LOOK, FEEL AND LIVE BETTER Diabetes Care 糖尿病ケア
糖尿病とピクノジェノール Ⅱ 型糖尿病の罹患率は世界の大部分の国で劇的に増加しています Ⅰ 型糖尿病とは異なり Ⅱ 型は 主に栄養障害によるものだと考えてられています 慢性的な過食ときわめて対照的な運動不足が高血糖とインシュリン抵抗性を導きます この疾患はブドウ糖耐性損傷の初期ステージから発症し ( 前糖尿病 シンドロームX) 通常は体重の増加や肥満と一致します 慢性的な高グルコースレベルにある場合は 所定の血糖管理 投薬と食事管理からなる配慮が必要となります 高血糖を治療せずに放置すると 各臓器に血液を送る動脈や静脈 栄養分を組織に届ける毛細血管の健康で 代償を払う事になります 血管を大きくする病理的悪影響は糖尿病患者の急性心血管疾患発症のリスクを三倍にします 毛細血管 ( 微小血管障害 ) において発生するダメージは 血液の微小循環に影響し 視力喪失や腎臓障害 下肢潰瘍等様々な糖尿病の合併症の原因となります ピクノジェノール は血糖を下げる ピクノジェノール は 用量依存的に 30 名の Ⅱ 型糖尿病の被験者の血糖値を投薬無しで下げる事を示した試験により 糖尿病前期と Ⅱ 型糖尿病の人々の助けとなると考えられます この時の被験者は 試験中食事と運動プログラムも用いられました [Liu ら., 2004]. ピクノジェノール は最初の三週間 一日当たり 50mg 与えられました その後の三週間は 100mg に増量さ mmol/l 13 12 11 10 9 8 7-10.5% -5.3% -18.3% -10% -20.4% -13.3% mg/dl 230 210 190 170 150 130 れ その後三週間は更に摂取量を 200mg まで増やしました 一日当たり 50mg のピクノジェノール は 空腹時 食後血糖共に試験開始時と比較して有意に下げました 100mg 200mg というピクノジェノール のより高い投与量においては更に効果的でした ヘモグロビン A1C レベルは 試験開始時の 8.02 から終了時の 7.37 へ試験期間を通じて連続的に低下しました Diabetes Care に掲載されたこの研究では インシュリンのレベルには影響が見られませんでした ピクノジェノール は本来インシュリンに反応しない体細胞による血糖吸収を促進します それ故ピクノジェノール は糖尿病の発症を防ぎたい人々に栄養学的アプローチを提案します ピクノジェノール は 高血糖を管理する為にビグアナイド ( メトフォルミン ) やスルフォニル尿素剤といった標準的な投薬治療を受けている Ⅱ 型糖尿病患者においても試験されました 77 名の被験者がピクノジェノール (100mg/ 日 ) またはプラセボを従来摂取している薬と一緒に受け取りました 空腹時血糖の検査は 12 週間の試験期間中 2 週間おきにおこなわれました 50mg 50mg 100mg 100mg 200mg 200mg 2
抗高血糖薬の投薬を受けていたにも関わらず 試験開始時の血糖値はプラセボ群とピクノジェノール 群夫々で 12.0mmol/l (216.2mg/dl) と 12.14mmol/l (218.7mg/dl) でした ピクノジェノール 群においては空腹時血糖値レベルが投与期間中に次第に下がりました もっとも高い効果は ピクノジェノール 摂取開始 8 週間後に見られました この試験では 従来の薬の摂取におけるコンプライアンスが上がった結果と考えられる 注目に値するプラセボ効果が見られました そのようなプラセボ効果にもかかわらず ピクノジェノール の血糖値低減作用は試験期間全体でプラセボと比較して統計的に有意でした [Liu ら, Life Sciences, 2004]. 直接比較ではピクノジェノール は緑茶エキスの 4 倍阻害力がありました [Schäfer et al., 2006] 0.5% 10% 27% 100% mmol/l 0.0-0.5-1.0-1.5-2.0-7.6% -2.8% -7.3% -9.6% -9.2% -9.3% -10.3% -12.4% -14.9% -16.2% -16.1% -16.1% mg/dl 0 0 2 4 6 8 10 12-5 -10-15 -20-25 -30-35 α グルコシダーゼの抑制はピクノジェノール 中のプロシアニジン分子のサイズに関連している事が明らかになりました これらの分子は 一般的には食後 4 から 6 時間であるのに対して 最近薬物動態試験により吸収されて血中に入るまでに消化管の中に長く留まる事が明らかにされました [Grimm et al., 2006] これにより これらの大きなプロシアニジン分子は 腸の中で長時間に渡り α グルコシダーゼを阻害し続ける事となります ピクノジェノール を朝摂取すると 昼食時まで糖類の吸収を阻害します ピクノジェノール は炭水化物の吸収を阻害する ピクノジェノール は 十二指腸において α グルコシダーゼという消化酵素を阻害する事で でんぷんような複合糖類の吸収を有意に遅らせます [Schäfer et al., 2006] この酵素は複合糖類を単糖であるブドウ糖へ分解するのに必要とされるものです 一般的に砂糖と言われるショ糖でさえ α グルコシダーゼにより消化前にブドウ糖と果糖に分割される必要があります 他の α グルコシダーゼ阻害剤との比較では ピクノジェノール を 100% とすると 緑茶エキス 純カテキン及び経口糖尿病薬であるアカルボース ( プレコースまたはグルコベイ ) はかなり低い阻害力になりました 緑茶エキスは同様に α グルコシダーゼを抑制しましたが 大血管合併症と糖尿病症候群 Ⅱ 型糖尿病における主たる心血管系の危険因子は 糖尿病の発症に関与し メタボリックシンドロームと呼ばれるものが主体です 肥満 高血圧 高コレステロール血症 血液凝固因子の状態とインシュリン抵抗性が 糖尿病における心血管系疾患による高い死因に関与しています 血中ブドウ糖濃度を下げる以外に ピクノジェノール は有意に収縮期の血圧を下げ 血中脂質のプロフィールを改善し 血小板活性を正常化する事が幾つもの二重盲検 プラセボコントロール臨床試験にて示されております [Watson, 2003]. 先に述べた通常の投薬に加えてピクノジェノール を摂取した糖尿病患者の血液中のメディエーターの検査では 全般的な循環の改善が示唆されました ピク 3
ノジェノール を投与された患者においては 血管収縮を引き起こす血管メディエーターであるエンドセリン 1 の濃度が下がり 同時に血管拡張因子であるプロスタサイクリンの濃度が高くなりました [Liu ら, 2004]. ピクノジェノール は糖尿病症候群に対して多機能なアプローチを提供し 糖尿病における心臓血管系危険因子を低減します 詳しくは心血管の健康とピクノジェノール をご参照下さい 微小血管合併症 ( 微小循環障害 ) 毛細血管は全ての栄養と酸素を組織に供給し 老廃物を排出する役目を担っています 糖尿病においては 慢性的な高ブドウ糖レベルに晒される事により 毛細血管壁の基底膜が腫れ 血流に影響を及ぼします 更に 毛細血管は次第に脆くなり 液や後には血液が組織中に漏れ出るようになります 糖尿病性微小循環障害は 原則的には長年糖尿病を患っている全ての人に影響し 糖尿病における多くの合併症を引き起こします 微笑血管の合併症はしばしば糖尿病の診断時にしばしば見られます 60 名の被験者 ( 糖尿病歴平均 7.5 年 食事制限と抗糖尿病薬の経口摂取 インシュリン療法がおこなわれている人々 ) による 二重盲検 プラセボコントロール臨床試験において ピクノジェノール は微小循環障害の改善に有効である事を示しました [Cesarone ら, 2006]. 4 週間に渡るピクノジェノール の摂取により 毛細血管の漏出は有意に低減され 毛細血管における血液かん流特性も有意に改善されました プラセボグループにおいてはいかなる改善も見られませんでした 血中ブドウ糖量や HbA1c 総コレステロール HDL 血圧等の生理的要素はピクノジェノール 投与群においてのみ改善されました 糖尿病性下肢潰瘍 糖尿病性微小循環障害の結果としての血流障害や浮腫は 虚血や組織壊死の原因となります 最初の目に見えるサインは皮膚の変色で 浮腫み 不十分な血液供給が次第に潰瘍を形成していきます これらの傷は 血液供給が不十分な状態が組織で継続しているので 治癒がとても難しいです ェノール は糖尿病性下肢潰瘍を治癒するのに有効である事が発見されました [Belcaro ら, 2006]. 日々傷の洗浄や殺菌 包帯による通常の治療を受けている 30 名の下肢潰瘍を持つ糖尿病患者のうち 6 名の患者がピクノジェノール の経口摂取量を受け 8 名がピクノジェノール の粉末を直接傷に塗布され 別の 8 名はピクノジェノール の局所塗布と経口摂取 残りの 8 名が対照群として通常の療法を受けました 6 週間の治療において 対照群においては 61% しか潰瘍が治癒しなかったのに対して ピクノジェノール 群においては 経口のみのグループで 84% 塗布のみのグループで 85% 経口と塗布のグループで 89% が治癒しました 血流特性のレーザードップラー検査では 微小循環障害の有意な改善が示唆されました 潰瘍周辺の傷ついていない皮膚に取り付けられたセンサーによると 皮膚中の酸素存在量が有意に増加したことが明らかとなり 二酸化炭素も有意に低下しました この発見は ピクノジェノール が毛細血管の昨日を改善し 組織への血流を修復し糖尿病性下肢潰瘍の治癒を促すことを示唆しています 糖尿病性微小循環障害による痙攣と筋肉痛 糖尿病性微小循環障害を患っている方の中には わずかな距離を歩いただけでも足に筋肉痛や筋痙攣を頻繁に起こる症状に悩まされている方がいます 血液供給障害が 急激な足の疲れや痙攣痛の原因となります 糖尿病性微小循環障害と診断され 頻繁に足に痙攣や痛みを起こす患者 22 名を用いたパイロット試験において ピクノジェノール 投与群では プラセボ群と比較しても有意に 劇的な症状の改善がありました [Vinciguerra ら, 2006]. 一週間に起こる足の痙攣の平均回数は 数週間のピクノジェノール の摂取で 8.9 回から 3 回に減少しました 一方プラセボ群においては平均 9 回から 7.8 回への減少でした 視覚アナログ尺度による足の筋肉痛の評価においては プラセボ群における痛みの低減は僅か 15.4% であったのに対して ピクノジェノール 群で 79.2% と有意に低減しました ピクノジェノール は糖尿病性微小循環障害において 毛細血管の状態を改善するのを助けるので ピクノジ 4
糖尿病性網膜症 糖尿病性網膜症においては 微小循環障害が網膜の棹体と錐体へ栄養を供給する毛細血管において起こります 更に毛細血管から血液が網膜に流れ出ると 修復不可能なダメージを起こし 次第に視力を失います 網膜症を治療せずに放置すると より深刻な形態で酸素不足を補うために新しい毛細血管が成長する事を特徴とする増殖性網膜症へと進行していきます ピクノジェノール は 1200 名以上の糖尿病患者によって糖尿病性網膜症の予防と治療を促進する事が証明されています 網膜症患者を被験者とする二重盲検 プラセボコントロール試験では ピクノジェノール を 2 ヶ月摂取する事で 網膜の毛細血管からの出血を有意に低減し ある程度視力を回復させる事が示されました [Spadea ら, 2001] 1169 名の糖尿病患者が参加したマルチセンターフィールドスタディでは 6 ヶ月間のピクノジェノール の摂取により 網膜症の進行が止まり 視力が維持された事が明らかになりました [Schönlau ら, 2002]. 更なる情報をお求めの方は 目の健康とピクノジェノール をご覧ください ピクノジェノール は臨床試験で証明されている通り 糖尿病に関連した問題から健康を守ります 血糖値の低下 ( 抗糖尿病治療に追加して利用も可能 ) 心血管系健康リスクの低減 微小血管の健康問題の改善 ( 糖尿病性微小循環障害 下肢潰瘍 筋痙攣の改善 ) 糖尿病性網膜症の予防と症状の改善 子宮内膜症を改善します 5
参考文献 Belcaro G et al. Diabetic ulcers: Microcirculatory improvement and faster healing with Pycnogenol. Clinical and Applied Thrombosis/Hemostasis 12: 318-323, 2006. Cesarone MR et al. Improvement of diabetic microangiopathy with Pycnogenol : A prospective, controlled study. Angiology 57: 431-436, 2006. Grimm T, Skrabala R, Chovanova Z, Muchova J, Sumegova K, Liptakova A, Durackova Z, Hogger P. Single and multiple dose pharmacokinetics of maritime pine bark extract (Pycnogenol ) after oral administration to healthy volunteers. BMC Clin Pharmacol 6: 1-12, 2006. Liu X et al. French maritime pine bark extract Pycnogenol dose-dependently lowers glucose in type II diabetes patients. Diabetes Care 27: 839, 2004. Liu X et al. Antidiabetic Effect of Pycnogenol French Maritime Pine Bark Extract in patients with diabetes type II. Life Sciences, 75: 2505-2513, 2004. Schäfer A. and Högger P. Oligomeric procyanidins of French maritime pine bark extract (Pycnogenol ) effectively inhibit alphaglucosidase. Diabetes Research and Clinical Practice (2006) in press. Schönlau F et al. Pycnogenol for diabetic retinopathy. A review. Int Ophthal 24: 161-171, 2002. Spadea L et al. Treatment of vascular retinopathies with Pycnogenol. Phytother Res 15: 219-223, 2001. Vinciguerra G et al. Cramps and muscular pain: prevention with Pycnogenol in normal subjects, venous patients, athletes, claudicants and in diabetic microangiopathy. Angiology 57: 331-339, 2006. Watson RR. Pycnogenol and cardiovascular health. Review. Evidence Based Integr Med 1: 27-32, 2003. 6