さいたま市に LRT( 次世代型路面電車 ) の実現をめざして! 平成 21 年 2 月 25 日 さいたま市の環境と公共交通システム研究会
4. ( 要旨世界の ) LRTの整備状況 1 LRTの建設は目的でなく手段である 2 さいたま市のLRTの敷設について 3 LRTは高齢者のニーズにかなっている 4 トラ研の活動 5 健康で長生きできる安心安全な街づくり 6 LRT を実現させるためには 7 まとめ 電池駆動式 LEV 定員 :63 人 ( 座席 28 人 ) 電池 : ニッケル水素蓄電池運転形態 : ワンマン後乗 前降
1.LRT の建設は目的でなく手段である 日本の総人口予想と少子 高齢化 [ 出展 : 国立社会保障 人口問題研究所 ] 2006 年は総人口 12,774 万人で65 歳以上が2,617 万人 2050 年には総人口 10,100 万人 ~9,000 万人 ( 約 30% 減 ) で 65 歳以上が3,600 万人 ( 約 37.6% 増 ) になると予想されている
1-1. コンパクトシティと LRT エレベーターは建物の装置 公共交通は都市の装置で LRT は道路を走り 便利で人が集まる水平エレベーターの役割を果たす エレベーターの無いビルには人が集まらない
4. 1-2. 世界の世界の LRT LRT の整備状況の整備状況
1-3.LRT とトランジットモール 4. 世界の LRT の整備状況 トランジットモールとは中心市街地のメインストリートの一般車両を制限し 歩行者 自転車とバスやLRTなどの公共交通機関に開放している通りやエリアのこと トランジットモールの効果 にぎわうスイス チューリッヒの街 歩行者の安全が確保され快適な歩行空間が提供される 歩行者の回遊性が高まり 中心市街地が活性化する 公共交通で街中までアクセス出来るので高齢者を含め 身障者も中心部に来街可能など 数多くの特徴がある トランジットモール 内を走行する LRT フランス ストラスブール郊外 フランス ストラスブール市内 環境保全のため芝生の内に軌道を敷設
1-4. 世界のフランス ストラスブールの LRTの整備状況 LRT オム ド フェール広場駅 自動車がいない
4. 1-5. 世界のオム ド フェール広場駅の南北線の交通結節点 LRTの整備状況
4. 1-6. 世界のパリのトラム LRTの整備状況 3 号線 芝生の軌道上を走行中
4. 1-7. 世界のパリのトラム LRTの整備状況 3 号線車内の様子
1-8. 日本における整備状況 事業化 2 都市 予定 17 都市 広島市 GREENMOVER MAX 検討中都市 70 富山市 PORTRAM 日本では 先進国であるヨーロッパの考え方と 異なるため 多くの自治体で計画があるが 実用化までは至っていない状況である 今も現役であるかつての路面電車 ( 都電荒川線 ) バリアフリー化のために低床化されたLRT
1-9. 富山市ライトレール 富山市では 北陸新幹線整備と在来線の高架化による富山駅周辺の整備を契機として JR 富山港線を我が国初の本格的な LRT として整備 計画路線図 大幅なサービスレベルの向上 運賃は 大人 200 円 子供 100 円 日本初の本格的 LRT トランジットセンター 出典 : 富山市資料
1-10. 公設民営化の考え方に基づく費用負担 事業に要した費用主体別の財源活用した助成制度 約 3 億円 / 年 運営費 人件費 電力費等約 2 億円 / 年 施設の維持管理費約 1 億円 / 年 運賃収入等約 2 億円 / 年 富山市約 1 億円 / 年 約 5 8 億円 建 設 費 車両 ( 約 16 億 ) 軌道駅電気設備車庫本社屋等の整備 約 58 億円 富山市約 17 億円 JR 西日本からの協力金約 10 億円 県約 9 億円 国約 22 億円 行政による 負担 富山市単独事業約 10 億円 LRT システム整備補助約 7 億円 街路事業約 8 億円 連続立体交差事業約 33 億円
4. 1-11. 世界の街中を走る LRT の整備状況 PORTRAM 低床で車輪が見えない 自然と調和した道路区間を快走 自動車交通との共存走行 交差点でもゆっくり目立つことなく
2. さいたま市の LRT の敷設について 大宮が起点 東西交通ルートを補完 運輸政策審議会答申 18 号で決定 交通過疎地域からの強い要求 さいたま市の総合振興計画の公共交通ネットワーク基本計画に盛られてる
4. 2-1. 世界の片柳地区での活動 LRTの整備状況 片柳地区に LRT を導入する会 が発足 12,010 人の署名を集め相川市長に提出 多数の年配者の参加で会場が一杯になる講演会 講演会が決起集会に変身
3.LRT は高齢者のニーズにかなっている 現在の都市と少子 高齢化時代の都市 公共交通沿線が活性化 自動車交通社会で面的拡大 トリップゼロ
輸送人員輸送人員 運行本数運行本数 利用者数 ( 人 / 日 ) 輸送人員輸送人員 運行本数運行本数 6000 6,000 5,769 5,316 3-1. 富山ライトレールの効果について 4,942 4,963 5,200 4,932 5000 5,000 4. 世界の 4,601 50 50 4,379 LRT の整備状況 4000 4,000 3,756 3,429 3,217 3,115 3,212 60 60 40 40 3000 3,000 25 25 25 23 23 2000 2,000 19 19 19 19 19 運行本数の大幅増等サービス向上により 富山ライトレール利用 者が大幅に増加 1000 1,000 10 10 30 30 20 20 運行本数の大幅増などによるサービス向上により 通勤 買い物 通院などの日常交通の利用が大きく伸びている 0 ( 人 ) 0 0 ( 本 ) 平成 H8 8 年 H9 平成 9 年 H10 平成 10 年 H11 平成 11 年 H12 平成 12 年 H13 平成年 H14 平成年平成 H15 年平成 H16 年平成 H17 年平成 H18 年 7000 7,000 70 70 66 輸送人員運行本数 6000 6,000 5,769 60 60 5,316 4,942 4,901 4,963 5,200 4,932 LRT 化 5000 5,000 4,601 50 50 4,379 4000 4,000 3,756 3,429 3,217 3,115 3,212 3000 3,000 25 25 25 23 23 19 2000 19 19 19 19 2,000 40 40 30 30 20 20 1000 1,000 10 10 0 0 0 平成 H8 8 年 H9 平成 9 年 H10 平成 10 年 H11 平成 11 年 H12 平成 12 年 H13 平成年 H14 平成年平成 H15 年平成 H16 年平成 H17 年平成 H18 年 1 日平均利用者数と運行本数の推移輸送人員 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 3,430 JR 富山港線 乗車人員の変化 5,780 富山ライトレール 伸び率 6 5 4 3 2 1 0 5.6 2.6 1.9 1.3 通勤 通学 買い物 通院 目的別利用者数の伸び 自動車からの転換も図られている 新規 20.5% (1,024 人 ) タクシー等 3.5% (174 人 ) 二輪 1.6% (81 人 ) 徒歩 2.8% (142 人 ) 自動車 11.5% (572 人 ) 地鉄バス 13.3% (664 人 ) 以前から富山港線を利用 46.7% (2,331 人 ) 以前の交通手段 ( 富山ライトレール利用者 ) ( 平日 ) 特に 高齢者の利用が大幅に増加しており 交通弱者のモビリティ確保に寄与している ( 人 ) 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 H17(JR) H17(JR 富山港線 H18( ) ポートラム H18( 富山ライトレール ) ) 357 520 280 189 287 673 399 814 610 1,210 260 925 年代別利用者数の変化 ( 平日 ) 資料 : 富山市資料 164 566 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 ~
4. 3-2. 世界の高齢者に適した富山ライトレール LRT の整備状況 運転席はバス感覚 乗客も多い 大人 子供も利用者多い車椅子用スペース (2 台 )
4. 世界のトラ研の活動 LRT の整備状況 さいたま市の環境と公共交通システム研究会 平成 17 年 3 月 23 日設立 会長 幹事会 行政連携分科会 専門委員会 EST 分科会 公宣活動分科会 会員 会員増加中
4-1. 総会と基調講演 定時総会状況 学識経験者を招いての基調講演 国土交通省課長を招いての基調講演
4-2. 講演会活動 ( 出前講座 ) と調査活動 見沼区区民会議での講演 ( 社 ) 埼玉県宅建協会講演 桜区まちづくり講演会 宇都宮市 LRT 決起集会に参加 2000 人以上の参加
4-3. 4. 世界の提案活動 LRTの整備状況 (1) 研究会での検討用のイメージ参考図です
4-4. 提案活動 (2) ターミナルイメージ図 道路占有比較図 市街地走行イメージ図
4-5. 国際会議への参加 さいたま市の交通政策を紹介する 相川宗一市長 さいたま市の交通政策 1 カーフリーデー 企業 市役所 学校 市民が一体となり実施 (2007) 今年度は規模の拡大を目指す 2 さいたま市エコドライブ取組方針 低公害車の導入やエコドライブの普及についての取組みの方針 3 公共車両優先システム (PTPS) 路線バスのスムーズな運行を促す 4 新公共交通システム (LRT) の導入 検討委員会を設置し 多角的に検討を行っている ( 調査 視察等 ) シティーズ フォー モビリティ国際会議 / さいたま市
5. 健康で長生きできる安心安全な街づくり LRT 駅では 近郊農家などからの新鮮野菜販売の 朝市の駅 など地元振興に貢献する
6.LRT を早期に実現させるためには (1) 自動車交通問題からの早期脱却 人の安全 安心のための街づくりを考え直す交通 自動車交通に依存した事で道路渋滞 事故の発生 都市での排気ガス放出による環境の悪化 ( 公害 ) 経済活動の非効率化 モビリティの低下 地球環境問題への影響 都市機能の低下 (2)LRT 推進協議会の設立と議員連盟との連携 研究会から早期移行 LRT 推進協議会 自治体 関係者の参加 市民との合意形成連携必須事業者 関係機関 LRT 推進議員連盟 国会議員県会議員市議会議員
6-1.LRT の整備に対する国の支援ついて LRT を 都市の装置 として位置付け 積極的に整備を支援 LRT プロジェクト 国土交通省 ( 都市 地域整備局 道路局 鉄道局 ) 警察庁の連携のもと LRT の整備に対して総合的に支援 LRT プロジェクト推進協議会の設置 事業者自治体都道府県警察 合意形成と計画策定 LRT 導入とまちづくりを一体的に進める etc. 国の支援 生き生きとした魅力ある都市の再生 人と環境にやさしい都市基盤施設と都市交通体系の構築 利用しやすく高質な公共交通ネットワークの整備
6-2.LRT プロジェクトを支援する総合整備事業 都市交通システム整備事業 路面電車走行空間改築事業 LRT システム整備費補助 平成 19 年度創設 ( 都市 地域整備局 ) 総合的な都市交通の戦略に基づく LRT の施設 ( 車両を除く ) の整備に対し包括的に支援 補助対象者 地方公共団体等 平成 19 年度拡充 ( 道路局 都市 地域整備局 ) 国 1/3 地方公共団体 2/3 国 1/2 地方公共団体 1/2 LRT の走行空間 ( 走行路面 停留所等 ) の整備に対して支援 交通結節点においては 道路区域外の空間を活用するものを含む 補助対象者 地方公共団体 平成 20 年度拡充 ( 鉄道局 ) 国 1/4,1/3 地方公共団体 1/4,1/3 鉄軌道事業者 1/2,1/3 地域公共交通活性化 再生法の総合連携計画に基づく軌道運送高度化事業に対して補助率を嵩上げ LRTシステムの構築に不可欠な施設 ( 低床式車両 制振レール 車庫 変電所等 ) の整備に対して補助 補助対象者 鉄軌道事業者 LRT の施設全体 ( 車両を除く )
6-3.LRT システム整備費補助の概要 高い速達性 定時性 輸送力を持つ 人と環境に優しい公共交通 LRT システム の構築に不可欠な施設の整備に対して補助 国 1/4,1/3 地方公共団体 1/4,1/3, 鉄軌道事業者 1/2,1/3 LRT システムの計画的な整備に対して支援 地域公共交通活性化 再生法の総合連携計画に基づく軌道運送高度化事業に対して補助率を嵩上げ レール ( 制振軌道 ) 相互直通化のための施設 IC カードシステム 低床式車両 (LRV) ( 車両導入に必要な変電所の増強 車庫の増備も対象 ) 停留施設 福井鉄道 ( 軌道終端 ) えちぜん鉄道 ( 三国芦原線 ) 騒音が約 1/3 に減少 87dB 76dB( 広島電鉄 ) 渡り線 ( 白 ) のほか 信号通信設備 電路設備の整備により相互直通化 乗換時間をカット 乗降時間が半分に短縮 ( 札幌市実証実験 ) 輸送力が1.6 倍に増加約 90 人 約 150 人 ( 広島電鉄 ) 加速時間が半分に短縮 2km/h/s 3.5km/h/s( 広島電鉄 ) 低床式車両の車高に合わせた設計や スロープの設置により段差を解消 環境配慮 バリアフリー 速達性 定時性 輸送力 地域公共交通活性化法法定協議会 トータルシステムとしての LRT 整備 総合連携計画に基づく軌道運送高度化事業 ( 大臣認定 ) 地域公共交通の活性化のための先進的事業として位置づけ 重点的支援
7. まとめ ( 理想的な交通対策 ) 歩ける範囲内に公共交通の駅がある 乗降が便利なLRTで少子高齢化に対応 高齢者に便利な低料金制の準フリーパス 市街地はいつも にぎわい がある 中心市街地は 歩く人が優先 物流 タクシーなどの対策が適切である その他数多くの対策が望まれる
ご清聴ありがとうございました さいたま市の環境と公共交通システム研究会 会長 坂本和穂