2 2. グループ法人税制 ( とは?) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H ( 事業部門分社化 子会社化 ) 経営責任の明確化 迅速な経営判断 戦略立案 効率的な資源配分 (100% グループ内法人とは ) 例 1 A 社 ( 一の者 ) 例 2 A 社 ( 一の



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実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステ

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

に相当する金額を反映して分割対価が低くなっているはずですが 分割法人において移転する資産及び負債の譲渡損益は計上されませんので 分割法人において この退職給付債務に相当する金額を損金の額とする余地はないこととなります (2) 分割承継法人適格分割によって退職給付債務を移転する場合には 分割法人の負債

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

平成 22 年 4 月 1 日現在の法令等に準拠 UP!Consulting Up Newsletter 無対価での会社分割 バックナンバーは 当事務所のホームページで参照できます 1

完全子会社同士の無対価合併 1. 会社法の規制 100% 子会社同士が合併する場合は 兄弟合併とも言われます 実務上は新設合併はマイナーで 法律上の許認可の関係で一方が存続する吸収合併が一般的です また 同一企業グループ内での組織再編成の場合は 無対価合併が一般的です 簡易合併に該当する場合は 存続

スポンサー企業 増減資により 再生会社をスポンサー企業の子会社としたうえで 継続事業を新設分割により切り分ける 100% 新株発行 承継会社 ( 新設会社 ) 整理予定の事業 (A 事業 ) 継続事業 会社分割 移転事業 以下 分社型分割により事業再生を行う場合の具体的な仕組みを解説する の株主 整

自己株式とみなし配当 1. 自己株式取得の法務自己株式は 会計上は資本取引として認識し 純資産の部から取得価額を控除する形式で表示します ( 自己株式会計基準 7) 一方税務上では 発行法人の貸借対照表と自社株式の取引価額次第で みなし配当課税と所得税の源泉徴収が必要な場合があります 自己株式の取得

法人による完全支配関係下の寄附金 1.100% グループ内の法人間の寄附 ( 法法 372) 現行税制上では 寄附金は支出法人では損金計上限度額を超える部分が損金不算入 受領法人では益金算入です 平成 22 年度税制改正により 100% グループ内での支出法人では寄附金全額を損金不算入とし 受領法人


128 Z E I K E I T S U S H I N 10. 3

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

損金経理と積立金経理の違い ( 圧縮超過額がない場合の基本構造 ) 例 A 社は 50の国庫補助金を得て 100で機械を取得した なお A 社の経常利益は 100 である * 仕訳の違い ( 単位 : 百万円 ) 損金経理積立金経理 補助金受贈と機械取得時の仕訳 ( 両者とも同じ ) 現金預金 50

平成23年度税制改正の主要項目

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

1. みなし配当とは? A Q1. みなし配当の定義とみなし配当が生じる取引について教えてほしい みなし配当とは 以下 1~6 の事由により法人が株主へ金銭等の交付を行った場合において その交付金銭等の合計額がその法人の資本金等の額又は連結個別資本金等の額のうち交付の基因となった株式に対応する部分を

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

余金の額の減少に伴うものを除きます 以下同じです ) 若しくは利益の配当又はいわゆる中間配当 ( 資本剰余金 の額の減少に伴うものを除きます 以下同じです ) を した場合には その積立金の取崩額を 減 2 に記載するとともに 繰越損益金 26 の 増 3 の金額に含まれることになります なお この

組織再編税制の見直し

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

【表紙】

別表五(一) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書


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「平成20年版 法人税申告書の記載の手引」別表五(一)

債務超過会社の吸収合併 1. 会社法の規制債務超過会社を消滅会社とする合併は 旧 商法では 資本充実の原則 に反するとして認められていませんでした つまり 合併登記が受理されませんでした このため実務上は 不動産や有価証券の含み益を計上するか営業権を認識して債務超過を解消する あるいは債務超過の子会

平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例(グループ法人税制その他の資本に関係する取引等に係る税制関係)(情報)

法人税 faq

2017年税制改正によるスピンオフ税制とスクイーズアウト関連税制の創設等

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Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 本号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 承前 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステータス 100% グループ内の法人からの受取配当

IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税

経営 V iewpoint 相 談自己株式の取得に係る会計と税務について 宮澤正彦相談部東京相談室 自己株式の取得については 平成 18 年に資産の取得から資本の控除項目へと会計基準が変更されました この改正に伴い 税法も取扱いが変更されました 自己株式の取得についての手続きや留意

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

. 減価償却の仕組みを理解する 60 定率法 定額法など減価償却の方法を理解しましょう. 有価証券の整理をする 68 有価証券一覧表に 購入売却のつど その取引内容を記載していくと 決算業務の際に便利です. 受取配当金を集計する 78 有価証券の整理後 受取配当金と源泉所得税を集計し 申告書作成の準

繰越損益金 26 欄記載要領注意事項 定により積み立てた剰余金の配当に係る利益準記載した金額を 当期の備金の額は 利益準備金 1 の 増 3 に記載増減 の 増 3 に 印します を付して記載します ( そ ⑷ 平成 22 年 10 月 1 日以後に適格合併に該当しの積立額は 翌期においない合併によ

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

企業会計の利益 法人税法上の所得金額 売上原価販売費一般管理費営業外費用特別損失 売上 営業外収益特別利益 損金の額原価費用損失の額 益金の額 ( 収益の額 ) 当期純利益所得の金額 2 益金の額に算入すべき金額とは何か益金の額に算入すべき金額とは 法人税法の規定や他の法令で 益金の額に算入する 又

 

参考 企業会計基準第 25 号 ( 平成 22 年 6 月 ) からの改正点 平成 24 年 6 月 29 日 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 の設例 企業会計基準第 25 号 包括利益の表示に関する会計基準 ( 平成 22 年 6 月 30 日 ) の設例を次のように改正

完全支配関係の添付書類 ( 出資関係図 ) (1) 出資関係図の記載例 (Q&A 問 1) 平成 22 年度税制改正で グループ法人税制が導入されたことに伴い 法人税の確定申告書に 内国法人との間に完全支配関係がある法人との関係を系統的に示した図 ( 以下 出資関係図 という ) を添付することが定

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[2] 財務上の影響 自己株式を 取得 した場合には 通常の有価証券の Ⅰ. 株主資本 ように資産に計上することはせず 株主との間の資本取 1. 資本金 引と考え その取得原価をもって純資産の部の株主資本 2. 資本剰余金 (1) 資本準備金 から控除します そのため 貸借対照表上の表示は金額 (2

その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の

とともに 繰越損益金 26 の 増 3 の金額に含まれることになります なお この場合に会社法第 445 条第 4 項の規定により積み立てた剰余金の配当に係る利益準備金の額は 利益準備金 1 の 増 3 に記載します ⑸ 平成 22 年 10 月 1 日以後に適格合併に該当しない合併により完全支配関

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

Microsoft Word - 非適格合併の諸問題 HP用

務特集 実 スタッフアドバイザー 23 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 10

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

プルータスセミナー 新株予約権の税務について 株式会社プルータス コンサルティング 平成 18 年 12 月 7 日

平成30年公認会計士試験

営業報告書

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3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

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自己株式の消却の会計 税務処理 1. 会社法上の取り扱い取得した自己株式を消却するには 取締役会設置会社の場合は取締役会決議が必要となります ( 会 178) 取締役会決議では 消却する自己株式数を 種類株式発行会社では自己株式の種類及び種類ごとの数を決定する必要があります 自己株式を消却しても 会

企業結合ステップ2に関連するJICPA実務指針等の改正について⑦・連結税効果実務指針(その2)

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

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[2] のれんの発生原因 企業 ( または事業 ) を合併 買収する場合のは 買収される企業 ( または買収される事業 ) のおよびを 時価で評価することが前提となります またやに計上されていない特許権などの法律上の権利や顧客口座などの無形についても その金額が合理的に算定できる場合は 当該無形に配

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( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

第一法基通改正7

第4期電子公告(東京)

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

投資主が受け取る配当等の額については 原則どおり配当等の額を受け取る際に20%( 所得税 )( 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までは復興特別所得税とあわせて20.42%) の税率により源泉徴収された後 総合課税の対象となります ( ロ ) 出資等減少分配に係る税

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

( ロ ) 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る出資等減少分配 ( 所得税法第 24 条に定めるものをいいます 以下 本 ( ロ ) 出資等減少分配に係る税務 において同じです ) のうち本投資法人の税務上の資本金等の額に相当する金額を超える金額がある場合には みなし配当 ( 計

1% 子会社の清算に係る繰越欠損金の引継ぎ等 概要 平成 22 年度税制改正後においては 平成 22 年 1 月 1 日以後の解散決議により 完全支配関係がある子法人が清算した場合のその清算法人株式の譲渡損益については その清算法人株式を簿価で譲渡したものとして 親法人で譲渡損益 ( 清算損 ) を

投資主の皆様へ 平成 29 年 3 月 マリモ地方創生リート投資法人 第 1 期分配金の税務上の取扱いに関するご説明 拝啓平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます さて 本投資法人は 平成 29 年 2 月 14 日開催の役員会において 第 1 期 ( 平成 28 年 12 月期 ) の (A)

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

会社が株主に交付する金銭等に係る情報提供に関する事務取扱要領 平成 21 年 8 月 21 日平成 2 3 年 4 月 8 日改正平成 29 年 8 月 25 日改正日本証券業協会 全国株懇連合会 この取扱要領は 振替株式を発行する会社が当該振替株式につき株主に交付する金銭等に関し 当該金銭等に係る

第28期貸借対照表

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

東京電力エナジーパートナー

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

Microsoft Word - メルマガQ&A(23.8.1問2)利益剰余金の資本組入(父確認中)

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

<928D8B4C8E968D DE90458B8B A2E786C73>

d. 少額上場株式等の非課税口座制度 ( 通称 NISA) 少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した非課税口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 26 年から平成 35 年までの 10 年間 新規投資額で毎年 100 万円を上限

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

第 1 章会社法における合併の概要 49 (2) 不動産登記関係合併においては 被合併法人の所有する不動産の名義変更登記が必要となります 新設合併の場合には 合併当事会社がすべて消滅するため すべての不動産が対象となり 登記費用が吸収合併に比して高額となります (3) 社会保険届出等の事務手続新設合

<TAC> 無断複写 複製を禁じます ( 税 18) 相上 (8)C10-1 相続税法 上級 演習 8 テキスト 2 第 8 回 - 解答 点 - 第一問 問 1 持分の定めのない法人に対し財産の贈与又は遺贈があった場合において 税負担の不当減少を防 止

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日本基準基礎講座 資本会計


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粉飾決算と過年度損益修正 1. 概要 経営上の諸般の事情により やむを得ず粉飾して架空売上や架空在庫を計上する場合があります 前期以前の 過年度の決算が間違っていた場合は 会計上は当期の期首で修正できます ただし 過年度の損失を当期に損金算入すれば その事業年度に損金計上すべきであり 過年度の損失は

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

Transcription:

1 第 11 回グループ法人の税務と会計 会計と経営のブラッシュアップ平成 25 年 6 月 10 日山内公認会計士事務所 本レジュメは 企業会計基準 税法及び次の各書を参考にさせていただいて作成した ( 日本公認会計士協会全国研修会グループ法人税制中村慈美講義 ) ( 設例でわかる! グループ法人税制の実務ポイント辻 本郷税理士法人吉田博之 DVD) Ⅰ. グループ法人税制 平成 22 年度税制改正 (H22.10.1) によって グループ経営の実態を反映させることを目的として グループ法人税制が創設された 多様化する組織再編制度や昨今のグループ法人の一体的運営が進展している状況下 課税上の障害 ( 単体緩和 ) を除く必要があり また資本の部の税制についても課税上の弊害を改める必要 ( 適正規制 ) があった 法人の組織形態の多様化と実態に即した課税の実現のための制度である 1. 主要な規定 (1)100% グループ内の法人間の資産の譲渡損益の繰延 譲渡損益を取引の時点では計上せず 1 その資産をグループ外へ移転した時の譲渡損益とし 2 更に他のグループ内法人へ移転した時 当初移転を行った法人において 譲渡損益を計上する ( 譲渡調整資産 帳簿価額 1,000 万円以上のもの ) 1 固定資産 ( 減価償却資産 土地等 ) 2 棚卸資産である土地等 3 有価証券 ( 売買目的有価証券を除く ) 4 金銭債権 5 繰延資産 ( 各国の税制 ) グループ法人間譲渡取引 100% 親子間配当 アメリカ 譲渡損のみ繰延 課税なし イギリス 譲渡損益の繰延 日本 ドイツ 繰延なし 配当の 95% が課税なし フランス 本レジュメはブラッシュアップ日迄にホームページに up してあります http://yamauchi-cpa.net/index.html

2 2. グループ法人税制 ( とは?) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.08.07 ( 事業部門分社化 子会社化 ) 経営責任の明確化 迅速な経営判断 戦略立案 効率的な資源配分 (100% グループ内法人とは ) 例 1 A 社 ( 一の者 ) 例 2 A 社 ( 一の者 ) 100% 100% 100% B 社 B 社 C 社 A 社とB 社は 100% グループ内法人 A 社 B 社及びC 社は 100% グループ内法人 例 3 A 社 ( 一の者 ) 例 4 個人 A( 又は外国法人 )( 一の者 ) 100% 60% 100% 100% B 社 40% C 社 B 社 C 社 A 社 B 社及びC 社は 100% グループ内法人 B 社とC 社は 100% グループ内法人 例 5 個人 A 同族関係 個人 B ( 一の者 ) 60% 30% 40% 70% C 社 D 社 譲渡損益の課税繰り延べの対象となるのは 内国法人間の取引に限定され 個人 - 法人 又は 外国法人 - 内国法人 の間での取引は対象とならない C 社と D 社は 100% グループ内法人

3 100% グループの図 1 個人等の支配する 100% グループ 2 同族関係等の支配する 100% グループ H25.01.01 個人等 一の者 兄 弟 100% 100% 100% 100% A 社 B 社 A 社 B 社 一の者 3 グループ内の完全支配関係 A 社 100% 100% B 社 C 社 50% 50% D 社 E 社 100% 一の者 ( 同族関係者の範囲 ) 相続税の規定と同じ 第四条法第二条第十号 ( 同族会社の意義 ) に規定する政令で定める特殊の関係のある個人は 次に掲げ る者とする 一 株主等の親族 二 株主等と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者 三 株主等 ( 個人である株主等に限る 次号において同じ ) の使用人 四 前三号に掲げる者以外の者で株主等から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの 五 前三号に掲げる者と生計を一にするこれらの者の親族 法人税法施行令 4 条 1 号 ( 発行株式等の全部 (100%) の保有 ) 除外規定 (1) 自己株式 発行済株式等の総数から除外する ( 法法 2 一二の七の五 ) (2) 従業員持株会株式 保有割合が 5% 未満である場合は 発行済株式数から除外して保有割合を判定する ( 法令 4 の 22 一 ) 民法組合として組織された従業員持株会 (3) ストックオプションの行使による役職員株式 (2) と合せて 5% 未満の判定を行う ( 法令 4 の 22 二 ) 100%( 完全支配 ) と 99% の違いは何か?( 本質的に ) 持分の定めのある医療法人における持分と社員総会における議決権の割合の異同 ( 完全支配関係は 出資持分の所有状況で判断する )

4 グループ法人チェックリスト ( ) H25.01.01 H22.04.03 NO チェック事項結果 1 個人等の支配する 100% グループ 2 同族関係等の支配する 100% グループ 個人等 兄 弟 100% 100% 100% 100% A 社 B 社 A 社 B 社 3グループ内の完全支配関係 A 社 100% 100% B 社 C 社 50% 50% D 社 100% E 社 1. グループ一覧表の入手 (KN 等サンプル ) 2. グループ概要図の作成 (Mi 等サンプル ) 3. グループ法人の決定 4. グループ法人税制の注意事項 ( 譲渡損益を認識しない取引 ) 1. 適格合併での譲渡法人の解散による譲渡損益の取扱い 2. 適格合併での譲受法人の解散による繰延処理の継続 3. グループ会社間での非適格合併

5 ( 中小企業優遇税制の適用の制限 ) H25.01.02 資本金の額が 1 億円以下の法人には 軽減税率の適用など中小企業向けの特例措置の適用がある 但し 資本金の額が 5 億円以上の法人の 100% 子会社は資本金の額が 1 億円以下であっても 中小企業の特例の適用はない ( 中小法人の特例 ) (1) 法人税の軽減税率 ( 法法 66 措法 42 の 3 の 2) (2) 貸倒引当金の繰入率 ( 措法 57 の 10) (3) 欠損金の繰戻し還付制度 ( 法法 80 措法 66 の 13) (4) 特定同族会社の特別税率の不適用 ( 法法 671) (5) 交際費の損金不算入制度における定額控除制度 ( 措法 61 の 4)

6 グループ法人税制 ( 譲渡損益 ) ( 完全支配関係法人間は 基本的に内部取引と見る ) H24.07.27 H22.08.06 H22.03.25 H22.03.18 完全支配関係法人間 100% グループ法人間 その他 100% 未満間 備考 ( 譲渡損益の繰延べ ) H22.10.1 適用 譲渡損益調整資産 ( 個別資産毎の簿価 10 百万円以上 ) 創設営業権 ( 帳簿価額 0 のため ) 資産調整勘定 ( 非適格再編独自の科目のため ) を除く 内国法人間 繰延 繰延なし 適格事後設立廃止 グループ会社を利用 一定外資産 (10 百万円未満 ) 繰延なし なし した税負担の調整困難化 ( 譲渡損の活 個人 - 法人 なし なし 用不可 ) グループ内での円滑 外国法人 - 法人 なし なし な資産配分の可能 ( 譲渡益の心配解除 ) 譲渡後もトレースの 課税 再譲渡時等 なし 必要性 ( 外部へ譲渡した時 ) 100% グループとそ ( 公益法人等は適用されない ) の他間の不公平? グループの頂点が 個 判定取引単位 建物 1 棟ごと 人 でもグループ法 機械 1 生産設備ごと 人単体課税制度の対 土地 1 筆ごと 象になる 有証 銘柄ごと オーナー企業については 100% グルー 完全支配関係 資産の譲渡の時点 プのチェックをしておく必要がある 減価償却の調整 譲渡損益調整額 ( 譲受法人の損金算入償却費 / 譲受法人の取得価額 ) グループに係る譲渡 譲渡損益の計上 損益の繰延はあくま で内国法人間の取引 公共 公益 人格 適用外 に限定される なき社団 個人支配と法人支配の区分 ( 注 )(1) 法法 61 の 13 を読む (2) 譲渡法人は会計上時価で処理し 加算又は減算する (3) 譲受法人は時価で受入れ その後は時価との比較で売買損益 (4) 合併時等留意 (See 4 頁 )

7 グループ法人税制 ( 寄付金 受贈益 ) H25.01.01 H24.07.27 H22.08.06 H22.03.18 完全支配関係法人間 100% グループ法人間 その他 100% 未満 備考 ( 寄付金 ) 支払側 - 全額損金不算入 寄付金 H22.10.1 適用 受入側 - 益金 入 受贈益 双方で流出項目と なる ( 内国法人による支配関係に限られ 個人等による完全支配関係を除く ) ( 内部取引 ) グル - プ内の授受を内部取引とみなす 本支店取引レベルと見る 相続税対策( 資産減として ) 利用されないように 利益積立金の移転方法従って内国法人による完全支配関係に限られる 相続税の財産評価と利益積立金の違い 個人 100% グループの制約 寄附仕訳 A 社寄 附 金 現 金 ( 損金不算入 ) B 社現 金 受 贈 益 ( 益金不算入 ) 無償 ( 低額 ) 譲渡 B 社株 式 受 贈 益 ( 益金不算入 ) A 社寄 附 金 株 式 ( 原価 ) ( 損金不算入 ) 株式売却益 ( 差額 ) ( 譲渡利益の繰延べ ) 譲渡損益調整損 譲渡損益調整勘定 ( 差額 ) ( 譲渡利益の繰延べ ) over10m の場合

8 グループ内法人間の寄附 H25.01.01 H24.07.27 P 社 100% 所有 A 社 寄附 2,500 100% 所有 B 社 子会社 A 社が子会社の B 社へ 現金 2,500 を寄附した場合の処理 ( 寄附修正 ) (P 社の処理 ) 利益積立金 2,500 A 株式 2,500 (1) 親会社 P 社は A 社株式について寄附金 2,500 に持分割合 100% を乗じた金額 2,500 を利益積立金から減算するとともに A 社株式の帳簿価額から減額 (A 社の処理 ) 寄附金 2,500 現金 2,500 B 株式 2,500 利益積立金 2,500 (1) A 社は B 株式について受贈益の額 2,500 に持分割合 100% を乗じた金額 2,500 を利益積立金に加算するとともに B 社株式の帳簿価額を増額 (2) A 社の別表四 寄附金の損金不算入額 ( 加算 流出 )2,500 (B 社の処理 ) 現金 2,500 受贈益 2,500 (1) B 社の別表四 受贈益の益金不算入額 ( 減算 流出 )2,500

9 グループ法人税制 ( 受取配当 ) 完全支配関係法人 100% グループ法人 その他 100% 未満 備考 H24.07.27 H22.08.06 H22.03.18 ( 受取配当 ) H22.4.1 適用 益金不算入 あり 100% あり (25% 以上 ) 100% 25% 以上は関係法 ( 配当の計算期間 ) (6 ヶ月以上所有 ) 人株式と言う 部分あり ( 所有率 25% 未満 ) 50% 負債利子控除控除不要あり 条件配当法人 ( 内国法人 ) 受取法人 ( 配当の計算期間を通じて完全支配関係が必要 ) 自己株取得のみなし配当 交付金銭等の額 450 取得価額 660 譲渡損失みなし配当 480 270 資本金等の額 180 譲渡額 450= みなし配当 ( 収入 )270+ 資本金等 ( 回収 )180 譲渡損失 480= 譲渡回収 180- 取得価額 660

10 グループ法人税制 ( 現物分配 抱合株式 ) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H25.01.01 H24.07.27 H22.08.06 H22.03.18 ( 現物分配 ) H22.10.1 適用 譲渡損益 繰延 簿価譲渡 あり グループ間での資産 ( 適格現物分配の場合 ) 配分の円滑化 孫会社の子会社化容易 源泉徴収 不要 あり 子会社から親会社への現物配当 無時価組織再編 簿外譲渡? 繰延? 配当 みなし配当の発生? 譲渡直前の帳簿価額による譲渡? ( 抱合株式 ) 譲渡損益 計上なし? 計上なし? ( 適格現物分配 ) 現物配当とは 法人 ( 公益法人等を除く ) が その株主等に対し 配当等により金銭以外の資産を交付することをいう 適格現物分配とは 内国法人を現物分配法人とする現物分配のうち その現物分配を受ける者が その法人と完全支配関係にある内国法人のみであるものをいう 即ち 外国法人 個人 公益法人等が含まれてはならない

11 3. 自己株式の取得 H25.01.02 みなし配当が生じるのは相対取引による取得に限る ( 除く市場 ) 交付金銭等を留保所得の払戻し部分と資本の払戻し部分に分けて計算する (1) みなし配当の金額の計算 ( 法法 241 四 法令 231 四 ) ( 留保所得の払戻部分の計算 ) 交付金銭等の時価 取得等法人 1の取得直前の資本金等の額 2 取得等法人 1の取得等直前の発行済株式数 3 取得される自己株式の数 1 自己株式の取得等を行った法人の税務上の資本金等の額 2 ゼロ以下はゼロとする 3 取得前の自己株式の数を除く (2) 株式譲渡損益の計算 ( 法法 61 の 21) ( 資本の払戻部分 譲渡損益の計算 ) 交付金銭等の時価 - みなし配当の金額 - 譲渡直前の対象株式の簿価 ( 譲渡対価 ) ( 譲渡原価 ) 100% グループ法人間においては 譲渡損益は計上しない

12 ( 設例等 ) 清算法人が 株主に対して残余財産の分配を行う場合には 次の通知が必要である 1 残余財産の分配を行う旨 2 みなし配当額に相当する金額の一株当りの金額 3 その他一定の事項 ( 申告書に記載 ) 残余財産の分配を受けた株主は 1 益金不算入 2 税額控除の適用を受ける 1. B 社株式の保有割合 80% 800 株 発行済株式総数 1,000 株 2. 残余財産の分配額 800 分配直前の簿価 2,000 3. 分配直前の払戻等対応資本金額等 1,000 < みなし配当の金額の計算方法 >( 法法 241 三 法令 231 三 ) みなし配当の金額 = 残余財産の分配額 - 清算法人株式に対応する資本金等の額 清算法人株式に対応する資本金等の額 = 分配直前の払戻等対応資本金額等 分配直前に有していた清算法人株式の数清算法人の発行済株式総数 分配直前の払戻等対応資本金額等 = 分配直前の資本金等の額 清算法人の残余財産の分配額 ( 分母の金額を限度とする ) 清算法人の払戻に係る直前事業年度末の簿価純資産額 残余財産の分配割合 4. 上記に当てはめて の通りとなる 現預金 800 みなし配当 160 ( 益金不算入 ) 株式消却損 1,360 B 社株式 2,000 現預金 800 B 社株式 2,000 株式消却損 1,200 ( 吉田博之編著グループ法人税務の失敗事例 55 から 2011.5 東峰書房発行 )

13 グループ法人税制 ( 自己株式の取得等 ) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H24.07.27 H22.08.06 H22.03.18 ( みなし配当等 ) H22.10.1 適用 益金不算入 あり 100% 対象 あり 100% 対象 100% グループとそ 所有率 25% 未満 50% の他で不公平? 譲渡損益を計上しな 負債利子控除 控除不要 あり いということは? みなし 永久処理 株式の譲渡損益 廃止 あり 繰延ではない P 社 90% S 社 100%( 完全支配は不利?) 株式譲渡損の点で 90% 所有 対価 450 取得価額 660 (S 社の処理 ) 利益積立金 270 現金 450 資本金等 180 (P 社の処理 ) 現金 450 みなし配当 270 ( 益金不算入 ) 資本金等 180 資本金等 180 S 社株式 660 株式譲渡損 480 ( 損金算入 ) 株式譲渡損 480 取得価額 660 みなし配当交付金銭等 270 450 資本金等 180

14 資本関係取引税制 ( みなし配当と譲渡損益 ) 完全支配関係法人間 100% グループ法人 その他 100% 未満 備考 H24.07.27 H22.08.07 H22.03.18 ( 自己株式取得予定株式のみなし配当の益金不算入の不適用 ) H22.10.1 適用 受取配当の益金不算入適用 不適用 100% グループ法人 ( ) については 譲渡損益の廃止が優先される この場合の譲渡損益なし有譲渡対価の額と譲渡原 ( 不適用 ) ( 適用 ) 価の額の差となる ( 予定の範囲 ) 公開買付 (TOB) 組織再編 ( 反対株主買取請求 ) など取得請求権や取得条項は含まない ( ) 自己株式として取得されることを予定して取得した株式が自己株式として取得された際に生ずるみなし配当については益金不算入制度を適用しないことになった ( 完全支配関係を除く ) 完全支配関係がある内国法人 ( 普通法人と協同組合等 )

15 ( 重 ) 発行法人への株式の譲渡等の改正方向 H22.03.19 H22.02.08 自己株式として取得されることを予定して取得した株式で 自己株式として取得された際に生ずるみなし配当については 益金不算入制度を適用しない ( 従前 ) 株式を発行法人に対して譲渡等した場合に みなし配当については受取配当等の益金不算入制度を活用しつつ 株式譲渡損のみを実現させることが可能 ( 改正 ) その株式が 自己株式として取得されることを予定して取得したものである場合 その譲渡の際に生ずるみなし配当については 益金不算入制度を適用しないこととなります 平成 22 年 10 月 1 日以後の譲渡から適用 A 社 B 社 公開買付に応募 譲渡対価 1,000 1 みなし配当 750 1-3 取得価額 1,000 2 自己株式として取得されることを予定して取得したものである場合 改正前 改正後 益金不算入 益金算入 A 社株式を市場で購入 資本金等 250 3 譲渡損 750 3-2 100% の場合の譲渡損益? ( 会計税務処理 ) 取得時有価証券 1,000 現金 1,000 売却時現金 1,000 有価証券 1,000 税務調整売却損 750 みなし配当 750 3-2 = 750 750 1-3 売却損損金算入受取配当益金不算入 1. 他のこととの整合性のチェック 2. 自己株式として取得される株式の評価 3. 自己株式の取得の株主総会 取締役会の承認等

16 グループ法人税制 ( 組織再編 1) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.08.06 H22.03.18 ( 非適格合併による譲渡損益調整資産の移転 ) グループ法人税制 ( 組織再編 2) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.08.06 H22.03.18 ( 事後設立による譲渡損益資産の移転 )

17 グループ法人税制 ( 組織再編 3) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.08.06 H22.03.18 ( 資産の時価評価制度 ) グループ法人税制 ( 組織再編 4) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.08.06 H22.03.18 ( 現物分配の譲渡損益等 ) グループ法人税制 ( 組織再編 5) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.08.06 H22.03.18 ( 無対価組織再編 )

18 資本関係取引税制 ( 組織再編 1) ( 適格合併等による欠損金の引継 ) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.03.18 資本関係取引税制 ( 組織再編 2) ( 欠損法人の欠損金の制限 ) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.03.18

19 資本関係取引税制 ( 組織再編 3) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 ( 分割型分割のみなし事業年度の廃止 ) H22.03.18 資本関係取引税制 ( 組織再編 4) ( 売買目的有価証券 ) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.03.18 ( 合併類似適格分割型分割制度の廃止 )

20 租税回避行為の防止 ( グループ法人税制 ) 100% グループ法人その他 100% 未満備考 H22.03.18 ( 資本関係取引 )

21 Ⅱ. 解散した法人の税務 資本関係取引税制 ( 清算課税 ) H24.07.27 H22.08.08 H22.03.18 ~H22.9.30 H22.10.1~ 備考 ( 解散時期の課税方式 ) H22.10.1 適用 清算課税適用 ( 財産法 ) 廃止 期限切れ欠損金の改正 通常課税 なし 適用 ( 損益法 ) H22.9.30 以前解散 法人は旧法適用 期限切れ欠損金 無効となった欠損金 残余財産がないと見 架空的資産仮装経理? 込まれるときは 期限切れ欠損金を損金の額に算入する実態 B/S で OK か 清算中法人の同族会社の特別税率不適用 解散事業年度会 4941 会 475( 解散 ) の場合の日の翌日から始まる各 1 年の期間 清算事務年度となる (MZ) H22.9.30 解散翌事業年度 H22.10.1 H23.9.30 ( 問題 ) グループ法人の特別扱い可 ( 譲渡損益の繰延可 ) そうすると両方使える 1) 譲渡損益の繰延敷地の譲渡 2)600 百万円の清算所得控除 ( これは大きい )

22 清算所得と利益積立金 H22.04.05 解散前清算年度結了年度 P/L 0 600 P/L 600 0 B/S 2,600 2,000 2,000 B/S 2,000 2,000 2,000 利益積立 別表五 ( 一 ) 1,600 1,000 1,000 別表五 ( 一 )' 1,000 1,000 1,000 清算所得 1,000

23 清算所得課税の廃止 解散時の残余財産がない場合の取扱い 税制改正により解散後も通常の所得計算になることから債務免除益課税に対する手当てがなされた 解散した場合において 残余財産がない場合と見込まれるときには その清算中に終了する事業年度前の各事業年度において生じた欠損金額で政令で定めるものに相当する金額は 当該適用年度の所得の金額の計算上 損金の額に算入する ( 法法 593) 残余財産 繰越欠損金 費用 課税所得が発生 負債 債務免除益 収益 残余財産負債繰越欠損金債務免除益期限切れ欠損金費用収益課税所得がなし 通常の所得課税に変わるため 債務免除益に対する手当てが必要になる 解散した場合において実質的に債務超過である場合には 期限切れ欠損金の損金算入を認める方向である 100% 子会社の繰越欠損金の引継ぎ 100% 子会社の残余財産が確定した場合には 子会社の繰越欠損金 (50% 超の支配関係が生じている事業年度の欠損金 かつ 子会社の 7 年以内に生じた欠損金 ) は 親会社が引継ぐことができる

24~30 期限切れ欠損金の損金算入 H24.07.27 解散時 残余財産確定時の貸借対照表及び残余財産確定時の損益計算書は以下のとおり 残余財産確定時の所得金額は? ( 解散時の貸借対照表 ) (1) 残余財産確定時の損益計算書 債務免除益 900 資産 100 負債 1,000 費用 0 当期利益 900 欠損金 1,000 債務超過 900 (2) 青色欠損金 500 解散時の資本金等 100 ( 残余財産確定時の貸借対照表 ) 欠損金 1,000 負債 900 債務免除益 解散時の資本金等 100 別表四 当期利益 900 加算減算差引計欠損金の当期控除額 -900 所得金額 0 欠損金の当期控除額 900 は (A) 繰越欠損金 500+(B) 期限切れ欠損金の当期控除 400 期限切れ欠損金の当期控除 =(A) と (B) のいずれか少ない額 =400 (A)= 期首欠損金 ( 別表五 ( 一 ) の利益積立金の期首残高 )1,000- 繰越欠損金 500=500 (B)= 控除前当期所得金額 900- 繰越欠損金 500=400

31 Ⅲ. 連結納税 グループ法人税制 ( 連結納税 ) H24.07.27 H22.03.18 改正前 改正後 備考 ( 連結納税 ) H22.4.1 適用 子会社の? 以前の切捨ては 開始前 加入前 持込禁止 個別子法人の所得 の単体青色欠損金 切捨て の範囲内で持込可 グループ内寄付金 支配側 - 寄付金 - 損金不算入 受取側 - 受贈益 - 益金不算入 連結納税承認申請 -6 ヶ月前 -3 ヶ月前に緩和 連結納税の利用促進

32 連結納税の得失等 H25.01.03 1. 一般的な得失 メリット デメリット 1. 各社間の課税所得通算 1. 中小法人向け特例 ( 親会社資本金が 1 億円超 ) 2. 親法人の繰越欠損金の活用 (1) 年 800 万円以下の所得に対する税率 (2) 留保金課税 3. (3) 貸倒引当金の繰入 (4) 交際費の定額控除 (5) 欠損金の繰戻還付 2.

33 株式の投資簿価修正 H25.01.03 連結子法人の離脱や株式の譲渡の場合には その連結子法人の保有するすべての連結法人の株式についてその譲渡等の前に その子法人の連結期間中の連結個別利益積立金の増減額に相当する額を帳簿価額に増減させる修正を行う ( 要修正額 ) 各法人の投資簿価修正額 = 要修正額 各法人の保有株式数連結子法人の発行済株式数 要修正額 : 連結納税に加入した時から離脱等までの間の利益積立金の増減額 仮に 1,000 の株式売却損が出るような場合は 連結加入期間の利益積立金の減額による株式簿価の減額修正があり 売却損が少なく修正されることになる また 1,000 の株式売却益が出るような場合は 同様に株式の増減修正があり 売却益は少なく修正される 即ち その法人の株式売却益 売却損に相当する額が 譲渡直前の株式の価額に減額され 株式の譲渡損益は大きく出ないこと ( 簿価まで修正 ) になる

34 繰延税金資産の計算 H25.01.03 1. 法人税に係る繰延税金資産は 連結グループを一体とみなした上で回収可能性の判断を行う 2. 地方税に係る繰延税金資産は 各社単体での回収可能性の判断を行う

35 連結納税離脱事由 H25.01.03 1. 連結納税の離脱理由 ( 承認の取消事由 ) (1) 合併 (2) 破産手続開始の決定 (3) 清算結了 (4) 連結親法人が他の法人の完全子会社になったこと (5) 連結子法人がなくなったこと (6) 連結親法人と子法人との間の連結完全支配関係がなくなったこと (7) 連結親法人が公益法人等になったこと

36~40 連結納税開始に伴う資産の時価評価等 H25.01.03 1. 連結子法人の移行時の時価評価 (1) 直前事業年度における含み損益の精算 (2) 時価評価すべき資産固定資産 土地 借地権 有価証券 金銭債権 繰延資産 (3) (2) から除かれるもの 1 一定の圧縮記帳の適用を受けた減価償却資産 2 売買目的有価証券 3 償還有価証券 4 含み損益が 1,000 万円に満たない資産 5 等 (4) 親法人の資産は時価評価の対象とはならない 2. 連結みなし事業年度とその特例 3. 連結繰越欠損金の利用の順序

41 Ⅳ. その他 取引相場のない株式の取引 H22.03.17 売手 買手 個人法人個人法人価額条文 1. ( 相法 7) みなし贈与課税 相続税評価額 2. ( 所法 59) 時価との差額課税 3. 4. 純資産価額加味通常取引される価額 5. 配当還元価額 オーナー株友人 従業員買手のメリット 6. 土地有価証券 7. 子会社孫会社

42 親会社の事業分割等 (1) H24.07.23 H24.03.19 会社分割 グループ法人税制 オーナー 親会社 100% 分割子会社 ( 不動産 ) オーナー 親会社 100% 新設子会社 ( 不動産 ) 不動産売却時価 10 億円簿価 5 億円 会社分割 不動産売却 不動産取得税 有 株式買取請求権有 不動産売却時課税 子会社 親会社 ( 課税 ) なし なし ( 時価 10 億円 ) (10 億円 ) ( 引継 5 億円 ) (5 億円 ) ( 親会社の時価純資産 ) ( 変動なし ) ( 変動なし ) ( 親会社の類似評価 ) ( 賃料減 ) ( 賃料減 ) 親会社株式評価の留意同 ( 子会社評価 ) 同 ( 別表 5) 株式保有会社要検討 留保金課税 (0 も可 ) ( 低下 )

43 親会社の事業分割等 (2) H24.07.23 H24.03.19 グループ法人税制の活用 オーナー 親 オーナー 子 100% 100% A 社 B 社 収益不動産譲渡 A 社 B 社 不動産売却 課税繰延 A 会社評価 ( 類似 ) ( 類似 ) ( 下 ) ( 純財産 ) ( 同 ) 売却時期の調整可可 P/L 利益効果移転受取 B/S 含み益不移転

44 会社分割と税金 H25.01.03 1. 登録免許税 ( 不動産 ) 固定資産税評価額に対して (1) 一般の場合の移転登記 2% (2) 分割の場合 (H24.3.31 まで ) 1.3% 2. 不動産取得税 固定資産税評価額に対して (1) 一般の場合 4% (2) 合併の場合非課税 (3) 分割の場合下記の場合は非課税 1 事業の主要な資産負債の移転 2 事業継続見込み 3 従業員の 80% 以上が移転

45 分割型分割 H25.01.03 1. みなし配当 ( 法 241) 金銭その他の資産の交付合計 > 当該法人の資本等の額次のような場合のその超える部分の金額 ( 法人の利益積立金からなる部分 ) (1) 合併 ( 適格合併を除く ) (2) 分割型分割 ( 適格分割を除く ) (3) 残余財産の分配 ( 資本の払戻し又は解散 ) (4) 自己株式又は出資の取得 (5) 出資の消却 払戻し等 (6) 組織変更 ( 法人の株式等以外の資産の交付の場合 ) 適格合併 分割は 利益積立金等が引継がれ 利益の分配は行われていないためみなし配当は生じない 2. 図示 株式等以外の価額 10 資本等の金額 資本金等の額 6 ( みなし配当 ) 利益積立金 4

46 無対価合併 H25.01.03 1. 無対価適格合併が可能な場合 次の図の通り 完全支配関係がある法人間での合併 パターン 1 合併法人 パターン 2 一の者 100% 被合併法人 100% 合併法人 100% 被合併法人 パターン 3 パターン 4 一の者 一の者 100% 100% 合併法人 (100-A)% 被合併法人 (100-A)% A% A% 被合併法人 合併法人 ( 吉田博之編著グループ法人税務の失敗事例 55 から 2011.5 東峰書房発行 ) 上記でない無対価合併は 非適格合併となる

47 無対価分割 H25.01.03 1. 無対価適格分割が可能な場合 次の図の通り 完全支配関係等がある場合の分割 パターン 1 分割承継法人 パターン 2 一の者 100% 分割法人 100% 分割承継法人 分割法人 100% 100% A% パターン 3 分割承継法人の株式等を全部所有する者 分割承継法人 (100-A)% 税制適格となる無対価分社型分割 パターン 1 分割法人 100% 分割承継法人 分割法人 ( 吉田博之編著グループ法人税務の失敗事例 55 から 2011.5 東峰書房発行 ) 上記でない無対価分割は 非適格分割となる

48 無対価株式交換 H25.01.03 1. 無対価適格株式交換が可能な場合 次の図の通り 完全支配関係がある法人間での株式交換 パターン 1 一の者 パターン 2 完全親法人の株式等を全部所有する者 100% 100% 交換 100% 完全親法人 交換 (100-A)% 完全親法人 完全子法人 A% 完全子法人 ( 吉田博之編著グループ法人税務の失敗事例 55 から 2011.5 東峰書房発行 ) 上記でない無対価合併は 非適格株式交換となる

49 適格組織再編の 100% 保有判定 H25.01.03 1. 5% 未満の従業員持株会 その株式を除外して 100% の判定を行う

50 その他 H25.01.03 1. 貸倒引当金の引継 ( 適格分社型分割 ) H22 税制改正において (1) 従来の個別評価債権にかかる貸倒引当金の引継ぎと同様 (2) 一括評価金銭債権にかかる貸倒引当金と同様引継ぎが可能となった (1) (2) とも できる 規定 2. 事業譲渡と適格分社型分割の比較 100% 支配関係のある親会社 ( 事業引渡 ) と子会社 ( 事業引受 ) の場合 事業譲渡 適格分社型分割 法人税含み損益の繰延子会社が簿価で引継 消費税有無 ( 課税対象外 )