各 位 平 成 27 年 11 月 6 日 会 社 名 ジャパン フード&リカー アライアンス 株 式 会 社 代 表 者 名 代 表 取 締 役 社 長 小 林 武 司 (コード:2538 東 証 第 二 部 ) 問 合 せ 先 執 行 役 員 財 務 計 画 部 長 杣 義 継 ( 電 話 番 号 06-6444-5293) 平 成 27 年 9 月 期 決 算 短 信 の 開 示 時 期 の 延 期 並 びにこれに 係 る 経 緯 として 当 社 代 表 取 締 役 会 長 への 便 宜 供 与 に 係 る 疑 義 に 対 する 独 立 調 査 委 員 会 の 調 査 及 び 当 該 調 査 の 結 果 を 踏 まえたガバナンス 体 制 の 検 討 等 に 関 するお 知 らせ 当 社 は 本 日 開 催 の 取 締 役 会 において 本 日 予 定 しておりました 平 成 27 年 9 月 期 決 算 短 信 の 開 示 時 期 を 延 期 することを 決 議 いたしました これに 係 る 経 緯 を 以 下 のとおりお 知 らせいたします Ⅰ 平 成 27 年 9 月 期 決 算 短 信 の 開 示 時 期 の 延 期 に 至 る 経 緯 の 概 要 当 社 は 当 社 の 会 計 監 査 人 である 栄 監 査 法 人 から 平 成 27 年 9 月 期 の 監 査 の 過 程 で 当 社 代 表 取 締 役 会 長 盛 田 英 夫 ( 以 下 会 長 という ) 個 人 又 はその 同 行 者 の 交 通 費 の 経 費 支 出 についての 異 常 性 の 指 摘 を 受 けて 確 認 したところ 使 途 不 明 分 があることが 判 明 するに 至 り また 会 長 の 実 質 的 支 配 があるとみられる 法 人 (モリタフードサービス ( 以 下 MFS 社 という ))に 対 する 貸 付 金 の 回 収 処 理 の 妥 当 性 や 会 長 と 一 定 の 関 係 があるとみられる 個 人 の 経 営 する 法 人 に 対 する 業 務 委 託 料 の 金 額 の 合 理 性 についても 指 摘 がなされ 平 成 27 年 7 月 30 日 栄 監 査 法 人 から 当 社 において 会 長 への 便 宜 が 図 られている 疑 義 ( 以 下 本 件 疑 義 という )は 経 営 者 ( 特 に 上 級 経 営 者 )が 関 与 していると 考 えられる 場 合 に 当 たり 従 業 員 経 営 者 又 は 第 三 者 による 共 謀 の 可 能 性 も 検 討 しなければならず 外 部 調 査 が 必 要 である 旨 が 当 社 役 員 に 告 げられました これを 受 けて 当 社 は 本 件 疑 義 について 外 部 専 門 家 により その 専 門 的 客 観 的 な 見 地 に 基 づいて 事 実 関 係 等 の 調 査 分 析 及 びこれに 対 する 法 的 評 価 が 行 われる 必 要 があると 判 断 し 平 成 27 年 8 月 に 当 社 と 利 害 関 係 を 有 しないTMI 総 合 法 律 事 務 所 及 びアンダーソン 毛 利 友 常 法 律 事 務 所 に 対 し 調 査 委 員 会 ( 以 下 本 件 独 立 調 査 委 員 会 という )の 設 置 を 依 頼 し 本 件 独 立 調 査 委 員 会 より 同 年 10 月 15 日 付 で 調 査 報 告 書 ( 以 下 本 件 調 査 報 告 書 という )を 受 領 1
しました 本 件 調 査 報 告 書 では 再 発 防 止 に 向 けた 提 言 として 再 発 防 止 策 として 会 長 の 取 締 役 退 任 と 取 締 役 会 の 構 成 において 少 なくとも 過 半 数 は 会 長 と 無 関 係 な 取 締 役 によって 占 められるべきであ ること 等 が 述 べられております また 栄 監 査 法 人 から 平 成 27 年 10 月 27 日 付 で 当 社 の 監 査 役 会 宛 に 金 融 商 品 取 引 法 第 193 条 の3 第 1 項 の 規 定 による 財 務 計 算 に 関 する 書 類 の 適 正 性 の 確 保 に 影 響 を 及 ぼすおそれのある 法 令 違 反 等 事 実 の 通 知 ( 別 紙 1) 及 び 会 社 法 第 397 条 1 項 に 基 づく 取 締 役 の 不 正 の 行 為 等 の 報 告 がなされております そのうち 前 者 の 通 知 では 本 件 調 査 報 告 書 のほか 類 似 案 件 の 存 否 も 含 め 速 やかに 事 実 関 係 の 調 査 が 必 要 と 考 えており 適 切 な 措 置 をとることを 求 める 旨 の 指 摘 がなされ ています そこで 当 社 としては 本 件 調 査 報 告 書 を 踏 まえると 類 似 案 件 の 存 否 を 含 めた 追 加 調 査 を 行 う 必 要 があり その 結 果 及 び 栄 監 査 法 人 から 過 年 度 決 算 の 訂 正 の 要 否 の 検 討 が 必 要 である 旨 の 指 摘 を 受 けていることも 踏 まえ 過 年 度 の 財 務 諸 表 の 修 正 の 要 否 ( 平 成 25 年 9 月 期 に 計 上 したMFS 社 に 対 する 貸 付 金 に 係 る 貸 倒 引 当 金 の 一 部 を 平 成 24 年 9 月 期 に 計 上 する 必 要 があったか 否 か 等 ) や 財 務 報 告 に 係 る 内 部 統 制 の 重 要 な 不 備 の 有 無 を 判 断 する 必 要 があるものと 考 えており 平 成 27 年 11 月 2 日 本 件 独 立 調 査 委 員 会 に 対 し 本 件 調 査 報 告 書 に 加 えて 追 加 調 査 を 依 頼 しました(な お 当 初 の 調 査 における 本 件 独 立 調 査 委 員 会 の 委 員 の 構 成 については 別 紙 2の 第 1の3をご 参 照 下 さい 追 加 調 査 においては 公 認 会 計 士 田 淵 正 信 氏 公 認 会 計 士 河 江 健 史 氏 の2 名 が 新 たに 調 査 委 員 会 の 委 員 として 参 加 する 予 定 です ) 追 加 調 査 については 現 時 点 では 本 件 独 立 調 査 委 員 会 が 追 加 調 査 の 範 囲 を 検 討 しており その 範 囲 を 踏 まえて 追 加 調 査 の 報 告 日 が 決 定 さ れることとなりますが その 期 日 は 確 定 しておりません ただ 当 社 としては 追 加 調 査 を 踏 ま えて 予 定 どおり 平 成 27 年 12 月 中 に 定 時 株 主 総 会 を 開 催 することを 目 標 としております 以 上 の 状 況 から 平 成 27 年 9 月 期 の 決 算 数 値 については 追 加 調 査 の 結 果 を 踏 まえた 上 で 数 値 を 確 定 する 必 要 があるため 決 算 短 信 の 公 表 は 延 期 いたしました なお 平 成 27 年 9 月 期 の 決 算 数 値 に 関 する 現 時 点 での 見 通 しにつきましては 本 日 付 で 開 示 いたしました 平 成 27 年 9 月 期 通 期 業 績 見 込 みのお 知 らせ 記 載 のとおりとなっておりますが 追 加 調 査 の 結 果 を 踏 まえて 速 や かに 平 成 27 年 9 月 期 の 決 算 数 値 並 びに 過 年 度 の 決 算 の 修 正 の 要 否 及 び 財 務 報 告 に 係 る 内 部 統 制 の 重 要 な 不 備 の 有 無 についても 公 表 する 予 定 です また これらを 踏 まえて 当 社 は 再 発 防 止 策 として 今 後 のガバナンスの 体 制 について 検 討 し ておりますが 本 件 調 査 報 告 書 の 提 言 を 真 摯 に 受 け 止 め 提 言 を 受 け 入 れる 方 向 で 考 えておりま す 具 体 的 には 会 長 は 追 加 調 査 の 結 果 公 表 時 に 取 締 役 を 退 任 する 意 向 を 示 しており また 当 社 としては 健 全 な 監 視 監 督 機 能 の 強 化 のため 監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 への 移 行 も 含 めた 体 制 の 変 更 を 検 討 しております その 他 取 締 役 会 の 構 成 につきましても 社 外 取 締 役 の 選 任 も 含 め 少 なくとも 過 半 数 は 会 長 と 無 関 係 な 取 締 役 によって 占 められるように 人 選 を 検 討 する 予 定 です なお 今 後 の 取 締 役 会 の 構 成 の 人 選 にあたって 独 立 性 の 高 い 社 外 役 員 を 中 心 とする 諮 問 委 員 会 を 設 置 し 当 該 諮 問 委 員 会 の 意 見 も 踏 まえ 決 定 することを 予 定 しております これらの 体 制 の 詳 2
細 につきましては 追 加 調 査 の 結 果 等 も 踏 まえ 確 定 次 第 改 めて 公 表 する 予 定 です 当 社 役 員 の 責 任 については 追 加 調 査 の 結 果 を 踏 まえて 検 証 していく 方 針 です 株 主 の 皆 様 をはじめ 関 係 者 の 皆 様 にご 心 配 とご 迷 惑 をおかけしたことを 深 くお 詫 び 申 し 上 げ ますとともに 経 緯 及 び 今 後 の 対 応 等 について 適 宜 ご 報 告 申 し 上 げます また 当 社 は 本 件 独 立 調 査 委 員 会 の 本 件 調 査 報 告 書 で 指 摘 を 受 けた 事 項 を 真 摯 に 受 け 止 め 今 後 新 たな 経 営 体 制 やガバナンス 体 制 を 構 築 し 株 主 その 他 ステークホルダーの 皆 様 からの 信 頼 回 復 を 目 指 してまいりますので 何 卒 ご 理 解 賜 りますよう 宜 しくお 願 い 致 します Ⅱ 本 件 調 査 報 告 書 の 内 容 本 件 独 立 調 査 委 員 会 の 確 認 を 得 た 上 で 当 社 にて 作 成 した 本 件 調 査 報 告 書 の 要 約 版 ( 別 紙 2) をご 参 照 下 さい Ⅲ 本 件 調 査 報 告 書 を 踏 まえた 当 社 の 対 応 1. 経 営 体 制 の 一 新 本 件 調 査 報 告 書 では 再 発 防 止 に 向 けた 提 言 として 再 発 防 止 策 として 会 長 の 取 締 役 退 任 と 取 締 役 会 の 構 成 において 少 なくとも 過 半 数 は 会 長 と 無 関 係 な 取 締 役 によって 占 められるべきであ ること 等 が 述 べられております 当 社 は 再 発 防 止 策 として 今 後 のガバナンスの 体 制 について 検 討 しておりますが 本 件 調 査 報 告 書 の 提 言 を 真 摯 に 受 け 止 め 受 け 入 れる 方 向 で 考 えております 具 体 的 には 会 長 は 追 加 調 査 の 結 果 公 表 時 に 退 任 の 意 向 を 示 しております また 当 社 と しては 健 全 な 監 視 監 督 機 能 の 強 化 のため 監 査 等 委 員 会 設 置 会 社 への 移 行 も 含 めた 体 制 の 変 更 を 検 討 しております その 他 取 締 役 会 の 構 成 につきましても 社 外 取 締 役 の 選 任 も 含 め 少 な くとも 過 半 数 は 会 長 と 無 関 係 な 取 締 役 によって 占 められるように 人 選 を 検 討 する 予 定 です なお 今 後 の 取 締 役 会 の 構 成 の 人 選 にあたって 独 立 性 の 高 い 社 外 役 員 を 中 心 とする 諮 問 委 員 会 を 設 置 し 当 該 諮 問 委 員 会 の 意 見 も 踏 まえ 決 定 することを 予 定 しております これらの 体 制 の 詳 細 につ きましては 追 加 調 査 の 結 果 等 も 踏 まえ 確 定 次 第 改 めて 公 表 する 予 定 です 2. 追 加 調 査 による 過 年 度 への 影 響 の 確 認 追 加 調 査 において 今 後 認 定 される 事 実 関 係 に 基 づき 過 年 度 の 有 価 証 券 報 告 書 及 び 内 部 統 制 報 告 書 並 びに 決 算 短 信 において 訂 正 が 必 要 な 場 合 は 速 やかに 開 示 を 行 う 予 定 であります Ⅳ 今 後 の 再 発 防 止 上 記 Ⅲ1.の 経 営 体 制 の 一 新 の 他 追 加 調 査 の 結 果 を 踏 まえて 具 体 的 な 内 容 を 決 定 していくこと となりますが 現 時 点 では 本 件 調 査 報 告 書 を 踏 まえ 以 下 を 重 点 項 目 とし 再 発 防 止 に 努 める 所 存 です 主 要 子 会 社 における 経 営 体 制 の 一 新 3
財 務 および 経 理 に 関 する 体 制 強 化 会 長 の 当 主 意 識 に 起 因 する 有 形 無 形 の 影 響 力 の 払 拭 ( 保 証 契 約 の 早 期 解 決 等 ) 上 記 影 響 力 を 払 拭 するための 新 たな 行 動 規 範 の 策 定 と 社 内 教 育 の 徹 底 役 員 社 員 に 対 するコンプライアンス 教 育 の 一 層 の 徹 底 現 コンプライアンス 通 報 窓 口 (ヘルプライン)の 不 正 等 の 内 部 通 報 窓 口 としての 機 能 強 化 再 発 防 止 に 係 る 諸 規 則 諸 規 定 の 改 訂 Ⅴ 今 後 の 日 程 平 成 27 年 12 月 22 日 第 79 回 定 時 株 主 総 会 の 開 催 予 定 なお 追 加 調 査 の 報 告 日 や 範 囲 等 及 び 平 成 27 年 9 月 期 決 算 短 信 の 内 容 が 確 定 しましたら 追 っ てお 知 らせ 致 します ( 以 下 余 白 ) 4
別 紙 1 金 融 商 品 取 引 法 第 193 条 の3 第 1 項 の 規 定 による 財 務 計 算 に 関 する 書 類 の 適 正 性 の 確 保 に 影 響 を 及 ぼすおそれのある 法 令 違 反 等 事 実 の 通 知 ジャパン フード&リカー アライアンス 株 式 会 社 監 査 役 会 御 中 平 成 27 年 10 月 27 日 栄 監 査 法 人 代 表 社 員 業 務 執 行 社 員 業 務 執 行 社 員 玉 置 浩 一 市 原 耕 平 当 監 査 法 人 は 金 融 商 品 取 引 法 第 193 条 の2 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 貴 社 の 平 成 26 年 10 月 1 日 から 平 成 27 年 9 月 30 日 までの 連 結 財 務 諸 表 の 監 査 を 実 施 しておりますが その 過 程 に おいて 別 紙 に 記 載 のとおり 金 融 商 品 取 引 法 第 193 条 の3 第 1 項 に 規 定 する 貴 社 の 財 務 計 算 に 関 する 書 類 の 適 正 性 の 確 保 に 影 響 を 及 ぼすおそれのある 法 令 違 反 等 事 実 を 発 見 いたしました ので 通 知 いたします これらの 事 実 関 係 については 当 監 査 法 人 の 指 摘 に 基 づき 調 査 が 実 施 されましたが 初 期 的 調 査 であるため その 調 査 の 対 象 範 囲 は 当 監 査 法 人 の 指 摘 した 事 項 を 中 心 としたものであります したがって 企 業 等 不 祥 事 における 第 三 者 委 員 会 ガイドライン ( 日 本 弁 護 士 連 合 会 )に 準 拠 し た 第 三 者 委 員 会 を 設 置 するなどの 適 切 な 方 法 により 初 期 的 調 査 の 結 果 のほか 類 似 案 件 の 存 否 も 含 め 速 やかに 事 実 関 係 を 調 査 することが 必 要 と 考 えております そのうえで 当 該 事 実 に 係 る 法 令 違 反 の 是 正 その 他 の 適 切 な 措 置 をとっていただくようお 願 いいたします また 当 該 法 令 違 反 等 事 実 が 貴 社 の 財 務 計 算 に 関 する 書 類 の 適 正 性 の 確 保 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼ すおそれがあり 貴 社 による 適 切 な 措 置 がとられず 当 該 重 大 な 影 響 を 防 止 するために 必 要 があ ると 認 めた 場 合 には 金 融 商 品 取 引 法 第 193 条 の3 第 2 項 の 規 定 に 従 い 平 成 27 年 11 月 2 4 日 に 当 該 事 実 に 関 する 意 見 を 当 局 ( 内 閣 総 理 大 臣 ( 金 融 庁 長 官 ))に 申 し 出 る 予 定 です なお 当 該 事 項 につきましては 貴 社 取 締 役 会 に 対 しても 本 日 報 告 する 予 定 です 以 上 5
( 別 紙 ) 1. モリタフードサービス から 盛 田 アセットマネジメント への 貸 付 行 為 モリタフードサービス ( 以 下 MFS 社 という)は 平 成 22 年 9 月 から 平 成 27 年 2 月 までの 間 貴 社 の 代 表 取 締 役 会 長 盛 田 英 夫 氏 個 人 が 実 質 的 に 支 配 し かつ 平 成 22 年 9 月 から 平 成 24 年 11 月 までの 間 代 表 取 締 役 を 務 めていた 会 社 です また 盛 田 アセットマネ ジメント ( 以 下 アセット 社 という)は 盛 田 英 夫 氏 個 人 が 実 質 的 に 支 配 し かつ 現 在 に 至 るまで 代 表 取 締 役 を 務 めている 会 社 です 貴 社 は MFS 社 に 対 し 貸 付 金 等 の 債 権 ( 平 成 24 年 9 月 30 日 残 高 2 億 4,697 万 円 以 下 本 件 債 権 という)を 有 していますが その 弁 済 がしばしば 遅 滞 し 平 成 25 年 12 月 以 降 は 一 切 弁 済 がなされておりません 貴 社 の 平 成 25 年 9 月 期 決 算 においては その 全 額 に 対 して 貸 倒 引 当 金 が 計 上 されており 平 成 27 年 9 月 30 日 現 在 においても 2 億 2,679 万 円 の 未 返 済 残 高 が 存 在 しています このような 状 況 の 中 で MFS 社 は 平 成 24 年 10 月 9 日 に 事 業 の 一 部 を 譲 渡 し 事 業 譲 渡 代 金 3 億 3,000 万 円 を 受 領 しており 貴 社 に 対 する 本 件 債 権 全 額 の 弁 済 が 可 能 であったにも かかわらず 盛 田 英 夫 氏 の 意 向 により 本 件 債 権 の 弁 済 には 一 切 充 てることなく 同 月 15 日 に アセット 社 に 対 し2 億 6,000 万 円 の 貸 付 を 行 っていた( 以 下 本 件 行 為 という) 事 実 が 判 明 いたしました アセット 社 は 財 政 状 態 が 著 しく 悪 化 しており MFS 社 からの 借 入 金 を 返 済 できる 可 能 性 は 乏 しく 一 方 MFS 社 も このアセット 社 への 貸 付 金 が 回 収 できない 限 り 本 件 債 権 の 貴 社 へ の 返 済 原 資 となる 資 産 はなく かつ 残 った 事 業 の 経 営 成 績 も 良 好 とはいえません このため 盛 田 英 夫 氏 の 本 件 行 為 により 貴 社 としては 本 件 債 権 が 回 収 不 能 となったものと 思 われます なお 盛 田 英 夫 氏 の 本 件 行 為 については 初 期 的 調 査 の 報 告 書 において 貴 社 の 代 表 取 締 役 の 地 位 にありながら MFS 社 の 代 表 取 締 役 として 自 らが 実 質 的 に 支 配 するアセット 社 に 対 し 回 収 が 不 能 であることを 認 識 し あるいは 認 識 すべきでありながら 貸 付 を 行 い アセット 社 の 利 益 ないしそれを 通 じて 自 己 の 利 益 を 図 り 貴 社 のMFS 社 に 対 する 債 権 を 回 収 不 能 にする 形 で 貴 社 の 利 益 を 犠 牲 にしているものであり 貴 社 の 取 締 役 としての 忠 実 義 務 善 管 注 意 義 務 に 著 しく 反 するものである と 評 価 されています 2. 貴 社 代 表 取 締 役 会 長 盛 田 英 夫 氏 による 業 務 関 連 性 の 不 明 な 交 通 費 支 出 盛 田 英 夫 氏 には 貴 社 からJRエクスプレスカードが 貸 与 されており 利 用 履 歴 によると 平 成 26 年 4 月 から 平 成 27 年 3 月 の1 年 間 に 総 額 751 万 8,000 円 分 が 利 用 されています この 利 用 履 歴 には 明 確 な 摘 要 は 表 示 されておりませんが 個 々の 利 用 金 額 を 分 析 したところ 新 幹 線 回 数 券 を 購 入 した 場 合 の 単 価 の 倍 数 となっている 履 歴 が 発 見 されました これらを 集 計 する と すくなくとも235 万 8,000 円 (168 枚 分 )が 回 数 券 を 購 入 したものと 推 定 されます 6
この 回 数 券 購 入 分 の 業 務 関 連 性 の 有 無 については 明 確 な 説 明 がなされておりません また 乗 車 券 特 急 券 ではなく なぜ 回 数 券 を 購 入 しているか についての 合 理 的 な 説 明 もなされてお りません この 点 貴 社 の 経 費 として 経 理 処 理 を 行 うことの 適 切 性 に 疑 問 が 生 じています なお 盛 田 英 夫 氏 による 上 記 の 支 出 については 初 期 的 調 査 の 報 告 書 において 会 社 の 経 費 と することの 適 切 性 に 適 う 証 拠 及 び 証 言 がない 以 上 盛 田 英 夫 氏 の 個 人 的 な 費 用 を 会 社 に 支 払 わせ ることによって 会 社 の 利 益 を 犠 牲 にして 盛 田 英 夫 氏 が 利 益 を 得 ていると 評 価 される 部 分 がある ことは 否 定 できず これは 貴 社 の 取 締 役 としての 忠 実 義 務 違 反 善 管 注 意 義 務 違 反 を 構 成 する と 評 価 されています 3. 業 務 委 託 料 の 支 払 の 問 題 および 取 締 役 会 の 機 能 不 全 上 記 2.の 盛 田 英 夫 氏 による 行 為 が 検 出 されたことに 伴 い 類 似 の 行 為 が 他 にもないかという 観 点 で 検 証 を 進 めています その 結 果 業 務 委 託 契 約 に 仮 託 して 会 長 と 懇 意 な 間 柄 の 人 物 に 対 し 便 宜 を 図 った 疑 いのある 契 約 が 貴 社 の 子 会 社 である 盛 田 において 下 記 の 通 り 検 出 されました なお 契 約 相 手 先 名 は 匿 名 にしています (1) 盛 田 の 子 会 社 甲 社 の 株 式 譲 渡 に 関 するアドバイザリー 契 約 ( 譲 渡 先 紹 介 ) 契 約 相 手 : 有 限 会 社 X 社 契 約 時 期 : 平 成 26 年 7 月 金 額 : 1,000 万 円 ( 税 込 ) (2) 盛 田 の 子 会 社 乙 社 の 株 式 譲 渡 媒 介 契 約 ( 譲 渡 先 紹 介 ) 契 約 相 手 : 株 式 会 社 Z 社 契 約 時 期 : 平 成 23 年 12 月 金 額 : 525 万 4,027 円 ( 税 込 ) (3) 盛 田 が 製 造 する 食 品 酒 類 に 対 するコンサルティング 業 務 契 約 相 手 : 株 式 会 社 S 社 契 約 期 間 : 平 成 22 年 11 月 ~ 平 成 27 年 2 月 金 額 : 月 額 11 万 円 ( 税 込 ) 上 記 2.の 事 実 ともあいまって 初 期 的 調 査 の 報 告 書 において 現 在 の 貴 社 取 締 役 会 においては 内 部 統 制 機 能 とりわけ 経 営 陣 ( 盛 田 英 夫 氏 )による 不 正 リスクに 対 する 内 部 統 制 機 能 が 適 切 に 働 いていないと 考 えられる と 評 価 されています 以 上 7
( 注 ) なお 栄 監 査 法 人 の 確 認 を 得 た 上 で 関 連 する 盛 田 の 子 会 社 であった 会 社 名 を 匿 名 にし また 契 約 相 手 先 名 のアルファベット 表 記 も 一 部 修 正 しております 8
別 紙 2 調 査 報 告 書 < 要 約 版 > 1 定 義 当 社 MFS MAM M&S 盛 田 アルカン 会 長 小 林 社 長 松 本 副 社 長 A 氏 B 氏 ジャパン フード&リカー アライアンス 株 式 会 社 モリタフードサービス 株 式 会 社 盛 田 アセットマネジメント 株 式 会 社 Morita & Sons Inc. 盛 田 株 式 会 社 株 式 会 社 アルカン 当 社 代 表 取 締 役 会 長 盛 田 英 夫 氏 当 社 代 表 取 締 役 社 長 小 林 武 司 氏 当 社 代 表 取 締 役 副 社 長 松 本 健 司 氏 有 限 会 社 X 社 代 表 取 締 役 A 氏 当 社 執 行 役 員 盛 田 常 務 取 締 役 及 びY 株 式 会 社 代 表 取 締 役 B 氏 C 氏 MFS 代 表 取 締 役 及 び 株 式 会 社 Z 社 代 表 取 締 役 C 氏 D 氏 故 D 氏 ( 会 長 の 実 母 2015 年 3 月 14 日 死 去 ) 1 なお 本 調 査 報 告 書 < 要 約 版 >は 独 立 調 査 委 員 会 の 確 認 を 得 た 上 で 当 社 にて 作 成 したものである 9
第 1 本 調 査 の 概 要 1 独 立 調 査 委 員 会 設 置 の 経 緯 当 社 の 会 計 監 査 人 である 栄 監 査 法 人 は 2015 年 9 月 期 の 監 査 の 過 程 で 代 表 取 締 役 の 一 人 で ある 会 長 個 人 又 はその 同 行 者 の 交 通 費 の 経 費 支 出 について 異 常 性 2 を 識 別 し 当 社 に 確 認 した ところ 使 途 不 明 分 があることが 発 覚 した これを 契 機 に 会 長 へ 便 宜 が 図 られている 可 能 性 があるその 他 の 支 出 等 についても 確 認 されたが 会 長 の 実 質 的 支 配 があると 見 られる 法 人 (MFS)への 貸 付 金 の 回 収 処 理 の 妥 当 性 や 会 長 と 一 定 の 関 係 があるとみられる 個 人 ( 複 数 ) の 経 営 する 各 法 人 に 対 する 各 種 業 務 委 託 料 金 額 の 合 理 性 についても 十 分 な 説 明 及 び 資 料 提 出 はなされなかった これらの 状 況 から 栄 監 査 法 人 は 本 年 6 月 当 社 において 会 長 への 便 宜 が 図 られている 疑 義 ( 以 下 本 件 疑 義 という )を 否 定 できないと 判 断 し 監 査 基 準 委 員 会 報 告 書 250 財 務 諸 表 監 査 における 法 令 の 検 討 における 違 法 行 為 が 疑 われる 場 合 3 の 取 扱 いとすることと した そして 本 件 疑 義 は 経 営 者 ( 特 に 上 級 経 営 者 )が 関 与 していると 考 えられる 場 合 に 当 たるため 従 業 員 経 営 者 または 第 三 者 による 共 謀 の 可 能 性 も 検 討 しなければならず 4 また 内 部 統 制 の 不 備 を 示 す 状 況 でもあること 5 から 社 内 調 査 での 実 効 性 は 期 待 できず 外 部 調 査 が 必 要 である 旨 が 本 年 7 月 に 当 社 役 員 に 告 げられた それを 受 けて 当 社 は 本 件 疑 義 について 外 部 専 門 家 により その 専 門 的 客 観 的 な 見 地 に 基 づいて 事 実 関 係 等 の 調 査 分 析 及 びこれに 対 する 法 的 評 価 ( 以 下 本 調 査 という ) が 行 われる 必 要 があると 判 断 し 本 年 8 月 に 当 社 と 利 害 関 係 を 有 しないTMI 総 合 法 律 事 務 所 及 びアンダーソン 毛 利 友 常 法 律 事 務 所 に 対 し 調 査 委 員 会 の 設 置 を 依 頼 した 2 本 調 査 の 目 的 本 調 査 は 本 件 疑 義 に 係 る 事 項 として 栄 監 査 法 人 より 指 摘 された 以 下 の 事 項 について i) 事 実 関 係 及 びその 経 緯 動 機 を 把 握 し ii) 会 長 の 代 表 取 締 役 としての 善 管 注 意 義 務 ( 会 社 法 第 330 条 民 法 第 644 条 ) 及 び 忠 実 義 務 ( 会 社 法 第 355 条 )の 違 反 の 有 無 についての 法 的 評 価 を 行 い さらにiii) 当 社 内 部 統 制 システムの 不 備 又 はこれが 有 効 に 機 能 していないおそれにつ いての 判 断 を 示 すとともに これらに 問 題 が 存 在 した 時 はその 原 因 を 分 析 し 再 発 防 止 策 を 提 言 することを 目 的 としている 2 具 体 的 には 会 長 が 使 用 していたJRエクスプレスカードの 使 用 履 歴 において 2014 年 の1 年 間 で 回 数 券 分 として 少 なくとも168 枚 (2,356,000 円 )が 存 在 した 3 監 査 基 準 委 員 会 報 告 250 財 務 諸 表 監 査 における 法 令 の 検 討 18 項 参 照 4 5 監 査 基 準 委 員 会 報 告 240 財 務 諸 表 監 査 における 不 正 35 項 参 照 日 本 公 認 会 計 士 協 会 監 査 保 証 実 務 委 員 会 報 告 第 82 号 財 務 報 告 に 係 る 内 部 統 制 の 監 査 に 関 する 実 務 上 の 扱 い 210 項 参 照 10
1MFSへの 貸 付 金 の 回 収 処 理 (MFSにおける 資 金 移 動 を 含 む ) 2A 氏 B 氏 C 氏 D 氏 が 経 営 する 各 法 人 への 業 務 委 託 契 約 料 の 支 払 3 会 長 個 人 又 はその 同 行 者 に 係 る 交 通 費 の 支 払 い 4その 他 調 査 の 過 程 で 本 件 疑 義 に 関 わる 事 項 として 発 覚 したもの 3 独 立 調 査 委 員 会 の 構 成 独 立 調 査 委 員 会 の 構 成 は 以 下 のとおりである 委 員 長 相 澤 光 江 TMI 総 合 法 律 事 務 所 弁 護 士 副 委 員 長 増 田 健 一 アンダーソン 毛 利 友 常 法 律 事 務 所 弁 護 士 委 員 相 澤 豪 TMI 総 合 法 律 事 務 所 弁 護 士 委 員 谷 津 朋 美 TMI 総 合 法 律 事 務 所 弁 護 士 委 員 米 田 紀 子 TMI 総 合 法 律 事 務 所 弁 護 士 委 員 塚 本 英 巨 アンダーソン 毛 利 友 常 法 律 事 務 所 弁 護 士 なお さらに 独 立 調 査 委 員 会 の 補 助 者 として 相 澤 光 江 委 員 長 の 所 属 先 であるTMI 総 合 法 律 事 務 所 の 弁 護 士 佐 藤 竜 明 及 び 篠 原 一 生 並 びに 増 田 副 委 員 長 の 所 属 先 であるアンダーソ ン 毛 利 友 常 法 律 事 務 所 の 弁 護 士 竹 本 康 彦 の 合 計 3 名 が 参 加 した 4 本 調 査 の 期 間 当 委 員 会 は 2015 年 8 月 17 日 から 同 年 10 月 14 日 まで 調 査 を 実 施 した 5 本 調 査 の 対 象 範 囲 本 調 査 は 栄 監 査 法 人 からの 指 摘 事 項 に 対 する 初 期 的 調 査 として 行 われたため 上 記 2( 調 査 の 目 的 ) 記 載 の1から4の 事 項 ( 以 下 本 調 査 対 象 事 項 という )のみを 調 査 対 象 として いる それ 以 外 の 事 項 について 網 羅 的 に 調 査 をしたものではない 6 第 三 者 委 員 会 ガイドラインへの 準 拠 本 調 査 委 員 会 は いわゆる 第 三 者 委 員 会 そのものではないが その 活 動 の 指 針 において 概 ね 第 三 者 委 員 会 ガイドライン 6 に 沿 っている 第 2 調 査 の 結 果 1 MFSへの 貸 付 金 の 回 収 処 理 の 問 題 ( 調 査 対 象 事 項 1) MFSは 当 社 の100% 子 会 社 であったが 2009 年 9 月 当 社 はMFSの 全 株 式 を 会 長 が 実 質 的 に 支 配 しているM&Sに 売 却 した 当 社 は 株 式 売 却 後 もMFSに 対 する 貸 付 債 権 等 の 債 権 を 有 していたが その 回 収 可 能 性 が 見 込 めないとして 2011 年 9 月 期 に55 百 万 円 2012 年 9 月 期 に75 百 万 円 2013 6 企 業 等 不 祥 事 における 第 三 者 委 員 会 ガイドライン( 日 本 弁 護 士 連 合 会 ) 11
年 9 月 期 に154 百 万 円 2014 年 9 月 期 に1 百 万 円 につきそれぞれ 貸 倒 引 当 金 を 繰 入 れ 現 在 当 社 が MFSに 対 して 有 している 債 権 227 百 万 円 全 額 について 貸 倒 引 当 金 が 計 上 されるに 至 っている MFSは 2012 年 10 月 9 日 にMFSの 事 業 の 一 部 を 事 業 譲 渡 ( 以 下 本 件 事 業 譲 渡 という )し 事 業 譲 渡 代 金 3 億 3000 万 円 を 受 け 取 っている 本 件 事 業 譲 渡 の 直 後 の2012 年 10 月 15 日 MFSから MAMに 対 し 2 億 6000 万 円 が 弁 済 日 を2013 年 9 月 30 日 として 貸 し 付 けられている( 以 下 MAM 貸 付 という )が 現 在 当 該 貸 付 金 が 回 収 される 見 込 みはない また 本 件 事 業 譲 渡 代 金 は MFS の 当 社 に 対 する 貸 付 金 等 債 権 の 弁 済 には 一 切 充 てられなかった 会 長 は 2010 年 9 月 30 日 付 けでMFSの 代 表 取 締 役 に 就 任 し 2012 年 11 月 26 日 に 辞 任 するまで 同 社 の 代 表 取 締 役 を その 後 2013 年 1 月 28 日 に 辞 任 するまで 同 社 の 取 締 役 を 務 めた また MAM は 2008 年 6 月 23 日 以 降 現 在 に 至 るまで 会 長 が 代 表 取 締 役 を 務 めており 会 長 が 実 質 的 に 支 配 していると 認 められる MFSによるMAM 貸 付 が 会 長 の 意 向 に 基 づくものであることは 会 長 の 説 明 からも 認 定 するこ とができる また MAMは 当 時 事 業 を 行 っておらず 見 るべき 資 産 も 収 入 もないなど MAM 貸 付 によりMAMに 提 供 された 資 金 が 返 済 されると 見 込 まれる 事 情 はなく 会 長 も そのことを 認 識 していたといえる( 実 際 MFSによるMAM 貸 付 は その 実 行 後 返 済 されていない ) そ して 会 長 は MFSは 全 体 として 赤 字 事 業 であることを 認 識 していたことからすれば MFSが 本 件 事 業 譲 渡 後 に 残 った 店 舗 の 事 業 キャッシュフローを 原 資 として 当 社 に 対 する 債 務 を 弁 済 す ることは 不 可 能 であることをも 認 識 していたと 考 えられる それにもかかわらず MFSは 本 件 事 業 譲 渡 により 得 た 資 金 の 大 部 分 を 会 長 自 らが 実 質 的 に 支 配 するMAMに 対 して 貸 し 付 け 社 外 に 流 出 させてしまった そして MFSの 当 社 に 対 する 弁 済 は 本 件 事 業 譲 渡 の 約 1 年 後 の2013 年 12 月 以 降 は 一 切 行 われなくなっている 以 上 からすると 本 件 事 業 譲 渡 に 係 る 譲 渡 代 金 の 大 部 分 を 原 資 としてMFSからMAMに 対 して 行 われたMAM 貸 付 については 会 長 は i) 当 社 の 代 表 取 締 役 の 地 位 にありながら ii)mfsの 代 表 取 締 役 として 自 らが 実 質 的 に 支 配 するMAMに 対 し その 回 収 が 不 能 であることを 認 識 しなが ら 貸 付 を 行 って MAMの 利 益 ( 又 はMAMを 通 じて 自 己 の 利 益 )を 図 り iii) 当 社 がMFSに 対 する 債 権 を 回 収 することができなくなる 形 で 当 社 の 利 益 を 犠 牲 にしているため 当 社 取 締 役 として の 忠 実 義 務 善 管 注 意 義 務 に 違 反 したと 評 価 することができる 2 業 務 委 託 料 の 支 払 の 問 題 ( 調 査 対 象 事 項 2) (1) A 氏 が 関 係 する 業 務 委 託 盛 田 は 有 限 会 社 X 社 ( 以 下 X 社 という )に 対 し 盛 田 の 子 会 社 ( 以 下 甲 社 という )の 株 式 譲 渡 に 係 るアドバイザリー 報 酬 として 2014 年 8 月 に1000 万 円 ( 税 込 )を 支 払 っている また 2014 年 10 月 から3 月 にかけて 当 社 盛 田 及 びアルカンは X 社 との 間 で レコー ド マネジメント 業 務 ( 以 下 RM 業 務 という )に 係 る 業 務 委 託 契 約 をそれぞれ 締 結 して おり 業 務 委 託 料 は 合 計 2944 万 円 ( 税 別 )とされている 12
この 点 X 社 の 代 表 取 締 役 A 氏 は 会 長 と 個 人 的 な 付 き 合 いを 有 していることが 窺 われる 上 美 術 商 であり 必 ずしもM&AやRM 業 務 の 専 門 家 であるわけではないと 思 われること 等 から 上 記 の 契 約 の 合 理 性 ( 価 格 の 相 当 性 を 含 む )が 調 査 対 象 とされた (ア) 甲 社 の 株 式 譲 渡 に 関 するアドバイザリー 契 約 X 社 が 甲 社 の 株 式 譲 渡 先 を 紹 介 した 事 実 を 証 する 資 料 は 一 切 示 されていないこと 等 から すれば 紹 介 の 事 実 の 存 在 自 体 疑 問 が 残 る また X 社 に 対 する 報 酬 額 も 一 般 的 なM&A に 関 するアドバイザリー 費 用 の 水 準 に 鑑 みれば 紹 介 のみに 対 する 対 価 としては 必 ずし も 妥 当 な 金 額 とは 言 い 難 い 当 該 報 酬 の 支 払 の 相 当 性 や 金 額 の 妥 当 性 について 盛 田 側 の 当 時 の 取 締 役 によって 十 分 に 検 討 されたのか 大 いに 疑 問 が 残 る もっとも A 氏 への 支 払 によって 会 長 自 身 が 直 接 間 接 に 利 益 を 得 ている 事 実 を 裏 付 け る 証 拠 までは 確 認 されず 直 ちに 会 長 個 人 の 取 締 役 としての 忠 実 義 務 違 反 を 認 めるまでに は 至 っていない (イ) RM 業 務 の 委 託 契 約 業 務 委 託 契 約 を 締 結 することの 必 要 性 及 び 合 理 性 について 疑 問 はあるものの RM 業 務 自 体 は 一 定 の 実 態 を 有 するものと 言 える また 当 該 業 務 委 託 契 約 の 合 理 性 及 び 報 酬 の 相 当 性 については 当 社 における 意 思 決 定 の 過 程 及 び 内 容 につき いずれも 疑 念 を 差 し 挟 む 余 地 があるものの 法 的 にみて 著 しく 不 当 違 法 であると 断 定 するに 足 る 事 実 までは 確 認 す ることができていない (2) B 氏 が 関 係 する 業 務 委 託 盛 田 は Y 株 式 会 社 ( 以 下 Y 社 という )との 間 で 新 商 品 のデザイン 業 務 等 に 関 す る 業 務 委 託 契 約 を 締 結 している この 点 Y 社 の 代 表 取 締 役 B 氏 は かねてから 会 長 との 個 人 的 な 付 き 合 いを 有 していることが 窺 われること 盛 田 の 常 務 取 締 役 であり 盛 田 から 取 締 役 としての 報 酬 を 得 ていること MAMがY 社 の 株 主 であった 時 期 があること 及 びY 社 のT 取 締 役 が2011 年 11 月 28 日 までMAMの 代 表 取 締 役 であったこと 等 から 当 該 業 務 委 託 契 約 の 合 理 性 ( 価 格 の 相 当 性 を 含 む )が 調 査 対 象 とされた しかしながら 当 該 業 務 委 託 契 約 に 基 づく 成 果 物 が 実 在 する 模 様 であり 業 務 委 託 契 約 の 締 結 自 体 については 盛 田 において 会 社 法 の 手 続 が 履 践 されているほか B 氏 の 説 明 は 不 合 理 とまでは 言 い 難 く これを 否 定 する 事 情 も 特 に 認 められない また 途 中 の 業 務 委 託 料 の 増 額 についても 増 額 金 額 ( 月 額 60 万 5000 円 )が 高 額 であること 等 から 実 態 に 沿 ったもの ではないとの 疑 いが 否 定 できないところではあるが 増 額 に 関 するB 氏 の 説 明 についての 資 料 が 存 在 し B 氏 の 説 明 の 真 実 性 を 疑 う 根 拠 はなく 他 に 報 酬 増 額 の 不 合 理 性 を 示 す 具 体 的 な 事 実 は 発 見 されなかった 13
(3)C 氏 が 関 係 する 業 務 委 託 盛 田 は 株 式 会 社 Z 社 ( 以 下 Z 社 という )との 間 で2011 年 12 月 16 日 付 け 株 式 譲 渡 媒 介 契 約 を 締 結 しており Z 社 に 対 し 盛 田 の 子 会 社 ( 甲 社 とは 別 会 社 以 下 乙 社 とい う )の 株 式 譲 渡 に 関 し その 譲 渡 先 の 紹 介 手 数 料 として525 万 4027 円 ( 税 込 )を 支 払 って いる この 点 Z 社 代 表 取 締 役 C 氏 は かねてから 会 長 との 個 人 的 な 付 き 合 いを 有 しているこ とが 窺 われること 2012 年 6 月 にMAMの 取 締 役 に 就 任 し 同 年 11 月 以 降 現 在 に 至 るまで 同 社 の 代 表 取 締 役 であること 及 び2012 年 10 月 から 現 在 に 至 るまでMFSの 代 表 取 締 役 でもあること 等 から 当 該 契 約 の 合 理 性 ( 価 格 の 相 当 性 を 含 む )が 調 査 対 象 とされた Z 社 による 乙 社 の 株 式 譲 渡 先 の 紹 介 の 事 実 を 証 する 資 料 は 一 切 示 されていないこと 等 から すれば Z 社 による 譲 渡 先 の 紹 介 の 事 実 の 存 在 自 体 疑 問 が 残 る また 報 酬 額 も 一 般 的 な 相 場 に 照 らせば 譲 渡 先 の 紹 介 のみに 対 する 対 価 としては 必 ずしも 妥 当 な 金 額 とは 言 い 難 い もっとも 上 記 (1)の 甲 社 の 株 式 譲 渡 に 関 するアドバイザリー 契 約 の 場 合 と 同 様 に C 氏 へ の 支 払 によって 会 長 自 身 が 直 接 間 接 に 利 益 を 得 ている 事 実 を 裏 付 ける 証 拠 までは 確 認 され ず 直 ちに 会 長 個 人 の 取 締 役 としての 忠 実 義 務 違 反 を 認 めるまでには 至 っていない (4) D 氏 が 関 係 する 業 務 委 託 2010 年 10 月 31 日 盛 田 は 株 式 会 社 S 社 ( 以 下 S 社 という )との 間 で 盛 田 が 製 造 する 食 品 酒 類 に 対 するコンサルタント 業 務 を 委 託 業 務 とする 業 務 委 託 契 約 を 締 結 し 2015 年 2 月 まで 業 務 委 託 料 として 同 社 に 対 し 月 額 11 万 円 ( 税 込 )を 支 払 っていた 当 該 業 務 委 託 契 約 締 結 当 時 のS 社 の 代 表 取 締 役 はD 氏 であったところ 委 託 業 務 に 関 する 月 次 報 告 等 はなされていない また D 氏 が 高 齢 である 上 少 なくとも 近 年 においては 病 床 にあ り 死 去 の 直 前 までコンサルティングを 行 える 状 態 にあったとは 考 えにくい そのため S 社 による 盛 田 に 対 するコンサルティングの 実 態 は 契 約 の 全 期 間 に 亘 っては 存 在 していな かったとの 疑 いがある 3 交 通 費 の 支 払 の 問 題 ( 調 査 対 象 事 項 3) 会 長 が 利 用 した 当 社 のJRエクスプレスカードの 使 用 履 歴 において 2014 年 4 月 から2015 年 3 月 までの 間 の 総 額 751 万 8000 円 の 利 用 のうち JRの 回 数 券 と 思 われる 購 入 履 歴 として235 万 6000 円 (168 枚 分 )が 記 録 されている かかる 支 出 について その 経 緯 使 途 及 び 会 社 の 経 費 とす ることの 適 切 性 が 不 明 であるため その 合 理 性 ( 価 格 の 相 当 性 を 含 む )が 調 査 対 象 とされた 会 長 の 回 数 券 の 購 入 について 説 明 からは 業 務 関 連 性 ないし 業 務 上 の 必 要 性 は 必 ずしも 明 ら かではない 会 社 の 経 費 とすることの 適 切 性 に 適 う 証 拠 及 び 証 言 がない 以 上 会 長 の 個 人 的 な 費 用 を 会 社 に 支 払 わせることによって 会 社 の 利 益 を 犠 牲 にして 会 長 が 利 益 を 得 ていると 評 価 される 部 分 があることは 否 定 できない これは 当 社 取 締 役 としての 忠 実 義 務 違 反 善 管 注 意 義 務 違 反 を 構 成 する また 会 長 による 上 記 支 出 の 妥 当 性 について 他 の 取 締 役 による 監 督 は 十 分 に 行 われていな 14
かったと 思 われ この 点 において 内 部 統 制 が 適 切 に 機 能 していなかったと 評 価 せざるを 得 ない なお 会 長 も 経 費 として 取 り 扱 うことが 不 適 切 なものについては 自 己 負 担 する 旨 明 言 し 事 実 上 不 適 切 な 経 費 処 理 の 存 在 について 認 め 是 正 する 意 向 を 表 明 している 4 その 他 調 査 の 過 程 で 発 覚 した 問 題 ( 調 査 対 象 事 項 4) (1) 保 証 料 本 調 査 の 過 程 において 当 社 に 対 する 金 融 機 関 からの 融 資 の 条 件 としてなされた 会 長 の 個 人 保 証 ( 連 帯 保 証 )について 当 社 より 保 証 料 が 支 払 われており その 保 証 料 率 が 融 資 が なされた 当 初 (2008 年 )は 保 証 額 ( 本 件 緊 急 融 資 の 残 高 )の1%( 年 率 以 下 同 じ )であっ たところ 7 2014 年 9 月 に2%に 変 更 ( 増 率 )され 8 その 後 2015 年 3 月 に1.4%に 再 度 変 更 されて いることが 判 明 した 小 林 社 長 によれば 会 長 に 対 する 保 証 料 の 支 払 は 会 長 から 要 求 されたものではなく 自 主 的 に 取 締 役 会 で 判 断 したもの とのことである これに 関 し 当 社 において 義 務 に 基 づかずに 保 証 料 率 を 上 げたこと 特 にMAMのN 経 理 部 長 からの 依 頼 を 受 けて 保 証 料 率 を 上 げた 点 に 鑑 みると その 必 要 性 及 び 合 理 性 には 疑 いが 残 り 当 時 会 長 の 役 員 報 酬 についてクレジット 会 社 から 差 押 えがなされていたとの 事 情 をも 考 慮 すると 実 質 的 には 会 長 への 便 宜 を 図 るための 保 証 料 率 の 変 更 であったとの 疑 念 も 払 拭 でき ない (2) 当 社 からMAM 等 への 貸 付 会 長 が 当 社 の 代 表 取 締 役 に 就 任 した2008 年 12 月 以 降 当 社 の 有 価 証 券 報 告 書 取 締 役 会 議 事 録 及 び 開 示 された 資 料 によれば 会 長 の 資 産 管 理 会 社 であり 会 長 が 実 質 的 に 支 配 するMAM 会 長 が 議 決 権 の100%を 直 接 保 有 するM&S 及 び 会 長 個 人 に 対 し 貸 付 等 に 基 づく 資 金 移 動 等 が 行 われたことが 判 明 している MAM 及 びM&Sは いずれも 会 長 が 実 質 的 に 支 配 している 会 社 である 当 社 はこのような 会 社 及 び 会 長 個 人 に 対 し 複 数 回 に 亘 り 貸 付 を 行 っている これらの 貸 付 は 違 法 とは 言 えないも のの 代 表 取 締 役 ないしその 支 配 する 会 社 に 対 し 1000 万 円 を 超 える 規 模 の 貸 付 を 繰 り 返 し 行 うことは 後 に 返 済 されたという 事 情 を 勘 案 しても 上 場 会 社 として 必 ずしも 適 切 とは 言 い 難 い 第 3 法 的 評 価 (まとめ) 及 び 責 任 1 会 長 の 当 社 取 締 役 としての 善 管 注 意 義 務 忠 実 義 務 違 反 上 記 第 2の1のとおり 会 長 は 少 なくとも(MFSによる)MAM 貸 付 (2 億 6000 万 円 )について 1 当 社 の 代 表 取 締 役 の 地 位 にありながら 2MFSの 代 表 取 締 役 として 自 らが 実 質 的 に 支 配 す 7 金 融 機 関 に 相 場 を 確 認 し 決 定 したものとのことである 8 変 更 時 の 保 証 額 ( 借 入 残 高 )は 8 億 0350 万 円 15
るMAMに 対 し その 回 収 が 不 能 であることを 認 識 し あるいは 認 識 すべきでありながら 貸 付 を 行 って MAMの 利 益 ないしそれを 通 じて 自 己 の 利 益 を 図 り 3 当 社 のMFSに 対 する 債 権 を 回 収 不 能 にする 形 で 当 社 の 利 益 を 犠 牲 にしていると 認 定 することができる このような 会 長 の 行 為 は 会 社 の 資 産 保 全 を 図 り その 責 任 財 産 の 毀 損 を 防 ぐべき 当 社 取 締 役 としての 忠 実 義 務 善 管 注 意 義 務 に 著 しく 反 するものであるというべきである 9 2 業 務 委 託 契 約 に 仮 託 した 会 長 一 族 への 利 益 の 供 与 / 業 務 関 連 性 のない 交 通 費 上 記 第 2の2(4)のとおり 盛 田 とZ 社 との 間 の 業 務 委 託 契 約 に 基 づく 業 務 委 託 料 の 支 払 の 少 なくとも 一 部 は 会 長 一 族 に 対 する 実 質 的 な 利 益 の 供 与 に 該 当 する 疑 いがある また 上 記 第 2の3のとおり 会 社 が 支 払 った 交 通 費 の 一 部 は 経 費 として 支 出 することが 不 適 切 であるから これについては 会 長 に 返 済 義 務 があるというべきである 3 内 部 統 制 上 の 問 題 - 取 締 役 会 の 機 能 不 全 本 調 査 対 象 事 項 及 び 本 調 査 の 過 程 で 発 覚 した 問 題 に 限 っても 取 締 役 会 の 承 認 又 は 黙 認 のも と 会 長 又 は 会 長 と 懇 意 にある 者 に 対 し 便 宜 を 図 った 疑 いのある 取 引 が 複 数 なされている すなわち 上 記 第 2の4(1)のとおり 当 社 取 締 役 会 は 会 長 に 支 払 う 保 証 料 を 増 額 す 旨 提 案 承 認 しているが 必 要 性 及 び 合 理 性 には 疑 いが 残 るところであり いわば 能 動 的 に 会 長 への 便 宜 を 図 ったのではないかとも 疑 われる また 上 記 第 2の2(1)の 甲 社 の 株 式 譲 渡 に 関 するアドバイザリー 契 約 に 基 づくX 社 に 対 する 報 酬 の 支 払 及 び 上 記 第 2の2(3)の 乙 社 の 株 式 譲 渡 に 関 する 媒 介 契 約 に 基 づくZ 社 に 対 する 紹 介 手 数 料 の 支 払 は いずれも 会 長 と 個 人 的 に 懇 意 にある 者 との 取 引 であり 金 額 自 体 必 ずしも 妥 当 とは 言 い 難 いことをも 踏 まえれば これらの 者 ひいては 会 長 に 対 する 便 宜 を 図 った 不 合 理 なものであるとの 疑 いが 払 拭 できないものである 一 般 的 に 経 営 者 と 個 人 的 に 懇 意 にある 者 の 取 引 は 会 社 の 利 益 を 損 なうおそれが 他 の 取 引 に 比 して 高 いといえることから 取 締 役 会 に おいて 取 引 を 承 認 するに 際 しては その 必 要 性 合 理 性 及 び 相 当 性 を 慎 重 かつ 十 分 に 精 査 する ことが 求 められるべきであるが 当 社 取 締 役 会 は 上 記 各 契 約 締 結 に 際 して その 必 要 性 等 に ついて 十 分 に 検 討 することなく 契 約 締 結 及 び 支 払 の 承 認 に 至 っているものである さらに 上 記 第 2の3のJRエクスプレスカードを 用 いた 回 数 券 の 購 入 に 関 しても 十 分 にチェ ックをされていなかった 模 様 である これらの 事 実 に 鑑 みると 当 社 取 締 役 会 においては 内 部 統 制 機 能 とりわけ 経 営 陣 ( 会 長 ) による 不 正 リスクに 対 する 内 部 統 制 機 能 が 適 切 に 働 いていないと 考 えられる 9 加 えて 上 記 第 2の3のとおり 会 長 は JRエクスプレスカードを 用 いた 回 数 券 の 購 入 について 当 社 の 取 締 役 の 地 位 を 利 用 して 合 理 性 のない 経 費 を 一 部 計 上 して 自 己 の 利 益 を 図 り 当 社 に 損 害 を 与 えており 当 社 取 締 役 としての 忠 実 義 務 違 反 善 管 注 意 義 務 違 反 があると 評 価 し 得 る 16
第 4 原 因 分 析 当 社 は 会 長 の 実 家 ( 盛 田 家 )の 家 業 ( 清 酒 醸 造 業 )を 営 む 旧 盛 田 株 式 会 社 が 上 場 会 社 で あるマルキン 忠 勇 株 式 会 社 を 事 実 上 買 収 し その 後 盛 田 家 の 家 業 ( 清 酒 醸 造 業 ) 等 を 実 質 的 に 吸 収 して 盛 田 家 の 事 業 を 中 核 とする 会 社 に 変 貌 したものである 本 報 告 書 で 指 摘 した 各 事 項 ( 以 下 本 件 指 摘 事 項 という )は かかる 経 緯 により いずれも 会 長 の 当 社 グループに 対 する 当 主 意 識 すなわち 創 業 350 年 の 歴 史 を 持 つ 盛 田 家 による 清 酒 事 業 を 中 核 とす る 当 社 グループについては 盛 田 家 の 当 主 である 自 分 が その 権 限 及 び 責 任 を 有 している という 意 識 が その 根 本 的 な 原 因 となっているものと 認 められる 会 長 は かかる 責 任 感 から 2008 年 末 の 当 社 に 対 する 緊 急 融 資 時 には 当 社 グループの 資 金 繰 り 難 の 危 機 を 回 避 するために 私 財 を 提 供 するなど 10 通 常 行 わないであろう 支 援 を 行 ってお り 会 長 の 当 主 意 識 によって 当 社 グループが 多 大 な 恩 恵 を 受 けてきた 面 も 否 定 できないと ころではある しかし 当 主 意 識 は 会 長 に 上 場 会 社 である 当 社 を 旧 盛 田 時 代 と 同 様 の 個 人 会 社 であるかのように 認 識 させ 上 場 会 社 の 代 表 者 として 有 すべき 株 主 に 対 する 責 任 感 や 基 本 的 な 規 範 意 識 を 欠 如 させることに 繋 がった そのような 中 会 長 及 びその 支 配 する 会 社 の 資 金 が 枯 渇 し 経 済 的 苦 境 に 陥 ったことから 本 件 指 摘 事 項 に 至 ったものであると 考 えられる また 当 主 意 識 に 起 因 して 取 締 役 の 構 成 メンバーも 自 らの 古 くからの 知 己 等 いわば 自 らの 側 近 で 固 めており その 結 果 取 締 役 会 の 会 長 に 対 する 牽 制 機 能 も 十 分 に 働 かない 構 造 と なっている すなわち 当 社 の 現 取 締 役 の 大 半 は 会 長 と 古 くからの 付 き 合 い 又 は 血 縁 関 係 が あるため 会 長 に 恩 義 を 感 じ 又 は 会 長 の 当 主 意 識 を 肯 認 して 共 有 するなどし 当 社 の 利 益 と 会 長 ないし 一 族 の 利 益 とが 相 反 する 状 況 において 当 社 の 利 益 を 優 先 すべきである 旨 会 長 に 意 見 を 言 うことなど 期 待 できない 状 況 にあったことが 容 易 に 推 察 される このような 陣 容 による 取 締 役 会 では 会 長 の 行 き 過 ぎた 当 主 意 識 を 抑 止 することがおよ そ 期 待 できなかったこと そして 今 後 においても 体 制 を 抜 本 的 に 変 えない 限 り 当 該 意 識 の 払 拭 を 完 全 にはなしえないことが 明 白 であり 論 を 俟 たないというべきである 第 5 再 発 防 止 に 向 けた 提 言 上 記 第 4の 原 因 分 析 に 鑑 みれば 本 件 指 摘 事 項 と 同 様 の 事 態 の 再 発 を 防 止 するには まず 現 在 の 経 営 体 制 の 一 新 が 必 要 であろう 特 に その 根 本 原 因 である 会 長 の 取 締 役 退 任 は 必 須 と 考 えられる さらに 取 締 役 会 の 少 なくとも 過 半 数 は 会 長 と 無 関 係 な 取 締 役 によって 占 められ るべきである これによって 取 締 役 会 が 本 来 予 定 する 健 全 な 監 視 監 督 機 能 を 果 たすことが 初 め て 保 障 されるというべきである とりわけ 財 務 及 び 経 理 に 関 する 体 制 については 再 発 防 止 10 当 社 は 2008 年 9 月 のリーマンショック 直 後 ( 株 ) 三 菱 東 京 UFJ 銀 行 から11.2 億 円 の 緊 急 融 資 を 受 けたが その 際 に 会 長 は 銀 行 からの 要 請 を 受 けて 連 帯 保 証 をするとともに 会 長 保 有 の 不 動 産 ( 自 宅 )を 物 上 保 証 に 供 した 事 実 がある 17
の 観 点 から 特 に 強 化 することが 求 められる 以 上 18