<4D6963726F736F667420576F7264202D2050616F46697493FA904882C982E682E98C8E82CC8B9797A391AA92E82E646F63>



Similar documents
Microsoft PowerPoint - ガリレオ衛星観測例.ppt

Microsoft PowerPoint - 医用工学概論実習3.ppt [互換モード]

他 覚 的 斜 視 角 検 査 Ⅱ( を 点 滅 する 方 法 ) 準 備 物 大 型 弱 視 鏡 固 視 が 可 能 な 最 も 小 さいサイズの 同 時 視 用 スライド 顕 性 偏 位 量 の 他 覚 的 測 定 但 し 大 型 弱 視 鏡 検 査 での 顕 性 偏 位 光 学 台 と 椅 子

Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

トランシットの誤差と消去法

Taro-j5_11 観量性理論2016_03.jt

Microsoft PowerPoint - MVE pptx

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す

Microsoft Word - 表紙(正)

Microsoft Word - A04◆/P doc

連 続 講 座 断 層 映 像 法 の 基 礎 第 34 回 : 篠 原 広 行 他 図 2 放 射 状 に 線 を 照 射 し 対 面 に 検 出 器 の 列 を 置 い ておき 一 度 に 1 つの 角 度 データを 取 得 する 後 は 全 体 を 1 回 転 しながら 次 々と 角 度 デー

背 景 と 目 的 - 東 日 本 震 災 では の 上 部 構 造 の 流 出 が 多 発 - は 復 旧 に 時 間 を 要 する 一 方 交 通 機 能 の 回 復 は 待 ったなし 活 動 項 目 数 活 動 項 目 数 ( 全 体 ) 全 体 は24hで ピー

かじゅう じじゅう けません (4)が(2)から 受 けるのは (2)が 受 ける 荷 重 0.5 に(2) 自 身 の 重 さ( 自 重 といいます) を 足 して.5 として.5 の 半 分 の 荷 重 を 受 けます 式 では (0.5 + ) 2 =.5 2 = 0.75 (5)は(2)の

< C A2E6169>

第4回税制調査会 総4-1

Microsoft Word 役員選挙規程.doc

数学

積 載 せず かつ 燃 料 冷 却 水 及 び 潤 滑 油 の 全 量 を 搭 載 し 自 動 車 製 作 者 が 定 める 工 具 及 び 付 属 品 (スペアタイヤを 含 む )を 全 て 装 備 した 状 態 をいう この 場 合 に おいて 燃 料 の 全 量 を 搭 載 するとは 燃 料

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

Contents 第 1 章 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 とは? 1 指 定 の 意 義 メリット 1 指 定 の 対 象 は? 2 対 象 となる 事 業 2 国 土 調 査 法 19 条 5 項 指 定 までの 流 れ 3

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

<4D F736F F D B68F918DEC90AC89898F4B899E977095D2816A2E646F63>

(3) 善 通 寺 市 の 状 況 善 通 寺 市 においては 固 定 資 産 税 の 納 期 前 前 納 に 対 する 報 奨 金 について 善 通 寺 市 税 条 例 の 規 定 ( 交 付 率 :0.1% 限 度 額 :2 万 円 )に 基 づき 交 付 を 行 っています 参 考 善 通 寺

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

( 質 問 5)[ 論 点 2-2] 履 行 義 務 の 充 足 支 配 の 考 え 方 及 び 顧 客 が 財 又 はサービスの 支 配 を 獲 得 している 指 標 は 実 態 に 応 じた 判 断 を 行 うために 十 分 であると 考 えますか 不 十 分 であるとすれば どのような 考 え

試 験 概 略 試 験 目 的 同 同 一 一 規 規 格 格 の の 電 電 熱 熱 線 線 式 式 ヒーティングユニットを2 台 台 並 並 べ べ 片 片 方 方 のユニットに 遠 遠 赤 赤 外 外 線 線 放 放 射 射 材 材 料 料 である アルミ 合 金 エキスパンションメタルを 組

守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小

現 地 調 査 では 火 口 周 辺 の 地 形 や 噴 気 等 の 状 況 に 変 化 は 見 られませんでした また 赤 外 熱 映 像 装 置 5) による 観 測 では 2015 年 3 月 頃 から5 月 29 日 の 噴 火 前 に 温 度 上 昇 が 認 められていた 新 岳 火 口

SXF 仕 様 実 装 規 約 版 ( 幾 何 検 定 編 ) 新 旧 対 照 表 2013/3/26 文 言 変 更 p.12(1. 基 本 事 項 ) (5)SXF 入 出 力 バージョン Ver.2 形 式 と Ver.3.0 形 式 および Ver.3.1 形 式 の 入 出 力 機 能 を

2 平 均 病 床 数 の 平 均 病 床 数 では 療 法 人 に 対 しそれ 以 外 の 開 設 主 体 自 治 体 社 会 保 険 関 係 団 体 その 他 公 的 の 規 模 が 2.5 倍 程 度 大 きく 療 法 人 に 比 べ 公 的 病 院 の 方 が 規 模 の 大 き いことが

(3) 育 児 休 業 (この 号 の 規 定 に 該 当 したことにより 当 該 育 児 休 業 に 係 る 子 について 既 にし たものを 除 く )の 終 了 後 3 月 以 上 の 期 間 を 経 過 した 場 合 ( 当 該 育 児 休 業 をした 教 職 員 が 当 該 育 児 休 業

現 行 工 業 地 域 準 工 業 地 域 商 業 地 域 近 隣 商 業 地 域 改 正 後 準 工 業 地 域 ( 特 別 業 務 地 区 ( 第 2 種 ) 及 び 指 定 集 積 区 域 を 除 く) 近 隣 商 業 地 域 2 / 7

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

KINGSOFT Office 2016 動 作 環 境 対 応 日 本 語 版 版 共 通 利 用 上 記 動 作 以 上 以 上 空 容 量 以 上 他 接 続 環 境 推 奨 必 要 2

設 問 4(5) 主 として 知 識 に 関 する 問 題 地 球 自 然 事 象 についての 知 識 理 解 ( 短 答 式 ) (6) 主 として 活 用 に 関 する 問 題 地 球 科 学 的 な 思 考 表 現 ( 選 択 式 ) 水 が 水 蒸 気 になる 現 象 について 科 学 的

資料45-1-1 D-SEND2プロジェクトの状況について

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

Box-Jenkinsの方法

1.3. 距 離 による 比 較 距 離 による 比 較 を 行 う ( 基 本 的 に 要 求 される 能 力 が 違 うと 思 われるトラック 別 に 集 計 を 行 った ) 表 -3 に 距 離 別 の 比 較 を 示 す 表 -3 距 離 別 比 較

平成24年度開設予定大学院等一覧(判定を「不可」とするもの)

FXレバレッジ規制「最大25倍」の意味

Microsoft PowerPoint _R勉強会ichikura.ppt [互換モード]

国立大学法人 東京医科歯科大学教職員就業規則

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

39_1

職 員 の 等 に 関 する 条 例 第 24 条 の 承 認 は 正 規 の 勤 務 時 間 の 始 め 又 は 終 わりにおいて 30 分 を 単 位 として 行 う ものとする 2 育 児 を 原 因 とする 特 別 休 暇 を 承 認 されている 職 員 に 対 する の 承 認 については

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

資料1:勧告の仕組みとポイント 改【完成】

は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

第1学年1組 理科学習指導案

<4D F736F F D20837D A815B92CA8BCE8AC7979D8B4B92F E1816A312E646F63>

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

測量士補 重要事項「写真地図作成」

御 利 用 規 約 Excel でつくる 配 光 曲 線, 直 射 水 平 面 照 度 Version 2.0 小 冊 子 を 御 利 用 頂 くにあたり 以 下 の 内 容 をよく 御 読 み 頂 き 御 同 意 の 上 御 利 用 頂 く 様 宜 しく 御 願 い 致 します 1. 著 作 物

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

表紙

Microsoft Word - No.10 西村.doc

Microsoft PowerPoint - 資料2-別冊

PowerPoint プレゼンテーション

3 圏 域 では 県 北 沿 岸 で2の 傾 向 を 強 く 見 てとることができます 4 近 年 は 分 配 及 び 人 口 が 減 少 している 市 町 村 が 多 くなっているため 所 得 の 増 加 要 因 を 考 える 場 合 は 人 口 減 少 による 影 響 についても 考 慮 する

計算式の取り扱い

ThinkBoard Free60 Manual

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

ミニ統計平成27年(HP用 訂正版)

っては 出 産 予 定 日 から 出 生 した 日 から 起 算 して8 週 間 を 経 過 する 日 の 翌 日 までとする ) の 期 間 内 に 当 該 子 に 係 る 最 初 の 育 児 休 業 を 開 始 し かつ 終 了 した 場 合 であって 当 該 子 に 係 る 再 度 の 育 児

している 5. これに 対 して 親 会 社 の 持 分 変 動 による 差 額 を 資 本 剰 余 金 として 処 理 した 結 果 資 本 剰 余 金 残 高 が 負 の 値 となるような 場 合 の 取 扱 いの 明 確 化 を 求 めるコメントが 複 数 寄 せられた 6. コメントでは 親

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

Microsoft Word - 構造振動特論-08回-2012.doc

t検定

<4D F736F F D E6368FCD208E8B8A6F8FE18A518ED B D E2E646F63>

Microsoft PowerPoint 資料6 技術基準.ppt [互換モード]

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第076号.doc

の と す る (1) 防 犯 カ メ ラ を 購 入 し 設 置 ( 新 設 又 は 増 設 に 限 る ) す る こ と (2) 設 置 す る 防 犯 カ メ ラ は 新 設 又 は 既 設 の 録 画 機 と 接 続 す る こ と た だ し 録 画 機 能 付 防 犯 カ メ ラ は

2ステータスバーのアイコンを 文 字 表 示 にする ステータスバーを 右 クリックし アイコンを 使 用 のチェックをはずす 文 字 表 示 になる 操 作 時 は 適 宜 オン オフを 変 更 するが まずは 直 行 モード OSNAP 線 の 太 さのみオンとし 他 はオフにしておく 2. 製

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

1. 本 市 の 保 育 所 運 営 費 と 保 育 料 の 現 状 2 (1) 前 回 (5/29 5/29) 児 童 福 祉 専 門 分 科 会 資 料 国 基 準 に 対 する 本 市 の 保 育 料 階 層 区 分 別 軽 減 率 国 基 準 に 対 する 本 市 の 保 育 料 階 層 区

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第081号.doc

記者発表資料

2 県 公 立 高 校 の 合 格 者 は このように 決 まる (1) 選 抜 の 仕 組 み 選 抜 の 資 料 選 抜 の 資 料 は 主 に 下 記 の3つがあり 全 高 校 で 使 用 する 共 通 の ものと 高 校 ごとに 決 めるものとがあります 1 学 力 検 査 ( 国 語 数

子供達に押し出された巨人 -最新のコンピューターシミュレーションによる太陽系外惑星系における謎の解明-

Microsoft PowerPoint - 390

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

untitled

スライド 1

認証対象接合金物

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 25 年 4 月 1 日 現 在 ) 1) 一 般 行 政 職 福 島 県 国 類 似 団 体 平 均 年 齢 平

年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

定款  変更

消 費 ~ 軽 減 率 消 費 の 軽 減 率 制 度 が 消 費 率 10% 時 に 導 入 することとされています 平 成 26 年 4 月 1 日 平 成 27 年 10 月 1 日 ( 予 定 ) 消 費 率 5% 消 費 率 8% 消 費 率 10% 軽 減 率 の 導 入 平 成 26

Microsoft Word - 公表資料(H22).doc

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

< F2D A C5817A C495B6817A>

就 業 規 則 ( 福 利 厚 生 ) 第 章 福 利 厚 生 ( 死 亡 弔 慰 金 等 ) 第 条 法 人 が 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 民 間 社 会 福 祉 施 設 等 職 員 共 済 規 程 に 基 づき 群 馬 県 社 会 福 祉 協 議 会 との 間 において 締 結 す

Microsoft Word - 「平成28年(2016年)熊本地震」_20号.docx

景品の換金行為と「三店方式」について

 

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

Transcription:

日 食 による 月 と 太 陽 の 距 離 測 定 大 西 浩 次 ( 長 野 工 業 高 等 専 門 学 校 ) 2009 年 7 月 22 日 日 本 で 46 年 ぶりの 皆 既 日 食 が 起 きた この 現 象 は 月 の 公 転 を 実 感 する 好 機 会 であると 共 に 地 球 の 自 転 現 象 を 体 感 する 機 会 でもあった 月 は 地 球 のまわり を 約 30 日 で 公 転 している すなわち 月 の 公 転 角 速 度 は 0.5 度 /1 時 間 である.これより 月 が 太 陽 ( 視 直 径 0.5 度 )を 横 切 る 時 間 ( 日 食 の 継 続 時 間 )は 約 2 時 間 になるはずである しかし 実 際 の 日 食 の 継 続 時 間 は 3 時 間 弱 である この 違 いは 観 測 者 が 動 いているためで ある 太 陽 までの 距 離 は 十 分 に 遠 いので 月 の 影 の 動 く 様 子 は 実 際 の 月 の 運 動 が 地 球 表 面 というスクリーン に 平 行 投 影 されて 見 えると 考 えて 良 い すなわち 太 陽 の 方 向 から 地 球 を 見 ると 月 の 影 が 地 表 に 投 影 されて 動 いている 速 さは 月 の 公 転 速 度 と 同 じ 秒 速 約 1km である しかし 観 測 者 も 地 表 上 で 共 に 自 転 運 動 している( 秒 速 約 400m) この 結 果 観 測 者 は 月 の 影 を 常 に 追 いかけながら 観 測 していることになる この 自 転 の 効 果 が 日 食 の 継 続 時 間 を 長 くしているわけだ いま 各 地 の 観 測 データから, 地 上 から 月 の 影 が 移 動 している 様 子 を 描 くことで 月 の 地 表 に 対 する 移 動 速 度 が 測 定 できる この 速 度 に 地 球 の 自 転 速 度 の 補 正 をすると 月 の 実 公 転 速 度 が 求 まり ケプラーの 法 則 を 介 して 月 までの 距 離 が 決 定 できる 発 表 では 上 記 の 方 法 による 月 の 距 離 測 定 と 共 に 月 の 影 の 移 動 速 度 と 1 点 の 角 速 度 の 測 定 から 月 までの 距 離 を 決 定 する 新 しい 方 法 も 紹 介 する ところで 太 陽 観 測 衛 星 SOHO は 太 陽 地 球 間 の L1 のハロー 軌 道 にいる このため 背 景 の 恒 星 をバックにすると 地 上 と SOHO で 太 陽 の 位 置 が 異 なって 見 える 2009 年 7 月 22 日 小 笠 原 諸 島 北 硫 黄 島 沖 ( ふじ 丸 )で 撮 影 した 皆 既 日 食 の 画 像 に 写 り 込 んでいる 10 個 の 星 を 使 って 同 時 刻 の SOHO の LASCO C2,LASCO C3 の 画 像 との 比 較 から 太 陽 視 差 の 測 定 した 1.はじめに 月 は 地 球 のまわりを 約 30 日 で 1 周 している( 月 の 公 転 ).これを 1 日 あたりにすると 約 12 度 となる(360 度 30 日 ).いま, 月 を 1 日 おいて 同 じ 時 刻 に 観 察 すると, 見 える 位 置 が 前 日 とは 約 12 度 東 へずれてい ることに 気 づくだろう.この 動 きを 1 時 間 あたりにしてみると, 角 度 で 0.5 度 になる(12 度 24 時 間 ). 月 の 見 かけの 大 きさは 約 0.5 度 なので, 月 は 1 時 間 程 度 でほぼ 自 分 自 身 の 視 直 径 と 同 じくらいの 角 度 を 移 動 する.この 動 きはとてもゆっくりしたものなので,ふつうでは 気 づかないだろう.まさに, 日 食 のとき,この 月 の 公 転 を 実 感 する 絶 好 のチャンスになる. ところで 月 が 1 時 間 当 たり 0.5 度 動 くとすれば 0.5 度 の 太 陽 視 直 径 を 月 が 横 切 る 時 間 ( 日 食 の 継 続 時 間 )は 約 2 時 間 になるはずだ しかし 実 際 には 日 食 の 継 続 時 間 は 3 時 間 弱 である この 違 いはなぜ 起 きるのだろうか? 図 1 のように 宇 宙 から 見 ると( 正 確 には 太 陽 から 見 ると) 月 の 影 が 地 表 に 投 影 されて 動 いている 速 さは 月 の 公 転 速 度 と 同 じ 秒 速 約 1km である しかし 観 測 者 ( 日 本 列 島 )も 時 間 とともに 自 転 している( 秒 速 約 400m) すなわち 観 測 者 は 月 の 影 を 常 に 追 いかけながら 観 測 していることになる (ただし 日 の 出 時 南 中 時 日 没 時 などの 時 間 帯 により 影 との 相 対 速 度 は 常 に 変 化 している) これが 月 が 太 陽 を 横 切 る 継 続 時 間 を 長 くしている 原 因 である

図 1 2009 年 7 月 22 日 の 皆 既 日 食 時 月 の 影 の 動 きと 地 球 の 動 きの 様 子 ( 左 9h37m, 右 12h20m) 相 馬 充 作 成 の 図 (Astro-HS 2009 観 測 ガイド P17, 図 6より 引 用 ) 2. 食 の 同 時 刻 線 から 月 の 影 を 追 う 太 陽 までの 距 離 は 十 分 に 遠 いので 月 の 影 の 動 く 様 子 は 実 際 の 月 の 運 動 が 地 球 表 面 というスクリー ン に 平 行 投 影 されて 見 えている ここで 月 の 影 が 動 いていく 様 子 を 地 上 から 捉 えてみよう. 各 地 の 観 測 データから, 食 の 開 始 時 刻 を 取 り 出 して, 同 じ 時 刻 に 食 が 開 始 となる 点 を 地 図 上 にプロットする.たとえば 食 の 開 始 が 9 時 50 分 になる 点 をとって, 結 んでみよう.(ちょうどその 時 刻 の 地 点 がない 場 合 は,その 前 後 の 時 刻 の 点 から 推 定 しよう).こうして 描 かれた 線 は,その 時 刻 における 月 の 影 ( 正 確 には 半 影 )の 外 縁 の 位 置 を 示 している. 同 様 に,その 後 の,たとえば 10 時 00 分 に 食 が 開 始 になる 同 時 刻 線 を 描 いてみると, その 線 が 西 から 東 へ 移 動 していることがわかる.このようにして, 地 上 から 月 の 影 が 移 動 している 様 子 を 描 く ことができる.さらに 食 の 終 わりの 時 刻 で 同 じように 線 を 描 くと, 日 本 列 島 を 過 ぎ 去 っていく 月 の 影 を 描 くこと ができる.このような 観 測 より 地 球 表 面 に 対 する 月 の 移 動 速 度 V 1 が 決 定 できる 3. 月 の 公 転 速 度 より 月 までの 距 離 を 求 める いま 食 の 同 時 刻 線 の 測 定 から 月 影 の 移 動 速 度 V 1 が 求 まったとしよう 一 方 各 地 の 自 転 速 度 V 2 は 地 球 の 角 速 度 をω 地 球 半 径 を R 緯 度 をθとすれば V 2 =Rω cosθとなる これより 自 転 方 向 と 月 影 の 方 向 の 成 す 角 をφとすれば 月 の 実 公 転 速 度 V は V= V 1 + V 2 cosφと 求 まる このように 月 の 実 公 転 速 度 が 求 まると ニュートンの 万 有 引 力 の 公 式 を 使 うことで 月 までの 距 離 x と 地 球 の 半 径 R の 比 は x/r=(gr/v^2)として 求 められる 1.ただし g は 重 力 加 速 度 9.8m/s^2 である いま V を 約 1000m/s とす れば 距 離 は 地 球 半 径 の 約 60 倍 程 度 になるだろう 1 月 の 円 運 動 の 速 さ V とすれば 向 心 力 の 大 きさは mv^2/x ここで m は 月 の 質 量 一 方 この 向 心 力 の 原 因 が 万 有 引 力 GMm/x^2=mgR^2 /x^2 (g=gm/r^2)であることから 導 出 できる

4. 月 の 視 差 から 月 までの 距 離 を 求 める 図 2 同 時 刻 2 観 測 点 から 見 た 月 の 視 差 図 3 同 時 刻 2 観 測 点 から 見 た 月 の 視 差 測 定 遠 く 離 れた2つの 地 点 から 観 測 すると, 背 景 ( 日 食 の 場 合 は 太 陽 )に 対 して 月 がずれて 見 える.これが 月 の 視 差 p です 月 の 視 差 を 測 定 し, 月 までの 距 離 を 求 めてみよう いま 2 つの 観 測 点 間 の 距 離 を d[km], 月 までの 距 離 を x[km]とする. 2 地 点 間 の 距 離 d が 月 までの 距 離 x を 半 径 とする 円 の 円 周 の 一 部 とみな すと,p[rad]=d/x より x=d/p[rad]= x=(180/(πp[degree]))d となる.2 地 点 間 の 距 離 は 地 図 などを 利 用 して 求 めると. 月 までの 距 離 x[km]が 計 算 できる (ただし こうして 求 めた 距 離 は, 地 球 の 中 心 からの 距 離 ではないことに 注 意 しよう.) 5. 1 地 点 観 測 データから 月 の 距 離 を 測 る I もし 月 の 影 の 移 動 速 度 V 1 がわかっていると(3 章 のように 地 球 の 自 転 の 補 正 をしなくても) あとは 各 地 の 1 点 の 観 測 データから 月 までの 距 離 を 求 めることが 出 来 ます 先 に 示 したように 月 が 実 速 度 で 公 転 している 間 に 観 測 者 は 自 転 しています そのため 太 陽 - 観 測 者 を 軸 とすると 月 は 見 かけの 影 の 移 動 速 度 で 動 いているように 見 えます すなわち 影 の 見 かけの 移 動 速 度 が 判 ると t 秒 後 の 月 と 観 測 者 の 相 対 移 動 量 V 1 t がわかります そこで 観 測 者 の 見 かけの 視 差 p を 測 定 すれば x=(180/(πp[degree])) V 1 t となり 観 測 者 から 月 までの 距 離 がわかります これは 地 上 の 2 点 間 の 距 離 でなく 測 定 対 象 ( 月 )の 2 点 間 の 距 離 を 既 知 とする 視 差 による 距 離 測 定 法 で Parallax の 反 対 の 綴 りをした Xallarap と 呼 ばれる 手 法 の 1 つである[2]

図 4 Xallarap による 月 の 距 離 測 定 の 原 理 6. 1 地 点 観 測 データから 月 の 距 離 を 測 る II 図 5 地 心 と 観 測 者 の 角 速 度 と 距 離 測 定 の 原 理 いま 地 球 の 中 心 から 見 た 角 速 度 と 観 測 者 の 位 置 速 度 を 与 えたとしよう 図 5のように 地 球 中 心 から みた 太 陽 に 対 する 月 の 角 速 度 ω 0 は 1 望 月 (29.53 日 )で 360 度 より ω 0 =2π/(29.53*24*60*60) [rad/s]である いま 観 測 者 の 速 度 V 2 および 太 陽 - 観 測 者 - 地 球 中 心 の 観 測 者 と 地 球 中 心 の 距 離 r は 計 算 できるので 観 測 者 からある 1 点 の 観 測 者 Cが 太 陽 に 対 する 月 の 移 動 角 速 度 ω 1 を 測 定 した としよう ここで Vt=X*ω 0 t V 1 t=vt-v 2 t=(x-r)* ω 1 t より X=V 2 /(ω 0 -ω 1 )- ω 0 r/ (ω 0 -ω 1 ) と 解 ける このように 1 カ 所 の 測 定 だけでも 距 離 は 測 定 できる 長 野 高 専 天 文 部 の 測 定 では 数 %の 精 度 で 月 までの 距 離 を 測 定 できている

7.SOHO と 地 球 (GOUND)による 太 陽 視 差 日 食 による 太 陽 の 距 離 測 定 の 可 能 性 について 書 いておこう 太 陽 観 測 衛 星 SOHO は 太 陽 地 球 間 の L1 ポイント 付 近 のハロー 軌 道 にいる( 図 5) このため 背 景 の 恒 星 をバックにすると 地 上 と SOHO での 太 陽 の 位 置 が 異 なって 見 える この 測 定 から 太 陽 の 距 離 が 測 定 可 能 である この 視 差 は p=(d*10^6km/1.5*10^8km)=(4d/10.8)[degree]であり SOHO の 横 ずれの 最 大 値 d_max=1.6*10^6km を 使 うと 最 大 0.6 度 と 太 陽 の 視 直 径 程 度 ずれる これより 皆 既 日 食 中 の 星 の 写 真 を 使 うと SOHO 画 像 との 比 較 より 太 陽 までの 位 置 が 測 定 できる 図 7は 2009 年 7 月 22 日 の 皆 既 日 食 のとき 撮 影 した 写 真 から 太 陽 の 周 りの 星 が 確 認 できたもの( 星 を 丸 で 囲 っている)である 10 個 の 星 約 8 等 星 までの 星 が 確 認 できる 図 6 SOHO と 地 球 よる 太 陽 視 差 図 7 地 上 による 皆 既 日 食 中 の 星 の 位 置, 2009 年 7 月 22 日 Photo by Kouji Ohnishi

図 8 SOHO LASCO C2( 中 央 ) LASCO C3 による 皆 既 日 食 中 の 星 の 位 置, 2009 年 7 月 22 日 図 8 は SOHOによる 同 日 (ほぼ 同 時 刻 )の 画 像 である 両 者 の 画 像 を 比 較 して 太 陽 までの 距 離 を 求 め て 見 るとオーダーは 十 分 に 求 まったが 画 像 のゆがみの 影 響 で 大 きな 誤 差 があり 現 在 検 討 中 である 7.おわりに 日 食 による 月 と 太 陽 の 距 離 測 定 について 報 告 した ここで 多 観 測 地 点 のデータから 月 までの 距 離 を 求 める 方 法 を 示 した また 月 の 影 の 移 動 速 度 と 1 点 からの 角 速 度 から 月 までの 距 離 を 決 定 する 新 しい 方 法 を 提 案 した 今 後 これらを 実 際 の 教 材 化 して 報 告 する 予 定 である 参 考 文 献 [1] Astro-HS2009 観 測 ガイド 日 食 観 測 ( 編 ) 高 校 生 天 体 観 測 ネットワーク Astro-HS 観 測 ガイドブ ック 編 集 員 2-1-4 観 測 結 果 からわかること pp.15-18 [2] Poindexter, Shawn; Afonso, Cristina; Bennett, David P.; Glicenstein, Jean-Francois; Gould, Andrew; Szymański, Michał K.; Udalski, Andrzej.(2005) Systematic Analysis of 22 Microlensing Parallax Candidates. ApJ 633,914