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Q = va = kia (1.2) 1.2 ( ) 2 ( 1.2) 1.2(a) (1.2) k = Q/iA = Q L/h A (1.3) 1.2(b) t 1 t 2 h 1 h 2 a

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質 学 Ⅰ 土の基本的性質 (1) ( 土の組成 ) 澁 啓 2018 年 4 10 1

土の基本的性質 粒子の組合せ 内部の粒子の幾何学的配置 粒子の性質 外部からは見えない 連続体 + としてのマスの性質 工学 技術の対象 粒子の性質 粒子の詰まり方 ( 粒度分布 ) 異なる大きさの粒子の混じり具合 ( 個々の粒子の性質 ) 粒子の大きさ 粒子の比重 粒子の形 粒子の硬さ 強度 粒子が占める体積 空隙が占める体積 v a) 水 ( 間隙水 ) が占める体積 b) 空気が占める体積 a 粒子の相互配列 ( 構造 ) * a) 個々の粒子の方向 b) 粒子間の相互接触の仕方 ( 接触点は主にどちらの方向に向いているか ) 平均単位体積重量 * * 必要な例 ( ビル地下室の役割 : 演習 1) 変形 強度特性 透水係数 これらは 粒子自身の性質 ( 左の欄参照 ) と粒子の幾何学的配置 * に支配される + 土質力学 : 粒状体である土を 連続体として仮定して展開 ( 苦しい仮定 ) * 測定が難しい 従って定量化が難しい しかし この特性は連続体としての変形強度特性に反映される 例えば 重力の下で堆積した土は 通常異方的構造を持ち その結果 異方的変形 強度特性を持つ 2

個々の分離した間隙と粒子を集合させると [ 重量 Weight] [ 体積 olume] 空気 (air) 空隙 a W W 水 (ater) (void) v W 土粒子 (oil particle) 図. 土の骨格構造の巨視的模式図 空気 水 土粒子の体積と重量の相互比率が 連続体としての物性 ( 重量 変形強度特性 透水係数 ) を決定するので それを測定する必要がある あるいは [ 質量 Ma] [ 体積 olume] 空気 (air) 空隙 a M M 水 (ater) (void) v M 土粒子 (oil particle) 3

体積に関係した物理量土 空気 水の三相だから 各相の体積の相対的大きさを表す Index( 指標 ) は 二つあれば良い 通常 間隙比 (void ratio) e v と飽和度 (degree of aturation) S r v が良く用いられる [ 体積 olume] [ 重量 Weight] [ 体積 olume] air 1 n e ater S r 1 1-n 1 oil 4

間隙比 (void ratio) e ロックフィルダムのロック材 ( 大小の粒子が混じっていて良く締め固まっている ) 0.2 0.3 自然の砂地盤 ( 貧配合であまり締め固まっていない ) 0.5 0.8 粘土 ( 海底地盤 )( 良配合であるが 非常に緩い状態にある ) 1.0 3.0 関東ローム * 3.0 程度 *) 元々富士山 浅間山等からの火山灰の堆積物 粒子は細かいが 扁平でガラス質であり 自然状態では粒子間にセメンテイションがあり 強い構造を作っている 乱さないと強い Porouでもある 2-3 階の木造住宅ならば 杭基礎無しでOK 乱すと 非常に軟弱になる 堆積軟岩 ( 泥岩 砂岩 )0.4 1.0 硬岩ほぼ 0.0 e セメンテイションの無い粘土堆積軟岩セメンテイションの無い砂質土硬岩 0 log( 年 ) 10 1 10 2 10 3 10 4 10 5 10 6 10 7 10 8 地質年代 ( 年 ) 間隙率 (poroity) n= v/= e/(1 + e) or e= n/(1 - n); n (x 100 %) と表現することが多い 間隙比に比較すると 使用されることが少ない ( 習慣の問題?) 5

間隙比と間隙率の測定 : では 実際にどうやって測定するのか? 意外に難しい しかし 工学は数量を相手にする 測定が全ての基本 e v S S S 1 a) 空隙の体積 v の直接測定は困難なので と を測定する b) 土の体積 は 土の塊の体積を測定できれば 求まる しかし 土の塊の体積は 円柱型とか直方体のようなきちんとした形でないと 容易には求まらない 変な形の時は? 実験室 ; 水銀置換法 現場では? 砂置換法 水置換法 ( ダムや道路建設の現場 : 大変な作業 ) c) 土粒子の体積 も直接測定は困難 W のようにして求める W: 土の塊の重量 土の塊を乾燥させて W=W として測定する γ : 土粒子の単位体積重量 ( 約 2.7) 測定法は 後で説明する 従って 実際は e 1 1の様にして求める W M 6

飽和度 S S r (x 100 %) v S r = 100 %: 飽和土 地下水位以下の土 毛細管現象のため地下水位の直上の土も飽和している S r < 100 %: 不飽和土 地下水位よりある程度上にある土 自然に多く存在する 非常に複雑な挙動をする * 研究が不十分 我が国では Sr= 100 % に近い不飽和土が多い * ) 粒子間が 水の表面張力で引きつけられている 無拘束の土でも 一定の強度を持つ 砂遊び 粘土細工が可能になる 降雨により S r が高まると減少する 斜面崩壊 S r ~ 0 % : 乾燥土 砂ではあり得る ( 砂漠 ) 我が国ではSr= 0.0 % にはなっている場合は 少ない 粘土では 自然では殆ど存在しない 7

どうやって 測定するのか? S r (x 100 %) v W W W M M M 1) ( ) W: 土の塊の重量 ( 測定可能 ) M: 土の塊の質量 ( 測定可能 ) W : 乾燥させた土の重量 ( 測定可能 ) M : 乾燥させた土の質量 ( 測定可能 ) γ : 水の単位体積重量 (= 1.0 gf/cm 3 ) ρ : 水の密度 (= 1.0 g/cm 3 ) W M 2) v ( ) : 土の体積 ( 測定可能 ) W : 乾燥させた土の重量 ( 測定可能 ) γ ( あるいはρ ): 土粒子の単位体積重量 ( あるいは密度 )( 約 2.7) 測定法は 後で説明する 測定するのは W, W,, γ 8

重量 ( あるいは質量 ) に関する物理量空気の重量を無視すれば 3 相の重量の相対的大きさを表す Index( 指標 ) は 一つで良い Air しかし 曖昧な水がある ( 自由に動けない水 ) Water a) 粘性土の場合 電気的に粒子の表面に引きつ W(M) られている固着水 1 Soil b) 大粒径の場合 粒子内部に存在する結晶水 W の定義に曖昧さがある 含水比 (ater content) W M (x 100 %) W M 1) 空気が残っている場合 含水比 だけからは 土の塊として変形 強度特性等を決定する 土の粒子の詰まり方 ( 間隙比 e 間隙率 n) は分からない 従って ( 含水比と間隙比 ) ( 含水比と飽和度 ) のように 二つ組になって記録 報告する必要がある 2) 測定 W = W W : W と W を測定する M = M M : M と M を測定する W (M ) の測定が問題 a) 結晶水を追い出すには 350 360 度が必要 粒子の外の自由空間には存在してなく 土粒子の一部として挙動する b) 固着水は 土粒子の一部として挙動する c) 従って 結晶水 固着水は 土粒子の一部として取り扱う 約束事 : JIS: 約 50 g 程度の土を 100 度 C で 24 時間炉乾燥して W (M ) を測定 9

体積と重量 ( あるいは質量 ) の両方に関係した物理量 [ 重量 Weight] [ 体積 olume] Air W (M) Water Soil 湿潤単位体積重量 (et unit eight) もしくは全単位体積重量 (total unit eight); もしくは全密度 t W ; いわゆる土の重さ 様々な工学的設計問題で必要となる物理量 t M ; M は土の塊の質量 10

a) 空気が残っている場合 γ t だけからは 土の塊として変形 強度特性等を決定する 土の粒子の詰まり方 ( 間隙比 e 間隙率 n) の値は分からない 次に説明する乾燥単位体積重量(dry unit eight) W M d あるいは乾燥密度 d は 間隙比 e 間隙率 n とより直接に関連しており 土の塊と して変形 強度特性等と より直接関連している b) 従って (γ t と含水比 ) (γ t と飽和度 S r ) のように 二つ組になって記録 報告する必要がある c) 仮に 飽和度 S r = 100 % の時 γ t (gf/cm 3 ) ρ t (g/cm 3 ) の大きさは どの程度か? [[ 重量体積 Weight] olume] [ 重量 [ 体積 Weight] olume] 1 + e e Water e γ 1 Soil γ ( 土粒子の単位体積重量 ) 3 e 2.7 e 1.7 1.0 e 1.7 t ( gf / cm ) 1.0 1e 1e 1e 1e 3 e 2.7 e 1.7 1.0 e 1.7 t( g/ cm ) 1.0 1e 1e 1e 1e 常に 1.0 以上である また γ 以下である 11

γ t orγ d γ t (gf/cm 3 ) ( ある程度 e が小さくなるとγ t >2γ )( 砂 粘土では 1.5 2.0 g/cm 3 ) 3.0 2.7 2.36 2γ = 2.0 2.16 1.85 1.8 1.35 1.56 1.46 γ = 1.0 0.9 S r が 0 と 100 % の間の時のγ t γ d γ d < γ (1.0) 0.675 0.0 間隙比 e 0 0.25 0.5 1.0 1.7 2.0 3.0 硬岩砂粘土 Rockfill dam 乾燥単位体積重量 (dry unit eight) と乾燥密度 (dry denity); 3 W 2.7 d ( gf / cm ) 1 e 1 e ; 3 M 2.7 d ( g/ cm ) 1e 1e a) それぞれ 飽和度 S r がゼロの時の全単位体積重量 γ t と全密度 ρ t に等しい b) 飽和度にかかわらず 土の塊として変形 強度特性等を決定する 土の粒子の詰まり方 ( 間隙比 e 間隙率 n) と直接対応している c) e が 1.7 程度以上だと γ d は 1.0 以下になる 粘土のように 粒子間の間隔が小さく 表面張力のために粒子間に水が浸入せず 土内部の気泡を保持できれば 乾燥していれば水に浮く 例 ) 粘性土で間隙比 e= 3.0,γ =2.7 γ d = 0.675 (gf/cm 3 ) かちかち山の狸の泥船 12

土粒子比重 : G =γ /γ =(W / )/ γ ; 単位なし 土の密度 ρ =γ /g の測定法 :Page 6 7 ピクノメータ 容器 ( 既知情報 ) 重量 W P ( あるいは 質量 M P ), 内部の体積 P, 土粒子の乾燥重量 W ( あるいは 乾燥質量 M ) a) この中を 蒸留水で満たす 重量 W c = W P + W = W P + γ x P 質量 M c = M P + M = M P + ρ x P b) この中を 土粒子と蒸留水で満たす 重量 W t = W P + W + ( p ) xγ 質量 M t = M P +M + ( p ) xρ W c と W t と W から ( あるいは M c と M t と M から ) を求める 次に 土の単位体積重量 γ =W / 土の密度 ρ =M / を求める 13

基本的物理量の間の関係 式を丸暗記しないで 次の図から理解する [Weight] [olume] W a ~0 空気 (air) 空隙 a W 水 (ater) (void) v (*) W(*) W (*) 土粒子 (oil particle) G =γ /γ (*) (*): 測定できる量 炉乾燥して求める 測定できる W,, G を用いて 基本的な物理量を表現すると 含水比 ; = W /W = (W W )/W (= M /M = (M M )/M ) 全単位体積重量 ;γ t = W/ 14

(, γ t ) と (W, G, e) を用いて 上図を表現し直すと 1 2 は 求める順序 [Weight] [olume] 空気 (air) 空隙 a 5 v =(W /γ ) e 3 2W x 水 (ater) (void) 7= W (1 + )/γ t W= (3から) W (1 + ) 1W 土粒子 (oil particle) 4 =W /γ 6 =(W )/γ (2から) 従って 1) γ d = W /=W /7=γ t /(1 + ) 2) e= v / =/ 1=7/4-1= [γ (1 + )]/γ t - 1 または 1), 2) から (1.11) e= γ /γ d - 1 3) S r = / v =6/5=( γ )/(γ e)=( G )/e 15

別法 ( 間隙比 e と飽和度 Sr を基本に考える方法 ) 多くの技術者が用いている方法 土粒子体積を 1.0 として考える [Weight] [olume] Air 2 6(S r e)γ Water e 4S r e 5γ Soil 1 1 3 (1 + e) 総重量 =γ +(S r e)γ 総体積 = (1+e) [Ma] [olume] Air 2 6(S r e)γ Water e 4S r e 5ρ Soil 1 1 3 (1 + e) 総重量 =ρ +(S r e)ρ 総体積 = (1+e) 16

t W ( S e) G ( S e) 1 e 1 e r r (1.16) M ( Sre) G ( Sre) t 1e 1e (1.16a) 1) S r = 100 % の時 ; t e G e 1 e 1 e (1.18) M e G e t 1e 1e (1.18a) 2)S r = 0 % の時 ; t G d e (1.17) 1 1 e M G t 1e 1e (1.17a) 17

土の水中単位体積重量 (Buoyant or ubmerged unit eight) γ あるいは 水中密度 ρ S r 100% の場合の水中単位体積重量は? 気泡が土の中に entrap されている状態を想定する 今 土粒子体積が 1.0 であるような土塊を考える 地下水位以下の土粒子に作用する力 ( 土塊の単位体積当たり ) 土粒子に作用する浮力 :( 土粒子体積 =1) γ air ater 1 + e G S γ oil 1.0 土粒子の重量 :G S γ 土粒子体積が 1.0 であるような土塊 ( 土粒子の水中重量は 粒子間接点を通じて 外部の土粒子構造に伝達される ) 18

浮力を体積考慮しない重量 (a) 浮力 (b) 水中重量 (a-b) e (1-S r ) 0 e (1-S r ) γ - e (1-S r ) γ air 体積 e S r e S r γ e S r γ 0.0 ater 1 G S γ 1.0 γ (G S -1) γ oil 1.0 1+e (G + e S r ) γ {G S -1- e (1-S r )} γ 土粒子に作用する浮力空気に作用する浮力 G 1.0 e ( 1 Sr ) G esr 1e ' 1e 1e 1e t (A) ' t ( 即ち ' t ) は 土の飽和度 S r に関わらず成り立っている (A) 式の意味 :γ は 土を連続体として扱った時の 単位体積重量がγ t である土 の水中での重量 浮力 ;γ 体積が 1.0 の連続体重量 ;γ t 19

S r = 100 % の時 ( 飽和土 ) ( 地下水位以下では 通常 S r = 100 %) G 1.0 G e 1e ' 1e 1e 1e t 例 ) 砂の典型的な値であるe= 0.7, G = 2.7, S r = 100 % の時 γ d ={G S /(1+e)} γ = 2.7/1.7= 1.59 (gf/m 3 ) γ ={(G S - 1.0)/(1+e)} γ = 1.7/1.7= 1.0 (gf/m 3 ) γ t ={(G S + e)/(1+e)} γ = 3.4/1.7= 2.0 (gf/m 3 ) 必ず γ t >γ d >γ の関係になる S r = 0 % の時 ( 乾燥土 ) G 1.0 e G 1e ' 1e 1e 1e d ( 注 : この場合 d t ) 例 ) 飽和度 S r = 0 % の炉乾燥した粘性土の場合 ( かちかち山の狸が作った泥船 ) e= 3.0, G = 2.7 で良くたき火で乾燥させていた G. ' 10 e G 1 e 3 d 0. 675 10. 0. 325( gf / cm ) 1 e 1 e 1 e マイナスの水中単位体積重量 従って 水に浮く 20

γ t orγ d S r = 100 % の時のγ t (gf/cm 3 ) ( 太い実線ではγ t >2γ )( 砂 粘土では 1.5 2.0 g/cm 3 ) 3.0 2.7 2.36 S r = 100 % の時のγ 2γ = 2.0 2.16 1.85 S r = 0 % の時のγ 1.8 1.35 1.56 1.46 γ = 1.0 0.9 γ d γ d < γ (1.0) 0.675 0.0 間隙比 e 0 0.25 0.5 1.0 1.7 2.0 3.0 硬岩砂粘土 Rockfill γ は負 21