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ており 他の術後のリハビリ件数と比較し ても最も多い数字となっています ACL 損傷の 70 は非接触性と言われて います Boden et al. 2000 非接触性と いうのは 受傷時に地面反力以外の外力が 身体に加わらないということで ほとんど が急激な減速動作時に生じています 特徴として 女性は男性の 2 8 倍発 生率が高い Agel et al. 2005, Hewett et al. 2007 と言われています また 受傷 図 2 出典 Sheehan et al. 2012 から競技復帰まで 6 10 カ月程度かかり 長期間競技から離脱するということで ス 男性は接地から平均 ポーツ選手にとっては重大な損傷と言えま 46msec 後 女性は す とくにバスケットボールやハンドボー 平 均 25msec 後 に ルなどの急激な減速 加速動作を頻繁に行 ACL 損傷が発生し うスポーツにおいては深刻な問題となって ていると推測されて います います Krosshaug こうした背景があり ACL 損傷の予防 et al. 2007 推察 について盛んに研究されています という言葉を使った 理由は 本当に断裂 ACL 損傷発生と最大地面反力発生 した瞬間はいつなの のタイミング かは 実は誰にもわ 次に ACL 損傷発生と最大地面反力発 からないし 現在の 生のタイミングについて述べますが ま ところ実証する手段 ず これまでの研究でわかっていることと は存在しないからです 倫理面などから ACL 損傷時によくみられる体勢で B が して 非接触性 ACL 損傷は急激な減速動 も しかし 急激な減速動作中のこれら 損傷していないときの着地の体勢です A 作中に最も頻繁に生じる傾向があります の時間内で何が起こっているかをさまざま では 身体重心と仮定されたポイントが 力の大きさと方向は 質量と加 減 速度 な角度から検証することは 最ももっとも 接地した足よりも後方にあるということで の積に一致する 運動中は身体質量の変化 らしい非接触性 ACL 損傷メカニズムを導 す また 足はつま先から接地するのでは はほとんどありませんが 身体質量の加速 き出すために必要であるし それがわかっ なく フラットな状態で接地していること 度 減速度は大きく変化します よって てくれば ACL 損傷を予防するためには が多いということです 逆に 体勢が十分 運動中に身体が最も大きな衝撃を受けると その時間内の出来事をどのようにして安全 コントロールされた状態で着地した場合 きは 最も大きな身体重心の加速または減 でよい方向にもっていくことができるか 重心が足の上に乗り つま先から接地して 速が生じたときだと言えます ということにつながっていくはずです こ いると ACL 損傷は起こりにくいという もうひとつ 多くの ACL 損傷は 膝の の後紹介するさまざまな研究報告などから ことです Sheehan らは このことから 屈曲角度が少ない接地直後に生じる傾向が 総合的に考えると Krosshaug ら 2007 ACL 損傷時には地面反力の吸収が効率的 あるということが報告されています や Koga ら 2010 の推測した ACL 損傷 に行われず 脛骨大腿骨間力の鉛直成分は また Krosshaug ら 2007 や Koga 発生のタイミングは 現在最ももっともら 大きくなったと考えられると述べていま ら 2010 によって接地後 0.04 秒程度で しいと言えると思います す 図3 ACL 損傷が発生している可能性が指摘さ では なぜ脛骨大腿骨間力の鉛直成分 れていて 片脚着地の場合 男性女性と ACL 損傷時の体勢 が問題なのか 2008 年に Meyer と Haut も接地から平均 37msec 後 両脚着地で ACL 損傷時の体勢はどうか Sheehan が屍体を用い 脛骨 Tibia と大腿骨 は 男性は接地から平均 33msec 後 女 ら 2012 がビデオ解析し 矢状面での Femur を図 3 のように装置に埋め込み 性は平均 39msec 後 カット動作では 体勢を検証したものが図 2 です A が 脛骨長軸に対して平行な圧縮力を ACL が 3

2008 の仮説を示したのが図 5 です 図 は 外側脛骨プラトーの後方傾斜を示した もので 脛骨の長軸に平行な圧縮力が前方 剪断力に変わっていき 脛骨の外側が前方 にずれていく 脛骨の外側は内側より大き く前方にずれるため 結果として内旋が生 じ 最終的に ACL が断裂する これが彼 らの仮説です 図 6 は私が書いた論文です Shimokochi et al. 2013 非接触性 ACL 損傷が頻発 図4 する体勢は 上体が起きているか後方へ倒 断裂するまで加えるという実験を行いまし は大腿骨に対して内旋していきます 縦の れている 受傷時に ACL を損傷した脚が た 水平面 前額面とも動くようになって 点線が ACL が断裂した瞬間です そこか 上体より前に出ている 足はフラットな状 います 屈曲伸展の動きのみ固定していま ら一気に脛骨は外旋しています 態で接地しているという特徴が報告されて す 膝屈曲 30 度 その結果が図 4 です では ACL が断裂するのにどれくらい いますので この研究では 図 7 のように 圧縮力が上昇していくと 脛骨が大腿骨に の圧縮力が必要だったか この実験では a. 上体を前傾してつま先から着地 leaning 対して前方にずれていきます また 脛骨 3200 8600N 320 860kg の関節圧 forward landing: LFL b. その人の通常 図5 図6 4 縮力が必要でした の着地 self-selected landing: SSL c. 上 片脚着地時動作中 体を起こして足はなるべくフラットな状態 や急激なストップ での着地 upright landing: URL の 3 動作中には 2000 つの着地動作を行ってもらいました 5000N 程度の地面 その結果が図 8 ですが a.ssl 通常の 反力は生じますの 着地では地面反力は体重の 4.6 倍 b.lfl で 3200 8600N 重心を前にかけた場合は体重の 3.9 倍 というのは大きすぎ c.url 上体を起こして踵から着地した場 る数値ではありませ 合は体重の 5.3 倍の鉛直成分が観察されま ん した 最大地面反力の発生時期について なぜ こういう は a 通常の着地では 52msec b の重心 現象が起きたの を前にかけてつま先から着地した場合は か Meyer と Haut 66msec で有意に延長しています c の上 図7

2 着地の研究 ジャンプ着地と障害予防 慢性的足関節不安定性に着目して 吉田隆紀 関西医療大学 保健医療学部 理学療法学科 22 39 で 主にジャンプ着地や方向転 換動作時に生じることが多いと報告されて います McKay, 2007, Woods, 2003 相 手の足の上に着地して あるいはタックル 次に 吉田先生には足関節捻挫後の問題と同 を受けて捻挫という接触型損傷のほうが多 症例のジャンプ着地 また再発予防について いのですが それは予防しにくいものです プレゼンテーションしていただく その後の 非接触型損傷はジャンプ着地やカッティン ディスカッションについては次項で紹介す グやターンなど方向転換時に起こることが る 多いとされています また 片脚着地動作 における衝撃吸収は他関節に比べ 足関節 最初に足関節捻挫について知っていただ が最も寄与すると言われ Schmitz et al., くために 足関節捻挫後に生じる問題を整 2007 下河内先生も述べておられたとお 理し その後ジャンプ着地のデータを紹介 り 足関節が着地に重要な要素であると言 します 次に 文献レビューをみながら足 えます 関節捻挫の再発予防について述べたいと思 足関節捻挫の問題として慢性的足関節捻 状態になることが多く 両者が混在してい います 挫不安定性 Chronic Ankle Instability; るケースが多いのではないかと思われま CAI があります 慢性的な不安定性は す 足関節捻挫後に生じる問題点 MAI 機械的不安定性 と FAI 機能的 FAI の問題点としてよく言われている 足関節捻挫は ラグビー サッカー バ 不安定性 の 2 つに分類されています 図 のは 急性捻挫後の 10 30 という発生 レーボールなどのコートゲームで発生する 1 MAI は靱帯が損傷して足関節が弛緩 率で比較的高いと言えます 一般的によく ことが多いと言われています また接触プ する状態です FAI は明らかな足関節に 言われているのは 固有感覚機能の低下や レーのなかで多く起きるとも言われていま 緩みはないですが 機能的に問題が生じて 腓骨筋群の筋収縮遅延化が存在するという す Fong et al., 2007 いる場合です しか 足関節外側側副靱帯損傷では約 85 が し両者の分類につい 前距腓靱帯損傷の単独損傷であり 約 20 て は FAI の ア ン 40 が前距腓靱帯と踵腓靱帯の合併で ケート調査やレント あると報告されています Clanton T., ゲン写真での足関節 2009 踵腓靱帯を損傷するのは背屈位で の緩みなどで行われ の受傷ということになりますので やや底 ることが多いです 屈位か中間位での内反捻挫が多いというこ が 少し曖昧な評価 とになります で厳密な分類は難し 内反捻挫における損傷部位は 圧倒的に いと言えます 実際 前距腓靱帯の損傷率が 93 と多く 踵腓 は損傷が大きいと足 靱帯 80 後脛骨筋腱は 53 損傷すると 関節の不安定性要素 いうことがわかっています Frey,1996 が 大 き く FAI の 受傷機転については 非接触型損傷が 症状を包括している よしだ たかき先生 図 1 13

図 2 重心動揺計の計測場面 図 3 総軌跡長の結果 代表例 図 5 フォースプレートによるジャンプ動作片脚着地時の COP 軌 跡長の計測場面 図 4 総軌跡長 結果 報告が多くみられます 再発率は最も高い だけ除外して行いま もので 80 以上と非常に高く 足関節捻 した 挫は再発率が高い障害であることが特徴で 方法として まず もあります 重心動揺計に乗って もらいます 図 2 ジャンプ着地と 足圧中心軌跡長研究データ 図 3 は 足圧中心総 次に ジャンプ着地での機能的不安定性 果です 捻挫側 pre の症例を集めた研究データを少し紹介しま と捻挫側 post は片 す 脚立位時の総軌跡長 対象 選考基準は大学サッカー部に所属 を示しています こ する男子学生 7 名 平均年齢 20.3 歳 平 の図は本誌第 149 号で 足関節捻挫後の が図 4 です 非捻挫側で比べても 有意に 均身長 175.1cm 平均体重 64.0kg のデー パフォーマンス低下に対する新しい治療戦 捻挫側のほうは重心の揺れが大きい結果と タを取りました Karlsson の FAI のスコ 略 というタイトルで寄稿したものにも収 なっています アを取り 明らかな構造的 機械的な不安 録されていますが 左は介入前です 右の 次にジャンプです ジャンプは側方に 定性は排除したいので 前方引き出しテス 介入後は軌跡長の外周面積も小さくなり 30cm のミニハードルを連続で跳び越えて トと MSG medial subtalar glide テス 総軌跡長も短くなっているのがわかりま もらいます 課題としてはメトロノームで トを実施し 不安定性があるものはできる す その総軌跡長の結果をグラフにしたの 音に合わせて一定のリズムで跳んでもらい 14 軌跡長の代表的な結 図 6 軌跡長 結果①

ジャンプ着地と障害予防 図 7 軌跡長 結果② X Y軸 図 9 慢性的な足関節捻挫後症例の立位姿 勢 図 8 側方へのジャンプ動作片脚着地時の COP 軌跡長 捻挫側の 代表例 図 10 片脚立位姿勢 ていますので 腓骨 方向の揺れ幅が少し減っていることが観察 筋群が影響を受けて されます いることが大きいと 図 11 足関節捻挫後と股関節の関係 考えられます グラ 足関節捻挫の再発予防 フは Y 軸が前後の ここから足関節捻挫の再発予防について 揺 れ X 軸 が 側 方 考えてみます への揺れを示してい 図 9 は実際の症例ですが この画像をみ ます 側方への揺れ ただけで どちらが捻挫側かわかります がほとんど変化な この場合は右足が捻挫側になります 重心 く 縦揺れが減少し がかなり左側に寄っているのがわかると思 ます 図 5 ています 機能的不安定性を有する症例は います 結構このような症例は多くみられ 図 6 は軌跡長の結果ですが これも捻挫 腓骨筋群の活動性が低下していますので ます 捻挫側に体重を乗せることができて 側のほうが非捻挫側より有意に軌跡長が長 側方の動きで重心を制御できず 前後のバ いません このような方は常に捻挫側に傾 くなっています ここで電気療法を実施し ランス制御で安定しているということが考 いた姿勢でいますので 片脚立位をとった ているのですが pre は実施前 post は え ら れ ま す 実 際 の COP Center of ときに捻挫側の股関節からグッと立ち直る 実施後 post では改善がみられます 図 Pressure の軌跡長 図 8 をみると 横 フェイズが出てきます 図 10 重心側を 7 これは総腓骨筋神経に電気刺激を与え 方向の揺れ幅はあまり変わりませんが 縦 支持できない 抑えるためにこの反応が出 15

3 下 河 内 先 生 吉 田 先 生 のプレゼンテーションのあと 右 記 の 先 生 を 交 え ディスカッショ ンを 行 った ディスカッションは 下 河 内 先 生 のプレゼンテーションのあとと 吉 田 先 生 のプレゼンテーションのあと 計 2 回 行 ったが ここではまとめて 掲 載 する 1 ディスカッション 参 加 者 3 JATI AT 鈴 木 :まずスポーツのなかでの 着 地 動 作 を 考 えるとき 今 のお 話 では 負 荷 を 与 えない 着 地 がどういうものかよくわかりました が 正 常 な 着 地 正 しい 着 地 という 定 義 はあるのでしょうか? 下 河 内 : 正 常 な 着 地 正 しい 着 地 の 定 義 は それを 評 価 する 基 準 により 異 なると 思 いま すが バランスよく 着 地 する というこ とは 膝 の 傷 害 予 防 の 面 では 必 要 だと 思 いま す それはどういうものか 考 えたのですが 動 きだけで 言 うのなら おそらく 下 肢 3 関 節 ( 股 関 節 膝 関 節 足 関 節 )の 屈 曲 の 動 きの 同 調 度 合 が 高 いということがひとつ 言 えるのではないかと 思 います 膝 は 屈 曲 し ているが 股 関 節 の 屈 曲 がほとんどみられ ない 場 合 あるいはその 逆 の 場 合 も バ ランスよく 使 えていないと 思 います 股 関 節 を 使 いなさい とよく 言 われて いますが 先 ほど 述 べたように 脛 骨 の 前 方 への 傾 きという 観 点 では 膝 の 屈 曲 は 非 常 に 重 要 だと 思 います 股 関 節 周 りを 鍛 え なさいとは 言 われても 大 腿 四 頭 筋 を 鍛 え なさいとはあまり 言 われない 弱 い 選 手 は 重 心 を 落 としなさいと 言 われると 膝 を 曲 げるのではなく 股 関 節 から 曲 げて 上 体 を 低 くする とくに 疲 れてくると 膝 は 伸 び て 股 関 節 が 屈 曲 した 姿 勢 をとるようになり ます それではパワーポジションもとれず 力 が 発 揮 できない 衝 撃 吸 収 が 非 常 に 効 率 よくできる 下 肢 3 関 節 が 屈 曲 したポジショ ンは 一 般 的 にパワーポジションとも 呼 ば れ 力 も 発 揮 できるポジションであろうと 考 えられます このポジションは 膝 関 節 の 安 定 性 が 最 も 高 まるポジションでもある と 考 えられます 試 合 の 後 半 になってもそ のポジションがとり 続 けられるように 膝 や 股 関 節 周 辺 を 鍛 える 必 要 があると 思 いま す 正 しい というのは 何 をもって 正 しい とするかという 問 題 になりますが 効 率 がよく 安 全 な 着 地 というのは 膝 も 股 関 節 も 足 関 節 すべての 関 節 でバランスよく 衝 撃 を 吸 収 する 着 地 が 最 もよいだろうと 思 います Knee-in & toe-out ACL 損 傷 を 起 こす 選 手 の 熟 練 度 はど うなのか? トップクラスに 近 づくほど 多 いのか 初 心 者 に 近 づくほど 多 いのか? 上 のレベルになるほうが 多 いように 思 いま すが 下 河 内 :はっきりしたデータはありません が 私 もそのように 思 います 本 学 で 女 子 ハンドボール 部 のトレーニング 指 導 を 行 っ ているのですが 地 面 を 強 く 蹴 ることがで きる 選 手 のほうが ACL 損 傷 については 懸 念 があります 筋 力 もパワーもあって 激 しく 切 り 返 す 選 手 はみていてヒヤヒヤしま す 実 際 にそういうタイプの 選 手 が ACL 損 傷 を 起 こすことがあります そういう 例 が 多 いと 感 じています Knee-in & toe-out に 関 してはどのよ うに 考 えていますか? Knee-in & toe-out は Hewett らの 前 向 き 的 研 究 において ACL 損 傷 の 危 険 因 子 とし て 報 告 されています しかし 危 険 因 子 で あるからといって 必 ずしも 実 際 の ACL 損 傷 時 のメカニズムに 関 連 しているとは 限 りません たとえば 足 のサイズが 大 きい 低 学 年 の 子 たちが 成 績 がよい 傾 向 にある という 因 果 関 係 はないが 相 関 関 係 はある という 関 係 性 も 考 えていく 必 要 があると 思 っています Knee-in & toe-out はよくな いと 言 われていますが たとえば 足 関 節 の 背 屈 制 限 が 強 く 過 回 内 のため knee-in & toe-out している 人 では knee-in & toe-out することでかろうじて 膝 を 曲 げることがで きるということも 考 えられると 思 います そういう 例 では そうして 着 地 しているか ら ACL を 損 傷 しないことも 考 えられます つまり 足 部 を 過 回 内 させることで 膝 の 屈 曲 を 可 能 にし 脛 骨 の 前 方 への 傾 き 度 合 を 増 大 させ 地 面 反 力 が 脛 骨 を 後 方 に 押 す 力 を 増 やしている ということも 考 えられま す もし knee-in & toe-out 自 体 が ACL 損 傷 を 引 き 起 こすのなら もっと 多 くの 選 手 が ACL を 損 傷 しているはずです そう 考 えると このようなタイプの knee-in & toe-out をしている 人 は 競 技 中 に 先 ほ ど 述 べたように 上 体 が 後 方 に 傾 き 膝 がほ とんど 屈 曲 していないで 大 きな 衝 撃 を 受 け る 着 地 をしやすいということも 考 えられま す つまり 足 関 節 の 背 屈 制 限 があり 過 回 内 をしていることで knee-in & toe-out が 生 じているとすると その 回 内 が 起 きない 20

ディスカッション 機能などを研究してきたので 的外れな質 うひとつよくわからないことがあり 先ほ 問かもしれませんが 膝にかかる圧縮力の ど これまでの研究結果を総合してみると 観点から できるだけ屈曲位で最大地面反 こういう仮説が言えるのではないかと述べ 力を受けたほうがよいというのはわかった ましたが 確かに私の研究では地面反力が のですが 90 度より 30 度のほうが圧縮力 足関節から身体重心の前方に傾くと 大腿 ははるかに大きいのでしょうか 完全伸展 四頭筋よりハムストリングスなどによる膝 しもこうち ようへい先生 位であれば 圧縮力はもろにかかり 下腿 関節屈曲モーメントが優位になるほうが働 が内旋していくということはわかるのです くようになります この影響がどうなのか が スポーツ動作であれば 完全伸展位も 主に大腿四頭筋の働きにより生じる膝伸展 ように操作すると 背屈ができなくなり ないことはないでしょうが ある程度膝は モーメントのピークはもう少しあとのこと です 先ほど接地後 37msec で脛骨の最大 膝も曲がらなくなり そうなると 先ほど 屈曲位になっていることが多いと思いま 述べた脛骨への強い圧縮力を受けやすくな す すると 膝屈曲角度 30 度と 90 度では 圧縮力が生じたということを述べました ることも考えられると思います そうする 圧縮力はそんなに違わないのではないかと が 最大膝関節伸展モーメントが片脚着地 と そのようなタイプの人は ただ単に 思われるのですが 中に生じるのは それよりも約 25msec あ knee-in & toe-out を修正すれば ACL 損傷 下河内 同じ方向で同じ大きさの最大地面 とです ですから 通常の片脚着地におい リスクが減るということにはなり得ませ 反力を受けたとすると 30 度より 90 度の ては 最大大腿脛骨間力が生じる少し後で ん ACL の危険因子であるということと ほうが脛骨長軸方向に働く大腿脛骨間力は 大腿四頭筋の活動が大きくなる もしかし それらの危険因子が直接的に ACL の発生 間違いなく小さくなると思います ひと昔 たら 通常の着地モデルではそういうこと に関わっているかという問題は別物の可能 前まで言われていたのは 膝をあまり屈曲 になるのかもしれません もしかしたら 性 もありま す の で knee-in & toe-out と しないで着地すると 大腿四頭筋が働いた 大腿四頭筋などの予備収縮度合などで こ ACL 損傷との因果関係に関しては もう とき膝蓋靱帯の張力による脛骨前方剪断力 のようなタイミングの関係性も異なってく 少し検証が必要であると思っています 実 が生じやすいということでした るのかもしれません 実はそのような実験 も行う予定にしています 際に ACL 損傷の結果 膝崩れのような しかし もうひとつ言えることは 最大 ことが起きて knee-in & toe-out が生じて 地面反力を受けたときの膝の屈曲角度が浅 いるのか knee-in & toe-out による膝崩れ いと 脛骨の前方への傾きが少なくなるこ 疲労の問題 のために ACL が損傷しているのか とい とにより地面反力由来の脛骨後方剪断力が バスケットボールなどでジャンプ着地 うことは 学術界ではオープンに議論され 小さくなり 脛骨長軸方向に働く力 ひい 時に ACL 損傷が生じますが その着地時 ています ては脛骨前方剪断力の大きさが高くなるこ に先生がおっしゃったように上体が後方に 鈴木 先生のご発表のなかで 屍体を用い とも考えられます 以上のことから 膝の 傾いていて着地した場合などがそうです が 空中動作なので それは防ぎようがな た実験やコンピュータによるシミュレー 屈曲角度が浅い状態で最大地面反力を受 ションと臨床の結果とは一致しないことが けたほうがリスクは高まるだろうと考えら いように思うのですが どうすればよい あるというお話がありましたが なぜそう れます しかし ひとつ興味深い論文があ 下河内 そのまま着地を無理やりせずに転 いうことがあるのかわかっているのでしょ り 先 ほ ど か ら 紹 介 し て い る Meyer や がってしまうほうがよいかと思うのです うか Haut らの研究グループによるものですが が 試合中 転んだほうが安全でも 選手 下河内 よくわからないのですが もしか 彼らの研究グループはもともと自動車事故 は無理やり着地をして転ばないようにする したら 屍体の膝の関節包や筋などの組織 の研究をしていたようで 運転中に事故を ことがあり 我々にとっては怖いと思う瞬 をどのように処理しているかで結果が変 起こしたとき 膝が挟み込まれて それで 間です ACL 損傷が起こるのは着地 接地 わってくることも報告されていますし 骨 ACL が損傷するというメカニズムを検証 から 0.04 秒後だとすると 着地する前か の形状をどのようにしたかということもあ していたようです そのようなメカニズム らなんとかしておかないと間に合わない りますし 運動学的 動力学的データに対 を 現在もウサギを使って実験しています 足が接地してからなんとかしようとしても してどのようなフィルターをかけて分析し ウサギを上向き 仰臥位 に寝かせて 膝 無理だと思います 空中感覚や身体感覚の ているかなどということも影響してくるか を 90 度屈曲位にし 上からおもりを落と 向上などいろいろなことをしておかない もしれません シミュレーションはしょせ して ACL を損傷させるというものです と なかなか防げないと思います 安全な んシミュレーションとも言え 実際に起 この実験から考えられることは もしかし 衝撃吸収の方法を考えると いかに 衝撃 こっていることを再現しているとは限らな たら 膝の屈曲角度は直接的には関係なく 吸収で下肢 3 関節の伸筋群をうまく使う い そういうことがあり 臨床とは一致し て 脛骨に対してどういう角度で地面反力 か ということが重要になってくると思い ないことはあるだろうと思います を受けるかということのほうが直接的な問 ますが そのためには 足をどの位置につ 題なのかもしれません くかも非常に重要になると思います つま 鈴木 おもしろいですね り 空中で足を適切な位置に移動させ 接 下河内 よくわからないことですが も 地後に下肢伸筋群が使いやすい場所に接 着地と膝屈曲角度 鈴木 私はスポーツが専門ではなく 体幹 21

地させなければ 接地後に効率的に安全な ますが Hewett らの研究グループや そ 衝撃吸収をしようと思っても不可能になる の他いくつかの研究グループの報告におい と思います だから 下肢の伸筋群のみを ては ACL 損傷は介入により減少したこと 鍛えるのではなく 脚の位置を調節するた めの股関節周りのその他の筋群の機能も向 を報告しています このような報告から ACL 損傷予防のために推奨されるトレー 上させることは重要だと思います そうい ニング というものがつくられています う点から考えて いろいろな方向にジャン しかし 実際にトレーニング指導してみる プをさせて着地させるのはよい練習の一例 と これをやっておけば防げます と言っ うちだ やすゆき先生 かと思います てメニューを渡すだけで防げるかという あとは膝を曲げないで着地しないという と それは無理です チームや選手によっ 井口 私は足関節を使ったバランスを中心 ことを考えると 試合の後半でかなり疲労 てモチベーションも異なるし 練習量や質 に研究しています まだ膝との関係をみる してくると 膝を曲げられなくなるので も異なりますので ひとつのトレーニグ方 までには至っていないので 今後はそのあ かなりしっかりした筋力トレーニングも必 法がすべてのスポーツチームに適合させら たりも併せて考えていきたいと思っていま 要だと思います れるかと言ったら それは無理だと思いま す 先ほども 着地動作では足関節の衝撃 鈴木 筋力トレーニングはやはり必要です す それよりも ACL 損傷のメカニズム 吸収が大きいという話がありましたが そ か からトレーニング目標を導き出し そのト こから展開していこうとしている段階で 下河内 基本的な筋肥大や筋力向上を目指 レーニング目標を達成するためにトレー す した筋力トレーニングは絶対必要だと思い ナー自らチーム状況に応じたトレーニング 鈴木 ジャンプとは違うのですが 我々の ます それが基本的としてあったうえで プログラムを作ることが重要だと思いま 運動療法では 歩行で接地するとき どち 身体の使い方を覚えさせるようなファンク す そして 選手には徹底的にトレーニン らかと言うと背 屈位で入っていきます ショナルトレーニング的なものがあるべき グの意味や ACL 損傷予防のために必要な ヒールからコンタクトして そこで圧を与 だと考えています ことを理解させ すべてがうまくいったと えるということをしていますが ちょうど 鈴木 私はずっと筋電図研究を行っている きに初めて予防できるのだろうと つくづ 逆かなと思っていました ACL に関して のですが たとえば接地して ACL が断裂 く思います は脛骨が後方にいくので つま先から着地 するということは 接地してすぐに予防で 鈴木 下河内先生の研究室で勉強させてい したり フラットに着地したほうが地面反 きるように筋が働いてくれれば断裂は防げ ただいている内田先生 井口先生のほうか 力はより前方を通るのでよいというのはよ るのでないかと考えると パワーも大事だ ら何かつけ加えることがありますか くわかるのですが 歩行での捉え方とは逆 とは思うけれど より反応性を高めるよう 内田 こういう意見をいただいて それぞ になります すると 膝の外傷という視点 なトレーニングも大事なのかもしれません れの現場で活かすということにしていま で考えると 歩行であまりヒールからのコ す 私はサッカーが専門フィールドなので ンタクトを強調しすぎるのもよくないのか その反応性が疲労によって低下して すが 足関節を使うというのはよく理解で なという印象も受けました ゲームの後半や終わりのほうで ACL 損傷 きます 疲労の話もありましたが 試合後 下河内 踵からついてつま先へというのも ね が起こるという傾向もある 半に外傷が多いということを考え 疲労に 前脛骨筋が働いていれば いい減速の方法 下 河 内 可 能 性としてあると思 います 関するタスクを取り入れたメニューも用い だと思います ちゃんとしたデータはまだ NCAA のデータでも試合の後半でケガの て外傷予防を心がけています 出されていないと思いますが 発生は増えていることが示されています ただ 実際に ACL 損傷が生じたときに 身体がどのように衝撃を受け 身体内部で どのような力を発揮し どのように骨が動 いたかなどというデータは 技術的 倫理 2 吉田先生のプレゼンテーション後のディスカッション 的な側面から測定できないので 仮説でし 鈴木 井口先生は足部の仕事をされていま 平面と前額面の角速度を算出しました そ すが 今の吉田先生の話についていかがで して角速度の時系列データから平均周波数 すか を算出し その値を足関節動揺性と定義し 先ほど アメリカでは ACL 損傷が年 井口 足関節捻挫の発生には底屈位が大き て検証を行いました これまで足関節の動 間 20 万件発生しているということでした く関係するのではないかと考えています 揺性を検証した先行研究では 足関節は中 が これだけ世界中で外傷予防 とくに 私は修士論文において片脚開眼立ちのバラ 間位の状態で 硬く安定した床面上で片脚 ACL 損傷については予防に取り組んでい ンステストで足関節の動揺性をみたのです バランステストを行い そのときの圧力中 ても 発生数は減少していない が 過去の捻挫の回数で 2 回以下の群と 3 心の軌跡に関する変数を足関節動揺性の指 下河内 全体的には減少していないと思い 回以上の群に分けて 足関節の矢状面と水 標として用いることが普通でした しかし かものが言えないのですが ACL 損傷の予防 22

実 際 の 捻 挫 の 発 生 は 底 屈 位 で 生 じやすいこ とが 報 告 されていますし その 肢 位 では 構 造 的 にも 足 関 節 は 不 安 定 になりやすい 足 関 節 の 不 安 定 性 を 検 証 した 過 去 の 研 究 (Knapp et al 2011)でも 床 面 を 厳 しい 状 況 にするなど 通 常 の 床 上 で 行 う 片 脚 バラ ンステストよりも 難 しいタスクで 評 価 を 行 ったほうが より 足 関 節 の 不 安 定 性 を 正 確 に 評 価 できるのではないかと 示 唆 してい ます 以 上 の 知 見 に 基 づいて 修 士 論 文 で は 片 脚 バランステストを 硬 い 水 平 の 床 面 で 行 う 条 件 水 平 の 床 上 にバランスマッ トを 置 き その 上 で 行 った 条 件 足 関 節 を 底 屈 させる 傾 斜 した 床 面 上 で 行 う 条 件 そ して 傾 斜 した 床 面 上 にバランスマットを 置 き その 上 で 行 う 条 件 の 4 条 件 で 行 わせ 足 関 節 の 動 揺 度 合 を 検 証 しました 検 証 の 結 果 平 坦 な 床 にマットを 置 いても 足 関 節 の 動 揺 性 に 有 意 な 差 はみられませんでした が 傾 斜 した 床 上 にバランスマットを 置 い た 条 件 だと 他 の 条 件 と 比 較 し とくに 前 額 面 で 最 も 足 関 節 の 動 揺 性 が 高 くなるとい う 結 果 でした また 捻 挫 3 回 以 上 の 脚 に おいては マットを 置 いたときの 足 関 節 動 揺 性 は 傾 斜 した 床 上 にバランスマットを 置 いた 条 件 のほうが 平 坦 な 床 より 水 平 面 で 高 くなる 結 果 でした 下 河 内 : 補 足 ですが 底 屈 位 で 不 安 定 なバ ランスマットを 置 いたときが 最 も 足 関 節 の 動 揺 性 が 高 くなりましたが おもしろいこ とに 底 屈 位 でも 不 安 定 なマットを 置 か ない 床 条 件 の 場 合 は 他 の 条 件 と 比 較 し 最 も 足 関 節 の 動 揺 性 が 低 くなるという 結 果 に なりました また 足 関 節 は 中 間 位 となる 水 平 で 安 定 した 床 面 上 と 水 平 な 床 面 上 に 不 安 定 なバランスマットを 置 いた 条 件 の 間 には 足 関 節 動 揺 性 には 有 意 差 はありません でした 鈴 木 :それはおもしろいですね 下 河 内 :この 研 究 では 足 関 節 の 動 揺 性 は 足 関 節 の 角 速 度 の 時 系 列 データから 導 き 出 された 平 均 周 波 数 をもとに 評 価 しました この 変 数 を 用 いる 利 点 は 角 速 度 のデータ は 動 く 方 向 が 変 われば 必 ずプラスマイナス が 変 わりますので どの 程 度 頻 繁 に 足 が 揺 れ 動 いたか ということの 基 準 になります つまり 頻 繁 に 足 が 揺 れる 方 向 が 変 わって いれば 平 均 周 波 数 は 上 がることになりま す ただ どれだけ 揺 れ 幅 が 大 きかったか という 振 幅 の 度 合 は 評 価 できませんので すべての 側 面 から 足 関 節 の 動 揺 性 を 反 映 し ているわけではありません しかし 我 々 のこの 研 究 結 果 を 考 えると 底 屈 位 にする と 足 関 節 は 構 造 的 に 不 安 定 になって それ を 筋 肉 でサポートしなくてはいけない 部 分 が 増 えるだろう ということは 言 えるので はないかと 思 います 傾 斜 した 安 定 した 床 面 上 で 片 脚 バランスを 行 う 条 件 では 他 の 条 件 と 比 較 して 足 関 節 の 動 揺 性 が 低 下 す る 結 果 は 我 々は 筋 肉 で 支 える 度 合 が 高 くなった 分 足 関 節 周 りを 共 収 縮 させ 動 きの 自 由 度 を 低 下 させたのではないかと 予 想 しています ガッチリ 固 めてしまって 自 由 をなくしてしまって 安 定 性 を 保 つ しか し 構 造 的 に 不 安 定 な 状 況 でマットを 置 い てしまうと 共 収 縮 ではどうしようもなく なってしまって おそらく 伸 張 反 射 がもの すごく 増 える 状 態 になり 動 揺 性 が 高 まっ ているのではないかと 考 えています 足 関 節 底 屈 位 では 構 造 的 な 機 械 的 なサポートが なくなるので 筋 肉 のサポートがより 増 え る 足 関 節 捻 挫 の 予 防 を 考 えるのであれば 我 々は 底 屈 位 で 不 安 定 なマット 上 で 行 う ようなバランストレーニングも 必 要 になる のではないかと 考 えています 鈴 木 :いろいろな 筋 肉 が 使 われる 必 要 性 が あるということですね 下 河 内 : 次 はもっとしっかりと 足 関 節 動 揺 性 が 変 化 する 仕 組 みを 検 証 するために 筋 電 図 データも 取 って 検 証 していくことが 必 要 だと 思 っています 鈴 木 : 吉 田 先 生 は いかがですか? 吉 田 : 底 屈 位 で 不 安 定 になる これはそう だと 思 います しかし 背 屈 制 限 がある 選 手 が 多 いので 優 先 的 にはそのファクター をつぶすことを 行 われたほうがいいのでは ないかと 思 います 代 償 的 に 前 足 部 の 関 節 が 柔 らかくなっていることが 多 いので そ こをチェックして そこから 下 河 内 先 生 が 言 われたようなトレーニングに 入 っていく のがベターかと 思 います 鈴 木 : 内 田 先 生 先 生 の 臨 床 ではどうです か? 内 田 :サッカーでは 底 背 屈 の 制 限 を 有 する 選 手 が 多 いので お 二 人 の 研 究 は 現 場 の 示 唆 に 富 んでいますし 実 際 に 使 いやすいと 思 います 動 揺 性 に 対 して よく 現 場 でバ ランスディスクを 使 うなどしていると 思 い ますが ポジションタスクで 位 置 を 維 持 し ようとするのか フォースタクスで 外 力 に いぐち まこと 先 生 抵 抗 しようとするのか おそらく 制 御 メカ ニズムは 変 わってくると 思 うので そうい うところを 現 場 で 使 っていければと 思 いま す 鈴 木 :いろいろな 場 面 に 応 じて トレーニ ングのやり 方 は 変 える 必 要 性 がある 内 田 : 底 背 屈 のトレーニングは 当 然 必 要 で すし バランスもそうですが クリティカ ルなものはまだはっきりしていないと 思 う ので それがどうかというものを1つずつ みつけられればと 思 っています それには こういった 研 究 データなどを 現 場 に 活 かし ていけるといいですね 下 河 内 : 今 年 は 井 口 先 生 の 修 士 論 文 の 研 究 結 果 があったので 足 関 節 捻 挫 の 予 防 も 兼 ねて 本 学 の 女 子 ハンドボール 部 の 選 手 たち につま 先 立 ちで 行 うスクワットも 一 時 期 取 り 入 れてみました 背 屈 制 限 がひどく ス クワットで 膝 が 曲 げられず 下 肢 の 筋 群 を 鍛 えきれない 選 手 にも 有 効 かと 思 い 取 り 入 れたということもあります 鈴 木 : 予 防 になりそうですね 下 河 内 :そんな 気 がするのですが 本 当 に 予 防 につながっているかどうかはデータも 何 もありませんのでわかりません ただ 選 手 たちはこのようなスクワットでも 100kg 近 く またはそれ 以 上 持 ち 上 げていたので 慣 れれば 足 関 節 周 りの 神 経 筋 機 能 の 向 上 と 下 肢 の 筋 力 向 上 を 両 立 させられるのではな いかと 感 じています 鈴 木 : 私 たちの 運 動 療 法 のなかでは 踵 を 上 げて 母 指 にきちんと 体 重 を 乗 せるように して 膝 の 屈 伸 のトレーニングを 行 っていま す きちっと 背 屈 と 回 内 をさせて 足 関 節 足 部 の 安 定 性 を 求 めることを 行 っています が 下 河 内 先 生 のトレーニングはおもしろ いと 思 います 吉 田 先 生 が 足 部 のアライメントの 話 をさ れましたが 私 の 専 門 で 興 味 のあるところ で 言 うと 足 部 より 上 のアライメントが 変 わってくる 最 初 から 足 部 で 外 側 接 地 した 23