耐震診断に関すること 1. 耐震診断とは どのようなことをするのですか? [1-A] 図面と建物を確認し 計算により耐震性を算出します 耐震診断は 建物の地震に対する強さを計算するもので 建物が建っている土地の状況や建物基礎 壁の量と強さ 屋根の種類 建物の老朽度などを調べます このため 図面を参考にしながら 建物の外回りを目視で確認するとともに 室内から床下や天井裏を調査します また 必要により基礎の鉄筋の有無や建物の傾斜を測定することもあります なお 通常の戸建木造住宅ですと 現地での調査にかかる時間は1~2 時間程度となります 一般的には 調査終了後事務所で計算と報告書の作成を行い 後日 耐震性の説明が行われます 2. 県などで実施している無料耐震診断とは? [2-A] 専門の建築士が住宅の内部や外部を詳細に実地調査し 専門的な観点から判断して行う診断ではなく 建築職員が詳細な現地調査によらずに住宅所有者から住宅の現況を聴き取りながら図面等により判定する概略的な診断です したがって 診断の結果は一応の目安にはなりますが 保証するものではありません より 詳細な現地調査等工学的な判断を必要される場合は専門家による診断をお勧めします 3. 無料耐震診断はどこに申し込むのか? [3-A] 各総合支庁の建築課又は山形市にある すまい情報センター 及び山形市 鶴岡市 酒田市 米沢市 天童市の建築課で実施していますので先ずは 電話でご相談下さい
4. 専門家に有料で正式な耐震診断を依頼するにはどうしたらよいか? [4-A] 社団法人山形県建築設計事務所協会で 住まい近くの会員である設計事務所を紹介してくれます なお 木造住宅耐震診断事業を実施している市町村であればわずかな負担金で診断してもらえます 5. 古い家で図面がないが診断を受けられるか? [5-A] 建設年度が古くて図面がない場合でも耐震診断は受けられます ただし 一般診断法で診断する場合は図面がないため壁の中の仕様が不明のため安全側の診断となります なお 詳細な診断を希望する場合は精密診断により家屋の詳細な調査を行い診断することになります 6. 診断費用はどの位かかるのか? [6-A] 県等耐震相談の一環として行っている診断は無料ですが 通常 建築士に依頼して診断を行う場合には 面積にもよりますが 一般診断法 で行う場合は目安として 10 万円程度 精密診断法 で行う場合は18 万円程度かかります なお 国の補助金を活用して事業を実施している市町村では自己負担が6 千円から1 万円程度で 一般診断法 による診断が受けられます
7. 耐震診断の診断基準は何ですか? [7-A] 建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき認定されている 木造住宅の耐震診断法 による一般診断法及び精密診断法を診断基準としています 8. 耐震診断について補助制度はないのか? [8-A] 国土交通省の補助制度がありますが 市町村が事業を実施していないと補助が受けられませんので 市町村にお尋ねください なお 国の補助率は市町村が直接診断する場合は1/2 他の場合は1/3です ( 平成 19 年度現在 : 山形市 天童市 村山市 鶴岡市 真室川町 庄内町 三川町で実施 ) 9. 診断結果の評価はどう考えればよいのか? [9-A] 診断の結果 倒壊の可能性が高い 可能性がある と判定された場合は 震度 6 強又は7 程度の地震により倒壊する危険性があるので補強が必要となりますが 補強する内容や工事に要する費用等を勘案して 補強 するか 建替 するかを検討する材料として考えられます また 一般診断法による診断の結果に不確定要素が含まれており最終結果として不安がある場合には 精密診断で再度調査 診断することも考えられます
10. 木造住宅耐震診断士 とは? [10-A] 木造住宅耐震診断士 とは 国の補助制度を活用して市町村が木造住宅の耐震診断事業を実施する場合に使用している名称で 国家資格や特別な認定資格ではありませんが 事業を実施する場合に統一した診断ルールや診断法を使って診断するために市町村に認定登録していただく講習会を受講した建築士の方の呼称です 11. 無料で診断する民間業者があるが問題ないか? [11-A] 新聞の折り込み広告や訪問により 無料診断 を勧める場合があります その場合に注意することは 何の目的で無料で診断してくれるのか説明をしていただき 納得がいかない場合は断りましょう また 診断だけでは済まず補強工事や製品の押し売りを勧めてくる業者には知り合いの建築士に相談してみる旨を伝えて断りましょう 12. 家が建っている地盤が良くないが診断結果に影響するのか? [12-A] 家を建てる前の土地の状況や通行する車の振動により揺れを感じるなど地盤が悪い 場合には 診断する条件が不利になり 地震に対応する強度が割り増しされます 13. 古い家なので診断するまでも無いと思うがどうか? [13-A] 建築年次が不明で建物を支える基礎がコンクリートの布基礎などでない場合には 診断を行っても 安全 との結果は期待できませんし 補強する場合も多くの工事を要すると考えられますので 建替えを前提に検討することをお勧めしますが 古くても診断により自分の家がどれだけ耐震性があるか判りますので検討されてはいかがですか
14. どんな構造の住宅でも診断できるのか? [14-A] 一般的な診断法により診断できる構造は 木造在来軸組構法 伝統的構法及び枠組壁工法で建築された住宅で3 階建までのものが対象となります 丸太組やプレハブ工法の住宅は個別の対応が必要です 15. 木造住宅の一部が鉄骨 ( 又は鉄筋コンクリート ) でできて いますが 診断対象となりますか? [15-A] それぞれのケースで異なります 鉄骨 ( 又は鉄筋コンクリート ) が どこにどの程度使われているか異なります 詳しくは 総合支庁へ御相談ください 16.1981 年 ( 昭和 56 年 ) 以前の住宅は耐震診断を受けた 方が良いのか? [16-A] 建築基準法で耐震基準が 1981 年 ( 昭和 56 年 ) に改正され 新耐震基準 と言われている基準で建てられた住宅は 阪神 淡路大震災でも大きな被害は受けていないと言われています 問題は それ以前に建てられた住宅の耐震性が不安な事です 1981 年 ( 昭和 56 年 ) 以前に建てられた住宅であれば一度 耐震診断を受けて確認する方が良いでしょう ( 類似設問 P5 参照 ) 県では 無料耐震診断を実施していますのでご相談下さい
17. 診断の結果評点が 1.0 以上になったが わが家は震度い くつまで耐えられるのか? [17-A] 耐震診断の結果が 1.0 以上で一応安全と評価された場合は その建物が昭和 56 年に改正された新耐震基準で建てた建物と耐震性は同等と評価され 稀に発生する ( 数十年に一度程度 ) 地震 に対して倒壊 崩壊しない程度の耐震性があると言われています 具体的にどの震度まで大丈夫とは言えませんが 新耐震基準で建築された木造住宅は これまでの阪神 淡路大震災や新潟中越沖地震など近年発生している地震規模では大きな被害を受けていない模様です したがって 地盤状況によっても地震の影響は大きく異なりますし一概に言えないが震度階で 6 強 ~7 までは検証されているものと思われます なお 診断の結果 一応安全 の評価を受けても 今後の住宅の維持管理を忘れずに行ってください
18. 以前 無料診断で住宅を診てもらったが心配だったので別 の設計士に診断してもらったら結果が違った どっちの診断が正しいのか? [18-A] 以前受けた無料耐震診断の内容が判らないので何とも言えませんが 県が実施している図面だけの耐震診断で実際の住宅の老朽度合いなどは聴き取りで行った場合と 一般診断法の講習を受けて実際の住宅を調査した建築士による診断を行った場合では 診断の精度が異なりますので診断結果も異なる場合もあります 図面だけの診断は 実際の住宅が図面のとおりに建築されており 老朽度合いや地盤状況も問題がない前提で診断するため その診断結果は 目安 として参考にしていただくようにしています もし 他の建築士が無料診断と称して住宅の調査を行ったものであれば 実際の住宅の調査方法や精度が異なったことにより結果が違ったものと思われますので 一度 診断報告書を照合してもらうことをお勧めします ( 耐震相談窓口 : 総合支庁建築課 山形県建築設計事務所協会他 ) 耐震診断を受ける場合は 目安として行う県の無料診断の他 県や市町村が行う 耐震診断講習会 を受講した建築士の診断をお勧めします