位頚椎の事故外傷 招待コメンテーター : 鈴木晋介 ( 仙台医療センター ) 企画 コメント : 乾敏彦 ( 冨永病

Transcription:

はじめに 両側大腿骨転子部骨折を受傷した症例 ~ 画像から考える ~ 平成 31 年 3 月 18 日 ( 月 ) 佐藤病院リハビリテーション科櫻田良介 今回, 骨粗鬆症に伴う両側大腿骨転子部骨折の症例を担当させて頂いた. まだ年齢も若く, 復職も検討されている方であるため, 早期より予後予測を立てる必要があった. 画像より予後予測を推察し, 段階的に病棟の ADL を上げていく事とし, 免荷期間中でも最大限の運動量の確保を目標とした. 現在, 左下肢全荷重, 右下肢 1/2 荷重の為 ADL に制限は出ているものの, 病棟での動きは遠位見守り ~ フリーとしている. 症例の退院目標は今月末もしくは来月初旬 退院後の支援についてご指導 ご鞭撻頂きたいと思います. 1 2 診断名両側大腿骨転子部骨折 現病歴 : 平成 30 年 12 月 25 日, 自宅で前かがみになった際に, バキッ と音がして転倒. 体動困難となり救急搬送. 両側大腿骨転子部骨折の診断で横浜市大に入院.12 月 28 日両側に観血的整復固定術 (longγ-nail 術 ) 施行し, 術中に右大腿骨転子部粉砕骨折あり. 術後は左下肢全荷重, 右下肢完全免荷よりリハビリテーション開始. 既往歴 : 拡張型心筋症, 重症筋無力症 (MGFA 分類 ClassⅢa), ステロイド性糖尿病, 介護保険 : 申請中 ( 骨折を伴う骨粗鬆症 ) 服薬 : プレドニゾロン (5 mg,1 mg 2/day), シクロスポリンカプセル, メスチノン, ネキシウムカプセル, セルトラリン, ジルチアゼム塩酸塩 R カプセル, 硝酸イソソルビド, ニコランジル, エディロール, カロナール, ニトロベン, トルリシティ皮下注, フォルテオ 受傷前の X-p H30.12.3 坐骨が骨頭に被っている 骨盤後傾 骨棘? 関節唇の骨化? 骨頭の安定化 両側頚体角 120 仙腸関節の不明瞭化 慢性的なストレス 骨硬化像 骨粗鬆症骨の栄養低下 骨質 骨梁の菲薄化 3 4 X-p 受傷後 X-p 所見 (H30.12.25) 仙腸関節不明瞭 右転子部骨折 両側骨幹部骨折 骨硬化像 両側の骨棘 ( または骨硬化像?) 涙痕 骨質 髄腔の菲薄化 5 6 1

骨折機序 X-p 術前 立位で体幹前屈胸椎左凸胸椎左回旋 骨盤右後方回旋 骨盤左 Sway 下方, 左側方への剪断力 AHI:77% ARO:30 AHI:71% ARO:40 7 8 X-p 術前 X-p2 術後 AHI:93% ARO:30 AHI:61% ARO:35 Sharp 角 :35 CE 角 :45 Sharp 角 :40 CE 角 :40 9 10 X-p2 術後 術後 X-p( ラウエンシュタイン像 )H31.2.7 Sharp 角 :38 CE 角 :40 Sharp 角 :39 CE 角 :30 11 12 2

経過 当院入院 固定式ピックアップ貸し出し H31.2.14 2w 後 x-p の結果架橋形成不良のため 1/2 荷重継続 3 日後病棟フリー H31.3.4 4w 後 x-p 姿勢 右下肢 1/2 荷重 下方視 頸部 体幹右側屈 H31.2.7 1w 後 2/3 荷重に上がる予定が, 延期 H31.2.18 キャスター付きピックアップへ変更 1/2 荷重継続 H31.3.18 院内フリー 骨盤前方 Shift 13 14 姿勢の考察 下方視眼瞼下垂 :MG 環軸関節 loose 骨盤前方 Shift 臼蓋形成不全? 距腓靭帯 stabilis Sharp 角 CE 角 項頸部筋のtone ARO 仙骨 nutation 骨盤の安定化 AHI 骨盤前方 Shift 距腓靭帯 stabilis 抗重力筋のtone loose 頸部 体幹右側屈右注視麻痺? 脚長差 ( 右 > 左 ) 右下肢 1/2 荷重転子部骨折胸椎左凸右距骨下 jt 回内制御 15 16 歩行 理学療法評価 BP:120/66mmHg,Pulse:70bpm,SpO2:98%,KT:36.6~37.1 感覚 : 左右差なし, 異常感覚なし 筋力 : 握力 (R/L)12kg/15kg 形態測定 ( cm ):SMD 65.5/66.0,TMD 63.0/62.0 周径 ( cm ): 膝蓋骨直上 36.0/36.5,10 cm 42.0/40.5, 15 cm 43.0/42.0 下腿 29.0/28.0 疼痛 :NRS 安静時 0, 運動時 3(SLR, 股 jt 外転時 ), 部位 : 術部, 鼠径部 Dr. より : 右下肢のスクリューが止まっていない, カットアウトの恐れあり屈曲 外旋, 伸展 外旋, 内旋時 8~9/10 Loose test: 手部 (+/+), 肘関節 (+/+), (-/-), 理学療法評価 ROM 屈曲 60 100 伸展 5 外転 30 35 内転 15 10 外旋 25 内旋 25 屈曲 90 130 伸展 5 0 底屈 55 50 背屈 0 5 MMT 屈曲 2 3+ 伸展 2 3+ 外転 2 3 内転 2 3 外旋 3 内旋 3 屈曲 3 3+ 伸展 2 3+ 底屈 2 3 背屈 3 3+ 17 18 3

大腿骨近位部骨折 大腿骨近位部骨折は, その骨折部位から骨頭骨折, 頸部骨折 ( 頸部内側骨折 ), 頚基部骨折, 転子部骨折 ( 頸部外側骨折 ), 大転子骨折, 小転子骨折に分類される. 頸部骨折と転子部骨折は高齢者で起こりやすい骨折の 1 つで,65 歳以上での発生率は, 女性は男性に比べて 2 倍高いとされている.75 歳未満では頸部骨折が多く, それ以上では転子部骨折が多いとの報告もある. これらの骨折が引き金となる死亡率は, 術後 3 カ月では 5.1~26%,6 カ月では 12~40%,1 年では 9.8~35% とされている. 頸部内側骨折の分類 (Garden 分類 ) StageⅠ: 不全骨折外転骨折または嵌入骨折で内側の骨性連続は残存している StageⅡ: 転位なし完全骨折完全骨折であるが, 骨頭傾斜無し軟部組織の連続性はある StageⅢ: 部分的転位と完全骨折頸部被膜の連続性はある StageⅣ: 完全な転位 骨折頸部被膜は断裂し, 全ての軟部組織の連続性が断たれる 19 20 関節包の構造と大腿骨への血行頸部外側骨折の分類 (Evans 分類 ) TypeⅠ: 骨折線が小転子から外側へ向かうもの Group1. 内側皮質骨に転位なく, 完全整復位で骨癒合が得られるもの Group2. 内側皮質骨の単純な重なりが徒手整復で改善し, 安定型の骨折となる Group3. 内側皮質骨の重なりが完全に改善せず, 骨折部が不安定で内反股が予測されるもの Group4. 内側皮質骨の粉砕骨折があり, 内反股が予測されるもの TypeⅡ: 骨折線が TypeⅠ の逆となるもので McMurray の骨切り線に一致する骨幹部が内側へ転位しやすい 21 22 転子下骨折の分類 (Seinsheimer の分類 ) TypeⅠ: 骨片の転位がないもの.2mm 未満の転位 TypeⅡ:2 骨片の骨折 A.2 骨片の横骨折 B.2 骨片の螺旋骨折. 小転子が近位骨片に付着 C.2 骨片の螺旋骨折. 小転子が遠位骨片に付着 TypeⅢ:3 骨片の骨折 A.3 骨片の螺旋骨折で, 小転子が第 3 骨片として存在 B. 近位 1/3 の 3 骨片の螺旋骨折で, 蝶形の第 3 骨片があるもの TypeⅣ:4 骨片以上の粉砕骨折 TypeⅤ: 転子下 - 転子間骨折大転子を通る骨折線のある全ての転子間骨折 3 月 4 日現在の X p 23 24 4

X-p 比較 (2 月 3 月 ) 2w 後姿勢 25 26 3 月 14 日現在姿勢理学療法評価最終 BP:120/66mmHg,Pulse:70bpm,SpO2:98%,KT:36.6~37.1 感覚 : 左右差なし, 異常感覚なし 筋力 : 握力 (R/L)12kg/18kg 形態測定 ( cm ):SMD 65.5/66.0,TMD 63.0/62.0 疼痛 :NRS 安静時 0, 運動時 1(SLR, 股 jt 外転時 ), 部位 : 術部, 鼠径部 Dr. より : 右下肢のスクリューが止まっていない, カットアウトの恐れあり屈曲 外旋, 伸展 外旋, 内旋時 8~9/10 Loose test: 手部 (+/+), 肘関節 (+/+), (-/-), 27 28 理学療法評価最終 ROM 屈曲 85 100 伸展 10 外転 25 35 内転 10 10 外旋 25 内旋 25 屈曲 120 130 伸展 0 0 底屈 55 50 背屈 5 10 MMT 屈曲 3 4 伸展 3 4 外転 3 4 内転 3 4 外旋 4 内旋 4 屈曲 3 4 伸展 3 4 底屈 3 3+ 背屈 3 4 今後の方向性 ( 見込み, 予定 ) フォロー : 当院デイケア週 1 回送迎なし電動車椅子使用 受診 : 市大 or 当院整形外科, 他科は市大 在宅生活 : 移動は伝い歩き, 寝具はベッド使用, シャワー浴, 自室は 2 階, 階段昇降は手すり使用で自立, 外出時は電動車椅子使用. ENT 予定 3 月末 4 月上旬へ変更 29 30 5

歩行最終 レンタル予定の車椅子 31 32 終わりに 本日,X-p を撮り, 明日荷重の判断が Dr. より下る. 前回の回診の際には, 次回荷重の許可を出すとしたら全荷重と話していた為, そのタイミングで外出, または外泊の許可を申請する予定である. 退院までは病棟内は歩行器の予定で考えているが, 室内のみ独歩での移動を検討している. 今後のフォローについては後日, 相談させて頂きます. ご清聴ありがとうございました 33 34 6