第 15 回学術部一泊合同研修会 症例検討 臨床化学 事例 1 28 歳 男性 項目 TP ALB CRE UN AST ALT ALP LDH CK 初検 ( 再測定前 ) 測定値 項目 測定値 7.6 CKMB 12 5.0 TC 180 0.72 Na 147 13 K 4.8 52 Cl 101 17 TBil 1.0 215 CRP 18.04 412 溶血 2+ 231 乳び - 設問 1 あなたなら, 患者 A の結果を臨床に報告する時, 結果に対してどのようなコメントを付加しますか? 別表 を参考に考えてください. 事例 2 30 歳 男性 初回検査 再検査 設問 2 血液学 WBC RBC Hb Ht PLT 126.0 10^2/μl 519 10^4/μl 15.4 g/dl 46 % 33.0 10^4/μl 123.9 10^2/μl 523 10^4/μl 15.5 g/dl 46 % 33.0 10^4/μl 患者 B の再検査 ( 再採血 ) 結果から, 初回検査についてどのような拝啓 ( 事象 ) を推測しますか? また, 化学的知見を含めた理由も答えてください. 生化学 TP CRE UN AST ALT ALP LDH CK Na K Cl Ca IP 6.9 0.90 22 104 53 456 423 255 135 10.1 103-1.0 3.2 7.0 0.93 22 105 54 517 425 245 135 4.5 103 8.1 3.2 FE TBil CRP -1 2.2 0.60 73 2.2 0.61
症例 30 歳代男性 主訴 昏迷, 幻覚 現病歴 2 日前より薬物乱用にて近医入院となったが, 病状悪化のため当院へ救急搬送となった. 血液 凝固 尿定性 沈渣 救急搬送時の検査データ ( 凝固は 3 日後のもの ) WBC 107.2 10^2/μl TP 4.7 RBC 402 10^4/μl ALB 2.5 Hb 12.5 g/dl CK 65588 50 倍希釈にて測定済み Ht 35.3 % CKMB 1861 PLT 14.0 10^4/μl AST 2380 10 倍希釈にて測定済み 16.4 sec ALT 611 PT 44.5 % LDH 6161 10 倍希釈にて測定済み 1.42 (INR) 生 CRE 4.44 APTT >200 sec UN 47 Fib 509 mg/dl 化 ク ルコース 146 FDP 47.3 μg/ml Na 130 DDタ イマー 13.28 μg/ml 学 K 3.8 蛋白 3+ Cl 93 糖 - OSM 288 亜硝酸塩 - TBil 0.9 潜血 3+ CRP 14.89 色調 褐色 溶血 - 赤血球 1-4/HPF 乳び - 白血球 5-9/HPF 生理機能 12 誘導心電図 : 正常洞調律 設問 3 凝固検査に異常値を示した機序を他の検査データより考察してください. 設問 4 尿検査に異常値を示した機序を他の検査データより考察してください.
設問 5 生化学検査に関して, 別表を参照にして項目毎に検査結果の信頼性を評価 してください. 設問 6 現病歴や検査結果より, 病名を考えてください. また, 注視すべき合併症があれば お答えください. 別表 単位 測定方法 測定可能上限 TP g/dl ビューレット法 18.0 ALB g/dl BCG 法 7.0 CRE mg/dl 酵素法 50.00 UN mg/dl ウレアーゼ-GLD 法 500 AST U/l JSCC 準拠法 1,500 ALT U/l JSCC 準拠法 1,500 ALP U/l JSCC 準拠法 4,000 LDH U/l JSCC 準拠法 1,200 CK U/l JSCC 準拠法 3,500 CKMB U/l 測定可能上限阻害法 MM 阻害能 2,000 4,000 Na meq/l 160 K meq/l 希釈法 8.0 CL meq/l 120 Ca mg/dl ocpc 法 30.0 IP mg/dl 酵素法 90.0 FE μg/dl ニトロソ-PSAP 法 100 TB il mg/dl 酵素法 35.0 CRP mg/dl ラテックス凝集法 32.00
第 15 回学術部一泊合同研修会 症例検討 血液検査 症例 62 歳男性 主訴 全身倦怠感 食欲不振 現病歴 アルコール性肝炎と糖尿病にて当院内科を月に1 度定期受診している 6 月 2 日の定期受診の際 検査値異常を指摘されて精査入院 既往歴 アルコール性肝炎 糖尿病 高血圧 家族歴 長兄: 糖尿病 高血圧次兄 : 腎臓癌 生活歴 慢性アルコール中毒 食事をほとんど食べず 1 日中ビールを飲んでいる 飲酒 : ビール大瓶 2 本 + 焼酎 2 3 杯 / 日喫煙 :20 本 / 日 40 年 入院時身体所見 身長 168cm 体重 62.8kg 意識清明 体温 37.5 度 血圧 92/51 脈拍 83/ 分 心雑音なし 呼吸音清 腹部異常なし 血液検査結果 2/18 3/25 4/28 6/2 WBC ( 10 3 /μl) 3.7 3.9 5.5 8.9 RBC ( 10 6 /μl) 3.14 3.16 2.62 2.09 Hb (g/dl) 11.5 11.9 9.9 7.8 Ht (%) 33.4 34.2 28.6 22.2 MCV (fl) 106.4 108.2 109.2 106.2 MCH (pg) 36.6 37.7 37.8 37.3 MCHC (g/dl) 34.4 34.8 34.6 35.1 PLT ( 10 3 /μl) 128 112 104 29 CRE (mg/dl) 0.95 0.87 1.06 1.39 BUN (mg/dl) 11.4 17.3 14.6 22.3 Na (meq/l) 142 139 138 128 K (meq/l) 4.7 4.5 4.7 5.1 Cl (meq/l) 103 102 103 94 AST (IU/l) 26 28 17 27 ALT (IU/l) 11 13 9 12 γ GTP (IU/l) 60 64 58 71 T-Bil (mg/dl) 0.6 0.8 0.7 0.6 TP (g/dl) 7.2 7.5 7.3 7.1 LDH (IU/l) 235 249 255 3542 CK (IU/l) 52 57 62 73 CRP (mg/dl) 0.16 0.15 0.13 17.89 Glu (mg/dl) 346 248 277 430
設問 1 検査データの推移より 気づいた点や考えられる病態を挙げてください 設問 2 追加で行う検査項目を挙げてください
追加検査 好中球 (%) 61 APTT ( 秒 ) 26.4 UA (mg/dl) 9.8 リンパ球 (%) 23 PT INR 1.31 Fe (μg/dl) 59 単球 (%) 5 Fbg (mg/dl) 381 UIBC (μg/dl) 152 好塩基球 (%) 1 FDP (μg/ml) 113.8 Alb (g/dl) 2.5 後骨髄球 (%) 2 D-タ イマー (μg/ml) 75.3 ヒ タミン B12 (pg/ml) >=1500 骨髄球 (%) 7 AT (%) 106 葉酸 (ng/ml) 4.8 芽球 (%) 1 ハフ トク ロヒ ン (mg/dl) 280 形態コメント 過分葉 エリスロホ エチン (mu/ml) 1150 sil-2r (U/ml) 860 フェリチン (ng/ml) 14339 骨髄穿刺 :NCC9.1 万 /μl Mek528/μl M/E=0.4 blast 73.4% 設問 3 上記追加検査より異常値を指摘して下さい 設問 4 考えられる疾患はなんでしょうか 設問 5 下記データより考えられる病型はなんでしょうか 形態 三細胞系列に異形成あり マルクの特殊染色 POD 染色 : 約 40% で陽性エステラーセ 2 重染色 : クロロアセテートは陰性フ チレートは弱陽性から強陽性が混在 PAS 染色 : 約 20% で顆粒状 + 表面マーカー CD4 68.2% CD13 41.4% CD33 97.9% CD41 50.1% 骨髄中の blast CD56 96.7% HDL-DR 50.5% 染色体検査 5 番染色体欠損を含む複雑核型
第 15 回学術部一泊合同研修会 症例検討 免疫血清 症例 54 歳 男性 初診時主訴 胸部 X 線異常陰影 現病歴 20 年 月 日に実施した健康診断において異常所見指摘される 胸部 X 線像に両側多発空洞性陰影 結節性陰影の異常を認める 毎年健康診断を受けており昨年は異常指摘なし 咳や痰無し 発熱無し 胸痛無し 既往歴 喘息 高血圧 20 年程前に左気胸にてドレナージ術施行 家族歴 喘息 癌 嗜好歴 喫煙歴なし 受動喫煙なし 飲酒歴なし アレルギー 特記事項なし 職歴 建築塗装業 ( 風呂場の剥離など ) アスベスト暴露有り 旅行歴 大学時代から7カ国以上の海外旅行の経験有り 初診時採血 血液 生化学 WBC 32 102/μl 総蛋白 7.3 g/dl RBC 363 104/μl アルブミン 3.85 g/dl Hb 10.5 g/dl ALP 275 IU/l Ht 32.7 % AST 17 IU/l PLT 16.2 104/μl ALT 18 IU/l 血液像 LDH 234 IU/l Band 4.0 % γ ー GTP 28 IU/l Seg 43.0 % ChE 298 IU/l Eosino 43 % T-Bil 0.2 mg /dl Lymph 7.0 % BUN 16 mg /dl Mono 3.0 % 尿酸 7.3 mg /dl クレアチニン 1.0 mg /dl 免疫 感染症 CRP 0.10 mg /dl CEA 1.9 ng/ml Na 139 meq/l NSE 9.7 ng/ml K 4.4 meq/l シフラ 2.28 ng/ml Cl 106 meq/l
胸部単純 X 線写真単純 CT( 肺野条件 ) 設問 1 症例 初診時採血のデータ 胸部 X 線写真から指摘できる点についてあげて下さい 設問 2 追加すべき検査項目をあげてください
プログレスノート さらに踏み込んだエピソードを聴取 一年程前からヘルペス 3,4カ月前から掻痒を伴う皮疹がよく出現する 2カ月前から口腔内違和感 味覚低下 国内で若い頃に風俗に行ったこと有り ( 最近はなし ) 刺青なし 薬物注射歴なし 追加検査 非特異的 IgE 9380.0 IU/ml カンジダ抗原 (-) HIV 抗体 (+) クリプトコッカス抗原 (+) HIV 抗体測定値 15.0 C.O.I β-d グルカン定性 (-) HTLV-1 (-) β-d グルカン定量 4.391 pg/ml HTLV-1 抗体測定値 0.1 C.O.I アスペルギルス 2.57 UA/ml IgG 1733 mg /dl IgA 350 mg /dl IgM 167 mg /dl クオンティフェロン (QFT) TB 抗原 (PCR) 陰性 0 10 lu/ml 未満 細菌検査 同定菌名 同定菌量 一般培養 ( 喀痰 ) Cryptococcus neoformans 2+ 一般培養 ( 気管支洗浄液 ) Cryptococcus neoformans 少量 抗酸菌 陰性 塗抹結果から酵母様真菌 (2+) WBC(3+) を認める 気管支鏡検査 Cryptococcus 抗酸菌陰性 口腔内カンジダ高度 設問 3 追加聴衆内容 追加検査から考えられる疾患あるいは病名をあげてください