Microsoft Word - h8162bul_ Edit.doc

Similar documents
Microsoft Word - flagipt1bul_ Edit.doc

Microsoft Word - cellmm2bul_ edit.doc

[PDF] GST融合タンパク質バッチ精製プロトコール

組織からのゲノム DNA 抽出キット Tissue Genomic DNA Extraction Mini Kit 目次基本データ 3 キットの内容 3 重要事項 4 操作 4 サンプル別プロトコール 7 トラブルシューティング 9 * 本製品は研究用です *

DNA/RNA調製法 実験ガイド

プロトコール集 ( 研究用試薬 ) < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫

Microsoft Word - タンパク質溶液内酵素消化 Thermo

ISOSPIN Blood & Plasma DNA

培養細胞からの Total RNA 抽出の手順 接着細胞のプロトコル 1. プレート ( またはウエル ) より培地を除き PBSでの洗浄を行う 2. トリプシン処理を行い 全量を1.5ml 遠心チューブに移す スクレイパーを使って 細胞を掻き集める方法も有用です 3. 低速遠心 ( 例 300 g

ISOSPIN Plasmid

Gen とるくん™(酵母用)High Recovery

Western BLoT Immuno Booster

P TOYOPEARL TOYOPEARL DEAE-650S, M, C TOYOPEARL CM-650S, M, C TOYOPEARL SP-650S, M, C TOYOPEARL SuperQ-650S, M, C TOYOPEARL QAE-550C TOYOPEARL

ChIP Reagents マニュアル

プロトコル 細胞 増殖 / 毒性酸化ストレス分子生物学細胞内蛍光プローブ細胞染色ミトコンドリア関連試薬細菌研究用試薬膜タンパク質可溶化剤ラベル化剤二価性試薬イオン電極 その他 機能性有機材料 酵素 (POD,ALP) を標識したい 利用製品 < 少量抗体 (10μg) 標識用 > Ab-10 Rap

Western BLoT Rapid Detect

Multiplex PCR Assay Kit

ウスターソース類の食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるウスターソース類及びその周辺製品に適用する 2. 測定方法の概要試料に水を加え ろ過した後 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.1 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63>

14551 フェノール ( チアゾール誘導体法 ) 測定範囲 : 0.10~2.50 mg/l C 6H 5OH 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の ph が ph 2~11 であるかチェックします 必要な場合 水酸化ナトリウム水溶液または硫酸を 1 滴ずつ加えて ph を調整

パナテスト ラットβ2マイクログロブリン

DNA シークエンス解析受託サービスを効率よく利用して頂くために シークエンス解析は お持ち頂くサンプルの DNA テンプレートの精製度 量 性質によ って得られる結果が大きく左右されます サンプルを提出しても望み通りの結果が返っ てこない場合は 以下の点についてご検討下さい ( 基本編 ) 1.

木村の有機化学小ネタ セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア

PureExo Exosome Isolation Kit for cell culture media & serum 高純度エクソソームを高収率 迅速に単離 エクソソームは 細胞由来の直径 nm の細胞外小胞で 広範囲の生体液 ( 血液 尿 羊水 細胞培養培地など ) に存在していま

■リアルタイムPCR実践編

Oligotex ™-dT30 <Super> mRNA Purification Kit (From total RNA)

Microsoft Word - Fluo4 Direct Calcium Assay Kits_J1_3Apr2009.doc

Cytotoxicity LDH Assay Kit-WST

すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :

Pyrobest ® DNA Polymerase

キレート滴定

技術2本文.indd

生物学に関する実験例 - 生化学 / 医療に関する実験例 ラジオアッセイ法によるホルモン測定 [ 目的 ] 本実習では, 放射免疫測定 (Radioimmunoassay,RIA) 法による血中インスリンとイムノラジオメトリックアッセイ ( 免疫放射定測定 Immunoradiometric ass

The Science of Western Blotting

土壌含有量試験(簡易分析)

BKL Kit (Blunting Kination Ligation Kit)

TaKaRa PCR Human Papillomavirus Detection Set

キレート滴定2014

しょうゆの食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるしょうゆに適用する 2. 測定方法の概要 試料に水を加え 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.02 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費した硝酸銀溶液の量から塩化ナトリウム含有

Microsoft Word - Fluo4 NW Calcium Assay KitsJ1_20Jun2006.doc

MEGALABEL™

Microsoft Word - FMB_Text(PCR) _ver3.doc

A6/25 アンモニウム ( インドフェノールブルー法 ) 測定範囲 : 0.20~8.00 mg/l NH 4-N 0.26~10.30 mg/l NH ~8.00 mg/l NH 3-N 0.24~9.73 mg/l NH 3 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の

基質溶液 ( 脂質成分を含む製品では 本手順はデータの精度に大きく影響します 本手順の記載は特に厳守ください ) 添付の基質溶液は希釈不要です 融解し室温に戻した後 使用直前に十分に懸濁してください (5 分間の超音波処理を推奨いたします ) 解凍後の基質溶液の残りは 繰り返しの凍結融解を避けるため

土壌溶出量試験(簡易分析)

p _04本文

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc)

酢酸エチルの合成

スライド 1

Microsoft Word - 酸塩基

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

コメDNA 抽出キット(精米、玄米1 粒スケール)

cDNA cloning by PCR

はじめに 液体クロマトグラフィーには 表面多孔質粒子の LC カラムが広く使用されています これらのカラムは全多孔質粒子カラムの同等製品と比べて 低圧で高効率です これは主に 物質移動距離がより短く カラムに充填されている粒子のサイズ分布がきわめて狭いためです カラムの効率が高いほど 分析を高速化で

Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2

siRNA / miRNA transfection KIT

HVJ Envelope VECTOR KIT GenomONE –Neo (FD)

PanaceaGel ゲル内細胞の観察 解析方法 1. ゲル内細胞の免疫染色 蛍光観察の方法 以下の 1-1, 1-2 に関して ゲルをスパーテルなどで取り出す際は 4% パラホルムアルデヒドで固定してから行うとゲルを比較的簡単に ( 壊さずに ) 取り出すことが可能です セルカルチャーインサートを

コメDNA 抽出キット(精米20 粒スケール)

TaKaRa Bradford Protein Assay Kit

TaKaRa PCR Human Papillomavirus Typing Set

タンパク質は 電気泳動後にタンパク質を可視化するための最も簡単で迅速な方法です バイオ ラッドは感度 定量性 質量分析計対応に合わせた可視 蛍光剤を取り扱っています CBB クマシーブリリアントブルーは を行ったゲル中のタンパク質をするための最も一般的な方法です バイオ ラッドでは 用途に合わせて2

1. 測定原理 弱酸性溶液中で 遊離塩素はジエチル p フェニレンジアミンと反応して赤紫色の色素を形成し これを光学的に測定します 本法は EPA330.5 および US Standard Methods 4500-Cl₂ G EN ISO7393 に準拠しています 2. アプリケーション サンプル

目 次 Ⅰ. キットの構成 3 Ⅱ. その他必要な器具 装置 3 Ⅲ. 試薬の調製法 4 Ⅳ. 操作手順 ( ローレンジ法 ) 5 小麦タンパク質濃度の算出法 6 標準曲線の例 6 グルテン含量の算出法 7 Ⅴ. 操作手順 ( ハイレンジ法 ) 7 グルテン含量の算出法 8 Ⅵ. キットの保存条件と

Microsoft PowerPoint - ELISA MAX Standard Protocol

Chromatin Immunoprecipitation (ChIP)

無細胞タンパク質合成試薬キット Transdirect insect cell

抗体定量用アフィニティークロマトグラフィー

1-4. 免疫抗体染色 抗体とは何かリンパ球 (B 細胞 ) が作る物質 特定の ( タンパク質 ) 分子に結合する 体の中に侵入してきた病原菌や毒素に結合して 破壊したり 無毒化したりする作用を持っている 例 : 抗血清馬などに蛇毒を注射し 蛇毒に対する抗体を作らせたもの マムシなどの毒蛇にかまれ

日本食品成分表分析マニュアル第4章

TNT820-1 化学的酸素要求量 (COD) (DR1900 用 ) DOC 加熱分解法方法 ULR (1~60 mg/l COD) TNTplus TM 820 用途 : 下水 処理水 地表水 冷却水 : 本測定方法は 分解を必要とします 測定の準備試薬パッケ

平成27年度 前期日程 化学 解答例

Microsoft Word - PI-LY 615-JP-V3 amends Japanese only

取扱説明書

Microsoft PowerPoint - 薬学会2009新技術2シラノール基.ppt

JAJP

Bacterial 16S rDNA PCR Kit

取扱説明書

Microsoft Word - NPK-801F取説(10-04) doc

TaKaRa BCA Protein Assay Kit

細辛 (Asari Radix Et Rhizoma) 中の アサリニンの測定 Agilent InfinityLab Poroshell 120 EC-C µm カラム アプリケーションノート 製薬 著者 Rongjie Fu Agilent Technologies Shanghai

プロトコル 蛍光色素を標識したい 利用製品 < 少量抗体 (10μg) 標識用 > ICG Labeling Kit- NH 2 [LK31] - アミノ基標識用 - R-Phycoerythrin Labeling Kit - NH 2 [LK23] Ab-10 Rapid Fluorescein

酵素の性質を見るための最も簡単な実験です 1 酵素の基質特異性と反応特異性を調べるための実験 実験目的 様々な基質を用いて 未知の酵素の種類を調べる 酵素の基質特異性と反応特異性について理解を深める 実験準備 未知の酵素溶液 3 種類 酵素を緩衝液で約 10 倍に希釈してから使用すること 酵素溶液は

目次 IPS 細胞の継代... 3 細胞継代後の培地交換... 5 IPS 細胞の凍結... 6 凍結ストックの解凍... 8 細胞融解後の培地交換 融解後 1 日目 ON-FEEDER IPS 細胞を FEEDER-FREE 条件にて継代する方法 参考資料 AC

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

Microsoft Word - csaa1bul_ edit.doc

注釈 * ここでニッケルジメチルグリオキシム錯体としてのニッケルの重量分析を行う場合 恒量値を得るために乾燥操作が必要だが それにはかなりの時間を要するであろう ** この方法は, 銅の含有量が 0.5% 未満の合金において最も良い結果が得られる 化学物質および試薬 合金試料, ~0.5 g, ある

2,3-ジメチルピラジンの食品添加物の指定に関する部会報告書(案)

本品約2g を精密に量り、試験液に水900mLを用い、溶出試験法第2法により、毎分50回転で試験を行う

CERT化学2013前期_問題

木村の理論化学小ネタ 液体と液体の混合物 ( 二成分系 ) の気液平衡 はじめに 純物質 A( 液体 ) と純物質 B( 液体 ) が存在し, 分子 A の間に働く力 分子 B の間に働く力 分子 A と分子 B の間に働く力 のとき, A

5989_5672.qxd

品目 1 四アルキル鉛及びこれを含有する製剤 (1) 酸化隔離法多量の次亜塩素酸塩水溶液を加えて分解させたのち 消石灰 ソーダ灰等を加えて処理し 沈殿濾過し更にセメントを加えて固化し 溶出試験を行い 溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する (2) 燃焼隔離法アフターバーナー及びスクラバ

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

2009年度業績発表会(南陽)

研究報告58巻通し.indd

MLPA 法 Q&A 集

目 次 1. はじめに 1 2. 組成および性状 2 3. 効能 効果 2 4. 特徴 2 5. 使用方法 2 6. 即時効果 持続効果および累積効果 3 7. 抗菌スペクトル 5 サラヤ株式会社スクラビイン S4% 液製品情報 2/ PDF

Microsoft Word - A5_FlowCount.DOC

表紙.indd

Transcription:

140-0002 東京都品川区東品川 2-2-24 天王洲セントラルタワー 4F Tel: (03) 5796-7330 Fax: (03) 5796-7335 e-mail: sialjpts@sial.com HIS-Select R Cobalt Affinity Gel (HIS-Select コバルトアフィニティーゲル ) 製品番号 H8162 保存温度 2~8 C TECHNICAL BULLETIN ( 使用説明書 ) 製品概要 HIS-Select R コバルトアフィニティーゲルは 固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー (IMCA) 用の製品です このゲルは コバルト荷電ビーズアガロース四座配位キレート ( 非公開 特許取得済み ) で ヒスチジン含有タンパク質と特異的に結合するようデザインされています このアフィニティーゲルのマトリックスは 6% アガロースビーズです HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは ヒスチジンタグを有する組み換えタンパク質に選択的で その他のタンパク質には低い非特異的結合を示します クロマトグラフィー操作中にイミダゾールを加えることで 選択性を調節できます HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは耐久性があり ヒスチジンタグを有する組み換えタンパク質を高い流量で捕捉できます ヒスチジンタグを有する組み換えタンパク質は 非変性条件 変性条件 または穏やかな還元条件を用いて結合されます このアフィニティーゲルは 分子量約 30 kda のヒスチジンタグタンパク質で測定した場合 一般的に充填ゲル 1 ml あたり 15 mg 以上結合します 使用前に使用説明書使用説明書の全体 ( 特に試薬適合性試薬適合性チャート ) をお読みになることをおみになることをお勧めしますめします 試薬 HIS-Select コバルトアフィニティーゲルはピンク色で 30% エタノール中で 50% 懸濁液になっています 本製品以外にごにご用意用意いただくいただく試薬試薬およびおよび器具 (Sigma 製品番号を適宜付記しております ) 遠心機 クロマトグラフィーカラムまたは遠心チューブ バクテリア溶解用試薬 CelLytic TM B( 製品番号 B7435, B7310, C8740) CelLytic B Plus Kit( 製品番号 CB0500) または CelLytic Express( 製品番号 C1990) 哺乳類細胞溶解用試薬 CelLytic M 製品番号 C2978 イミダゾール 製品番号 I 0125 塩化ナトリウム, 製品番号 S3014 リン酸ナトリウム, 製品番号 S0751 塩酸グアニジン 製品番号 G3272 尿素 製品番号 U1250 注意事項と免責事項本製品は研究用です 医薬品 家庭での使用など試験研究用以外の用途には使用できません 危険性と安全な取り扱いについては安全性データーシート (MSDS) をご覧ください 抗菌剤 (30% エタノールなど ) を含む場合を除き アフィニティーゲルを規定の時間 (24 時間 ) 以上バッファー中に放置しないでください 注 : 金属イオンをキレート化するバッファーや試薬は ゲルマトリックスからコバルトを除去する可能性があるため 本製品では使用使用しないでくださいしないでください 強力な還元剤も コバルト結合を減少させ ヒスチジン含有タンパク質の結合を阻害する可能性があるため 使用を避けてください 詳細は試薬適合性チャートをご覧ください 使用前の準備 HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは 30% エタノール中で保存します エタノール保存液は 使用直前に取り除いてください アフィニティーゲルをゆっくりと転倒混和して再懸濁し 使用する分量を取り出してください アフィニティーゲルは精製に必要な量のみ取り出してください その後 アフィニティーゲルをクロマトグラフィーカラムに移し 標準的な手法を用いてタンパク質精製を行うか 試験スケールや大規模の調製にはバッチ方式で操作します エタノール保存液が除去されていない場合 バッファー塩の沈殿が起きることがあります 一般的に アフィニティーゲルを 1~2 倍量の脱イオン水でまず洗浄してエタノールを取り除いた後 3~5 倍量の平衡化バッファーで平衡化します ヒスチジン含有タグ融合組み換えタンパク質の精製手順で使用する 以下のバッファーを調製します 1. 平衡化バッファーおよび洗浄バッファー : 50 mm リン酸ナトリウム, ph 8.0, 0.3 M 塩化ナトリウム, 10 mm イミダゾール一般的な平衡化バッファーの組成は 50 mm リン酸ナトリウム, 1~20 mm イミダゾール, 0.15~0.5 M 塩化ナトリウム, ph 8.0 です

2. 溶出バッファー : 50 mm リン酸ナトリウム, ph 8.0, 0.3 M 塩化ナトリウム, 250 mm イミダゾール一般的な溶出バッファーの組成は 50 mm リン酸ナトリウム, 100~250 mm イミダゾール, 0.15~0.5 M 塩化ナトリウム, ph 8.0 です 保存 / 安定性 HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは 適切に保存した場合 1 年以上安定です HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは 毎回の使用後に下記の方法で洗浄し 30% エタノールなどの抗菌剤を保存バッファーに加えます 手順 I. 抽出物の調製ヒスチジンタグ融合組み換えタンパク質は 細胞粗抽出物または標準的な手法によって部分的に精製したタンパク質画分から抽出できます 組み換えタンパク質と宿主生物の性質によって条件が異なるため タンパク質サンプル調製手順は研究者が実験的に決定します E. coli ( 大腸菌 ) 細胞溶解での使用には 1~20 mm イミダゾールを添加した CelLytic B または CelLytic Express を推奨します アフィニティーゲルに適用する前に 組み換えタンパク質サンプルを遠心またはろ過によって洗浄します 最適な結果を得るため サンプルバッファーの ph は 7.0~ 8.0 とします 非特異的なタンパク質結合を減らすため 平衡化 サンプルバッファーは 1~20 mm イミダゾールと 0.15~0.5 M 塩化ナトリウムを添加します その他の使用可能な試薬については 試薬適合性チャートをご覧ください II. 試験スケールスケールでのでの精製 (mini-prep) 大規模精製を試みる前に 試験スケールでの実験 ( 標的タンパク質 1 mg 未満 ) を行い 標準的な操作条件が対象の組み換えタンパク質に有効であるかどうかを判断します すべての操作は 室温または 2~8 C で行います 1. HIS-Select コバルトアフィニティーゲル懸濁液 25~50 µl をマイクロ遠心チューブに加え 5,000 X g で 30 秒間遠心します 2. 上清を慎重に除去し 捨てます 3. 平衡化バッファー 200 µl を加え 十分混合します 4. 5,000 X g で 30 秒間遠心します 上清を除去し 捨てます 5. 洗浄した組み換えタンパク質溶液 100 µl を加え 1 分間ゆっくりと混合します 混合物を手順 4 のように遠心し 上清を確保します 6. アフィニティーゲルを 500 µl 以上の洗浄バッファーで 2 回洗浄します アフィニティーゲルを 10 秒間ゆっくりと混合し その後 5,000 X g で 30 秒間遠心します 分析用に洗浄バッファー溶液をひとつにまとめるかまたは画分に分けて保存します 7. 標的タンパク質は溶出バッファー 50 µl で溶出します バッファーをアフィニティーゲルに加え 十分混合します 8. 5,000 X g で 30 秒間遠心します 9. ステップ 7~8 を繰り返し より多くのタンパク質を回収します タンパク質の多くは最初の 50 µl で溶出しますが 一部の残ったタンパク質は 2 回目の操作で溶出する可能性があります 2 回の操作で得られた溶液をひとつにまとめるかまたは画分に分けて保存します 10. すべての溶液を SDS-PAGE で分析し 標的タンパク質がアフィニティーゲルに結合し 溶出したかどうか確認します 精製操作中にヒスチジン含有タンパク質が分離されたことを確認するためには ウエスタンブロットも有用です 標的タンパク質がアフィニティーゲルと結合または溶出されないされない場合は トラブルシューティングガイドをご覧ください 変性条件下で試験を繰り返すことが必要な場合があります III. 大規模精製すべての操作は 室温または 2~8 C で行います A. 非変性条件 : カラムクロマトグラフィー 1. 適量の HIS-Select コバルトアフィニティーゲルをクロマトグラフィーカラムに移します アフィニティーゲルを 2 倍量の脱イオン水で洗浄し その後 3 倍量の平衡化バッファーで洗浄します 平衡化バッファーの表面がゲルベッドの上部よりも低くならないようにします 抗菌剤を添加しない場合 アフィニティーゲルを規定の時間 (24 時間 ) 以上平衡化バッファー中に放置しないでください 2. 必要なアフィニティーゲル量は 抽出物中の標的ヒスチジン含有タンパク質量によって異なります 標的タンパク質に対するアフィニティーゲルの能力は 精製するタンパク質ごとに決定します

3. 洗浄した粗抽出物を 2~10 カラム容量 / 時間の流量でカラムにロードします 細胞抽出物は作製後直ちにロードし ローディング時間は 6 時間以下を推奨します ローディング時間が長くなりすぎる場合場合 タンパク質結合をバッチ方式で行うことも可能です (III-B ステップ 1~8) バッチロードしたアフィニティーゲルをカラムにセットし 洗浄溶出ステップ 4~5 に従って操作します 4. 抽出物をすべてロードしたら カラムを洗浄バッファーで洗います 洗浄バッファーの流量は 約 10~20 カラム容量 / 時間とします カラムから溶出した物質の A 280 が安定になり 洗浄バッファーに近くなるまでカラム全体を洗います 5. ヒスチジン含有タンパク質は 3~10 カラム容量の溶出バッファーを用いてカラムから溶出されます 画分を回収し 標的タンパク質のアッセイを行います 洗浄バッファーの流量は 2~ 10 カラム容量 / 時間とします B. 非変性条件 : バッチ精製法 1. 適量のアフィニティーゲル懸濁液を大型の遠心チューブに加えます 混合物を 5,000 X g で 2 分間遠心してアフィニティーゲルを回収し 上清を捨てます または ろ過して上清を取り除きます 2. アフィニティーゲルを 10 ゲル容量の平衡化バッファーに再懸濁します 3. 混合物を 5,000 X g で 2 分間遠心するか 平衡化後にアフィニティーゲルをろ過して回収します 4. 上清を除去し 捨てます 5. 細胞抽出物をアフィニティーゲルに加えます サンプルをオービタルシェーカー ( 約 175 rpm) で 30 分間ゆっくりと混合します スターラープレートは使用しないでください スターラーバーはアフィニティーゲルビーズを破壊する恐れがあります 6. 混合物を 5,000 X g で 2 分間遠心する またはろ過します 上清を取り出し SDS-PAGE 用に確保します 7. 10 倍量の洗浄バッファーをアフィニティーゲルに加えます 8. アフィニティーゲルを洗浄バッファーに完全に再懸濁します 懸濁液を 5,000 X g で 2 分間遠心する またはろ過します 9. ステップ 7~8 を繰り返し アフィニティーゲルを再び洗浄します 10. アフィニティーゲルは 溶出液の A 280 が減少しなくなるまでさらに洗浄することが可能です 洗浄液を捨てます 11. 2 ゲル容量の溶出バッファーを加えます アフィニティーゲルをオービタルシェーカー ( 約 175 rpm) で 30 分間混合します 12. 混合物を 5,000 X g で 2 分間遠心する またはろ過します 上清を取り出して保存する またはろ過します ヒスチジン含有タンパク質は この画分に含まれています 13. より多くのタンパク質を溶出するには ステップ 11~12 を繰り返します 溶出した画分をひとつにまとめるかまたは画分に分けて保存します IV. 変性条件 HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは 変性条件でのタンパク質精製に使用できます 変性条件を使用する必要がある場合 タンパク質をまず 6 M 塩酸グアニジンまたは 8 M 尿素で溶解します アフィニティーゲルにアプライする前に 変性した細胞抽出物の ph が 7.0~8.0 であることを確認してください 変性バッファーでは 前述と同様の精製手順を使用できます 注 : 尿素含有バッファーバッファーは用時調製する必要必要がありますがあります 尿素変性系の例を以下に示します 平衡 / 洗浄バッファー 0.1 M リン酸ナトリウム ph 8.0, 8 M 尿素 溶出バッファー : 0.1 M リン酸ナトリウム ph 4.5~6.0, 8 M 尿素または 0.1 M リン酸ナトリウム ph 8.0, 8 M 尿素, 250 mm イミダゾール ph 依存性の溶出では 一部のヒスチジンタグ融合組み換えタンパク質は ph 5.0~6.0 では溶出しないため 溶出バッファーの ph を変える必要があります タグ融合組み換えタンパク質がこの範囲で溶出しなければ ph を 4.5 に下げます V. 還元条件 HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは 穏やかな還元条件でのタンパク質精製に使用できます 還元条件を使用する必要がある場合 20 mm β-メルカプトエタノール ( 製品番

号 M7522) または 5 mm ジチオスレイトール ( 製品番号 D5545) の濃度を超えないようにします 注 : 還元剤の存在下で精製を行う場合 結合能の低下が見られることがあります したがって 還元条件で精製するときは アフィニティーゲルの使用量を増やすことを推奨します VI. HIS-Select コバルトアフィニティーゲルの洗浄アフィニティーゲルは次回使用時に適切に機能するよう 毎回の使用後に洗浄します すべての操作は 室温または 2 ~8 C で行います A. 一般的な洗浄 1. アフィニティーゲルを 2 カラム容量の脱イオン水で洗浄します 2. 5 カラム容量の 6 M 塩酸グアニジン ph 7.5 で洗浄します 流速は 5 カラム容量 / 時間以下とします 3. 2~3 カラム容量の脱イオン水で塩酸グアニジン溶液を除去します 4. すぐに使用するときは アフィニティーゲルを 2~3 カラム容量の平衡化バッファーで再平衡化します ゲルを保存するときは 1~2 カラム容量の 30% エタノールで洗浄し 2~8 C で保存します 注 : アフィニティーゲルは 0.2 M 酢酸 1~2% SDS またはエタノールでも洗浄できます エタノール濃度は 100% まで上げることが可能ですが エタノール濃度は段階的に徐々に増やすか減らす必要があります アフィニティーゲルの急速な容量変化を防ぐため 各段階でのエタノール濃度の上昇は 25% (v/v) 以下とする必要があります ( 例 25 50 75 100 75 50 25 0%) 注 : HIS-Select コバルトアフィニティーゲルがピンク色から茶 ~ 灰色になっていると コバルトが還元されています 還元されたコバルトは EDTA では除去できません 新しいゲルを使用する必要があります 結果この手順で精製した組み換えタンパク質は SDS-PAGE で分析した場合 多くの環境において基本的に単一のバンドを示します アフィニティーゲルは ゲル 1 ml あたり 15 mg 以上のタンパク質と結合します この能力は 精製するタグ融合組み換え体の性質やサイズ 精製に使用する条件に依存します 条件の修正により 結合能だけでなく 最終生成物の純度も向上します その他の推奨条件は トラブルシューティングガイドをご覧ください 塩酸グアニジンを含有するサンプルで SDS-PAGE 分析を行う場合 まずサンプルを TCA 沈殿させる必要があります この TCA 手順は タンパク質サンプルも濃縮します 100% TCA 溶液 ( 製品番号 T0699) をタンパク質サンプルに加え 最終濃度を 10% TCA とします サンプルを氷上で 15 分間インキュベートし サンプルを最高速度で 15 分間遠心します 上清をピペットで慎重に取り除き ペレットを SDS-PAGE サンプルバッファーに再懸濁します CelLytic は Sigma-Aldrich R Biotechnology LP 及び Sigma- Aldrich Co. の商標です HIS-Select は Sigma-Aldrich Biotechnology LP 及び Sigma- Aldrich Co. の登録商標です HIS-Select は 米国特許第 6,623,655 号で保護されています TRITON は Union Carbide Corp. の登録商標です TWEEN は Uniqema (ICI Americas, Inc. の一部門 ) の登録商標です IGEPAL は Rhône-Poulenc, LP. の登録商標です CS,RM,JWM,MAM 10/07-1

試薬適合性チャート 試薬イミダゾールヒスチジン 作用 コバルト荷電アフィニティーゲルに結合し ヒスチジンタグ融合組み換えタンパク質と競合します コバルト荷電アフィニティーゲルに結合し ヒスチジンタグ融合タンパク質と競合します コメント カラムクロマトグラフィーの場合 抽出物では 20 mm 以下 タンパク質の非特異的結合を阻害する洗浄バッファーを提案します 溶出バッファーでは 250 mm 以下を提案します 多くのタンパク質は 100~200 mm という低いイミダゾール濃度で溶出されます バッチ方式では イミダゾール濃度を下げる またはイミダゾールを除去する必要があります 抽出 平衡化 洗浄 溶出バッファーでは イミダゾールの代わりに使用できます 溶出バッファーでは 250 mm 以下を提案します キレート剤 例 コバルトイオンをアフィニティーコバルトイオンを除去できるため バッファー成分としては推奨できません EDTA EGTA ゲルから除去します 新しい金属イオンで再荷電する前に アフィニティーゲルから除去する目的で使用します 塩酸グアニジン タンパク質の可溶化 タンパク質の変性とアフィニティーゲルの洗浄に使用します 尿素タンパク質の可溶化 変性条件での精製には 8 M 尿素を使用します リン酸ナトリウム平衡化 洗浄 溶出バッファーアフィニティーゲルでの精製には 50~100 mm のバッファーを推奨しま で使用し 非特異的結合の阻 す バッファーの ph は 7~8 とし ph が高いほど能力も高くなります 害と溶液の緩衝作用を助けます 塩化ナトリウム イオン相互作用の阻害 平衡化 洗浄 溶出バッファーで使用し 非特異的タンパク質とアフィニティーゲルとの結合の阻害を助けます 推奨濃度は 0.15~0.5 M ですが 最大 2 M まで使用できます β- メルカプトエタノール ジスルフィド結合形成の阻害に使用する還元剤 ジスルフィド結合を切断するには 抽出バッファーに最大 20 mm まで加えます 濃度が高ければコバルトイオンが減少し 結合能が低下します. エタノール グリセロール DTE DTT 非イオン性界面活性剤 (Triton, Tween, Igepal CA 630) グリシン 抗菌剤 タンパク質間の疎水性相互作用も除去します タンパク質の安定化を助けます ジスルフィド結合形成を阻害し コバルトイオンを減少させます タンパク質とアフィニティーゲルとの非特異的結合の阻害を助けます アフィニティーゲルと弱く結合し ヒスチジン含有タンパク質と弱く競合します 結合 洗浄 溶出 保存バッファーには最大 30% のエタノールが含まれます 注 : エタノールは一部のバッファー塩の沈殿を生じさせます 使用前にバッファーを調製し 塩の沈殿を確認します 結合 洗浄 溶出 保存バッファーには最大 50% までグリセロールを含むことができます ジスルフィド結合を破壊するには 抽出バッファーに最大 5 mm まで加えます DTT を使用する場合 結合能の低下が見られることがあります 最大 2% まで使用できます 推奨されません ヒスチジンまたはイミダゾールを代わりに使用してください

トラブルシューティングガイド問題原因 ヒスチジンタグ融合組み換えタンパク質がアフィニティーゲルと結合しない 溶出バッファーの導入前に洗浄バッファーにタンパク質が溶出される 精製中にタンパク質が沈殿する カラムの圧力に問題がある アフィニティーゲルの色が変化する 対策 結合条件が正しくない サンプルや平衡化バッファーの ph と組成を確認してください キレート剤や還元剤が抽出バッファーに含まれていないことを確認してください 組み換えタンパク質が存抽出物のウエスタンブロットを行い 組み換えタンパク質が存在するこ在しない とを確認してください ヒスチジンタグがタンパク変性条件でアフィニティー精製を実行してください 質構造に埋もれている 細胞が抽出されない 標的タンパク質が細胞抽出物中に存在することを確認してください 洗浄条件が厳しすぎる イミダゾール濃度を下げ ph が 7~8 であることを確認してください ヒスチジンタグがタンパク洗浄条件が厳しすぎないことを確認してください 質構造に埋もれている 変性条件でアフィニティー精製を実行してください 温度が低すぎる タンパク質が凝集している 抽出物に不溶物質が含まれる 抽出物にさらされている 再荷電の必要があります 実行中に変色し 終了時まで戻らない ヒスチジンタグ融合溶出条件が穏やか過ぎ組み換えタンパク質る がアフィニティーゲルから溶出されない ヒスチジンタグ組み換えタンパク質と同時に 非特異的タンパク質が溶出される 結合洗浄条件をより厳しいものにしてください 標的タンパク質がプロテアーゼによって分解される 物質がジスルフィド結合で結合されている 室温でカラムを流してください 5~10% グリセロール 0.1% Triton X-100 または Tween 20 などの安定剤を加えます 塩化ナトリウム濃度を最大 2 M まで上げます メルカプトエタノールなどの還元剤を最大 20 mm まで加えます カラムにロードする前に タンパク質抽出物に不溶物質が含まれてはなりません 遠心または 0.45 µm 膜を用いたフィルターろ過によって 不溶物質を除去する必要があります 精製中に 多くのタンパク質抽出物はローディング操作中のアフィニティーゲルを変色させる傾向があります 洗浄または溶出操作後に 元の色に戻ります アフィニティーゲルを多数回使用 洗浄したため コバルトでアフィニティーゲルを再荷電する必要があります バッファーや抽出物には 強力な酸化剤や還元剤を使用しないでください 還元されたコバルトイオンは アフィニティーマトリックスから除去できません 新しいアフィニティーゲルを使用してください イミダゾールの量を増やしてください ph 溶出での変性精製では ph が十分低く タグ組み換えタンパク質の溶出が可能であることを確認してください 溶出バッファーを ph 4.5 に調節してください 高いタンパク質濃度を避けるため バッチ精製を行ってください 抽出物や洗浄バッファー中のイミダゾールの量を最大 20 mm まで増やします プロテアーゼインヒビターカクテル ( 製品番号 P8849) を加えてください メルカプトエタノールなどの還元剤を最大 20 mm まで加えてください Sigma ブランド製品は Sigma-Aldrich, Inc. を通じて販売されています Sigma-Aldrich, Inc. は同社製品がこの文書およびその他の Sigma-Aldrich 発行文書に含まれる情報に合致していることを保証します お客様の個別の用途と製品の適合性についてはお客様にてご判断ください 収載の品目 製品情報 価格などは予告なく変更される場合がございます 納品伝票または同梱の内容明細書の裏面をご覧ください