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あまめゆきしげ
5 years ago
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1 産婦人科医会対外広報記者懇談会平成 21 年 7 月 8 日 ( 水 ) 日本記者クラブ性教育 ( 性の健康教育 ) への取り組みについてー第 32 回性教育指導セミナー全国大会 ( 岡山市 ) ーテーマ性教育 : いつまでに? どこまで? 平成 21 年 7 月 26 日日曜日日本産婦人科医会女性保健部会安達知子 ( 母子愛育会愛育病院 ) 性教育 ( 性の健康教育 ) は家庭学校地域の連携の下に行われる学校での性に関する教育は文科省の定める指導要領にそって児童生徒の発達段階に応じて性に関する科学的知識を理解させるとともにこれに基づいた望ましい行動がとれることを目的に主として保健体育を通してその教科書の内容を踏まえて行われる ( 小学校 3 年生からスタートする ) 1

2 すなわち発達年齢に沿った段階的教育の指導要領はあるがいつまでにどこまでの性の健康教育を行うかはバリエーションがある一般人の認識地域の医療関係者の認識父母の認識教育現場においても養護教諭の認識や学校長教育委員会の考え方は異なるしかし目指す性の健康教育は同じであるいつまでにどこまでの性の健康教育をどのように行っていくことが効果的かこの大きな課題が今回の岡山での性教育指導セミナーのメインテーマである参考資料小学校指導要領体育 ( 保健 ) 抜粋第 3 学年学校でも, 健康診断や学校給食など様々な活動が行われていることについて触れるものとする (1) 健康の大切さを認識するとともに, 健康によい生活の仕方が理解できるようにするア毎日を健康に過ごすためには, 食事, 運動, 休養及び睡眠の調和のとれた生活を続ける必要があることイ毎日を健康に過ごすためには, 体の清潔を保つことや明るさ, 換気などの生活環境を整えることなどが必要であること自分と他の人では発育発達などに違いがあることに気付き, それらを肯定的に受け止めることが大切であることについて触れるものとする第 4 学年 (2) 体の発育発達について理解できるようにするア ) 体は, 年齢に伴って変化することまた, 体をよりよく発育発達させるためには発達させるためには, 調和のとれた食事, 適切な運動, 休養及び睡眠が必要であることイ ) 体は, 思春期になると次第に大人の体に近づき, 体つきが変わったり, 初経, 精通などが起こったりすることまた, 異性への関心が芽生えること月経射精思春期について保健に配当する授業時数は, 2 学年間で 8 単位時間程度効果的な学習が行われるよう適切な時期に, ある程度まとまった時間を配当すること 2

3 小学校指導要領体育 ( 保健 ) 抜粋第 5 学年 (2) 心の発達及び不安, 悩みへの対処の仕方について理解できるようにするア ) イ ) 心は, いろいろな生活経験を通して, 年齢とともに発達すること心と体は密接な関係にあり, 互いに影響し合うこと思春期の悩みについて薬物については, 有機溶剤の心身への影響を中心に取り扱うものとするまた, 覚せい剤等についても触れるものとする第 6 学年 (3) 病気の予防について理解できるようにするア病気は, 病原体, 体の抵抗力, 生活行動, 環境がかかわりあって起こることイ病原体が主な要因となって起こる病気の予防には, 病原体を体に入れないことや病原体に対する体の抵抗力を高めることが必要であることウ生活習慣病など生活行動が主な要因となって起こる病気の予防には, 栄養の偏りのない食事や口腔の衛生など, 望ましい生活習慣を身に付けることが必要であることまた, 喫煙, 飲酒, 薬物乱用などの行為は, 健康を損なう原因となること HIV について ( 性的接触については触れられていない ) 保健に配当する授業時数は,2 学年間で 16 単位時間程度効果的な学習が行われるよう適切な時期に, ある程度まとまった時間を配当すること参考資料中学生指導要領保健体育抜粋第 1 学年 (1) 心身の機能の発達と心の健康について理解できるようにするア ) イ ) ウ ) 妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から, 受精妊娠までを取り扱うまた, 生殖にかかわる機能の成熟に伴い, 性衝動が生じたり, 異性への関心が高まることなどから, 異性の尊重, 情報への適切な対処や行動の選択が必要となることについて取り扱うものとする身体の機能は年齢とともに発達すること思春期には, 内分泌の働きによって生殖にかかわる機能が成熟することまた, こうした変化に対応した適切な行動が必要となること知的機能, 情意機能, 社会性などの精神機能は, 生活経験などの影響を受けて発達することまた, 思春期においては, 自己の認識が深まり, 自己形成がなされること性腺刺激ホルモン排卵月経のしくみ射精のしくみ受精と妊娠について性との向き合い方第 3 学年 (4) ウについては, 心身への急性影響及び依存性について取り扱うことまた, 薬物は, 覚せい剤や大麻等を取り扱うものとするエについては, 後天性免疫不全症候群 ( エイズ ) 及び性感染症についても取り扱うものとする (4) 健康な生活と疾病の予防について理解を深めることができるようにするウ ) エ ) 喫煙, 飲酒, 薬物乱用などの行為は, 心身に様々な影響を与え, 健康を損なう原因となることまた, そのような行為には, 個人の心理状態や人間関係, 社会環境が影響することから, それらに適切に対処する必要があること感染症は, 病原体が主な要因となって発生することまた, 感染症の多くは, 発生源をなくすこと, 感染経路を遮断すること, 主体の抵抗力を高めることによって予防できること性感染症とその予防 HIVとその感染経路 ( 性的接触血液感染母子感染 ) 保健分野の授業時数は,3 学年間で,48 単位時間程度効果的な学習が行われるよう適切な時期に, ある程度まとまった時間を配当すること 3

4 高校生指導要領保健体育抜粋喫煙, 飲酒, 薬物乱用については, 疾病との関連, 社会への影響などについて総合的に取り扱い, 薬物については, 麻薬, 覚せい剤等を扱うものとする (1-イ) 健康の保持増進と疾病の予防健康を保持増進するとともに, 生活習慣病を予防するためには, 食事, 運動, 休養及び睡眠の調和のとれた生活の実践及び喫煙, 飲酒に関する適切な意志決定や行動選択が必要であること薬物乱用は心身の健康などに深刻な影響を与えることから行ってはならないことまた, 医薬品は正しく使用する必要があること感染症の予防には, 適切な対策が必要であることエイズの現状流行の原因エイズへの対策 ( 性行為コンドーム HIV 検査 ) 思春期と健康, 結婚生活と健康及び加齢と健康を取り扱うものとするまた, 生殖に関する機能については, 必要に応じ関連付けて扱う程度とするさらに, 異性を尊重する態度や性に関する情報等への対処, 適切な意志決定や行動選択の必要性についても扱うよう配慮するものとする (2-ア) 生涯の各段階における健康生涯にわたって健康を保持増進するためには, 生涯の各段階の健康課題に応じた自己の健康管理を行う必要があること思春期の健康 ( 基礎体温無月経無排卵 ) 性的欲求性に関する情報結婚生活と家族の健康妊娠出産 ( 陣痛産道出産 ) 妊娠時の配慮母子健康手帳家族計画避妊法 ( コンドームピル ) 人工妊娠中絶入学年次及びその次の年次の2 か年にわたり履修 Q&A 先進諸国でHIV/AIDS 患者の増加に歯止めがかかっている中日本における現状は? HIV 感染者およびAIDS 患者報告数の年次推移 ( 厚労省エイズ発生動向年報より ) 4

HIV 感染者および AIDS 患者感染経路別内訳 HIV 感染者 27 年度報告例 AIDS 患者 27

血友病血液製剤輸血例を除く ( 厚労省エイズ発生動向年報より ) 日本国籍異性間 HIV 感染者の年齢別

5 HIV 感染者および AIDS 患者感染経路別内訳 HIV 感染者 27 年度報告例 AIDS 患者 27 年度報告例 n=1,82 n= 年新規 HIV 患者は 1,113 件 28 年新規 AIDS 患者は432 件 28 年 3 月までの累計 HIV 感染者 : 9,643 件 ( 男 7,735 件女 1,98 件 ) AIDS 患者 : 4,544 件 ( 男 3,982 件女 652 件 ) 血友病血液製剤輸血例を除く ( 厚労省エイズ発生動向年報より ) 日本国籍異性間 HIV 感染者の年齢別性別内訳 (27 年末までの累計エイズ発生動向年報 ) 男性女性 HIV 感染は男性の方が多いが異性間感染者では年齢が若いほど女性の感染者が多い 5

6 性感染症の認識度今までに性感染症を学んだことがある ( 高校生 ) HIV 感染症クラミジア感染症トリコモナス腟炎性器ヘルペス梅毒淋病尖圭コンジローマ B 型肝炎男子 (n=1,361) 女子 (n=1,444) (%) 東京都幼小中高性教育研究会 1999 年調査エイズの知識 ( 中学生 ) 男子女子 (n=1,822) ( 正しいと思ったものすべて ) (n=1,739) (%) (%) 感染すると必ず死ぬ病気である遺伝する病気である感染している人の血液が皮膚につくと必ず感染する感染した人は特別な場所で生活する必要がある以前は感染の流行が心配されたが現在では心配はなくなった開発されている薬は発病をおくらせる効果がある予防をしない性交 ( セックス ) は感染することがある健康そうに見えても感染していることがある年調査児童生徒の性 : 東京都幼小中高心障学級養護学校の性意識性行動に関する調査報告, 学校図書 6

7 (%) 中学生高校生の性交経験率男子女子平成 17 年中 1 中 2 中 3 高 1 高 2 高 3 中学 2 年生の5.1% 3 年生の9.8% が性交経験済み中学 1 年生のうちにしっかりとした性教育が必要であることがわかる資料 : 東京都幼稚園小中高心障性教育研究会東京都の児童生徒の性意識性行動に関する実態調査中学生のセックスについて調査対象 : 満 16~49 歳の男女 3, 人 ( 層化二段無作為抽出法 ) 全体有効回答率 52.7% 1 代男性セックス ( 性交渉 ) に関してセックス ( 性交渉 ) は妊娠や性感染症について自分で責任のとれる年齢や立場になってからするべきだ 31.9% 63.3% 12.8% 時代の流れであるので仕方妊娠や病気が学業に与えるそがないセックス ( 性交渉 ) をするかしなの後の影響を考えるとしないいかは中学生であっても個人ほうがよいの自由である無回答 4.4% 1.6% 13.1% 42.6% 16.6% 1 代女性 52.7% 1.9% 55% 5.5% 3.9% 4 代男性 69.5% 17.7% 8.4% 4 代女性 77.1% 14.1% 5.2% % 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 1% 避妊を実行しない理由準備していないたぶん妊娠しない調査対象 : 大都市中都市町村の各 4 地点で高校生 2,179 名を含む中高専大めんどうだから学生 5,51 名に対し調査がなされたそのうち避妊をいつもしていない場合によ産むつもりると答えた者, 複数回答. いいだせない相手に断られれる中絶すればよい方法を知らない出典 : 平成 16 年度厚生労働省科学研究費補助金研究第 2 回男女の生活と意識に関する調査報告書 ( 日本家族計画協会 ) 財団法人日本性教育協会第 6 回青少年の性行動全国調査 (25 年 ) 27 より改変高校生男子 (5 人 )[32.9%] 高校生女子 (98 人 )[43.8%] [ ] は性交相手がいる者に対する割合 (%) 7

8 人工妊娠中絶の実態暴行脅迫を除く人工妊娠中絶件数 12, 1, 8, 1 代の人工妊娠中絶の実態母の年齢別にみた出生数出生率 ( 対女性千対 ) ~14 歳 41 人 - 15~19 歳 15,933 人 5.2 7,185 1,854 暴行脅迫を除く人工妊娠中絶件数 8, 6, 全年齢層の人工妊娠中絶の実態 68,544 57,673 57,495 45,831 6, 4, 2, ,61 4,96 母が 1 代で出産の 1/5 は非摘出子に ( 全年齢平均 2.1%) 母が1 代の非摘出子出生数 3296 人割合 ( 対出生数 ) * 2.6% * 母の年齢階級別出生数対 15 歳未満 15 歳 16 歳 17 歳 18 歳 19 歳 1 代の人工妊娠中絶数ご存知ですか? 15 歳未満 3 人強 15~17 17 歳 9, 人弱が毎年望まない妊娠中絶をしている避妊法妊娠中絶についてどの時期に教育すべきでしょうか? ( 中学 2 年生の性交経験率 5.1%) 4, 2, 27,337 17,72 1,597 ~19 歳 2~24 歳 25~29 歳 3~34 歳 35~39 歳 4~44 歳 45 歳 ~ 中絶に至った人は避妊をしていたのでしょうか? 避妊なし 52.% 腟外射精 19.8% 98.% が避妊をしていないか不確実な方法コンドーム 26.2% 中絶に至った人のうち今回の中絶が2 回目以降の割合は? 今回が1 回目 ( 初めて ) 63.9%, 今回は2 回目以降 36.1% 出典 : 厚生労働科学研究費補助金反復人工妊娠中絶の防止に関する研究 28 経産数年齢生活スタイルなどに応じて確実な避妊法である OC IUDを使い分けるのが望ましい出典 : 平成 18 年衛生行政報告例, 平成 18 年人口動態統計参考資料性感染症の実際罹患者数 7, 5, 4, 3, 2, 1, 平成 18 年性感染症罹患者数淋菌尖圭コンジローマ性器ヘルペス性器クラミジア ( 総数の 45.4%) 12,468 6,42 1,447 5,437 2,76 ( 総数の9.4%) 3,344 32,112 16,333 3,866 1~19 歳 2~29 歳総数罹患者数 5, 4, 3, 2, 1, 平成 11~1818 年性器クラミジア罹患者数推移 - 定点モニターによる ( 平成 18 年は 946 医療機関数 )- 援助交際が社会問題化承低認用量OC普及1 %6, 歳ピル発売( 主に中用量ピルから低用量ピルへの移行 ) 総数 2~29 歳 15~19 歳 1~14 歳平成 ( 年 ) 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 OC普及率OC 普及せず2%弱OC 発売当初は OCにより性感染症 (STD) は増加すると言われていた実際は減少傾向にある 1 歳代で約 5,8 人 2 歳代で約 28, 人が感染する STDの予防のためには何が必要? 資料 : 厚生労働省健康局結核感染症課性感染症報告数より改変 8

9 OC の使用率と中絶割合 7% 6% 5% 58.6% OC の使用率 (%) 日本における OC 売上動向と人工妊娠中絶実施件数の推移 OC 売上 ( 対年比 ) 3 人工妊娠中絶件数 4 万 4% 3% 2% 1% 35.6% 15.6% OC 売上 ( 対年比 ) 人工妊娠中絶実施件数 3 2 % ドイツフランスアメリカ人工妊娠中絶数対出生比 (%) 4% 35% 33.8% 年 99 年年 1 年 2 年度 3 年度 4 年度 5 年度 6 年度 7 年度 1 3% 25% 2% 15% 1% 5% % 12.8% 22.2% ドイツフランスアメリカピルが避妊の第一選択肢となっている欧米では OC 使用率が高いほど中絶数対出生比が低い傾向にある ( ドイツでは女性の半分が OCを服用 ) 日本においても中絶数は減少傾向にある出典 :World Contraceptive Use 25. United Nations/ UN, Demographic Yearbook. 対出生比は出生 1 に最新年次のもの ( 独 1995 年仏 1993 年米 1991 年 ) 厚生労働科学研究費補助金反復人工妊娠中絶の防止に関する研究 28 参考資料 OCの副効用副作用 OC 服用によるメリット下記の頻度が下がります月経困難症子宮外妊娠大腸がん過多月経機能性卵巣嚢胞骨粗しょう症子宮内膜症良性卵巣腫瘍尋常性ざ瘡 ( にきび ) 貧血子宮体がん関節リウマチ良性乳房疾患卵巣がん出典 : 低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン, 日本産科婦人科学会 26 各種避妊法の経費の比較 ($) 体重増加について出典 : 日本の治験データ,1999. 体重増加は起こりにくいと言われていますが 1 kg程度の増加が.8~2.2% の人に見られるようです (98~99%) には体重増加なし ) がんの増加についてがん全体からみると OC 非服用者に比較して約 12% 減少しています乳がん子宮体がん卵巣がん大腸小腸がん子宮頸がん ( 浸潤性 ) 出典 :Trussel J,et al:am J Public Health,1995. 出典 : 英国の希望調査データ, 倍.58 倍.54 倍.72 倍 1.33 倍 OC 服用中止後も予防効果が期待できます定期的ながん検診で予防可能です避妊せずコンドーム IUD OC 避妊具の直接経費副作用の治療費妊娠に伴う経費などの費用の総額をドルで換算 5 年間 1 年間 1 年間の避妊なら OC が 5 年間の避妊なら IUD が一番安価で確実です 2, 4, 6, 8, 1, 12, 14, 16, ($) 出典 : 厚生労働科学研究費補助金反復人工妊娠中絶の防止に関する研究 28 9

各種がんの発症率の推移日本における2-29 29 歳の女性 1 万人当たりの各種癌の発症率の推移出典 : 国立がんセンターがん対策情報センター, 人口動態統計 ( 厚労省大臣官房統計報告 ) 対女性 1 万人対 9 8 子宮頸 7 6 胃 5 4 乳房 3 2 子宮頸 1 1975 198 1985 199 1995 2 年齢階級別子宮頸がんおよび体がん罹患率 -198

infectiousな環境では加齢に伴う免疫能の低下も伴い持続感染が起きる HPV 感染 9% 以上一過性感染持続感染中検査していればこの間に発見予防が可能子宮頸がん持続感染感染から発がんまで ~1 数年 HPV ワクチンの国別使用状況出典 : 日経メディカル Cancer Review 29.

10 各種がんの発症率の推移日本における歳の女性 1 万人当たりの各種癌の発症率の推移出典 : 国立がんセンターがん対策情報センター, 人口動態統計 ( 厚労省大臣官房統計報告 ) 対女性 1 万人対 9 8 子宮頸 7 6 胃 5 4 乳房 3 2 子宮頸年齢階級別子宮頸がんおよび体がん罹患率 -198 年と 2 年の比較 - 資料 : 国立がんセンターがん対策情報センター子宮頸がん子宮体がん 198 年 2 年 2 年 198 年参考資料 HPV 感染とHPV ワクチン HPV 感染から頸がん発生までの経過免疫力で 6~12 ヵ月間で HPV 排除性行為の始まる 1-2 歳代に初感染がありその多くが1 年位の間に免疫学的に排除されていくがより infectiousな環境では加齢に伴う免疫能の低下も伴い持続感染が起きる HPV 感染 9% 以上一過性感染持続感染中検査していればこの間に発見予防が可能子宮頸がん持続感染感染から発がんまで ~1 数年 HPV ワクチンの国別使用状況出典 : 日経メディカル Cancer Review 29.6 国名対象年齢キャッチアップ対象年齢公費負担状況オーストラリア 12~1313 歳 13~26 歳全額公費負担アメリカ 11~1212 歳 13~26 歳一部公費負担イギリス 12~1313 歳 18 歳まで一部公費負担フランス 14 歳 15~23 歳一部公費負担ノルウェー 11~1212 歳 13~1616 歳全額公費負担ドイツ 12~1717 歳なし全額公費負担ルクセンブルグ 12 歳 13~1818 歳一部公費負担 1

11 子どもが被害者となる性犯罪の実態子どもが強制わいせつの被害者となる刑法犯の推移出典 : 警察庁生活安全局少年の補導および保護の概況 ( 注 ): 認知件数子どもが性犯罪被害を受けた件数の推移出典 : 警察庁生活安全局少年の補導および保護の概況性犯罪 : 強姦強制わいせつ ( 注 ): 認知件数性犯罪数 ( 認知件数 ) ,68 1,764 6, 未就学小学生中学生高校生大学生その他学生 3,582 7, 有職少年 6,491 5,845 5, 無職少年 4,791 参考具体的にわいせつとみなされる人体の部分は陰部陰毛肛門及び女性の乳首である被害者の男女を問わず肛門に性器を挿入する犯罪は強制わいせつ罪が適用される強姦罪は男性には適用されない ( 男性に対する強姦は強姦罪の構成要件を満たさず強制わいせつ罪を成立させるにとどまる ) , ( 年 ) 性教育に対する高校生の知識項目正解男子女子不正解男子女子腟外射精は確実な避妊の方法である排卵はいつも月経中におこる精液がたまりすぎると身体に悪い影響がある性感染症を治療しないと不妊症になることがある口を使ったセックスでは性感染症はうつらない性感染症にかかると必ず自覚症状が出るいいえ 69.8% 76.3% はい 3.2% 23.7% いいえ 15.8% 45.% はい 84.2% 55.% いいえ 45.% 13.2% はい 55.% 86.8% はい 49.% 58.6% いいえ 51.% 41.4% いいえ 48.4% 5.4% はい 51.6% 49.6% いいえ 48.3% 54.2% はい 51.7% 45.8% もしもの時確実な避妊と性感染症 (STD) 予防ができるでしょうか? 調査対象 : 大都市中都市町村の各 4 地点で中学生 2,187 高校生 2,179 名専門学校生 66 名大学生 1,78 名の計 5,51 名に対し調査がなされたそのうち無回答は除く出典 : 財団法人日本性教育協会第 6 回青少年の性行動全国調査 (25 年 ) 27 より改変 11

性教育に対する評価 6.5 32.7 16.1 5.7 37.8 中学生 (2,136 人 ) 好意的否定的 8.5 44.7 16.6 4.1 26. 高校生 (2,17 人 ) 8.7 41.6 3.4 6.7 12.

66 名大学生 1,78 名の計 5,51 名に対し調査がなされたそのうち無回答は除く出典 : 財団法人日本性教育協会第 6 回青少年の性行動全国調査 (25 年 ) 27 より改変養護教諭に対する性教育アンケート平成 21 年 3 月実施第 32

12 性教育に対する評価中学生 (2,136 人 ) 好意的否定的高校生 (2,17 人 ) 大学生 (1,62 人 ) % 2% 4% 6% 8% 1% 非常に役に立つ役に立つあまり役に立たないぜんぜん役に立たないわからない性教育を受けたことはない調査対象 : 大都市中都市町村の各 4 地点で中学生 2,187 高校生 2,179 名専門学校生 66 名大学生 1,78 名の計 5,51 名に対し調査がなされたそのうち無回答は除く出典 : 財団法人日本性教育協会第 6 回青少年の性行動全国調査 (25 年 ) 27 より改変養護教諭に対する性教育アンケート平成 21 年 3 月実施第 32 回性教育指導セミナー ( 岡山市 ) 抄録より対象小学校 39 名中学校 38 名高等学校 25 名特別支援学校 6 名計 18 名児童生徒の性行動に危機感を感じますか? 研修を受ける機会がありますか? 実践的な性教育を行うことで性行動がエスカレートする危険性があると思いますか? 医療職が学校に出向き性教育を行うことを望みますか? 12

13 男女の心と身体の違い, 二次性徴月経射精 - 性に関する事柄を知るべき時期 - 調査対象 : 満 16~49 歳の男女 3, 人 ( 層化二段無作為抽出法 ), 有効回答率 52.7% 74.6% 男女の心と身体の違い 22.5% 46.3% 14.1% 1% 小学生低中学年小学生高学年二次性徴 ( 発毛声変わり乳房のふくらみ ) 月経射精などの身体のしくみ 73.6% 11.3% 62.% 小学生低中学年小学生高学年 16.% % 2% 4% 6% 8% 1% 3~5 歳 6~9 歳 1~12 歳 13~15 歳 16~18 歳 19 歳以上個人によって異なる知る必要はない無回答男女の心と身体の違い二次成長月経射精について 7 割以上が小学生までに知るべきと回答出典 : 平成 16 年度厚生労働省科学研究費補助金研究第 2 回男女の生活と意識に関する調査報告書 ( 日本家族計画協会 ) 改変参考資料性に関する倫理道徳結婚離婚など - 性に関する事柄を知るべき時期 - 調査対象 : 満 16~49 歳の男女 3, 人 ( 層化二段無作為抽出法 ), 有効回答率 52.7% 小学生低中学年小学生高学年中学生高校生人とのコミュニケーション ( 関わり方 ) 21.2% 27.8% 18.3% 6.9% 男女間の平等や助け合い 14.5% 29.7% 27.% 1.6% 性に関する倫理や道徳 5.1% 27.% 39.1% 12.7% 結婚 6.% 14.8% 24.5% 2.8% 離婚 5.% 13.9% 22.2% 18.9% % 2% 4% 6% 8% 1% 3~5 歳 6~9 歳 1~12 歳 13~15 歳 16~18 歳 19 歳以上個人によって異なる知る必要はない無回答小学生までに知るべきと考える頻度は人とのかかわり 6% 強男女平等や性に関する倫理道徳については 5% 未満である出典 : 平成 16 年度厚生労働省科学研究費補助金研究第 2 回男女の生活と意識に関する調査報告書 ( 日本家族計画協会 ) 改変 13

14 受精妊娠出産誕生のしくみセックス ( 性交渉 ) - 性に関する事柄を知るべき時期 - 調査対象 : 満 16~49 歳の男女 3, 人 ( 層化二段無作為抽出法 ), 有効回答率 52.7% 受精妊娠出産誕生のしくみ 49.9% 44.7% 35.1% 小学生高学年中学生セックス ( 性交渉 ) 25.4% 23.6% 65.5% 4.1% 小学生高学年中学生 % 2% 4% 6% 8% 1% 3~5 歳 6~9 歳 1~12 歳 13~15 歳 16~18 歳 19 歳以上個人によって異なる知る必要はない無回答受精妊娠出産誕生のしくみは約 5% が小学生の内にセックス( 性交渉 ) は約 25% が小学生の内に 65.5% が中学生までの間に知るべきと回答出典 : 平成 16 年度厚生労働省科学研究費補助金研究第 2 回男女の生活と意識に関する調査報告書 ( 日本家族計画協会 ) 改変参考資料避妊法人工妊娠中絶コンドームの使い方 - 性に関する事柄を知るべき時期 - 調査対象 : 満 16~49 歳の男女 3, 人 ( 層化二段無作為抽出法 ), 有効回答率 52.7% 避妊法小学生高学年中学生高校生 7.% % 19.9% 49.1% 15.9% 人工妊娠中絶 14.9% 61.4% 45.6% 18.% コンドームの使い方 14.6% 61.1% 46.5% 22.5% % 2% 4% 6% 8% 1% 3~5 歳 6~9 歳 1~12 歳 13~15 歳 16~18 歳 19 歳以上個人によって異なる知る必要はない無回答小学生の間に知るべきは15-2 2% 中学生の間までには知るべきは 6-7%. 出典 : 平成 16 年度厚生労働省科学研究費補助金研究第 2 回男女の生活と意識に関する調査報告書 ( 日本家族計画協会 ) 改変 14

15 エイズその他の性感染症 (STD) とその予防 - 性に関する事柄を知るべき時期 - 調査対象 : 満 16~49 歳の男女 3, 人 ( 層化二段無作為抽出法 ), 有効回答率 52.7% 小学生高学年中学生高校生エイズとその予防 22.3% 47.8% 16.2% エイズ以外の性感染症とその予防 2.% 47.3% 18.4% % 2% 4% 6% 8% 1% 3~5 歳 6~9 歳 1~12 歳 13~15 歳 16~18 歳 19 歳以上個人によって異なる知る必要はない無回答エイズ性感染症とその予防を中学生までの間に知るべきと 6-7% が考えている高校生でよいと考えているのは 16-18% 18% と少数である出典 : 平成 16 年度厚生労働省科学研究費補助金研究第 2 回男女の生活と意識に関する調査報告書 ( 日本家族計画協会 ) 改変参考資料多様な性 ( 同性愛など ) 性的被害 ( レイプ性暴力など ) の対処法 - 性に関する事柄を知るべき時期 - 調査対象 : 満 16~49 歳の男女 3, 人 ( 層化二段無作為抽出法 ), 有効回答率 52.7% 小学生高学年中学生高校生性的被害 ( レイプや性暴力など ) の対処法 16.5% 41.6% 2.2% 多様な性のあり方 ( 同性愛性的指向性同一性障害等 ) 11.% 38.4% 25.1% % 2% 4% 6% 8% 1% 3~5 歳 6~9 歳 1~12 歳 13~15 歳 16~18 歳 19 歳以上個人によって異なる知る必要はない無回答性的被害の対処法は約 6% は中学生までに多様な性のあり方についての知識は約 5% が中学生までに知っておくべきと回答出典 : 平成 16 年度厚生労働省科学研究費補助金研究第 2 回男女の生活と意識に関する調査報告書 ( 日本家族計画協会 ) 改変 15

16 性教育のテーマ具体的な指導命の誕生性器の名称性交について第二次性徴月経精通射精など月経痛などへの対応マスターベーションなど思春期の悩みへの対処健康病原菌性感染症 HIV/ エイズ感染経路予防感染後の対応感染後の対応望まない妊娠 / 中絶妊娠の仕組み対応中絶とは避妊性被害性犯罪デート DV その他コンドームピルなど性犯罪に会ったときの対応デート DV への対応不妊高齢妊娠性感染症のリスクリプロダクティブヘルス子宮頸がん検診ワクチンなど性同一性障害同性愛など母子の健康次世代の健康ヒトパピローマウイルスとの関連その他性に関する情報産婦人科医の活用文科省子どもの健康を守る地域専門家総合連携事業 ( 平成 2 年より開始 ) この事業を推進し産婦人科医が学校の現場や地域で教職員学校医および父母などと連携しながら性の健康教育を行っていけるように支援をお願いします. 産婦人科医の参画は極めて少ないのが現状です. 文科省学校地域保健連携推進事業 ( 平成年, 19 年延長 ) 平成 16 年度 (2 億 1,136,1 万円 ) 17 年度 (1 億 6,868.3 万円 ) 18 年度 (1 億 5,178.8 万円 ) の予算の下各都道府県教育委員会から文部科学省への手上げ方式で申請する形で都道府県医師会を通じ学校へ専門医 ( 診療科として精神科整形外科皮膚科泌尿器科産婦人科 ) を学校協力医として派遣し児童生徒の様々な健康問題に対応できるようにするモデル事業であった. このモデル事業を発展させた事業が上記の子供の健康を守る地域専門家総合連携事業である. 16

日産婦誌61巻12号研修コーナー

日産婦誌61巻12号研修コーナー α ( 表 E-9-9)-1) 乳房発育の段階 (Tanner の分類 ) 第 1 期 (B1) 第 2 期 (B2) 第 3 期 (B3) 第 4 期 (B4) 第 5 期 (B5) 乳頭だけが突出 ( 思春期前 ) 乳頭だけが突出し乳房が小さい高まりを形成. 着色が増す ( つぼみの時期 ) 乳輪と乳房実質がさらに突出. しかし, 乳輪部と他の部分との間に段がない乳輪部が乳腺実質の上に盤状に突出丸みをもった半球状の乳房を形成