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Transcription:

~ 流体力学の基礎 ~ 第 2 回 流体静力学 2011 年 10 月 22 日 ( 土 )

講習会のスケジュール概要 ( あくまでも現時点での予定です ) 流体力学の基礎 第 1 回目 2011.09 流体について 第 2 回目 2011.10 流体静力学 第 3 回目 2011.11/12 流体運動の基礎理論 1 第 4 回目 2012.01 流体運動の基礎理論 2 第 5 回目 2012.02 流体摩擦および境界層 1 第 6 回目 2012.03 流体摩擦および境界層 2 第 7 回目 2012.04 流体抵抗 2

今回のお話 流体静力学 静止した流体 ( 特に液体 ) についての話です 主に液体中の圧力の性質を見ていきます 静止した流体の現象ですので 流体力学? と思われるかもしれませんが ここで紹介する内容は工学分野で広く活用されています 例 ) 油圧機械 河川工学 造船 流体計測 3

目次 静止した液体の圧力の性質 静止した液体が壁面に及ぼす力 相対的静止状態の圧力 浮力 おわりに 4

目次 静止した液体の圧力の性質 静止した液体が壁面に及ぼす力 相対的静止状態の圧力 浮力 おわりに 5

圧力の定義 静止流体の圧力の特徴 F 圧力は静止流体中の任意の面に対して垂直に作用 点 O A 静止流体中の任意の点 Oに対し微小面積 Aを仮定したとき その面に対して垂直に作用する力を Fとすると 圧力 は次のように定義される F df lim A 0 AA da 6

圧力の等方性 微小直角三角柱による力のつり合いを考える 方向 z 方向 dydz ( sin ) dyds ds dz / sin z ddy ( cos ) dsdy ds d / cos z z 座標と y 座標を 入れ替えて計算すれば y z c cos ds dz z y y d z z sin dy 流体中の 1 点に作用する圧力の大きさは方向によらず一定 7

パスカルの原理 パスカルの原理 密閉容器中の静止流体 ( 液体 ) の一部に加えた圧力は液体のすべての部分にそのまま F の強さで伝わる 圧力の伝わる速度は? 音速水の音速 : 約 1450m/s 面積 A F/A= 人間が通常液体を利用する範囲では 圧力はほぼ瞬時に伝播する ( スケールにもよるが ) 8

静止液体の深さと圧力の関係 液体中の 1 点における圧力と深さの関係右の図のように微小円柱を考える 断面積 :da 円柱の高さ :dz 液体の密度 : 重力加速度:g とすると 円柱に働く重力 dw gdzda 円柱の下面に働く力 da 円柱の下面に働く力 ( d) da 円柱の側面に働く力 互いに打ち消しあい釣り合う鉛直方向の力のつり合いより d dw da ( d ) da g dz dz +d da dw 9

絶対圧とゲージ圧 標準大気圧 北緯 ( 南緯 )45 の海抜 0m( 海面上 ) において 0 のとき 水銀柱が760mmになる大気圧 1 気圧 (atm) 1atm = 1.0133N/m 2 (Pa) = 1.0133bar = 1.03323kgf/cm 2 絶対圧 絶対真空を 0 として計る圧力例 ) 気圧計 ゲージ圧 大気圧を 0 として計る圧力例 ) 通常の圧力計 とくに断りがなければ [ 絶対圧 ] = [ 大気圧 ] + [ ゲージ圧 ] 絶対圧の変化率とゲージ圧の変化率は同じ例 ) 絶対圧が1kPa 変化すればゲージ圧も1kPa 変化する 10

圧力ヘッド z (=0) ゲージ圧前々ページ : 静止流体の深さと圧力の関係 1 d g dz 積分 gz C (C: 任意定数 ) 0 z H z= 0 ( 水面上 ) の圧力 1 z=-h H ( 水中 ) の圧力 -H 2 2 gh 2 1( 2) H g H: 圧力ヘッド H と は比例関係 水中の圧力を水深で表現可能 圧力ヘッド H とは水中の圧力を長さの単位で示した値 11

マノメータ 右図のように U 字ガラス管に液体を入れ 両端をAとBに接続する C 点の圧力 : C ) h 2 A A A h 1 B B B C D 点の圧力 : D D A g( h 2 h A D g(h h ) g h B B 1 2) 0 C 点と D 点の圧力は等しいので C D A B 0 A) gh ( B A) 2 C C ( gh gh 特にAとBの気体の密度が等しく ( A = B =) かつh 1 が0の場合 hが分かれば AとBの A B ( 0 ) gh 圧力差が分かる 12 B 1 h 0 D D

目次 静止した液体の圧力の性質 静止した液体が壁面に及ぼす力 相対的静止状態の圧力 浮力 おわりに 13

水平な平面に働く力 圧力ヘッドの関係式より 1 gh 液面の圧力を 0 とすると ( ゲージ圧 : 1 =0) gh 圧力ヘッドの関係式より df da 液面に水平な面 ( 面積 :A) に作用する力 F は H 1 =0 d F df da gha 14

垂直な平面に働く力 右図より 水深 z における微小要素 da に作用する力 dfは df gzda gbzdz 右図の高さHの壁面に作用する力 Fは H 1 F df gbzdz gbh 2 g 0 2 圧力の中心 右図中の G 点がそれ モーメントのつり合いを考える モーメントのつり合い 回転運動に関する力学的つり合い質点系の場合 モーメントは力 F と回転中心点からの距離 r で表わされる T=F r 全体のモーメントのつり合いは 微小平面のモーメントのつり合いの積分であるから H 1 2 3 2 F zdf gbz dz gbh H 0 3 3 H H z G z dz 圧力の中心 da=b dz 15

傾斜している平面に働く力 右図の微小要素 da に働く力を dfとすると df g gzda gy sinda したがって全平面では F df g sin yda 図心 ( 重心 ) を ( 0,y 0,z 0 ) とすると 次のような関係式が成り立つ yda y0 A F gy0 sin A gz0 A 0 z z F 圧力の中心 液体の圧力により平面に働く力は 図心に作用する圧力と平面の面積の積に等しい 液面 df 図心 ( 重心 ) y da y y 0 図心に作用する圧力は平面の平均圧力 16 0

傾斜している平面に働く力 ( つづき 1) 圧力の中心 O() 軸を中心としたモーメントのつり合いを考える F ydf g sin y 2 da 前頁より 平面に働く力は次のように記すことができる F よって g sin yda y 2 da yda 0 z 残りの と は次の頁 z F 圧力の中心 液面 df 図心 ( 重心 ) y da y O() 軸 17 y 0 0

傾斜している平面に働く力 ( つづき 2) 圧力の中心 O(y) 軸を中心としたモーメントのつり合いを考える F df g sin yda 前々頁より 平面に働く力は次のように記すことができる F g sin yda y0 A さらに da=ddy であるので yddy y 0 A 0 z z F 圧力の中心 また = sin cos 液面 df da 図心 ( 重心 ) y y y 0 0 18

目次 静止した液体の圧力の性質 静止した液体が壁面に及ぼす力 相対的静止状態の圧力 浮力 おわりに 19

相対的静止状態とは 液体を入れた容器の運動が直進運動あるいは回転運動をしても 液体に相対的な流れが生じず 容器と液体が一体となって運動している場合 静止状態の力学で取り扱うことができる このように 系全体が運動していても 液体に相対的な流れが生じない状態を相対的静止状態と呼ぶ 20

水平運動 1 右図のように 方向に加速度 で等加速度運動しているとする この加速度運動で液面は ほど傾く 右図のように直方体の微小直方体を考える この微小要素に加わる力をF とすると B z y F m y z また 方向の圧力のつり合いから F yz yz y z A z z z y C D 21

水平運動 2 ghh と考えると (hはに対応する圧力ヘッド) h h g また右図から h tan g tan A B z C z z y z y D 等加速度水平運動では 液面の傾きが分かれば その加速度が分かる 22

回転運動 1 円筒容器の中に液体を入れ 中心軸周りに一定な角速度 で回転させる 右図のようにくぼんだ液面を形成する この液面は大気圧に等しい一つの等圧面である r 2 右図の液面 ( 等圧面 ) 上の微小要素には鉛直下向きに重力加速度 g 半径方向にr 2 の加速度を有する よって図中の は r 2 tan g 次の頁 r g z h 0 0 r R h r 23

回転運動 2 また dz tan dr 2 dz r dr g これを積分すると 2 2 z r C (C: 任意定数 ) 2gg r=0のとき z=h 0 なので z 2 2g r 2 h 0 r 2 r g z h 0 0 r R h r よって ここで形成される液面は回転放物面状である 24

目次 静止した液体の圧力の性質 静止した液体が壁面に及ぼす力 相対的静止状態の圧力 浮力 おわりに 25

浮力とは 浮力 液体中の物体の重量は それが排除した液体体積に働く重量に等しいだけ見かけ上軽くなること ( アルキメデスの原理 ) 26

アルキメデスの原理 1 液体中の物体に対し 液面で微小液面で微小断面積 daをもち 物体を貫いて底面に至るような円柱を想定する ( 右図 ) z1 z 1 a da 右図のdA 1 とdA 2 に作用する力の鉛直方向成分は da 1 と da 2 の鉛直投影断面積に作用した圧力との積に等しい z 2 da 1 da 2 da 1 に作用する力の鉛直方向成分 : F ( ) da ( gz ) da 1 ( a 1 a 1) da 2 に作用する力の鉛直方向成分 : F 2 ( 2 a 2) da ( a gz ) da 次の頁 2 da 27

アルキメデスの原理 2 df F F g z z ) da 1 2 ( 2 1 z a da ( z z ) da 2 1 は 円柱が貫いた部分の体積 dvに等しいので z 2 z1 1 da 1 df gdv よって 物体全体での力の和を求めると da 2 F df gdv gv 2 da 以上の結果より 液体中では 物体が排除した液体の重量分が鉛直上向きに作用している 浮力 28

目次 静止した液体の圧力の性質 静止した液体が壁面に及ぼす力 相対的静止状態の圧力 浮力 おわりに 29

まとめ 1 圧力の諸性質 圧力は静止流体中の任意の面に対して垂直に作用 圧力は流体中で等方的に作用する 液体中の圧力は液体の深さに比例する 絶対圧 = 大気圧 + ゲージ圧 静止した液体が壁面に作用する力 壁面に作用する平均圧力は図心 ( 重心 ) に作用する 圧力中心は図心と一致しない 30

まとめ 2 相対的静止状態 水平方向に等加速度運動している液体の加速度は 液面の傾きより求めることができる 等速回転運動している液体の液面は 回転軸を中心とした放物面を形成する 浮力 ( アルキメデスの原理 ) 浮力とは 液体中の物体が排除した液体体積の重量分が鉛直上向きに作用する力のこと 31

次回の予告 次回の流体力学の基礎では 流体運動の基礎理論 1 と題して講習会を 行います 次回も の中 で行いたいと思います 本日は 講習会 流体力学の基礎 に お付き合い頂きありがとうございました 32