1.はじめに 台 湾 における 知 的 財 産 権 保 護 の 現 状 米 国 通 商 代 表 部 (USTR)は 2009 年 1 月 17 日 ( 米 国 東 部 時 間 1 月 16 日 ), 今 年 度 のスペシャル 301 条 の 監 視 国 リスト(Watch List)から 台 湾 を 除 外 すると 発 表 した ここ 数 年, 台 湾 では 模 倣 品 海 賊 版 ( 以 下, 模 倣 品 という )の 摘 発 強 化, 知 的 財 産 権 制 度 の 大 幅 な 改 正 が 行 われてきた が,これらの 取 り 組 みが 認 められた 結 果 といえる これらの 取 り 組 みは,スペシャル 301 条 を 武 器 にした 米 国 の 圧 力 も 一 因 であるといえるが, 面 積 が 日 本 の 九 州 程 度 しかなく,また, 資 源 も 乏 しく, 経 済 の 更 なる 発 展 には, 海 外 からの 投 資 拡 大 が 必 須 であり,そのためには, 投 資 環 境 のより 一 層 の 整 備 が 不 可 欠 であることを 台 湾 当 局 自 体 が 認 識 し ていたことも 一 因 といえる そのため, 台 湾 当 局 は,2002 年 5 月 31 日 に 公 表 された チャレンジ 2008- 国 家 発 展 重 点 計 画 の 修 正 版 (2005 年 1 月 31 日 公 表 )に, 台 湾 内 外 のハイテク 企 業 による 台 湾 投 資 を 呼 び 込 み, 経 済 を 持 続 的 に 成 長 させるため, 知 的 財 産 権 制 度 の 更 なる 充 実 を 重 点 事 項 として 盛 り 込 んだ 1 また, 知 的 財 産 権 保 護 のため, 関 係 機 関 が 何 を すべきかを 定 めた 知 的 財 産 権 保 護 徹 底 の 行 動 3 Current state of intellectual property right protection in Taiwan What Japanese companies should do 年 計 画 (2003 年 ~2005 年 ), 知 的 財 産 権 保 護 行 動 貫 徹 計 画 (2006 年 ~2008 年 ) 2 を 策 定 し, 大 幅 な 知 的 財 産 権 制 度 の 改 正 に 着 手 した しかしながら,これら 知 的 財 産 権 制 度 の 改 正 に は, 主 たる 台 湾 の 知 的 財 産 権 制 度 のユーザーであ る 台 湾 企 業 に 加 え, 欧 米 企 業 の 要 望 は 大 幅 に 反 映 されているが, 外 国 ユーザーとしては 出 願 件 数 が 最 も 多 く,また, 台 湾 にとって 重 要 な 貿 易 相 手 国 である 日 系 企 業 の 要 望 が 反 映 されているものは 非 常 に 少 ない 3 筆 者 は,2005 年 7 月 ~2008 年 6 月 まで, 特 許 庁 から 財 団 法 人 交 流 協 会 台 北 事 務 所 に 派 遣 され, 台 湾 当 局, 日 米 欧 の 企 業 現 地 商 工 会 議 所 と 交 流 す る 機 会 を 得 たが, 当 地 での 議 論 を 通 して, 日 系 企 業 の 要 望 が 反 映 されないのは, 台 湾 の 知 的 財 産 権 問 題 に 対 する 日 系 企 業 自 身 の 取 り 組 み 姿 勢 が 原 因 の 一 つではないかと 感 じた * 松 本 征 二 Seiji MATSUMOTO 抄 録 現 在, 台 湾 では 知 的 財 産 権 制 度 の 大 幅 な 改 正 が 進 行 中 である こうした 動 きの 中 で, 日 系 企 業 は 自 らの 利 益 を 守 るため 何 をすべきか, 日 米 欧 企 業 の 活 動 を 比 較 しながら 私 見 を 述 べる そこで, 本 稿 では, 先 ず, 近 年 の 台 湾 における * 特 許 庁 審 判 部 審 判 官 ( 前 ( 財 ) 交 流 協 会 台 北 事 務 所 経 済 部 主 任 ) Appeals Examiner of Appeals Department, JPO (Former Director, Economic Section Interchange Association (Japan) Taipei Office) 36
知 的 財 産 権 制 度 改 正 の 概 要 を 紹 介 し, 次 に, 模 倣 品 の 摘 発 や 知 的 財 産 権 制 度 改 正 に 向 けて,ユーザ ーである 企 業 がどのように 取 り 組 んできたのか, 日 米 欧 企 業 の 活 動 を 比 較 し, 最 後 に, 現 在 の 日 系 企 業 の 取 り 組 みを 紹 介 するとともに, 今 後 日 系 企 業 が 行 うべき 点 について 私 見 を 述 べたい 2. 近 年 の 台 湾 における 知 的 財 産 権 制 度 改 正 の 概 要 (1) 知 的 財 産 権 関 連 法 の 整 備 1 専 利 法 台 湾 では, 専 利 法 が, 日 本 の 特 許 法, 実 用 新 案 3 著 作 権 法 1928 年 の 制 定 以 来,14 回 の 改 正 を 経 て, 現 行 法 は 2007 年 に 施 行 された 1985 年 の 法 改 正 以 前 は 登 録 保 護 主 義 を 採 用 していたが,1985 年 以 降 は 創 作 保 護 主 義 を 採 用 している 現 在, 使 用 者 がイン ターネット サービス プロバイダー(ISP)の 提 供 するサービスを 利 用 して 他 人 の 著 作 権 又 は 製 版 権 を 侵 害 した 場 合, 責 任 を 負 わないことを 主 張 で きる 範 囲 及 び 要 件 を 明 確 化 した 著 作 権 法 の 改 正 が 検 討 されており, 改 正 案 は 2008 年 10 月 1 日 に 立 法 院 ( 日 本 の 国 会 に 相 当 )に 送 付 され 審 議 中 であ る 法, 意 匠 法 に 相 当 する 2002 年 1 月 の WTO 加 盟 前 後 に 数 度 改 正 され, 異 議 申 立 て 廃 止, 実 用 新 案 の 無 審 査 登 録 等 が 規 定 されている 現 行 法 は 2004 年 7 月 1 日 に 施 行 された 現 在, 智 慧 財 産 局 ( 日 本 の 特 許 庁 に 相 当 するが, 専 利 法, 商 標 法 に 加 え, 著 作 権 法 も 所 管 )は 大 幅 な 見 直 しに 着 手 しており, 特 許 関 連 部 分 では, 動 植 物 の 特 許 保 護, 特 許 権 の 効 力 が 及 ばない 範 囲 の 明 確 化, 間 接 侵 害 規 定 の 創 設 等, 実 用 新 案 関 連 部 分 では, 特 許 と 実 用 新 案 の 同 時 出 願 の 許 容, 技 術 評 価 書 作 成 前 の 意 見 陳 述 機 会 の 創 設 等, 意 匠 関 連 部 分 では, 部 分 意 匠 制 度 の 創 設, 組 物 の 意 匠 保 護 制 度 の 創 設,コンピュータ のアイコンやユーザーインターフェイスの 保 護 等 が 検 討 されている 4 智 慧 財 産 法 院 の 設 立 台 湾 の 司 法 は, 民 事 及 び 刑 事 を 扱 う 一 般 裁 判 所 と, 行 政 事 件 を 扱 う 行 政 裁 判 所 の 2 つのルートが あり, 例 えば, 特 許 権 侵 害 訴 訟 が 提 起 された 場 合, 侵 害 訴 訟 は 一 般 裁 判 所 に 係 属 するが, 当 該 特 許 権 に 対 する 智 慧 財 産 局 の 無 効 審 判 の 審 決 に 不 服 の 場 合 は 行 政 裁 判 所 に 係 属 されるため, 審 理 の 遅 延 と 判 断 の 不 統 一 が 問 題 視 されていた そのため, 民 事 刑 事 行 政 を 一 括 して 扱 う 台 湾 で 最 初 の 裁 判 所 として,2008 年 7 月 1 日 に 智 慧 財 産 法 院 が 設 立 され, 裁 判 官 8 名 と 智 慧 財 産 局 から 出 向 した 技 術 調 査 官 9 名 で 業 務 を 開 始 した 知 的 財 産 案 件 の 審 理 方 式 は,2007 年 3 月 28 日 に 公 布 された 智 慧 財 産 案 件 審 理 法 に 規 定 されており, 特 許 権 侵 害 訴 訟 2 商 標 法 音 声 及 び 立 体 形 状 の 商 標 保 護, 商 標 権 侵 害 の 範 の 中 で 権 利 の 有 効 性 の 判 断 をすることができるよ うになっている 囲, 水 際 管 制 措 置 等 が 規 定 されている 現 行 商 標 法 は,2003 年 11 月 28 日 に 施 行 された 智 慧 財 産 局 は, 商 標 法 についても 大 幅 な 見 直 しに 着 手 してお り, 保 護 対 象 範 囲 の 拡 大, 国 際 消 尽 の 明 確 化, 産 地 証 明 の 標 章 と 産 地 による 団 体 商 標 の 保 護 の 強 化, 権 利 侵 害 行 為 の 態 様 の 明 確 化 等 が 検 討 されている 5 専 利 師 法 の 制 定 立 法 院 に 法 案 を 送 付 後, 約 20 年 を 経 て 2008 年 1 月 11 日 に 施 行 された 業 務 範 囲, 専 利 師 になる には 専 利 師 試 験 に 合 格 すること, 専 利 師 公 会 ( 日 本 の 弁 理 士 会 に 相 当 )の 設 立 等 が 規 定 されている 37
法 案 成 立 に 時 間 を 要 した 原 因 は, 専 利 師 法 施 行 以 前 に 出 願 代 理 を 行 っていた 専 利 代 理 人 4 をどの ように 扱 うかの 一 点 で, 法 律 施 行 前 に 1 年 間 の 業 務 経 験 があり, 且 つ 法 律 施 行 後 3 年 以 内 に 専 業 訓 練 を 修 了 すれば, 無 試 験 で 専 利 師 資 格 が 得 ら れることで 妥 協 が 成 立 した また, 模 倣 品 の 品 質 に 対 する 評 価 は, 回 答 企 業 の 中 で 真 正 品 と 遜 色 がない 又 は 真 正 品 より やや 劣 る と 回 答 した 企 業 が 約 55%で, 真 正 品 よりかなり 劣 る, 不 明 又 は 無 回 答 の 約 45% を 上 回 っており, 台 湾 の 模 倣 品 の 品 質 は 高 いとい える (2) 模 倣 品 摘 発 の 強 化 1 保 護 智 慧 財 産 権 警 察 大 隊 ( 通 称 保 智 大 隊 )の 創 設 2003 年 1 月 に, 模 倣 品 の 摘 発 を 専 門 に 行 う 警 察 部 隊 として 創 設 された 隊 員 数 は 約 220 人 で, 台 北, 桃 園, 台 中, 嘉 義, 高 雄, 花 蓮 の 6 都 市 に 分 隊 を 配 置 し,24 時 間 態 勢 で 模 倣 品 の 摘 発 を 行 って いる 2 保 智 大 隊 による 摘 発 件 数 の 日 米 欧 比 較 比 較 的 多 くの 日 系 企 業 が 台 湾 で 模 倣 被 害 に 遭 っ ているが, 取 締 当 局 によりしっかりと 摘 発 がされ ているかというとそうではない 図 1 は, 保 智 大 隊 による 摘 発 件 数 の 権 利 者 国 別 統 計 である 6 権 利 者 の 国 籍 が 欧 米 の 場 合 と 比 較 すると, 日 本 籍 の 場 合 は, 商 標 法 違 反, 著 作 権 法 違 反 とも 摘 発 件 数 が 著 しく 少 ないことが 明 らかである これは, 台 湾 の 消 費 者 にとって, 日 本 製 品 のニーズが 低 いこと 2 水 際 での 摘 発 の 強 化 商 標 権, 著 作 権 の 侵 害 物 品 の 輸 出 入 を 防 止 する ため, 税 関 では 商 標 権 侵 害 物 品 及 び 著 作 権 侵 害 物 品 の 輸 出 入 の 摘 発 又 は 情 報 提 供 の 申 請 制 度 を 設 けている この 制 度 は, 台 湾 の 登 録 商 標 又 は 台 湾 で 保 護 をうけることができる 著 作 物 について 権 利 者 が 登 録 を 行 うと, 台 湾 全 土 の 税 関 で 情 報 が 共 有 され, 侵 害 の 疑 いがある 物 品 を 発 見 した 場 合, 速 やかに 権 利 者 に 通 報 されるシステムである 3. 日 米 欧 企 業 の 活 動 比 較 (1) 模 倣 品 の 摘 発 について 1 台 湾 における 日 系 企 業 の 模 倣 被 害 の 実 態 5 特 許 庁 が 実 施 した 2007 年 度 模 倣 被 害 実 態 調 査 によると, 回 答 のあった 企 業 の 23%が 模 倣 被 害 あり と 回 答 しており,そして, 模 倣 被 害 あ り と 回 答 した 企 業 の 内, 約 30%の 企 業 が, 台 湾 で 模 倣 被 害 に 遭 っている この 割 合 は, 中 国 に 次 いで 2 番 目 に 多 い 数 字 である を 意 味 しているのではない むしろその 逆 で, 日 本 製 品 は 高 品 質 安 全 であるとの 評 価 が 高 く, 電 子 機 器, 食 品, 医 薬 品 等, 多 くの 日 本 製 品 が 販 売 されており,また, 台 湾 では 日 本 化 に 関 心 が 高 い 者 が 多 いため,キャラクターグッズ, 音 楽 TV ドラマ 等 の CD DVD も 多 く 販 売 されている 消 費 者 のニーズが 高 くなるほど 模 倣 品 も 多 くなるが, 権 利 者 が 日 本 籍 の 摘 発 件 数 が 少 ないのは, 欧 米 企 業 の 製 品 と 比 較 して 日 本 製 品 のニーズが 低 いので はなく, 単 に 模 倣 品 が 摘 発 されていないだけであ る 3 権 利 者 が 日 本 籍 の 摘 発 が 少 ない 理 由 台 湾 の 夜 市 や 電 気 街 を 歩 くと, 一 見 して 権 利 者 が 日 本 籍 の 模 倣 品 とわかる 製 品 を 多 く 見 かけるが, 何 故 摘 発 件 数 が 少 ないのか 最 も 大 きな 原 因 は, 権 利 者 側 の 模 倣 品 摘 発 に 対 する 姿 勢 の 違 いといえ る 警 察, 税 関 は, 職 権 で 模 倣 品 の 摘 発 をすること 38
1200 ( 件 ) 1000 800 844 901 著 作 権 商 標 600 400 200 0 20 590 342 434 329 156 95 215 91 141 161 38 53 2007 年 2008 年 2007 年 2008 年 2007 年 2008 年 2007 年 2008 年 日 本 米 国 欧 州 台 湾 図 1 2007 年,2008 年 の 保 智 大 隊 による 摘 発 件 数 数 値 は, 保 智 大 隊 HP から 引 用 写 真 : 日 系 企 業 のキャラクターグッズの 模 倣 品 倉 庫 摘 発 の 様 子 ( 第 4 回 工 商 会 知 財 委 員 会 勉 強 会 : 保 智 大 隊 蘇 副 大 隊 長 講 演 資 料 からの 引 用 ) が 可 能 であるが, 立 件 するためには, 権 利 者 が 真 贋 鑑 定 を 行 い, 模 倣 品 であることを 確 認 する 必 要 がある 警 察 による 摘 発 の 場 合, 憲 法 及 び 刑 事 訴 訟 法 では, 逮 捕 から 24 時 間 以 内 に 所 管 裁 判 所 に 被 疑 者 を 移 送 できない 場 合 は, 被 疑 者 を 釈 放 しなけ ればならないと 規 定 されており,また, 税 関 の 水 際 取 締 りの 場 合, 税 関 が 商 標 権 及 び 著 作 権 保 護 措 置 と 連 動 して 執 行 する 際 の 作 業 要 点 によると, 航 空 便 は 4 時 間 以 内, 船 便 は 24 時 間 以 内 に 権 利 者 が 鑑 定 をしないと, 貨 物 を 通 過 させることになっ ている つまり, 権 利 者 側 は, 警 察, 税 関 から 職 権 による 摘 発 の 連 絡 を 受 けた 場 合, 迅 速 に 真 贋 鑑 定 ができる 体 制 を 構 築 する 必 要 がある なお, 真 贋 鑑 定 は 企 業 の 担 当 者 が 自 ら 行 ってもよいが, 法 律 事 務 所 或 いは 調 査 会 社 等 の 社 員 に 真 贋 鑑 定 訓 練 を 施 し, 真 贋 鑑 定 権 と 告 訴 権 を 授 権 しておけば, 企 業 自 らが 鑑 定 をする 必 要 はない そして,そのような 体 制 が 構 築 されている 企 業 39
については, 担 当 者 名 及 び 連 絡 先 が 取 締 当 局 内 で 共 有 されており, 摘 発 があった 場 合 には, 権 利 者 に 速 やかに 通 報 がされている 取 締 当 局 は, 日 系 企 業 も 速 やかに 真 贋 鑑 定 ができる 体 制 を 整 備 し, 当 局 に 連 絡 先 を 登 録 するよう 呼 びかけているが, 折 角 の 呼 びかけに 応 えている 日 系 企 業 が 欧 米 企 業 と 比 較 して 少 ないことが, 摘 発 件 数 の 少 ない 理 由 の 一 つであるといえる 4 摘 発 件 数 向 上 のためには 取 締 官 とユーザーの 情 報 共 有 が 必 要 上 述 したように, 模 倣 品 の 品 質 は 真 正 品 と 遜 色 がないものが 多 く, 一 見 しただけでは 模 倣 品 と 判 別 できないものもある このような 製 品 は, 取 締 当 局 が 事 前 に 真 贋 鑑 定 ポイント, 正 規 品 の 流 通 ル ート 等 の 情 報 を 持 っていないと, 摘 発 が 困 難 にな ってきている こうした 情 報 を, 事 前 に 警 察, 税 関 の 取 締 官 向 けにインプットする 真 贋 鑑 定 研 修 会 を, 個 別 企 業, 或 いは 業 界 団 体 等 の 主 催 により 実 施 している 日 系 企 業 もあることはあるが, 少 数 で あることも, 摘 発 件 数 が 少 ない 理 由 の 一 つである といえる 一 方, 欧 米 企 業 については, 在 台 湾 の 商 工 会 議 所 が 窓 口 になって, 毎 年, 警 察, 税 関 の 取 締 官 向 け 真 贋 鑑 定 研 修 会 に 会 員 企 業 の 時 間 枠 をとってい る 表 1 は,2004 年 に 開 催 された 一 般 警 察 官 向 け の 研 修 プログラムで,アンダーラインの 部 分 が, 米 国, 欧 州 商 工 会 議 所 加 盟 企 業 に 割 り 振 られた 研 修 枠 である 個 々の 企 業 の 枠 に 加 え, 特 筆 すべき は, 研 修 の 最 終 日 に, 当 時 台 湾 における 模 倣 品 取 締 りの 企 画 立 案 の 中 心 人 物 であった 智 慧 財 産 局 副 局 長 と 米 国, 欧 州 商 工 会 議 所 の 事 務 局 長 とが, 取 締 官 の 前 でディスカッションすることにより, 欧 米 企 業 が 何 を 求 めているのか,ユーザーと 取 締 官 で 認 識 の 共 有 化 が 図 られていることである 組 織 というものは, 一 旦 作 られるとその 業 績 が 評 価 されるのは 古 今 東 西 同 じである 保 智 大 隊 で は,4-6 人 で 小 組 を 作 り,4 半 期 毎 に 小 組 単 位 で 摘 発 件 数 が 評 価 され,そして 評 価 結 果 は, 昇 進 ボーナス 次 の 人 事 異 動 の 勤 務 地 等 に 反 映 される そういった 背 景 を 考 えると, 模 倣 品 の 蓋 然 性 が 高 い 製 品 が 目 の 前 に 複 数 並 んでいた 場 合, 権 利 者 が 電 話 一 本 で 駆 け 付 けて 真 贋 鑑 定 を 行 うことが 明 ら かな 企 業 の 模 倣 品 と, 商 標 等 から 権 利 者 が 誰 かは 明 らかであるが 連 絡 先 がわからない, 或 いは, 過 去 何 度 も 連 絡 をしたが 対 応 が 悪 い 企 業 の 模 倣 品 で は,どちらの 摘 発 を 優 先 するのか 言 うまでもない だろう 模 倣 品 製 造 業 者 は 刑 事 事 件 として 立 件 されるこ とを 恐 れるため, 摘 発 に 熱 心 な 企 業 の 模 倣 品 の 製 造 を 避 ける 傾 向 にある 前 述 した 模 倣 品 実 態 調 査 の 結 果 のみを 見 れば, 台 湾 は 未 だ 模 倣 品 天 国 と 早 合 点 する 者 もいるだろうが, 断 固 とした 姿 勢 を 示 さない 日 系 企 業 側 にも 原 因 があるといえるのでは ないだろうか (2) 制 度 改 正 について 1 欧 米 企 業 の 要 望 について 次 に, 欧 米 企 業 の 要 望 が, 台 湾 の 知 的 財 産 権 制 度 改 正 にどのように 反 映 されているのか 検 証 する 在 台 湾 米 国 商 工 会 議 所 は 毎 年 6 月 頃, 欧 州 商 工 会 議 所 は 毎 年 11 月 頃 に, 台 湾 で 企 業 活 動 を 円 滑 に 進 めるのに 不 都 合 な 点 を 網 羅 的 にまとめた 要 望 書 を 台 湾 当 局 に 提 出 しているが, 知 的 財 産 権 問 題 に ついても 毎 年 改 善 要 望 がなされている 近 年 の 米 国 商 工 会 議 所 の 知 的 財 産 権 に 関 する 要 望 をみると 7, 例 えば, 著 作 権 の 保 護 の 徹 底, 知 的 財 産 権 保 護 教 育 の 徹 底, 著 作 権 法 商 標 法 違 反 の 罰 則 強 化,に 関 する 多 くの 要 望 が 数 年 に 渡 りされ ており,これら 要 望 の 多 くは, 上 述 した 知 的 財 40
表 1:2004 年 一 般 警 察 向 け 研 修 プログラム 日 期 時 間 08:30 09:20 09:30 10:20 10:30 11:20 11:30 12:20 13:40 14:30 14:40 15:30 15:40 16:30 16:40 17:30 8 月 23 日 ( 星 期 一 ) 8 月 24 日 ( 星 期 二 ) 8 月 25 日 ( 星 期 三 ) 報 到 網 路 侵 權 實 務 研 討 講 座 : 葉 檢 察 官 奇 鑫 ( 法 務 部 檢 察 司 ) 著 作 權 法 制 及 實 務 研 討 講 座 : 何 副 組 長 鈺 璨 ( 智 慧 局 著 作 權 組 ) 商 標 法 制 及 實 務 研 討 講 座 : 王 組 長 美 花 ( 智 慧 局 商 標 權 組 ) 新 刑 事 訴 訟 制 度 強 制 處 分 蒐 證 實 務 研 討 講 座 : 何 法 官 菁 莪 ( 司 法 院 司 法 人 員 研 習 所 ) 網 路 盜 版 檢 警 偵 查 配 合 要 領 講 座 : 張 檢 察 官 紹 斌 ( 台 北 地 檢 署 ) 取 締 盜 版 軟 體 及 有 聲 出 版 品 實 務 研 討 講 座 : 陳 秘 書 長 銓 ( 財 團 法 人 中 華 有 聲 出 版 錄 音 著 作 權 管 理 協 會 ) 取 締 仿 冒 精 品 商 標 實 務 研 討 講 座 : 趙 委 員 美 璇 廖 委 員 志 遠 宦 委 員 宏 儀 ( 歐 洲 商 會 精 品 委 員 會 委 員 ) 取 締 偽 藥, 禁 藥 實 務 研 討 講 座 :Mr.Tony.Chiu ( 趙 六 根 先 生 ) (Novartis 公 司 ) 取 締 仿 冒 國 產 煙 酒 實 務 研 討 講 座 : 陳 佳 男 技 士 ( 台 灣 煙 酒 公 司 內 埔 菸 廠 ) 取 締 仿 冒 洋 煙 酒 實 務 研 討 講 座 : 張 委 員 欽 楷 張 委 員 祺 ( 歐 洲 商 會 煙 酒 委 員 會 ) 取 締 盜 版 書 籍 實 務 研 討 講 座 : 朱 律 師 瑞 陽 ( 台 灣 國 際 圖 書 業 交 流 協 會 ) 綜 合 座 談 主 持 人 : 盧 副 局 長 祥 與 談 人 : 美 國 商 會 魏 執 行 長 理 庭 歐 洲 商 會 紀 執 行 長 維 德 賦 歸 産 権 保 護 徹 底 の 行 動 3 年 計 画 (2003 年 ~2005 年 ), 知 的 財 産 権 保 護 行 動 貫 徹 計 画 (2006 年 ~2008 年 )に 盛 り 込 まれている そして, 要 望 が 具 体 化 した 例 を 挙 げると, 著 作 権 の 保 護 の 徹 底 についてみると,ISP の 役 割 の 再 定 義 については, 改 正 案 が 既 に 立 法 院 に 送 付 され, ネット 犯 罪 専 門 摘 発 チーム 設 立 等 については, 警 政 署 ( 日 本 の 警 察 庁 に 相 当 ) 内 にコンピュータや ネット 関 連 の 犯 罪 を 主 に 扱 うチーム( 刑 事 警 察 局 捜 査 第 9 班 )が 設 立 された また, 知 的 財 産 権 保 護 教 育 の 徹 底 についてみる と,2005 年 に 智 慧 財 産 培 訓 学 院 8 が 設 立 され, 学 生 への 知 財 教 育 の 普 及 を 図 っている 他, 特 に 米 国 が 繰 り 返 し 要 求 している 学 生 の 教 科 書 の 不 法 コ ピーについては, 教 育 部 ( 日 本 の 部 科 学 省 に 相 当 )は, 大 学 の 新 入 生 に 知 的 財 産 権 に 関 するテス トを 実 施 し, 合 格 者 のみに 図 書 館 カードと PC ア カウントを 発 行 することを 検 討 した 結 局,この 案 は 大 学 及 び 学 生 からの 強 烈 な 反 対 を 受 けたため 実 際 には 具 体 化 されなかったものの, 教 科 書 の 違 法 コピーの 取 締 りを 強 化 するため, 警 察 は 大 学 周 辺 のコピー 店 の 巡 回 を 強 化 し,2007 年 11 月 8 日 付 けの 新 聞 報 道 によると, 実 際 に 教 科 書 の 違 法 コ ピーを 行 った 大 学 生 ( 当 該 大 学 生 は, 教 科 書 の 二 分 の 一 近 くを 合 計 4 部 コピーした)を 逮 捕 し, 検 察 は 20 日 間 の 拘 留 を 求 刑 した 9 また, 著 作 権 法 商 標 法 違 反 の 罰 則 の 強 化 につ いてみると, 違 反 者 を 逮 捕 しても 軽 微 な 罰 金 刑 で 済 まされている 点, 及 び 地 方 裁 判 所 の 量 刑 のばら つきの 是 正 をかねてより 要 望 しており,この 要 望 が 智 慧 財 産 法 院 の 設 立 へと 繋 がっていった 一 方, 欧 州 商 工 会 議 所 の 知 的 財 産 権 に 関 する 要 望 をみると 10, 例 えば, 著 名 商 標 の 更 なる 保 護 に ついては, 智 慧 財 産 局 は 各 国 の 制 度 を 調 査 し, 調 査 結 果 について 公 聴 会 を 実 施 し,ユーザーニーズ の 把 握 に 努 めている また, BMW の 修 理 等, 41
あたかも 特 定 メーカーの 正 規 修 理 工 場 と 見 間 違 え るような 商 標 の 使 用 による 紛 争 の 軽 減 の 要 望 につ いては, 智 慧 財 産 局 は 過 去 の 判 例 等 を 調 査 し,ど のような 使 用 形 態 が 商 標 法 違 反 に 該 当 するのか, 自 動 車 修 理 業 者 向 けに 説 明 会 を 実 施 した 2 日 系 企 業 の 取 り 組 み では,この 間, 日 系 企 業 は 何 をしていたの ま ず, 台 湾 側 について 述 べると, 在 台 湾 日 系 企 業 ( 以 下, 現 地 法 人 という )で 組 織 されている 台 北 市 日 本 工 商 会 ( 以 下, 工 商 会 という )が, 台 湾 における 日 系 企 業 の 唯 一 の 団 体 であるが, 台 湾 に 知 的 財 産 権 に 詳 しい 者 を 置 いている 現 地 法 人 は ほとんど 無 いため, 工 商 会 で 知 的 財 産 権 問 題 につ いて 議 論 されたことはなく, 当 局 とのパイプも 持 っていなかった 一 方, 日 本 側 では, 定 期 的 に 台 湾 を 訪 問 し, 当 局 と 会 合 を 持 っている 業 界 団 体 や 権 利 者 団 体 があ り, 日 系 企 業 にとって 評 判 の 悪 い 外 部 審 査 官 問 題 等 11, 一 定 の 成 果 が 得 られた 例 もある しかしながら, 一 度 の 訪 問 で 複 数 の 関 係 当 局 を 訪 問 するため, 時 間 の 制 約 上, 要 望 事 項 は 伝 える ものの, 踏 み 込 んだ 議 論 まで 至 らないケースがあ り, 結 果 として, 要 望 事 項 について 議 論 をしに 来 たのか, 単 に 要 望 を 伝 えに 来 ただけなのか, 或 い は 表 敬 訪 問 なのか, 曖 昧 なまま 訪 問 が 終 わるケー スが 多 く 見 られた そして,そのような 訪 問 は, 以 下 に 述 べるように, 時 としてマイナスとなるこ とがある 点 に 注 意 が 必 要 である 3 日 系 企 業 の 取 り 組 みの 問 題 点 日 系 企 業 の 取 り 組 みとして, 最 も 問 題 なのは 責 任 あるフォローアップ の 欠 如 である 制 度 改 正 の 担 当 者 の 立 場 に 立 って 考 えてみればわかるが, 制 度 改 正 等 の 要 望 について,1 回 の 会 合, 或 いは 数 行 の 要 望 書 の 提 出 でユーザーが 何 を 求 めている のか, 正 確 に 把 握 することは 困 難 な 場 合 がある 例 えば, 模 倣 品 の 取 締 り 強 化 といえば, 方 向 性 としては 誰 でも 理 解 できる 要 望 であろうが, 権 利 者 側 の 真 贋 鑑 定 負 担 を 軽 減 してほしいのか, 刑 罰 を 厳 格 化 してほしいのか, 或 いは 取 締 官 への 教 育 を 徹 底 してほしいのか,そのような 要 望 は 受 け 手 としては 漠 然 とし 過 ぎていると 感 じるだろう 良 心 的 な 対 応 であれば, 具 体 的 に 何 を 改 善 してほし いのか,ユーザーに 確 認 を 求 め, 不 誠 実 な 場 合 は, しっかり 対 応 している と 木 で 鼻 をくくった 回 答 が 予 想 される 前 者 の 場 合, 要 望 事 項 を 更 に 具 体 化 するとともに, 必 要 に 応 じて 事 例 等 を 提 出 し, 何 を 求 めているのか 明 確 化 することが 必 要 で, 後 者 の 場 合, 現 状 の 対 応 では 不 十 分 である 点 を 具 体 的 に 示 し, 再 度 議 論 することが 必 要 である どち らの 場 合 も, 一 旦 要 望 した 以 上, 責 任 あるフォロ ーアップ をしないと, 単 なるクレーマーと 相 手 方 に 舐 められるだけである 過 去 の 具 体 例 をあげ ると, 日 系 企 業 から 台 湾 ではデッドコピーを 防 止 する 制 度 がないので 法 制 化 してほしい との 要 望 が 出 され, 日 本 の 不 正 競 争 防 止 法 に 相 当 する 法 律 ( 公 平 交 易 法 )を 所 管 している 公 平 交 易 委 員 会 からは, 具 体 的 に 困 った 事 例 があれば 法 改 正 を 検 討 するので 事 例 を 提 出 してほしい と 回 答 があっ たが, 日 本 側 はその 回 答 に 全 く 応 えていないにも かかわらず, 翌 年 に 同 様 の 要 望 を 行 い, 先 方 を 呆 れさせたことがあった それに 対 し, 欧 米 は, 要 望 した 後 は 適 切 なフォ ローアップを 実 施 している 現 地 の 新 聞 では, 米 国 商 工 会 議 所 が 法 務 部 と について 検 討, 欧 州 商 工 会 議 所 が 経 済 部 と について 検 討 との 報 道 をよく 見 かける 当 局 によると, 例 えば, 欧 米 商 工 会 議 所 からの 要 望 で 法 改 正 等 が 必 要 な 場 合, 草 案 作 成 前 から 意 見 交 換 を 行 うことにより 問 題 点 をしっかり 把 握 し,そして, 草 案 作 成 後 には 公 聴 会 を 開 催 するが, 公 聴 会 を 開 催 する 際 には 欧 米 商 42
工 会 議 所 には 以 前 より 開 催 通 知 がなされ,そして, 公 聴 会 には 各 商 工 会 議 所 から 代 表 者 が 参 加 してし っかり 意 見 を 述 べているとのことである 無 論,ユーザーが 当 局 と 交 流 を 図 ることは, 双 方 にとって 重 要 である しかしながら, 相 手 方 に 何 らかの 要 望 をする 以 上,それに 対 する 責 任 あるフォローアップが 必 須 で,フォローアップをするつもりが 無 いのなら, 単 なる 意 見 交 換, 表 敬 訪 問 に 徹 するべきである 日 本 側 はあまり 意 識 していないかもしれないが, 台 湾 当 局 側 は, 限 られたマンパワーとコストをど のように 割 り 振 るのか, 日 米 欧 の 活 動 をしっかり 比 較 して 判 断 しており, 上 述 した 模 倣 品 の 摘 発 と 同 様,しっかりと 対 応 する 者 の 要 望 の 対 処 を 優 先 することは 自 明 である 活 動 目 的 を 曖 昧 なままに した 交 流 は, 相 手 方 の 信 頼 を 無 くし,そして 甘 く 見 られ, 将 来 の 交 渉 に 禍 根 を 残 すことを 肝 に 銘 じ ておくべきである 4. 最 近 の 工 商 会 の 取 り 組 み 日 本 側 からは, 上 述 したような 日 米 欧 現 地 法 人 の 活 動 のギャップがわかり 難 いが, 危 機 意 識 を 持 っていた 者 もいた 欧 米 の 商 工 会 議 所 は 入 会 資 格 が 緩 やかで, 例 えば, 米 国 商 工 会 議 所 の 場 合, 米 国 と 営 業 上 関 係 があれば 誰 でも 入 会 することがで き,また, 非 会 員 であっても 委 員 会 活 動 にオブザ ーバー 参 加 することが 可 能 であるため, 両 商 工 会 議 所 の 活 動 に 実 際 に 参 加 した 者 を 中 心 に, 知 的 財 産 権 の 分 野 でもっとロビー 活 動 をすべきとの 機 運 が 高 まり,2006 年 9 月, 工 商 会 に 知 財 委 員 会 が 設 立 され, 積 極 的 な 活 動 が 行 われてきた 例 えば, 模 倣 品 対 策 では,2007 年 10 月 に, 保 智 大 隊 警 察 官 向 け 真 贋 鑑 定 研 修 会 の 際 に, 工 商 会 として 初 めて 研 修 枠 を 確 保 した 上 述 したように, 当 局 との 連 絡 体 制 が 構 築 できていない 企 業 が 研 修 を 行 っても 効 果 がないことから, 参 加 資 格 を 連 絡 体 制 が 構 築 済 み, 或 いは 今 後 必 ず 構 築 する 企 業 に 限 定 したため, 参 加 企 業 数 は 少 なかったが, 研 修 会 の 1 週 間 後 には, 早 速 研 修 内 容 を 参 考 にした 摘 発 が 行 われた そして,2008 年 にも, 保 智 大 隊, 税 関 向 けの 研 修 会 に 参 加 したが, 特 筆 すべきは, 研 修 会 の 参 加 以 外 にも, 定 期 的 に 当 局 と 交 流 を 図 り, 信 頼 関 係 を 築 いた 結 果, 保 智 大 隊 向 け 研 修 会 の 際 には, 5 日 間 の 研 修 プログラムの 内,1 日 分 は 日 系 企 業 枠 として 確 保 する,スケジュールについても 日 系 企 業 の 都 合 を 優 先 するので, 好 きな 時 間 を 指 定 して ほしい と 白 紙 のスケジュール 表 を 渡 された さらに, 過 去 2 年 は, 取 締 当 局 が 主 催 する 研 修 会 に 参 加 する 形 式 のみであったが, 日 系 企 業 側 か ら 当 局 に 積 極 的 に 情 報 を 提 供 するため,2008 年 度 内 に 企 業 名 保 有 商 標 真 贋 鑑 定 ポイント 等 を 記 載 した 権 利 集 を 作 成 し,2009 年 度 には, 当 局 に 配 布 するとともに, 真 贋 鑑 定 研 修 会 を 企 画 する ことを 計 画 中 である 一 方, 制 度 改 正 等 の 要 望 については,2007 年 11 月 28 日 に, 日 系 企 業 が 抱 える 知 的 財 産 権 問 題 を 網 羅 的 にまとめた 要 望 書 を 経 済 部 長 ( 日 本 の 経 済 産 業 大 臣 に 相 当 )に 直 接 手 渡 したところ, 要 望 書 を たたき 台 に, 双 方 で 議 論 していきたい との 発 言 があった 12 そして, 要 望 事 項 への 対 応 をみると, 例 えば, 拒 絶 理 由 通 知 に 対 する 十 分 な 応 答 期 間 の 確 保 については, 翌 年 2008 年 1 月 から, 従 来 の 60 日 から 90 日 に 延 長 され, 専 利 権 の 間 接 侵 害 規 定 の 創 設 についても, 現 在 作 業 が 進 められている 専 利 法 改 正 案 に 盛 り 込 まれる 予 定 であり, 著 名 商 標 の HP 公 表 についても, 研 究 を 開 始 する 旨 の 回 答 があった そして, 補 足 説 明 が 必 要 な 要 望 事 項 については,2008 年 3 月 28 日 に, 関 係 機 関 の 担 当 者 が 一 同 に 介 したフォローアップ 会 合 を, 智 慧 財 産 局 長 主 催 により 開 催 した また, 最 近 新 聞 紙 上 でもよく 取 り 上 げられてい 43
る 讃 岐 等, 日 本 国 の 地 名 が 商 標 登 録 されてい る 問 題 についても,2008 年 3 月 28 日 に,1 日 本 国 地 名 リストを 商 標 審 査 官 に 配 布 し, 審 査 の 参 考 資 料 とすることにより 本 来 登 録 されるべきではな い 地 名 が 商 標 登 録 されることを 未 然 に 防 止 する, 2 既 に 登 録 済 み 日 本 国 地 名 商 標 について, 紛 争 を 早 期 に 解 決 するための 措 置 を 講 じる,からなる 要 望 書 を 提 出 し 13,1 資 料 の 提 供 を 歓 迎,2 双 方 の 答 弁 終 了 後, 速 やかに 処 理 する,との 回 答 を 得 て いる 5. 今 後 日 系 企 業 に 必 要 なこと こうしたロビー 活 動 は, 汗 を 掻 いても 成 果 に 結 びつかない 場 合 もあるため, 机 上 の 議 論 ばかり 続 き, 一 歩 前 に 踏 み 出 せないケースが 多 いが, 少 な くとも 台 湾 においては, 机 上 の 議 論 の 段 階 はとう に 過 ぎ, 更 に 良 い 結 果 を 得 るため, 次 に 何 をなす べきかの 段 階 であるといえる 以 下 に 私 見 を 述 べ る (1) 現 地 工 商 会 活 動 を 日 本 側 経 営 者 がサポートすべ き 工 商 会 の 最 も 重 要 な 任 務 の 一 つは 台 湾 当 局 高 官 とのパイプ 作 りである 工 商 会 では, 定 期 的 に 経 済 部 長 を 始 め, 高 官 と 交 流 の 場 を 持 ち,face to face の 関 係 を 作 っている 2008 年 9 月 17 日 には, 直 前 の 台 風 災 害 のため, 馬 英 九 総 統 は 急 遽 欠 席 とな ったが, 蕭 万 長 副 総 統 以 下, 主 要 閣 僚 と 政 策 協 議 の 場 を 持 ち, 知 的 財 産 権 問 題 も 含 め 多 くの 政 策 提 言 を 盛 り 込 んだ 要 望 書 を 手 交 している 14 そ して,2009 年 1 月 7 日 の 工 商 会 日 本 人 会 の 新 年 会 には, 馬 総 統 が 出 席 し,2008 年 9 月 17 日 に 提 出 した 工 商 会 の 要 望 書 に 対 して, これらの 意 見 を 非 常 に 重 視 し, 関 連 部 門 に 適 切 な 対 応 と 処 置 をと るよう 促 した と 挨 拶 の 中 で 述 べており, 日 系 企 業 が 台 湾 の 知 的 財 産 権 問 題 に 大 きな 関 心 を 寄 せて いることは, 台 湾 の 首 脳 レベルにしっかりとイン プットされているといえる 15 知 的 財 産 権 問 題 は 実 務 に 関 する 問 題 が 多 いため, 最 終 的 には 実 務 者 同 士 の 協 議 が 必 須 ではあるが, 最 初 から 実 務 者 同 士 の 協 議 になると,なかなか 物 事 が 前 に 進 まないケースもある 日 本 の 経 営 者 は, 台 湾 への 重 要 な 投 資 者 である 日 系 企 業 の 位 置 付 け を 理 解 し, 政 治 的 な 判 断 ができる 閣 僚 クラスへの 交 渉 ルートを 持 つことの 意 義, 及 び,その 交 渉 ル ートの 窓 口 となる 工 商 会 の 存 在 意 義 をよく 認 識 す べきである 無 論,こうした 交 渉 は, 民 のみではなく, 官 民 が 協 力 して 行 うことが 必 要 であるが, 民 間 ルート の 交 渉 は, 当 局 間 の 交 渉 と 違 い 相 互 主 義 ではなく, 投 資 者 としての 要 望 を 一 方 的 に 伝 えることができ, しかも, 日 本 の 位 置 付 けが 高 ければ 高 いほど, 発 言 力 が 大 きくなるメリットがある こうした 台 湾 における 日 系 企 業 の 優 位 性 を 最 大 限 に 生 かすため, 工 商 会 活 動 のメリットを 本 社 経 営 者 が 十 分 に 理 解 し, 現 地 法 人 が 工 商 会 活 動 に 参 加 できるよう 万 全 のサポートをすべきである (2) 知 的 財 産 権 に 関 する 業 務 も 現 地 法 人 の 業 務 とす ること 多 くの 現 地 法 人 と 意 見 交 換 を 行 ったところ, 台 湾 で 模 倣 被 害 等, 知 的 財 産 権 問 題 に 直 面 した 経 験 はあるが, 具 体 的 な 対 策 を 採 った 現 地 法 人 は 少 な かった その 共 通 した 理 由 は, 台 湾 における 知 的 財 産 権 問 題 は 本 社 の 知 的 財 産 部 が 担 当 し, 現 地 法 人 の 業 務 範 囲 外 とされているため, 現 地 法 人 で 問 題 意 識 があったとしても, 予 算 人 的 措 置 が 無 く, 対 処 が 困 難 とのことであった 同 じ 中 華 圏 である 中 国 と 台 湾 を 比 較 した 場 合, 市 場 規 模 からみて, 知 的 財 産 専 任 の 担 当 者 を 台 湾 に 配 置 することは 困 難 であろうが, 取 締 当 局 向 けの 研 修 会 の 参 加 や, 当 局 とのパイプ 作 り 等, 現 地 法 人 を 通 してしか 得 44
られない 情 報, 現 地 法 人 にしかできない 業 務 は 多 々ある 現 地 法 人 が 出 願 等 の 実 務 面 を 担 当 する 必 要 はないが, 知 的 財 産 権 問 題 についてアンテナ を 張 らせるとともに, 普 段 から 本 社 知 財 部 と 連 絡 を 密 にし, 何 か 問 題 が 発 生 した 時 に 知 財 部 と 協 力 して 速 やかに 対 処 ができる 体 制 は 必 要 不 可 欠 であ るが,そういった 体 制 作 りは 現 地 法 人 からの 提 言 では 実 現 が 難 しいとのことである 本 社 経 営 者 が 音 頭 をとって 前 に 進 めていただきたい (3) 情 報 の 集 約 と 迅 速 な 交 渉 ができる 体 制 作 り 上 述 した 個 々の 企 業 における 日 本 側 と 台 湾 側 の 協 力 体 制 の 構 築 に 加 え, 工 商 会 知 財 委 員 会 と 日 本 の 権 利 者 団 体 等 が 協 力 し, 当 局 に 対 して 速 やかに 交 渉 できる 体 制 を 作 ることも 重 要 である 工 商 会 知 財 委 員 会 では, 一 昨 年 から, 当 局 へのロビー 活 動 を 活 発 化 してはいるが, 台 湾 に 知 的 財 産 の 担 当 者 を 配 置 している 企 業 ほとんど 無 いため, 当 局 へ の 要 望 の 作 成 は, 工 商 会 知 財 委 員 会 の 一 部 の 者 と 日 本 の 権 利 者 団 体 の 一 部 の 者 が, 本 業 の 傍 らボラ ンティアベースで 汗 を 掻 いて 行 っているのが 現 状 で, 活 動 には 自 ずと 限 界 がある また, 法 律 改 正 等 の 公 聴 会 は, 当 然 のことながら 中 国 語 ( 北 京 語 ) で 議 事 が 進 められるので, 知 的 財 産 権 問 題 に 精 通 し, 且 つ 北 京 語 で 議 論 ができる 人 材 でなければそ の 場 で 発 言 をすることは 困 難 で, 更 に, 公 聴 会 は 不 定 期 に 開 催 されるため,その 都 度 日 本 から 参 加 して 発 言 することも 困 難 である 一 方, 米 国 商 工 会 議 所 では, 当 局 とのフォロー アップや 公 聴 会 には, 台 湾 の 元 知 財 担 当 の 裁 判 官 で 現 在 は 米 国 系 法 律 事 務 所 に 所 属 している 台 湾 人 弁 護 士 が, 米 国 商 工 会 議 所 知 財 委 員 会 のメンバー として 参 加 発 言 しており, 欧 州 商 工 会 議 所 でも, 公 聴 会 等 には 知 財 委 員 会 に 所 属 している 台 湾 人 の 弁 護 士 が 参 加 発 言 を 行 っている 以 前 の 工 商 会 は, 会 員 資 格 は 日 本 人 のみであっ たが, 一 定 要 件 を 満 たせば 日 本 人 以 外 でも 会 員 に なることができ,また, 委 員 会 活 動 等 の 際 には, 弁 護 士 等 の 専 門 家 が 参 加 できるよう 会 員 規 約 が 改 正 された 更 に, 委 員 会 活 動 を 一 部 の 者 のボラン ティアではなく, 工 商 会 の 業 務 として 円 滑 に 実 施 できるようにするため,スタッフの 増 員 等, 事 務 局 機 能 の 強 化 も 進 められている しかしながら,いくら 工 商 会 の 体 制 整 備 が 進 ん だとしても, 日 系 企 業 が 何 を 問 題 視 しているのか, 日 本 側 と 台 湾 側 で 常 日 頃 から 問 題 意 識 が 共 有 され ていなければ, 知 財 委 員 会 活 動 に 弁 護 士 等 の 専 門 家 を 参 加 させても 公 聴 会 等 の 場 で 適 切 な 発 言 をす ることは 困 難 であり,また, 速 やかに 対 処 すべき 問 題 が 発 生 した 場 合, 工 商 会 知 財 委 員 会 事 務 局 と 日 本 の 業 界 団 体 や 権 利 者 団 体 の 事 務 局 で 意 見 の 調 整 を 図 る 必 要 もあろう そのためには, 上 述 した ように, 個 々の 企 業 において, 日 本 側 と 台 湾 側 で 知 的 財 産 権 問 題 について 情 報 を 共 有 できる 体 制 を 整 備 し, 工 商 会 知 財 委 員 会 に 情 報 を 集 約 するとと もに, 日 本 の 業 界 団 体 や 権 利 者 団 体 も, 台 湾 の 知 的 財 産 権 問 題 について 責 任 を 持 って 取 りまとめを 行 う 専 任 の 窓 口 を 作 り, 工 商 会 知 財 委 員 会 と 事 務 局 間 の 協 力 体 制 を 作 る 必 要 があろう 6.おわりに 米 国 のロビー 活 動 は 内 政 干 渉 そのものと 言 って いいほど 強 引 なやり 方 で,しばしば 台 湾 側 の 反 発 を 招 いている 例 えば, 智 慧 財 産 法 院 の 設 立 は, 当 初 予 定 より 10 ヶ 月 ほど 遅 れたが,その 理 由 は, 条 上 の 問 題 ではなく, 外 国 ( 欧 米 ) 企 業 の 権 利 を 守 るための 裁 判 所 が 必 要 なのか? と, 立 法 院 で 疑 問 が 出 されたためである しかしながら, 国 際 的 な 企 業 活 動 を 行 うに 当 た っては, 自 分 たちに 有 利 な ルール 作 りが 重 要 なことは 自 明 である 長 年 培 った 技 術 力 のおかげ で, 日 本 製 品 は 世 界 中 で 高 い 評 価 を 受 けているが, 45
如 何 に 優 れた 技 術 力 を 持 っていても, 不 利 なルー ルを 作 られ, 対 応 に 苦 慮 した 経 験 を 日 系 企 業 は 過 去 何 度 も 味 わってきたはずである 相 手 側 との 関 係 や 産 業 構 造 の 問 題 もあり,こうした 活 動 が 必 ず 成 果 に 結 びつくわけではないが, 日 本 の 国 益 が 海 外 において 適 切 に 保 護 されるためには, 日 本 に 適 したスタイルで 相 手 側 と 交 渉 できる 体 制 作 りが 必 須 である そして,この 体 制 作 りは, 海 外 の 知 的 財 産 権 制 度 のユーザーである 企 業 自 らが 真 剣 に 取 り 組 むべきであることを 経 営 者 はしっかりと 認 識 し, 適 切 な 対 策 を 速 やかに 講 じるべきである また,この 問 題 は 台 湾 だけの 問 題 ではない 今 後,アジアでは,ベトナムやインドへの 投 資 の 増 加 が 予 想 されているが,それに 比 例 して, 様 々な 知 的 財 産 権 問 題 が 起 こるはずである しかしなが ら, 問 題 が 大 きくなってから 対 処 していては,ル ール 作 りに 乗 り 遅 れる 可 能 性 がある ルール 作 り の 主 導 権 を 握 るべく, 先 手 先 手 の 活 動 が 行 えるよ うにするためには, 今 何 をすべきか,じっくりと 考 えるべきであろう 2009 年 1 月 20 日, Yes, we can. Change を キャッチフレーズにして 選 挙 戦 を 制 したオバマ 氏 が 米 国 大 統 領 に 就 任 した そのキャッチフレーズ を 台 湾 における 日 系 企 業 の 活 動 に 引 用 すれば, 次 のようになるのではないだろうか Yes, we could. Change more! 注 ) 1 行 政 院 経 済 建 設 委 員 会 HP: 挑 戰 2008: 國 家 發 展 重 點 計 畫 (2002-2007) http://www.cepd.gov.tw/m1.aspx?sno=0001568&key=&ex=%20 &ic= この 計 画 は, 以 下 の10の 項 目 を 進 めるとされ, 知 的 財 産 権 の 整 備 は,2.1.4に 明 記 されている 1.e- 世 代 人 材 育 成 計 画 2. 化 創 意 産 業 発 展 計 画 3. 国 際 創 新 研 究 発 展 基 地 計 画 4. 産 業 高 度 化 計 画 5. 観 光 客 倍 増 計 画 6.e- 台 湾 計 画 7. 運 営 本 部 計 画 8. 全 島 運 輸 機 関 整 備 計 画 9. 新 故 郷 をつくる 計 画 10. 水 および 緑 建 設 計 画 2 経 済 部 智 慧 財 産 局 HP: 知 的 財 産 権 保 護 行 動 貫 徹 計 画 http://www.tipo.gov.tw/ch/download_downloadpage.aspx?path= 2497&Language=1&UID=5&ClsID=6&ClsTwoID=7&ClsThreeI D=8 3 台 湾 の 専 利 商 標 出 願 件 数 と,その 内, 日 本 から 台 湾 への 出 願 件 数 は 下 記 表 の 通 りで,ここ 数 年, 専 利 出 願 は 外 国 として 第 1 位, 商 標 出 願 は 外 国 として 第 2 位 2005 年 2006 年 2007 年 専 利 出 願 79,442 80,988 81,834 内 日 本 13,704 13,033 12,563 商 標 出 願 76,838 79,767 76,332 内 日 本 2,868 2,980 2,810 2007 年 の 日 台 間 の 台 湾 側 から 見 た 貿 易 額 は, 輸 出 :159.3 億 米 ドル( 日 本 は 外 国 として 第 4 位 ) 輸 入 :459.4 億 米 ドル( 日 本 は 外 国 として 第 1 位 )で, 輸 出 入 総 額 618.7 億 米 ドルで 見 る と, 日 本 は 第 2 位 の 貿 易 相 手 国 (1 位 : 中 国,3 位 : 米 国,4 位 : 香 港,5 位 : 韓 国 ) 参 考 までに,618.7 億 ドルを 日 本 側 から 見 ると, 台 湾 は 第 4 位 の 貿 易 相 手 国 (1 位 : 中 国,2 位 : 米 国,3 位 : 韓 国 ) 4 専 利 代 理 人 管 理 規 則 によると, 弁 護 士, 技 術 士, 公 認 会 計 士, 特 許 庁 審 査 官 経 験 者 が 専 利 代 理 人 になることができると 定 められていた 専 利 師 法 施 行 と 同 時 に 専 利 代 理 人 管 理 規 則 は 廃 止 されたので, 今 後 専 利 師 になるには, 試 験 に 合 格 するこ とが 必 要 5 特 許 庁 HP:http://www.jpo.go.jp/torikumi/mohouhin/mohouhin2/ jittai/jittai.htm 6 保 智 大 隊 HP: 2008 年 の 摘 発 件 数 : http://oldweb.tipo.gov.tw/iprp/service/ report/97 年 1 月 至 12 月 查 處 侵 害 他 國 智 慧 財 產 權 案.pdf 2007 年 の 摘 発 件 数 : http://oldweb.tipo.gov.tw/iprp/service/ report/96 年 1 月 至 12 月 查 處 侵 害 他 國 智 慧 財 產 權 案 (9612).pdf 保 智 大 隊 以 外 の 一 般 警 察 も 模 倣 品 の 摘 発 を 行 っているが, 一 般 警 察 では 権 利 者 の 国 別 統 計 は 公 表 されていない 7 在 台 湾 米 国 商 工 会 議 所 HP : http://www.amcham.com.tw/ component/option,com_docman/itemid,377/ 8 智 慧 財 産 培 訓 学 院 HP:http://tipa.law.ntu.edu.tw/ 初 年 度 は, 統 一 テキストの 作 成, 知 財 を 教 える 教 師 の 育 成 が 行 われ, 次 年 度 以 降 は, 初 年 度 に 育 成 した 教 師 が 台 湾 各 地 の 教 育 機 関 で 統 一 テキストを 用 いて 授 業 を 実 施 9 智 慧 財 産 局 HP:http://www.tipo.gov.tw/ch/News_NewsContent. aspx?newsid=1623 10 欧 州 商 工 会 議 所 HP:http://www.ecct.com.tw/index.php?option= com_content&task=view&id=28&itemid=48 11 外 部 審 査 官 とは, 智 慧 財 産 局 の 正 規 の 審 査 官 ではない, 外 部 の 専 門 家 ( 大 学 の 先 生 等 )に 審 査 を 委 託 する 制 度 で, 審 査 の 質 と 情 報 漏 えいが 懸 念 されている 以 前 の 計 画 では 全 廃 され る 予 定 であったが, 公 務 員 定 数 等 の 関 係 もあり,2005 年 の 約 600 人 から,2007 年 には80 名 に 削 減 されてはいるものの, 全 廃 には 至 っていない 12 要 望 事 項 及 び 台 湾 側 からの 回 答 :http://kousyoukai.japan.org. tw/kaidou.pdf 13 日 本 国 地 名 が 商 標 登 録 されている 問 題 に 関 する 要 望 書 http://kousyoukai.japan.org.tw/chimei080328.pdf 14 要 望 書 :http://kousyoukai.japan.org.tw/seifu.pdf 政 策 協 議 の 概 要 :http://www.roc-taiwan.org/jp/ct.asp?xitem= 68143&ctNode=3522&mp=202&nowPage=3&pagesize=30 15 http://www.taiwanembassy.org/ct.asp?xitem=76903&ctnode=3591 &mp=202 46