賢い主婦の家づくり入門 ~ 資金準備とお得な制度利用術 ~
人生の 3 大支出とは? 老後資金 教育資金 住宅取得資金 1
老後資金はいくら必要? 夫婦 2 人の老後生活費最低限必要な月額 23.2 万円 余裕ある老後の月額 38.3 万円 夫婦 2 人の公的年金額 2010 年度の標準的な年金月額 2038 年度の標準的な年金月額の試算額 23.2 万円 18 万円 生命保険文化センター 平成 19 年度生活保障に関する調査 厚生年金は 夫が平均的収入 ( 平均標準報酬 36.0 万円 ) で 40 年間就業し 妻がその期間全て専業主婦であった世帯の年金額 2
教育資金はいくら必要? 幼稚園 小学校 中学校 高等学校 大学 授業料 公立 23 万円 31 万円年額 (1.9 万円 )(2.6 万円 ) ( 月額 ) 48 万円 (4 万円 ) 40 万円 (3.3 万円 ) 国立 53 万円 大学入学金 28 万円 私立 54 万円 139 万円 124 万円 86 万円文系年額 (4.5 万円 )(11.5 万円 )(10 万円 )(7.2 万円 ) 103 万円 27 万円 ( 月額 ) 文部科学省 平成 20 年度子どもの学習費調査 金融広報中央委員会 大学初年度納入金 (2008 年度 ) 高等学校の教育資金は 授業料無償化を考慮し調査金額から 12 万円を差し引きました 幼稚園 小学校 中学校 高等学校の金額には給食費 旅行積立 校外活動費を含む 3 Copyright 2010 さかいFP 社会保険労務士事務所
住宅取得資金はいくら必要? 平成 20 年度中にフッラト 35 の申請 承認があったもののうち 新潟県の注文住宅の一戸あたり建築費平均額は 2,777 万円 ( 土地購入費は含まず ) 住宅金融支援機構 平成 20 年度フラット 35 利用者調査報告 4
住宅取得資金づくりの鉄則 1. 自己資金 ( 現金 ) を準備する! 2. 住宅ローンは 返せる額 で考える! 3. ローンの返済期間は定年までとする! 5
自己資金はどれくらい必要? 物件価格 ( 土地代含む ) ローン借入限度額 8 割 頭金 2 割 諸費用 1 割 自己資金 借入限度額は物件価格の 8 割の場合が多い 最低 2 割の頭金となる現金が必要 諸費用はローン実行前に必要になるものが多い 現金で用意すべき 耐久消費財購入費 諸費用や耐久消費財購入費は物件価格に入らない 建築費が予定外に増えると資金不足になることも 耐久消費財とは 家具や家電 カーテン 照明器具など 6
自己資金をつくる 1. 貯蓄 1 住宅財形貯蓄の活用 勤務先に財形貯蓄制度のある 55 歳未満の勤労者は誰でもできる 元利合計 550 万円まで利子非課税で貯蓄できる 1 年以上継続し 貯蓄残高が 50 万円以上あると低金利で融資が受けられる 融資限度額は貯蓄残高の 10 倍以内で最高 4,000 万円まで 2. 両親からの援助 1 住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の特例措置の活用 父母 祖父母から住宅取得資金援助について贈与税を非課税とする特例 最大 1,610 万円までの贈与について贈与税非課税 2 相続時精算課税制度の活用 父母からの住宅取得資金援助について最大 2,500 万円までの贈与について贈与税は非課税とし 相続が発生したときに相続税の課税対象とする 7
借りられる額 = 返せる額? 借りられる額 とは? 借入限度額 物件価格の何割まで融資可能かを示している ただし 年収に対する返済負担率や個々人の事情なども加味されるので表示の借入限度額より実際の限度額が低くなる場合もある < フラット 35 の場合 > 借入限度額 :100 万円以上 8,000 万円以下 (1 万円単位 ) で 建設費または購入価格の 100% 以内年収に占める年間合計返済額の割合が下記の基準を満たしていること 年収 400 万円未満 400 万円以上 基準 30% 以下 35% 以下 年収 400 万円年間返済率 30% で考えた場合 400 万円 30% = 120 万円返済月額 10 万円となる ローン返済以外の生活資金は 280 万円 ( 月額 23.3 万円 ) 8
年収 = 手取額 ではない! 年収 400 万円に対する手取額 ( 可処分所得 ) 年間収入 1400 万円 所得税 214.8 万円 給与所得控除 社会保険 住民税 325.6 万円 料控除 配偶者控除 基礎控除を行い計算した 社会保険料 452 万円年収の 13% とした 1 ー (2+ 3+ 4)= 307.6 万円 ( 可処分所得 ) 年収 400 万円年間返済率 30% で考えた場合 400 万円 30% = 120 万円返済月額 10 万円となる 生活資金は 307.6 万円ー 120 万円 = 187.6 万円 ( 月額 15.6 万円 ) 9
返せる額 の目安は? 購入前に負担していたもの 家賃駐車場代など + 住宅購入のための積立金 購入後に負担するもの 住宅ローン返済額 + 住宅維持費修繕費など 固定資産税 ( 毎年 ) 固定資産税評価額 6 分の 1 1.4% (200 m2までの住宅用地 ) 都市計画税 ( 毎年 ) 固定資産税評価額 3 分の 1 0.3% ( 200 m2までの住宅用地 ) 住宅修繕費積立 光熱費の増加分 教育資金に不足がある場合は 教育資金の準備も考慮して無理のない返済額を考える 10
返せる額 からの資金計画 柳都家 の資金計画 柳都一雄 35 歳 会社員 ( 定年 65 歳 ) 年収 600 万円 ( 可処分所得 483 万円 ) 洋子 33 歳 専業主婦 裕太 5 歳 幼稚園年長 1 現在の貯蓄額 1,000 万円内住宅取得資金 700 万円 約 1 年間の生活資金を残す! 現家賃積立維持 修繕費 返せる額 2 6 万円 + 3 万円 - 3 万円 = 6 万円 3 60,000 円 39,773 円 1,000 万円 = 1,508 万円 利率 2.55% 4 返せる額 早見表の額借入額 希望物件価格 3,000 万円自己資金 1,892 万円 諸費用 300 万円借入金 1,508 万円 消費財 100 万円 ボーナス年間 100 万円と 36 万円 ( 月 3 万円 ) は貯蓄 費用合計 3,400 万円資金合計 3,400 万円 借入期間 30 年 5 700 万円ー 1,892 万円 = 1,192 万円 11
返せる額 からの資金計画対策編 対策 1 贈与税の住宅特例を活用する 1,192 万円の援助を受ける 対策 2 物件価格を引き下げる 1,192 万円 1.1= 1,083 万円 ( 超過額 ) 3,000 万円ー 1,083 万円 = 1,917 万円 ( 物件価格 ) 対策 3 物件価格の引き下げ と 住宅ローンの見直し 自己資金 ( 現金 )700 万円を頭金 諸費用 消費財購入費にあてる 現金消費財購入費頭金諸費用借入額 (700 万円ー 100 万円 ) (20% + 10%) = 2,000 万円 希望物件価格 2,350 万円自己資金 685 万円 諸費用 235 万円借入金 2,000 万円 消費財 100 万円 費用合計 2,685 万円資金合計 2,685 万円 利率当初 10 年 1.51% 11 年目以降 2.51% 借入期間 35 年 3 年後に 250 万円繰上返済 ( 期間短縮で借入期間を 30 年に短縮 ) 12
今年スタート!! お得な制度 住宅エコポイント制度 屋根や外壁 窓などの断熱性を強くして冷暖房の消費エネルギーを減らすエコ住宅を新築やリフォームすると 1 点 1 円換算のポイントがもらえる エコ住宅の新築の場合 省エネ法のトップランナー基準の住宅 省エネ基準 ( 平成 11 年基準 ) を満たす木造住宅が対象となります 得 < 対象工事期間 > < 発行ポイント数 > 30 万円平成 21 年 12 月 8 日 ~ 平成 22 年 12 月 31 日に建築着工一戸あたり一律 300,000 点し 平成 22 年 1 月 28 日以降に工事が完了したもの < ポイントの申請期限 > < ポイントの交換期限 > 一戸建て住宅 : 平成 23 年 6 月 30 日まで 平成 25 年 3 月 31 日まで 共同住宅等 : 平成 23 年 12 月 31 日まで 13
今年が一番!! お得な制度 住宅取得等資金の贈与に係る贈与の特例措置 父母 祖父母から住宅取得資金援助について贈与税を非課税とする特例 イ. 平成 22 年中に贈与を受けた場合 非課税限度額 1,500 万円ロ. 平成 23 年中に贈与を受けた場合 非課税限度額 1,000 万円 1,600 万円の贈与の場合 通常の贈与なら基礎控除課税価格 1,600 万円ー 110 万円 =1,490 万円 贈与税 520 万円を払うことに!! 住宅特例なら基礎控除非課税額課税価格 1,600 万円ー 110 万円ー 1,500 万円 =0 円 贈与税 0 円 得 520 万円 14
今年限定!! お得な制度 フラット 35S( 優良住宅取得支援制度 ) 優良住宅取得支援制度の技術基準を満たす住宅の新築 中古住宅の購入の場合 フラット 35 のお借入金利を当初 10 年間 引き下げる商品です フラット 35 とは 民間金融機関と住宅金融支援機構が提携する長期固定金利の住宅ローンです 借入 2000 万円元利均等 35 年返済ボーナス返済無し 平成 22 年 5 月金利状況 当初 10 年 金利 11 年目以降 総返済額 フラット 35 2.510% 3,008 万円 フラット 35S 2.210% 2.510% 2,944 万円 フラット 35S 平成 22 年中申込 1.510% 2.510% 2,800 万円 208 万円 114 万円 返済期間が 21 年以上 35 年以下の場合の金利幅 2.510%~3.460% ( 取扱金融機関が提供する金利で最も多いのは 2.760%) 得 得 15
今年も使える!! お得な制度 住宅ローン減税 ( 住宅借入金等特別控除 ) 住宅を取得したときに納税者の税負担を軽減するために 住宅の取得のための借入金の一定割合を 一定の要件のもと 所得税から控除するものです 所得税から控除しきれない場合は 控除しきれなかった分を翌年の住民税から減額します 一般住宅 長期優良住宅 居住年 2010 年 2011 年 2010 年 2011 年 控除期間 10 年 10 年 10 年 10 年 住宅ローン対象残高 5,000 万円 4,000 万円 5,000 万円 5,000 万円 控除率 ( 毎年 ) 1.0% 1.0% 1.2% 1.2% 10 年間の最大控除額 500 万円 400 万円 600 万円 600 万円 会社員の夫 妻 子ども 1 人の世帯 ( 扶養 2 人 ) 2,000 万円借入 金利 2.51% 35 年返済の場合 得一般住宅なら 178 万円長期優良住宅なら 212 万円 得 16
賢い主婦の家づくり入門 でご紹介した内容は 平成 22 年 5 月現在の法律及び実施機関の発表にもとづいております また 事例では設定された年収や家族構成は架空のものであり 住宅ローン減税につきましては 年収 家族構成ともに 10 年間変化しないことを前提としております 経済情勢の変化や家族構成の違いにより 得られる結果は異なりますので 実際に各制度のご利用をご検討の際は 金融機関や建設会社 ファイナンシャル プランナー 税理士など各分野の専門家にご相談ください セミナーについてご不明な点などございましたら お気軽にお問い合わせください さかい FP 社会保険労務士事務所酒井和美 新潟市西区寺尾朝日通 10-28 TEL 025-201-8094 FAX 025-230-6439 http://sakai-fp.jp/ E-mail:sakai@sakai-fp.jp