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今日勉強すること 1. 脊髄と脳幹の構造 2. 自律神経一般的の性質 3. 臓器別にみた自律神経の作用 4. 自律神経反射の例

個体の調節機構とホメオスタシスー情報伝達の基本2-5

1 アドレナリンってなんだ アドレナリンって何だろう 普段は温厚な人たちでも 草野球の試合になると いつになく興奮し 闘争意識をむきだしにして激しいファイトを展開することがある そんな時 人の体内では 副腎という臓器の髄質部分からアドレナリンやノルアドレナリンというホルモンが分泌されているのだ アド

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( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

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2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

核内受容体遺伝子の分子生物学

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第四問 : パーキンソン病で問題となる運動障害の症状について 以下の ( 言葉を記入してください ) に当てはまる 症状 特徴 手や足がふるえる パーキンソン病において最初に気づくことの多い症状 筋肉がこわばる( 筋肉が固くなる ) 関節を動かすと 歯車のように カクカク と軋む 全ての動きが遅くな

ポプスカイン0.75% 注シリンジ 75mg /10 院 Popscaine 75mg /10 院 / 筒 丸石 薬価 円 / 筒 効 硬膜外麻酔 用 ( 注 )1 回 150mg ( 本剤として20 院 ) までを硬膜外腔に投与 禁 大量出血やショック状態, 注射部位またはその周辺に

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

生物 第39講~第47講 テキスト

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26 年度後期時間割 時限は下記の通り 11 8:50~10: :30~12: :00~14: :50~14: :40~16: :30~16: :20~17:50 時限の例 開始時限が11で終了時限が11の場合は8:

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学位論文の要約


科目名授業方法単位 / 時間数必修 選択担当教員 人体の構造と機能 Ⅱ 演習 2 単位 /60 時間必修 江連和久 北村邦男 村田栄子 科目の目標 人体の構造と機能 はヒトの体が正常ではどうできていてどう働くのかを理解することを目的とする この学問は将来 看護師として 病む ということに向き合う際の

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前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

薬理学編


( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によ

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク

第6号-2/8)最前線(大矢)

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

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細胞骨格を形成するタンパク質

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福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

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るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

脂質が消化管ホルモンの分泌を促進する仕組み 1. 発表者 : 原田一貴 ( 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程 2 年 ) 北口哲也 ( 早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所主任研究員 ( 研究当時 )) 神谷泰智 ( 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修士課程 2 年 (

報道発表資料 2001 年 3 月 8 日 独立行政法人理化学研究所 脳内の食欲をつかさどるメカニズムの一端を解明 - ムスカリン性受容体欠損マウスはいつでも腹八分目 - 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) は 脳の食欲をつかさどる情報伝達にはムスカリン性受容体が必須であることを世界で初めて発見し

微小粒子状物質曝露影響調査報告書

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

講義資料 pptx

各論 心血管内分泌

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ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど

第6章 循環器系

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること

研究背景 糖尿病は 現在世界で4 億 2 千万人以上にものぼる患者がいますが その約 90% は 代表的な生活習慣病のひとつでもある 2 型糖尿病です 2 型糖尿病の治療薬の中でも 世界で最もよく処方されている経口投与薬メトホルミン ( 図 1) は 筋肉や脂肪組織への糖 ( グルコース ) の取り

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

細胞外情報を集積 統合し 適切な転写応答へと変換する 細胞内 ロジックボード 分子の発見 1. 発表者 : 畠山昌則 ( 東京大学大学院医学系研究科病因 病理学専攻微生物学分野教授 ) 2. 発表のポイント : 多細胞生物の個体発生および維持に必須の役割を担う多彩な形態形成シグナルを細胞内で集積 統

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生物時計の安定性の秘密を解明

今日勉強すること 1. 反射弓と伸張反射 2. 屈曲反射 3. 膝蓋腱反射の調節機構 4. 大脳皮質運動野の機能

講義日程 ( 矢 ) 西 C 講義室 ( 矢 ) 西 D 室 ( 薬微免 1) 講義 月日曜日時限講座 ( 学科 ) 担当教員講義内容 4/3 火 1 情報伝達医学分野 入江康至准教授 4/3 火 2 情報伝達医学分野 平英一教授 4/6 金 1 情報伝達医学分野 平英一教授

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

2018 年 11 月 22 日放送 第 117 回日本皮膚科学会総会 6 教育講演 18-5 汗の分泌様式と成分 : 皮膚炎との相互関係 長崎大学大学院皮膚病態学教授室田浩之汗の機能汗は 匂い や 汗染み などのように嫌な面に注目が集まりがちですが 体が健康な状態を維持するための大切な役割を持って

1. 背景血小板上の受容体 CLEC-2 と ある種のがん細胞の表面に発現するタンパク質 ポドプラニン やマムシ毒 ロドサイチン が結合すると 血小板が活性化され 血液が凝固します ( 図 1) ポドプラニンは O- 結合型糖鎖が結合した糖タンパク質であり CLEC-2 受容体との結合にはその糖鎖が

Ⅰ. ヒトの遺伝情報に関する次の記述を読み, ~ に答えなさい 個体の形成や生命活動を営むのに必要な ( a ) は, 真核生物の細胞では主に核 の中で染色体を形成している 通常, ₁ 個の体細胞には同じ大きさと形の染色体が 一対ずつあり, この対になっている染色体を ( b ) といい, 片方の染

健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

平成14年度研究報告

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られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

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初級 視細胞桿体におけるシグナル伝達概要 : 網膜は外界からの光を受けて電気信号に変換して脳へ送るが 視 細胞はその最初に位置する光信号 電気信号変換器である ( 図 1) 光によって光受容体タンパク質ロドプシンが光異性化され 最終的には細胞 ディスク 図 1 視細胞桿体の構造図 2 桿体の電流応答

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グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ

卵管の自然免疫による感染防御機能 Toll 様受容体 (TLR) は微生物成分を認識して サイトカインを発現させて自然免疫応答を誘導し また適応免疫応答にも寄与すると考えられています ニワトリでは TLR-1(type1 と 2) -2(type1 と 2) -3~ の 10

胞運命が背側に運命変換することを見いだしました ( 図 1-1) この成果は IP3-Ca 2+ シグナルが腹側のシグナルとして働くことを示すもので 研究チームの粂昭苑研究員によって米国の科学雑誌 サイエンス に発表されました (Kume et al., 1997) この結果によって 初期胚には背腹

報道発表資料 2007 年 4 月 30 日 独立行政法人理化学研究所 炎症反応を制御する新たなメカニズムを解明 - アレルギー 炎症性疾患の病態解明に新たな手掛かり - ポイント 免疫反応を正常に終息させる必須の分子は核内タンパク質 PDLIM2 炎症反応にかかわる転写因子を分解に導く新制御メカニ

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サカナに逃げろ!と指令する神経細胞の分子メカニズムを解明 -個性的な神経細胞のでき方の理解につながり,難聴治療の創薬標的への応用に期待-

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

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報告にも示されている. 本研究では,S1P がもつ細胞遊走作用に着目し, ヒト T 細胞のモデルである Jurkat 細胞を用いて血小板由来 S1P の関与を明らかにすることを目的とした. 動脈硬化などの病態を想定し, 血小板と T リンパ球の細胞間クロストークにおける血小板由来 S1P の関与につ

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膵臓 : 内分泌機能玉井鷹司公文裕也 Q. 下の写真において 内分泌系と外分泌系はどの部分か? A. 真ん中にある白い部分が内分泌であり その外側が外分泌系である 外分泌系 内分泌系

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( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

検査項目情報 6154 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4E. 副腎髄質ホルモン >> 4E016. カテコールアミン3 分画 カテコールアミン3 分画 [ 随時尿 ] catecholamines 3 fractionation 連絡先 : 3764 基本情報 4E016

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Transcription:

Seto, Oct 25 2015 薬理学 基礎薬理学 五嶋良郎 Yoshio Goshima, M.D. & Ph.D. Dean, Yokohama City University Graduate School of Medicine 第一章総論 第二章薬理学によって解明された情報伝達機構 第三章神経系に作用する薬物 第四章循環器系に作用する薬物 第五章水 電解質と利尿薬 第六章呼吸器系に作用する薬物 第七章消化器系に作用する薬物 第八章血液および造血器に作用する薬物 第九章内分泌 代謝疾患治療薬 第十章泌尿 生殖器作用薬 第十一章感覚器 皮膚科治療薬 第十二章病原微生物に対する薬剤 第十三章抗悪性腫瘍薬 第十四章抗アレルギー薬 免疫抑制薬 末梢神経系に作用する薬物 交感神経系 副交感神経系調節する薬物の臨床適用 交感神経作用薬 1) アドレナリン作動薬 2) 抗アドレナリン作動薬 副交感神経作用薬 1) コリン作動薬 2) 抗コリン作動薬 筋弛緩薬 局所麻酔薬

ヒトの日常 ( 正常とはどういう状況か?) 様々な病態 disease states 喘息 アナフィラキシーショック 重症筋無力症 慢性心不全 胃潰瘍 星状神経ブロック アドレナリン作動薬 抗アドレナリン作動薬 関係する生体内物質 : ノルアドレナリン アドレナリン ( ドパミン ) 作用点 : カテコールアミン神経終末 受容体? カテコールアミン受容体の種類 :α1,2 β1,2, 3 薬理作用 : これらの受容体の生理学的機能を理解する例 : ノルアドレナリンは末梢血管の α1 受容体を介して血管収縮を引き起こす α1 遮断薬 : プラゾシン ( 高血圧 ) タムスロシン ( 前立腺肥大 ) β1および2 遮断薬 : プロプラノロール ( 不整脈 抗高血圧薬 ) β1 遮断薬 : メトプロロール

副交感神経作用薬コリン作動薬 関係する生体内物質 : アセチルコリン 作用点 : アセチルコリン受容体 ( ニコチン性アセチルコリン受容体 ムスカリン性受容体 ) コリンエステラーゼ 薬理作用 : アセチルコニンの生理作用例 ベタネコール ( コリンエステル ) ネオスチグミン ( コリンエステラーゼ阻害 ) はムスカリン受容体を刺激して腸管の動きを促進する 抗コリン作動薬 応用 : 消化管 尿管 胆管のけいれん 麻酔前投与 ( アトロピン スコポラミン ) 散瞳 虹彩炎 ( トロピカミド ) 気管支ぜんそく 肺気腫 ( イプラトロピウム ) 消化性潰瘍 ( ピレンゼピン ) 有機リン中毒 ( アトロピン ) 筋弛緩薬 関係する生体内物質 : アセチルコリン カルシウムイオン (Ca2+) 作用点 : スキサメソニウム ニコチン性アセチルコリン受容体 ダントロレン リアノジン受容体タイプ1 (RyR1) 薬理作用 : 筋弛緩 局所麻酔薬ブピバカイン リドカイン 関与する生体内物質 : ナトリウムイオン (Na+) 作用点 : ナトリウムチャネル 応用 : 表面麻酔 ( 粘膜 創面 ) 浸潤麻酔( 皮下 ) 伝達麻酔( 神経幹 神経叢 ) 脊椎麻酔 ( クモ膜下腔 ) 硬膜外麻酔( 硬膜外腔 )

末梢 中枢連関 血圧 心拍の変動 視床下部 下垂体 内分泌連関 圧受容器反射 化学受容器反射 食餌とメタボリズムなど まだ未知のメカニズムが実に多い! 体全体をシステムとして捉え 創薬ターゲットを見いだして行く必要がある

受容体 ( レセプター ) とは? 受容体は神経伝達物質やホルモンが作用する場合の相手の分子. 結合活性と情報伝達機能を持つ リガンドとは結合活性をもつ化合物をいう

受容体の種類 細胞内レセプター ( ステロイドホルモン 甲状腺ホルモンのレセプター ) ホルモン結合部位と DNA 結合部位をもつ遺伝子発現調節因子 細胞膜受容体 それ以外の例 :NO 細胞膜を自由に透過 細胞内情報伝達系を直接刺激 細胞膜受容体 イオンチャネル複合型受容体リガンド結合により立体構造変化 イオン透過性 ( ニコチン性 ACh 受容体 ) GTP 結合蛋白質活性化型受容体 (β アドレナリン受容体 ) チロシンキナーゼ型受容体 ( インスリン受容体 ) G 蛋白質共役型受容体 一本鎖ペプチドが形質膜を7 回貫通する 3 量体 GTP 結合蛋白質を介して効果器の活性を変化させる G 蛋白質共役型受容体の例 生理活性アミン受容体 神経性アミノ酸受容体 生理活性ペプチド受容体 エイコサノイド受容体 脂質メディエーター受容体 ケモカイン受容体 感覚受容器の受容体

GTP 結合蛋白質を介する受容器から効果器への情報の伝達 イオンチャネル複合型受容体 A R G G GDP 効果器E GTP GDP 交換反応 GTP Pi GDP GTPase R G G E GTP Adenyryl cyclase camp 互いに相同性のある5 本のペプチドが N 末端を細胞外に向けて 形質膜を4 回貫通する (4TM 型 ) N 末端より2 番目の膜貫通部位が花弁状に集まってチャネルを形成 A:agonist ( 作動薬 ) R:receptor ( 受容体 ) チロシンキナーゼ型受容体 形質膜を1 回貫通するペプチドより成る (1TM 型 ) その細胞内領域にチロシンキナーゼ活性領域とリン酸化されるチロシン残基をもつものがある チロシンキナーゼを内臓しない受容体は刺激によって細胞質のチロシンキナーゼ活性を活性化する場合が多い 細胞情報伝達の基本原理 細胞内情報伝達ネットワークのクロストーク 情報物質によるシグナルの発信と受信酵素反応 蛋白質の非共有結合 ( 会合 ) 蛋白質の分解 ( ユビキチン / プロテアソーム系 ) 情報蛋白質の細胞内移動

交感神経系と副交感神経系の中枢内局在, 末梢分布, 機能と伝達物質 くすりの開発の歴史 レボドパ ( ドーパ ) 自律神経系の機能とそのメカニズム 2 自律神経系の高位中枢は? 視床下部 さらに前頭葉, 大脳辺縁系から影響を受ける

末梢自律神経の基本構造 交感神経 交感神経節 節前神経 ACh 節後神経 Noradrenaline 副交感神経 副交感神経節 節前神経 ACh 節後神経 ACh

交感神経系 Thoracolumbar outflow Th1( 第一胸髄 ) L2( 第 2 腰髄 ) の側角に節前神経細胞の細胞体がある 前根と一緒に脊髄を出て, 交感神経幹で節後神経へ 腹腔領域では一部, 腹腔神経節で節後神経へ接続する 副交感神経系 Craniosacral outflow 脳幹の神経核 (III, VII, IX, X)( 動眼神経, 顔面神経, 舌咽神経, 迷走神経 ) と第 2,3,4 仙髄 S2,3,4 にのみ 目標臓器の近くの神経節 ( 副交感神経節 ) で節後神経へ 相反性二重支配 心臓交感神経興奮 ( 拍数, 収縮力 ) 副交感神経興奮 (, ) 一見そうでない場合もある 瞳孔の筋 : 交感神経 ( 瞳孔散大筋 ) も副交感神経 ( 瞳孔縮小筋 ) も収縮 機能的拮抗 唾液分泌 : 交感神経 粘液性, 副交感神経 漿液性

自律神経系のコンセプトが大きく変わる事件 血管弛緩因子 NO (nitric oxide) の発見 (Furchgott, Murad, Ignarro) 血管収縮因子エンドセリン (endothelin) の発見 (Yanagisawa, Masaki) 自律神経の直接的標的支配という図式がくずれた 自律神経系障害の症候 起立性低血圧 発汗の低下 皮膚萎縮, 体毛減少, 骨萎縮 膀胱障害 直腸障害 瞳孔異常 膀胱障害と中枢障害部位 中脳より上位 脱抑制性膀胱 ( 尿意頻数, 切迫尿意 ) 橋から腰髄 随意排尿の障害 仙髄またはその遠心路 横溢性尿失禁 膀胱からの救心性線維の障害 膀胱感覚の消失 ( 無緊張性膀胱 ) 自律神経反射の機能 臨床的な観点から

圧受容器反射経路 圧受容器反射 血圧を維持するための重要な反射機構の1つ Hypothalamus LC RVLM C1 NTS (DOPA?) CSN: 頸動脈洞神経 (Carotid sinus nerve) ADN : 大動脈減圧神経 ( Aoritic depressor nerve) NTS: 孤束核 (Nucleus tractus solitarii ) RVLM : 吻側腹外側延髄 ( Rostal ventrolateral medulla) CVLM : 尾側腹外側延髄 (Caudal ventrolateral medulla) IML: 中間質外側核 (Intermediolateral cell column) + (DOPA?) A1 ++ (DOPA, Glu?) CVLM + IX X IML CSN ADN Spinal Cord Is OA-1 is a receptor that mediates DOPA-induced pharmacological responses? Baroreflex pathways Microinjection of L DOPA to NTS Glu Kubo et al., 1992 Depressor & Bradycardic Response

その他 図の中に見にくいものがありますが多くは教科書にあります 確認してください その他質問のある方 薬理学教室の研究テーマなどに興味のある方は以下のホームページを参照してください 薬理学 http://www user.yokohamacu.ac.jp/~pharmac/