2013 年 1 月 8 日 ( 火 ) H24 中 性 子 イメージング 専 門 研 究 会 フラットヒートパイプ 型 ヒートスプレッダ 内 部 における 冷 媒 分 布 の 測 定 に 向 けて 国 立 大 学 法 人 鹿 児 島 大 学 水 田 敬
本 プロジェクトのターゲット 高 輝 度 小 型 LED 水 中 照 明 における 放 熱 システムの キーデバイスであるフラットヒートパイプ 型 ヒートスプレッダ 内 部 の 冷 媒 分 布 を 測 定 フラットヒートパイプの 高 性 能 化 に 向 けた 知 見 を 得 る
研 究 開 発 背 景 1 ~ 漁 業 における 漁 灯 の 重 要 性 ~ 総 漁 獲 量 415 万 トン 灯 火 漁 業 : 約 147 万 トン 旋 網 (かつお まぐろを 除 く) 約 99 万 トン いか 釣 り 約 17 万 トン サンマ 棒 受 網 約 31 万 トン 我 が 国 の 漁 業 においては 漁 灯 を 用 いた 灯 火 漁 業 が 主 流 である ( 平 成 21 年 度 海 面 漁 業 の 漁 獲 量 農 林 水 産 省 ホームページより)
研 究 開 発 背 景 2 ~ 漁 灯 による 大 量 のエネルギー 消 費 ~ 特 に イカ 釣 り 漁 船 などでは 莫 大 な 光 量 が 必 要 (250 kw) 陸 上 競 技 場 照 明 施 設 の 約 2 倍 のエネルギーを 消 費 巨 大 な 発 電 機 を 搭 載 しなければならず イニシャルコスト ランニングコストとも 非 常 に 高 い 急 激 な 燃 料 価 格 上 昇 による 漁 業 操 業 停 止 我 が 国 における 食 料 安 定 供 給 の 脅 威 低 エネルギー 消 費 型 灯 火 漁 業 の 実 現 が 必 須
研 究 開 発 背 景 3 ~ 灯 火 漁 業 に 使 用 される 照 明 について~ 電 球 ( 白 熱 電 球,ハロゲン 灯 ) メタルハライド 灯 メリット デメリット 安 価 大 電 力 が 必 要 入 手 し 易 い 光 力 競 争 明 るい 指 向 性 が 低 い 発 光 ダイオード(LED) メリット 消 費 電 力 が 小 さい 多 様 な 波 長 を 出 せる 光 力 制 御 ができる etc. 電 力 消 費 の 大 きい 光 源 から 省 電 力 のLEDへ
研 究 開 発 背 景 4 ~ 従 来 の 高 輝 度 LED 照 明 における 課 題 ~ 大 光 量 の 照 明 を 実 現 するためには 高 輝 度 LEDが 必 要 だが 高 輝 度 LEDチップにおいては 数 mm 角 の 領 域 から 光 に 変 換 されなかった 大 量 の 熱 が 放 出 される 最 新 LEDチップにおいては 熱 流 束 は10 MW/m 2 にも 達 する (H2Aロケットブースターレベル!) Fig. H2Aロケット (JAXAホームページより) 既 存 の 冷 却 技 術 では 十 分 な 冷 却 性 能 を 実 現 できない ため 多 数 のLEDを 広 い 間 隔 で 実 装 して 点 灯 させている 大 型 化 コストの 上 昇 低 輝 度 化 を 招 いている
シーズ 技 術 について1 ジャンクション 温 度 抑 制 による 高 輝 度 長 寿 命 化 技 術 ~FGHPをコアとした 高 性 能 冷 却 システム 開 発 技 術 ~ 内 部 にヒートパイプ 構 造 を 有 するヒートパイプ 型 ヒートスプレッダ ( 株 )モレックス 喜 入 社 の 微 細 エッチング 加 工 技 術 により ウィックを 形 成 するため 精 密 な 構 造 制 御 が 可 能 (= 従 来 技 術 に 対 するアドバンテージ) (i) FGHP 内 部 構 造 (ii) FGHPの 働 きについて Fig. FGHPについて
FGHPの 基 本 構 造 上 板 中 板 下 板 ディンプル 上 板 中 板 下 板 ウィック 上 板 切 断 図 蒸 気 路 上 板 中 板 下 板 の3 種 類 の 銅 板 からなる 積 層 構 造 体 接 着 剤 等 は 用 いず 真 空 ホットプレスにより 各 銅 板 を 直 接 接 合 積 層 体 内 部 には 真 空 下 冷 媒 を 封 入 冷 媒 封 入 口 は 銅 ボールにより 積 層 時 と 同 様 直 接 接 合 にて 封 止
FGHPの 内 部 構 造 ウィックの 構 造 ( 中 板 ) ディンプルの 構 造 ( 上 板 下 板 ) 中 板 部 分 にはウィックと 呼 ばれる 毛 細 管 流 路 部 分 と 蒸 気 路 と 呼 ばれる 開 口 部 が 設 けられている 上 板 下 板 にはディンプルと 呼 ばれる 微 小 な 突 起 が 設 けられており 突 起 間 の 溝 は 毛 細 管 流 路 を 形 成 するとともに 表 面 積 増 大 効 果 を 持 つ
温 度 分 布 平 滑 化 効 果 の 検 証 受 熱 部 中 央 部 より 加 熱 し 放 熱 側 をスポットクーラーで 強 制 空 冷 熱 源 との 間 には サーマルグリス (2 W/m K, アイネックス 製 )を 塗 布 上 面 温 度 分 布 を 赤 外 線 サーモグラ フィ(TVS-200, 日 本 アビオニクス 製 )により 測 定 Fig. サーモグラフィ 評 価 機
使 用 したサンプル 1. 65, 2 mm t, 銅 製 ヒートスプレッダ 2. 65, 2 mm t, FGHP ( 内 部 50 エリアがヒートパイプ 構 造 ) ヒートパイプ 構 造 部 分 50 mm 65 mm 50 mm 65 mm Fig. FGHPサンプル 概 略 図
温 度 分 布 平 滑 化 効 果 について 銅 製 ヒートスプレッダ
温 度 分 布 平 滑 化 効 果 について FGHP
優 れた 熱 拡 散 性 ホットスポット (a) 銅 製 ヒートスプレッダ (b) FGHP Fig. 赤 外 線 サーモグラフィによる 表 面 温 度 測 定 結 果 ( 加 熱 開 始 から 十 分 に 時 間 が 経 過 した 後 の 定 常 状 態 における 温 度 分 布 ) 銅 製 ヒートスプレッダ: 中 央 部 にホットスポットが 発 生 FGHP:ホットスポットは 観 察 されず 温 度 はほぼ 均 一 温 度 平 滑 化 効 果 に 優 れている
使 用 したサンプル 1. 50, 2 mm t, 銅 製 ヒートスプレッダ 2. 50, 2 mm t, FGHP ( 内 部 50 エリアがヒートパイプ 構 造 ) ヒートパイプ 構 造 部 分 50 mm 50 mm Fig. FGHPサンプル 概 略 図
表 面 温 度 の 測 定 について T s T h3 T h2 T h1 2 mm 2 mm 2 mm 熱 源 z Fig. 熱 源 の 熱 電 対 設 置 位 置 2 mm 熱 源 の 側 面 ( 青 色 部 )を 断 熱 160 T [K] 150 140 T s T h3 T h2 T h1 130 0 1 2 3 4 5 6 z [mm] Fig. 熱 源 表 面 温 度 T s の 推 定
サーモグラフィ 評 価 結 果 (a) 銅 製 ヒートスプレッダ (b) FGHP Fig. 赤 外 線 サーモグラフィによる 表 面 温 度 測 定 結 果 ( 加 熱 開 始 から 十 分 に 時 間 が 経 過 した 後 の 定 常 状 態 における 温 度 分 布 )
熱 抵 抗 低 減 効 果 について1 R th (work) [K/W] 2.0 1.5 1.0 0.5 copper heat spreader FGHP 約 -0.3 K/W 0 310 350 400 440 T s [K] Fig. ワーク 熱 抵 抗 の 比 較
熱 抵 抗 低 減 効 果 について2 R th (all) [K/W] 4.0 3.5 3.0 2.5 copper heat spreader FGHP 約 -0.3 K/W 2.0 310 350 400 440 T s [K] Fig. 総 熱 抵 抗 の 比 較
有 効 熱 伝 導 率 の 推 定 (a) サーモグラフィによる 測 定 値 (b) シミュレーション 結 果 Fig. サーモグラフィによる 測 定 値 とシミュレーション 結 果 との 比 較 実 装 した 状 態 におけるサーマルシミュレーションを 実 施 するために 有 効 熱 伝 導 率 を 推 定
有 効 熱 伝 導 率 の 推 定 方 法 1 境 界 条 件 の 推 定 CFD-ACE+を 用 いてサーマルシミュレーションを 実 施 し 銅 板 について の 温 度 分 布 の 実 測 値 と シミュレーションにより 求 めた 温 度 分 布 の 一 致 性 が 高 くなる 様 サーマルグリスの 厚 み 上 面 の 熱 伝 達 係 数 を 決 定 した 2 FGHP 温 度 分 布 の 一 致 性 確 認 1 で 推 定 した 境 界 条 件 をもとに 様 々な 熱 伝 導 率 のヒートスプレッダに 対 し シミュレーションを 行 い FGHPに 関 する 温 度 分 布 の 実 測 値 と 比 較 した 3 FGHPの 有 効 熱 伝 導 率 の 推 定 2 の 結 果 より 熱 源 表 面 温 度 と 熱 伝 導 率 の 関 係 を 求 め FGHP 使 用 時 の 熱 源 表 面 温 度 の 測 定 値 により 有 効 熱 伝 導 率 を 推 定 した
境 界 条 件 の 決 定 Fig. 銅 製 ヒートスプレッダの 上 面 温 度 プロファイルを 比 較 銅 製 ヒートス プレッダに 関 するサーモグ ラフィによる 温 度 分 布 測 定 結 果 とシミュ レーションに よる 分 布 が 最 もよく 一 致 す る 条 件 から 境 界 条 件 を 推 定
有 効 熱 伝 導 率 の 決 定 T s [K] 377 376 375 374 ヒートスプレッダ の 熱 伝 導 率 を 変 化 させた 場 合 の 表 面 温 度 推 定 値 の 変 化 から 有 効 熱 伝 導 率 を 推 定 373 1000 1500 2000 2200 k e [W/(m K)] Fig. 熱 伝 導 率 による 熱 源 表 面 温 度 推 定 値 の 変 化 k e は 約 1.8 10 3 W/(m K)
シーズ 技 術 について 1 高 い 熱 拡 散 性 能 を 有 するFGHP (a) 銅 製 ヒートスプレッダ (b) FGHP Fig. 赤 外 線 サーモグラフィによる 表 面 温 度 測 定 結 果 ( 加 熱 開 始 から 十 分 に 時 間 が 経 過 した 後 の 定 常 状 態 における 温 度 分 布 ) サーモグラフィ 評 価 結 果 とシミュレーション 結 果 より FGHPの 有 効 熱 伝 導 率 は 約 1.8 10 3 W/(m K)
FGHP 冷 却 システムに 関 連 する 研 究 開 発 状 況 について シーズ 技 術 について 1 Fig. 排 熱 パス 付 Fig. フィン 一 体 型 FGHPの 特 性 を 有 効 に 利 用 するために 種 々の 開 発 を 実 施 しており さらなる 高 性 能 化 や 適 用 性 の 拡 大 に 向 け て 研 究 開 発 を 実 施 Fig. 回 路 一 体 形 成 型
中 性 子 ラジオグラフィーによる 可 視 化 例 京 都 大 学 原 子 炉 実 験 所 斉 藤 先 生 による 撮 影 結 果 より 内 部 構 造 を 可 視 化 することは 可 能 で あることがわかった イニシャル 状 態 で 冷 媒 はどこに 分 布 してい るか? ドライスタート 時 の 特 性 を 把 握 する 上 で 重 要
FGHPを 用 いた 水 中 LED 照 明 の 開 発 について
筐 体 の 放 熱 設 計 ~ 実 用 化 を 見 据 えた 構 成 について~ 小 型 高 輝 度 水 中 LED 照 明 シンプルな 構 成 ながら FGHPの 性 能 を 引 き 出 す 構 成 をシミュレーションにより 決 定
LED 基 板 を 搭 載 した 筐 体 (プロトタイプ)
LEDを 実 装 したFGHP 基 板 ( 日 亜 化 学 工 業 社 製 白 色 )
LEDを 実 装 したFGHP 基 板 ( 日 亜 化 学 社 工 業 製 青 緑 色 )
放 熱 特 性 評 価 実 験 Fig. 放 熱 特 性 評 価 実 験 空 中 点 灯 用 液 冷 ジャケットを 装 着 し た 筐 体 を 定 電 流 (1 系 統 あたり0.35 A) で 駆 動 し 温 度 分 布 ならびに 電 流 電 圧 特 性 を 調 べた
従 来 技 術 に 対 する 優 位 性 に 関 して 従 来 技 術 ( 銅 製 基 板 を 用 いた 場 合 ) 本 研 究 開 発 (FGHP 基 板 を 用 いた 場 合 ) 基 板 中 心 温 度 :351.4 K 中 心 と 周 辺 の 温 度 差 : 約 6 K 本 研 究 開 発 は 従 来 技 術 に 比 べて 基 板 中 心 温 度 : 約 11 K 低 減 中 心 温 度 と 周 辺 温 度 との 差 : 約 30 分 の1 基 板 中 心 温 度 :340.4 K 中 心 と 周 辺 の 温 度 差 :0.2 K アレニウスの 法 則 より 半 導 体 寿 命 を2 倍 超 に 伸 ばす 効 果 面 内 での 発 光 強 度 のムラを 抑 制 可 能 LEDの 寿 命 の 偏 りを 低 減 する 効 果 ( 過 大 な 寿 命 設 計 の 防 止 ) 従 来 技 術 に 対 して 本 研 究 開 発 は 大 きな 優 位 性 を 実 現
LED 基 板 を 搭 載 した 筐 体 ( 鍛 造 版 筐 体 ) 直 径 :115 mm 高 さ:52 mm ( 突 起 含 まず) 投 入 電 力 :180 W 全 光 束 :18,000 lm (180 W 入 力 時 ) 40,000 lm (400 W 投 入 時, 白 色 ) 放 熱 部 材 質 : 真 鍮 下 面 カバー 材 質 :アクリル 重 量 : 真 鍮 シェル: 約 2 kg 発 光 色 : 白 緑 青 緑 他 用 途 によって 構 成 を 変 更 可 能
小 型 内 蔵 型 電 源 rev. 1
小 型 内 蔵 型 電 源 rev. 1による 点 灯 試 験
小 型 内 蔵 型 電 源 rev. 1による 点 灯 試 験
小 型 内 蔵 型 電 源 rev. 4
小 型 内 蔵 型 電 源 rev. 4と 電 源 内 蔵 型 筐 体
シーズ 技 術 について2 波 長 選 択 による 省 エネルギー 化 技 術 ~ 科 学 的 根 拠 に 基 づく 有 効 波 長 決 定 技 術 ~ マアジTrachurus japonicus 絶 対 閾 値 魚 類 の 網 膜 細 胞 を 用 いた ERG 測 定 によ り 光 刺 激 に 対 する 応 答 性 を 波 長 帯 ごと に 定 量 化 する ことが 可 能 ERG 装 置 概 略 比 視 感 度 (マアジの 例 )
電 気 生 理 学 的 手 法 によるのスペクトル 感 度 の 計 測 マアジTrachurus japonicus サンマCololabis saira コイCyprinus carpio 刺 激 光 のλ MAX ERG 装 置 概 略
全 光 束 とスペクトル 特 性 の 評 価
魚 類 の 視 覚 特 性 に 対 する 適 応 性 の 検 討 サンマに 対 する 適 応 率 [%] 全 光 束 [lm] (170 W 投 入 時 ) 有 効 発 光 エネルギー [lm] クリー 社 製 白 色 35.7 1.78E+04 6.35E+03 日 亜 化 学 社 製 白 色 31.4 1.66E+04 5.21E+03 東 芝 社 製 白 色 25.1 1.14E+04 2.86E+03 クリー 社 製 緑 色 68.3 1.34E+04 9.15E+03 日 亜 化 学 社 製 青 緑 82.3 1.37E+04 1.13E+04 対 象 に 対 して 適 切 なスペクトル 特 性 のLEDを 選 択 することにより 有 効 なエネルギー 成 分 が 増 加