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1 February 2012 Vol. Dentsu Innovation Institute, Global Insight Lab. Global Insight Report 中国市場拡大の鍵は 内陸都市 と 広域消費圏 にあり China BtoC Market Power Index 2011 電通総研

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1. 2. 客 観 的 に 都 市 の 市 場 魅 力 度 を 示 す China BtoC Market Power Index 2011 3 1.1 分 析 対 象 都 市 4 1.2 消 費 規 模 成 長 力 指 標 の 算 出 方 法 4 消 費 規 模 成 長 力 で 中 国 287 都 市 をランキングする 6 2.1 消 費 規 模 指 標 ランキング 7 2.2 消 費 規 模 指 数 による 都 市 のクラス 分 け 9 2.3 成 長 力 指 標 ランキング 10 3. 消 費 規 模 成 長 力 から 有 望 都 市 を 導 く 12 3.1 ポスト 三 大 都 市 15 3.2 成 長 都 市 16 3.3 成 熟 都 市 17 4. 広 域 消 費 圏 から 有 望 都 市 を 導 く 18 4.1 消 費 圏 戦 略 を 提 起 する 理 由 19 4.2 広 域 消 費 圏 導 出 のアプローチ 20 4.3 四 大 消 費 圏 の 構 造 21 4.4 四 大 消 費 圏 の 購 買 意 欲 23 4.5 四 大 消 費 圏 の 消 費 行 動 とマーケティングへの 示 唆 23 5. 効 果 効 率 を 重 視 してエリア 戦 略 を 立 案 する 27 5.1 China BtoC Market Power Index 2011 のまとめ 28 5.2 エリア 戦 略 の 方 向 性 28

中 国 は2010 年 米 国 に 次 ぐ 第 二 の 経 済 大 国 になった 2012 年 以 降 もGDP 成 長 率 8~9%を 維 持 するとみられ 2015 年 頃 には 内 需 中 心 型 経 済 を 確 立 するという 政 府 方 針 が 打 ち 出 さ れている 都 市 化 の 進 行 により 現 在 1,000 万 人 以 上 のメガ 都 市 は9 都 市 500 万 ~1,000 万 人 都 市 は81 都 市 200 万 ~500 万 人 都 市 は144 都 市 にのぼる 一 方 日 本 は 東 京 都 の1,300 万 人 大 阪 府 の890 万 人 を 別 にすれば 都 市 レベルで500 万 人 以 上 の 都 市 はなく 200 万 人 以 上 都 市 として 横 浜 名 古 屋 大 阪 市 の3 都 市 があるのみである 将 来 の 人 口 減 少 なども 視 野 に 入 れる 日 本 企 業 は ますます 隣 国 巨 大 市 場 でのマーケティングに 力 を 入 れている 電 通 総 研 は BtoC 企 業 が 新 たに 中 国 における 進 出 エリアを 決 定 する 際 の 判 断 材 料 となるよう 2010 年 に 続 いて China BtoC Market Power Index 2011 に 取 り 組 んだ 消 費 規 模 と 成 長 力 を 軸 として 多 数 の 都 市 を 指 標 化 し 沿 海 部 に 代 わって 中 国 の 成 長 をけん 引 する 内 陸 部 の 市 場 性 を 検 証 した 企 業 の 今 後 の 成 長 の 梃 子 になる 有 望 都 市 はどこか これからの 地 域 戦 略 はどうあるべきか 方 向 性 の 提 言 を 行 う 2

Chapter 1 客観的に都市の 市場魅力度を示す China BtoC Market Power Index 2011 3

1. 客 観 的 に 都 市 の 市 場 魅 力 度 を 示 す China BtoC Market Power Index 2011 エリア 進 出 を 検 討 する 際 はマーケットの 規 模 と 成 長 力 の 考 察 が 重 要 である 電 通 総 研 は 十 分 なデータ 量 と 客 観 的 な 手 法 を 用 い 287 都 市 を 対 象 にそれぞれの 消 費 規 模 と 成 長 力 を 個 別 に 精 査 して 都 市 の 市 場 魅 力 度 を 示 す China BtoC Market Power Index 2011 を 開 発 した 1.1 分 析 対 象 都 市 中 国 都 市 統 計 年 鑑 が 対 象 とする287 都 市 287 都 市 の 分 布 1.2 消 費 規 模 成 長 力 指 標 の 算 出 方 法 使 用 したデータは 現 行 最 新 の 中 国 都 市 統 計 年 鑑 2010 とその2 年 前 の 中 国 都 市 統 計 年 鑑 2008 に 基 づいている データの 整 備 状 況 記 録 状 況 を 精 査 し 部 分 的 に 電 通 総 研 独 自 の 補 正 を 施 して34の 変 数 を 得 た この34 変 数 について 独 立 性 などを 検 証 のうえ 最 終 的 にBtoC 市 場 の 魅 力 度 を 測 るにふさわしい 9つの 変 数 を 採 用 して 主 成 分 分 析 を 実 施 した データ 補 正 や 分 析 プロセスについては 慶 應 義 塾 大 学 経 済 学 部 稲 葉 由 之 教 授 にご 協 力 を 頂 いた 4

1. 客 観 的 に 都 市 の 市 場 魅 力 度 を 示 す China BtoC Market Power Index 2011 消 費 規 模 指 標 ウェイト GDP 40% 年 末 人 口 30% 平 均 給 与 30% 成 長 力 指 標 ウェイト 人 口 15% GDP2008 年 比 25% リテール 売 上 2008 年 比 20% 平 均 給 与 2008 年 比 20% 企 業 数 2008 年 比 15% 固 定 資 産 投 資 額 2008 年 比 5% 各 指 標 における 変 数 の 重 み 付 け 主 成 分 分 析 結 果 を 参 考 に 9 変 数 の 重 み 付 けは 神 戸 大 学 大 学 院 黄 磷 教 授 との 議 論 を 経 て 決 定 し 287 都 市 の 消 費 規 模 成 長 力 指 標 を 作 成 した 指 標 は 偏 差 値 (50を 平 均 とした 指 数 )を 用 いている 指 数 が60 ( 偏 差 値 60)を 超 えるとその 項 目 において 高 く 30を 切 ると 低 いと 判 断 できる 5

上海 北京 Chapter 2 消費規模 成長力で 中国287都市を ランキングする 広州 天津 深圳 6

2. 消 費 規 模 成 長 力 で 中 国 287 都 市 をランキングする 各 都 市 について B t o C の 消 費 規 模 指 標 と 成 長 力 指 標 を 基 に 全 都 市 の 順 位 付 けを 行 った また 消 費 規 模 指 標 を 基 に 中 国 287 都 市 を6つのクラスに 分 類 した 2.1 消 費 規 模 指 標 ランキング 消 費 規 模 指 標 によるランキングでは1 位 は 上 海 市 2 位 北 京 市 3 位 広 州 市 4 位 天 津 市 5 位 は 深 圳 市 となった 消 費 規 模 クラス 1 位 市 上 海 市 3A 2 位 市 北 京 市 3A 3 位 広 東 広 州 市 3A 4 位 市 天 津 市 3A 5 位 広 東 深 圳 市 3A 6 位 市 重 慶 市 3A 7 位 州 市 3A 8 位 杭 州 市 3A 9 位 南 京 市 2A 10 位 市 2A 11 位 四 成 都 市 2A 12 位 寧 市 2A 13 位 広 東 東 莞 市 2A 14 位 寧 陽 市 2A 15 位 山 東 市 2A 16 位 寧 大 市 2A 17 位 北 武 漢 市 2A 18 位 広 東 佛 山 市 2A 19 位 北 唐 山 市 2A 20 位 南 長 沙 市 2A 21 位 山 東 済 南 市 2A 22 位 西 西 安 市 2A 23 位 南 通 市 2A 24 位 山 東 市 2A 25 位 市 2A 消 費 規 模 指 数 消 費 規 模 指 標 ランキング 7

2. 消 費 規 模 成 長 力 で 中 国 287 都 市 をランキングする 哈 尔 濱 瀋 陽 成 都 重 慶 西 安 北 京 唐 山 大 連 天 津 台 青 島 済 南 南 通 無 錫 蘇 州 南 京 上 海 武 漢 杭 州 寧 波 長 沙 広 州 佛 山 東 莞 深 圳 消 費 規 模 指 標 上 位 25 都 市 の 分 布 2010 年 の 消 費 規 模 ランキング 上 位 25 位 の 内 2008 年 のランキングから 上 昇 した 都 市 は 天 津 市 重 慶 市 無 錫 市 成 都 市 瀋 陽 市 大 連 市 唐 山 市 長 沙 市 西 安 市 南 通 市 である 今 まで 高 成 長 を 持 続 してきた 沿 岸 部 に 消 費 規 模 が 大 きい 都 市 が 集 中 していることがわかる そして 上 海 や 北 京 に 代 表 される 沿 海 部 の 都 市 だけでなく 内 陸 の 重 慶 市 成 都 市 長 沙 市 武 漢 市 も 大 きな 規 模 を 有 している また 日 本 人 にあまり 名 前 が 知 られていない 南 通 市 佛 山 市 なども 十 分 大 きな 消 費 市 場 になって いる 8

2. 消 費 規 模 成 長 力 で 中 国 287 都 市 をランキングする 2.2 消 費 規 模 指 数 による 都 市 のクラス 分 け 電 通 総 研 はこの 消 費 規 模 ランキングに 基 づき 287 都 市 をよりわかりやすく 把 握 するためにAAA AA A B C Dの6つの 規 模 クラスに 分 類 した 今 回 この6 区 分 を 提 唱 するのは 従 来 中 国 政 府 や 調 査 機 関 が 提 唱 する1 級 都 市 ( 一 线 城 市 ) 2 級 都 市 ( 二 线 城 市 )といった 区 分 の 多 くが 行 政 区 分 と 人 口 に 基 づくものであり 必 ずしも 消 費 市 場 としての 魅 力 度 を 示 しているとはいえないからである 既 存 の 区 分 と の 混 同 を 避 けるために287 都 市 を 正 規 分 布 型 の6 区 分 に 分 け AAA~Dクラス の 名 称 をつけた クラス 別 都 市 指 数 100 80 都 市 数 積 96 240 280 287 300 250 60 200 40 40 40 144 150 100 20 0 8 8 AAA 48 7 AA A B C D AAA D のクラス 別 都 市 数 50 0 AAA (3A)クラスには3%にあたる8 都 市 AA (2A)クラスは14%にあたる40 都 市 Aクラスは33%に あたる96 都 市 が 入 る 現 在 中 国 に 進 出 している 日 系 企 業 の 多 くは3A, 2Aクラスの 都 市 に 販 売 拠 点 を 置 き そこから 商 品 を 流 通 させている 流 通 先 は2Aクラスまでが 多 く 意 識 的 にAクラスまで 展 開 している のは 乗 用 車 などを 扱 う 日 系 グローバル 企 業 に 限 られている 一 方 欧 米 グローバル 企 業 の 拠 点 数 はずっ と 多 く 商 品 の 流 通 はB Cまで Lenovoなどの 中 国 系 メガ 企 業 はDを 越 えて 農 村 まで 商 品 を 流 通 させて いる AAA (3A) Cities 消 費 規 模 が 突 出 しているこれらの 都 市 の 多 くは 沿 岸 部 にある 上 海 北 京 広 州 の 三 大 都 市 に 加 え 1,000 万 人 以 上 の 人 口 を 有 する 巨 大 都 市 が 多 い 産 業 のハイテク 化 が 進 む 天 津 市 や 西 部 大 開 発 の 中 心 都 市 の 重 慶 市 など 政 府 のバックアップを 受 けて 近 年 急 成 長 した 直 轄 市 が 含 まれる 3A 都 市 は 都 市 数 では 287 都 市 の3%に 該 当 するが 総 人 口 では287 都 市 の9%を 占 める AA (2A) Cities ここに 入 るのは40 都 市 で 南 京 市 成 都 市 石 家 庄 市 などの3A 都 市 に 隣 接 する 都 市 が 多 い 人 口 はお よそ500 万 ~900 万 人 規 模 が 多 い 交 通 網 の 発 展 による3A 都 市 とのアクセスのよさ 多 数 の 外 資 企 業 の 進 出 強 い 製 造 基 盤 先 進 国 に 劣 らない 生 活 水 準 と 十 分 な 消 費 力 を 有 する 2A 都 市 は 都 市 数 では14%に 当 たるが 総 人 口 では23%を 占 める A Cities 2A 都 市 に 沿 海 部 の 省 都 級 の 都 市 が 多 いのに 対 し A 都 市 には 昆 明 市 太 原 市 烏 鲁 木 斉 市 蘭 州 市 と いった 内 陸 奥 部 に 位 置 する 省 都 威 海 市 や 中 山 市 など2A 都 市 の 周 辺 にある 都 市 そして 楡 林 市 包 頭 市 などの 資 源 都 市 が 並 ぶ ここに 該 当 するのは96 都 市 で 都 市 人 口 は 大 小 さまざまだが 200 万 500 万 人 台 が 多 い 平 均 給 与 はおよそ1,700~3,000 元 台 の 範 囲 にある 都 市 数 で33% 総 人 口 で36%にあた るAクラスは 中 国 のボリュームゾーンである 9

2. 消費規模 成長力で中国287都市をランキングする 重慶 3A都市 石家庄 2A都市 杭州 2A都市 天津 3A都市 南京 2A都市 成都 2A都市 2.3 成長力指標ランキング 2008-2010年の 成長力 指標によるランキングの1位は楡林市 2位朝陽市 3位渭南市 ４位呼倫 貝尔市 5位は重慶市となった 成長力指標上位の都市は内陸部 西部に多く 資源都市か交通の要所で あることが多い チャートの上位25都市の多くは 消費規模があまり大きくない 元来これらは小都市だが 近年の資源 バブルなどで勃興したケースが多いからである しかし 中には規模が大きい都市がある たとえば 5位 の重慶市は規模クラスで3A都市である 9位の鄂尔多斯市 15位合肥市 21位滄州市 そしてチャートに はないが28位西安市 29位長沙市は2A都市である これらは成長が著しく かつ規模も大きい 10

2. 消 費 規 模 成 長 力 で 中 国 287 都 市 をランキングする 消 費 規 模 クラス 1 位 西 市 A 2 位 寧 陽 市 B 3 位 西 南 市 A 4 位 内 市 A 5 位 市 重 慶 市 3A 6 位 北 黄 市 B 7 位 西 市 C 8 位 市 A 9 位 内 多 市 2A 10 位 南 口 市 A 11 位 北 市 A 12 位 内 市 A 13 位 安 州 市 C 14 位 安 北 市 B 15 位 安 合 肥 市 2A 16 位 慶 陽 市 B 17 位 山 東 市 A 18 位 広 東 陽 市 B 19 位 内 市 A 20 位 市 A 21 位 北 滄 州 市 2A 22 位 市 C 23 位 安 市 A 24 位 西 安 市 B 25 位 内 通 市 B 成 長 力 指 標 ランキング 成 長 力 指 数 呼 倫 貝 尔 台 河 原 通 朝 陽 包 頭 鄂 尔 多 斯 滄 州 楡 林 慶 陽 渭 南 周 口 北 商 安 合 肥 湖 重 慶 黄 州 陽 成 長 力 指 標 上 位 25 都 市 の 分 布 11

12 3 Chapter 消 費 規 模 成 長 力 から 有 望 都 市 を 導 く

3. 消 費 規 模 成 長 力 から 有 望 都 市 を 導 く エリア 戦 略 の 立 案 には 消 費 規 模 と 成 長 力 の2つを 合 わせて 考 えるのが 妥 当 である 成 長 力 が 高 い 都 市 であってもマーケティング 活 動 に 見 合 う 消 費 規 模 がない 場 合 満 足 できるリターンは 得 られない まず 十 分 な 消 費 規 模 を 有 し かつ 成 長 力 が 高 い 都 市 を 特 定 することが 重 要 である 下 の チャートは 消 費 規 模 指 標 上 位 5 0 都 市 について 消 費 規 模 と 成 長 力 をか け 合 わ せ た 図 である 第 1 象 限 は 消 費 規 模 成 長 力 ともに 高 い 都 市 第 2 象 限 は 第 1 象 限 に 比 べると 規 模 は 落 ちるが 高 成 長 力 を 有 する 都 市 が 布 置 されている 第 3 象 限 は 上 位 50 位 の 中 では 規 模 も 成 長 力 も 低 めの 都 市 第 4 象 限 には 上 海 市 北 京 市 など 圧 倒 的 な 消 費 規 模 を 有 するが 成 長 はやや 鈍 化 している 都 市 が 布 置 されている 電 通 総 研 は ポスト 上 海 北 京 広 州 になる 可 能 性 がある 第 1 象 限 高 成 長 率 と 政 府 の 都 市 化 政 策 によって 規 模 の 拡 大 が 予 想 される 第 2 象 限 中 国 国 内 平 均 の 成 長 が 鈍 化 しているとはいえ 日 本 より 成 長 率 が 高 く 非 常 に 規 模 が 大 きい 第 4 象 限 の3つを 有 望 マーケティング 都 市 群 と 考 える 2 象 成 長 都 市 75 成 長 力 指 数 重 慶 市 象 ポスト 三 大 都 市 70 鄂 尔 多 斯 市 合 肥 市 65 滄 州 市 西 安 市 60 徐 州 市 城 市 濰 坊 市 南 寧 市 沂 市 大 慶 市 55 邯 市 哈 尔 濱 市 長 沙 市 天 津 市 蘇 州 市 唐 山 市 武 漢 市 南 通 市 大 連 市 保 定 市 瀋 陽 市 長 春 市 成 都 市 昆 明 市 済 寧 市 鄭 州 市 消 費 規 模 指 数 石 家 庄 市 50 55 60 65 70 75 80 85 90 常 州 市 済 南 市 南 京 市 州 市 博 市 州 市 台 市 45 佛 山 市 青 島 市 無 錫 市 広 州 市 北 京 市 上 海 市 40 州 市 寧 波 市 杭 州 市 深 圳 市 興 市 金 華 市 東 莞 市 35 3 象 興 市 台 州 市 30 消 費 規 模 指 数 成 長 力 指 数 による50 都 市 の 分 布 象 成 熟 都 市 13

3. 消 費 規 模 成 長 力 から 有 望 都 市 を 導 く 大 慶 哈 尔 濱 長 春 瀋 陽 鄂 尔 多 斯 保 定 石 家 庄 邯 済 寧 西 安 鄭 州 成 都 重 慶 武 漢 唐 山 大 連 天 津 滄 州 濰 坊 沂 徐 州 合 肥 城 南 通 蘇 州 長 沙 昆 明 南 寧 ポスト 三 大 都 市 成 長 都 市 ポスト 三 大 都 市 と 成 長 都 市 の 分 布 14

3. 消費規模 成長力 から有望都市を導く 3.1 ポスト三大都市 重慶市 天津市 蘇州市 西安市 長沙市 武漢市 唐山市 南通市 大連市 瀋陽市 成都市が該当する 北京市 上海市 広州市がそうであったように それぞれ西部 華北 華東 西北 華中 東北など重要地域の 代表都市である ここでは注目される重慶市 天津市 武漢市 長沙市 西安市について説明する 重慶市 中国に4つある中央政府直轄市の1つ 1997年に直轄市になり西部大開発の拠点となる 長江上 流の水路と陸路の要となる工商業都市 石炭 天然ガスが採掘されている 人口は2,867万人 都市GDP は6,530億元 天津市 北京市 上海市 重慶市と並び中国の四大直轄市の1つとして重要な位置付けにある 環渤海湾 地域の経済中心地 中国北方最大の対外開放港でもある 人口は1,233万人 都市GDPは7,522億元 武漢市 湖北省の省都であり 国家の副省級市 直轄市に準ずる15の重要都市 にも指定されている 中国華中地区における最大規模の工商業都市で 水資源は中国１位を誇る ほとんどの商品カテゴリで華 中第一の年間商品販売額を誇り 近年の商業施設の充実や交通網の整備等により武漢中心部の商業地は湖 南 江西 安徽 河南全体を商圏とするほど集客力がある 人口は877万人 都市GDPは4,621億元 長沙市 湖南省の省都 歴史が古い国家歴史文化都市で 経済的にも省の中心として発展している 中 国重点高等教育及び科学研究基地の1つとして 中国アウトソーシングサービス基地都市 となってい る 人口は655万人 都市GDPは3,745億元 西安市 陝西省の省都 古くは中国古代の諸王朝の都として長安と呼ばれていた 世界の観光客を集める国 家歴史文化都市のみならず 経済的な重要性から副省級市でもある ユーラシア大陸につながる交通の要所 であり 1991年には西安ハイテク産業開発区が設立され 電子情報産業 精密機器製造産業 バイオ医薬 産業 新材料産業分野が活発 人口810万人 都市GDPは2,724億元 天津 3A都市 重慶 3A都市 長沙 2A都市 武漢 2A都市 西安 2A都市 15

3. 消 費 規 模 成 長 力 から 有 望 都 市 を 導 く 3.2 成 長 都 市 鄂 尔 多 斯 市 合 肥 市 滄 州 市 徐 州 市 盐 城 市 濰 坊 市 南 寧 市 临 沂 市 大 慶 市 邯 鄲 市 哈 尔 濱 市 保 定 市 昆 明 市 長 春 市 鄭 州 市 石 家 庄 市 済 寧 市 が 布 置 される これらの 都 市 は 経 済 成 長 と 都 市 化 政 策 に 伴 い 近 未 来 に 規 模 が 大 きくなると 予 想 される ここでは この 象 限 の 中 で 消 費 規 模 成 長 力 指 数 とも 他 より 高 い 合 肥 市 徐 州 市 南 寧 市 濰 坊 市 について 説 明 する 合 肥 市 安 徽 省 の 省 都 で 行 政 施 設 石 油 関 連 のオフィスが 多 い 合 肥 工 業 大 学 や 中 国 科 学 技 術 大 学 などの 重 点 大 学 があることから 技 術 研 究 開 発 施 設 が 充 実 している 2004 年 中 国 科 学 技 術 部 の 承 認 を 得 て 合 肥 市 は 全 国 唯 一 の 国 家 科 学 技 術 イノベーション 実 証 都 市 となった 人 口 は516 万 人 都 市 GDPは2,102 億 元 徐 州 市 江 蘇 省 三 大 都 市 圏 の1つとして 全 国 の 重 要 な 機 械 工 学 食 品 建 材 工 業 の 集 積 地 として 中 国 工 業 の 主 力 拠 点 となっている 市 内 には 徐 州 経 済 技 術 開 発 区 があり 先 進 的 な 製 造 業 と 近 代 的 なサービス 業 がともに 発 達 している 人 口 は904 万 人 都 市 GDPは2,390 億 元 濰 坊 市 山 東 半 島 と 河 南 省 を 結 ぶ 交 通 の 要 地 にあり 膠 済 鉄 道 が 東 西 に 走 る 産 業 発 展 と 国 際 科 学 技 術 交 流 経 済 合 作 を 担 う 濰 坊 市 ハイテク 産 業 開 発 区 があり 現 在 投 資 ブームに 沸 いている 小 麦 や 落 花 生 など の 産 地 としても 有 名 である 人 口 は895 万 人 都 市 GDPは2,707 億 元 ポスト 三 大 都 市 の 人 口 成 長 都 市 の 人 口 ( 万 人 ) 3,000 2,867 人 口 成 長 力 指 数 100 ( 万 人 ) 3,000 人 口 成 長 力 指 数 100 2,500 2,000 71.9 61.5 57.9 62.2 62.3 75 2,500 2,000 66.1 59.9 57.0 56.5 75 1,500 1,233 50 1,500 50 1,000 500 877 655 810 25 1,000 500 516 904 895 659 25 0 重 慶 市 天 津 市 武 漢 市 長 沙 市 西 安 市 0 0 合 肥 市 徐 州 市 濰 坊 市 南 寧 市 0 ( 億 元 ) GDP 成 長 力 指 数 ( 億 元 ) GDP 成 長 力 指 数 8,000 7,522 100 8,000 100 6,000 4,000 2,000 6,530 71.9 ポスト 三 大 都 市 のGDP 61.5 4,621 62.2 57.9 3,745 62.3 2,724 80 60 40 20 6,000 4,000 2,000 66.1 2,102 成 長 都 市 のGDP 59.9 2,390 57.0 2,707 56.5 1,525 80 60 40 20 0 重 慶 市 天 津 市 武 漢 市 長 沙 市 西 安 市 0 0 合 肥 市 徐 州 市 濰 坊 市 南 寧 市 0 16

3. 消 費 規 模 成 長 力 から 有 望 都 市 を 導 く 南 寧 市 広 西 チワン 族 自 治 区 の 首 府 で チワン 族 が 全 市 人 口 の56%を 占 める 中 国 と 東 南 アジアとの 貿 易 重 要 都 市 で 中 国 政 府 の 西 部 大 開 発 政 策 の 対 象 地 域 でもある 広 西 北 部 湾 経 済 区 発 展 基 本 計 画 に 基 づい て 南 寧 北 海 欽 州 防 城 港 の4 市 で 構 成 する 北 部 湾 経 済 区 に 中 国 -アセアンの 物 流 商 業 貿 易 加 工 製 造 及 び 情 報 交 流 センター 基 地 の 建 設 が 進 行 している 人 口 は659 万 人 都 市 GDPは1,525 億 元 3.3 成 熟 都 市 ここには 群 を 抜 くメガ 都 市 の 上 海 市 北 京 市 広 州 市 深 圳 市 杭 州 市 のほかに 無 錫 市 南 京 市 東 莞 市 寧 波 市 青 島 市 など 日 本 人 に 馴 染 みの 都 市 が 並 ぶ 成 長 は 鈍 化 しているが 日 本 に 近 づいてきた 生 活 水 準 と 大 きな 消 費 規 模 から 多 くの 日 系 企 業 がマーケティング 活 動 をしている 世 界 中 のグローバル 企 業 が 集 まっており 競 争 は 熾 烈 である 17

Chapter 4 広域消費圏 から 有望都市を導く 18

4. 広 域 消 費 圏 から 有 望 都 市 を 導 く エリア 戦 略 に 役 立 つ 有 望 都 市 を 論 じてきたが 電 通 総 研 は これからは 有 望 都 市 だけを 見 た 戦 略 でなく 大 都 市 と 周 辺 都 市 を 合 わせた 消 費 圏 単 位 で 地 域 戦 略 を 考 察 することが 新 たなテーマになると 考 える 4.1 消 費 圏 戦 略 を 提 起 する 理 由 1990 年 代 から 今 まで 日 系 企 業 は 北 京 市 上 海 市 広 州 市 という 沿 海 部 の 三 大 都 市 (3A 都 市 )を 戦 略 の 中 心 においてきたといえよう 目 覚 ましい 勢 いで 消 費 水 準 が 上 がる 三 大 都 市 を 中 国 マーケティングの 成 功 基 準 とし まずはここでの 成 果 を 重 視 した しかし2010 年 代 の 今 三 大 都 市 に 匹 敵 する 大 都 市 の 数 はずっと 増 え 前 章 でみてきたように2A A 都 市 の 成 長 も 目 覚 ましい この 構 造 変 化 をビジネスチャンスとするために 電 通 総 研 は 大 都 市 を 核 に 近 隣 都 市 をまとめた 消 費 圏 で 地 域 戦 略 を 考 えることを 提 案 する 消 費 圏 単 位 で 考 えるビジネス 上 の 利 点 は 同 一 域 内 ならビジネスイン フラの 選 定 評 価 育 成 がしやすいこと 域 内 に 居 住 する 人 々の 価 値 観 消 費 意 識 が 似 ているので 商 品 開 発 や 広 告 販 促 立 案 がしやすく 実 施 効 果 も 得 やすいことである さらにいえば 広 く 東 西 南 北 に 点 在 する 大 都 市 を 往 復 してマーケティング 活 動 を 推 進 するのは 実 に 体 力 を 要 する 企 業 の 力 をどう 使 うか 消 費 圏 マーケティングは 不 必 要 な 疲 弊 は 避 けつつ 同 様 な 効 果 を 生 み 出 せる 可 能 性 を 秘 めている 大 都 市 以 外 の 都 市 を 含 む 消 費 圏 という 考 え 方 に 対 して 中 国 全 体 を 見 ているのに それでは 単 位 が 小 さくないか という 懸 念 もあるだろう しかし 電 通 総 研 が 提 唱 する 消 費 圏 は 大 規 模 である 後 述 する が 例 えば 上 海 消 費 圏 は 域 内 に 約 1 億 1,000 万 人 で 日 本 の 人 口 に 匹 敵 する 数 を 有 する こうした 大 規 模 な 消 費 圏 はこれから 各 地 に 起 こるだろう 19

4. 広 域 消 費 圏 から 有 望 都 市 を 導 く 4.2 広 域 消 費 圏 導 出 のアプローチ 消 費 圏 の 導 出 には 次 の2つのステップを 経 た (1) 中 核 都 市 の 選 定 まず 中 核 都 市 を 選 定 する これには 飛 行 機 の 都 市 間 運 航 本 数 に 着 目 した 社 会 学 の 分 野 で 人 モノ ビジネスの 動 きを 観 察 するのに 用 いられる ネットワーク 分 析 を 行 い 中 核 都 市 を 抽 出 した 分 析 の 結 果 北 京 市 上 海 市 広 州 市 深 圳 市 成 都 市 重 慶 市 西 安 市 杭 州 市 武 漢 市 青 島 市 昆 明 市 間 で 往 来 が 多 かった 哈 尔 濱 烏 木 斉 長 春 成 都 昆 明 西 安 重 慶 林 南 寧 太 原 海 口 鄭 州 武 漢 瀋 陽 北 京 天 津 大 連 青 島 長 沙 広 州 済 南 合 肥 南 深 圳 香 港 南 京 杭 州 門 州 上 海 台 北 1 日 15 以 上 1 日 10~14 飛 行 機 の 就 航 ネットワーク 図 (2) 消 費 圏 規 模 の 検 証 次 に 得 られた 中 核 都 市 から 鉄 道 や 高 速 道 路 で 比 較 的 短 時 間 で 移 動 できる 半 径 300km 以 内 を1つの 広 域 消 費 圏 と 規 定 して 圏 内 に 入 る 都 市 を 特 定 した 中 国 では300kmは 高 速 鉄 道 で1 時 間 圏 内 乗 用 車 で 片 道 3 時 間 の1 日 往 復 圏 内 日 常 の 移 動 範 囲 なので 消 費 圏 としての 一 体 感 があると 判 断 した 該 当 する 都 市 の 消 費 規 模 クラスと 成 長 度 を 検 討 した 結 果 北 京 を 中 心 とする 北 京 消 費 圏 上 海 を 中 心 とする 上 海 消 費 圏 重 慶 を 中 心 とする 重 慶 消 費 圏 広 州 を 中 心 とする 広 州 消 費 圏 の4つが 広 域 消 費 圏 であると 判 断 した 武 漢 市 西 安 市 は ポスト 三 大 都 市 として 都 市 単 体 では 非 常 に 有 望 だが 近 隣 にAクラス 以 上 の 都 市 が 非 常 に 少 なく 現 段 階 では 日 系 企 業 が 消 費 圏 として 捉 える には 十 分 な 規 模 がないと 判 断 した ただし 武 漢 市 西 安 市 青 島 市 昆 明 市 で 進 行 する 多 数 の 経 済 開 発 政 策 周 辺 都 市 のインフラ 向 上 内 需 拡 大 政 策 によって 早 晩 これらを 中 核 都 市 にした 広 域 消 費 圏 が 生 まれるだろう 経 過 を 注 意 深 く 観 察 していきたい 20

4. 広 域 消 費 圏 から 有 望 都 市 を 導 く 4.3 四 大 消 費 圏 の 構 造 ここから 四 大 消 費 圏 について それぞれの 構 造 的 な 特 徴 消 費 力 消 費 態 度 を 見 ながらマーケティング への 示 唆 を 導 きたい まずチャートと 表 で 四 大 消 費 圏 の 概 要 を 説 明 する 北 京 消 費 圏 上 海 消 費 圏 広 州 消 費 圏 重 慶 消 費 圏 圏 内 都 市 数 11 18 16 13 主 な 衛 星 都 市 天 津 唐 山 滄 州 石 家 庄 保 定 蘇 州 杭 州 南 京 無 錫 寧 波 深 圳 佛 山 東 莞 中 山 恵 州 成 都 遵 義 綿 陽 宣 賓 達 州 Aクラス 以 上 の 割 合 100% 88% 62% 46% 人 口 約 8,700 万 人 約 1 億 1,000 万 人 約 7,000 万 人 約 9,300 万 人 各 消 費 圏 の 概 要 成 長 力 指 数 75 成 長 力 指 数 75 70 70 65 滄 州 天 津 60 唐 山 55 保 定 50 石 家 庄 消 費 規 模 指 数 35 45 55 65 75 85 95 45 40 北 京 65 60 州 55 南 通 州 消 費 規 模 指 数 50 35 45 55 65 75 85 95 45 40 南 京 上 海 杭 州 35 35 寧 30 30 25 25 北 京 消 費 圏 上 海 消 費 圏 成 長 力 指 数 75 70 成 長 力 指 数 75 70 重 慶 65 65 60 60 55 消 費 規 模 指 数 50 35 45 55 65 75 85 95 45 40 広 州 佛 山 深 圳 55 成 都 消 費 規 模 指 数 50 35 45 55 65 75 85 95 45 40 35 東 莞 35 30 30 25 25 広 州 消 費 圏 重 慶 消 費 圏 3A 都 市 2A 都 市 A 都 市 B 都 市 の 大 きさは 人 口 四 大 消 費 圏 構 成 都 市 の 消 費 規 模 成 長 力 水 準 21

4. 広 域 消 費 圏 から 有 望 都 市 を 導 く 北 京 消 費 圏 中 核 都 市 である 北 京 市 はもちろん 衛 星 都 市 の 天 津 市 保 定 市 もそれぞれ1,000 万 人 以 上 の 巨 大 都 市 11 都 市 の 総 人 口 は 約 8,700 万 人 消 費 規 模 クラスでみると 北 京 消 費 圏 に 入 る11 都 市 はすべ てAクラス 以 上 北 京 市 の 成 長 力 指 数 はやや 低 いが 他 の 多 くは 中 国 の 平 均 より 高 い 上 海 消 費 圏 圏 内 人 口 は 約 1 億 1,000 万 人 四 大 消 費 圏 の 中 で 最 も 大 きく 最 も 人 口 密 度 が 高 い 消 費 圏 で ある 主 な 都 市 は 上 海 市 蘇 州 市 杭 州 市 成 長 力 指 数 は 中 国 平 均 より 低 めの 都 市 が 多 いが 消 費 規 模 指 数 が 大 きな 都 市 が 多 数 ある ほとんどの 都 市 がAクラス 以 上 である 広 州 消 費 圏 総 人 口 は 約 7,000 万 人 で 北 京 消 費 圏 上 海 消 費 圏 より 人 口 200 万 ~300 万 人 の 小 さめの 都 市 が 多 い 広 州 市 深 圳 市 佛 山 市 東 莞 市 などが 主 な 都 市 これらの 成 長 力 指 数 は 中 国 平 均 より 低 め Aクラス 以 上 の 都 市 の 比 率 は62% 重 慶 消 費 圏 西 部 にある 重 慶 消 費 圏 は 人 口 3,000 万 人 の 重 慶 が 突 出 して 規 模 成 長 力 とも 高 い そして 1,100 万 人 の 成 都 この2つの 巨 大 都 市 周 辺 に300 万 人 規 模 の 都 市 がある 総 人 口 は 約 9,300 万 人 現 状 は 重 慶 市 成 都 市 の2つに 支 えられており 続 くAクラス 都 市 として 綿 陽 市 遵 義 市 がある Aクラス 都 市 の 比 率 は46% 四 大 消 費 圏 の 人 口 構 成 にも 触 れておきたい ( 万 人 ) 2.2 9.1 20.0 28.0 28.5 43.1 82.1 94.1 85.5 64.7 59.3 48.5 69.6 65.9 63.2 65.7 44.2 43.8 北 京 市 85 以 上 80-84 75-79 70-74 65-69 60-64 55-59 50-54 45-49 40-44 35-39 30-34 25-29 20-24 15-19 10-14 5-9 0-4 917.6 男 性 計 総 人 口 ( 万 人 ) 1,822.8 60 15 50 35 ( 万 人 ) 3.4 11.8 22.8 33.4 33.3 45.6 82.2 95.9 82.7 64.4 58.9 42.8 62.8 61.9 55.9 61.3 44.7 41.4 女 性 計 905.2 ( 万 人 ) 0.9 3.1 6.3 9.3 10.9 17.6 28.1 30.6 31.4 33.2 29.1 24.1 27.9 34.4 22.9 18.5 21.7 24.4 唐 山 市 85 以 上 80-84 75-79 70-74 65-69 60-64 55-59 50-54 45-49 40-44 35-39 30-34 25-29 20-24 15-19 10-14 5-9 0-4 374.4 男 性 計 総 人 口 ( 万 人 ) 739.5 60 13 50 29 ( 万 人 ) 1.3 4.3 7.5 9.4 10.6 17.3 27.2 29.0 31.2 32.9 29.3 23.8 27.1 33.1 21.2 17.4 20.0 22.4 女 性 計 365.1 北 京 消 費 圏 人 口 動 態 22

4. 広 域 消 費 圏 から 有 望 都 市 を 導 く チャートは 北 京 消 費 圏 の 北 京 市 と 唐 山 市 の 人 口 ピラミッドである 北 京 市 は 唐 山 市 に 比 べて50 代 以 上 の 比 率 がやや 高 い 中 国 建 国 当 初 に 重 要 都 市 に 人 が 集 結 したこと 人 口 増 加 政 策 があったことの2つが 影 響 している 建 国 世 代 の 子 供 にあたる30~40 代 は 少 なめで その 後 は 一 人 っ 子 世 代 となる 北 京 市 は 唐 山 市 よりこの 偏 りが 顕 著 で 上 海 消 費 圏 の 上 海 市 広 州 消 費 圏 の 広 州 市 にも 同 じ 傾 向 がみられる 一 方 重 慶 消 費 圏 では3A 都 市 の 重 慶 市 とA 都 市 の 綿 陽 市 の 人 口 ピラミッドは 似 ている 沿 海 部 三 大 都 市 にやや 高 齢 化 の 傾 向 がみられ 内 陸 部 にはまだない 統 計 には 表 れないが どの 消 費 圏 でも 近 年 2AやA 都 市 に 十 分 雇 用 があるのでB C 都 市 から 若 い 労 働 者 が 流 入 している 北 京 上 海 広 州 の 三 大 都 市 には 全 国 から 大 学 生 が 集 まるが 就 職 が 難 しく 物 価 高 と 住 宅 購 入 難 から 出 身 地 に 戻 って 暮 らしたいと 考 える 若 者 が 出 ている この 点 からも 今 後 沿 海 三 大 都 市 周 辺 の 2A A 都 市 や 内 陸 部 の 規 模 の 大 きい 都 市 での 若 年 層 の 獲 得 はマーケティングのテーマになろう 4.4 四 大 消 費 圏 の 購 買 意 欲 ここからは 日 系 企 業 のターゲット 層 に 絞 って 各 消 費 圏 の 購 買 力 と 消 費 の 特 徴 を 見 ていく 本 レポートで は ターゲット 層 を 世 帯 月 収 3,000 元 以 上 の20~49 歳 の 男 女 ( 単 身 世 帯 を 除 く) とした まず 購 買 力 の 参 考 として 高 額 家 電 製 品 の 保 有 率 を 見 てみよう 沿 海 部 の 北 京 上 海 広 州 ではほとん どが 保 有 しているが 重 慶 では 保 有 率 が10%ほど 下 がる 次 に 同 じ 商 品 のいずれかを 今 後 半 年 以 内 に 買 いたい とする 購 入 意 向 率 を 見 た どの 消 費 圏 でもA 都 市 の 購 入 意 向 率 が3A 都 市 より2~3 倍 高 い この 差 が 概 ね 沿 海 部 と 内 陸 部 の 中 核 都 市 の 差 であり 消 費 圏 内 の 中 核 都 市 と 衛 星 都 市 の 差 と 考 えられる (%) 100 80 (%) 100 80 60 60 40 20 0 北 京 唐 山 上 海 南 通 広 州 中 山 重 慶 綿 陽 高 額 家 電 製 品 の 保 有 率 左 : 高 額 家 電 製 品 ( 液 晶 テレビ 電 子 レンジ ノートブックパソコン デジタルカメラ)のいずれかを 保 有 している 率 母 数 : 世 帯 月 収 3,000 元 以 上 の 世 帯 に 住 む20~49 歳 の 男 女 ( 単 身 世 帯 を 除 く) 右 : 高 額 家 電 製 品 いずれかの 購 入 意 向 率 母 数 : 世 帯 月 収 3,000 元 以 上 の 世 帯 に 住 む20~49 歳 の 男 女 ( 単 身 世 帯 を 除 く) 各 都 市 の 母 数 : 北 京 (N=2,483) 唐 山 (N=280) 上 海 (N=2,012) 南 通 (N=192) 広 州 (N=2,276) 中 山 (N=279) 重 慶 (N=1,255) 綿 陽 (N=245) 出 所 :CNRS2010 4.5 四 大 消 費 圏 の 消 費 行 動 とマーケティングへの 示 唆 40 20 0 北 京 唐 山 上 海 南 通 広 州 中 山 重 慶 綿 陽 高 額 家 電 製 品 の 購 入 意 向 率 次 に 四 大 消 費 圏 の 中 核 都 市 のデータを 見 ながら 各 圏 の 消 費 行 動 情 報 接 触 パタ-ンを 見 てみる 支 出 項 目 表 は4つの 中 核 都 市 の 支 出 項 目 を 示 している 北 京 は 文 化 活 動 教 育 への 支 出 が 他 圏 と 比 べて 多 く 広 州 は 娯 楽 への 支 出 が 際 立 って 多 い 食 料 日 用 品 通 信 文 化 活 動 & 教 育 娯 楽 住 宅 交 通 北 京 (N=2,483) 121 88 102 170 98 157 144 上 海 (N=2,012) 98 122 86 69 61 120 66 広 州 (N=2,276) 93 96 123 91 160 48 101 重 慶 (N=1,255) 88 94 88 70 80 76 88 各 支 出 項 目 の 平 均 値 を100とした 指 数 母 数 : 世 帯 月 収 3,000 元 以 上 の 世 帯 に 住 む20~49 歳 の 男 女 出 所 :CNRS2010 支 出 項 目 23

4. 広 域 消 費 圏 から 有 望 都 市 を 導 く 1980 年 代 改 革 開 放 で 真 っ 先 に 門 戸 を 開 いた 広 州 市 には 香 港 を 経 由 して 外 国 製 品 だけでなく 外 国 の 消 費 文 化 も 流 入 した エアロビクス モデルショー 美 人 コンテスト 競 馬 などの 娯 楽 は 広 州 経 由 で 初 め て 中 国 に 入 り 次 第 に 全 土 に 広 がった 広 州 人 の 娯 楽 熱 は 今 も 他 の 地 域 より 高 い 北 京 市 は 政 治 文 化 の 中 心 地 として 大 量 の 知 識 人 を 輩 出 してきた 大 学 などの 教 育 機 関 出 版 社 が 中 国 で 最 も 多 く 文 学 音 楽 現 代 美 術 が 盛 んである モノより 精 神 性 を 重 視 する 傾 向 があるため モノの 精 緻 さを 吟 味 しようとい う 気 持 ちがやや 弱 い 対 照 的 に 着 倒 れの 上 海 食 の 広 州 というように 上 海 広 州 は モノの 微 細 な 感 覚 を 楽 しみ 生 活 の 質 を 追 求 する ブランド 選 択 消 費 圏 別 に 高 額 家 電 のTVの 保 有 ブランドを 見 ると 重 慶 では 中 国 ブランドが 上 位 で こ こに 多 く 集 まっている 北 京 上 海 広 州 では1~4 位 ぐらいまでが1つの 山 で 保 有 ブランドがやや 分 散 する 傾 向 がみえる 同 じくTVの 購 入 意 向 ブランドを 見 ると 2つの 特 徴 が 見 える まず 北 京 上 海 広 州 では1 2 位 に 日 本 韓 国 またはオランダブランドが 入 っているが 重 慶 では1 位 は 中 国 ブランドである そして 保 有 ブランドと 同 様 重 慶 ではやはり1 位 のブランドに 多 く 集 まる 傾 向 がある 他 の 商 品 カテゴリでも 同 様 の 傾 向 が 見 られる 北 京 (N=3,225) % 上 海 (N=3,156) % 広 州 (N=2,702) % 重 慶 (N=1,019) % 中 国 A 14 オランダ 12 香 港 17 中 国 D 34 中 国 B 11 香 港 10 中 国 A 16 中 国 B 15 中 国 C 11 中 国 D 9 中 国 B 15 中 国 A 14 香 港 10 日 本 A 8 中 国 D 11 香 港 12 中 国 D 8 中 国 B 7 日 本 D 9 中 国 C 5 中 国 E 6 日 本 B 7 日 本 A 7 中 国 E 3 オランダ 6 中 国 F 6 韓 国 B 4 韓 国 A 2 日 本 A 5 日 本 C 6 中 国 C 4 韓 国 B 2 韓 国 A 5 日 本 D 6 オランダ 3 中 国 G 2 韓 国 B 4 中 国 A 5 日 本 B 3 日 本 A 2 母 数 : 世 帯 月 収 3,000 元 以 上 の 世 帯 に 住 む20~49 歳 の 男 女 で 世 帯 に 液 晶 テレビを 保 有 出 所 :CMMS2010 液 晶 テレビの 保 有 ブランド 北 京 (N=79) % 上 海 (N=135) % 広 州 (N=80) % 重 慶 (N=31) % 日 本 A 18 オランダ 27 日 本 A 20 中 国 D 26 オランダ 17 日 本 A 20 韓 国 B 14 香 港 13 中 国 C 10 韓 国 B 9 中 国 B 10 日 本 D 10 中 国 E 10 日 本 E 8 オランダ 9 日 本 E 10 中 国 A 9 中 国 D 4 香 港 9 日 本 A 7 香 港 8 韓 国 A 4 日 本 D 9 韓 国 B 7 中 国 D 6 香 港 4 日 本 B 6 オランダ 7 韓 国 B 6 日 本 D 4 日 本 E 5 中 国 C 7 日 本 B 4 中 国 E 2 韓 国 A 5 中 国 G 3 日 本 D 4 中 国 C 2 中 国 C 5 母 数 : 世 帯 月 収 3,000 元 以 上 の 世 帯 に 住 む20~49 歳 の 男 女 今 後 半 年 以 内 の 液 晶 テレビの 購 入 意 向 者 出 所 :CMMS2010 今 後 半 年 以 内 の 液 晶 テレビの 購 入 意 向 ブランド 24

4. 広 域 消 費 圏 から 有 望 都 市 を 導 く 消 費 意 識 こうした 実 態 を 裏 付 けるかのように 北 京 上 海 広 州 では 高 くても 外 国 ブランドを 買 いた い 高 くても 品 質 がよいモノを 買 いたい という 意 識 が 高 く 重 慶 ではどちらも 弱 い 重 慶 で 高 いのは 有 名 ブランド 品 はステータスを 高 める というもので おそらく 中 国 ブランドであっても 有 名 ブランド なら 彼 らのステータス 欲 求 は 満 たされると 考 えられる 高 くても 外 国 ブランドを 買 いたい 高 くても 品 質 の いものを 買 いたい 有 名 ブランド 品 は ステータスを 高 める 北 京 (N=3,228) 32 52 60 上 海 (N=3,156) 44 48 59 広 州 (N=2,710) 37 48 55 重 慶 (N=1,021) 12 33 66 0 50 100 (%) 0 50 100(%) 0 50 100(%) 母 数 : 世 帯 月 収 3,000 元 以 上 の 世 帯 に 住 む20~49 歳 の 男 女 出 所 :CMMS2010 消 費 意 識 購 買 に 影 響 を 与 えるメディア 購 買 に 影 響 を 与 えるメディアの 種 類 も 地 域 によって 異 なる 四 大 都 市 と も 第 1 位 はテレビからのメディアだが 北 京 ではインターネットが 上 位 にランクインして 新 聞 雑 誌 が 続 く 広 州 重 慶 ではバス 広 告 屋 外 大 画 面 LED 広 告 などの 順 位 が 高 い 上 海 でも 屋 外 媒 体 が 上 位 に 入 って いる 寒 い 時 期 が 長 い 北 京 では 室 内 でメディアに 接 する 時 間 が 長 くなり 暑 い 重 慶 広 州 では 屋 外 を 徘 徊 する 時 間 が 長 くなる 気 候 や 生 活 習 慣 によって 購 買 に 影 響 するメディアの 種 類 にも 地 域 差 が 生 じる 北 京 (N=3,417) % 上 海 (N=3,023) % 広 州 (N=3,939) % 重 慶 (N=1,838) % テレビ 54 テレビ 97 テレビ 98 テレビ 81 インターネット 46 新 聞 42 新 聞 74 新 聞 61 新 聞 28 インターネット 35 バス 広 告 44 屋 外 大 画 面 LED 広 告 33 雑 誌 12 屋 外 大 画 面 LED 広 告 21 インターネット 44 バス 広 告 33 ラジオ 10 バス 広 告 20 地 下 鉄 広 告 40 インターネット 33 ハイパー/ スーパーマーケット の 液 晶 テレビ 広 告 3 地 下 鉄 広 告 16 屋 外 大 画 面 LED 広 告 24 雑 誌 16 バス 広 告 2 雑 誌 15 屋 外 大 画 面 LED 広 告 2 地 下 鉄 広 告 1 母 数 :20~49 歳 の 男 女 オフィス/ 住 居 ビルの 液 晶 テレビ 広 告 ハイパー/スーパー マーケットの 液 晶 テ レビ 広 告 9 ハイパー/ スーパーマーケット の 液 晶 テレビ 広 告 オフィス/ 住 居 ビルの 液 晶 テレビ 広 告 19 18 ハイパー/ スーパーマーケット の 液 晶 テレビ 広 告 オフィス/ 住 居 ビルの 液 晶 テレビ 広 告 9 ラジオ 12 ラジオ 6 購 買 に 影 響 を 与 えるメディア 15 7 出 所 :CNRS2010 政 策 法 令 2008 年 から2011 年 にかけて 内 陸 部 を 対 象 に 家 電 下 郷 汽 車 下 郷 政 策 が 実 施 された 下 郷 は 田 舎 にやってきた という 意 味 で 農 村 の 生 活 水 準 を 上 げるために 政 府 指 定 のブランドを 買 うと キャッシュバックされる 優 遇 制 度 である この 政 策 は 消 費 を 刺 激 したが 逆 に 上 海 市 北 京 市 では 急 増 す る 乗 用 車 に 社 会 インフラが 追 いつかず 乗 用 車 の 保 有 制 限 が 施 行 された 中 国 は 省 ごと 時 には 市 ごとに 法 が 異 なるので あるマーケティング 施 策 が 別 の 地 域 では 制 約 を 受 ける 場 合 がある 25

4. 広 域 消 費 圏 から 有 望 都 市 を 導 く 以 上 のように 中 国 では 消 費 態 度 のエリア 差 がかなり 大 きい どの 地 域 都 市 に 進 出 しようと 最 終 需 要 者 は 消 費 者 である 日 本 で 耳 にした 中 国 の 一 般 的 情 報 や 日 本 での 経 験 をベースに 進 出 先 のマーケティン グのシナリオを 立 てるのは 好 ましくない 進 出 地 域 の 実 状 を 冷 静 に 観 察 するためにしっかりした 調 査 を 行 い 自 社 商 品 の 受 容 性 が 高 い 都 市 を 選 び 地 域 に 即 したマーケティング 戦 略 を 立 てることが 肝 要 である この 労 を 省 くと 期 待 に 反 して 現 実 の 成 果 は 遠 のく 3A 都 市 2A A 都 市 北 京 消 費 圏 上 海 消 費 圏 広 州 消 費 圏 重 慶 消 費 圏 成 熟 化 ニーズの 高 度 化 細 分 化 品 質 志 向 / 外 国 ブランド 志 向 高 成 長 15~49 歳 の 人 口 が 多 め 高 い 購 買 意 欲 外 国 ブランド 志 向 四 大 消 費 圏 消 費 規 模 クラス 別 の 特 徴 一 覧 高 成 長 15~49 歳 の 人 口 が 多 め 有 名 ブランド 志 向 外 国 ブランド 志 向 の 兆 し 高 成 長 15~49 歳 の 人 口 が 多 め 高 い 購 買 意 欲 有 名 ブランド 志 向 26

Chapter 5 効果効率を重視して エリア戦略を立案する 27

5. 効 果 効 率 を 重 視 してエリア 戦 略 を 立 案 する 5.1 China BtoC Market Power Index 2011 のまとめ 中 国 市 場 は 複 雑 化 している 日 本 は 人 口 1 億 人 強 の 国 で 首 都 圏 近 畿 圏 の2カ 所 に 人 も 購 買 力 も 集 中 し ているが 中 国 は 全 く 構 造 が 異 なる マーケティングターゲットになり 得 る 大 都 市 が 東 西 南 北 に 勃 興 し 今 後 も 増 加 していくだろう 巨 大 さにスピードと 複 雑 さが 加 わった 中 国 の 理 解 を 助 けるために 電 通 総 研 は 消 費 規 模 指 標 消 費 規 模 クラス(3A-D) 成 長 力 指 標 の3つの 指 標 を 開 発 した 有 望 都 市 抽 出 の 切 り 口 の1つ 目 として 消 費 規 模 と 成 長 力 指 標 を 合 わせたマトリックス 分 析 を 行 い 中 核 都 市 + 衛 星 都 市 による 消 費 圏 の 分 析 も 追 加 した マトリックス 分 析 は 現 状 把 握 と 将 来 の 予 測 に 役 立 ち 消 費 圏 分 析 は 効 果 効 率 よくマーケットを 拡 大 していくのに 役 立 つであろう 今 まで 述 べてきたことをまとめると; 1 内 陸 部 には 成 長 都 市 が 数 多 く 見 られるが 企 業 にとってリターンが 期 待 できる 都 市 は 消 費 規 模 の 大 き い 都 市 である 2 規 模 を 狙 うなら 離 れた 距 離 に 点 在 する 大 都 市 を 狙 うより 近 隣 都 市 を 束 ねた 広 域 消 費 圏 ベースでマー ケティング 展 開 する 方 が 効 果 効 率 は 良 い 3 中 国 では 現 在 4つの 広 域 消 費 圏 がある 広 域 消 費 圏 は 今 後 増 えていく 4 沿 海 部 の3A 都 市 は 成 熟 段 階 に 入 っているが A 都 市 は 成 長 段 階 にある 内 陸 部 は3A Aにかかわら ず 成 長 段 階 である 5 広 域 消 費 圏 ごとに 消 費 行 動 は 大 きく 異 なる 各 消 費 圏 のマーケティングノウハウもそれぞれ 違 う 5.2 エリア 戦 略 の 方 向 性 地 域 戦 略 立 案 においては 上 記 に 加 えて 企 業 は 自 社 ブランドの 浸 透 状 況 中 国 実 務 経 験 これまでの マーケティング 投 資 に 対 する 効 果 も 考 慮 する 必 要 があろう 中 国 は 実 に 体 力 を 必 要 とする 市 場 である エ リアがどこであろうと 競 争 力 と 投 資 が 伴 わなければ 効 果 は 上 げにくい 現 在 までのところ 日 本 企 業 の 多 くが 沿 海 部 の3A 2A 都 市 を 中 心 に 活 動 していることから 電 通 総 研 は 既 に 沿 海 部 3A 都 市 でブランド 認 知 プレゼンスを 得 ている 企 業 沿 海 部 3A 都 市 で 苦 戦 している 企 業 中 国 にこれから 進 出 する 企 業 の3つに 分 けて 今 後 のエリア 戦 略 を 提 案 する (1) 既 に 沿 海 部 3A 都 市 でプレゼンスを 得 ている 企 業 内 陸 部 の 広 域 消 費 圏 に 進 出 する 沿 海 部 3A 都 市 で 既 に 一 定 のブランド 認 知 やマーケットシェアを 築 いている 企 業 は 元 来 ブランド の 競 争 力 が 高 い これまで 中 国 に 大 きなマーケティング 投 資 をしてきた 進 出 早 期 の 立 ち 上 がり が 良 かった などの 経 緯 がある こうした 企 業 は 仮 に 沿 海 部 にまだ 十 分 制 覇 していない 都 市 がある としても 2A A 都 市 の 成 長 を 機 会 として 捉 えることができる 次 のステップは ポスト 三 大 都 市 に 布 置 されている 内 陸 部 の 大 都 市 に 進 出 し 最 初 から 周 辺 のA 都 市 まで 視 野 に 入 れて 面 で 掌 握 するこ とだろう 重 慶 消 費 圏 いずれ 消 費 圏 化 する 西 安 市 武 漢 市 長 沙 市 瀋 陽 市 などが 対 象 になる 積 極 的 に 内 陸 部 に 取 り 組 み 早 くリーダーポジションを 掌 握 し 競 合 に 対 する 参 入 障 壁 を 作 るべきだと 考 える (2) 沿 海 部 3A 都 市 で 苦 戦 している 企 業 沿 海 部 の 広 域 消 費 圏 で 独 自 のポジションを 築 く 沿 海 部 の3A 都 市 は 競 争 が 激 しい 成 長 力 が 高 い 内 陸 部 に 目 を 向 けるか 経 験 を 蓄 積 してきた 沿 海 部 28

5. 効 果 効 率 を 重 視 してエリア 戦 略 を 立 案 する 北 京 天 津 西 安 成 都 重 慶 武 漢 上 海 北 京 消 費 圏 上 海 消 費 圏 重 慶 消 費 圏 広 州 消 費 圏 広 州 深 圳 沿 海 部 3A 都 市 でプレゼンスを 得 ている 企 業 の 進 出 例 で 引 き 続 き 戦 うか この 選 択 肢 に 関 しては 沿 海 部 を 選 ぶ 方 が 現 実 的 だと 考 える 内 陸 部 の 生 活 水 準 は 家 電 下 郷 汽 車 下 郷 政 策 のおかげで 高 まったが 生 活 者 の 個 々の 商 品 に 対 する 品 質 志 向 はまだ 弱 く 購 買 意 思 決 定 時 に 考 察 する 要 素 もシンプルである 内 陸 部 では 沿 海 部 と 異 なる 商 品 を 開 発 しな ければならない 可 能 性 があり 有 名 ブランドとして 認 知 されるための 大 きな 投 資 も 必 要 となる そし て ここでの 競 争 相 手 は 日 本 の 常 識 では 考 えられない 施 策 を 打 ってくる 中 国 系 企 業 であり 対 抗 策 に 苦 慮 するだろう 内 陸 部 か 沿 岸 部 か 結 論 が 出 にくい 場 合 は 消 費 が 高 度 化 する 沿 海 部 のトレンドを 睨 み これまでのや り 方 を 再 点 検 して サブカテゴリを 創 造 するなり 新 しいブランドポジションを 取 るなりして 沿 岸 部 で 成 長 の 芽 を 見 つける 方 が 実 際 的 ではなかろうか 日 系 企 業 が 多 い 上 海 消 費 圏 は1 億 人 市 場 であ る 独 自 のポジションで 複 数 都 市 を 束 ねることができれば 3A 都 市 単 体 よりも 大 規 模 商 圏 を 形 成 で きる 比 較 的 競 合 が 少 ない 沿 海 部 A 都 市 での 積 極 的 な 販 売 活 動 は 3A 都 市 より 効 果 を 生 む 可 能 性 も ある (3) 中 国 にこれから 進 出 する 企 業 沿 海 部 の2A 都 市 から 入 って 広 域 消 費 圏 を 制 覇 する 後 れて 進 出 する 企 業 の 商 品 は 成 熟 市 場 向 けで 必 ずしもマスを 狙 う 商 品 ではないケースが 散 見 され る たとえニッチ 商 品 でも 北 京 市 上 海 市 などの 競 争 が 激 しい 巨 大 都 市 に 進 出 するより 上 海 市 に 準 ずる 消 費 規 模 を 持 つ2A 都 市 で 地 盤 を 築 き 周 辺 都 市 に 展 開 していく 戦 略 を 提 案 したい 例 えば 上 海 消 費 圏 の2A 都 市 には 無 錫 市 南 通 市 南 京 市 がある 2A 都 市 のどこをベースにするか 他 都 市 にどのよ うに 広 げていくか 進 出 ステップを 入 念 に 検 討 することを 提 案 したい 29

5. 効 果 効 率 を 重 視 してエリア 戦 略 を 立 案 する 城 市 の 太 さは 進 出 の 順 3A 2A A B 州 市 州 市 江 市 常 州 市 南 京 市 無 錫 市 南 通 市 蘇 州 市 上 海 市 城 市 湖 州 市 興 市 山 市 杭 州 市 興 市 寧 波 市 金 華 市 中 国 にこれから 進 出 する 企 業 の 進 出 例 上 海 消 費 圏 を 例 として 過 去 20 年 間 高 度 成 長 一 色 だった 中 国 に 現 在 成 熟 化 市 場 と 成 長 市 場 が 混 在 している 参 入 都 市 の 選 択 肢 は これから 更 に 増 えていくだろう 選 択 肢 が 増 えるということは ビジネスの 機 会 もま た 増 えるということである 本 分 析 が 中 国 での 機 会 発 見 の 礎 になり 日 本 企 業 に 成 功 事 例 が 増 えて いくことを 願 う 電 通 総 研 では 各 種 データベースを 用 いて クライアント 企 業 の 実 情 に 合 ったエリア 戦 略 のご 提 案 を 致 します 30

分 析 アドバイザー 慶 應 義 塾 大 学 経 済 学 部 稲 葉 由 之 教 授 工 学 博 士 株 式 会 社 住 信 基 礎 研 究 所 小 樽 商 科 大 学 商 学 部 助 教 授 総 務 省 統 計 研 修 所 教 授 一 橋 大 学 経 済 研 究 所 客 員 教 授 などを 経 て 現 職 研 究 領 域 は 統 計 科 学 計 量 経 済 学 標 本 調 査 論 研 究 テーマ:ミクロデータを 用 いた 計 量 経 済 分 析 と 不 完 全 データに 関 する 研 究 を 行 っている 現 在 は 政 府 統 計 のミクロデータに 基 づいて 家 計 資 産 の 世 代 間 移 転 に 関 する 実 証 研 究 を 進 めている また 統 計 調 査 に 対 する 協 力 度 が 低 くなるこ とでデータが 得 られなくなる 状 況 への 分 析 上 の 対 応 についても 研 究 している 最 近 の 論 文 著 書 有 業 者 方 式 と 労 働 力 方 式 に 基 づく2 種 類 の 失 業 者 の 比 較 日 本 経 済 研 究 56 52-69, 2007 中 国 農 家 における 公 正 と 効 率 ( 第 I 部 第 4 章 補 論 資 料 を 執 筆 ) 多 賀 出 版 2005 不 完 全 データの 統 計 解 析 手 法 とそのソフトウェアの 比 較 計 算 機 統 計 学 18 79-94 2005 分 析 アドバイザー 神 戸 大 学 大 学 院 経 営 管 理 学 研 究 科 黄 磷 教 授 商 学 博 士 小 樽 商 科 大 学 商 学 部 助 教 授 神 戸 大 学 経 営 学 部 助 教 授 神 戸 大 学 大 学 院 経 営 学 研 究 科 助 教 授 を 経 て 現 職 研 究 領 域 はマーケティング 流 通 システム 研 究 テーマ:グローバル マーケティング 流 通 システムのダイナミックスに 関 する 理 論 研 究 と 実 証 分 析 中 国 の 流 通 システムと 企 業 行 動 についても 研 究 を 進 め ている 特 に 日 米 欧 企 業 の 中 国 市 場 戦 略 に 関 する 研 究 中 国 経 済 の 市 場 化 と 流 通 システムの 発 展 に 関 する 研 究 などを 行 っている 最 近 の 論 文 著 書 G-SCN SCMの 理 論 発 展 と 実 践 : 日 中 比 較 神 戸 大 学 国 際 交 流 学 術 ワークショップ 論 文 集 2011 第 5 章 商 業 流 通 構 造 転 換 期 の 中 国 経 済 世 界 思 想 社 2010 第 13 章 小 売 業 の 空 間 的 変 容 - 中 国 の 都 市 における 商 業 人 口 と 中 心 地 性 の 変 化 小 売 業 革 新 千 倉 書 房 2009 中 国 市 場 における 小 売 国 際 化 ~ 日 米 欧 小 売 企 業 の 事 業 展 開 ~ 小 売 企 業 の 国 際 展 開 中 央 経 済 社 2009 データ 出 所 : 中 国 都 市 統 計 年 鑑 中 国 国 家 統 計 局 省 別 統 計 年 鑑 China National Resident Survey 2010 China Marketing and Media Study 2010 2008 年 版 2010 年 版 2008 年 版 2010 年 版 2008 年 版 2010 年 版 CTR 央 視 市 場 研 究 股 份 有 限 公 司 SINOMONITOR 新 生 代 市 場 観 監 測 機 構 31

<プロジェクトメンバー> 安 江 真 理 子 電 通 総 研 グローバル インサイト 部 研 究 主 幹 米 田 吉 宏 電 通 総 研 グローバル インサイト 部 研 究 員 解 明 明 電 通 総 研 グローバル インサイト 部 研 究 員 小 島 哲 郎 北 京 電 通 広 告 有 限 公 司 策 略 開 発 本 部 本 部 長 金 軼 倫 北 京 電 通 広 告 有 限 公 司 メディア 統 括 センターリサーチ 部 総 監 韓 雲 珠 北 京 電 通 広 告 有 限 公 司 メディア 統 括 センターリサーチ 部 リサーチャー 崔 光 北 京 電 通 広 告 有 限 公 司 国 際 事 業 本 部 シニア 総 監 <プロジェクト 企 画 > 小 宮 源 太 郎 電 通 執 行 役 員 北 京 電 通 広 告 有 限 公 司 総 経 理 広 瀬 哲 治 電 通 総 研 所 長 角 館 安 伸 電 通 総 研 グローバル インサイト 部 部 長 < 協 力 > 電 通 マーケティングインサイト 中 国 部 Dentsu 2012. All rights reserved. 本 稿 の 無 断 転 載 引 用 を 固 くお 断 りします 32