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Transcription:

従来 DMRDs 療法の見直し 福田 孝昭 久留米大学医療センター リウマチ膠原病センター 2009 年 第 10 回博多リウマチセミナー はじめに 関節リウマチ(R)の治療は 生物学的製剤の出現により 臨床的寛解のみならず関節破壊の抑制も可能とな った しかし R は症例ごとに その疾患活動性 予後は異なり 薬剤に対する反応性や副作用の発現の仕方 も異なる また 前もってこれらを予測することはできない 全症例に生物学的製剤が使用できれば理想では あるが(関節破壊の防止という観点から) 費用的なことも含め 実際には不可能と考えられる 表1 一方 従来から R 治療の基本である DMRDs 治療でも 臨床的寛解は 十分可能である 表 1 今回は 生物製剤に至るまでの あるいは DMRDs のみでも治療が可能と 考えられる症例に対する DMRDs 療法を 日本での関節リウマチの診療マニュアル 推奨 の薬剤を中心に 見直してみる 我が国においては 厚生労働省研究班 越智隆弘班長 が 平成 16 年関節リウマチの診療マニュアル 改訂版 診断のマニュアルと EM に基づく 治療ガイドライン 2004 1)を発表した その 5 章に抗リウマチ剤についてまとめている 日本で使用可能な抗 リウマチ薬 表 2 の抗リウマチ作用および注意すべき副作用をまとめている 日本で使用可能な抗リウマチ薬 薬剤 市販名 抗リウマチ作用 注意すべき副作用 免疫調節薬 金製剤 金チオリンゴ酸ナトリウム シオゾール 皮疹 蛋白尿 オーラノフィン リドーラ 下痢 軟便 Dペニシラミン メタルカプタ ゼ 皮疹 蛋白尿 肝障害 血小板減少 自己免疫疾 患の誘発 サラゾスルファピリジン アザルフィジンEN 皮疹 ブシラミン リマチル 皮疹 蛋白尿 肝障害 ロベンザリット カルフェニール 腎機能障害 皮疹 アクタリット オークル モーバー 免疫抑制薬 メトトレキサート リウマトレックス 強い 間質性肺炎 骨髄障害 ミゾリビン ブレディニン 肝障害 レフルノミド アラバ 強い 肝障害 骨髄抑制 下痢 感染症 間質性肺炎 タクロリムス プログラフ 腎障害 高血圧 耐糖能障害 表2 推奨度 販売開始時期 1970年10月 1986年7月 1984年7月 2002年8月 1992年8月 1986年6月 1994年6月 1999年8月 1984年3月 2003年9月 未定 2005年1月効能追加 文献1より改変 これら DMRDs の中で 行うよう強く勧められる 推奨 の薬剤として メトトレキサート サラゾスルファ ピリジン レフルノミド ブシラミンの薬剤が選択されている 金チオリンゴ酸ナトリウムは なお抗リウマ チ剤としての価値は失われていないが 推奨 に位置づけられており タクロリムスについては適応症追加 前で 推奨度は未定である 一方 アメリカリウマチ学会は 2002 年 R 治療ガイドラインを発表した 図 1 2 その特徴は ①3 か月 以内の DMRDs 開始 ②最低 3 カ月目には効果判定を行い 継続か変更 追加の検討 ③DMRDs の中心はメト トレキサートである ④DMRDs 無効の場合 生物学的製剤の使用を考慮した

図1 その後 2008 年低分子疾患修飾性 抗リウマチ薬および生物学的製剤 の使用に関する勧告(Recommendat ions)を発表した 3 ガイドライン と異なり治療法を規定するもので はなく ある条件下における使用 すべき薬剤の選択肢を示している すなわち R という患者個々で大 きく状況が異なる疾患に対して リウマチ医が専門的知識を駆使し て治療計画を立て 同じような病 態でも多数の選択肢を選べる構成 文献2より になっている また 本勧告を簡 潔なものとするため DMRD 投与経験のない患者のみを検討対象とした CR2008 で採り上げられた薬剤と併 用療法を示す 図 2,3 CR2008 Recommendations for the Use of ntirheumatic Drugs in R CR2008勧告概要 図2 図3 勧告作成の目的 抗リウマチ薬 DMRD及び生物学的製剤 の使用に関する 指針の提供 勧告作成の方法 公式のグループ討議により作成 DMRDと生物学的製剤に重点をおき ステロイド薬 NSIDsは 検討範囲に含まない DMRDの142文献 生物学的製剤の125文献 コスト要因も言 及した28文献を含む を対象とした 治療の意思決定に必要とされる重要な臨床因子の定義として ①R 罹患期間 ②R 疾患活動性評価 ③R の 予後因子を条件とした 実際の薬剤選択は 図 4 9 に示してあるように 罹患期間ごとに分け 次いで疾患 活動性を判断し 次に予後不良因子の有無により選択し どの薬剤が適応かをアルファベット順に記載し 特 定の優先順位による表示は行わず 図表化し分かりやすくしてある 図4 図5 図6 図7

図9 図8 更に生物学的製剤の使用に関する勧告も図 10 11 に示した C R 2 0 0 8 R e c o m m e n d a tio n s fo r th e U s e o f n tirh e u m a tic D r u g s in R C R 2 0 0 8 R e c o m m e n d a ti o n s fo r th e U s e o f n tir h e u m a tic D ru g s in R Rに お け る 生 物 学 的 製 剤 の 適 応 に 関 す る 勧 告 Rに お け る 生 物 学 的 製 剤 の 適 応 に 関 す る 勧 告.罹 病 期 間 6 ヵ 月 未 満 低 度 or 中 等 度 6ヵ 月 未 満.罹 病 期 間 6 ヵ 月 以 上 M TX単 独 無 効 歴 あ り 図10 スタート 高 度 で 3ヵ 月 未 満 疾患活動性 高 度 で 3 6ヵ 月 DMRD適 応 低度 費 用 or 保 険 の制約 疾患活動性 図11 スタート 高度 低度 疾患活動性 o r高 度 DM RD 適応 抗 TN F + M TX & M TX併 用 無 効 歴 あ り & 他 DMRD順 次 投 与 後 スタート 予後不良因子 DMRD適 応 C.罹 病 期 間 6 ヵ 月 以 上 予後不良因子 抗 TNF DMRD 適応 予後不良因子 ア ハ ゙タ セ フ ゚ト or 抗 TNF o r リ ツ キ シ マ フ ゙ 抗 TNF 活動性が高度の例のみ 緑 文 字 日本 で R適 応 の な い薬 剤 r t h r it is & R h e u m a t is m ( r th r i tis C a r e & R e s e a r c h ) S e p te m b e r 2 0 0 8 よ り r t h r it i s & R h e u m a t is m ( r t h r it is C a r e & R e s e a r c h ) S e p t e m b e r 2 0 0 8 よ り また 低分子 DMRD および生物学的製剤の使用に関する禁忌を示した 表 3 表3 R 患 者 に お い て 生 物 学 的 製 剤 お よ び 低 分 子 疾 患 修 飾 性 抗 リ ウ マ チ 薬 の 使 用を開 始または再 開する場 合の 禁忌 に関する勧 告 臓器 UC FK506 LEF 感 染 症 肺 像 炎 重 篤 な 急 性 細 菌 感 染 抗 生 剤 治 療 中 の 感 染 発 熱 を 伴 う上 気 道 炎 感染性皮膚潰瘍 潜 在 性 結 核 感 染 治 療 開 始 前 活 動 性 結 核 致死的な活動性真菌感染症 活 動 性 帯 状 疱 疹 ウ イル ス 感 染 症 間質性肺炎 ()* 血 液 腫 瘍 白 血 球 3,000/m? 血 小 板 50,000/m? 骨髄異形成 リ ンパ 球 増 殖 性 疾 患 過 去 5年 間 の 既 住 心臓 心 不 全 NYH Ⅲ Ⅳ 心 駆 出 率 50% 肝臓 ST LTが 基 準 値 上 限 の 2倍 以 上 急 性 C型 肝 炎 慢 性 型 肝 炎 治 療 後 ChildPugh class ChildPugh class orc 慢 性 B型 肝 炎 未 治 療 ChildPugh class ChildPugh class orc 慢 性 C型 肝 炎 治 療 後 ChildPugh class ChildPugh class orc 慢 性 C型 肝 炎 未 治 療 ChildPugh class ChildPugh class orc 腎臓 クレ ア チ ニ ン クリア ラン ス 30m l/分 神経 多 発 性 硬 化 症 他 の 脱 髄 性 疾 患 妊 娠 授 乳 妊 娠 予 定 妊 娠 中 授乳 M TX SSZ ** UC:bucillam ine FK506:tacrolim uslef:leflunom ide MTX:m ethotrexate SSZ:sulfasalazine :contraindica NYH:New York Heart ssociation class *CR勧 告 で は 禁 忌 とされ て い な い が わ が 国 で は 禁 忌 で あ る **ChildPugh class Cの み に 禁 忌 さらに 安全性モニタリング リスク監視 予防接種について言及した 表 4 6 さて この勧告は 米国 リウマチ学会のもので わが国においては やや事情が異なる ヒドロキシクロロキンは使用できないし わが国で開発されたブシラミンは記載がない 日本における多くの治療経験より ブシラミンはスルファサラ ジンと同じ病期 病態に使用可能と考えられる 金チオリンゴ酸ナトリウムについても使用頻度が減少してい

るが やはり同じ領域で使用する薬剤であろう レフルノミドについては メトトレキサートと同等の有効性 関節破壊抑制が見られるなど強力な DMRD であるが 日本においては 欧米に比し予後不良な間質性肺炎の誘 発が見られ その発症頻度も高いことより メトトレキサートと同列におくことには注意が必要である この勧告の中には 多くの併用療法を加えている 併用療法が有効であるエビデンスは そのプロトコール 作成の困難なことも エビデンスの高い論文は少なく比較的経験的なことも多い 併用療法も短期罹患歴 の場合 より有効性が高いとされる 有効性の点では メトトレキサートに スルファサラジンまたはブシラ ミンンの併用は推奨である 4,5,6) 更に メトトレキサートにレフルノミドの併用は有効である 7,8) 経験的に メトトレキサートにレフルノミドを追加投与した場合は肝機能障害をきたしやすいが レフルノミドにメトト レキサートを少量より追加してゆくと 肝機能障害なく効果増強が起こることを我々も多く経験している 一 般に 薬物の併用には副作用の出現 増強が気になるところであるが 一般論としては副作用の頻度が増すよ うな経験は少ない 十分な注意を払えば試みて良いと考えている 併用に関する論文は文献 2 に多くの引用さ れているので参考にされたい ( 表 4) 生物学的製剤および低分子疾患修飾性抗リウマチ薬を投与されている関節リウマチ患者において治療を開始 再会 または有意な増量を行う際のベースライン時の評価に対する勧告 治療薬 血算 肝トランスアクレアチニン 型およびC ミナーゼ型肝炎検査 眼科検査 ヒドロキシクロロキン レフルノミド メトトレキサート ミノサイクリン スルファサラジン すべての生物学的製剤 ( 表 5) 生物学的製剤および低分子疾患修飾性抗リウマチ薬を投与されている 関節リウマチ患者におけるワクチン接種に関する勧告 治療薬 肺炎球菌 インフルエンザ 型肝炎 生ワクチンの回避 ヒドロキシクロロキン レフルノミド メトトレキサート ミノサイクリン スルファサラジン すべての生物学的製剤 ( 表 6) 低分子疾患修飾性抗リウマチ薬を投与されている関節リウマチ患者を対象とした血算 肝トランスアミナーゼ値 血清クレアチニン値の最適なモニタリング検査間隔に関する勧告 治療期間に基づくモニタリング間隔 治療薬 3ヵ月未満 3~6ヵ月 6ヵ月超 ヒドロキシクロロキン ベースライン後は レフルノミド 2~4 週 8~12 週 12 週 メトトレキサート 2~4 週 8~12 週 12 週 ミノサイクリン ベースライン後は スルファサラジン 2~4 週 8~12 週 12 週 文献 1 に記載の DMRDs に関する簡単な説明と私的なコメントを以下に記す 1) メトトレキサート (methotrexate:mtx) 最もエビデンスの明確な薬剤である 推奨 副作用が懸念さ れる場合には葉酸 5mg の週 1 回投与 (MTX 投与の48 時間後 ) が勧められる 推奨 ( 患者により 至適容量が明らかに異なる 有効容量であれば効果発現は早い 効果不十分の場合増量すべき である フォリアミンの併用は副作用を軽くするが 有効性を減弱する可能性がある 生物学的製剤の有効性 強化 作用減弱例の効果回復のために併用は効果が大である ) 2) サラゾスルファピリジン (salazosulfapyridine:ssp) SSP の抗リウマチ薬としての特徴は速効性にあ ると考えられ 比較的早期で軽症 ~ 中等症の R がよい適応 推奨 ( 妊娠希望症例などのファーストチョイスである 腎障害症例 肺病変を有する症例など使いやすい アレル ギー反応を示す症例があるので注意必要 )

3) 金製剤 ( 注射金剤 ). 注射金剤 ( 金チオリンゴ酸ナトリウム gold sodium isothiomalate:gst) 抗リウマチ薬としての価値は失われておらず 中等症以上の R 症例が本剤の適応 推奨 ( 肺病変 皮疹の出現 検尿を必ず行うこと ) 4) レフルノミド (leflunomide:lfm) MTX の効果不十分か副作用で使用できない比較的重度の例が適応と考えられる 推奨 ( 有効性は高く ローディングドースを用いた場合 効果発現は 2 週間で現れる 日本では 間質性肺炎の出現頻度が欧米に比し高く 半減期が長いためか 薬物療法に抵抗性である このため 生物学的製剤が費用的に使用できない患者など セカンドラインの薬剤と考えられる 現状では一般医家での使用は出来そうにない ) 5) わが国で開発された抗リウマチ薬 a. ブシラミン (ucillamine) 比較的早期で症状と炎症反応が以上の症例が適応 推奨 ( 有効な薬剤である 初期投与量としては 100mg/day で十分である 効果が減弱した場合 増量にて有効性が回復することが多い 検尿を必ず行うこと 黄色爪も気付くのが遅いと回復に相当の時間がかかる MTX との併用も有効である ) 6) タクロリムス (Tacrolimus Hydrate)2007 年 1 月効能追加が行われたので 推奨度は未定である ( 高薬価のため 使用できる患者に限定がある 効果発現は緩徐であるが有効率は高い 間質性肺炎の出現の報告があるが 一方で これらの患者にも使用可能 慎重投与? 生物学的製剤の効果減弱例に少量追加で効果 薬効薬理が特殊で 併用薬剤として使いやすい ) これらの薬剤の 禁忌 慎重投与と副作用を ( 表 7) にまとめているので参考にされたい ( 表 7) 抗リウマチ薬の禁忌 慎重投与と主な副作用 薬剤名 禁忌 慎重投与 副作用 頻度が高い 重症 特殊 メトトレキサート 妊婦 授乳婦 間質性肺炎 口内炎 間質性肺炎 リンパ増殖性疾患 骨髄抑制患者 肺障害 肝機能障害 骨髄抑制 皮下結節 腎障害 高齢者 嘔気 感染症 慢性肝疾患 感染症合併 発疹 型肝炎 C 型肝炎 水痘患者 脱毛 胸水 腹水 非ステロイド性抗炎症剤投与中アルコール常飲者 タクロリムス 妊婦 ( 授乳婦 ) 肝障害 胃腸障害 感染症 シクロスポリン投与中 腎障害 高血圧 糖尿病 ボセンタン投与中 高齢者 腎障害 間質性肺炎 K 保持性利尿薬投与中 感染症合併 高血糖 水痘患者 感染症 間質性肺炎 ブシラミン 血液障害 血液障害の既往 発疹 皮膚掻痒ネフローゼ症候群味覚障害 腎障害 腎障害の既往 蛋白尿 間質性肺炎 自己免疫疾患発症 ( 授乳中 ) 肝障害 腎機能異常 骨髄抑制 黄色爪 肝障害 サラゾスルファピリジンサルファ剤のアレルギー 血液障害 発疹 皮膚掻痒骨髄抑制 サリチル酸製剤のアレルギー腎障害 発疹 重症型薬疹 ( 授乳婦 ) 肝障害 肝障害 間質性肺炎 他薬剤の過敏症 胃腸障害 喘息患者妊婦高齢者 注射金剤 肝障害 金製剤を含む薬剤過敏症 発疹 皮膚炎 骨髄抑制 腎障害 慢性皮疹 口内炎 間質性肺炎 血液障害 肝 腎障害の既往 蛋白尿 血管運動性反応 潰瘍性大腸炎 高齢者 腎障害 心不全 肝障害 妊婦 授乳婦 胃腸障害 レフルノミド 慢性肝疾患 血液障害 下痢 間質性肺炎 妊婦 授乳婦 骨髄毒性薬剤投与中 胃腸障害 骨髄抑制 間質性肺炎 ( 慎重投与 ) 肝疾患既往 肝障害 感染症 肝毒性薬剤投与中 脱毛 発疹 肝障害 腎障害重症感染症重症免疫不全間質性肺炎肺線維症 高血圧

さて 欧米ではメトトレキサートがアンカードラッグとされる 確かに有効率 有効性の持続の点からは 有用な抗リウマチ剤である ただ日本においては 一般の抗リウマチ剤で十分な効果が得られない場合に限るとの制限が 最大容量も週 8mg までと上限が決まられている 活動性の激しい症例や予後不良と思われる症例には最初より また 経験から有効性が用量依存的であること 欧米での平均使用量が 15mg であることなどを考えると 公式な用量上限撤廃が望まれる 一方従来からファーストラインドラッグとして 使用していたブシラミンやスルファサラジンなど 多く使用しているが 私の使用経験を少しまとめてみた 2008 年 11 月時点で 初診時の 値の判明した 887 人について初診時と現在の 値をまとめてみた ( 図 12~15) mg/dl 1 1 1 1 1 初診時と現在の炎症反応 () の推移初診時と現在の炎症反応 () の推移初診時と現在の炎症反応 () の推移 ( ブシラミン単剤症例 )( 図 12) ( サラゾスルファピリジン単剤症例 ) ( 図 13) ( メトトレキサート単剤症例 ) ( 図 14) N=71/867 N=146/867 2 20 SSP 単剤によるの推移 1.9 0.4 mg/dl 1 1 1 1 1 2.9 0.9 mg/dl 10 10 10 10 10 0 0 0 0 0 4.2 N=106/867 0.6 2 初診時と現在の炎症反応 () の推移 ( iologics 使用者症例 ) ( 図 15) N=132/867 mg/dl 2 1 1 4.3 値が判っている自験症例で例で 各種 DMRD 単剤で 治療中の患者の現在の 値を比較した 多くの症例で炎症反応の低下が認められる ( 図 12~15) 0.8 ブシラミン スルファサラジン メトトレキサート単剤使用服用者と生物学的製剤使用者 ( 併用 ) いずれも 当然患者背景は異なるが それぞれに十分な有効性は得られている また 発症より 2 年以内の症例で上記と同じ薬剤を単剤で加療した症例も同様にまとめた ( 図 16~19) 症例数は必ずしも多くはないが 症例によっては 従来の DMRD でも 臨床的には十分な効果が期待できると考える これらの事実を考えると 症例を十分検討すれば わが国では図 20 に見るような薬物選択も考えられると思う 1 9.0 最近発症 (2006 年 1 月以降 ) した患者の炎症推移ブシラミン服用者 N=41 1 9.0 最近発症 (2006 年 1 月以降 ) した患者の炎症推移サラゾスルファピリジン服用者 N=29 最近発症 (2006 年 1 月以降 ) した患者の炎症推移メトトレキサート服用者 N=30 mg/dl mg/dl mg/dl 1.4 2.1 2.3 0.5 ( 図 16) ( 図 17) ( 図 18) 0.5 mg/dl 最近発症 (2006 年 1 月以降 ) した患者の炎症推移 2.4 Infliximab :2 Etanercept :8 生物製剤使用例 dalimumab :1 Tocilizumab :1 N=12 発症 2 年以内で DMRD 単剤で加療中の患者における 自験症例で例で 各種 DMRD 単剤で治療中の初診時と現在の 値を比較した いずれの薬剤でも炎症反応の低下が認められる 生物製剤しよう患者で炎症反応低下が目覚しい ( 図 16~19) ( 図 19) 0.2

わが国における R 治療 ( 私見 ) ( 図 20) R と診断 炎症が高い / 予後不良例 SSP UC を中心に推奨 DMRD で治療開始 有効 無効 DMRD 治療継続 MTX 治療 併用療法 松原司 江口勝美ら : 診断と治療 2008 年 2 月号を改変 有効性を 3 ヵ月ごとに確認し治療法を見直す 有効無効治療継続生物学的製剤などより強力な治療を検討寛解推奨 DMRD によるベーシック治療に戻すことを検討 文献 1) 越智隆弘 山本一彦 龍順之助編 : 厚生労働省研究班 : 関節リウマチの診療マニュアル ( 改訂版 ). 診断のマニュアルと EM に基づく治療ガイドライン, 財団法人日本リウマチ財団発行, 東京 2004. 2) merican College of Rheumatology Subcommittee on Rheumatoid rtritis Guidelines: 2002 Update. rthritis Rheum 2002;46:328346. 3) Saag KG, Teng GG, Patkar NM, et al. merican College of Rheumatology 2008 Recommendations for the Use of Nonbiologic and iologic diseasemodifying ntirheumatic Drugs in Rheumatoid rthritis : rthritis Rheum 2008;59:762784. 4) Dougados M, Combe, Cantagrel, et al, Combination Therapy in early rheumatoid arthritis: a randomized, controlled, double blind 52 week clinical trial of sulphasalazine and methotrexate compared with the single components. nn Rheum Dis 1999;58:220225. 5) Haagsma CJ, van Riel PL, de Johng J, et al, Combination of sulphasalazine and methotrxate versus the single components in early rheumatoid arthritis: a randmized, controlled, doubleblind, 52 week clinical trial. r J Rheumatol 1997;36:10821088. 6) Ichikawa Y et al. Mod Rheumatol 2005;15:23328. 7) Strand V, Cohen S, Schiff M, et al, and the Leflunomide Rheumatoid rthritis Investigators Group. Treatment of active rheumatoid arthritis with leflunomide compared with placebo and methotrxate. rch Intern Med 1999;159:25422550. 8) Kremer JM, Genovese MC, Cannon GW, et al. Concomitant leflunomide therapy in patients with active rheumatoid arthritis despite stable doses of nethotrxate: a randomized, doubleblind, placebocontrolled trial. nn Intern Med 2002;137:726733.