エッジ産業分析レポート ~健康食品~



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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

スライド 1

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

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18 国立高等専門学校機構

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文化政策情報システムの運用等

【資料1】栄養強調表示等について

一般競争入札について

介護保険制度改正にかかる事業所説明会

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項


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平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

弁護士報酬規定(抜粋)

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

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質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

第2回 制度設計専門会合 事務局提出資料

Transcription:

第 151 回 NRIメディアフォーラム 日 本 が 変 わる エッジが 変 える エッジ 産 業 分 析 レポート ~ 健 康 食 品 ~ 2011 年 5 月 31 日 株 式 会 社 野 村 総 合 研 究 所 消 費 財 サービス 産 業 コンサルティング 部 副 主 任 コンサルタント 笠 井 洸 100-0005 東 京 都 千 代 田 区 丸 の 内 1-6-5 丸 の 内 北 口 ビル

はじめに 本 資 料 においては 一 般 食 品 のうち 明 確 に 健 康 や 美 容 を 訴 求 した 宣 伝 や 販 売 を 行 ってい るもの および 特 定 保 健 用 食 品 を 健 康 食 品 とする 健 康 食 品 に 対 する 明 確 な 定 義 はいまだ 存 在 していない 健 康 食 品 市 場 の 範 疇 ( 生 鮮 食 品 は 含 まない) 商 品 コンセプトによる 分 類 法 律 上 の 分 類 形 状 に よ る 分 類 食 品 飲 料 通 常 の 食 品 本 資 料 における 健 康 食 品 の 領 域 レ ( ッ 粉 ト末 カ ミプ 薬 ニセ 状 いわゆる 健 康 食 品 ドリ ル ン ク ) タ ブ 一 般 食 品 特 定 保 健 用 医 薬 品 健 康 機 能 を 訴 求 している 食 品 食 品 医 薬 部 外 品 大 塚 化 学 オロナミンC 大 塚 製 薬 カロリーメイト ファンケル スーパー 青 汁 DHC ビタミンC サントリーウエルネス セサミンEプラス 協 和 仙 生 露 ロッテ キシリトールガム 花 王 ヘルシア 緑 茶 日 本 水 産 イマーク キューサイ トーチミン 大 正 製 薬 リポビタンD アサヒフードアンド ヘルスケア エビオス 錠 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 1

目 次 1. 健 康 食 品 市 場 の 歴 史 2. 通 信 販 売 を 中 心 とする 第 二 の 成 長 3. 今 後 の 市 場 で 勝 つための 要 諦 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 2

1. 健 康 食 品 市 場 の 歴 史 健 康 食 品 市 場 は 2005 年 から 始 まった 踊 り 場 を 抜 け 出 せずにいる 長 年 にわたって 成 長 してきた 市 場 だが 2005 年 以 降 は18 は1.8 兆 円 規 模 で 推 移 20,000 健 康 食 品 市 場 規 模 の 長 期 時 系 列 推 移 下 落 ~ 横 ばい 17,807 15,000 市 場 規 模 ( 10,000 億 円 ) 5,000 0 19 983 19 984 19 985 19 986 19 987 19 988 19 989 19 990 19 991 19 992 19 993 19 994 19 995 19 996 19 997 19 998 19 999 20 000 20 001 20 002 20 003 20 004 20 005 20 006 20 007 20 008 20 009 20 010 ( 年 ) 出 所 ) 富 士 経 済 H Bフーズマーケティング 便 覧 2011 などを 元 に 作 成 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 3

1. 健 康 食 品 市 場 の 歴 史 食 の 安 全 に 関 する 事 件 事 故 の 発 生 から 食 品 メーカーの 健 康 食 品 への 取 り 組 みが 鈍 化 健 康 食 品 市 場 は 国 民 や 産 業 界 からの 要 請 を 背 景 に 行 政 の 後 押 しによって 成 長 してきた しかし 2000 年 代 後 半 に 発 生 した 健 康 食 品 や 食 全 体 の 安 全 性 に 関 する 問 題 から 健 康 を 訴 求 することで 企 業 ブランド 全 体 を 毀 損 するリスクが 意 識 されるようになった 2000 年 代 ブーム 終 焉 と 安 全 問 題 マスメディアの 需 要 喚 起 による 健 康 ブーム 1990 年 代 その 後 安 全 信 頼 を 揺 るがす 問 題 が 多 発 規 制 緩 和 による 市 場 拡 大 17,807 分 析 技 術 の 進 歩 に 伴 い 健 康 産 業 が 誕 生 行 政 はトクホ 制 度 と 規 制 緩 和 で 後 押 し 1980 年 代 TV 番 組 捏 造 アミノ 酸 ブーム 経 済 成 長 に 伴 う 市 場 の 顕 在 化 食 肉 偽 装 事 件 中 国 茶 で 死 亡 和 菓 子 賞 味 期 限 改 ざん 経 済 成 長 に 伴 ったストレス 社 会 への 対 応 ミネラル 類 の 規 制 緩 和 として 健 康 食 品 が 注 目 を 浴 びる 冷 凍 餃 子 事 件 ハーブ 類 の 規 制 緩 和 花 王 エコナ 販 売 自 粛 ビタミンの 規 制 緩 和 CoQ10ブーム ビタミンブーム トクホ 制 度 スタート ヨーグルトがトクホ 取 得 にがり 健 康 被 害 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 ( 年 ) 出 所 ) 富 士 経 済 H Bフーズマーケティング 便 覧 2011 などを 元 に 作 成 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 4

1. 健 康 食 品 市 場 の 歴 史 健 康 食 品 問 題 に 関 する 報 道 が 広 まったことで 生 活 者 の 消 費 マインドも 変 化 した 効 果 効 能 と 安 全 性 に 対 しては 特 に 厳 しい 目 を 向 けるようになった 2009 年 のアンケートによれば トによれば 生 活 者 が 健 康 食 品 を 購 入 する 際 使 用 を 中 止 する 際 とも 重 視 しているのは 効 果 効 能 と 安 全 性 健 康 食 品 を 購 入 する 際 に 重 視 する 点 (n=1,000/ MA) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 健 康 食 品 の 使 用 を 中 止 するとき(n=1,000/ MA) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 期 待 される 効 果 安 全 性 58.8% 69.9% 効 果 効 能 に 不 満 がある 71.5% 価 格 の 安 さ 53.1% 安 全 性 に 不 満 がある 42.2% 摂 取 方 法 食 べやすさ 含 有 成 分 の 種 類 37.4% 37.0% 価 格 に 不 満 がある 39.7% 成 分 の 配 合 ( 含 有 ) 量 メーカー 内 容 量 31.4% 24.9% 20.7% 製 造 企 業 や 販 売 企 業 が 信 用 できない 味 に 不 満 がある 16.0% 31.5% 味 賞 味 消 費 期 限 13.6% 9.5% 販 売 元 のアフターサーヒ スに 不 満 がある 9.0% 信 用 信 頼 できる 方 からの 紹 介 宣 伝 内 容 パッケージ 等 の 見 た 目 7.9% 4.3% 3.1% その 他 使 用 をやめることはない 7.1% 6.3% その 他 1.9% 出 所 ) 経 済 産 業 省 消 費 者 ニーズに 基 づく 安 全 性 等 評 価 を 活 用 した 健 康 食 品 ビジネスの 展 開 方 策 に 関 する 調 査 2009 年 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 5

1. 健 康 食 品 市 場 の 歴 史 2010 年 にチェックの 枠 組 みが 整 備 されたことは 市 場 にとって 大 きな 前 進 今 後 は 生 活 者 からの 信 頼 回 復 と 優 良 メーカーによる 市 場 創 造 が 期 待 される 2009 年 の 消 費 者 庁 設 立 2010 年 の 安 全 性 第 三 者 認 証 制 度 の 開 始 など 行 政 と 業 界 団 体 による 安 全 性 チェ ックの 枠 組 み 作 りが 進 んでいる 行 政 監 視 によるネガティブチェック 業 界 団 体 認 証 マークによるポジティブチェック 2009 年 消 費 者 庁 設 立 虚 偽 誇 大 広 告 などの 監 視 を 強 化 食 品 の 安 全 性 や 表 示 のあり 方 については 継 続 検 討 消 費 者 庁 による 監 視 の 例 2010 年 に 安 全 性 自 主 点 検 認 証 制 度 を 開 始 し 生 活 者 による 前 向 きなチェック 体 制 を 導 入 今 後 これまでの 成 分 製 造 に 関 するマークと 合 わせて 業 界 標 準 を 刷 新 する 方 針 健 康 食 品 の 安 全 性 自 主 点 検 認 証 制 度 ( 第 三 者 認 証 ) 事 業 者 申 請 認 証 健 康 食 品 認 証 制 度 協 議 会 認 証 の 適 切 性 を 判 断 認 証 機 関 ( 日 健 栄 協 ) 出 所 ) 消 費 者 庁 ホームページより 引 用 GMPマーク 適 正 製 造 規 範 JHFAマーク 規 格 規 準 安 全 性 自 主 点 検 マーク 将 来 統 合 新 マーク 業 界 標 準 の 刷 新 出 所 ) 消 費 者 庁 公 表 資 料 をもとに 作 成 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 6

目 次 1. 健 康 食 品 市 場 の 歴 史 2. 通 信 販 売 を 中 心 とする 第 二 の 成 長 3. 今 後 の 市 場 で 勝 つための 要 諦 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 7

2. 通 信 販 売 を 中 心 とする 第 二 の 成 長 インターネット 通 販 の 拡 大 に 伴 って 通 信 販 売 チャネルが 市 場 を 牽 引 する テレビ 通 販 ネット 通 販 の 拡 大 参 入 障 壁 の 低 さによる 中 小 企 業 の 参 入 により 通 販 チャネルが 躍 進 今 後 は ネット 通 販 の 普 及 により 潜 在 ユーザーへの 訴 求 機 会 がさらに 拡 大 すると 見 込 まれる 30% 健 康 食 品 市 場 のチャネル 別 シェア 140,000 BtoC EC 市 場 規 模 の 推 移 チャネ ネル 別 シェア 25% 20% 15% 10% 市 場 規 模 ( 億 円 ) 120,000 100,000 80,000 60,000 82,815 73,123 64,269 56,897 118,005 110,995 102,429 92,809 5% 40,000 0% 2002 2004 2006 2008 2010 通 信 販 売 訪 問 販 売 薬 局 薬 店 量 販 店 CVS その 他 出 所 ) 富 士 経 済 H Bフーズマーケティング 便 覧 2011 などを 元 に 作 成 ( 年 ) 20,000 0 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 ( 年 度 ) Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 8

2. 通 信 販 売 を 中 心 とする 第 二 の 成 長 健 康 食 品 の 通 販 市 場 は 2015 年 度 に5,000 億 円 を 突 破 すると 見 込 まれる インターネット 通 販 の 拡 大 を 主 要 因 として 健 康 食 品 の 通 信 販 売 は 今 後 も 拡 大 を 続 ける 今 後 5 年 間 で1,660 億 円 拡 大 し うちインターネット(モバイル 含 む) 経 由 が1,180 億 円 を 占 める 健 康 食 品 の 通 信 販 売 市 場 規 模 予 測 7,000 市 場 規 模 ( 億 円 ) 6,000 5,000 4000 4,000 3,000 2000 2,000 3630 3,630 CAGR(2010-2015) 2015) 78% 7.8% 4,660 4,300 3,960 4,990 5,290 1,000 0 2010 2011 2012 2013 2014 2015 ( 年 度 ) Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 9

2. 通 信 販 売 を 中 心 とする 第 二 の 成 長 日 本 の 財 政 悪 化 に 伴 い セルフメディケーションがこれまで 以 上 に 推 進 される 可 能 性 がある 留 意 すべきは 家 計 の 可 処 分 所 得 減 少 に 対 応 したコミュニケーション 戦 略 の 強 化 日 本 通 信 販 売 協 会 によれば 2011 年 3 月 期 の 健 康 食 品 通 販 の 売 上 は 前 年 同 月 比 -7.9%の 落 ち 込 みとなった 一 方 で 将 来 的 には 健 康 食 品 が 果 たす 社 会 的 役 割 の 拡 大 が 期 待 される 東 日 本 大 震 災 が 与 える 影 響 シナリオ 健 康 食 品 業 界 への 示 唆 東 日 本 大 震 災 被 災 による 資 本 ストックの 喪 失 生 活 者 の 消 費 価 値 観 の 変 化 商 品 の 安 全 性 に 対 する 意 識 の 高 まり 安 全 性 を 訴 求 する 既 定 路 線 を 強 化 すべき 安 全 性 の 高 い 商 品 が 広 まること は 市 場 全 体 のイメージ 改 善 に もつながる 財 源 捻 出 のため 景 気 刺 激 策 が 後 退 将 来 的 には 増 税 可 処 分 所 得 が 減 少 し 嗜 好 品 への 支 出 を 抑 制 健 康 ニーズ 予 防 ニーズを 喚 起 するため これまで 以 上 に 顧 客 コ ミュニケーションが 求 められる 巨 額 の 復 興 費 用 が 発 生 財 政 再 建 のため 医 療 費 抑 制 の 取 り 組 みを 強 化 政 府 によるセルフメディ ケーションのさらなる 推 進 業 界 を 挙 げて 健 康 食 品 をきっ かけとした 国 民 の 健 康 意 識 向 上 に 寄 与 すべき Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 10

目 次 1. 健 康 食 品 市 場 の 歴 史 2. 通 信 販 売 を 中 心 とする 第 二 の 成 長 3. 今 後 の 市 場 で 勝 つための 要 諦 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 11

3. 今 後 の 市 場 で 勝 つための 要 諦 食 品 メーカーにとって 通 信 販 売 の 躍 進 は 対 岸 の 火 事 ではない 通 販 のノウハウ 獲 得 は 基 幹 商 品 を 維 持 成 長 させるための 全 社 的 課 題 これまで 店 頭 販 売 が 中 心 だった 商 品 が 徐 々に 通 信 販 売 へとチャネルシフトしている もともと 通 信 販 売 と 相 性 が 良 い 健 康 食 品 は 通 販 ノウハウを 獲 得 するために 打 ってつけの 商 材 といえる 加 工 食 品 の 周 辺 市 場 における 通 販 シフトの 事 例 生 鮮 食 品 市 場 オイシックスをはじめとする 生 鮮 食 品 の 通 販 企 業 が 躍 進 セブン&アイ ホールディングスをはじめとする ネットスーパーの 本 格 的 拡 大 国 策 として 推 進 される 農 業 の6 次 産 業 化 におけ る インターネット 通 販 への 注 目 化 粧 品 市 場 2010 年 のチャネル 別 売 上 高 で 通 信 販 売 がド ラッグストアに 次 ぐ2 位 に 浮 上 米 エスティローダー 傘 下 CLINIQUE のチャネル 別 売 上 高 1 位 は 通 販 サイト 資 生 堂 は2011 年 からの 中 期 経 営 計 画 で 化 粧 品 のネット 通 販 への 本 格 参 入 を 発 表 出 所 ) 日 本 経 済 新 聞 他 各 種 報 道 資 料 より 作 成 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 12

3. 今 後 の 市 場 で 勝 つための 要 諦 健 康 食 品 の 通 信 販 売 に 参 入 する 大 手 食 品 メーカーは 多 い しかし 売 上 上 位 を 占 めているのはサントリーを 除 けば 通 販 専 業 が 中 心 大 手 食 品 メーカーの 通 販 事 業 ( 抜 粋 ) 健 食 通 販 売 上 高 ランキング(08 年 6 月 ~09 年 5 月 ) 企 業 名 参 入 時 期 商 品 名 など 味 の 素 1997 年 グリナ Jino( 化 粧 品 ) アミノバイタル カゴメ 1998 年 野 菜 ジュース 植 物 性 サプリメント カルピス サントリー 1999 年 2001 年 高 血 圧 体 質 向 け 機 能 性 飲 料 アレルギ ー 体 質 向 け 機 能 性 飲 料 セサミン その 他 健 康 食 品 化 粧 品 シ ャンプーなどのトイレタリー 江 崎 グリコ 2001 年 ローカロリー 食 品 スポーツ 系 コラー ゲン 系 補 助 食 品 明 治 製 菓 2002 年 アミノコラーゲンEX ザバス キッコーマン 森 永 製 菓 ハウス 食 品 2003 年 2004 年 2006 年 トマト ブドウ 由 来 のポリフェノールサプ リメント 雑 穀 やカテキンなどの 天 使 の 健 康 シ リーズ J-Diet 活 性 ウコン 活 性 黒 にんにくな ど ヤクルト 2006 年 ダイエット 食 品 エリータ 青 汁 各 種 サプリメント REVECY など( 化 粧 品 ) サッポロビール 2007 年 完 食 野 菜 ( 青 汁 ) ミツカン 2007 年 マインズ( 飲 むお 酢 )など 出 所 ) 各 種 報 道 資 料 より 作 成 順 位 企 業 名 1 サントリー 2 DHC 3 やずや 4 山 田 養 蜂 場 5 エバーライフ 6 ファンケル 7 わかさ 生 活 8 キューサイ 9 アサヒ 緑 健 10 健 康 家 族 11 サニーヘルス 12 えがお 13 メディア プライス 14 オークローンマーケティング 15 小 林 製 薬 16 DMJ 17 オルビス 18 カゴメ 19 八 幡 物 産 20 協 和 出 所 ) 通 販 新 聞 より 作 成 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 13

3. 今 後 の 市 場 で 勝 つための 要 諦 食 品 メーカーが 勝 てない 理 由 は 加 工 食 品 店 頭 販 売 の 成 功 体 験 に 囚 われているため 健 康 食 品 通 信 販 売 は バリューチェーン 上 で 強 みを 発 揮 すべきポイントが 異 なる バリューチェーン 上 で 発 揮 すべき 強 みの 比 較 加 工 食 品 店 頭 販 売 健 康 食 品 通 信 販 売 製 品 開 発 調 達 生 産 マーケティング 物 流 販 売 アフターフォロー ニーズの 変 化 に 沿 って 新 し い 製 品 を 投 入 し 続 ける 企 画 力 ゼロから 自 社 で 開 発 できる 研 究 開 発 力 有 望 素 材 成 分 は 限 られて いるため 1つ の 商 品 をじっく りと 育 成 既 に 健 康 に 良 いと 認 知 されて いる 素 材 の 活 用 大 口 取 引 によ るバイイングパ ワーの 発 揮 全 国 の 自 社 工 場 で 量 産 し 製 造 コストを 圧 縮 認 証 取 得 等 の 安 全 性 担 保 製 造 原 価 が 低 いため 豊 富 な 外 部 リソース を 利 用 可 認 証 取 得 等 の 安 全 性 担 保 マスメディアを 使 った 大 々 的 なプロモーショ ンによる 幅 広 い 認 知 特 定 の 悩 みを 持 った 層 に 対 して 深 く 訴 求 し て 問 題 提 起 ニーズ 発 掘 トライ&エラー によるクリエー ティブの 細 かな 作 り 込 み 工 場 から 全 国 の 卸 小 売 に 安 定 して 供 給 できる 物 流 網 多 くの 場 合 3PL 業 者 に 委 託 ( 規 模 が 拡 大 すれば 納 期 短 縮 のため 物 流 拠 点 を 整 備 ) 全 国 に 営 業 拠 点 を 持 ち 有 力 な 小 売 との 関 係 を 深 化 棚 割 で 競 合 よ りも 有 利 なポジ ションを 確 保 情 報 発 信 やコ ンタクトセンタ ーを 活 用 した 満 足 度 の 向 上 とリ ピート 促 進 自 社 にとって CPO* 等 の 良 い 媒 体 枠 の 発 掘 と 確 保 苦 情 や 意 見 を 受 け 付 けるた めのインバウ ンド 対 応 (お 客 様 相 談 室 等 ) の 充 実 個 別 顧 客 の 購 買 履 歴 や 好 み などを 踏 まえた 細 やかな 対 応 アウトバウンド による 営 業 と 効 果 実 感 のサ ポート Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. *CPO (cost per order): 1 件 の 注 文 (1 人 の 顧 客 )を 獲 得 するのにかかった 費 用 のこと 14

3. 今 後 の 市 場 で 勝 つための 要 諦 ~ 製 品 開 発 ~ 健 康 食 品 は 成 分 による 栄 枯 盛 衰 が 強 いため 成 分 毎 のプロダクトライフサイクルを 踏 まえた 商 品 ポートフォリオが 欠 かせない 多 くの 成 分 のプロダクトライフサイクルは 立 上 期 成 長 期 調 整 期 成 熟 期 と 推 移 していく 20% オルニチン(210%) スッポン (36%) アスタキサン チン(23%) ( ) 成 分 別 の 市 場 規 模 と 成 長 率 (2011 年 ) 成 長 期 成 分 別 ライフサイクルのイメージ ゴマペプ チド ) CAGR(20 8-2011 008 2011est) 予 測 CAGR(2008 10% 立 上 期 0% 10% 中 鎖 脂 肪 酸 コラ ーゲン 難 消 化 性 デキストリン 野 菜 粒 食 事 型 カ ロリー 調 整 食 品 (セットタイプ) グルコサミン 非 ヘム 鉄 深 海 鮫 エキス 黒 酢 ギムネマ 酸 カロリー 調 整 食 品 ヘム 鉄 ヒアルロ ン 酸 DHA 青 汁 新 甘 味 料 ウコン マカ ブルーベリー ウーロン 茶 重 合 ポリフェノール クロロフィル 系 大 豆 イ ソフラボン ゴマエキス カフェイン EPA 食 物 繊 維 オタネニンジン γ リノレン 酸 クロレラ プロポリス プロテイン スピ ルリナ オリゴ 糖 ルテイ ン ハーブ β- カロチン カテキン コエンザイムQ10 アミノ 酸 ビール 酵 母 アロ エ 成 熟 期 ( 一 定 需 要 を 確 立 ) 成 熟 期 ( 国 民 的 に 浸 透 ) ローヤルゼリー カルシウム ビタミン 栄 養 バランス 複 合 乳 酸 菌 キシリトール 調 整 期 (ブーム 後 市 場 規 模 が 調 整 中 ) 時 間 軸 立 上 期 成 長 期 調 整 期 ~ 成 熟 期 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 販 売 終 了 市 場 市 規 場 模 規 (2011 模 (2011est, 予 測 百, 百 万 万 円 ) 円 ) 出 所 ) 富 士 経 済 H Bフーズマーケティング 便 覧 2011 などを 元 に 作 成 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 15

3. 今 後 の 市 場 で 勝 つための 要 諦 ~ 製 品 開 発 ~ 成 長 3 年 100 億 市 場 のポテンシャルを 有 するかが 事 業 性 判 断 の1つの 目 安 となる NRIの 分 析 によれば 生 き 残 る 成 分 * は 市 場 形 成 の 過 程 で 以 下 のいずれかの 特 徴 を 有 している 成 長 期 が3 年 以 上 続 いた (= 一 時 的 ブームでない 成 長 ) 過 去 のピーク 時 に100 億 円 以 上 の 市 場 を 形 成 した (= 国 民 的 な 市 民 権 の 獲 得 ) * 生 き 残 る 成 分 =ピーク 時 の 市 場 規 模 の60% 以 上 を 維 持 している 成 分 健 康 食 品 の 成 分 別 ライフサイクル 分 析 市 場 残 存 率 201 ( 現 0 年 予 在 測 値 /ピーク 値 市 場 規 模 ) 100% 80% 60% 40% 20% 0% ビタミン 植 物 ステロール ゴマペプチド 中 鎖 脂 肪 酸 アスタキサンチン 難 消 化 性 デキストリン 野 菜 粒 青 汁 グァバ 葉 ポリフェノール ルテイン 黒 酢 複 合 キシリトール ノコギリヤシ ウーロン 茶 重 合 ポリフェノール ビール 酵 母 フレグランス 系 植 物 抽 出 エキス リカルデント 甜 茶 エキナセア 黒 酢 香 醋 コエンザイムQ10 γ-アミノ 酪 酸 ザクロ もろみ 酢 ギャバ ガウクルア セントジョーンズワート アミノ 酸 POS-Ca 大 豆 イソフラボン ガルシニア カンボジア アガリクス カテキン 乳 酸 菌 類 エキナセア ジアシルグリセロール ビタミンK2 ビール 酵 母 マルチトール ラクトトリペプチド ヒアルロン 酸 乳 酸 菌 類 マカ 非 ヘム 鉄 食 物 繊 維 ニンニク ウコン コラーゲン 成 長 継 続 期 間 3 年 以 上 梅 エキス イチョウ 葉 ブルーベリー グルコサミン マルチミネラル 冬 虫 夏 草 カロリー 調 整 食 品 例 外 ( 問 題 発 生 集 計 から 除 外 など) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 立 ち 上 がり 期 間 (ピーク 時 の20%から80%へ 到 達 する 期 間 )( 年 ) 市 場 残 存 率 2010 ( 現 0 年 予 在 測 値 /ピーク 値 市 場 規 模 ) 100% 80% 60% 40% 20% アスタキサンチン 難 消 化 性 デキストリン ヒアルロン 酸 グルコサミン ブルーベリー コラーゲン ゴマペプチド マカ 中 鎖 脂 肪 酸 植 物 ステロール 非 ヘム 鉄 食 物 繊 維 ウコン 青 汁 ビタミン マルチミネラル グァバ 葉 ポリフェノール ルテイン ニンニク 黒 酢 複 合 キシリトール 冬 虫 夏 草 ノコギリヤシ ピーク 時 市 ウーロン 場 茶 重 合 規 ポリフェノール 模 100 億 円 以 上 フレグランス 系 カロリー 調 整 食 品 植 物 抽 出 エキス 梅 エキス リカルデント 甜 茶 エキナセア 黒 酢 香 醋 イチョウ 葉 コエンザイムQ10 シャンピニオンエキス 系 セントジョーンズワート γ-アミノ 酪 酸 ザクロ ギャバ もろみ 酢 大 豆 イソフラボン POS-Ca 乳 酸 菌 類 ガウクルア ガルシニア カンボジア アガリクス 例 外 ( 問 題 発 生 ) エキナセア ビタミンK2 ジアシルグリセロール 0% ラクトトリペプチド 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 ピーク 時 市 場 規 模 ( 百 万 円 ) 成 長 継 続 期 間 ( 年 ) ピーク 時 市 場 規 模 ( 百 万 円 ) 出 所 ) 富 士 経 済 H Bフーズマーケティング 便 覧 2011 などを 元 に 作 成 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 16

3. 今 後 の 市 場 で 勝 つための 要 諦 ~ 販 売 アフターフォロー~ 顧 客 ニーズの 解 決 には コミュニケーションを 必 ず 併 用 する 商 品 を 売 り 続 けるだけでは 顧 客 の 健 康 ニーズを 必 ずしも 満 たせず 離 反 や 低 価 格 品 へのシフトを 招 く CPOを 考 えれば 短 期 の 離 反 ではビジネスモデルとして 成 立 しない 撤 退 に 追 い 込 まれる そこで ライフスタイルの 提 案 企 業 ブランド オペレーターの 励 ましなど 無 形 の 価 値 を 含 めた トータルの 満 足 度 として 健 康 を 売 る 必 要 がある 健 康 食 品 事 業 に 立 ちはだかる 壁 顧 客 のニーズ 価 値 提 供 一 般 品 ( 例 ) デザートが 食 べたい ニーズとマッチ ( 例 ) ケーキを 販 売 する 顧 客 満 足 を 向 上 させるための 壁 健 康 食 品 健 康 になりたい ニーズ 設 定 の 見 直 し 健 康 を 感 じたい 顧 客 の 考 える 健 康 の 定 義 があ いまい 本 人 の 生 活 習 慣 が 悪 ければ 健 康 になれない 医 薬 品 のように 効 果 効 能 を 明 示 できない ニーズとマッチ 健 康 食 品 を 販 売 する 売 りっぱなしは 離 反 に 繋 がる + 顧 客 コミュニケーションを 通 じて 健 康 を 感 じさせる 生 活 習 慣 の 改 善 効 果 の 示 唆 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 17

まとめ 健 康 食 品 市 場 は 安 全 性 信 頼 性 の 回 復 と ネット 通 販 の 普 及 に 伴 う 第 2の 成 長 ステージ を 迎 える 通 信 販 売 は 2015 年 度 に5,000 億 円 を 突 破 することが 見 込 まれる 有 望 チャネル 日 本 の 財 政 問 題 から 中 長 期 的 に 起 こりうるセルフメディケーションの 推 進 により 健 康 食 品 が 注 目 される 可 能 性 がある 食 品 メーカーにとっては 本 業 を 守 るための 成 長 エンジンとしての 価 値 がある 勝 つための 第 一 歩 は 店 頭 販 売 の 成 功 体 験 から 脱 却 すること 目 指 すは 成 長 3 年 100 億 市 場 製 品 の 付 加 価 値 に 加 えて 顧 客 とのコミュニケーションを 併 用 することが 必 須 Copyright(C) 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 18