109 非定型溶血性尿毒症症候群

Similar documents
6. 治療法非典型溶血性尿毒症症候群と診断されれば 血漿交換 血漿輸注療法が行われ 唯一の治療であった 非典型溶血性尿毒症症候群に対して 補体 C5 に対するモノクローナル抗体であるエクリズマブが 2013 年 9 月に本邦でも保険適応となり 治療効果が期待されている 7. 研究斑血液凝固異常症等に

Microsoft Word - 届出基準

ahus とは 疾患の定義 2013 年に 日本腎臓学会と日本小児科学会から 非 hemolytic uremic syndrome :ahus) は 図 1 のよ 典型溶血性尿毒症症候群 診断基準 が公表された うに定義された これにより 非典型溶血性尿毒症症候群 (atypical 図 1 ah

094.原発性硬化性胆管炎[診断基準]

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

溶血性尿毒症症候群 ver 最終.pptx

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

262 原発性高カイロミクロン血症

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

1治療 かっていたか, 予想される基礎値よりも 1.5 倍以上の増加があった場合,3 尿量が 6 時間にわたって 0.5 ml/kg 体重 / 時未満に減少した場合のいずれかを満たすと,AKI と診断される. KDIGO 分類の重症度分類は,と類似し 3 ステージに分けられている ( 1). ステー

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4


別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

耐性菌届出基準

ロミプレート 患者用冊子 特発性血小板減少性紫斑病の治療を受ける患者さんへ

Microsoft Word _ソリリス点滴静注300mg 同意説明文書 aHUS-ICF-1712.docx

Microsoft PowerPoint - 2.医療費プロファイル 平成25年度(長野県・・

大阪急総医誌 41(1):93~97,2019. 症 例 血栓性微小血管障害を合併したシェーグレン症候群の一例 免疫リウマチ科 行木紳一郎川崎貴裕小中八郎藤本潤 小林久美子 藤原弘士 病理科 城戸完介島津宏樹伏見博彰 Thrombotic microangiopathy in a patient w

pdf0_1ページ目

ROCKY NOTE 特発性血小板減少性紫斑病 Idiopathic thrombocytopenic purpura:itp(130109) 5 歳男児 四肢に紫斑 特に誘因なし 関節内出血なし 粘膜に出血無

診療のガイドライン産科編2014(A4)/fujgs2014‐114(大扉)

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め

公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研究事業 ( 平成 28 年度 ) 公募について 平成 27 年 12 月 1 日 信濃町地区研究者各位 信濃町キャンパス学術研究支援課 公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )


平成10年度高額レセプト上位の概要

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

輸血副作用の症状項目並びに診断項目表について

PowerPoint プレゼンテーション

pdf0_1ページ目


ある ARS は アミノ酸を trna の 3 末端に結合させる酵素で 20 種類すべてのアミノ酸に対応する ARS が細胞質内に存在しています 抗 Jo-1 抗体は ARS に対する自己抗体の中で最初に発見された抗体で ヒスチジル trna 合成酵素が対応抗原です その後 抗スレオニル trna

減量・コース投与期間短縮の基準

貧血 

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について

設問 3 FFP PC が必要になった場合 輸血できるものを優先する順番に並べてください 1A 型 2B 型 3O 型 4AB 型また 今回この症例患者は男性ですが 女性で AB 型 (-) だった場合 PC の輸血で注意する点はありますか? 患者は AB 型なので 4AB 型 >1A 型 =2B


スライド 1

PT51_p69_77.indd

ROCKY NOTE 血球貪食症候群 (130221) 完全に知識から抜けているので基本的なところを勉強しておく HPS(hemophagocytic syndrome) はリンパ球とマクロファージの過剰な活性

認定看護師教育基準カリキュラム

姫路赤十字_病院誌(論文)38号.indb

というもので これまで十数年にわたって使用されてきたものになります さらに 敗血症 sepsis に中でも臓器障害を伴うものを重症敗血症 severe sepsis 適切な輸液を行っても血圧低下が持続する重症敗血症 severe sepsis を敗血症性ショック septic shock と定義して

330 先天性気管狭窄症 / 先天性声門下狭窄症 概要 1. 概要気道は上気道 ( 鼻咽頭腔から喉頭 ) と下気道 ( 気管 気管支 ) に大別される 指定難病の対象となるものは声門下腔や気管に先天的な狭窄や閉塞症状を来す疾患で その中でも先天性気管狭窄症や先天性声門下狭窄症が代表的な疾病である 多

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

Microsoft Word 高尿酸血症痛風の治療ガイドライン第3版主な変更点_最終

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

適応病名とレセプト病名とのリンクDB

がん登録実務について

Transcription:

109 非典型溶血性尿毒症症候群 概要 1. 概要溶血性尿毒症症候群 (hemolytic-uremic syndrome; HUS) は 微小血管症性溶血性貧血 血小板減少 急性腎障害を3 徴候とする 5 歳未満の小児に多く見られる疾患である HUS の約 90% は下痢を伴い O157 等の病原性大腸菌に感染することで発症する 一方で 病原性大腸菌感染によらない HUS が約 10% 存在し それらは血栓性微小血管症 (thrombotic microangiopathy; TMA) から病原性大腸菌感染による HUS ADAMTS13 活性低下 (<10%) による血栓性血小板減少性紫斑病 (thrombotic thrombocytopenic purpura; TTP) 薬剤 移植などによる2 次性 TMA を除外したものとして 非典型 (atypical,a)hus と呼ばれている 病原性大腸菌による HUS は比較的予後が良いのに対し ahus では致死率が約 25% と予後が非常に悪い 海外では 毎年 100 万人に2 人発症 小児では 100 万人に7 人発症と報告がある 日本腎臓学会 / 日本小児科学会合同委員会による ahus の診断基準は 血栓性微小血管症 (TMA) から志賀毒素による HUS および ADAMTS13 活性著減による TTP を除いたもの としているが 医療費助成の対象とすべき疾病の範囲は 補体制御異常による ahus のみに対してであり 注意を要する 2. 原因 ahus はTMA を来す多彩な疾患を含み そのうちの一部が補体活性化制御因子の遺伝子異常によることが分かってきた これらの遺伝子異常は ahus 患者の約 70% で見つかっており 欧米では H 因子 (FH) の異常が高頻度で見られるが 本邦では C3 の異常が多い また 最近では血管内皮細胞上で抗血栓作用を持つトロンボモジュリン (TM) の遺伝子異常も原因の 1 つとして報告されている 3. 症状 ahus で見られる主な症状としては 血小板数の減少による出血斑 ( 紫斑 ) などの出血症状や溶血性貧血による全身倦怠感 息切れなどである また 高度の腎不全によって浮腫 乏尿が認められることもある 時に 発熱や精神神経症状などを認める場合がある 4. 治療法現時点での有効な治療法としては 血漿交換や血漿輸注などの血漿療法がある これらの血漿療法は 1970 年代後半から導入され ahus 患者の死亡率は 50% から 25% にまで低下した 補体活性化制御因子の異常によるものに対しては ヒト化抗 C5 モノクローナル抗体が有効であるが ヒト化抗 C5 モノクローナル抗体を用いるにあたっては付属の鑑別のための検査を参考に 診断基準の病因分類にある2~8 を除外することが重要である 5. 予後 ahus では その約半数が血液透析を必要とする高度の腎不全に至ると言われており 致死率が 25% と 高い理由は腎不全によるものである 1

要件の判定に必要な事項 1. 患者数 100 人未満 ( 研究班による ) 2. 発病の機構不明 ( 遺伝子異常などが示唆されている ) 3. 効果的な治療方法未確立 ( 血漿交換や血漿輸注などの血漿療法があるが根本的治療法なし ) 4. 長期の療養必要 ( 約半数が透析が必要な高度の腎不全に至る ) 5. 診断基準あり ( 日本腎臓学会および小児科学会関与の診断基準あり ) 6. 重症度分類研究班作成の重症度分類を用いて中等症以上を対象とする 情報提供元 非定型溶血性尿毒症症候群の診断法と治療法の確立研究班 研究代表者奈良県立医科大学輸血部教授藤村吉博 日本腎臓学会/ 日本小児科学会合同非典型溶血性尿毒症症候群診断基準作成委員会 委員長徳島大学小児科教授香美祥二 2

< 診断基準 > 病因分類における (1) 補体制御異常によるもののうち Definite Probable を対象とする Definite: 三主徴がそろい 志賀毒素に関連するものでないこと 血栓性血小板減少性紫斑病でないこと 微小血管症性溶血性貧血 ; Hb10g/dl 未満血中 Hb 値のみで判断するのではなく 血清 LDH の上昇 血清ハプトグロビンの著減 末梢血スメアでの破砕赤血球の存在をもとに微小血管症性溶血の有無を確認する血小板減少 ; PLT 15 万 /μl 未満急性腎障害 (AKI) ; 小児例 : 年齢 性別による血清クレアチニン基準値の 1.5 倍 ( 血清クレアチニンは 小児腎臓病学会の基準値を用いる ) 成人例 : AKI の診断基準を用いる Probable: 急性腎障害 (AKI) 微小血管症性溶血性貧血 血小板減少の3 項目のうち2 項目を呈し かつ志賀毒素に関連するものでも 血栓性血小板減少性紫斑病でもないこと 付則事項 1 志賀毒素産生性大腸菌感染症の除外診断 : 大腸菌の関与を確認する方法 : 培養検査 志賀毒素直接検出法 (EIA) 抗 LPS-IgM 抗体など 2 血栓性血小板減少性紫斑病 (TTP) の除外診断 : 従来 TTP は古典的 5 徴候で診断されてきた しかし ADAMTS13 の発見により TTP 症例は人種にかかわらず その 60 90% は ADAMTS13 活性が <5% と著減している事が判明した 従って ahus の診断において ADAMTS13 活性著減例 (<5%) は TTP と診断し これを除外する必要がある しかしながら TTP の古典的 5 徴候は今も臨床現場で用いられており この中には ADAMTS13 活性が正常ないし軽度低下に留まるものもある 従って ADAMTS13 活性 5% 以上を示す患者についてはその他の臨床症状も加味して ahus であるか TTP であるかを判断する 3 明確な他の原因による TMA の除外診断 : DIC 強皮症腎 悪性高血圧 抗リン脂質抗体症候群など TMA の病態を生じることが明らかな疾患を除外する 4 Probable に該当すれば ahus の可能性を念頭に置き 各種鑑別診断に必要な検査検体の採取に努める ahus の診療に精通した施設にコンサルトし治療方針を決定する 5 HUS の病態を呈し 以下の状況にある場合には 下痢の有無にとらわれず ahus を考慮する 生後 6か月未満の症例 発症時期が明確でない症例 ( 潜在性発症例 ) HUS の既往がある症例 ( 再発症例 ) 原因不明の貧血の既往 3

腎移植後 HUS の再発 HUS の家族歴 ( 食中毒事例は除外する ) 下痢や血便を伴わない症例 ahus (ADAMTS13 *1 欠損による TTP を除外 ) の病因分類 (1) 補体制御異常 : ( ア ) 先天性補体蛋白の遺伝子変異 : H 因子 I 因子 membrane cofactor protein(mcp, CD46) C3 B 因子 トロンボモジュリン *2 ( イ ) 後天性抗 H 因子抗体などの自己抗体産生 *3 (2) コバラミン代謝異常症 *4 (3) 感染症 *5 ( ア ) 肺炎球菌 ( イ ) HIV ( ウ ) 百日咳 ( エ ) インフルエンザ ( オ ) 水痘 (4) 薬剤性 *6 ( ア ) 抗悪性腫瘍薬 ( イ ) 免疫抑制薬 ( ウ ) 抗血小板薬 (5) 妊娠関連 ( ア ) HELLP 症候群 ( イ ) 子癇 (6) 自己免疫疾患 膠原病 *7 ( ア ) SLE ( イ ) 抗リン脂質抗体症候群 (7) 骨髄移植 臓器移植関連 (8) その他 *1 ADAMTS13 フォンビルブランド因子(von Willebrand factor, VWF) の特異的切断酵素 *2 溶血試験 補体蛋白 制御因子の蛋白量定量 遺伝子解析 ただし 補体蛋白や補体制御因子の蛋白量が正常範囲内であっても 補体関連の ahus を否定する根拠にはならない *3 ELISA ウェスタンブロット法による抗 H 因子抗体などの検出 *4 発症年齢で考慮 : 生後 6か月未満 血漿アミノ酸分析で高ホモシステイン血症 低メチオニン血症 *5 病原微生物の同定 血清学的検査による確定診断 4

*6 原因薬剤の同定 *7 自己抗体検査 抗リン脂質抗体検査 血清学的検査による確定診断 注 : 以下の鑑別のための検査を参考に 診断基準の病因分類にある (2)~(8) を除外すること < 鑑別のための検査 > コバラミン代謝異常症 : 血漿ホモシスチン 血漿メチルマロン酸 尿中メチルマロン酸感染症 : 培養 抗体自己免疫疾患 膠原病 : 抗核抗体 抗リン脂質抗体 抗 dsdna 抗体 抗セントロメア抗体 抗 Scl-70 抗体 5

< 重症度分類 > 中等症以上を対象とする ahus 重症度分類 1. 溶血性貧血 (Hb 10.0 g/dl 未満 ) 2. 血小板減少 (Plt 15 万 /μl 未満 ) 3. 急性腎障害 ( 成人は AKI 病期 2 以上 小児については添付表の年齢 性別ごとの血清クレアチニン中央値の 2 倍値以上 ) 4. 精神神経症状 5. 心臓障害 ( 虚血性心疾患 心不全等 ) 6. 呼吸障害 7. 虚血性腸炎 8. 高血圧緊急症 ( 多くは収縮期血圧 180mmHg 以上 拡張期血圧は120mmHg 以上を示し そのほかに高血圧に起因する標的臓器症状を有する ) 9. 血漿治療抵抗性 10. 再発例 11. 血漿治療または抗補体抗体治療依存性 軽症下記以外 中等症 1 と 2 を満たす 重症 1 あるいは 2 を満たし 3~11 のいずれかを満たす AKI 病期 (KDIGO 2013) 文献 KDIGO Clinical Practice Guideline for Acute Kidney Injury Kidney International Supplements (2012) 2,1-138 血清クレアチニン 尿量 病期 1 基礎値の 1.5-1.9 倍 6 から 12 時間で <0.5ml/kg/ 時 病期 2 基礎値の 2.0-2.9 倍 12 時間以上で <0.5ml/kg/ 時 病期 3 基礎値の3 倍または血清クレアチニン 4.0mg/dl の増加または腎代替療法の開始または 18 歳未満の患者では egfr<35ml/min/1.73m 2 の低下 24 時間以上で <0.3ml/kg/ 時 または 12 時間以上の無尿 基礎値の実測値がない場合は予測される基礎値で判定 6

日本人小児の年齢 性別ごとの血清 Cr 基準 年齢 50% タイル値 ( 中央値 ) 3-5 か月 0.2 6-8 か月 0.22 9-11 か月 0.22 1 歳 0.23 2 歳 0.24 3 歳 0.27 4 歳 0.3 5 歳 0.34 6 歳 0.34 7 歳 0.37 8 歳 0.4 9 歳 0.41 10 歳 0.41 11 歳 0.45 12 歳男 0.53 12 歳女 0.52 13 歳男 0.59 13 歳女 0.53 14 歳男 0.65 14 歳女 0.58 15 歳男 0.68 15 歳女 0.59 16 歳男 0.73 16 歳女 0.59 日本人小児の年齢 性別ごとの血清 Cr 基準値 診断基準及び重症度分類の適応における留意事項 1. 病名診断に用いる臨床症状 検査所見等に関して 診断基準上に特段の規定がない場合には いずれの時期のものを用いても差し支えない ( ただし 当該疾病の経過を示す臨床症状等であって 確認可能なものに限る ) 2. 治療開始後における重症度分類については 適切な医学的管理の下で治療が行われている状態で 直近 6ヵ月間で最も悪い状態を医師が判断することとする 3. なお 症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが 高額な医療を継続することが必要な者については 医療費助成の対象とする 7