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図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

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研究背景 糖尿病は 現在世界で4 億 2 千万人以上にものぼる患者がいますが その約 90% は 代表的な生活習慣病のひとつでもある 2 型糖尿病です 2 型糖尿病の治療薬の中でも 世界で最もよく処方されている経口投与薬メトホルミン ( 図 1) は 筋肉や脂肪組織への糖 ( グルコース ) の取り

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缶コーヒーは悪魔の飲み物!病気や不調の9割は血糖値の問題「医者が教える食事術 最強の教科書」

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血糖値 60 歳女性 HbA1c : 6.5 従来のカロリー制限食 糖質制限食 糖質 ( 米など ) を制限しない食事では カロリーを制限しても血糖値は食後に急上昇するそれに対し 糖質制限食では血糖値上昇はわずか


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糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

解糖系でへ 解糖系でへ - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 AT AT リン酸化で細胞外に AT 出られなくなる 異性化して炭素数 AT の分子に分解される AT 2 ホスホエノール AT 2 1

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のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構

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糖尿病と活性酸素 糖尿病になると活性酸素による細胞傷害の指標となる [4 NA] と [8-OdG] という物質が膵臓で検出される 自己免疫反応やウイルス感染で起きる Ⅰ 型糖尿病の場合 β- 細胞中に活性酸素が過剰生産されることが分かっています また アロキサンという化学物質をマウスに投与して糖尿病を作れるがそのメカニズムは alloxane 2 C 4 O 4 N 2 亜鉛などの定量に用いる合成ピリミジンの一種 膵臓ランゲルハンス島の β- 細胞がインスリンを合成する際に 亜鉛と結合して 細胞を破壊する そんため インスリン分泌が少なくなり 低インスリン血症性糖尿病となる ランゲルハンス島の β 細胞からインスリンが欠乏すると α 細胞から血糖を上昇させ 糖尿病と関連性の高いグルカゴンというホルモンが分泌されます 膵臓は 消化液を分泌し ホルモンを分泌する O ラジカル消去剤で 糖尿病が緩和される 糖尿病予防とホルモン分泌 脂肪細胞はレプチンなどのアディポサイトカインと呼ばれる生理活性物質を産生しており アディポサイトカインはその作用から善玉 悪玉に分けられる 善玉アディポサイトカインの中でもアディポネクチンは膵臓から分泌されるインスリンへの感受性を亢進させる作用を有し 血糖降下作用の発現に寄与することで注目されている アディポネクチン遺伝子のプロモーター領域には PPAE が存在し 脂肪細胞の分化に必要不可欠な分子である PPARγ が結合することでアディポネクチンの産生が促進される PPARγ アゴニストは前駆脂肪細胞からアディポネクチン産生能を有する小型脂肪細胞への分化誘導と肥大化した脂肪細胞のアポトーシスにより脂肪細胞のサイズの小型化を引き起こす 小型化した脂肪細胞はアディボネクチンの産生の亢進に加え 炎症性サイトカインである TNF-α の産生量の低下を引き起こす 一方 TNF-α は肥大化した脂肪細胞においては産生量が増加しており インスリンのシグナルを抑制するため 血糖値を上昇させる PPARγ アゴニストは動脈硬化症も低下させる PPARγ は乳がん 大腸がん 膵臓癌 前立腺癌 肺がんなど様々なガン細胞において発現している

悪玉 善玉とは 脂肪細胞は 体の機能調節に重要な生理活性物質を活発に産生 分泌している人体最大の内分泌臓器であることが明らかにされています アディポ は脂肪 サイトカイン は生理活性物質を意味し アディポサイトカインは脂肪細胞から分泌されるその多彩な生理活性物質の総称です アディポサイトカインには悪玉物質と善玉物質があり 悪玉には血栓をつくりやすくする PAI-1 インスリン抵抗性を示す TNF-α, レジスチン 血圧を上げるアンジオテンシノーゲンなどが また善玉にはインスリン抵抗性を改善し 動脈硬化を防ぐアディポネクチンがある 内臓脂肪の蓄積は これらのアディポサイトカインの産生 分泌に異常をきたし 血液中の悪玉物質が増加する一方 善玉物質の血中濃度を低下させることで 動脈硬化を直接的に促進し また糖尿病をはじめとする生活習慣病のリスクを高めるのです PPAR を介したシグナル伝達 アラキドン酸代謝物が PPARγ に結合することで PPARγ のリガンド依存的な活性化が生じ 遺伝子の発現を調節する

インスリン の作用点 インスリンによる糖質の取り込みと代謝 インスリンの働きにより糖質は細胞内に取り込まれるが インスリン抵抗性が生じると血中の糖質濃度が増大することになる 糖尿病とメイラード反応

15/6/ 脂質酸化と病気

AGE(Advanced glycation end product) 老化の方程式 =( たんぱく質 + 糖 ) 時間 =AGE 皮膚や骨など体中に多く存在する弾力線維コラーゲンが糖化すると 固く茶色く変性してしまいます 糖化 とはタンパク質と糖が結びつき 最終糖化生成物 =Advanced Glycation End-products=AGE( エー ジー イー ) という物質ができてしまう現象 この AGE が一度できると 分解されずに蓄積され続ける というのです 生活習慣病の糖尿病は血中にブドウ糖が増え血糖が異常に増加しますから 糖化反応が進みやすくなります 糖尿病がさらに体を老化へと追いやってしまうのですね 肌で 糖化 が起こると 肌がなんとなく黄ばんできます ba1c 値の意味

老化 AGEs (advanced glycosylation end products )= 終末糖化産物 老化とはコラーゲンが糖化すること 老化と長期の糖尿病患者に現れるタンパク質の構造的 機能的な変異に関与していると考えられているのが終末糖化産物 糖化ヘモグロビン =balc= 赤血球が糖化したもの ( おいしさの方程式 )= タンパク質 + 熱 = 茶色で美味しい ( 老化の方程式 )=( タンパク質 + 糖 )x 時間 = 老化物質 (AGE) AGE になりやすい糖 = 果糖 > ブドウ糖 ( 予防 ) 先に野菜 キノコ 海藻などの食物繊維を食べる AGE 測定 糖化タンパク質 (AGE) 212 年 東洋大学の宮西伸光准教授は 糖尿病などの発症に関わる複数の糖化タンパク質の溶液中の濃度を約 3 分で検出するセンサーを開発した ガレクチンは AGE と結合することで知られるので 糖につく性質を持つ ガレクチン -3 というタンパク質を使い センサーを作ることが可能 加齢の指標にあるカルボキシメチルリジンなどの糖化タンパク質は AGE と呼ばれ 糖尿病のほかに関節リウマチやアルツハイマー病などの発生に関わるとされる

カルボキシメチルリジンの生成 アマドリ化合物の酸化的開裂によって生成する また 脂質の過酸化などから生じるグリオキサール あるいは次亜塩素酸とセリンから生じるグリコールアルデヒドとリジン残基の反応により生成する 結合理由 糖の存在 アミノ基のもととなるアミノ酸やペプチドの存在 糖の開環型カルボニルとアミノ基の結合

アミノカルボニル反応の条件 アミノ化合物 -Primary amino group > secondary amino group -aliphatic amino group > α-amino group -ammonia カルボニル化合物 -α, β-unsaturated aldehyde - reduced sugars α-pyranose - aldehyde - β -pyranose -aldose > ketose, pentose > hexose メイラード反応概論

開環反応 開環型 変旋光速度 メラノイジン生成量 D-glucose 1 1 1 D-fructose - 1.2 D-mannose 2.7 1.7 1.4 D-galactose 3.4 1.6 2 D-xylose 7.1 3.2 5.5 L-arabinose 7.1 4.8 6.7 D-ribose 35.4 fast A lot α-d- ケトヘキソースのピラノース構造 O O O O O C C O 2 O 2 O O O O O D-フルクトース D-プシコース O O O O O O C O C O 2 O 2 O O O D-タガトース D-ソルボース

水中の D-Fru D-Psi の構造の変化 % % 1 8 6 4 2 1 8 6 4 2 β-d- フルクトピラノース β-d- フルクトフラノース α-d- フルクトフラノース 5 1 15 時間 ( 秒 ) α-d- フルクトピラノース α-d- プシコ フラノース + β-d- プシコ フラノース β-d- プシコ ピラノース α-d- プシコ ピラノース 希少糖の有効利用 希少糖と L- フェニルアラニンによる アミノカルボニル反応生成物の香気解析

アミノカルボニル反応の初期反応 R R C O + R' N 2 R C R N シッフ塩基 R' さらなる反応 Browning condition p -p > 3 > 7 amadri rearrangement -p >7 reduced sugar itself will decompose -p < 3 Ketose will easily form 3DG, MF O 2 C O O O + O C 2 O OC O O O O C 2 O OC O O O C 2 O O 2 C O CO 3-dehydroglucose 3-deoxyglucosone 5-hydroxymethylfurfural

Concentration Browning condition 2 -aw.4-.8 程度 - 湿度 7-8% Temperature - 1 C の温度差は 3-5 倍の褐変速度の違い Oxygene - reductone の酸化には空気が必要 還元糖の酸化には酸素は不要 Metal - Cu, Fe レダクトンの酸化触媒 官能検査の実施 D-Fru 1.66mmol D-Psi 1.66mmol アミノ酸 1.66mmol.2M リン酸緩衝液 (p7) 6ml 1 で 1 時間反応 色を観察 瓶にそれぞれ 1.5ml ずつ移した 官能検査 3 人のパネラー 言葉を集めるため 感じた匂いを自由に記入

D-Psi とのアミノカルボニル反応 により生成するにおい アミノ酸 L - Leu L - Met L - Pro L - Phe L - Trp L - Cys 他 15 種類 得られたにおい チーズ 焦げ臭 苦味のある匂い 漬物 大根 腐敗臭 香ばしい パン 甘い ハチミツ 花 しょうゆ フェノール臭 焦げ臭 腐敗臭 コーン せんべい パーマ液の匂い 甘い コーン パン 焦げ臭 D-Fru 及びD-PsiとL-Pheとの反応生成物 による官能検査の評点の比較 コーヒー臭 (.5) 花の様な (.1) 焦げ臭 甘い (.1) 3 2.5 2 1.5 1.5 香ばしい ( パネラー 13 人 ) 酸っぱい (.1) 苦い (.1) D-Psi D-Fru.1 : 有意水準.1 で 差があった.5 : 有意水準.5 で 差があった

絶対量 (nl) D-Fru D-Psi と L-Phe との反応により生成する揮発成分 8 7 6 5 4 3 2 1 D-Psi D-Fru 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 13 14 15 16 17 18 19 2 21 22 23 24 25 26 1-ブタノール 3-ヒドロキシ- 2-メチル 2-ブタノン ピラジン 2- エチル -5- メチル ピラジン ピーク ベンズ アルデヒド フルフリル アルコール 甘い香気に注目した D-Fru 及び D-Psi と L-Phe との 反応生成物の GC-Sniffing 甘い 香ばしい チョコレート ピラジン類 杏仁豆腐 ベンズアルデヒド カラメル臭 フラノン類 メープル臭 シクロテン ジャム フラネオール 時間 ( 分 ) 2 4 6 8 D-Psi D-Fru

特徴的な香気成分とその絶対量 化合物名 ピラジン 2-メチルピラジン 2,6-ジメチルピラジン 2-エチルピラジン 2,3-ジメチルピラジン 2-エチル-5-メチルピラジン 2,3,5-トリメチルピラジン 2(3)-フラノン ジヒドロ-2(3)-フラノン ジヒドロ-2-メチル-3(2)-フラノン ベンズアルデヒド シクロテン フラネオール D-Fru 4nl 1nl 1nl 21nl D-Psi 3nl 9nl 1nl 1nl 微量 3nl 1nl 1nl 1nl 微量 38nl 微量 3nl 各希少糖とL-Pheとの反応生成物 による官能検査の評点の比較 ( パネラー 13 人 ) コーヒー臭 花の様な 焦げ臭 甘い (t>s.1) 3 2.5 2 1.5 1.5 香ばしい (p>s.5 t>s.5) すっぱい (t>p.5 t>s.5) D-Psi D-Sor D-Tag 苦い (t>s.5).1 : 有意水準.1 で 差があった.5 : 有意水準.5 で 差があった

15 各希少糖と L-Phe との反応 により生成する揮発成分 4nl 2nl 絶対量 (nl) 1 5 4nl 2nl 4nl 2nl D-Psi D-Sor D-Tag ピラジン ジヒドロ-2-メチル- 3(2)-フラノン 2- メチル ピラジン 2-エチル-5- メチルピラジン 1 2 3 ピーク 2,3,5-トリメチル ピラジン ベンズ アルデヒド フルフリル アルコール フラネオール 研究のまとめ D-フルクトース <D-プシコース 多くの揮発成分 強いにおい 反応しやすい構造 褐変が速く進む D-フルクトース <D-プシコース L-フェニルアラニン 甘く香ばしい香気 食品 医薬品など香料としての利用に期待 D- ソルボースと D- タガトースのさらなる研究