The 1st Vietnam-Japan International Workshop for Sustainable Ocean Development and Disaster-Environmental Risk Management January 13, 2015 ブルーカーボンおよび 沿 岸 生 態 系 を 活 用 した 環 境 防 災 リスク 管 理 八 千 代 エンジニヤリング 株 式 会 社 技 術 開 発 部 岩 本 淳 目 次 Chapter 1 ベトナムにおける 海 岸 の 現 状 と 課 題 Chapter 2 解 決 策 1 ブルーカーボン( 環 境 リスク 管 理 ) Chapter 3 Chapter 4 解 決 策 2 態 系 を 活 した 災 害 リスク 管 理 まとめ 1
Chapter 1 ベトナムにおける 海 岸 の 現 状 と 課 題 Chapter 2 解 決 策 1 ブルーカーボン( 環 境 リスク 管 理 ) Chapter 3 Chapter 4 解 決 策 2 態 系 を 活 した 災 害 リスク 管 理 まとめ 2 ベトナムの 沿 岸 域 の 魅 力 海 岸 線 延 は3400kmと い 豊 かな 観 光 資 源 産 資 源 に 恵 まれる 出 典 :allabout WEBサイト 3
ベトナムにおける 沿 岸 域 の 課 題 沿 岸 態 系 の 減 少 劣 化 が 環 境 災 害 リスクを 増 海 岸 の 都 市 開 発 気 候 変 動 沿 岸 態 系 の 減 少 劣 化 (マングローブ 林 サンゴ 礁 等 ) 暴 露 される 命 資 産 の 増 加 危 険 事 象 の 増 加 規 模 化 潮 台 津 波 等 CO2 排 出 質 汚 濁 物 多 様 性 の 劣 化 脆 弱 性 の 上 昇 環 境 リスクの 増 災 害 リスクの 増 出 典 : 世 界 銀 WEBサイト 4 沿 岸 生 態 系 を 活 用 した 気 候 変 動 対 策 防 災 ECO-DRR (ECOsystem-based Disaster Risk Reduction) 態 系 を 活 災 害 リスク 管 理 ブルーカーボン 海 洋 物 による CO2 固 定 環 境 リスク 管 理 緩 和 出 典 :IUCN 減 災 ( 災 害 リスク 管 理 )のための 環 境 の 手 引 き に 一 部 加 筆 (2014) 5
目 次 Chapter 1 ベトナムにおける 海 岸 の 現 状 と 課 題 Chapter 2 解 決 策 1 ブルーカーボン( 環 境 リスク 管 理 ) Chapter 3 Chapter 4 解 決 策 2 態 系 を 活 した 災 害 リスク 管 理 まとめ 6 ブルーカーボンとは 海 洋 物 によって 固 定 される 炭 素 (アマモ 場 マングローブ 林 塩 湿 地 ) 海 岸 線 延 が い 本 では 温 暖 化 防 の 新 たな 段 として 期 待 グリーンカーボン 寿 命 : い 植 物 体 : きい 炭 素 固 定 植 物 体 中 数 値 は1 年 間 当 たりの 炭 素 量 2.4 億 トン CO 2 ブルーカーボン 寿 命 : 短 い 植 物 体 : さい 成 量 : きい 炭 素 固 定 海 底 7
ブルーカーボンの 動 向 国 際 的 動 向 期 待 UNEP: Blue Carbon (2009)を 発 表 し ブルーカーボンの 認 知 度 が 上 昇 SBSTTA:ブルーカーボンの 議 論 をするよう 提 案 ( 島 嶼 国 ) 森 林 に 続 く 新 たな 吸 収 源 として 注 を 集 める 課 題 CO2 固 定 量 に 関 する 科 学 的 知 が 不 京 都 議 定 書 で 認 められていない ブルーカーボンを 増 やす 取 組 が 推 進 されていない 横 浜 市 ( 本 ) 世 界 初 海 における 温 暖 化 対 策 を 推 進 するため 横 浜 ブルーカーボン 事 業 を 開 始 (2011 ) ブルーカーボンによるCO2の 固 定 削 減 量 を 定 量 評 価 認 証 ( える 化 )し 売 買 ( 経 済 価 値 化 )することで ブルーカーボンを 固 定 する 取 組 を 推 進 現 時 点 で 収 集 可 能 な 最 新 の 知 を 援 し 市 独 ルールを 作 成 SBSTTA: 科 学 技 術 助 補 助 機 関 8 橫 浜 市 の 概 要 1 国 際 港 湾 都 市 1859 年 に 横 浜 港 を 開 港 : 約 370 万 ( 治 体 では 本 ) GDP: 約 12.8 兆 円 ( 約. 1,000 億 USD) 出 典 : 横 浜 市 WEBサイト 9
橫 浜 市 の 概 要 2 土 地 利 用 : 大 部 分 は 市 街 地 であるが 自 然 の 土 地 利 用 も 存 在 ( 海 川 山 ) 10 橫 浜 ブルーカーボン 事 業 の 枠 組 横 浜 ブルーカーボン =ブルーカーボン + ブルーリソース + 親 しみやすい 海 づくり Ex) 海 藻 や 類 の 利 臨 海 部 におけるエネルギー 有 効 利 Ex) 藻 場 の 保 全 再 Ex) 市 参 加 による 海 づくり 環 境 教 育 横 浜 ブルーカーボン 11
橫 浜 ブルーカーボン 事 業 の 目 的 沿 岸 環 境 改 善 を 通 じた 環 境 社 会 経 済 の 好 循 環 を 指 す 温 暖 化 防 海 の 質 浄 化 海 の 物 多 様 性 の 保 全 ヨコハマフ ラント ヨコハマフ ライト の 向 上 市 の 海 への 関 揚 海 洋 環 境 改 善 の 取 組 の 主 流 化 産 業 振 興 観 光 客 の 増 加 資 源 供 給 量 の 増 加 12 橫 浜 ブルーカーボン 事 業 のしくみ 生 態 系 サービスを 定 量 評 価 経 済 価 値 化 し その 取 組 を 活 性 化 地 球 のメリット 地 球 温 暖 化 防 持 続 可 能 な 未 来 ヨコハマのメリット 海 洋 都 市 の 確 市 内 の 経 済 効 果 横 浜 市 のメリット 地 域 プライドの 向 上 親 しみやすい 海 づくり CO 2 固 定 削 減 質 浄 化 多 様 な 物 本 事 業 で 認 める 価 値 ( 当 はCO 2 を 対 象 ) 貨 幣 価 値 化 健 全 な 海 中 林 市 NPO 企 業 治 体 海 岸 清 掃 藻 場 再 浅 場 造 成 横 浜 ブルーカーボン 事 業 資 提 供 活 動 PR 13
社 会 実 験 (CO 2 削 減 量 の 定 量 評 価 経 済 価 値 化 ) CO₂ 削 減 量 を 横 浜 市 が 認 証 トライアスロン 会 をカーボンオフセット 橫 浜 シーサイドトライアスロン 会 (CO₂ 排 出 量 :4.5t-CO₂) 575 件 30 競 技 環 境 の 向 上 大 会 のイメージアップ 実 委 員 会 出 場 者 クレジット 購 代 34,560 本 あん 摩 マッサージ 指 圧 師 会 ( 出 展 者 マッサージ 代 の 全 額 寄 付 ) 49 500 寄 付 社 会 貢 献 カーボン オフセット 3.2t 24,500 橫 浜 市 CO₂ 削 減 価 値 3.2t 認 証 援 59,060 更 なるCO₂ 削 減 活 動 の 推 進 橫 浜 市 漁 協 ( 株 ) 橫 浜 景 島 (CO₂ 削 減 量 :16.8t-CO₂) わかめの 地 産 地 消 遠 で 採 れた わかめを べる 地 元 で 採 れた わかめを べる 海 熱 の 有 効 利 運 搬 距 離 の 減 少 等 空 気 を 空 調 に 利 省 エネ 冬 温 かく 夏 冷 たい 海 を 空 調 に 利 14 アマモによるCO2 固 定 量 の 算 定 方 法 1 針 : 簡 便 性 が い & 精 度 を 確 保 現 実 : 炭 素 が 海 底 に 堆 積 するため モニタリングが 困 難 炭 素 が 海 底 に 堆 積 するため モニタリングが 困 難 固 定 メカニズム 15
アマモによるCO2 固 定 量 の 算 定 方 法 2 年 間 炭 素 固 定 量 (t/ 年 )=アマモ 炭 素 現 存 量 (t) 0.12(/ 年 ) モニタリングが 困 難 モニタリングが 容 易 ( 深 海 ) ( 浅 海 ) 海 中 CO2 現 存 量 100 光 合 成 年 間 産 量 400 落 葉 脱 落 年 間 落 葉 枯 死 量 192 易 分 解 年 間 分 解 量 181 年 間 純 産 量 208 固 定 量 12 難 分 解 16 横 浜 ブルーカーボン 事 業 のまとめ これまでの 成 果 市 内 団 体 との 連 携 により 社 会 実 験 を 実 施 し 海 のCO2 削 減 活 動 に 間 資 が 回 る 仕 組 みを 試 し 改 善 点 を 抽 出 プロジェクトおよび 海 に 対 する 市 企 業 等 の 関 向 上 中 央 省 庁 や 他 治 体 からの 問 合 せ 視 察 の 増 加 今 後 の 課 題 クレジット 創 出 活 に 関 する 主 体 と 量 の 拡 市 参 加 の 拡 都 市 間 連 携 17
ベトナムにおけるブルーカーボンの 可 能 性 ベトナムにおけるブルーカーボンのポテンシャル ベトナムは 海 岸 線 延 が く 沿 岸 態 系 が 豊 か ブルーカーボンのポテンシャルが きい ブルーカーボンの 推 進 により 期 待 される 効 果 沿 岸 環 境 改 善 のほか 観 光 業 や 産 業 の 振 興 地 域 ブランドの 向 上 温 暖 化 防 海 の 質 浄 化 海 の 物 多 様 性 の 保 全 ヨコハマフ ラント ヨコハマフ ライト の 向 上 市 の 海 への 関 揚 海 洋 環 境 改 善 の 取 組 の 主 流 化 産 業 振 興 観 光 客 の 増 加 資 源 供 給 量 の 増 加 18 日 本 からベトナムへの 支 援 スキーム Joint Crediting Mechanism (JCM) ベトナムでのCO2 削 減 固 定 を 本 が 援 する 仕 組 み 現 段 階 ではブルーカーボンは 対 象 外 今 後 COPの 議 論 の 動 向 によってはブルーカーボンが 対 象 となる 可 能 性 もある Vietnam 出 典 :Ministry of the Environment, Japan 19
目 次 Chapter 1 ベトナムにおける 海 岸 の 現 状 と 課 題 Chapter 2 解 決 策 1 ブルーカーボン( 環 境 リスク 管 理 ) Chapter 3 Chapter 4 解 決 策 2 態 系 を 活 した 災 害 リスク 管 理 まとめ 20 ECO-DRRとは コンクリート 構 造 物 ではなく 態 系 を 活 して 防 災 減 災 ( 防 災 減 災 機 能 のある 態 系 = グリーンインフラストラクチャー ) 多 様 な 態 系 サービス( 物 多 様 性 気 候 変 動 適 応 )を 同 時 に 享 受 整 備 維 持 管 理 のコストも 削 減 緩 和 出 典 :IUCN 減 災 ( 災 害 リスク 管 理 )のための 環 境 の 引 き (2014) 21
生 態 系 の 種 類 と 災 害 リスクの 軽 減 効 果 森 林 地 すべり 落 の 軽 減 湿 地 洪 の 軽 減 沿 岸 潮 津 波 の 減 衰 出 典 : 環 境 省 WEBサイトの 下 図 に 加 筆 海 岸 林 マングローブ 林 砂 浜 サンゴ 礁 22 ベトナムの 沿 岸 におけるECO-DRRの 可 能 性 沿 岸 態 系 の 状 況 マングローブ サンゴ 礁 砂 浜 等 の 沿 岸 態 系 がかつて 豊 富 しかし 沿 岸 態 系 の 縮 劣 化 に より 防 災 減 災 機 能 が 減 少 気 候 変 動 気 候 変 動 の 被 害 を 受 けや すい 国 ワースト2 位 潮 や 津 波 等 による 災 害 リスクの 増 加 が 想 定 ベトナムではECO-DRRのポテンシャルが い 沿 岸 態 系 を 保 全 することで 気 候 変 動 への 適 応 も 可 能 既 存 のICM(Integrated Coastal Management)のに 組 み 込 むことも 有 効 出 典 : 米 国 の 信 用 格 付 機 関 S&P(2013) 116 国 中 23
マングローブ 林 による 災 害 リスク 低 減 の 例 マングローブなし 津 波 の 圧 を40% 軽 減 し 背 後 の 町 を 守 る マングローブ 林 ( 幅 100m) マングローブあり : 琉 球 大 学 ( 調 査 結 果 を 基 にしたシミュレーション 結 果 樹 種 :オヒルギ 胸 高 直 径 :39cm 密 度 :700 本 /ha) 24 マングローブ 林 による 環 境 リスク 低 減 +αの 例 マングローブなし 材 供 給 気 候 変 動 緩 和 CO2 産 業 の 振 興 マングローブあり 観 光 業 の 振 興 物 多 様 性 保 全 25
ECO-DRRを 巡 る 動 向 International 2005 UNISDR HFAで 実 施 を 推 奨 2008 PEDRR 国 際 的 パートナー シップを 設 2014 IUCN ガイドラインの 作 成 Domestic 2005-2006 2013 スリランカ 災 害 リスク 管 理 ロート マッフ EU 物 多 様 性 戦 略 2014 本 国 強 靭 化 基 本 計 画 アジア 太 平 洋 地 域 への 援 を 予 定 インドネシア 国 家 減 災 計 画 国 新 戦 略 アジェンダ 定 量 評 価 経 済 評 価 法 を 開 発 中 26 目 次 Chapter 1 ベトナムにおける 海 岸 の 現 状 と 課 題 Chapter 2 解 決 策 1 ブルーカーボン( 環 境 リスク 管 理 ) Chapter 3 Chapter 4 解 決 策 2 態 系 を 活 した 災 害 リスク 管 理 まとめ 27
ベトナムにおける 沿 岸 生 態 系 を 活 用 した 環 境 災 害 リスク 管 理 沿 岸 生 態 系 を 活 用 した 環 境 災 害 リスク 管 理 に 関 する 取 組 ブルーカーボンとECO-DRRを 紹 介 日 本 とベトナムは 海 洋 国 家 で 気 候 等 の 条 件 が 類 似 ブルーカーボンとECO-DRRはベトナムでも 有 効 と 考 えられる 日 本 とベトナムが 連 携 し 沿 岸 生 態 系 の 保 全 により 持 続 可 能 な 海 岸 利 用 を 進 めていきたい 28