Microsoft Word - 14水泳【事務局校正】.docx

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3 学校の部活動部活動についてについてお聞きします 問 7: あなたは 学校の部活動に参加していますか 学校の部活動に参加していますか 部活動部活動に参加している人は 所属している部活動の名前も記入してください 1. 運動部活動に参加 ( 問 8へ ) 2. 文化部活動に参加 ( 問 9へ ) 3.

中学校ま ~ るいテーブル会議議事概要 開催日時 平成 30 年 12 月 4 日 ( 火 )19:30~21:00 会場能楽の里文化交流会館 2 階大会議室 1 開会 2 あいさつ教育長本日は PTA 役員の方や学校関係者 行政関係者が集まり 学校の状況について情報共有をし どのように子ども達の成

.10.中高美術

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[ 中学校男子 ] 1 運動やスポーツをすることが好き 中学校を卒業した後 自主的に運動やスポーツをする時間を持ちたい 自分の体力 運動能力に自信がある 部活動やスポーツクラブに所属している 3 運動やスポーツは大切 [ 中学校女子

施策1

調査結果の概要

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A4-縦-台紙(60号)

5 児童生徒質問紙調査 (~P23) (1) 運動に対する意識等 [ 小学校男子 ] 1 運動やスポーツを [ 小学校女子 ] することが好き 1 運動やスポーツをすることが好き H30 全国 H30 北海道 6 放課後や学校が休みの日に 運動部や地域のスポーツクラブ以外で運動やスポーツをすることが

家庭における教育

目次 第 1 部調査の概要 Ⅰ 調査目的 4 Ⅱ 調査内容 4 Ⅲ 調査対象 6 Ⅳ 調査時期 6 Ⅴ 調査方法 6 Ⅵ 回収結果 6 Ⅶ 標本抽出方法 6 Ⅷ 回答者の属性 7 第 2 部調査結果 Ⅰ 中学生 高校生の現状 意識 12 1 中学生 高校生全体 12 2 運動部活動に所属する生徒 1

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問 7 あなたが所属している運動部の競技は 次の1~48のうち どれに当てはまりますか 1つ選んでください ア第 1 部活動 ( 問 6のアで選んだ運動部 ) イ第 2 部活動 ( 問 6のイで選んだ運動部 ) 複数の運動部に所属している人だけ選んでください 1 陸上競技 2 体操競技 3 新体操

目次 調査の概要 1 ページ 第 1 章 : 運動部 スポーツクラブ等 団体への所属状況 2 ページ 第 2 章 : 部員数の増加に向けて 4ページ (1) 学校の運動部 クラブへの参加 / 不参加 (2) 加入していない生徒が運動 スポーツをしない理由 (3) 中途退部理由 (4) 加入していない

スポーツに関する市民意識調査速報値 (H30) 小中学生 資料 2 1 調査概要 (1) 調査対象 : 市内小中学生 1,831 人 ( 地域性から学校を抽出 ) (2) 調査方法 : 学校を通じてアンケートを配布 回収 (3) 回収数 : 有効回収数 1,747 件 ( 回収率 95%) (4)

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

PowerPoint プレゼンテーション

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単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

参加標準記録 少年女子 B 少年共通 少年男子 B 少年女子 A

平成 26 年度生徒アンケート 浦和北高校へ入学してよかったと感じている 1: 当てはまる 2: だいたい当てはまる 3: あまり当てはまらない 4: 当てはまらない 5: 分からない 私の進路や興味に応じた科目を選択でき

平成 26 年度 全国体力 運動能力 運動習慣等調査の概要 平成 27 年 1 月 四條畷市教育委員会

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

5 教5-1 教員の勤務時間と意識表 5 1 ( 平均時間 経年比較 教員年齢別 ) 中学校教員 調査年 25 歳以下 26 ~ 30 歳 31 ~ 40 歳 41 ~ 50 歳 51 ~ 60 歳 7:22 7:25 7:31 7:30 7:33 7:16 7:15 7:23 7:27 7:25

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オリンピック パラリンピック東京大会におけるホストシティ タウン構想に係る自治体における国際交流の取組についてのアンケート 1. 調査概要配布先 : 都道府県 市区町村時期 : 平成 26 年 9 月 30 日 ~10 月 30 日 ( 年内にとりまとめ ) 調査趣旨 : 2020 年オリンピック

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

週間活動予定

CAMPUS COMMUNICATION April No.83

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l. 職業以外の幅広い知識 教養を身につけたいから m. 転職したいから n. 国際的な研究をしたかったから o. その他 ( 具体的に : ) 6.( 修士課程の学生への設問 ) 修士課程進学を決めた時期はいつですか a. 大学入学前 b. 学部 1 年 c. 学部 2 年 d. 学部 3 年 e

2016 年度春学期授業アンケート結果集計 実技科目 ( 科目別 ) < 補足 > 集計グループ授業科目別集計 < 集計明細 > 評価平均方法 アンケート回答数 1. 担当教員名 橋本早予 平均点 は回答番号を下記のように点数化して算出してあります 履修者数 授業科目 健康 スポーツⅠ

< 受験生トレンド > 受験生に必須のアイテム 受験生の半数以上が勉強に SNS を活用 3 人に 1 人以上が活用している Twitter が第 1 位に 目的は モチベーションを上げたい 記録に残したい 共有して安心したい が上位に 勉強専門アカウントについては約 5 割が興味 約 2 割が活用

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

1 単位対象学年 組 区分 1 年 必修 奥村秀章 黒尾卓宏 晝間久美 保健体育 保健 我が国の健康水準 健康であるための成立要因や条件について理解させ 飲酒や喫煙等の生活習慣について考える 薬物乱用 感染症 エイズの予防対策の重要性について認識させる ストレス社会への対処の仕方や身

平成25~27年度間

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平成 27 年度 全国体力 運動能力 運動習慣等調査の概要 平成 28 年 3 月 四條畷市教育委員会

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2017 年度春学期授業アンケート結果集計 実技科目 ( 科目別 ) < 補足 > 集計グループ授業科目別集計 < 集計明細 > 評価平均方法 アンケート回答数 1. 担当教員名 加藤健志 平均点 は回答番号を下記のように点数化して算出してあります 履修者数 授業科目 健康 スポーツⅢ

資料1-7 部活動指導員について

する・みる・ささえるの スポーツ文化

5. 注目競技ランキングは 1 位 水泳 ( 競泳 ) 2 位 サッカー ( 女子 ) 3 位 サッカー ( 男子 ) 注目度の高い競技ランキングは 1 位 水泳 ( 競泳 ) (53.7%) 2 位 サッカー ( 女子 ) (52.3%) 3 位 サッカー ( 男子 ) (46.8%) 4 位 マ

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問 3 問 1 で複数種目を回答した場合 指導形態について該当するものを選んでください ( 問 1 で複数種目回答していない場合は回答不要 ) 1 学校が選択した複数種目をすべての生徒に履修させている 2 学校が提示した複数種目から生徒が選択して履修できるようにしている 3 その他 ( 具体的な指導

Microsoft Word - 調査書等中学校先生記入用紙.docx

調査の結果 問 1 あなたの性別は 調査に回答していただいた生徒の性別は 男 が問 % 女 が 49.5% です 男 女 問 2 あなたは, 生まれてからずっと鈴鹿市に住んでいますか 生まれたときから鈴鹿市に ずっと住ん

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Water Sunshine

広報-表紙-p20(

最初に 女の子は皆子供のとき 恋愛に興味を持っている 私もいつも恋愛と関係あるアニメを見たり マンガや小説を読んだりしていた そしてその中の一つは日本のアニメやマンガだった 何年間もアニメやマンガを見て 日本人の恋愛について影響を与えられて 様々なイメージができた それに加え インターネットでも色々

平成18年度

難聴児童の伝える力を 高めるための指導の工夫 -iPadを活用した取り組みを通して-

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小学生の運動 スポーツ活動に関するアンケート 調査報告書 1 調査の概要 (1) 調査目的本市における小学生のスポーツ活動の実態を調査し 豊川市スポーツ振興計画 ( 改訂版 ) 策定のための基礎資料を得るため (2) 調査対象豊川市内小学校 6 年生の全児童学校数 26 校児童数 1,825 人 (

p 札幌市小学校).xls

データ概要調査対象 : 留学ジャーナルから 7 月 ~9 月に短期留学 (1 週間 ~4 週間の留学を指す ) した大学生に任意で実施したアンケート調査の結果調査人数 :64 名調査期間 :2016 年 9 月 26 日 ~10 月 16 日 留学期間 1 週間以内 2 週間 3 週間 4 週間 合

第174期 中間株主通信

平成 28,29 年度スポーツ庁委託事業女性アスリートの育成 支援プロジェクト 女性アスリートの戦略的強化に向けた調査研究 女性アスリートにおける 競技力向上要因としての 体格変化と内分泌変化の検討 女性アスリートの育成 強化の現場で活用していただくために 2016 年に開催されたリオデジャネイロ

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

平成23年10月23日

世の中の人は信頼できる と回答した子どもは約 4 割 社会には違う考え方の人がいるほうがよい の比率は どの学年でも 8 割台と高い 一方で 自分の都合 よりみんなの都合を優先させるべきだ は 中 1 生から高 3 生にかけて約 15 ポイント低下して 5 割台にな り 世の中の人は信頼できる も

平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)

平成 30 年度 (2018 年度 ) 福岡県強化指定選手標準記録 ( 女子 ) ナショナル選手標準記録の %(1/1000 切捨て ) 女子種目自由形背泳ぎ平泳ぎバタフライ 個人メドレー 学年距離 50m 100m 200m 400m 800m 1500m 100m 200m 100m 200m

【最終】平成28年度活動状況調査結果

7月に中学校に送付

質問 現在行っているスポーツや運動の種目はなんですか? ウォーキング 散歩 が 26 人で最も多く 2 位の 筋トレ ジム 76 人の 倍以上の人数でした 次いで ゴルフ の 68 人 ジョギング の 48 人でした 質問 4 スポーツ 運動を行っている場所はどこですか? 遊歩道 が 19 人で最も

「新入社員意識調査」に関するアンケート調査結果

P5 26 行目 なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等の関係から なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等から P5 27 行目 複式学級は 小規模化による学習面 生活面のデメリットがより顕著となる 複式学級は 教育上の課題が大きいことから ことが懸念されるなど 教育上の課題が大きいことから P

Q 6 本会場施設や大会期間中の練習会場施設で応募することはできますか? できません 本会場及び大会期間中練習会場 ( 公式練習会場 ) は本大会の 1 週間 ~ 数ヶ月 前は会場準備に向けて設営が行われ 他目的での利用が困難となる状況が想定されます Q 7 練習施設の IF 基準確認を行ってもらう

報道関係各位 2012 年 1 月 25 日 株式会社ベネッセコーポレーション 代表取締役社長福島保 高校受験調査 ~ 高校 1 年生は自らの高校受験をどのように振り返っているのか ~ 高校受験を通じて やればできると自信がついた 71% 一方で もっと勉強しておけばよかった 65% 株式会社ベネッ

平成23年10月23日

1. はじめに平成 24 年に本県で開催された第 67 回国民体育大会 ( ぎふ清流国体 ) から 5 年が経過した 平成 24 年まで地元国体に向けて進められてきた強化が 国体の終了時点で終わりではなく 新たなスタートと考えてきたが その後 強化がさらに発展的に進められたとは言い難い そこで 本研

1 はじめに富山県では 平成 6 年度全国高等学校総合体育大会および平成 12 年 2000 年とやま国体に向けて 選手の競技力向上 体力増強を目的とした対策が行われ 各大会では大きな成果を上げてきた そして現在 2020 年の東京オリンピックも見据え 本県競技力の更なる向上を目指し 監督 コーチ

活動状況調査

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資料3 高校生を取り巻く状況について

本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

第 2 章計画の背景 1 ぎふスポーツ振興計画の総括 1 ぎふスポーツ振興計画について本県では 平成 17 年 3 月に ぎふスポーツ振興計画 を策定し スポーツ王国 ぎふ の実現を目指して (1) 生涯スポーツの振興 (2) 競技スポーツの振興 (3) 学校における体育 スポーツ の3つの分野を主

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

東播地区中学校総合体育大会要項2014

第2章マレーシア人海外旅行市場の現状

2017 年 9 月 8 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2017 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ


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し環境の整備や 大会 合宿等の誘致 グッズや特産品の物販 体験型観光など スポーツを生かしたにぎわいの創出を進めることにより 交流人口の増加を図るとともに 将来的な市への移住 定住の促進を目指す 事業 スポーツを生かした交流によるにぎわい創設事業 KPI 観光交流客数 地域ブランド調査魅力度全国ラン

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小学生の英語学習に関する調査

表 6.1 横浜市民の横浜ベイスターズに対する関心 (2011 年 ) % 特に何もしていない スポーツニュースで見る テレビで観戦する 新聞で結果を確認する 野球場に観戦に行く インターネットで結果を確認する 4.

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

1. 子どもとの朝活歴 半数近くに上る Q. 朝活 について質問です 子どもと一緒に何らかの朝活をしたことがありますか? もしくは現在朝活をしていますか? ( 単一回答 N=417) 子どもと一緒に朝早くに何らかの活動に取り組んでいるかを質問したところ 現在 朝活している と回答したのは全体の 43

Transcription:

部活動としての水泳の今後の在り方について 水泳専門部山形県立寒河江高等学校白田亜弓

1 1 はじめに 2016 年 リオデジャネイロオリンピックの年が開けた 水泳競技においては32 年ぶりの水球男子オリンピック出場決定や競泳の若手選手の活躍などますます盛り上がりを見せ センターポールに日の丸を! のスローガンのもと 大きな目標に向かっている 山形県においては 各学校の顧問の先生方とスイミングクラブ等コーチの方のご尽力により 毎年全国で活躍する選手を輩出してきている しかし 県高校総体などの大会出場人数は数年前に比べると減少してきており この状況がさらに進めば 競技力低下を招くことにもなりかねないのではということが懸念されている また 本校においては部員不足がより深刻であり 水泳部の部員数は過去 3 年で19 名 14 名 6 名と激減しており 現在は現 2 年生の2 名のみとなってしまった さらに 本校の生徒会規約には 部において部員がなく活動停止期間が1 年を越えたとき 愛好会に降格となる とあり 来年度の新入部員が入らなければ 水泳部は秋に降格になるという危機的状況にある そのため 今後どのように部員を確保していくかが本校水泳部の現在の大きな課題となっている このように部員不足に悩む学校がある一方で 近年水泳部のない学校からの大会出場も見られるようになった また 部活動の意義や位置づけが全国的なニュースになるなど 部活動の在り方が問われているが 本県では少子化による問題も出てきている そこで 本研究では本校の1 年次生と県内の水泳部員からのアンケートを基に 今の高校生がどのような観点で部活動を選択するのか等についての意見をまとめ 今後の山形県における水泳競技の活性化や競技人口の増大に役立てるものとした また 各校の先生方から部活動の現状と課題を出していただき 今後の部活動の在り方を探ってみることにした 2 研究の方法 (1) 調査方法アンケート調査 (2) 調査対象 1 山形県立寒河江高等学校平成 27 年度入学生 2 平成 27 年度山形県高等学校総合体育大会水泳競技に出場の生徒 3 平成 27 年度山形県高等学校総合体育大会水泳競技出場校の引率教員 (3) 調査期間平成 27 年 6 月 26 日 ~28 日 (4) 調査内容以下の記述内容による 3 結果と考察 (1) 高校生の部活動選択に関する意識について 寒河江高校平成 27 年度入学生からのアンケートより ア ) 回答人数内訳 男子 女子 合計 107 85 192

イ ) これまでのスポーツ経験 ( 複数回答可 ) ウ ) 高校の部活動を選んだ理由 ( 複数回答可 ) 2 剣道 12 前からやりたかった 48 サッカー 19 親の勧め 7 卓球 25 友達に誘われた 24 ソフトテニス 25 先輩に誘われた 15 テニス 9 雰囲気が良かった 36 バスケ 14 先輩が魅力的 25 バレー 18 新しいことを始めたい 61 陸上 15 中学でやっていた 81 野球 32 部活動見学をしてみて 58 水泳 104 部活動紹介を見て 22 0 20 40 60 80 100 120 エ ) 中学での部活動を継続したか オ ) 入部を決めた時期 0 20 40 60 80 100 5% 入学前 58% 42% はい いいえ 45% 42% 部紹介後 部見学後 8% その他 カ ) 高校で部活動に入った決め手は何ですか ( ) 内は同様の意見の数 楽しそう 面白そう(12) 部活の雰囲気が良さそう(20) 部活動見学で先輩の姿が格好良かった(9) 部活動見学で優しく教えてもらった(5) 部活動の様子で本気度が伝わった(3) 体験してみて楽しかった(7) 初心者からでも始められそう(3) 憧れの先輩がいたから(7) 勉強との両立ができる(2) やりがいがあるという言葉に惹かれた 自分が必要だと言ってもらった 指導していただきたい先生がいる 経済的負担が軽い(2) 練習があまりハードでない(4) 部活動紹介の実演で興味を持った(3) 部活動紹介での面白いパフォーマンス(10) 先輩の技術の高さと成績に感動した(7) 中学で悔しい思いをしたからまた挑戦する(2) 参考 ) 平成 27 年度の寒河江高校における部活動入部までの流れ 4 月 7 日 ( 火 ) 入学式 4 月 8 日 ( 水 ) 部活動紹介 1つの部につき3 分で部活動の紹介や実演を行う 4 月 8 日 ( 水 )~17 日 ( 金 ) 部活動見学 体験期間 4 月 20 日 ( 月 ) 部活動登録 イ ) より 習い事としての水泳の人気は非常に高く 生徒の半数以上に習った経験があった しかし 4 泳法を習得したタイミングで辞めてしまったり 他の部活動を選んだり 進んだ中学校に水泳部がなかったりという理由からか 本校の生徒においては高校で水泳を続けることにはつながらなかったようだ

3 ウ ) より 高校の部活動を選んだ理由の一位は 中学校でやっていた であり 次いで 新しいことを始めたい が多かった また エ ) の結果からも中学の部活を継続していない生徒の割合の方が高いことがわかった 高校には中学校にはなかった部活動があったり 選択肢が増えたりするため 新しいことにチャレンジしたいという希望を持って入学する生徒も多いのではないかと考えられる オ ) より 入部を決めた時期は 入学前 と 部活動見学期間後 がほぼ同率であった これは 中学校での部活動を継続する生徒は入学前から入部を決めていることが多く 反対に新しい部に入る生徒は部活動見学後に決めていることからではないかと考えた なお 部活動紹介後 が少数であるのは 各部の紹介を見るだけでは決め手にはならず 興味を持った部活動での見学や体験を通して決断に至るのではないかと考えられる カ ) の回答からもそのことが読み取れる なお 本校の部活動入部までの流れを参考 ) に示した カ ) より 部活動を選択するにあたり 先輩の姿や楽しさなどの部活動全体の雰囲気を重視している生徒が多いようだ また 学業との両立や経済面での理由を挙げた生徒もおり 生徒はその競技をやりたいという気持ちだけではなく その部活動の居心地の良さ 続けられる環境かどうかや充実度など 様々な観点で部活動を選択しているようだ さらに 先輩からの言葉にも大きく影響を受けていることもわかった 県内水泳部生徒からのアンケートよりケ ) 回答人数内訳 1 年 2 年 3 年 合計 男子 49 52 51 152 女子 27 26 31 84 合計 76 78 82 236 コ ) 中学でも水泳部だったか サ ) スイミングクラブに通った経験 15% 12% はい あり 85% いいえ 88% なし シ ) 高校選択で水泳部の有無を考えたかス ) 高校で水泳部を選んだ理由 ( 複数回答可 ) 先輩に誘われた 32 親の勧め 18 32% 68% はい いいえ 他にやりたいことがない水泳選手への憧れ泳げるようになりたい 24 18 64 水泳の仲間が好き 94 水泳が好き 133 記録に挑戦したい 115 0 50 100 150

セ ) 部員確保のため 新入生にどのようなアプローチが有効だと思うか ( ) 内は同様の意見の数 4 < 勧誘するときに効果的だと思われる言葉など> 水泳の楽しさを知ってもらうしかない(29) 体力がつくし 生涯スポーツである(11) 海で遊ぶときに役立つ(4) 高校からでもOKという雰囲気を出す 消費カロリーが多いのでダイエット向き(7) 理想的な体型になる(5) 目標に向かって努力している様子を見せる(4) 他競技に比べて故障が少ない(2) 大会の時の盛り上がりが楽しい 小学校の教員や体育の教員になるために 種目が多いため 大会出場しやすい(5) は水泳が必修である 達成感がある(4) 頑張った分だけ結果が出る(3) ベストが出たときの嬉しさや泳ぐ楽しさ 夏はとても気持ちがよい(2) 楽しそうな活動の動画を流す(15) 全国での活躍を知ってもらう <その他 > 学校関係なくみんなで応援するようにする(2) 学校にプールをつくる 室内施設の充実(14) 水泳の授業を楽しいものにする(4) 上位選手だけでなく下位選手の合宿の実施(2) 大会での50m 種目を増やす (3) イベントを開催( シンクロ 有名選手 )(5) 普通高校の推薦入試を復活させる(3) 学習と両立できる環境にする(2) 指導者の育成(2) クラブではなく学校での練習を推進する 無理にしなくても やりたい人でよい(5) 小中学生を増やす 辞めないようにする(9) 大会に観に来てもらえるようにする 練習をもっと楽しい雰囲気にする(6) 始めやすいようにメニューを考慮する(11) 水泳のアニメやドラマを増やす(3) コ ) サ ) より 水泳部は経験者からの入部が大半であることがわかった この理由の一つとして 水泳部は中学校でも高校でもスイミングクラブに所属して練習を行っている場合が多いため スイミングクラブに入会しないと入部できないという印象が強いのではないかということが考えられる その結果 生徒にとっては敷居の高い部活になってしまっているのではないだろうか セ ) でも意見が出ていたが もし学校のプールで練習をすることができ そのイメージが浸透すれば 高校からでも入りやすくなるのではないかと考えられる それが難しいとしても 初心者やブランクのある生徒を積極的に受け入れられる環境であることは 今後競技人口を増やしていくためには必要不可欠である シ ) より 水泳部の有無を考えずに高校を選択した生徒の割合が32% と 予想より多い結果となった その理由は今回の調査からは読み取ることができなかったが 水泳をやりたいからこの学校に入りたい という生徒は多くはないのではないかと思われる またこれは推測であるが 近年は中学校でも外部でスポーツを行う生徒が増えていると聞くため そのことも関係している可能性もあるのではないだろうか オ ) より 高校で水泳部を選んだ理由は 水泳が好き 記録に挑戦したい 水泳の仲間が好き の項目が高く やはり競技そのものの魅力にひかれて入部した生徒が多いようだ そのことがセ ) にも表れており 勧誘するときに効果的だと思われる言葉では 水泳の楽しさを知ってもらうしかない という声が最も多かった 水泳部員として水泳の魅力を十分知っているからこその意見だと感じる また 水泳が習い事として人気がある理由として 比較的道具を揃えやすく 始めやすいスポーツであることがある さらに 健康の保持増進に効果があることもあり 運動部に入りたいと考えている生徒へこの点をアピールすることは有効であると考えられる その反面 やりたい人だけやればよい という意見もあり 現水泳部にとっては目の前に廃部などの危機がなければ 部員の減少は特に問題として感じていないと考えられる

(2) 部活動における各校の現状と課題について 県内水泳部顧問からのアンケートより ソ ) 回答人数内訳 村山 最北 置賜 田川 飽海 合計 12 1 4 4 4 25 5 タ ) 水泳部の有無 チ ) 練習場所 0% 4% 28% 72% ある ない 40% 56% 学校スイミング両方夏のみ学校 ツ ) 水泳部の運営上の課題 ( ) 内は同様の意見の数 部員不足(3) 練習がクラブのため 部員としての連帯感を 登録料 参加費が出ない 持たせるのが難しい (2) 生徒は自己負担 教員は学校負担 練習がクラブのため 先生方に活動が見えにくい 専門の教員がいないため実技指導が難しい 市民プールの使用料金がかかる クラブの指導に依存しているため 学校で 外部練習場所の使用割当レーンが少なく は部活動として認められていない 練習に十分対応できない 次の外部コーチの目処が立っていない(2) スイミングクラブとの連携 テ ) 部活動に関わる課題 ( ) 内は同様の意見の数 < 学校の統廃合やクラス減に関わる問題 > 顧問不足(3) 派遣費削減 部員の自己負担の増加(2) 部活動数の維持が困難(2) 団体種目の部員数減 団体種目の部員数減 小規模の部活動の生き残りが厳しくなっている 教員数に対して部活の数が多い ため 特定の競技人口が減少するのでは <その他 > 部員の募集停止のタイミングをどうするか 実技指導ができる教員が多くない 土日の部活動の対応 文化部を希望する職員が多い タ ) より 県高校総体出場校の28% が水泳部のない学校からの出場であった 高体連主催の大会では当該校の引率を必要とするため 今回出場した高校の28% の学校からは生徒課や担任を中心に引率していただいたということになる シ ) での水泳部の有無を考えずに高校を選択した生徒が32% であったことも少なからず影響しているのではないだろうか 水泳部がない高校でも水泳を続けたいと希望し 大会への出場を学校側でも認めてくださっていることは嬉しいことだが 引率の観点からは自分の部活動の他に引率をしなければならないことは負担にもなってしまうこともある 各校の学校説明会などの機会を活用して部活動の紹介をしていただくなどして 水泳部に所属して頑張りたいという生徒が増えることを期待したい

6 チ ) より 練習はスイミングクラブで行っているという学校が過半数であった 次に多い 両方 は 夏は学校のプールで 冬はスイミングクラブに所属してという学校や 年間を通してスイミングクラブでの練習と学校練習を掛け持ちしている生徒など 内容は様々である 水泳は冬期間にもほぼ毎月大会があり また 夏季シーズンに向けて冬期間に量的に追い込むことが非常に重要であることから 年間を通してしっかりトレーニングを積むことができる環境が望ましい しかし 学校の施設で通年の練習ができる環境はほとんどないため スイミングクラブに所属しての練習に頼らざるを得ないという現状もある さらに ツ ) の結果から 水泳部の運営上の課題にスイミングクラブとの関わりを挙げた先生が目立った 日頃から生徒やコーチの方々との情報交換を行い 共通理解を図るなど 学校とスイミングクラブが両輪となって生徒を育てていくことが必要であると感じた テ ) より 部活動に関わる各校の課題は少子化による学校の統廃合やクラス減に関わるものが多かった また 教員数減による業務量の増加からか 積極的に部活動の指導を行いたいという教員も少なくなっているようだ 水泳は外部での活動が多いため 部活動の統廃合の話題が出たときに候補に挙がりやすい部活動である それを避けるためにも 水泳部のある学校は部員の確保と競技力向上に努めていくことが求められていくのではないだろうか 4 まとめ今回 なんとか部員 ( 競技人口 ) を増やしたいという願望がありこのようなアンケートを取らせていただいた やはり高校から水泳を始めるという生徒はごく少数であり 部員の獲得には小学校や中学校で水泳に取り組んできた生徒をどのように継続させるかが重要だと感じた 本校生徒の半数以上が水泳経験者だったのにも関わらず 今年度の新入部員がゼロだったことは 私たちの努力不足であったことに他ならない 高校生が部活動を選ぶ決め手は体験したときの印象が大きく影響するということだったので 部活動紹介で興味を持たせ 活動場面を見学したり 体験をして先輩と接したりする機会を設けることが必要である 水泳の体験を4 月に学校で行うことは難しいが 実際に活動をしている場面で直接 個々に水泳の魅力を伝えることが大事なのだと思うので 泳ぐことは難しくても 来年度は一緒に何かの活動を行ったり 先輩部員と接したりすることができるようにしていきたい また 部員確保のためには水泳の魅力をアピールすることの他に 水泳部の環境改善についての意見も多くあった これは新入部員のためだけではなく 現在の部員からの要望でもあるように感じられる 施設面や入試に関わることは難しいところもあるが 下位選手の合宿の実施など 実現できそうなものについてはぜひ専門部で検討していきたい 部活動における各校の現状と課題についての調査では 先生方がそれぞれ水泳部の生徒に熱心にご指導くださっていることが感じられた 山形県は水泳専門の先生が多いとは言えないため 日常の練習やスイミングクラブとの連携について苦心されているのではないかと思う なかには数校での合同練習を通常の練習で行っているところもあるので 顧問同士の情報共有や合同練習会の実施 さらには近隣の民間プール 公営プールとの連携など お互いに協力し合いながら指導を行う体制ができれば 部員不足や競技力低下の懸念も軽減されていくのではないかと考えた この研究を進めるにあたり 各校の水泳部員および引率の先生方には お忙しい中アンケートにご協力いただいたことに心から感謝申し上げたい 今回の調査を活用し 山形県の水泳界がさらに盛り上がり 水泳専門部から29 年南東北インターハイや2020 年東京オリンピックで活躍する選手を輩出できるように微力ながら尽力していきたい