81. b 統合失調症患者の画像所見で特徴的なのは 灰白質領域での体積減少であり 特に海馬 扁桃体 上側頭回 前頭前皮質 視床 前体状回 脳梁では顕著である ( 第 3 回専門医試験問題 051) 82. b,e a. 食欲減退の他に嘔気 眠気等がある b. 心理社会的治療が優先される c. 副作用として血圧 心拍数の上昇がある d. ADHD の 30~40% に ODD を併発すると言われているが その場合においても心理社会的治療が優先される e. 本邦で認められている ADHD 治療薬は長期間メチルフェニデートとアトモキセチンのみである 83. b,c a. 女性は男性より急速交代型が多い b. 双極 Ⅱ 型障害の自殺企図は3 人に1 人に上ると言われている c. 双極 Ⅱ 型障害の大半がうつ病エピソードから始まる d. 正しい e. 双極性障害の自殺率は 20%(5 人に 1 人 ) と高率である 一般人口の自殺率を 1.85% とした場合 少なくとも 15 倍は間違いではない 気分障害患者の家系における遺伝リスク 患者の診断 患者の家族が双極性障害を 患者の家族が単極性うつ病を 発症するリスク ( オッズ比 ) 発症するリスク ( オッズ比 ) 双極性障害 7% (8 10) 13% (2 3) 単極性うつ病 2% (1.5 2) 14% (3 4) ( 気分障害ハンドブック P62-63) 84.b,c 放火癖は一般に アルコール中毒 性機能不全 精神遅滞 慢性的な個人的欲求不満 そして権威的象徴への憤りに関連するという特徴がある ( カプラン p849)
85.d 世代別うつ病の特徴を以下に示す ( 小児期 ) 自分の気持ちをうまく言葉で説明できないため 身体症状や行動面の症状のほうが目立つという特徴がある また 軽症うつ病の場合が多く 一見すると うつ病らしく見えない ケースも少なくないので 注意が必要 ( 思春期 青年期 ) 憂鬱感や自責的な傾向はあまり目立たず 疲れやすい 何をするのもおっくう 集中力がなくなる といった症状が多く見られるのが特徴 まれに 幻覚 や 妄想 があらわれることもあり このため いわゆる 引きこもり の状態になったり ちょっとしたことで怒り出し 攻撃的になったり 暴力をふるったりという問題行動を起こすことがある ( 成年期 ) うつ病の典型的な症状があらわれるのが特徴 また 原因やきっかけがわからない 内因性 のうつ病が多いことも特徴である ( 老年期 ) ほかの年代とくらべ 著しい 憂鬱感 はそれほど前面に出ることはなく 頭痛や腹痛などの身体症状が目立つ いわゆる 仮面うつ病 の形をとることが多い また 妄想 を伴いやすいということも特徴 非定型の基本的特徴は気分の反応性であり 以下の 4 つの特徴のうち 少なくと も 2 つが存在する 1 食欲増加 体重増加 2 過眠 3 鉛様麻痺 4 長期間にわ たる対人関係の拒絶に敏感であるという特徴 86. a.e 統合失調症の認知機能障害では 全般性言語記憶と学習能力の低下 作動記憶と長期の記憶再生の障害 注意持続と注意集中時の情報処理容量低下 言語流暢性低下などが特徴であり この障害によって社会生活機能や社会的認知の障害が引き起こされるとされる a. b. 認知機能障害は前駆期でも認められる c.
d. e. 87.b 全般性不安障害の本質的な病像は全般的かつ持続的であるが 極めて優勢であっても いかなる特殊な周囲の状況にも限定されない ( すなわち 自由に浮動する ) 不安である 多の不安障害と同様に 主要症状はきわめてさまざまであるが たえずいらいらしている 振戦 筋緊張 発汗 頭のふらつき 動悸 めまいと心窩部の不快等の訴えがよく認められる 患者か身内がすぐにでも病気になるのではないか あるいは事故にあうのではないかという恐怖がさまざまな他の心配事や不吉な予感とともに しばしば口にされる (ICD10 臨床記述と診断ガイドラインより抜粋 ) 88. a,e インターネットより 89. a a. 遅発性ジスキネジアの発現頻度は 第一世代抗精神病薬より第二世代抗精神病薬の方が幾分低いとされる しかし 第二世代抗精神病薬でも遅発性ジスキネジアが発現することに注意が必要である ( 第 1 回試験問題 61 選択肢 c) b. 遅発性ジスキネジアの患者においてドパミン受容体拮抗薬を中止すると 症状の増悪を認めることが多い と記載有り 減量によっても誘発されると考えられる ( カプラン p1071)
c. 遅発性ジスキネジアの危険因子は 神経遮断薬の長期投与 加齢 女性 気分 認知障害の併存がある d.c と同様 e. 遅発性ジスキネジアの生じる背景には 強いドパミン機能亢進と コリン機能低下が考えられる 持続性に高用量にドパミンを遮断することで ドパミン受容体の感受性が亢進し その副作用を予防するための抗コリン薬が治療に使われるが 逆に症状を悪化させるリスクがある 90. a.e a. アルカローシスがみられるのは過食 排出型である b,c,e 正しい e. 接食制限型の方が食物へのこだわりが強く 過度な炭水化物の制限をしたり 肉を薄くスライスして時間をかけて食べる等の食行動がみられる 91. c a,b 正しい リチウムの併用でせん妄のリスクが高まるため リチウムは ECT 開始前 36 48 時間前までに中止し 最終 ECT から 24 36 時間後に再開する. (ECT マニュアル P48 表 4 2) 表 4-2 ECT 前に中止すべき一般薬物 薬物レセルピンエコチオパートテオフィリンリチウム MAO 阻害薬他の抗うつ薬 ECT との相互作用高度の低血圧無呼吸遷延遷延性けいれんせん妄の危険性増大心血管系を不安定にする可能性心臓の危険性を高める可能性 付加的効果の証拠はない ベンゾジアゼピンと抗けいれん薬 けいれん閾値の上昇 ( 非てんかん患者 ) 有効性を妨げる可能性 ( 文献 Kellner et al による )
c. 双極性障害の ECT 治療には躁転のリスクがある (ECT マニュアル P23 表 2 8) 92. a,e 子供における疾患の有病率と性差を以下に示す 疾患 有病率 (%) 性差 ( 男 : 女 ) 精神遅滞 0.86-5.6 1.5 : 1 自閉症性障害 0.6(150 人に 1 人 ) 3:1 ( 参 ) 自閉症スペクトラム障害 1.2(80 人に 1 人 ) AD/HD 3-7 9 : 1 ODD AD/HD の 30% 2 : 1 CD 6 : 1 小児崩壊性障害 0.0019 3 : 1 トゥレット症候群 10-20 男児に多い 分離不安障害 4 記載無し 93. a,b a. 抜毛症は女性に多い b. 自身の体毛 頭髪が多いが時にペットや人形の毛や絨毯やセーターの毛が対象となることもある ( 現代 P447) c. 抜いた毛を食べてしまう行動はよく見られる d. 本人は病変を見せるのを嫌がり 否定することが多い e. ピモジドやリスペリドンをフルオキセチンなどの SSRI と併用すると効果があるとの報告はあるが 第一選択薬とは言えない 94. c,e a. 認知症状は皮質下認知症の形をとり その特徴は緩徐進行性に知能障害が進行し 無関心 無気力を呈し 最終的には無言 無道状態に至る. 末期まで知能が正常なこともある b. 好発年齢は 35 40 歳代とみられている
c. 正しい d. 性差はみられない e. 正しい ( 参考書籍改訂 老年精神医学講座 ; 各論 ) 95.d a. 多くの患者が強迫行為が無意味で効果がないなどという病識を持っている その為に抵抗しようとする b. 男女に差はみられない c. 強迫性障害の診断は強迫症状あるいは強迫行為のすくなくとも片方の存在が必要であり 必ずしも併存しない d. 正しい ( 第 2 回専門医試験問題 94 設問 d) e. ベンゾジアゼピンは単剤では強迫性障害の治療に有効でない 96. a,e 統合失調症 うつ病 双極性障害などの精神疾患を再発させやすくしてしまう高 EEとは 患者に対して1 批判 2 敵意 3 情緒的な巻き込まれすぎが多い家庭を指す EEが高いと精神疾患の再発率を高めてしまう そのためEE は低くする必要がある a. ダブル バインドともいう 二つの異なる内容のメッセージを受け取ることで精神状態が拘束されて身動きが取れなくなることを意味する 97. d,e a. 双極 Ⅰ 型障害の発症は大うつ病性障害に比べて早い 発症年齢は小児期から 50 歳で それ以上は稀であり 平均年齢は 30 歳である ( カプラン p584) b,c Ⅱ 型の方がⅠ 型に比べ自殺率は高い ( カプラン p602) d. 双極性 Ⅰ 型の有病率は 0.4 1.6% Ⅱ 型は 0.5% である ちなみに大うつ病性障害は女性で 10 25% 男性で 5 12% である e. 双極性 Ⅱ 型はしばしば境界性パーソナリティ障害と誤診される 98. d ( カプラン P572-573 に全て明記あり ) a, b, c, d. 正しい ( カプラン p572) d. 産後精神病の症状の発現までの平均日数は 2 3 週であり 遅くとも 8 週間
以内にも生じる 99. c a. 自殺に関する報道が 自殺の増加に統計学的に有意に関連しており 諸外国では WHO の手引きを元にガイドラインが作成されている b. 内閣府自殺対策事業の一環としてゲートキーパーの養成が行われている d. 厚生労働省は 毒薬及び劇薬の不適切な使用に繋がる流通を防止するため 譲渡規制等を行っている e. 市町村における介護予防事業では うつに関するスクリーニングを実施している 100.c 不眠症は 眠る機会が適切にあるにも関わらず 週に 3 回以上不眠が生じ 苦 痛もしくは機能低下が 3 ヶ月以上続くことと定義される