IT パスポート試験の現状について 2009 年 10 月 1 日 独立行政法人情報処理推進機構 IT 人材育成本部情報処理技術者試験センター
1.IT パスポート試験とは 1
2 (1) 情報処理技術者試験体系レベル 1 レベル 2 レベル 3 レベル 4 職業人に共通に求められる基礎知識基本的知識 技能応用的知識 技能高度な知識 技能ベンダ側 / ユーザ側高度試験基本情報技術者試験 監査技術者試験 試験 試験 試験 試験 試験 試験 試験情報 試験応用情報技術者試験 (ST) (PM) (SA) (NW) (DB) (ES) (SC) (SM) (AU) (AP) (FE)
(2) 平成 21 年度試験区分別応募者数 平成 21 年度 平成 20 年度 前年比 I T パスポート試験 1 1 8, 7 0 1 基本情報技術者試験 198,552 191,617 103.6% 応用情報技術者試験 118,435 105,490 112.3% 高度試験 150,337 141,113 106.5% ITストラテジスト試験 8,323 6,797 122.5% システムアーキテクト試験 13,056 11,318 115.4% プロジェクトマネージャ試験 16,241 14,610 111.2% ネットワークスペシャリスト試験 25,161 24,182 104.0% データベーススペシャリスト試験 18,538 17,849 103.9% エンベデッドシステムスペシャリスト試験 5,875 5,964 98.5% 情報セキュリティスペシャリスト試験 52,042 46,582 111.7% ITサービスマネージャ試験 5,788 6,464 89.5% システム監査技術者試験 5,313 7,347 72.3% 初級システムアドミニストレータ試験 27,823 101,516 応募者総数 ( 春期 秋期合計 ) 6 1 3, 8 4 8 539,736 1 1 3. 7 % 3
(3) 特色 IT 社会へのパスポート 全ての職業人に必要な情報技術の基礎知識を問う国家試験 幅広い分野 ( 経営全般 IT 管理 IT 技術 ) の総合的知識を問う IT 力 を合否判定だけでなく 得点でも評価 4
(4) 試験内容 1 試験時間 2 出題形式 3 出題数 分野別出題数の内訳 4 合格基準 165 分 多肢選択式 ( 四肢択一 ) (1) 小問形式 (1 問の中に 1 つの設問がある試験問題 ) (2) 中問形式 (1 問の中に 4 つの設問がある試験問題 ) 100 問 (1) 小問形式 :88 問 (2) 中問形式 :12 問 (1) ストラテジ系 ( 経営全般 ) :35 問 (2) マネジメント系 (IT 管理 ) :25 問 (3) テクノロジ系 (IT 技術 ) :40 問 (1) 総合得点の 60% 以上 (2) 分野別得点の 30% 以上なお, 合格証書には総得点及び分野別得点を記載する 5
(5) 出題内容 6
2. 平成 21 年度秋期 IT パスポート試験 (10 月 18 日実施 ) の応募者について 7
(1) 年齢別応募者 6,000 5,000 4,000 3,000 4,422 名 (18 歳 ) 5,250 名 (19 歳 ) 4,852 名 (20 歳 ) 平成 21 年度秋期 71,856 名 ( 平均年齢 27.8 歳 ) 学生 / 社会人別 社会人 46,856 65.2% 学生 25,000 34.8% 2,000 1,000 0 10 才以下 15 才 20 才 25 才 30 才 35 才 40 才 45 才 50 才 55 才 60 才 65 才 70 才 75 才以上 9 歳から 84 歳に至るまで 幅広い年齢層からの応募 23 歳以下の応募者が全体の約 45% を占めており 若年層の割合が多い 最も応募者が多かった年齢は 19 歳 (5,250 名 ) 一方で 全体の約 65% が社会人の応募者 8
(2) 学生応募者内訳 応募者数 構成比 大学 9,297 37.2% 情報系 5,076 20.3% 非情報系 4,221 16.9% 高校 7,703 30.8% 商業系 3,522 14.1% 工業系 1,808 7.2% 情報系 1,675 6.7% 普通系 698 2.8% 専修学校 各種学校 6,342 25.4% 情報系 5,600 22.4% 非情報系 742 3.0% 大学院短大高専小中学校 496 409 337 33 2.0% 1.6% 1.3% 0.1% その他 383 1.5% 9
(3) 社会人応募者内訳 ( 勤務先別 ) 応募者数 構成比 ベンダ系企業 15,865 49.3% 情報処理 提供サービス業 7,660 23.8% ソフトウェア業 4,728 14.7% コンピュータ製造 販売業 3,477 10.8% ユーザ系企業 16,306 50.7% 製造業 3,559 11.1% サービス業 3,572 11.1% 官公庁 公益団体 1,654 5.1% 金融 保険業 不動産業 1,576 4.9% 卸売 小売業 飲食店 1,427 4.4% 運輸 通信業 1,390 4.3% その他 ( ユーザ企業 ) 3,128 9.7% ベンダでは 情報処理サービス業が多く ユーザでは 多様な分布となっている 10
(4) 社会人応募者内訳 ( 業務別 ) 応募者 構成比 開発系業務 12,198 50.2% ITサービスマネジメント ( システム管理 運用 ) 4,611 19.0% プログラム開発 2,296 9.4% システム設計 1,371 5.6% 情報セキュリティ技術支援 管理 運用 1,164 4.8% その他 ( 開発系業務 ) 2,756 11.4% 非開発系業務 12,113 49.8% 営業 販売 (IT 関連 ) 4,369 18.0% 営業 販売 ( 非 IT 関連 ) 1,852 7.6% 総務 人事 1,773 7.3% 教育 研修 1,435 5.9% その他 ( 非開発系業務 ) 2,684 11.0% 業務的には 営業 販売 システム管理 運用が多い 11
(5) 社会人応募者内訳 ( 経験年数 規模別 ) 経験年数別 規模別 22 年以上 13.1% 10~22 年未満 33.1% 0~1 年未満 13.2% 4~10 年未満 23.3% 1~4 年未満 17.3% 1,000 人以上 39.5% 50 人未満 12.8% 300 人以上 1,000 人未満 22.0% 50 人以上 100 人未満 9.0% 100 人以上 300 人未満 16.7% 社会人の経験年数は 比較的分散している 大企業に比べ 中小企業への浸透が遅れている 12
3.H21 年度春期 IT パスポート試験 (4 月 19 日実施 ) の結果について 13
(1) 全体結果 応募者数 46,845 人 受験者数 39,131 人 受験率 83.5% 受験者全員の平均点 677.6/1,000 ストラテジ分野の平均点 240.1/350(68.6%) マネジメント分野の平均点 180.0/250(72.0%) テクノロジ分野の平均点 257.6/400(64.4%) 合格者 28,540 人 合格率 72.9% 14
(2) 年齢別合格者 合格率 4,500 100.0% 4,000 90.0% 3,500 80.0% 応募者数 3,000 2,500 2,000 21 歳以下と 22 歳以上で合格率に大きなきな差平均合格率 :43.4% 平均合格率 :83.5% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 1,500 30.0% 1,000 20.0% 500 10.0% 0 15 以下 18 21 24 27 30 33 36 39 42 45 48 51 54 57 60 63 年齢 0.0% 15
(3) 社会人 / 学生別合格者 応募者属性 ( 社会人 / 学生別 ) 100.0% 学生 29.4% 社会人 70.6% 合格率 80.0% 60.0% 40.0% 20.0% 51.8% 全体 72.9% 82.7% 0.0% 学生 社会人 応募者の 7 割以上を占める社会人の合格率が高かったことで 全体の合格率も高い水準に 16
(4) 経験年数別合格者 経験年数 経験なし 1 年未満 2 年未満 2 年以上 4 年未満 4 年以上 6 年未満 6 年以上 8 年未満 8 年以上 10 年未満 10 年以上 12 年未満 12 年以上 14 年未満 14 年以上 16 年未満 16 年以上 18 年未満 18 年以上 20 年未満 20 年以上 22 年未満 22 年以上 24 年未満 24 年以上 経験年数が浅い応募者応募者は合格率が低い傾向 (4 年未満まで ) 60.0 65.0 70.0 75.0 80.0 85.0 90.0 95.0 100.0 合格率 社会人としての経験年数 合格率 経験なし 77.4 1 年未満 79.2 2 年未満 81.3 2 年以上 4 年未満 84.4 4 年以上 6 年未満 88.3 6 年以上 8 年未満 87.7 8 年以上 10 年未満 88.7 10 年以上 12 年未満 87.1 12 年以上 14 年未満 89.1 14 年以上 16 年未満 87.9 16 年以上 18 年未満 86.2 18 年以上 20 年未満 87.3 20 年以上 22 年未満 88.0 22 年以上 24 年未満 87.3 24 年以上 88.8 17
(5) 年齢別分野別得点 295 230 285 ストラテジ系 220 マネジメント系 275 210 265 200 255 40 歳 45 歳 50 歳 55 歳 60 歳 65 歳以上 190 40 歳 45 歳 50 歳 55 歳 60 歳 65 歳以上 320 310 300 テクノロジ 系 290 280 270 260 250 40 歳 45 歳 50 歳 55 歳 60 歳 65 歳以上 40 歳以降 ストラテジ系 / マネジメント系の得点は上昇する傾向にあるが テクノロジ系の得点は横這い ( やや下降気味 ) となっている 18
(6) 最年少 最年長合格者 最年少合格者 T さん 13 歳 ( 受験時 ) パソコンに興味があり 学校の資格調査で誰も持っていない資格を書きたいと思ったので 受験しました 計算問題は楽しかったけれど それ以外は分からない単語が多く 特にマネジメント系は難しかったです IT パスポート試験は 断片的にしか知らなかったコンピュータの知識を理解するのに役立ちました 中学生でも解ける問題が意外とあるので 皆さんも受けてみるとよいと思います 将来はもっと上の試験区分にチャレンジしたいです 最年長合格者 I さん 82 歳 ( 受験時 ) 普段からパソコンを使っていたので その仕組みやどんなことに活かせるのか興味がありました 学習の目標を持ちたいと思ったので IT パスポート試験を選びました 受験勉強の方法は 参考書による独学です 会社時代は仕事をどうこなすかが目標でしたが 今は 知る喜びを持つことができるようになりました 若い方に言いたい言葉は 初志貫徹 周りの若い方は本当に熱心なので がんばってほしいです 今後は次のレベル 基本情報技術者試験に挑戦したいです 19
(7) 春期試験受験者の秋期試験応募動向 不合格者 (10,591 名 ) のうち 52%(5,537 名 ) は IT パスポート試験を再応募 合格者 (28,540 名 ) のうち 24%(6,749 名 ) は 基本情報技術者試験に応募 20
4.IT パスポート試験の 活用について 21
(1)IT 企業による活用予定 技術職 社員の自己啓発としての受験を推奨する 採用時の参考にする 27.9% 31.7% 内定者に対して受験を推奨する 17.9% 昇格 昇進などの評価の参考にする 6.6% ( 回答数 ) 549 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 営業 スタッフ職 社員の自己啓発としての受験を推奨する 27.1% 採用時の参考にする 18.0% 内定者に対して受験を推奨する 昇格 昇進などの評価の参考にする 4.0% 8.7% ( 回答数 ) 549 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% ( 出典 ) IT 人材白書 2009 ( 独 ) 情報処理推進機構 IT 人材育成本部編より一部抜粋 22
(2) 企業の活用事例 こちらをご参照ください https://www3.jitec.ipa.go.jp/jitescbt/html/guidance/example.html 23
(3) 教育機関における IT 分野公的成果物の活用状況 今後利用する可能性があるもの IT パスポート試験 : シラバス (IPA) 36.9% 情報処理技術者試験 : 新試験制度の手引き 34.1% 情報専門学科カリキュラム J07( 情報処理学会 ) 33.6% 情報処理技術者試験 : 出題範囲 33.2% 情報処理技術者試験スキル標準 (IPA) JABEE 認定基準 : 情報及び情報関連分野 ( 日本技術者教育認定機構 ) 30.4% 29.9% ( 回答数 ) 214 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 調査対象 : 大学 大学院 高等専門学校 ( 高専 ) 専修学校など ( 出典 ) IT 人材白書 2009 ( 独 ) 情報処理推進機構 IT 人材育成本部編より一部抜粋 24
(4) 大学の活用状況 入試優遇全国 124 の大学が IT パスポート試験合格者に対し 入試優遇 単位認定全国 30 の大学が IT パスポート試験に合格すれば 単位として認定 ( 平成 21 年 7 月 IPA 調べ ) 25
(5) 教育機関の活用事例 こちらをご参照ください https://www3.jitec.ipa.go.jp/jitescbt/html/guidance/example.html 26
5. 最後に CBT(Computer Based Testing) 方式による 試験実施予定について 21 年度 22 年度 CBT システム開発及び実施体制の構築 23 年度 CBT 方式による IT パスポート試験開始 27