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16 日本学生支援機構

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厚 生 年 金 基 金 制 度 の 概 要 公 的 年 金 たる 厚 生 年 金 の 一 部 を 国 に 代 わって 支 給 ( 代 行 給 付 )しており 当 該 支 給 を 行 うための 費 用 として 事 業 主 から 保 険 料 を 徴 収 している 加 えて 各 基 金 ごとに 上 乗 せ

Transcription:

2014 No.28 アジア 地 域 統 括 会 社 に 求 められるリスク 管 理 日 系 企 業 がアジアに 地 域 統 括 会 社 を 設 置 する 動 きが 加 速 している ジェトロ シンガポールが 2012 年 に 発 表 した 在 シンガポール 日 系 企 業 の 地 域 統 括 会 社 に 関 するアンケート 調 査 によれば アジ ア 統 括 会 社 の 設 置 件 数 は 2006 年 には 43 件 であったが 2012 年 には 77 件 と 急 増 しており 現 在 も 増 加 傾 向 が 続 いている 背 景 としては 2012 年 に 中 国 で 発 生 した 反 日 暴 動 以 降 中 国 から 東 南 アジア への 事 業 移 転 が 増 えており 結 果 的 にアジア 域 内 での 事 業 ガバナンスが 企 業 に 求 められてきている こと また 2015 年 の ASEAN 経 済 統 合 (AEC)を 踏 まえた 域 内 商 流 物 流 の 効 率 化 を 図 る 必 要 性 が 生 じていること 等 が 挙 げられる 一 方 地 域 統 括 会 社 は 従 来 の 日 本 本 社 と 各 国 現 地 法 人 の 間 に 割 り 込 むような 位 置 付 けであること またカンパニー 制 や 事 業 部 制 等 縦 割 りの 指 揮 命 令 系 統 に 地 域 の 観 点 で 横 串 を 刺 すような 位 置 付 け であることから 過 度 に 存 在 感 を 発 揮 しようとすると 本 社 や 各 カンパニー 事 業 部 との 間 に 業 務 の 重 複 が 生 じるため 注 意 が 必 要 である 本 稿 では アジア 地 域 統 括 会 社 の 現 状 と 課 題 を 概 観 した 上 で アジア 地 域 統 括 会 社 が 果 たすべき 役 割 特 にリスク 管 理 機 能 について 述 べる 1.アジアにおける 地 域 統 括 会 社 設 置 の 目 的 と 現 状 (1) 目 的 日 系 企 業 がアジアで 地 域 統 括 会 社 を 設 置 する 目 的 は 大 きく 3 つある 1 税 制 上 の 優 遇 措 置 アジアでは シンガポール タイ マレーシアの 3 か 国 に 地 域 統 括 会 社 に 対 する 税 制 上 の 優 遇 制 度 がある シンガポールでは 経 済 開 発 庁 (Singapore Economic Development Board)が 定 めた 地 域 統 括 会 社 奨 励 制 度 (Regional Headquarters Award (RHQ))が 存 在 する この 制 度 は 2003 年 に 改 正 さ れ シンガポールに 地 域 統 括 会 社 を 置 く 外 資 系 企 業 で 政 府 の 認 定 を 受 けた 企 業 は 統 括 会 社 にお けるマネジメントフィー サービス 料 売 上 貿 易 所 得 ロイヤリティといった 増 分 適 格 所 得 に ついて 最 大 5 年 間 にわたり 15%の 軽 減 税 率 が 適 用 されるというものである シンガポールにおける 法 人 税 の 通 常 税 率 は 現 在 17%であるため 2%が 軽 減 されており 日 系 企 業 がシンガポールに 統 括 会 社 を 設 置 する 上 での 追 い 風 となっている ま た タ イ で は 国 王 勅 令 と し て 地 域 管 理 統 括 会 社 に 関 す る 法 律 ( Regional Operating Headquarters under the legislation )が 2010 年 に 改 正 され 投 資 委 員 会 (BOI:The Thai Board of Investment)が 地 域 統 括 会 社 の 誘 致 に 本 腰 を 入 れ 始 めている タイ 政 府 が 定 める 地 域 管 理 統 括 1

会 社 に 該 当 し タイ 国 外 に 関 係 会 社 もしくは 外 国 支 店 を 有 するような 統 括 会 社 は 10 年 間 にわた って 法 人 税 が 免 除 されるというものである( 通 常 法 人 税 率 は 20%) 5 年 以 内 にタイ 以 外 の 3 カ 国 に 管 理 する 支 店 もしくは 関 連 会 社 を 持 たなくてはならない 等 認 可 条 件 は 比 較 的 厳 しいものでは あるが タイからアジア 各 国 に 事 業 を 拡 大 している 企 業 にとっては 魅 力 的 である マレーシアでも 投 資 開 発 局 (Malaysia investment development authority)が 2012 年 に 管 理 会 社 設 置 上 の 優 遇 指 針 (Guidelines For Application For Status And Incentive For Setting Up An Operational Headquarters (OHQ))を 公 表 し 法 人 税 の 10 年 間 にわたる 免 除 等 タイに 類 似 した 制 度 を 設 けている 2 共 通 機 能 の 集 約 化 効 率 化 日 系 の 製 造 業 のアジア 多 国 展 開 が 進 むにつれ 運 輸 ( 輸 出 入 の 決 済 業 務 を 含 む) 梱 包 材 等 の 副 資 材 の 提 供 法 務 サービス 等 の 間 接 的 な 業 務 を 支 援 する 企 業 もアジア 展 開 を 加 速 させている 従 前 アジアにおけるこのような 企 業 との 取 引 は 各 国 毎 に 行 われてきたが 統 括 会 社 が 一 元 的 に 取 引 業 者 と 契 約 し 当 該 機 能 を 統 括 会 社 に 集 約 化 することで 規 模 の 経 済 によるコストダウンを 図 る 動 きが 出 ている(いわゆるシェアードサービス 化 ) 一 方 取 引 業 者 にとっても 同 一 企 業 グルー プとの 取 引 規 模 を 拡 大 することが 出 来 るので このような 一 元 化 を 自 らお 客 様 企 業 に 提 案 し ア ジア 統 括 会 社 設 置 の 必 要 性 を 訴 えている 企 業 もある 図 表 1:アジア 統 括 会 社 による 共 通 機 能 の 集 約 化 効 率 化 のイメージ ( 弊 社 作 成 ) 2

3 情 報 収 集 経 営 判 断 の 迅 速 化 海 外 事 業 展 開 をする 上 で 度 々ボトルネックとしてクローズアップされている 問 題 の 一 つに 日 本 の 本 社 の 経 営 判 断 が 遅 い という 問 題 がある これは 海 外 事 業 における 案 件 が 取 締 役 会 等 で 議 題 となっても 海 外 経 験 が 不 足 している 役 員 が 取 締 役 会 の 多 数 を 占 めている 場 合 は 判 断 が 難 し く 結 論 が 先 延 ばしになってしまうこともあり 従 前 より 日 本 企 業 の 弱 みとされてきた 一 方 その 状 況 を 打 開 するために 地 域 統 括 会 社 を 設 置 する 企 業 も 増 えてきており 地 域 統 括 会 社 の 社 長 には 日 本 本 社 の 役 員 クラスを 配 置 し 経 営 判 断 の 迅 速 化 を 図 る 企 業 が 多 い なお 地 域 統 括 会 社 がアジア 戦 略 における 経 営 判 断 を 行 っていくためには 経 営 トップの 配 置 に 加 え 経 営 判 断 に 必 要 な 情 報 の 収 集 機 能 と 経 営 判 断 を 行 った 後 の 実 行 または 実 行 管 理 機 能 を 統 括 会 社 に 持 たせることも 必 要 である (2) 日 系 企 業 のアジア 統 括 会 社 設 置 の 現 状 1 設 置 場 所 a. 2012 年 における 設 置 状 況 (JETRO 調 査 より) JETRO の 2012 年 調 査 によれば アジアにおける 地 域 統 括 会 社 の 設 置 状 況 は 図 表 2 の 通 りである 多 くの 企 業 がシンガポールに 地 域 統 括 会 社 を 設 置 している 背 景 には 同 国 の 優 遇 制 度 が 他 国 より も 早 い 時 期 に 制 定 されたことや シンガポールからアジア 諸 国 へのアクセスの 良 さ 更 には 取 引 先 企 業 の 統 括 会 社 と 同 じ 場 所 に 設 置 することで 営 業 上 の 利 便 性 を 高 めたいという 意 図 があるよ うに 思 われる 図 表 2:アジアにおける 地 域 統 括 会 社 の 設 置 状 況 (2012 年 ) 総 件 数 内 訳 製 造 業 サービス 業 シンガポール 77 36 41 タイ 7 2 5 香 港 5 1 4 インドネシア 4 2 2 マレーシア 2 2 0 出 典 :JETRO 資 料 より 弊 社 作 成 b. 現 在 の 設 置 傾 向 ( 弊 社 調 べ) 一 方 2010 年 から 現 在 までのアジア 地 域 統 括 会 社 の 設 置 状 況 は 図 表 3 通 りである( 新 聞 雑 誌 等 の 情 報 をもとに 編 集 ) タイに 地 域 統 括 会 社 を 設 置 する 企 業 が 増 加 している 理 由 としては 同 国 に 税 制 上 の 優 遇 制 度 が 制 定 されたことや 首 都 バンコクからアジア 諸 国 へのアクセスの 良 さ 元 々 タイを 中 心 としてアジアでの 事 業 活 動 を 展 開 している 製 造 業 が 多 いこと 更 には 人 件 費 や 賃 料 等 の 諸 コストがシンガポールと 比 べて 割 安 である 等 の 背 景 がある 2011 年 には それまでシンガポ ールに 地 域 統 括 会 社 を 設 置 していた 自 動 車 メーカーが タイに 地 域 統 括 会 社 を 移 転 する 動 きもあ った 3

図 表 3:アジアにおける 地 域 統 括 会 社 の 設 置 状 況 (2010 年 から 2014 年 7 月 までの 増 加 分 ) 総 件 数 内 訳 製 造 業 サービス 業 シンガポール 9 7 2 タイ 3 2 1 香 港 1 1 0 マレーシア 1 1 0 出 典 : 各 種 報 道 資 料 より 弊 社 作 成 図 表 4 は シンガポールとタイにおける 事 業 環 境 の 比 較 である 他 アジア 主 要 都 市 への アクセス ( 平 日 の 航 空 便 本 数 ) 諸 費 用 図 表 4:シンガポールとタイ(バンコク) 事 業 環 境 比 較 比 較 項 目 シンガポー ル タイ (バンコ ク) to ジャカルタ(インドネシア) 38 便 12 便 to クアラルンプール(マレーシア) 41 便 37 便 to ハノイ(ベトナム) 3 便 9 便 to マニラ(フィリピン) 18 便 8 便 to ニューデリー(インド) 5 便 5 便 to ヤンゴン(ミャンマー) 5 便 13 便 賃 金 / 月 マネジャー 4500USD 1600USD スタッフ 2200USD 620USD 事 務 所 賃 料 / 月 m2 83USD 20USD 駐 在 員 住 宅 賃 料 / 月 4800USD 2700USD 法 人 所 得 税 17% 20% 付 加 価 値 税 7% 7% 注 :2013 年 9 月 調 べ 賃 金 は 非 製 造 業 の 標 準 賃 金 出 典 : 各 種 報 道 資 料 JETRO 資 料 等 より 弊 社 作 成 2 地 域 統 括 会 社 が 提 供 する 機 能 図 表 5 は JETRO が 行 ったアジア 地 域 統 括 会 社 の 機 能 提 供 状 況 に 関 する 2007 年 と 2012 年 の 調 査 を 比 較 し 提 供 している 機 能 の 伸 び 率 が 高 い 順 に 並 べた 結 果 である 調 査 分 析 監 査 人 事 労 務 人 材 育 成 調 達 物 流 ロジスティクス 法 務 知 的 財 産 権 の 6 機 能 が 10% 以 上 伸 び ており これらは 近 年 の 統 括 会 社 が 加 えている 新 しい 機 能 と 言 える 4

図 表 5:アジア 地 域 統 括 会 社 の 機 能 提 供 状 況 2007 年 (%) 2012 年 (%) 伸 び 率 (%) 調 査 分 析 - 32.5 32.5 監 査 - 29.9 29.9 人 事 労 務 人 材 育 成 43.5 67.5 24.0 調 達 15.3 28.6 13.3 物 流 ロジスティクス 29.4 40.3 10.9 法 務 知 的 財 産 権 24.7 35.1 10.4 金 融 財 務 為 替 54.1 62.3 8.2 広 報 17.6 20.8 3.2 研 究 開 発 5.9 9.1 3.2 生 産 管 理 8.2 10.4 2.2 技 術 支 援 31.8 33.8 2.0 販 売 マーケティング 70.6 71.4 0.8 情 報 システム 44.7 42.9-1.8 出 典 :JETRO 資 料 より 弊 社 作 成 2.アジアにおける 地 域 統 括 会 社 に 求 められる 動 き (1) 現 在 設 置 されている 地 域 統 括 会 社 の 悩 み 弊 社 では 2013 年 よりシンガポール 及 びタイにおけるアジア 統 括 会 社 を 訪 問 し 統 括 機 能 の 現 状 についてヒアリングを 行 っている 図 表 6 はその 声 をまとめたものであり 多 くの 統 括 会 社 で はその 役 割 について 試 行 錯 誤 の 状 況 である 図 表 6:アジア 統 括 会 社 各 社 の 悩 み( 一 例 ) ( 弊 社 作 成 ) 基 本 的 に 事 業 部 縦 割 りの 会 社 であるので 事 業 部 に 横 串 を 刺 すような 統 括 会 社 機 能 は 何 をどこまで やるべきなのか 悩 んでいる 本 の 本 社 にも 同 様 の 機 能 が 残 ってしまっているので レポートラインが 重 になり 各 現 地 法 から どちらを 向 いたら 良 いのか という 苦 情 が 発 している 中 国 で 統 括 会 社 を 設 置 した 次 のステップとしてアジアに 統 括 会 社 を 設 置 したが 中 国 と 同 様 に 管 理 しよう としたところ 現 地 法 より こちらの 国 の 実 態 に 即 していない との 苦 情 アジアでは 各 国 毎 に 法 制 度 が 全 く 異 なるので 結 局 は 各 国 別 のオペレーションを 志 向 せざるを 得 ない アジアでは 然 災 害 が 頻 発 しているため 災 害 リスク 担 当 として 派 遣 されたものの 各 現 地 法 にとって 有 効 な 援 を えていない 各 現 地 法 ごとにマネジメントレベルが 相 当 に 異 なる 特 に 社 が から 設 置 した 会 社 と 他 企 業 から 買 収 した 企 業 とのレベル 差 が きいという 印 象 があるが ではどうやって 全 体 の 底 上 げを 図 るのが 良 いのか アイディアが 無 い 5

(2) 地 域 統 括 会 社 に 求 められる 行 動 現 在 の 地 域 統 括 会 社 における 状 況 を 踏 まえると 今 後 求 められる 行 動 としては 以 下 の3つが 考 えられる 総 じて 日 本 の 本 社 は 現 地 の 状 況 を 把 握 し 切 れてはいないと 思 われるため 地 域 統 括 会 社 がどのような 役 割 であるべきかは 地 域 統 括 会 社 自 らが 定 義 することが 望 ましい 1 業 務 領 域 の 明 確 化 地 域 統 括 会 社 の 業 務 領 域 は 各 現 地 法 人 等 のニーズを 把 握 できる 地 域 統 括 会 社 から 本 社 に 対 し て 自 発 的 に 提 案 したほうが 良 い 例 えば 共 通 機 能 の 集 約 化 効 率 化 (シェアードサービス 化 ) については 現 地 統 括 会 社 の 現 状 を 踏 まえつつ 図 表 7 の 手 順 で 進 めるのが 一 案 である 図 表 7: 共 通 機 能 の 集 約 化 手 順 (イメージ) ( 弊 社 作 成 ) 2 共 通 基 盤 の 提 供 アジア 統 括 会 社 の 目 的 の 一 つである 情 報 収 集 経 営 判 断 の 迅 速 化 については 特 に 情 報 収 集 部 分 対 策 立 案 部 分 において 現 地 法 人 との 連 携 が 不 可 欠 である 一 方 で 各 現 地 法 人 はプロフ ィットセンターとして 最 小 限 の 要 員 体 制 で 業 務 を 実 施 している 場 合 が 多 く 地 域 統 括 会 社 が 過 大 な 要 求 を 押 し 付 けると 反 発 を 招 くことは 必 至 である よって 国 ごとのマクロ 状 況 や 動 向 等 は 統 括 会 社 の 業 務 として 情 報 収 集 を 行 い それをもとに 二 次 的 な 情 報 収 集 を 各 現 地 法 人 に 行 ってもら う もしくは 対 策 の 基 本 的 な 考 え 方 や 雛 形 的 な 部 分 は 統 括 会 社 にて 作 成 し 各 現 地 法 人 はそれを カスタマイズするかたちで 具 体 化 する 等 連 携 することが 望 ましい すなわち 共 通 基 盤 的 な 部 分 の 提 供 は 統 括 会 社 の 業 務 として 行 うということである 6

3 現 地 法 人 のマネジメントレベル 底 上 げ 現 地 法 人 に 派 遣 される 要 員 は 日 本 では 特 定 分 野 の 専 門 家 であったものの 当 地 ではゼネラリ ストとしての 活 動 を 求 められることがある 例 えば 日 本 では 法 務 担 当 者 であった 社 員 が 現 地 法 人 では 人 事 総 務 部 長 のポジションを 与 えられ 業 務 経 験 が 乏 しいにも 関 わらず 人 事 総 務 業 務 の 全 体 を 見 なくてはならないことがある こうした 課 題 に 対 しては 地 域 統 括 会 社 が 各 現 地 法 人 の 担 当 者 を 集 めたアジア 担 当 者 研 修 等 を 主 催 し 現 地 法 人 が 単 独 では 出 来 ないような 専 門 研 修 を 実 施 することが 求 められる もう 一 つのレベル 底 上 げの 手 段 として 地 域 統 括 会 社 が 提 供 可 能 なツールは ベンチマーキン グ である つまり 各 現 地 法 人 の 業 務 状 況 を 確 認 した 結 果 優 れていると 判 断 できるものにつ いては 汎 用 化 し 他 の 現 地 法 人 への 横 展 開 を 図 ることである これも 全 体 を 俯 瞰 できる 地 域 統 括 会 社 でしか 出 来 ない 取 組 みである 3.アジアにおける 地 域 統 括 会 社 のリスク 管 理 機 能 (1) アジアにおける 各 国 共 通 のリスク(イメージ) アジア 各 国 に 共 通 するカントリーリスクを 図 表 8 にまとめた 複 数 の 国 で 共 通 的 に 見 られるリス クについては アジア 地 域 統 括 会 社 として 共 通 基 盤 の 提 供 現 地 法 人 のマネジメントレベル 底 上 げ という 役 割 を 担 っていくことが 望 まれる 図 表 8:アジアにおける 各 国 共 通 のリスク(イメージ) ( 弊 社 作 成 ) 国 リスク 自 然 災 害 社 会 混 乱 コンプライアンス 公 務 商 政 員 業 麻 地 洪 台 テ 治 感 賄 賄 薬 震 水 風 ロ 混 染 賂 賂 の 乱 症 の の 禁 禁 禁 止 止 止 シンガポール マレーシア インドネシア フィリピン タイ ベトナム カンボジア ミャンマー ラオス 7

(2) 統 括 会 社 が 果 たすべきリスク 管 理 機 能 ( 自 然 災 害 対 策 の 例 ) 例 えば 自 然 災 害 への 対 策 については 以 下 のように 基 礎 的 な 調 査 を 地 域 統 括 会 社 にて 実 施 し 個 別 具 体 的 な 調 査 を 各 事 業 会 社 に 依 頼 することで 各 現 地 法 人 の 負 担 を 抑 えつつ 情 報 収 集 が 出 来 るようになる また 対 策 の 実 施 については 対 策 のガイドラインを 地 域 統 括 会 社 が 作 成 しておく ことで 具 体 的 なマニュアル 作 成 に 要 する 各 現 地 法 人 の 負 担 を 軽 減 することが 出 来 る それらの 取 組 みにより 結 果 的 に 統 括 会 社 における 情 報 収 集 経 営 判 断 が 迅 速 になる 図 表 9: 情 報 収 集 における 統 括 会 社 の 役 割 ( 弊 社 作 成 ) 4.まとめ アジアに 地 域 統 括 会 社 を 設 置 する 動 きは 今 後 も 継 続 するものと 思 われるが その 検 討 にあたって は 体 制 ありきではなく 目 的 役 割 ありきでその 必 要 性 を 熟 慮 する 必 要 がある その 上 で 検 討 さ れた 目 的 役 割 を 果 たすために 最 適 な 場 所 は 何 処 であるのか 人 材 のスペックは 何 であるのか 等 を 具 体 化 していくことが 望 ましい また リスク 管 理 機 能 については 各 国 現 地 法 人 に 共 通 基 盤 的 な 部 分 を 提 供 していくことで 日 本 の 本 社 では 出 来 ないような 役 割 を 果 たしていくことが 出 来 る 本 稿 が 地 域 統 括 会 社 の 設 置 を 検 討 中 の 企 業 や 地 域 統 括 会 社 の 役 割 設 定 に 試 行 錯 誤 している 企 業 の 参 考 になれば 幸 いである 8

参 考 資 料 : JETRO 資 料 在 シンガポール 日 系 企 業 の 地 域 統 括 会 社 に 関 するアンケート 調 査 (2007 年 2012 年 ) Singapore Economic Development Board Headquarters Award Lorenz & Partners Establishment of a Regional Operating Headquarters(March 2014) Malaysian Investment Development Authority Guidelines For Application For Status And Incentive For Setting UP An Operational Headquarters (OHQ) [2014 年 9 月 10 日 発 行 ] http://www.tokiorisk.co.jp/ ビジネスリスク 事 業 部 グローバルリスクグループ 100-0005 東 京 都 千 代 田 区 丸 の 内 1-2-1 東 京 海 上 日 動 ビル 新 館 8 階 Tel.03-5288-6556 Fax.03-5288-6625 9