いであ株式会社 イソプロピルアルコール Isopropyl alcohol 別名 : プロパン-2-オール 2-プロパノール イソプロパノール IPA Propan-2-ol, 2-Propanol, Isopropanol, IPA 対象物質の構造 CAS 番号 :67-63- 分子式 :C 3 H 8 O 物理化学的性状 分子量 融点 沸点 蒸気圧 水溶解度 log P ow ( ) ( ) (mmhg) (mg/l) イソプロピルアルコール 6.1 1) -89.5 1) 82.3 1) 45.4 1) 1.E+6 1).5 1) 1) SRC PhysProp Database 毒性 用途 毒性情報 2) : 急性毒性経口ラット LD 5 3437 mg/kg 水生環境急性有害性魚類ヒメダカ LC 5 >1 mg/l/96 h 区分外 用途 2) : 合成アセトンの中間原料 溶剤 塗装剥離剤 脱水剤 製薬用 化粧品 その他合成原料 2) 製品安全データーシート ( 安全衛生情報センター ) 1
1 分析法 (1) 分析法の概要水質試料については 試料に塩化ナトリウムを加え 85 の水浴中で窒素ガスをバブリングさせた気相を 冷媒にドライアイスを加え冷却したトラップ装置中のぎ酸メチル溶液に吸収させ その吸収液を GC/MS-SIM により定量する 底質試料については 精製水を加え振とう 超音波抽出後 遠心分離したものについて 水試料と同様に操作を行う (2) 試薬 器具 試薬 イソプロピルアルコール (IPA) : 和光純薬工業 ( 株 ) 製 ( 最低保証純度 99%) イソプロピルアルコール-d 8 (IPA-d 8 ):Cambridge Isotope Laboratories 社製 ( 同 99%) (1+1) 塩酸 : 塩酸 ( 精密分析用和光純薬工業 ( 株 ) 製 )5 mlに対し 精製水 5 mlを加え混合したもの ぎ酸メチル : 特級試薬和光純薬工業 ( 株 ) 製塩化ナトリウム : 残留農薬試験用 PCB 試験用関東化学 ( 株 ) 製エチレングリコール : 特級試薬和光純薬工業 ( 株 ) 製精製水 : 超純粋製造装置 ( ミリポア社製 Gradient A-1) により精製 器具 2 ml 共栓つきメスシリンダー 洗気びん ウォーターバス ガラス管 コールドトラップ ( ミゼットインピンジャー ( ジーエルサイエンス ( 株 ) 製 Cat.No.38-62233) およびデュワびん ( 島津製作所部品番号 221-593-1) 1 ml 試験管 ガラスシリンジ 窒素ガス ( 純度 :99.9995%) トラップ装置の組み立ては 図 1 に示す なお 各種配管の接続は シリコンチューブを用いる また 窒素ガスにはガス精製管等の接続は行わない 2
流量調節器.25 L/min ガラス管 ( 内径 8 mm 長さ 2 cm) 約 1 cm アルミ箔 ガスメーター 水浴 85 シリコンチューブ 試料量 2 ml コールドトラップ ( 冷媒 : エチレングリコール水溶液 :-5~-6 ) ぎ酸メチル 8 ml (3) 分析法 図 1 トラップ装置 試料の採取及び保存 環境省 化学物質環境実態調査実施の手引き ( 平成 21 年 3 月 ) に従う 試料はガラス容器に採取後 速やかに試験操作を行う 速やかに行えない場合は 水質試料は 1 L につき (1+1) 塩酸を 5 ml 加え 冷暗所に保存する 底質試料は冷凍保存する 試料の前処理及び試験液の調製 水質 試料 ( 空試験については精製水 ).2 L を共栓付メスシリンダーに採り 塩化ナトリウム 4 g 及びサロゲート物質として IPA-d 8 を.8 µg 加え 密栓してよく混合する 洗気びんに試料液を入れ 経路を組み立てた後 85 の水浴中に水面と同じ高さになるように入れ 5 分間静置する 受器にはぎ酸メチルを 8. ml 入れ 冷媒 :65% エチレングリコール水溶液 ( エチレングリコール / 水 = 65/35(v/v)) 及び粉砕したドライアイスを入れたコールドトラップ中 (-5~-6 ) に浸す 毎分.25 L で窒素ガスを洗気びんに 4 分間通気する 捕集したぎ酸メチルを 1 ml 試験管に移し 8. ml に定容したものを試験液とする 底質 試料 ( 空試験については精製水 )5. g( 乾泥換算 ) を 5 ml 共栓付遠沈管に 3
取り サロゲート物質として IPA-d 8 を.8 µg 加えよく混和する これに精製水 2 ml を加え 密栓をし 振とう機にかけ 2 分間振とうする これを 1 分間超音波装置にかけ 遠心分離 (3rpm, 1 分 ) する この水層を共栓付メスシリンダーに入れる さらに残渣に精製水 2 ml を加えて同様の操作を 2 回繰り返し ( 計 3 回抽出 ) 先の水層に合わせる これを精製水で.2 L としたものを抽出試料とする 以下 水質試料と同様の操作を行う 空試験液の調製 精製水を用いて前項に従って操作し 得られた試験液を空試験液とする ( 注 1) 標準液の調製 イソプロピルアルコール 1 mg を秤量し ぎ酸メチル 1 ml に溶解し標準原液 (1 mg/l) とする 標準原液をぎ酸メチルで適宜希釈し 段階的に取り これに所定量の IPA-d 8 を加え定容し標準液を作製する 検量線用標準液の調製 検量線用標準液はぎ酸メチル溶液とし 5.~1 μg/lの範囲に亘る5 種類以上の濃度で作成する 各濃度の標準液には1 μg/lの濃度となるようにサロゲート物質 (IPA-d 8 ) を添加する 測定 装置条件 GC/MS:GC HP689 MS HP5973MSD (Agilent technologies) カラム :J&W Scientific DB-WAX (6 m.25 mm, 膜厚.25 μm) 昇温条件 :35 (5 min) 4 /min 8 3 /min 2 (1 min) 注入法 : スプリットレス (1 分後パージ ) 注入口温度 :2 キャリヤーガス : ヘリウム ( 流量 1. ml/min) 注入量 :2 μl インターフェース温度 :2 イオン源温度 :23 イオン化電流 :3 μa 検出モード :SIM モニターイオン :IPA 定量用 45. 確認用 59. IPA-d 8 49. 4
検量線 検量線用標準液 2 μl を GC/MS に注入し 標準物質 (IPA) のサロゲート (IPA-d 8 ) に対する相対ピーク面積比と濃度比から検量線を作成する 定量 試験液 2 μl を GC/MS に注入し IPA と IPA-d 8 のピーク面積比より試験液中 IPA 濃度を求める 濃度の算出 水質試料中の対象物質濃度は次式により算出する Cs(μg/L)=Qss (As / Ass - b) / a / V Cs: 試料中の IPA 濃度 (μg/l) Qss: サロゲート物質の添加量 (μg) As: 試料の IPA ピーク強度 Ass: 試料のサロゲート物質のピーク強度 a: 検量線の一次回帰式の傾き b: 検量線の一次回帰式の y 切片 V: 試料量 (L) 底質試料中の対象物質濃度は次式により算出する Cs(μg/g-dry)=Qss (As / Ass - b) / a / V Cs: 試料中の IPA 濃度 (μg/g-dry) Qss: サロゲート物質の添加量 (μg) As: 試料の IPA ピーク強度 Ass: 試料のサロゲート物質のピーク強度 a: 検量線の一次回帰式の傾き b: 検量線の一次回帰式の y 切片 V: 試料量 (g-dry) 5
装置検出下限値(IDL) 本分析に用いた GC/MS の IDL を表 1 に示す 表 1 IDL の算出結果 ( 注 2) IDL 試料量最終液量 IDL 試料換算値物質 (ng/ml) (L g-dry) (ml) (μg/l μg/g-dry) 水質.2 8..45 1.1 底質 5. 8..18 測定方法の検出下限値(MDL) 及び定量下限値 (MQL) 本測定方法における MDL 及び MQL を表 2 に示す 物質 表 2 MDL 及び MQL の算出結果 ( 注 3) 試料量 (L g-dry) 最終液量 (ml) MDL (μg/l μg/g-dry) MQL (μg/l μg/g-dry) 水質.2 8..12.31 底質 5. 8..28.71 注解 ( 注 1) 操作ブランクについては 実験室内の雰囲気からの汚染を考慮し コントロール可能であることを予め確認すること 特に窒素ガス通気中 通気後の大気開放する際に雰囲気中の IPA がコンタミしやすいため 通気中は 配管等の接続部分をシールテープなどで巻いてシールし 大気開放後のぎ酸メチルは速やかに試験管に移し蓋をするようにする また 実調査においては トラベルブランク試験を実施する等 測定値のブランクレベルを把握することが望ましい 6
( 注 2) 装置検出下限 (IDL) は 化学物質環境実態調査実施の手引き ( 平成 21 年 3 月 ) に従って 表 3 のとおり算出した 表 3 IDL の算出結果 対象物質名 イソプロピルアルコール ( 水質 ) ( 底質 ) 試料量 (L g-dry).2 5. 最終液量 (ml) 8. 8. 注入液濃度 (ng/ml) 5. 装置注入量 (μl) 2 結果 1(ng/mL) 4.82 結果 2(ng/mL) 5.3 結果 3(ng/mL) 5.42 結果 4(ng/mL) 5.46 結果 5(ng/mL) 4.91 結果 6(ng/mL) 5.2 結果 7(ng/mL) 4.77 平均値 (ng/ml) 5.1 標準偏差 (ng/ml).29 IDL(ng/mL) * 1.1 IDL 試料換算値 (μg/l, μg/g-dry).45 μg/l.18 µg/g-dry S/N 比 12 CV(%) 5.7 * IDL = t(n-1,.5) σ n-1 2 7
7 6 5 m/z= 45 イソプロピルアルコール ( 定量用 ) 4 3 2 1 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 25 2 m/z= 59 ( 確認用 ) 15 1 5 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 8 7 m/z= 49 6 イソプロピルアルコール-d 8 5 4 3 2 1 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 図 2 標準物質のクロマトグラム (IDL 測定 ) 8
( 注 3) 測定方法の検出下限値 (MDL) 及び定量下限値 (MQL) は 化学物質 環境実態調査実施の手引き ( 平成 21 年 3 月 ) に従って 表 4 のとお り算出した 対象物質名 表 4 MDL 及び MQL の算出結果 イソプロピルアルコール 水質 ( サロゲート回収率 *5 ) 底質 ( サロゲート回収率 *5 ) 試料河川水海底泥 試料量 (L g-dry).2 5. 標準添加量 (ng) 4. - 試料換算濃度 (μg/l, μg/g-dry).2 - 最終液量 (ml) 8. 8. 注入液濃度 (ng/ml) - - 装置注入量 (μl) 2 2 操作ブランク平均 (μg/l, μg/g-dry) * 1.51 (72).25 (78) 無添加平均 (μg/l, μg/g-dry) *2.86 (68) - 結果 1 (μg/l, μg/g-dry).333 (65).27 (57) 結果 2 (μg/l, μg/g-dry).364 (65).247 (61) 結果 3 (μg/l, μg/g-dry).38 (68).257 (63) 結果 4 (μg/l, μg/g-dry).298 (71).259 (62) 結果 5 (μg/l, μg/g-dry).284 (73).254 (66) 結果 6 (μg/l, μg/g-dry).295 (72).256 (64) 結果 7 (μg/l, μg/g-dry).276 (7).255 (65) 平均値 (μg/l, μg/g-dry).385 (69).257 (63) 標準偏差 (μg/l, μg/g-dry).36.712 MDL (μg/l, g-dry) *3.12.28 MQL (μg/l, g-dry) *4.31.71 S/N 比 65 97 CV (%) 9.9 2.8 要求感度 (μg/l, μg/g-dry).25.25 * 1 操作ブランク平均 : 試料マトリックスのみがない状態で他は同様の操作を行い測定した値の平均値 (n=7) * 2 無添加平均 :MDL 算出用試料に標準を添加してない状態で含まれる濃度の平均値 (n=2) * 3 MDL = t (n-1,.5) σ n-1 2 * 4 MQL = σ n-1 1 * 5 サロゲート回収率 (%): 当該試料のサロゲート面積値 / 標準液のサロゲート面積値 ( 検量線の平均値 ) 1 9
2 18 m/z = 45 16 14 イソプロピルアルコール 12 ( 定量用 ) 1 8 6 4 2 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 25 2 m/z = 59 ( 確認用 ) 15 1 5 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 5 45 m/z = 49 4 35 イソプロピルアルコール-d 8 3 25 2 15 1 5 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 図 3 MDL 試験試料 ( 水質 ) のクロマトグラム 1
2 18 m/z = 45 16 14 イソプロピルアルコール 12 ( 定量用 ) 1 8 6 4 2 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 3 25 2 m/z = 59 ( 確認用 ) 15 1 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 6 5 4 m/z = 49 イソプロピルアルコール-d 8 3 2 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 図 4 MDL 試験試料 ( 底質 ) のクロマトグラム 11
2 解説 分析法 フローチャート 分析法のフローチャートを図 5 に示す 水質 水質試料カ スストリッヒ ンク GC/MS-SIM.2 L NaCl 4 g サロケ ート添加 (IPA-d 8 8 ng) 85 水浴中 N 2 通気.25 L/min, 4 分吸収液 : ぎ酸メチル 8 ml 底質 底質試料 乾泥 5. g 相当 サロケ ート添加後混和 (IPA-d8 8 ng) 振とう抽出 精製水 2 ml 2 min 超音波抽出 遠心分離 残渣 1 min 3 rpm 1 min 3 回繰り返す 水層 以後は 水質試料と同様 図 5 分析法のフローチャート 12
検量線 検量線を図 6 検量線作成用データ一覧を表 5 及び最低濃度のクロマトグラム を図 7 に示す 2.5 12 2. y =.957865 x R² =.999687 1 y =.983526 x R² =.999861 比 1.5 1. 比 8 6 4.5 2...5 1. 1.5 2. 2.5 () (5) (1) 濃度比 (15) (2) (25) 濃度比 2 4 6 8 1 12 濃度比 () (2) (4) (6) (8) (1) (12) 濃度比 サロゲート (IPA-d 8 ) 濃度 :1 µg/l ( 横軸括弧内の数字は標準液の濃度 (μg/l)) 図 6 イソプロピルアルコールの検量線 ( 右 :~1 µg/l 左 ~2 µg/l) 標準試料濃度 表 5 検量線作成用データ一覧 相対感度係数 調査物質 (As) 内標準物質 (Ais) 応答比 (RRF) ( 単位 :ng/ml) IPA IPA-d 8 (As/Ais) (Cis/Cs) (As/Ais) (Cs) (m/z=45) (m/z=49) * 5 18388 37446.49.98 1 3396 38386.89.89 5 178818 379234.472.94 1 362919 36848.985.98 2 7994 37292 1.94.95 5 183781 365486 5.9 1. 1 362847 37131 9.83.98 相対感度係数の相対標準偏差 (%) 4. * 内標準物質濃度 :1 ng/ml (Cis) 13
7 6 5 m/z = 45 イソプロピルアルコール ( 定量用 ) 4 3 2 1 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 25 2 m/ z= 59 ( 確認用 ) 15 1 5 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 8 7 m/z = 49 6 イソプロピルアルコール-d 8 5 4 3 2 1 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 図 7 検量線最低濃度 (5 ng/ml) のクロマトグラム 14
標準物質のマススペクトル 対象物質と内部標準物質のマススペクトルを図 8 9 に示す 1 ) (% s ity n te 5 In e tiv e la R Relative Intensity(%) 27 29 31 41 39 5 1 15 2 25 3 35 4 45 5 55 6 m/z 43 45 59 図 8 イソプロピルアルコールのマススペクトル 1 ) (% n s ity te In 5 e tiv e la R Relative Intensity(%) 49 3 42 46 5 5 1 15 2 25 3 35 4 45 5 55 6 m/z 図 9 イソプロピルアルコール -d 8 のマススペクトル 15
操作ブランク 精製水を用いた操作ブランク試験結果を表 6 に そのクロマトグラムを図 1 11 に示す 表 6 操作ブランク試験結果 イソプロピルアルコール 対象物質名 水質 ( サロゲート回収率 ) 底質 ( サロゲート回収率 ) 試料 精製水 精製水 試料量 (L g-dry).2 5. 最終液量 (ml) 8. 8. 装置注入量 (μl) 2 2 結果 1 (µg/l, µg/g-dry).55 (71).26 (72) 結果 2 (µg/l, µg/g-dry).51 (76).28 (78) 結果 3 (µg/l, µg/g-dry).5 (74).22 (83) 結果 4 (µg/l, µg/g-dry).53 (7).23 (79) 結果 5 (µg/l, µg/g-dry).5 (71).25 (76) 結果 6 (µg/l, µg/g-dry).48 (71).23 (8) 結果 7 (µg/l, µg/g-dry).51 (72).24 (78) 平均値 (µg/l, µg/g-dry).511 (72).25 (78) 標準偏差 (µg/l, µg/g-dry).23.21 MDL (µg/l, g-dry) *1.88.82 MQL (µg/l, g-dry) *2.23.21 S/N 比 7.1 6.2 CV (%) 4.4 8.5 要求感度 (µg/l, µg/g-dry).25.25 *1 MDL = t(n-1,.5) σ n-1 2 *2 MQL =σ n-1 1 16
2 18 16 m/z = 45 イソプロピルアルコール ( 定量用 ) 14 12 1 8 6 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 7 6 5 m/ z= 59 ( 確認用 ) 4 3 2 1 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 6 5 4 3 2 1 m/z = 49 イソプロピルアルコール-d 8 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 図 1 操作ブランク ( 水質 ) のクロマトグラム 17
15 12 9 6 m/z = 45 イソプロピルアルコール ( 定量用 ) 3 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 35 3 25 2 15 m/z = 59 ( 確認用 ) 1 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 6 5 4 m/z = 49 イソプロピルアルコール-d 8 3 2 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 図 11 操作ブランク ( 底質 ) のクロマトグラム 18
添加回収試験 添加回収試験の結果を表 7 に クロマトグラムを図 12~17 示す 表 7 添加回収試験結果 試料 試料量 添加量 測定 検出濃度 絶対回収率 サロゲート回収率 (L, g-dry) (ng) 回数 (µg/l, µg/g-dry) (%) (%) 河川水.2 無添加 - 2.86-72.2 添加 4. 5.34 18 69 海水.2 無添加 - 2.236-81.2 添加 4 5 5.986 96 85 底質 5. 無添加 - 2.237-61 5. 添加 8 5 4.44 94 6 19
2 18 m/z = 45 16 イソプロピルアルコール 14 12 ( 定量用 ) 1 8 6 4 2 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 25 m/z = 59 ( 確認用 ) 2 15 1 5 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 6 5 4 3 2 m/z = 49 イソプロピルアルコール -d 8 1 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 図 12 河川水 ( 無添加 ) のクロマトグラム 2
2 18 m/z = 45 16 14 イソプロピルアルコール 12 ( 定量用 ) 1 8 6 4 2 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 25 2 m/z = 59 ( 確認用 ) 15 1 5 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 5 45 m/z = 49 4 イソプロピルアルコール-d 8 35 3 25 2 15 1 5 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1. 図 13 河川水 ( 標準液添加 ) のクロマトグラム 21
2 18 m/z = 45 16 14 イソプロピルアルコール 12 ( 定量用 ) 1 8 6 4 2 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 45 4 35 m/z = 59 3 ( 確認用 ) 25 2 15 1 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 7 6 5 m/z = 49 イソプロピルアルコール -d 8 4 3 2 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 図 14 海水 ( 無添加 ) のクロマトグラム 22
12 1 8 6 4 m/z = 45 イソプロピルアルコール ( 定量用 ) 2 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 8 7 m/z = 59 6 5 ( 確認用 ) 4 3 2 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 8 7 m/z = 49 6 5 イソプロピルアルコール-d 8 4 3 2 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 図 15 海水 ( 標準液添加 ) のクロマトグラム 23
m/z = 45 2 18 16 イソプロピルアルコール 14 ( 定量用 ) 12 1 8 6 4 2 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 3 25 2 15 1 m/z = 59 ( 確認用 ) 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 5 45 4 m/z = 49 35 イソプロピルアルコール-d 8 3 25 2 15 1 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 図 16 底質 ( 無添加 ) のクロマトグラム 24
8 6 4 m/z = 45 イソプロピルアルコール ( 定量用 ) 2 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 45 4 m/z = 59 35 ( 確認用 ) 3 25 2 15 1 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 6 5 4 3 2 m/z = 49 イソプロピルアルコール -d 8 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 図 17 底質 ( 標準液添加 ) のクロマトグラム 25
分解性スクリーニング試験 分解性スクリーニング試験の結果を表 8 に示す 表 8 分解性スクリーニング試験結果 ph 初期濃度 1 時間後の残存率 7 日後の残存率 (%) (µg/l) (%) 暗所明所 5 2. 97 99-7 2. 95 1 98 9 2. 99 1 - 保存性試験 保存性試験結果を表 9 に示す 環境試料 ( 河川水 ) についての 7 日目の残存率は ph7 で 1% ph2 で 1% であり 環境試料の場合 必要に応じて酸添加が有効であると考えられる 表 9 保存性試験結果 試料名 初期濃度残存率 (%) (µg/l) 7 日間 14 日間 1 ヶ月 河川水 試料 2.3 1 (ph7) 1 (ph2) - - 粗抽出液 2.3-1 - 標準溶液 MDL の 1 倍濃度 5. - - 98 検量線最高濃度 1 - - 96 26
環境試料の分析 環境試料の分析結果を表 1 クロマトグラムの一例を図 18~2 に示す 表 1 環境試料の分析結果 試料名 水域 ( 類型 ( 生活環境 )) IPA 濃度 (µg/l, µg/g-dry) A 河川 ( 淡水域 :D 類型 ).4 B 河川 ( 淡水域 :B 類型 ) 1<.12 (.51) C 河川 ( 淡水域 :C 類型 ) 1<.12 (.54) D 河川 ( 淡水域 :C 類型 ) 1<.12 (.53) E 河川 ( 淡水域 :B 類型 ).27 F 河川 ( 淡水域 :B 類型 ) 1<.12 (.96) G 河川 ( 淡水域 :C 類型 ).14 H 河川 ( 汽水域 :A 類型 ).22 I 海域 ( 水質 :C 類型 ).24 J 湖沼 ( 水質 :C 類型 ) 26 K 海域 ( 底質 1:A 類型 ).25 L 海域 ( 底質 2:A 類型 ).64 括弧内は実測値底質 1: シルト質 ( 強熱減量 :4.5%) 底質 2: シルト質 ( 強熱減量 :9.2%) 27
5 4 3 2 m/z = 45 イソプロピルアルコール ( 定量用 ) 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 45 4 35 m/z = 59 3 25 ( 確認用 ) 2 15 1 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 1 9 8 m/z = 49 7 6 イソプロピルアルコール-d 8 5 4 3 2 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 図 18 試料 A( 河川淡水域 ) のクロマトグラム 28
5 4 3 2 m/z = 45 イソプロピルアルコール ( 定量用 ) 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 3 25 2 15 1 m/z = 59 ( 確認用 ) 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 8 7 m/z = 49 6 5 イソプロピルアルコール-d 8 4 3 2 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 図 19 試料 J( 湖沼水 ) のクロマトグラム 29
5 4 3 2 m/z = 45 イソプロピルアルコール ( 定量用 ) 1 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 35 3 25 m/z = 59 ( 確認用 ) 2 15 1 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 45 4 m/z = 49 35 イソプロピルアルコール-d 8 3 25 2 15 1 5 8.9 9. 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 図 2 試料 L( 底質 ) のクロマトグラム 3
評価 本分析法により環境試料の測定を行ったところ イソプロピルアルコールが河川水で.4 µg /L 海水で.24 µg /L 湖沼水で 26 µg /L の濃度で検出された また 底質からも.65 µg /g-dry の濃度で検出された 本分析法は 操作ブランクが水質で.48~.51 µg /L( 平均.51 µg /L MDL は.12 µg /L) 底質で.22~.28 µg/g-dry( 平均.25 µg/g-dry MDL は.28 µg/g-dry) 検出されるが 環境試料中のイソプロピルアルコールは MDL よりも高い値で検出されるものも広く存在し 環境調査への適用は可能であると考えられる 参考文献 SRC PhysProp Database 製品安全データーシート ( 安全衛生情報センター ) 環境庁環境保健部保健調査室 : 昭和 62 年度化学物質分析法開発調査報告書 ( イソプロピルアルコール アリルアルコール : 三重県環境科学センター ) 担当者連絡先 所属先名称 : いであ株式会社環境化学グループ所属先住所 : 154-8585 東京都世田谷区駒沢 3-15-1 TEL:3-4544-769 FAX:3-4544-777 担当者名 : 鴨志田公洋 佐藤修之 E-mail :kmasahir@ideacon.co.jp, nobu@ideacon.co.jp 31
Isopropyl alcohol (Propan-2-ol, 2-Propanol, Isopropanol, IPA) An analytical method for the quantification of isopropyl alcohol (IPA) in water and sediment using gas-chromatography/mass spectrometry with selected-ion monitoring (GC/MS-SIM) has been developed. For the quantification of IPA in water, 8 ng of perdeuterated IPA is added to.2 L of a sample. Then, 4 g of sodium chloride is added to the sample and dissolved. The sample is purged at 85 with nitrogen gas at.25 L/min in a gas washbottle. IPA is trapped in methyl formate cooled at -5 to -6. After purging for forty minutes, the analyte is measured by GC/MS-SIM. For the quantification of IPA in a sediment, 8 ng of predeuterated IPA is added to a sample (5 g, dry). Then 2 ml of purified water is added to the sample. The sample is shaken for 2 min; ultrasonically extracted for 1 min; and centrifugal separated for 1 min at 3 rpm These extraction procedures are repeated three times. Then these extracts are combined and adjusted to.2 L with purified water. The following procedures are carried out as the same manner as for water sample. The method detection limit (MDL) for water and sediment are.12 µg/l and.28 µg/g-dry, respectively. The average recoveries (n = 5) from 4 ng, 4 ng and 8 ng IPA added river water, seawater, and marine sediment were 18%, 96% and 94%, respectively. Their relative standard deviations were 9.9%, 1.3% and 1.5%, respectively. Using these developed methods, the concentration of IPA in river water (8 samples), lake water (1 sample), and marine sediments (2 samples) were determined. The maximum concentrations were.4 µg/l, 26 µg/l and.65 µg/g-dry, respectively. 32
Water Water Nitrogen Bubbling GC/MS-SIM.2 L NaCl 4 g Surrogate (IPA-d 8 8 ng) 85 Water Bath.25 L/min for 4 min Cold Trap : Methyl formate 8 ml Sediment Sediment 5. g-dry Surrogate (IPA-d 8 8 ng) Shake pure water 2 ml 2 min Ultrasonic Centrifugation Residual 1 min 3rpm 1 min Water Repert three times The following procedures are carried out as the same manner as for water sample. 33
物質名分析法フローチャート備考 水質 分析原理 : イソフ ロヒ ルアルコール水質試料カ スストリッヒ ンク GC/MS-SIM GC/MS-SIM 別名 : フ ロハ ン-2-オール 2-フ ロハ ノール イソフ ロハ ノール.2 L NaCl 4 g 底質 サロケ ート添加 (IPA-d 8 8 ng) 85 水浴中 N 2 通気.25 L/min, 4 分吸収液 : ぎ酸メチル 8 ml 検出下限値 : 水質 (μg/l).12 IPA 底質 (μg/g-dry) 底質試料 振とう抽出.28 乾泥 5. g 相当 サロケ ート添加後混和 (IPA-d8 8 ng) 精製水 2 ml 2 min 分析条件 : 機器 超音波抽出 遠心分離 1 min 3 rpm 1 min 3 回繰り返す 残渣 水層 GC:HP689 MS:HP5973MSD カラム DB-WAX 以後は 水質試料と同様 6 m.25 mm,.25 μm 34