県 北 ブロック 英 語 を 意 欲 的 に 学 び, 積 極 的 に 発 信 しようとする 児 童 生 徒 の 育 成 - 楽 しい 外 国 語 活 動 から 確 かな 中 学 校 英 語 への 滑 らかな 接 続 - 1 主 題 設 定 の 理 由 近 年 のグローバル 社 会 において, 多 様 な 文 化 価 値 観 をもつ 世 界 の 国 々と 共 に 発 展 してい くために, 他 者 と 共 存 するコミュニケーション 能 力 や 郷 土 を 愛 する 心 ( = 日 本 人 として のアイデンティティ)を 持 つ 次 世 代 の 育 成 がま すます 必 要 とされている そのためには, 自 ら の 考 え 及 び 日 本 の 伝 統 文 化 や 歴 史 について, 積 極 的 に 伝 えようとする 発 信 力 の 育 成 が 求 め られている 昨 年 度 文 部 科 学 省 より 発 表 された グローバ ル 化 に 対 応 した 英 語 教 育 改 革 実 施 計 画 ( 平 成 25 年 12 月 )では,こうした 時 代 に 対 応 すべく, 初 等 中 等 教 育 段 階 からグローバル 化 に 対 応 した 教 育 環 境 づくりが 進 められるよう 提 言 している 具 体 的 には, 小 学 校 における 英 語 教 育 の 拡 充 強 化, 中 高 等 学 校 における 英 語 教 育 の 高 度 化 な ど, 小 中 高 等 学 校 を 通 じた 英 語 教 育 全 体 の 抜 本 的 充 実 が 求 められている また, 東 京 2020 オリンピック パラリンピ ックの 開 催 に 向 けて, 今 後, 外 国 人 を 含 め 多 く の 人 々と 触 れ 合 う 機 会 が 増 えることから,さら なる 英 語 教 育 の 充 実 が 求 められている 県 北 ブロックでは,こうした 背 景 を 踏 まえて, 県 の 研 究 テーマと 同 様 の 英 語 を 意 欲 的 に 学 び, 積 極 的 に 発 信 しようとする 児 童 生 徒 の 育 成 を 研 究 主 題 として 設 定 した そして,この 発 信 する 力 を 次 の3 点 としてとらえた 1. 自 分 の 考 えや 伝 えたい 情 報 などについ て, 積 極 的 に( 間 違 いを 恐 れず)かつ, できるだけ 相 手 に 分 かりやすく 伝 えよう とする 力 2. 自 分 自 身 や 自 分 の 住 んでいる 地 域 ( 郷 土 )を 大 切 にし,その 良 さを 他 者 に 伝 え ることができる 力 3. 課 題 を 見 つけ,その 課 題 に 向 かい, 協 力 して 解 決 しようと 他 者 とやりとりがで きる 力 特 に, 今 後 の 国 際 社 会 においては, 異 なる 文 化 や 価 値 観 をもつ 人 々に 自 分 の 考 えを 正 しく 伝 える 発 信 力 が 必 要 とされる しかしながら, 言 わなくても 考 えを 理 解 してもらえる ことの 多 い 風 土 の 中 で, 自 分 の 考 えを 相 手 に 分 かりやす く 表 現 する 力 は, 県 北 ブロックでもまだ 十 分 と は 言 えない 傾 向 にある そこで, 県 北 の 研 究 テーマである 英 語 を 意 欲 的 に 学 び, 積 極 的 に 発 信 しようとする 児 童 生 徒 の 育 成 - 楽 しい 外 国 語 活 動 から 確 かな 中 学 校 英 語 への 滑 らかな 接 続 - のために, 次 の2 点 を 重 点 的 に 取 り 組 んでいる (1) 小 学 校 での 外 国 語 活 動 から 中 学 校 英 語 科 への 滑 らかな 接 続,さらには 高 校 への 接 続 CAN-DO リストを 作 成, 情 報 を 交 換 し 合 い, 最 終 的 に 育 てたい 姿 から 小 中 ( 高 ) での 各 段 階 での 学 習 到 達 目 標 について 研 究 し 合 う 各 指 導 法 研 修 会 や 研 究 会 を 小 学 校 中 学 校 で 連 携 して 行 い, 児 童 生 徒 の 実 態 をつ かみ,より 確 かな 目 標 設 定 目 標 を 具 現 化 する 手 法 について 研 究 する (2) 授 業 における 英 語 を 意 欲 的 に 学 び, 積 極 的 に 発 信 しようとする 児 童 生 徒 の 育 成 茨 城 県 主 催 の 英 語 インタラクティブフォ ーラムを 基 軸 に, 各 到 達 段 階 に 合 った, 自 分 のことや 身 近 な 事 柄 を 積 極 的 に 伝 え ようとする 活 動 や 場 の 工 夫 自 分 の 考 えや 郷 土 ( 日 本 の 伝 統 文 化 自 分 の 町 や 学 校 の 良 いところなど)につい て,4 技 能 を 総 合 的 に 育 成 しながら,そ れらを 表 現 する 言 語 活 動 の 工 夫 発 信 しようとする 力 を 支 えるための 土 台 として, 基 本 的 な 語 彙 や 文 構 造 を 活 用 する 力 を 育 てる 取 組 伝 える 喜 びを 実 感 させるための ALT の 活 用 英 語 を 意 欲 的 に 話 したり 書 いたりしたく なる 活 動 の 工 夫
2 研 究 の 概 要 (1) 常 陸 太 田 市 の 取 組 1 小 中 連 携 の 取 組 について 常 陸 太 田 市 では, 小 中 が 連 携 してコミュニ ケーション 能 力 の 素 地 を 養 えるようにALT を 小 学 校 に 派 遣 したり, 中 学 校 の 英 語 教 諭 が 小 学 校 に 赴 き 授 業 を 行 ったりしている 小 学 校 では, 歌 やチャンツで 英 語 音 声 に 多 く 触 れ, またインタビュー 活 動 やゲームを 通 して, 外 国 語 への 意 欲 を 高 め,より 一 層 の 慣 れ 親 しみ が 図 れるよう 工 夫 している それを 受 け 中 学 校 では, 英 語 でコミュニケーションをする 楽 しさを 継 続 して 味 わえるように,ビンゴやゲ ームなどを 取 り 入 れた 言 語 活 動 を 展 開 してい る 2 小 学 校 実 践 例 ( 金 砂 郷 小 ) コミュニケーションの 楽 しさを 味 わおう 金 砂 郷 小 では, 人 前 で 話 したり, 英 語 に よる 表 現 を 実 際 に 用 いたりする 場 の 設 定 が 重 要 であると 考 え, 総 合 的 な 学 習 の 時 間 と 関 連 づけて,6 年 生 では 修 学 旅 行 でインタ ビュー 活 動 を 行 った 外 国 人 旅 行 者 との 触 れ 合 いは, 異 文 化 を 学 ぶとともに 英 語 での 表 現 に 慣 れ 親 しみ,コミュニケーションへ の 関 心 意 欲 の 高 まりにつながっている 本 単 元 では, 行 きたい 国 について 尋 ねた り 答 えたりする 活 動 を 多 く 取 り 入 れ, 外 国 語 に 慣 れ 親 しむことを 重 視 していく 〇 指 導 計 画 (5 時 間 扱 い) (1) 評 価 について 評 価 の 観 点 評 価 規 準 ア コミュニケーションへの 関 心 意 欲 態 度 自 分 の 思 いが 伝 わるように, 積 極 的 におすすめの 国 を 紹 介 したり, 友 だちに 質 問 しようとしたりしている イ 外 国 語 への 慣 れ 親 しみ 行 きたい 国 について 尋 ねたり 答 えたりする 表 現 に 慣 れ 親 しんでいる ウ 言 語 や 文 化 に 関 する 気 付 き 世 界 には 様 々な 人 たちが 様 々な 生 活 をしていることに 気 付 いている (2) 本 単 元 の 指 導 と 評 価 について 時 主 な 学 習 活 動 評 価 規 準 主 な 言 語 材 料 1 国 名 の 言 い 方 を 知 る ウ America Australia Egypt France China Spain Greece Brazil 2 本 時 行 きたい 国 について 尋 ねたり 答 えたりする 表 現 に 慣 れ 親 しむ 3 行 きたい 国 について 尋 ねたり 答 えたりする 表 現 に 慣 れ 親 しむ 4 自 分 たちが 紹 介 する 国 について まとめ, 発 表 準 備 をする 5 いろいろな 国 について 質 問 した り 答 えたりして 積 極 的 に 交 流 する ア イ I want to go to ~. What country? Where do you want to go? ア イ I want to go to ~. I like ~. What country? Where do you want to go? ウ This is~. It ' s in~. ア イ I want to go to ~. I like ~. What country? 本 時 の 指 導 (1) 目 標 行 きたい 国 の 名 前 や 理 由 を 伝 えたり 聞 いたりする 活 動 を 通 して,コミュニケー ションの 楽 しさを 味 わい, 外 国 語 の 表 現 に 慣 れ 親 しむ
(2) 準 備 資 料 探 険 バック ワークシート (3) 展 開 学 習 活 動 内 容 1 あいさつをする 支 援 ( 支 援 個 への 支 援 )と 評 価 HRT Hello,everyone.How are you?i ' m fine.thank you. 外 国 語 活 動 支 援 員 元 気 よくあいさつをする 2 カードを 使 って, 国 名 の 復 習 をする 発 音 を 確 かめながら, 国 名 の 言 い 方 を 確 認 する 国 名 の 言 い 方 をサポート, リピートする 3 CDを 聞 き,チャンツをす る (Let s Chant) 2 4 本 時 のめあてを 知 る 行 きたい 国 の 名 前 を 伝 え たり, 聞 いたりしよう 5 カード 合 わせのデモンス トレーションをする 国 名 や 理 由 を 答 える 言 い 方 などを 聞 かせる 前 もって 行 きたい 国 をカー ドに 記 入 させておく 歌 詞 を 一 度 リピートする 6 行 きたい 国 とその 理 由 を 表 す 表 現 を 用 いたゲームを する (1)カードマッチングゲー ムをする I want to go to ~. (2)インタビューゲームを する 7 本 時 の 学 習 を 振 り 返 る 8 終 わりのあいさつをする HRT : Hello. Where do you want to go? 支 援 員 : I want to go to ~. Where do you want to go? できるだけ 多 くの 人 にイン タビューするように 指 示 す る 評 行 きたい 国 を 表 す 表 現 を 用 いたゲームを 通 し て,コミュニケーション の 楽 しさを 味 わい, 外 国 語 に 慣 れ 親 しんでいた か ( 観 察 ワークシート) うまく 言 えない 場 合 には, 自 分 の 知 っている 語 彙 だけ を 使 ったり, 友 だちや 教 師 に 尋 ねたりできるよう 支 援 する 子 どもたちの 活 動 ぶりを 称 賛 する まとめ( 成 果 と 課 題 ) 外 国 語 活 動 の 中 に 歌 やゲームを 取 り 入 れることで, 外 国 語 活 動 を 楽 しみにしている 児 童 が 増 えている 修 学 旅 行 では, 今 まで 学 んだ 英 語 を 使 って 外 国 人 とコミュニケーションをとることができ 児 童 の 自 信 につながっている 課 題 英 語 による 表 現 を 積 極 的 に 活 用 できる 場 を 今 後 も 検 討 していきたい
(2) 日 立 市 の 取 組 日 立 市 では 中 学 校 外 国 語 科 の 指 導 の 重 点 とし て 小 中 の 円 滑 な 接 続 と4 技 能 を 総 合 的 に 育 成 する 指 導 法 の 工 夫 と 改 善 を 掲 げている そし て 小 学 から 中 学 校 へ 連 携 して 育 てたい 力 を, 日 立 の 英 語 教 育 9 年 間 の 構 想 と ALT の 活 用 の 仕 方 として 系 統 立 てて 明 示 している これによ り 最 終 的 に 育 てたい 姿 を 自 国 の 文 化 の 理 解 を 基 盤 として, 他 国 の 文 化 を 理 解 尊 重 し, 広 い 視 野 でよりよい 世 界 の 創 造 に 貢 献 できる 子 ども とし, 各 学 校 で 授 業 の 実 践 に 励 んでいる 1 中 学 校 実 践 例 1 身 近 な 日 本 のものや 日 本 のことを 伝 えよう! 教 科 書 単 元 Sunshine English Course 3 Program 5 Sushi-Go-Around in the World 発 信 する 力 を 高 めることをねらいとし, 自 分 たちの 身 近 にある 日 本 のものや 日 本 のことを 他 の 国 の 人 に 知 ってもらえるようプレゼンテーシ ョンを 作 成 した call + 目 + 補,make+ 目 + 補 などの 新 出 文 法 や 既 習 文 法 を 用 いて,ペアで 考 えた 日 本 について 紹 介 したいものを, 相 手 に 興 味 をもって 聞 いてもらえるよう 工 夫 し, 意 欲 的 に 発 信 することができた また,できた 作 品 を 実 際 にニュージーランドの 姉 妹 都 市 国 際 交 流 校 に 送 り,その 返 事 を 受 け 取 ることができたこ とにより,さらに 生 徒 の 意 欲 付 けにつなげるこ とができた 与 え, 既 習 の 表 現 を 生 かして,どのようにして グループの 仲 間 に 紹 介 したらよいか, 何 とかし て 伝 える 力 を 育 てることをねらいとする 教 科 書 単 元 Sunshine English Course 1 Program 6 由 紀 のイギリス 旅 行 My Project1で 既 習 の 自 己 紹 介 スピーチの 原 稿 を 活 用 して, 自 分 のことをペアに 伝 える ペ アは,アイコンタクト 相 づちに 留 意 し,メモ を 取 りながら 聞 きとる 英 語 の 授 業 専 用 の3 人 グループの 中 で, 聞 きとったペアのことをメモ をもとに 紹 介 してみる その 際, 振 り 返 りに 役 立 つようボイスレコーダーで 紹 介 している 場 面 を 録 音 しておく ボイスレコーダーを 聞 きなが ら, 自 分 の 発 話 を 振 り 返 る 活 動 後 に,タスク 達 成 に 必 要 であった 新 出 の 表 現 方 法 を 導 入 する 教 師 は, 最 初 に 文 法 事 項 を 教 える 活 動 を 行 わず, 生 徒 のタスク 達 成 への 意 欲 を 高 め, 友 だち 紹 介 に 必 要 な 表 現 を 生 徒 が 自 ら 探 し 出 す 手 助 けをす る (2)メモをもとに, 友 だちをグループの 仲 間 に 伝 えてみよう Recorder Speaker Listener 1アイコンタクト 相 づち を 打 ちながら 聞 く 2 聞 き 取 れたことを,Speaker に 日 本 語 で 伝 える 全 てではなく 聞 き 取 れたメモを 元 に 伝 えてみる 3 中 学 校 実 践 例 3 姉 妹 都 市 (ニュージーラ ンドタウランガ 市 )の 学 校 と 国 際 交 流 を 深 めよう 自 分 たちの 学 校 生 活 やスポーツ, 行 事, 日 本 文 化 などを 写 真 と 文 章 で 互 いに 紹 介 し 合 う 活 動 (Photo Essay)やスカイプを 通 して 現 地 の 学 校 の 生 徒 と 会 話 を 行 っている 昨 年 度 一 つの 中 学 校 で 始 まったこの 取 組 は, 現 在 4 中 学 校 に 増 え, 来 年 度 はさらに3 中 学 校 増 える 予 定 である スカイプを 用 いて 現 地 の 学 校 と 会 話 する 様 子 2 中 学 校 実 践 例 2 友 だちを 紹 介 してみよう 活 動 のねらい TBLT(Task Based Language Teaching) 手 法 を 用 いて, 使 用 する 言 語 形 式 を 生 徒 が 主 体 的 に 選 択 し, 相 手 との 自 然 なコミュニケーション を 通 して, 与 えられた 課 題 を 達 成 するタスク 活 動 を 行 った 三 人 称 単 数 現 在 形 の 学 習 の 第 1 時 に, 友 だちを 紹 介 してみよう というタスクを
4 小 中 高 連 携 を 意 識 した 教 員 研 修 ア 日 立 市 英 語 研 究 会 による 夏 季 研 修 会 及 び 指 導 法 研 修 会 の 実 施 平 成 26 年 度 日 立 市 夏 季 研 修 会 では, 茨 城 大 学 齋 藤 英 敏 准 教 授 を 招 いて, 英 語 インタラ クティブフォーラムからみえる 中 学 校 に 期 待 する 英 語 能 力 と 今 後 の 英 語 教 育 のあり 方 と いう 演 題 で, 小 中 合 同 で 研 修 会 を 行 った 小 学 校 の 外 国 語 活 動 で 培 ってきた 素 地 を 中 学 校 でさらに 発 展 的 な 力 (ディスカッション 力 ) を 高 めるための 手 立 てについて, 理 論 的 な 話 からさらに 実 践 方 法 を 挙 げて 話 をしていただ いた また, 毎 年 小 学 校 での 外 国 語 活 動 指 導 法 研 修 会 及 び 中 学 校 での 英 語 指 導 法 研 修 会 を 行 い, 小 中 の 連 携 を 考 えた 授 業 研 究 を 行 っている そして CAN-DO リストについても, 各 校 の 現 状 を 話 し 合 い, 作 成 の 仕 方 についての 確 認 を 行 うなど, 各 中 学 校 で 作 成 を 進 めている イ 英 語 インタラクティブフォーラム 大 会 H26 年 度 より, 県 大 会 の 新 評 価 方 法 に 照 ら し 合 わせて, 同 様 の 形 でジャッジを 行 った またジャッジには, 中 高 連 携 を 考 えて, 市 の 教 育 委 員 会 指 導 主 事,ALT だけでなく, 市 内 の 高 校 の 英 語 の 先 生 にも 依 頼 した このこと により, 中 学 生 の 英 語 力 の 現 状 を 理 解 しても らう 良 い 機 会 となり, 中 高 連 携 を 図 ることが できた ウ 自 主 的 な 教 員 研 修 日 立 市 近 隣 の 県 北 地 区 の 先 生 方 を 中 心 に, 自 主 的 に 集 まっての 英 語 教 育 指 導 法 研 修 会 が 月 に 一 回 開 かれている 日 頃 の 指 導 における 様 々な 指 導 法 の 研 修 や, 最 新 の 英 語 教 育 につ いて(ハワイ 大 学 研 修, 昨 今 の 小 学 校 外 国 語 教 育 事 情 など)の 情 報 交 換,CAN-DO リス トの 検 討 会 などを 行 ったりしている H26 年 6 月 には, 現 港 区 立 赤 坂 中 学 校 の 北 原 延 晃 先 生 をお 招 きし, 北 原 メソッド B パターンの 授 業 体 験 ~ピクチャーカードを 使 った Q&A から 音 読 まで~ という 演 題 でセミナ を 行 った 小 中 合 同 の 指 導 法 研 修 会 を 行 い,それぞれの 取 組 を 情 報 交 換 することにより,9 年 間 を 見 通 した 効 果 的 な 指 導 について 研 究 を 深 めている さらに, 今 後 の 英 語 教 育 の 動 向 を 踏 まえ, 高 校 までの 連 携 した 英 語 教 育 の 実 践 を, 英 語 インタ ラクティブフォーラムなどを 基 軸 とした 指 導 を 通 して 進 めていくことが 今 後 の 課 題 である (3) 高 萩 市 の 取 組 1 中 学 校 実 践 例 1 持 ち 主 を 探 そう - 楽 しく 話 す 活 動 と 整 理 するために 書 く 活 動 の 統 合 - 活 動 のねらい ペットの 飼 い 主 を 探 す という 課 題 を 解 決 するために,Whose ~ is this?-it's (not) mine. の 表 現 を 繰 り 返 し 口 にすることで, 新 言 語 材 料 についての 理 解 を 図 ることをねらいとする 教 科 書 単 元 Sunshine English Course 1 Speaking 2 持 ち 主 をたずねる 導 入 では, 学 年 職 員 の 持 ち 物 を 用 いたクイズ を 行 う その 後, 小 学 校 外 国 語 活 動 で 育 んだ 温 かな 人 間 関 係 と 積 極 的 にコミュニケーションを 図 ろ うとする 態 度 を 生 かして, 教 室 内 を 自 由 に 歩 き 回 りながら,Whose ~ is this?-it's (not) mine. の 表 現 を 使 って, 持 ち 主 を 探 す 活 動 ( 話 す 活 動 )を 行 う この 活 動 には, 生 徒 各 自 が 事 前 に 描 いたペットの 絵 を 使 う まとめとして, 話 す 活 動 と 連 動 したワークシ ートを 活 用 して, 書 く 活 動 を 行 う 職 員 の 実 際 の 持 ち 物 を 使 っての 導 入, 生 徒 自 身 が 描 いた 理 想 のペットの 絵 を 使 っての 言 語 活 動 は, 生 徒 の 興 味 関 心 を 高 め, 活 発 な 活 動 を 促 すために 大 変 効 果 的 であった コミュニケーションの 楽 しさを 味 わう 話 す 活 動 と, 本 時 の 目 標 とする 表 現 を 視 覚 的 にと らえ 整 理 するための 書 く 活 動 を 統 合 的 に 行 ったことで,コミュニケーションを 支 えるもの としての 言 語 材 料 の 定 着 を 図 り, 英 語 による 表 現 力 の 基 礎 を 養 うことができた
2 中 学 校 実 践 例 2 私 の 夢 ~ 自 分 の 思 いを 伝 えよう~ - 小 学 校 外 国 語 活 動 の chants を warm-up に 取 り 入 れて- 活 動 のねらい 聞 き 手 によく 伝 わるように 話 すこと を 目 指 し, 声 の 大 きさに 気 をつけ,アイコンタクト, 表 情, 身 振 り, 絵 や 写 真 等 を 効 果 的 に 用 いて 話 す 力 を 育 てることをねらいとする 教 科 書 単 元 Sunshine English Course 2 My Project 5 将 来 の 夢 を 語 ろう warm-up として, 小 学 校 外 国 語 活 動 で 学 習 し た chants を 取 り 入 れ, 身 体 表 現 を 交 えながら I want to ~.の 表 現 をリズムよく 唱 える 活 動 を 行 うことで, 楽 しく 学 習 する 雰 囲 気 をつくる その 上 で, 練 習 のポイント(= 評 価 の 観 点 と 評 価 基 準 )を 明 確 にし,スピーチの 練 習 を 繰 り 返 し 行 う 他 教 科 の 教 師 数 名 にジャッジとして 授 業 に 参 加 してもらい, 練 習 の 成 果 をその 場 で フィードバックし, 生 徒 一 人 ひとりが 達 成 感 を 味 わえるようにする 生 徒 がペアになり, 向 かい 合 って, 絵 を 指 し 示 しながらすでに 慣 れ 親 しんでいる chants を 行 ったことで, 自 然 にアイコンタクトを 用 い, 大 きな 声 で 話 す 雰 囲 気 が 作 られ, 本 時 の 中 心 と なる 活 動 にスムーズに 入 ることができた ALT によるモデルの 活 用, 練 習 のポイントの 理 解, 複 数 のジャッジによる 評 価 により, 生 徒 一 人 ひとりが 自 分 の 課 題 を 意 識 して 主 体 的 に 練 習 に 取 り 組 み, 聞 き 手 によく 伝 わるように 話 す こと について,1 時 間 の 中 で 大 きな 進 歩 が 見 られた (4) 北 茨 城 市 の 取 組 1 中 学 校 実 践 例 1 本 の 帯 を 英 語 で 作 り, 外 国 の 人 に 好 きな 本 をアピールしよう 活 動 のねらい 自 分 が 好 きな 本 について, 理 由 などを 含 めな がら, 相 手 に 分 かりやすく 伝 える 方 法 を 考 え, 英 作 文 の 構 成 力 を 育 てることをねらいとする 教 科 書 単 元 Sunshine English Course 1 Program 7 Dilo the Dolphin グループの 中 で 本 の 紹 介 をし, 英 語 で 質 問 を 出 し 合 う 質 問 されたことをつけ 加 えながら, 好 きな 理 由 や 登 場 人 物 などを 分 かりやすくまと め, 本 の 帯 を 作 る 英 語 で 書 くことに 苦 手 意 識 をもっている 生 徒 たちだが, 本 の 帯 作 成 には 意 欲 的 に 取 り 組 んで いた 国 語 の 授 業 の 中 でまとめた 本 の 紹 介 文 の ワークシートを 活 用 したことで, 紹 介 する 本 を 決 める 時 間 が 省 けたことや, 小 学 校 時 代 に 日 本 語 で 帯 作 成 をしている 経 験 があったことから 今 度 は 英 語 で 作 るんだ という 喜 びにつなげ ることができた 帯 作 成 をする 前 に,グループ の 中 で 本 の 紹 介 をさせることで, 書 く 活 動 だけで なく, 話 す 活 動 や 聞 く 活 動 にも つなげることが できた 発 表 の 際 にはルーブリックを 使 用 し, ポイントを 押 さえながら 発 表 することができた ただ 書 くだけでなく, 相 手 がいることを 意 識 さ せることで, 生 徒 の 意 欲 を 向 上 させることが 分 かった
2 小 中 連 携 実 践 例 小 学 校 外 国 語 活 動 と 中 学 校 外 国 語 科 との 滑 ら かな 接 続 をめざして~ 中 妻 小 学 校 と 華 川 中 学 校 による 相 互 出 前 授 業 プロジェクトを 通 して~ 北 茨 城 市 の 中 妻 小 学 校 と 同 学 区 の 華 川 中 学 校 では, 年 間 2 回 ずつ, 相 互 に 出 前 授 業 を 行 って いる 華 川 中 学 校 の 外 国 語 担 当 者 が 中 妻 小 学 校 の 第 6 学 年 児 童 に 対 し 外 国 語 活 動 の 授 業 をし, 中 妻 小 学 校 の 外 国 語 活 動 担 当 者 が, 卒 業 生 でも ある 華 川 中 学 校 の 生 徒 に 対 し 外 国 語 の 授 業 をす るものである ねらいは, 小 学 校 外 国 語 活 動 か ら 中 学 校 外 国 語 科 への 滑 らかな 接 続 である 外 国 語 活 動 でコミュニケーションへの 素 地 を 豊 か に 育 まれた 児 童 が,スムーズに 教 科 としての 外 国 語 科 にステップアップし,コミュニケーショ ン 能 力 の 基 礎 を 養 い,4 技 能 をバランス 良 く 身 に 付 けていけるようにするためには, 本 プロジ ェクトの 継 続 実 施 が 有 効 であると 考 えている 校 の 教 科 としての 学 習 への 不 安 感 を 興 味 や 関 心 の 高 まりに 変 換 することができる このことは, ねらいである 外 国 語 活 動 と 外 国 語 科 との 滑 らか に 繋 げる 一 助 となっていると 考 えられる 二 つ 目 には, 中 学 校 の 生 徒 に 対 し, 小 学 校 外 国 語 活 動 で 得 た 素 地 を 十 分 に 生 かした 授 業 を 展 開 できるという 点 が 挙 げられる 例 えば, 中 学 2 年 生 に 買 い 物 をテーマにしたスピーキン グを 教 える 際 に, 小 学 校 5 年 生 の 時 に 英 語 ノ ートⅠ で 学 習 し, 慣 れ 親 しんでいたチャンツ や 歌 を 使 って 導 入 することで 生 徒 の 興 味 関 心 を 高 めたり, 当 時 使 った 絵 カードや 掲 示 物, 児 童 作 品 などを 教 材 をとして 使 用 することで 生 徒 の 理 解 を 深 める 手 立 てにしたりすることができた このように, 本 プロジェクトで 相 互 に 出 前 授 業 を 継 続 して 行 うことは, 小 中 連 携 の 観 点 から は 小 学 校 から 中 学 校 への 円 滑 な 橋 渡 しの 一 助 と なること,また, 学 習 指 導 の 観 点 からは, 児 童 生 徒 それぞれの 学 習 効 果 を 高 めることができる と 考 察 する 具 体 的 な 成 果 としては, 一 つ 目 に 小 学 校 第 6 学 年 児 童 の 中 学 校 外 国 語 科 に 対 する 不 安 感 の 軽 減 と 学 習 意 欲 及 び 期 待 感 の 増 大 が 挙 げられる 出 前 授 業 後 の 児 童 の 振 り 返 りカードには, 中 学 校 ではどんな 風 に 英 語 を 勉 強 するのか 分 からな かったので 不 安 でしたが, 中 学 校 の 先 生 の 授 業 を 受 けてみて, 早 く 中 学 校 に 行 って 英 語 を 勉 強 して 読 んだり 書 いたりしてみたいと 思 いまし た という 感 想 に 代 表 されるような 記 述 が 多 く 見 られている 実 際 に 進 学 する 先 の 外 国 語 担 当 者 からの 出 前 授 業 を, 卒 業 や 進 学 に 対 する 不 安 感 や 緊 張 感 を 持 ち 始 める2 学 期 や3 学 期 に 体 験 的 に 学 習 できる 機 会 を 得 ることで, 児 童 は 中 学 課 題 一 人 ひとりの 児 童 生 徒 が,5 年 生 から 中 学 校 3 年 生 までの5 年 間 に, 外 国 語 活 動 で 得 た 素 地 を 十 分 に 生 かし, 効 率 よく 外 国 語 科 においてコ ミュニケーション 能 力 の 基 礎 力 を 身 に 付 けてい けるようにするためには, 小 学 校 の 高 学 年 担 任 と 中 学 校 外 国 語 科 担 当 のより 一 層 の 連 携 が 求 め られる 外 国 語 活 動 の Hi,Friends!と 外 国 語 科 の Sunshine English Course 1~3について, その 相 関 性 を 明 らかにし, 指 導 計 画 や 教 材 研 究 を 共 同 で 進 めていきたいと 考 えている
3 研 究 の 成 果 と 課 題 (1) 研 究 の 成 果 1 小 中 連 携 について 県 北 の 各 地 区 で 小 中 合 同 の 研 修 会 や 出 前 授 業 などの 取 組 が 活 発 に 行 われたこと により,それぞれの 教 育 の 現 状 を 把 握 し, 今 後 の 英 語 教 育 を 見 通 した 授 業 研 究 情 報 交 換 を 行 うことができた また, 小 学 校 から 中 学 校 への 滑 らかな 接 続 を 意 識 し た 授 業 を 展 開 することで, 児 童 生 徒 の 学 習 意 欲 を 高 めるとともに, 授 業 者 の 授 業 力 向 上 の 意 識 を 高 めることにつながった 2 英 語 を 意 欲 的 に 学 び, 積 極 的 に 発 信 し ようとする 児 童 生 徒 の 育 成 について 生 徒 が 意 欲 的 に 英 語 を 学 び, 積 極 的 に 発 信 する 力 を 高 めるために, 県 北 ブロックで 重 点 的 に 取 り 組 んできた 以 下 の 点 で 効 果 が あったと 考 えられる ア 英 語 インタラクティブフォーラム 大 会 およびこの 大 会 を 念 頭 に 置 いての 授 業 での 活 動 について 情 報 共 有 すること で, 自 分 のことや 身 近 な 事 柄 を 積 極 的 に 伝 えようとする 活 動 や 場 の 工 夫 を 行 う 授 業 が 増 えている このことは 生 徒 が 英 語 で 自 分 のことを 話 す 意 欲 を 高 め ることにつながっていると 考 えられる イ 自 分 の 考 えや 郷 土 について 表 現 する 言 語 活 動 を 取 り 入 れた 取 組 が 多 く 見 ら れた 伝 える 相 手 を 意 識 した 上 で 活 動 に 取 り 組 むことにより, 自 分 や 自 分 た ちの 学 校 や 地 域 などを 知 る 機 会 が 増 え, それをできるだけ 分 かりやすく 伝 えた いと 考 える 児 童 生 徒 の 姿 が 見 られた こうした 活 動 を 通 して, 自 尊 心 が 高 ま り, 英 語 を 学 ぶ 意 欲,しいては 積 極 的 に 発 信 しようとする 児 童 生 徒 を 育 てることにつながると 考 えられる (2) 今 後 の 課 題 1 CAN-DO リストの 作 成 においては 小 学 校 での 外 国 語 活 動 における 到 達 段 階 をしっかり 認 識 し, 毎 年 検 討 修 正 していく 必 要 がある 特 に 今 後 小 学 校 での 外 国 語 活 動 が 教 科 化 されていくこ とを 踏 まえ,より 効 果 的 な 接 続 を 促 す CAN-DO リストの 作 成 が 必 要 となる 2 生 徒 の 発 信 力 を 高 めるために, 今 後 プレゼンテーション,ディベート, リテリングなどの 生 徒 の 思 考 力 表 現 力 を 高 める 言 語 活 動 を 指 導 計 画 に 位 置 づけていきたい 研 究 の 経 過 平 成 26 年 度 (1) 第 1 回 研 究 推 進 委 員 会 平 成 26 年 6 月 10 日 実 態 把 握 と 研 究 テーマの 設 定 (2) 英 語 インタラクティブフォーラム 県 北 地 区 大 会 運 営 委 員 会 平 成 26 年 6 月 30 日 (3) 第 2 回 研 究 推 進 委 員 会 平 成 26 年 8 月 28 日 県 北 地 区 中 学 校 英 語 指 導 法 研 修 会 打 ち 合 わせ (4) 第 3 回 研 究 推 進 委 員 会 平 成 26 年 12 月 26 日 今 年 度 研 究 のまとめ (5) 平 成 26 年 度 県 北 地 区 中 学 校 英 語 指 導 法 研 修 会 ( 授 業 研 究 会 ) ア 日 時 平 成 26 年 10 月 15 日 イ 場 所 常 陸 太 田 市 立 金 砂 郷 小 学 校 ウ 授 業 者 田 澤 健 吾 永 井 由 紀 子 ( 外 国 語 活 動 支 援 員 ) (6)その 他 各 市 における 英 語 指 導 法 研 修 会 平 成 26 年 10 月 24 日 北 茨 城 市 立 関 本 中 学 校 10 月 29 日 日 立 市 立 豊 浦 中 学 校 高 萩 市 立 松 岡 中 学 校 11 月 11 日 日 立 市 立 田 尻 小 学 校