ヤコビ楕円関数とはなにか December 8, 0 Aio Arimoto. 非線形微分方程式ヤコビの楕円関数 n,cn,dn の一番分かりやすい導入は次の微分方程式の解とするもので 3 dx ある 0 として 上での初期値問題 yz dt, dy xz dt, dz xy dt, x0 0, y 0 z0の解の各成分 x t, yt, zt はそれぞれ,, コビの楕円関数と呼ばれる 命題. x t y t 証明 : n t cn t dn t と書かれ ヤ d dx dy x t y t x y xyzxyz 0 であるあるから dt dt dt x t y t con る tがすぐ分かるが t 0 のときを考えるとそのコンスタントは であ 命題.. x t z t z t d dx dz x tz t x z xyzxyz0 であるから dt dt dt 証明 : x t z t cont がすぐ分かるが t 0 のときを考えるとそのコンスタントは で ある これから z がいえる t でベクトル であるが zt は連続 ( 微分可能 ) であるので z t x t, y t のt を動かした軌跡は半径 の単位円であるが, x t z t は emi-axi が と の楕円になる つまり
図のように x t, y t の描く円は, れ以外はすっぽり含まれている ( 参照 [Ta]) x t z t の描く楕円に上下 点で接しているがそ. 3 角関数との関係ヤコビ楕円関数は振り子の振動をあらわす関数として現れる周期関数であるが 3 角関数 dx と密接な関係がある d zdt により変数変換すると yz dt, dy xz dt, dz xy dt は dx y d, dy x d, dz xy とかける dx y d z d, dy x d は書き直すと d x x 0 d とな x in り 初期条件 0 0, x 0 y 0 より x である これから y co もわかる そして 命題. より z in となる d zdt より t d 0 in であるが K d 0 in とおけば d d d 4K in in in 0 0 である しかし 0 d d t in in とかけるので 0 d in t4k つまり あるいは xt 4K xt in t 4K in t in t 期 4K を持つ周期関数であることが分かる ( 参照 [Ta]) となり n 関数は周
3. 振り子の振動 単振り子のふれの角度を とし その最大値を とする 糸の長さをl とすると 位置エネルギと運動エネルギの合計が一定であることから は微分方程式 d g in をみたす ただし in を in in を満 dt l d たすように決めると g dt l in d g は co となるが dt l arcin in より g d d dt l co in すなわち d を得る 節で述べたことから in g t l 0 in g t n t l となり in in は t g (3.) in n0t, 0 l となる したがって t (3.) co n0t dn0t が得られるが (3.) の両辺を微分して (3.) をもちいると 0cn 0 t そして さら に微分して n tdn tをえるが (3.)(3.) にもどれば 0 0 0 (3.3) in 0 0 3
という微分方程式になる (3.3) は単振り子の運動方程式として知られている 4. 包絡線本節はあくまでも仮説である あるいは open problem の提供と言っても良い すこし議論が恣意的になっていることを注意して読んでほしい 楕円関数の加法定理は幾何学的には単振り子運動の以下の幾何図形より証明される [To] 図 P は振り子のおもりで B を出発して円弧 BPAP ' 上を運動する BB ' はおもりのあがる最高の位置である ひとつのおもり P が B を出発してから時間 だけ遅れて P ' が B を出発す ' る が P へすすむ間に P ' は P へすすむ ここで 直線群 PP ', PP, によって包絡線 P が作られるが この包絡線は AO 上に中心 C を持つ円である ' 図 次の図 3は円 Oに含まれる円 O ' があるとき PP はQ で接する接線で P から再び円 O ' に接線を引くことにより ポンスレの閉形定理を示すためのものである 4
図 3 ここでひとつの仮説を立てる ある関係で PP を決めるとき PP の直線群は円 O ' の包絡 線を構成している それは単振り子の図 を半時計周りに90 度回転して図 3と比べてみる 図 の回転 つまり図 3のO ' を図 のC と見るのである 確かに図 の円 C は円 Oに含まれてはいないが そのことはポンスレの定理と矛盾するものではない あるいは 単振り子が振り子ではなく回転してしまう場合になるかもしれない 5
検討 : 図 ( の回転 ) において P lco, lin, P lco, lin in in co co y l in x l co (4.) co coy ininxlin とおく 直線 PP は とかけるが これは分母をはらい変形すると となる (3.) in t 0 n t,(3.) そう u 0t, v0 t とおくと t co n0t dn 0 tを思い出 (4.) in nu (4.3) in nv (4.4) co dnu (4.5) co dnv となり 問題はu v cont 0 のとき直線 PP の包絡線が円 C となっていることを示 せばよいことになる (4.) の包絡線を求めるには次のような方針が考えられる (4.6) Fx, y, tco coyinin xlin F とおくと (4.) からみちびかれる F x, y, t 0と 0 を連立させt を消去した x, y の t 関係式 C が円になることを示したいわけである このとき 偏微分を求めるのに楕円関数との関係 (4.)-(4.5) をもちいて (4.6) をuv, で表すことが考えれれるが これは得策でないとおもう (4.6) をt で偏微分すると F d d d d d d in in y co co x lco t dt dt dt dt dt dt ところが (4.) の両辺を微分すると d du co cnudnu だが (4.3) より dt dt d du d cnu を得る 同様に dt dt dv cn v を得る u v cont であったから dt dt du dv F t とし 上の偏微分 dt dt t の右辺を書き直すと 6
(4.7) cnv cnuy cnv cnux l cnu cnv in in co co co 0 を得る 結局 (4.6) の右辺を0とした式と (4.7) からuv, を消去して x, y の関係式をさがしそれが 円 Oと中心が a だけ離れた円であることを示したいわけである 果たしてできるだろうか? 参考文献 [Ta] 高橋陽一郎力学と微分方程式岩波書店 ( 現代数学への入門 ) [To] 戸田盛和楕円関数入門日本評論社 7