統合失調症患者の状態と退院可能性 (2) 自傷他害奇妙な姿勢 0% 20% 40% 60% 80% 100% ないない 0% 20% 40% 60% 80% 100% 尐ない 中程度 高い 時々 毎日 症状なし 幻覚 0% 20% 40% 60% 80% 100% 症状

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3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

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統合失調症患者の状態と退院可能性 () 自傷他害奇妙な姿勢 ないない 1 3 4 1 3 4 尐ない 中程度 高い 時々 毎日 症状なし 幻覚 症状なし 罪業感 1 3 4 1 3 4 ごく軽度軽度中等度やや高度高度非常に高度 ごく軽度軽度中等度やや高度高度非常に高度 1 現在の状態でも居住先 支援が整えば退院可能 状態の改善が見込まれるので 居住先 支援などを新たに用意しなくても近い将来退院見込み 3 状態の改善が見込まれるので 居住先 支援が整えば近い将来退院可能 4 近い将来退院の見込みはない 10 精神病床の利用状況に関する調査 より ( 平成 19 年度厚労科研 精神医療の質的実態把握と最適化に関する総合研究 分担研究 )

精神病床の利用状況に関する調査 より ( 平成 19 年度厚労科研 精神医療の質的実態把握と最適化に関する総合研究 分担研究 ) 統合失調症患者の状態と退院可能性 (3) 緊張 抑うつ気分 症状なしごく軽度軽度中等度やや高度高度非常に高度 症状なし ごく軽度軽度中等度やや高度高度非常に高度 1 3 4 1 3 4 十分に認識している 薬物療法の必要性の認識 1 3 4 不十分だが服薬 不十分で服薬しない 処方なし 1 現在の状態でも居住先 支援が整えば退院可能 状態の改善が見込まれるので 居住先 支援などを新たに用意しなくても近い将来退院見込み 3 状態の改善が見込まれるので 居住先 支援が整えば近い将来退院可能 4 近い将来退院の見込みはない 11

統合失調症患者の状態と退院可能性 ( まとめ ) 1 現在の状態でも居住先 支援が整えば退院可能 1. 身体合併症. 精神症状 3.ADL 4.IADL. その他 状態の改善が見込まれるので 居住先 支援などを新たに用意しなくても近い将来退院見込み 3 状態の改善が見込まれるので 居住先 支援が整えば近い将来退院可能 4 近い将来退院の見込みはない 患者数の割合 10.% 36.7% 4.% 6.%.1% 1: 特別な管理 ( 入院治療 ) を要する身体合併症 : 次の項目のうちいずれかを満たす者 但し1を除く 自傷他害の可能性中程度以上 奇妙な姿勢 毎日 幻覚 高度以上 罪業感 高度以上 緊張 やや高度以上 抑うつ気分 高度以上 薬物療法の必要性の認識 不十分で服薬しない 分類の定義 3: ベッド上の可動性 移乗 食事 トイレの使用の 4 項目のうちいずれかでボディタッチを含む援助を要する者 但し 1 を除く 4: 食事の用意 家事一般 金銭管理 薬の管理 電話の利用 買い物 交通手段の利用のいずれかが非常に困難な者 但し 1~3 を除く : 1~4 以外の者 1 精神病床の利用状況に関する調査 より ( 平成 19 年度厚労科研 精神医療の質的実態把握と最適化に関する総合研究 分担研究 )

精神科入院ケアの患者分類の例 ( 看護 介護職員のケア時間の相対値を患者の状態像ごとに分類したもの ) 在院期間 1 か月以下 幻覚による行動の支配 あり なし 自傷他害の危険性 中程度 ~ 高い なし ~ 低い 高い 中程度 なし ~ 低い 状態 ケア時間の相対値 1.1 幻覚 / 自傷他害の危険性 4.10 1. 幻覚.13 1.3 自傷他害の危険性 ( 高度 ) 3.44 1.4 自傷他害の危険性 ( 中程度 ) 1.86 1. その他 1.6 急性期 1~6 か月以下 ベッド上の可動性 なし 自立 ~ 観察 気分の変調 中程度以上 言動の解体 中程度以上軽度以下軽度以下.1 ADL 低下.66. 気分の変調 3.67.3 言動の解体 1.6.4 亜急性期一般 1.06 亜急性期 ベッド上の可動性 広範な援助 ~ 寝たきり 3.1 ADL 低下.41 6 か月超 自立 ~ 部分的援助 自傷他害の危険性 高い ない ~ 中程度 言動の解体 中程度以上 軽度以下 個人衛生 直接介助 観察 促し 自立 3. 自傷他害の危険性 1. 3.3 言動の解体 1.17 3.4 慢性期一般 / セルフケア介助 1.0 3. 慢性期一般 / セルフケア観察 0.88 3.6 慢性期一般 / セルフケア自立 0.76 慢性期 山内慶太 精神医療における新しい支払い方式に関する基礎的研究 - ケースミックス分類の開発ー病院管理 34() 1-167 1997 13

14 統合失調症等の入院患者の状態を評価する主な尺度 尺度評価対象概要長所短所 GAF Global Assessment of Functioning scale 全般機能 精神症状 社会的機能 職業的機能全般を 100 点満点で評価 簡便 主観的 評価者間差異がでやすい SOFAS Social and Occupational Functioning Assessment Scale 社会職業機能全般 GAF のうち 社会的機能 職業的機能全般のみを 100 点満点で評価 社会機能に着目した評価が可能 簡便 主観的 評価者間差異がでやすい PANSS Positive And Negative Syndrome Scale 症状全般 統合失調症の 30 項目 ( 陽性 陰性 総合精神病理 ) の症状を面接と看護等の観察により評価 幅広い症状群の評価が可能 面接 評価が難しい 評価者間差異がでやすい BPRS Brief Psychiatric Rating Scale 症状全般 統合失調症の 16 項目の症状をある程度決まった面接と観察により評価 PANSS よりも容易 網羅的でない 評価者間差異がでやすい MMSE Mini Mental State Examination 認知機能 記憶 見当識 流ちょう性等 11 項目を構造化した面接により評価 簡便 評価者間差異はほぼない 認知症に向いている 統合失調症では特異度が低い CPS Cognitive Performance Scale 認知機能 短期記憶 日常生活における認知的技能 4 項目を面接 観察により評価 生活技能を同時に評価 スコアリングがやや複雑 HRS-D Hamilton Rating Scale of Depression 抑うつ症状うつ病 抑うつ症状について 17 項目の症状を構造化面接により評価 構造化面接により評価者間差異が尐ない 統合失調症では特異度が低い SF-36 Short Form 36 QOL 動作の困難度や充実感等 36 問を自記式で評価 簡便 自記式にて信頼性が低い

統合失調症入院患者の ADL の支援のレベル ( 年齢別 ) 0 10 0 30 40 0 (%) 0 歳未満 ベッド上の可動性移乗 食事 7 トイレの使用 4 4 上記のうち最も支援を要するもの 8 0~64 歳 ベッド上の可動性移乗食事 6 6 6 13 援助 依存準備 観察 トイレの使用 8 7 上記のうち最も支援を要するもの 10 1 6 歳以上 ベッド上の可動性移乗 17 19 9 10 食事 1 1 トイレの使用 4 11 上記のうち最も支援を要するもの 7 17 1

統合失調症入院患者の IADL の困難度 ( 年齢別 ) 0 歳未満 食事の用意 家事一般 金銭管理 薬の管理 電話の利用 買い物 交通手段の利用 上記のうち最も困難なもの 0 10 0 30 40 0 60 70 80 90 100 1 19 7 3 34 33 39 1 34 36 44 40 44 38 39 非常に困難いくらか困難 (%) 0~64 歳 食事の用意 4 31 家事一般 4 40 金銭管理 46 37 薬の管理 4 38 電話の利用 3 9 買い物 30 37 交通手段の利用 44 34 上記のうち最も困難なもの 66 9 6 歳以上 食事の用意家事一般 9 68 30 3 金銭管理 61 7 薬の管理 61 9 電話の利用 4 9 買い物 48 3 交通手段の利用 64 上記のうち最も困難なもの 79 18 16

統合失調症入院患者の身体合併症の頻度 ( 年齢別 ) 0 10 0 30 40 0 60 (%) 0 歳未満 18 特別な管理 ( 入院治療が適当な程度 ) を要する 日常的な管理 ( 外来通院が適当な程度 ) を要する 0~64 歳 10 9 6 歳以上 16 39 17

統合失調症の入院患者における身体合併症 ( 有無 種類 ) 身体合併症を持つ人の割合 身体合併症の種類 特別な管理を要する 10.% 内分泌 代謝疾患循環器疾患 1.1.9 消化器疾患 11.6 日常的な管理を要する 9.6% 筋 骨格系疾患神経系疾患 8.8 9.8 呼吸器系疾患 6.1 新生物.6 皮膚疾患 4. 尿路性器系疾患 4.0 損傷 中毒.9 ない 9.9% 眼疾患感染症.4.3 血液 免疫疾患 1.8 その他.3 0.0.0 10.0 1.0 0.0.0 30.0 (%) ( 有効回答数 9,781 名 ) ( 有効回答数 86 名 ) 精神病床の利用状況に関する調査 より ( 平成 19 年度厚労科研 精神医療の質的実態把握と最適化に関する総合研究 分担研究 ) 18

(%) 70 60 0 40 61 統合失調症入院患者の退院後の適切と考えられる 居住の場 ( 年齢別 ) 0 歳未満 0~64 歳 6 歳以上 30 0 10 0 1. 家族と同居. 入院前の自宅等でのひとり暮らし 31 3 19 18 16 14 16 11 9 7 4 6 7 7 3 3 4 4 3 3 3 3 1 0 1 0 0 0 1 1 3. アパート等を借りてひとり暮らし 4. ケアホーム. グループホーム 6. 地域移行型ホーム 7. 退院支援施設 8. 従来型の社会復帰施設 9. 介護老人保健施設 10. 介護老人福祉施設 11. 社会福祉施設 1. その他 1 精神病床の利用状況に関する調査 より ( 平成 19 年度厚労科研 精神医療の質的実態把握と最適化に関する総合研究 分担研究 ) 19