85.d 世代別うつ病の特徴を以下に示す ( 小児期 ) 自分の気持ちをうまく言葉で説明できないため 身体症状や行動面の症状のほうが目立つという特徴がある また 軽症うつ病の場合が多く 一見すると うつ病らしく見えない ケースも少なくないので 注意が必要 ( 思春期 青年期 ) 憂鬱感や自責的な傾向

Similar documents
幻覚が特徴的であるが 統合失調症と異なる点として 年齢 幻覚がある程度理解可能 幻覚に対して淡々としている等の点が挙げられる 幻視について 自ら話さないこともある ときにパーキンソン様の症状を認めるが tremor がはっきりせず 手首 肘などの固縮が目立つこともある 抑うつ症状を 3~4 割くらい

PowerPoint プレゼンテーション

医療連携ガイドライン改

2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

資料

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

Ⅰ 向精神薬の合理的な用い方 ④ 3 理学的および生化学的検査 身長 体重 体温 脈拍 血圧などの測定とともに 心電図およ び血液生化学的検査を施行し生体の病的状態の有無を評価してお く 脳波 CT MRI SPECT PET NIRS 等も必要に応じて施行 する 2 薬物療法の実際 ① 適切な薬剤

002_責)モズレー_紘.indd

2012 ( 平成 24 年 ) 10 月 12 日実施 0 年次試験 試験科目 : 精神 No. 1-1 統合失調症は遺伝病である 解答 : 解 説 : 遺伝性があるとされている 統合失調症の子が統合失調症にかかる危険率は16.4% 同胞( 兄弟姉妹 ) では10.8% 孫では3.0% おい めい

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

Microsoft PowerPoint - 参考資料

精神療法の治療機序

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

神経発達障害診療ノート

心房細動1章[ ].indd

英和対照表

01 表紙

wslist01

改訂内容 ( 部追加 改訂 部削除 ) ビ シフロール 錠, ミラペックス LA 錠 共通 改 訂 後 改 訂 前 2. 重要な基本的注意 2. 重要な基本的注意 (5) レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により 病的賭博 ( 個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず 持続的に

抗精神病薬の併用数 単剤化率 主として統合失調症の治療薬である抗精神病薬について 1 処方中の併用数を見たものです 当院の定義 計算方法調査期間内の全ての入院患者さんが服用した抗精神病薬処方について 各処方中における抗精神病薬の併用数を調査しました 調査期間内にある患者さんの処方が複数あった場合 そ

賀茂精神医療センターにおける精神科臨床研修プログラム 1. 研修の理念当院の理念である 共に生きる 社会の実現を目指す に則り 本来あるべき精神医療とは何かを 共に考えて実践していくことを最大の目標とする 将来いずれの診療科に進むことになっても リエゾン精神医学が普及した今日においては 精神疾患 症

スライド 1

2 1. 精神科薬物療法の基本 医療チームの士気を高め, 心理社会的治療への導入をも容易にする. 薬物療法の効用を最大限に引き出す技術を身につけることは今日の精神科臨床において必須である. 1 薬物療法の目的 a. 対症レベルでの改善薬物治療は必ずしも病態や病因の本質に作用しなくてもよい. 認知症の

気分障害(うつ病・躁うつ病)の原因はどこまでわかったか?

みんなで学ぼう! 認知症

11総法不審第120号

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

函館市認知症ケアパス

Untitled

日本内科学会雑誌第98巻第12号

抗ヒスタミン薬の比較では 抗ヒスタミン薬は どれが優れているのでしょう? あるいはどの薬が良く効くのでしょうか? 我が国で市販されている主たる第二世代の抗ヒスタミン薬の臨床治験成績に基づき 慢性蕁麻疹に対する投与 2 週間後の効果を比較検討すると いずれの薬剤も高い効果を示し 中でもエピナスチンなら

 

統合失調症の発症に関与するゲノムコピー数変異の同定と病態メカニズムの解明 ポイント 統合失調症の発症に関与するゲノムコピー数変異 (CNV) が 患者全体の約 9% で同定され 難病として医療費助成の対象になっている疾患も含まれることが分かった 発症に関連した CNV を持つ患者では その 40%

11総法不審第120号

第四問 : パーキンソン病で問題となる運動障害の症状について 以下の ( 言葉を記入してください ) に当てはまる 症状 特徴 手や足がふるえる パーキンソン病において最初に気づくことの多い症状 筋肉がこわばる( 筋肉が固くなる ) 関節を動かすと 歯車のように カクカク と軋む 全ての動きが遅くな

ファルマシア・53巻・7号・668頁

平成24年5月17日

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー

精神障害者支援機関での自殺に関する支援者ニーズの調査 中間報告

Microsoft Word - 日薬連宛抗インフル薬通知(写).doc

新潟県の自殺の現状 平成 27 年の本県の自殺者数は厚生労働省の人口動態統計によると 504 人です 自殺者数の推移を見ると 平成 10 年に国と同様 中高年男性を中心とした自殺者の急増があり 当時は県内で 800 人を超える方が毎年自ら死を選択されるという状況でした 以後漸減し 平成 27 年の

スライド 1

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

みんなの健康ラジオ

うつ病について

2010年8月3日

PowerPoint プレゼンテーション

診療のガイドライン産科編2014(A4)/fujgs2014‐114(大扉)

< F2D90B8905F8EE892A08EC08E7B977697CC B8C292E6A7464>

<4D F736F F F696E74202D AAE90AC94C5817A835F C581698FE39E8A90E690B6816A2E >

症患者における検討は全く行われていない そこで本研究では VPA 服用中の統合失調症患者における高アンモニア血症に関するメカニズムを検討するために当該患者 37 名の朝食前空腹時血液サンプル ( 10mL) を採取し 血清アンモニアおよび VPA 濃度 尿素サイクルに関連する 40 種類の血中アミノ

26 年度後期時間割 時限は下記の通り 11 8:50~10: :30~12: :00~14: :50~14: :40~16: :30~16: :20~17:50 時限の例 開始時限が11で終了時限が11の場合は8:

道路交通法に基づく一定の症状を呈する病気等にある者を診断した医師から公安委員会への任意の届出ガイドライン

saisyuu2-1

ICD-11 β draft の訳について ( 要点のみ ) ICD-11 β draft の依存領域の全体的翻訳は別添資料 2 をご覧ください この資料 1 で は 先生方のご意見をいただきたいポイントを 7 項目にしぼって記載しています 1. 大項目について ICD-11 β draft では

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

2013_ここからセンター_発達障害

公的医療保険が対象とならない治療 投薬などの費用 ( 例 : 病院や診療所以外でのカウンセリング ) 精神疾患 精神障害と関係のない疾患の医療費 医療費の自己負担ア ) 世帯 ( 1) における家計の負担能力 障害の状態その他の事情をしん酌した額 ( しん酌した額が自立支援医療にかかった費用の 10

(別添様式)

統合失調症ってどんな病気? 統合失調症は 全世界で共通してみられる さまざまなこころの症状を示す病気です 多くは思春期や青年期に発症し 決して稀な病気ではありません 一生のうちにこの病気にかかる人の数は 100~120 人に1 人と言われています また 現在わが国すべての診療科に入院している人の数は

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

2018 年度以降に入学した方が対象の科目です 2017 年度以前に入学した方は履修登録できません リング老年心理学 B 2018~ 科目コード FD2545 単位数履修方法配当年次担当教員 2 R or SR( 講義 ) 1 年以上吉川悠貴 161 基礎心理 2017 年度以前に入学した方は 本科

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について

ストラテラ(アトモキセチン)患者向医薬品ガイド(カプセル)

別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

 

あさひ indd

スライド 1

研究の背景社会生活を送る上では 衝動的な行動や不必要な行動を抑制できることがとても重要です ところが注意欠陥多動性障害やパーキンソン病などの精神 神経疾患をもつ患者さんの多くでは この行動抑制の能力が低下しています これまでの先行研究により 行動抑制では 脳の中の前頭前野や大脳基底核と呼ばれる領域が

BV+mFOLFOX6 療法について 2 回目以降 ( アバスチン +5-FU+ レボホリナート + エルプラット ) 薬の名前アロキシ注吐き気止めです デキサート注 アバスチン注 エルプラット注 レボホリナート注 作用めやすの時間 5-FU の効果を強める薬です 90 分 2 回目から点滴時間が短

もくじ 目的 目標 支援体制図 4 運用規準 ) 運用地域 ) 運用開始時期 ) 実施方法 4) 実施手順 5) 個人情報の取扱い 6) 運用に関する留意事項 5 資料 精神障害者の治療中断 4 精神障害者の治療中断の アセスメント項目 適用例 考え方 6

た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

ビックデータ解析により、知られざる睡眠薬の処方実態が明らかに

ストラテラ(アトモキセチン)患者向医薬品ガイド(内用液)

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

A. 思春期 3 表 2 PMS の診断基準 (ACOG による ) PMS 2 30 PMS 7 PMS premenstrual dyspholic disorderpmdd DSM PMDD PMS premenstrual exacerbatio

平成 21 年度精神医学 コアカリ C 試験 まずテストについては 2006 年度 小テスト類題 + 感想 2007 年度 &2009 年度 小テス ト類題 + 精神疾患治療法の順序 + 自分の考え述べるやつ + 感想 となっています 多分今年も A. 1. (10% 35.5%) (

第 1 回なかじま きみひろ 年五稜会病院勤務 2009 年理事長就任 日本精神神経学会認定精神科専門医 日本精神神経学会所属 五稜会病院中島公博理事長となどを指します 英語圏でも Karoshi として辞典に載っており 日本独特の問題として知られています 1999年に厚労省から通達された 心理的負

重症筋無力症 うつ病

1.[ 慢性腰痛症患者の生活実態について ] 1-1. 仕事への影響 -3 人に1 人が慢性的な腰痛で仕事を辞めたいと思ったことがあると回答 - 慢性的な腰痛 が仕事へ与える影響について調査したところ 3 人に1 人が 仕事を辞めたいと思ったことがある (35.2%) と回答しました さらに 5 人

Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

報道関係各位 2015 年 7 月 31 日 ガルデルマ株式会社 塩野義製薬株式会社 ~ ニキビ経験者を対象としたニキビとニキビ痕に関する調査 より ~ ニキビ経験者の多くが ニキビ治療を軽視 軽いニキビでも ニキビ痕 が残る ことを知らない人は約 8 割 ガルデルマ株式会社 ( 本社 : 東京都新

 

レキサルティに係る医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 ( 別紙様式 ) レキサルティ錠 1mg 販売名有効成分ブレクスピプラゾールレキサルティ錠 2mg 製造販売業者大塚製薬株式会社薬効分類 安全性検討事項 提出年月 重要な特定されたリスク 平成 30 年 5 月 錐

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン_プレス資料

とが多いのが他の蕁麻疹との相違点です 難治例ではこの刺激感のために日常生活に支障が生じ 重篤な随伴症状としてはまれに血管性浮腫 気管支喘息 めまい 腹痛 嘔気 アナフィラキシーを伴うことがあります 通常は暑い夏に悪化しますが 一部の症例では冬期の運動 入浴で皮疹が悪化することがあり 温度差や日常の運

<95CA8E D89BF8AEE8F80816A2E786C73>

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

患者さんとご家族のためのうつ病ABC

助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

解離性障害の外来治療

2 抗インフルエンザウイルス薬と異常行動の議論と今後の予定 平成 21 年に取りまとめられた報告書以降の知見を改めて報告書にまとめ 以下の議論がなされた 平成 21 年以降の非臨床研究及び 10 年に及ぶ疫学研究の科学的な知見を総括し 以下の事実から タミフル服用のみに異常行動と明確な因果関係がある

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

す しかし 日本での検討はいまだに少なく 比較的小規模の参加者での検討や 個別の要因との関連を報告したものが殆どでした 本研究では うつ病患者と対照者を含む 1 万人以上の日本人を対象とした大規模ウェブ調査で うつ病と体格 メタボリック症候群 生活習慣の関連について総合的に検討しました 研究の内容

DRAFT#9 2011

Transcription:

81. b 統合失調症患者の画像所見で特徴的なのは 灰白質領域での体積減少であり 特に海馬 扁桃体 上側頭回 前頭前皮質 視床 前体状回 脳梁では顕著である ( 第 3 回専門医試験問題 051) 82. b,e a. 食欲減退の他に嘔気 眠気等がある b. 心理社会的治療が優先される c. 副作用として血圧 心拍数の上昇がある d. ADHD の 30~40% に ODD を併発すると言われているが その場合においても心理社会的治療が優先される e. 本邦で認められている ADHD 治療薬は長期間メチルフェニデートとアトモキセチンのみである 83. b,c a. 女性は男性より急速交代型が多い b. 双極 Ⅱ 型障害の自殺企図は3 人に1 人に上ると言われている c. 双極 Ⅱ 型障害の大半がうつ病エピソードから始まる d. 正しい e. 双極性障害の自殺率は 20%(5 人に 1 人 ) と高率である 一般人口の自殺率を 1.85% とした場合 少なくとも 15 倍は間違いではない 気分障害患者の家系における遺伝リスク 患者の診断 患者の家族が双極性障害を 患者の家族が単極性うつ病を 発症するリスク ( オッズ比 ) 発症するリスク ( オッズ比 ) 双極性障害 7% (8 10) 13% (2 3) 単極性うつ病 2% (1.5 2) 14% (3 4) ( 気分障害ハンドブック P62-63) 84.b,c 放火癖は一般に アルコール中毒 性機能不全 精神遅滞 慢性的な個人的欲求不満 そして権威的象徴への憤りに関連するという特徴がある ( カプラン p849)

85.d 世代別うつ病の特徴を以下に示す ( 小児期 ) 自分の気持ちをうまく言葉で説明できないため 身体症状や行動面の症状のほうが目立つという特徴がある また 軽症うつ病の場合が多く 一見すると うつ病らしく見えない ケースも少なくないので 注意が必要 ( 思春期 青年期 ) 憂鬱感や自責的な傾向はあまり目立たず 疲れやすい 何をするのもおっくう 集中力がなくなる といった症状が多く見られるのが特徴 まれに 幻覚 や 妄想 があらわれることもあり このため いわゆる 引きこもり の状態になったり ちょっとしたことで怒り出し 攻撃的になったり 暴力をふるったりという問題行動を起こすことがある ( 成年期 ) うつ病の典型的な症状があらわれるのが特徴 また 原因やきっかけがわからない 内因性 のうつ病が多いことも特徴である ( 老年期 ) ほかの年代とくらべ 著しい 憂鬱感 はそれほど前面に出ることはなく 頭痛や腹痛などの身体症状が目立つ いわゆる 仮面うつ病 の形をとることが多い また 妄想 を伴いやすいということも特徴 非定型の基本的特徴は気分の反応性であり 以下の 4 つの特徴のうち 少なくと も 2 つが存在する 1 食欲増加 体重増加 2 過眠 3 鉛様麻痺 4 長期間にわ たる対人関係の拒絶に敏感であるという特徴 86. a.e 統合失調症の認知機能障害では 全般性言語記憶と学習能力の低下 作動記憶と長期の記憶再生の障害 注意持続と注意集中時の情報処理容量低下 言語流暢性低下などが特徴であり この障害によって社会生活機能や社会的認知の障害が引き起こされるとされる a. b. 認知機能障害は前駆期でも認められる c.

d. e. 87.b 全般性不安障害の本質的な病像は全般的かつ持続的であるが 極めて優勢であっても いかなる特殊な周囲の状況にも限定されない ( すなわち 自由に浮動する ) 不安である 多の不安障害と同様に 主要症状はきわめてさまざまであるが たえずいらいらしている 振戦 筋緊張 発汗 頭のふらつき 動悸 めまいと心窩部の不快等の訴えがよく認められる 患者か身内がすぐにでも病気になるのではないか あるいは事故にあうのではないかという恐怖がさまざまな他の心配事や不吉な予感とともに しばしば口にされる (ICD10 臨床記述と診断ガイドラインより抜粋 ) 88. a,e インターネットより 89. a a. 遅発性ジスキネジアの発現頻度は 第一世代抗精神病薬より第二世代抗精神病薬の方が幾分低いとされる しかし 第二世代抗精神病薬でも遅発性ジスキネジアが発現することに注意が必要である ( 第 1 回試験問題 61 選択肢 c) b. 遅発性ジスキネジアの患者においてドパミン受容体拮抗薬を中止すると 症状の増悪を認めることが多い と記載有り 減量によっても誘発されると考えられる ( カプラン p1071)

c. 遅発性ジスキネジアの危険因子は 神経遮断薬の長期投与 加齢 女性 気分 認知障害の併存がある d.c と同様 e. 遅発性ジスキネジアの生じる背景には 強いドパミン機能亢進と コリン機能低下が考えられる 持続性に高用量にドパミンを遮断することで ドパミン受容体の感受性が亢進し その副作用を予防するための抗コリン薬が治療に使われるが 逆に症状を悪化させるリスクがある 90. a.e a. アルカローシスがみられるのは過食 排出型である b,c,e 正しい e. 接食制限型の方が食物へのこだわりが強く 過度な炭水化物の制限をしたり 肉を薄くスライスして時間をかけて食べる等の食行動がみられる 91. c a,b 正しい リチウムの併用でせん妄のリスクが高まるため リチウムは ECT 開始前 36 48 時間前までに中止し 最終 ECT から 24 36 時間後に再開する. (ECT マニュアル P48 表 4 2) 表 4-2 ECT 前に中止すべき一般薬物 薬物レセルピンエコチオパートテオフィリンリチウム MAO 阻害薬他の抗うつ薬 ECT との相互作用高度の低血圧無呼吸遷延遷延性けいれんせん妄の危険性増大心血管系を不安定にする可能性心臓の危険性を高める可能性 付加的効果の証拠はない ベンゾジアゼピンと抗けいれん薬 けいれん閾値の上昇 ( 非てんかん患者 ) 有効性を妨げる可能性 ( 文献 Kellner et al による )

c. 双極性障害の ECT 治療には躁転のリスクがある (ECT マニュアル P23 表 2 8) 92. a,e 子供における疾患の有病率と性差を以下に示す 疾患 有病率 (%) 性差 ( 男 : 女 ) 精神遅滞 0.86-5.6 1.5 : 1 自閉症性障害 0.6(150 人に 1 人 ) 3:1 ( 参 ) 自閉症スペクトラム障害 1.2(80 人に 1 人 ) AD/HD 3-7 9 : 1 ODD AD/HD の 30% 2 : 1 CD 6 : 1 小児崩壊性障害 0.0019 3 : 1 トゥレット症候群 10-20 男児に多い 分離不安障害 4 記載無し 93. a,b a. 抜毛症は女性に多い b. 自身の体毛 頭髪が多いが時にペットや人形の毛や絨毯やセーターの毛が対象となることもある ( 現代 P447) c. 抜いた毛を食べてしまう行動はよく見られる d. 本人は病変を見せるのを嫌がり 否定することが多い e. ピモジドやリスペリドンをフルオキセチンなどの SSRI と併用すると効果があるとの報告はあるが 第一選択薬とは言えない 94. c,e a. 認知症状は皮質下認知症の形をとり その特徴は緩徐進行性に知能障害が進行し 無関心 無気力を呈し 最終的には無言 無道状態に至る. 末期まで知能が正常なこともある b. 好発年齢は 35 40 歳代とみられている

c. 正しい d. 性差はみられない e. 正しい ( 参考書籍改訂 老年精神医学講座 ; 各論 ) 95.d a. 多くの患者が強迫行為が無意味で効果がないなどという病識を持っている その為に抵抗しようとする b. 男女に差はみられない c. 強迫性障害の診断は強迫症状あるいは強迫行為のすくなくとも片方の存在が必要であり 必ずしも併存しない d. 正しい ( 第 2 回専門医試験問題 94 設問 d) e. ベンゾジアゼピンは単剤では強迫性障害の治療に有効でない 96. a,e 統合失調症 うつ病 双極性障害などの精神疾患を再発させやすくしてしまう高 EEとは 患者に対して1 批判 2 敵意 3 情緒的な巻き込まれすぎが多い家庭を指す EEが高いと精神疾患の再発率を高めてしまう そのためEE は低くする必要がある a. ダブル バインドともいう 二つの異なる内容のメッセージを受け取ることで精神状態が拘束されて身動きが取れなくなることを意味する 97. d,e a. 双極 Ⅰ 型障害の発症は大うつ病性障害に比べて早い 発症年齢は小児期から 50 歳で それ以上は稀であり 平均年齢は 30 歳である ( カプラン p584) b,c Ⅱ 型の方がⅠ 型に比べ自殺率は高い ( カプラン p602) d. 双極性 Ⅰ 型の有病率は 0.4 1.6% Ⅱ 型は 0.5% である ちなみに大うつ病性障害は女性で 10 25% 男性で 5 12% である e. 双極性 Ⅱ 型はしばしば境界性パーソナリティ障害と誤診される 98. d ( カプラン P572-573 に全て明記あり ) a, b, c, d. 正しい ( カプラン p572) d. 産後精神病の症状の発現までの平均日数は 2 3 週であり 遅くとも 8 週間

以内にも生じる 99. c a. 自殺に関する報道が 自殺の増加に統計学的に有意に関連しており 諸外国では WHO の手引きを元にガイドラインが作成されている b. 内閣府自殺対策事業の一環としてゲートキーパーの養成が行われている d. 厚生労働省は 毒薬及び劇薬の不適切な使用に繋がる流通を防止するため 譲渡規制等を行っている e. 市町村における介護予防事業では うつに関するスクリーニングを実施している 100.c 不眠症は 眠る機会が適切にあるにも関わらず 週に 3 回以上不眠が生じ 苦 痛もしくは機能低下が 3 ヶ月以上続くことと定義される