Microsoft Word - 基本原理1

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1 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 構造解析学における基本原理および定理 構造解析の 3 条件構造解析の目的は 荷重, 温度変化, 支点移動などの作用を受けて釣合状態にある構造物の変位, ひずみおよび応力の分布などの力学量を求めることである これらは 次の 3 条件をすべて満足する解として決定される ) 外力と内力の釣合条件 ( 力の釣合条件 / 平衡条件 ) ) 変位とひずみの適合条件 3) 材料の構成条件 ( フックの法則など ) 特に 構造物の境界において 内力が満たすべき外力との釣合条件を力学的境界条件 また変位とその 次微係数が満たすべき適合条件を幾何学的境界条件という 講義の内容とその関連性 重ね合せの原理 (prcple of superposto) 影響線, 対称性の利用 外力の仕事 (wor doe by eteral force), 補充仕事 (copleetary wor) ひずみエネルギー (stra eergy) 軸方向変形に伴うひずみエネルギーせん断変形に伴うひずみエネルギー曲げ変形に伴うひずみエネルギーねじれ変形に伴うひずみエネルギー 仮想仕事の原理 (prcple of vrtual wor) 仮想変位の原理 (prcple of vrtual dsplaceet) 仮想仕事 (vrtual wor) 外力と内力の釣合条件 と等価 単位変位法 (ut dsplaceet ethod) 仮想力の原理 (prcple of vrtual force) 仮想補充仕事 (copleetary vrtual wor) 変位とひずみの適合条件 と等価 単位荷重法 (ut load ethod) エネルギー原理 (prcple of eergy) 仮想仕事の原理 ひずみエネルギー補充ひずみエネルギー (copleetary stra eergy) ポテンシャルエネルギー極小の原理 仮想変位の原理, ひずみエネルギー (prcple of u potetal eergy) カステリアーノの第 定理 (astglao s frst theore) 補充ポテンシャルエネルギー極小の原理 仮想力の原理, 補充ひずみエネルギー (prcple of u copleetary potetal eergy) 最小仕事の原理 (prcple of least wor) [ カステリアーノの第 定理 (astglao s secod theore)] 相反作用の定理 (recprocal theore) 重ね合せの原理, 仮想仕事の原理 ベッティの相反作用の定理 (ett s recprocal theore) マックスウェルの相反作用の定理 (Mawell s recprocal theore) ミューラー ブレスラウの定理 (Müller-reslau s theore) カステリアーノの第 定理 (astglao s secod theore)

2 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 重ね合せの原理 荷重と力学量 ( 変位 ひずみ 断面力 応力など ) の関係による構造物の分類すべての力学量が荷重の大きさに比例するような構造物 線形構造物 (lear structure) 荷重と力学量の間に非線形関係が存在する構造物 非線形構造物 (o-lear structure) 線形構造物に 個の荷重からなる 組の荷重群が作用したときに生ずるある力学量 Y は 個々の荷重 P,,3,,が独立に作用したときの力学量 Y の値 Y を,,3,, について総和することによって与えられる すなわち Y Y () これを 重ね合せの原理 (prcple of superposto) という さらに 線形構造物の荷重と力学量の比例関係から荷重 P とそれにより生ずる力学量 Y との間に次式が成立する Y Y ˆ P (a) ここに Ŷ は単位集中荷重 P が作用するときの力学量 Y の値であって 力学量 Y の影響線の P の作用点における縦距に他ならない したがって 式 (a) を式 () に代入すれば Y Yˆ P () あるいは P を分布荷重 pd と見なしたとき 総和を p の作用区間での定積分に置き換えることによって 任意の分布荷重 p が区間 a b に作用する場合には 次式が成立する b Y ˆ Y pd (3) a ここに Yˆ は力学量 Y の影響線を表す 図 -(a),(b) に例を示す P P P P3 D E P 4 F P D P 3 E P 4 F D E F Yˆ ˆ Y ˆ Yˆ Y 3 力学量 Y の影響線 Yˆ 4 Y Yˆ P 図 -(a) 影響線と 重ね合せの原理 ( 集中荷重の場合 )

3 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 3 p a b D ˆ Y a ˆ Y D Yˆ b b Y Yˆ p d a 力学量 Y の影響線 p p G G p a b D a P P b D Yˆ D b ˆ a Y Y d Y b Yˆ p d p a 等分布荷重の場合 Y Yˆ D Y ˆ( ) Y ˆ( ) b Y Yˆ p d PYˆ P Yˆ a 等変分布荷重の場合 図 -(b) 影響線と 重ね合せの原理 ( 分布荷重の場合 )

4 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 4 実際の構造物においては 図 -(a) に示すように幾何学的形状が対称性をもつことがしばしばある 重ね合せの原理 が成立つ線形構造物の場合には 任意の荷重群によって生ずる力学量は 図 -(b) に示すような対称荷重群と図 -(d) に示すような逆対称荷重群の双方による力学量の重ね合せの結果として求めることができる このような対称および逆対称の荷重群に対しては それぞれ図 -(c),(e) に示すように もとの構造物の中心線から左半分のみを取りだして それに所定の荷重群を作用させればよい その際 対称軸上に設置される支点,, 3 などの支持条件は 構造物の変形状態を考慮して決定しなければならない 図 -(a) の構造物を例に挙げて説明すると 対称荷重の場合には各層のはりの弾性曲線が左右対称になるので もとの構造物の中央スパンのはりの中点,, 3 では鉛直方向のたわみを生ずるが 水平変位 たわみ角は生ずることがない この変形特性に着目して 図 -(c) に示すように 鉛直方向に可動で たわみ角を生じないようなローラ支点を対称線上に設ければよい 一方 逆対称荷重の場合には 中央スパンのはりの中点,, 3 において反曲点をもつような弾性曲線を呈する それで 図 -(e) に示すように これらの点で水平方向に可動のヒンジ付ローラ支点を設けるとよい このようにして図 -(c) および (e) に示すように構造物および荷重の半分のみについてそれぞれ解析した結果を加算して / 倍すればよい P 7 P 8 P 9 P P P3 P4 P5 P6 L 3 第 3 層 第 層 第 層 (a) 幾何学形状の対称性 P 7 P 8 P P P3 P4 P5 P6 L P 6 P 4 P P 5 P 3 P P 7 P 8 P 7 P 8 P P P3 P4 P5 P6 P 9 3 P 9 P 9 3 (b) 対称荷重群 (c) 対称性を利用した簡単化 P 7 P 8 P P P3 P4 P5 P6 L P P P 6 P 4 P 5 P 3 P 7 P 8 P 7 P 8 P P P3 P4 P5 P6 P 9 3 P 9 P 9 3 (d) 逆対称荷重群 図 - 対称構造物 (e) 逆対称性を利用した簡単化

5 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 5 外力の仕事 図 -3(a) に示すように構造物が外力 P の作用を受けて変形したとき 外力の作用点はいくらかの変位 Δ を生ずる このとき 外力はその作用点の外力方向の変位成分 v に対して仕事をすることになる これを外力の仕事 (wor doe by eteral force) という 一般に非線形構造物の場合には 外力 P とその方向の変位 v の間に図 -3(b) に示すような非線形関係が成立つ この場合 外力が から漸増して P に達したときに 変位が v になったとすれば 外力の仕事 W は次の式で与えられる v W P v dv ( の面積に相当 ) (4) これに対応して 次の式で表される定積分のことを補充仕事 (copleetary wor) という W P v P dp ( の面積に相当 ) (5) 以上の つの定義式から 外力の仕事 W と補充仕事 W の間には次のような補足的関係が成立つ W W P v ( + の面積に相当 ) (6) 特別な場合として 線形構造物の場合には 外力 P と変位 v の間に図 -3(c) に示すような比例関係が成立つ すなわち を比例定数とすれば P v この場合には 外力の仕事 W と補充仕事 W は 次のように与えられる v v P W P( v) dv vdv v Pv P P P P W v( P) dp dp P v したがって W W P v (7) の関係が成立つ dp P P W vp Pv P P W W P v W dp W P v O W W dv v P O v dv v W vdv Pv P W dp Pv (a) 外力の作用線方向の変位成分 v (b) 非線形構造物の場合 (c) 線形構造物の場合 図 -3 外力の仕事と補充仕事 v P v dv v P dp v P v

6 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 6 ひずみエネルギー 弾性構造物に外力が作用すると 構造物に弾性変形が生ずるため 外力の作用点が変位し 外力は仕事をする この外力がなした仕事は弾性変形した構造物の内部にエネルギーとして蓄えられる このように弾性体が変形してひずみが生じ それによって蓄えられるエネルギーをひずみエネルギー (stra eergy) という 一般に 弾性体は エネルギーの保存系であって 静的外力の仕事 W とそれによって弾性体に蓄えられるひずみエネルギー は相等しい W (8) 以下に代表的変形状態において 一般骨組構造部材内に蓄えられるひずみエネルギーの評価式を誘導する 軸方向力によるひずみエネルギー引張材や圧縮材のような軸方向力を受ける弾性部材の内部において 図 -4(a) に示すように直交座標軸に平行な面をもち 稜長が d, dy, dz であるような微小六面体要素を考える すると 部材軸 ( 軸 ) の方向に垂直応力 が作用し 方向に だけ伸びる そのとき 方向の直ひずみ は定義より (a) d 材料はフックの法則に従うとすると E (b) このとき 断面積の変化は微小であるので無視すれば 面 ( 軸に垂直な断面 ) に作用する応力の合力 N は N dy dz (c) ところが 合応力 N は伸び に比例するので N が に対してなす仕事 dw は 図 -4(b) から明 らかに dw N (d) この仕事量は 着目する微小六面体要素の中にひずみエネルギー d として蓄えられる そこで 式 (a), (c) を式 (d) に代入し かつ dw d とおけば この微小六面体要素の中に蓄えられるひずみエネルギー d が次式で表される dw d dydz d ddydz d ddydz dv (e) 一般に 単位体積当たりに蓄えられるひずみエネルギーをひずみエネルギー密度 (stra eergy desty) といい と記す 式 (e) において ddydz dv は微小直方体要素の体積であるから 弾性伸縮によって生ずるひずみエネルギー密度 は 次式で与えられる (9) z O y d N N dydz N dw O dy dz d (a) 微小六面体要素 (b) 合応力 N と伸び の関係図 -4 一軸応力場におけるひずみエネルギー

7 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 7 次に 長さ, 断面積 を有する部材内に断面力として軸方向力 N が生じたときに 部材全長に蓄えられるひずみエネルギー は ひずみエネルギー密度 の全体積にわたる積分により得られる N dv V N dd (f) 式 (9) を式 (f) に代入すると 次式のようになる N dd N N 軸力部材では, であり 応力 およびひずみ は共に全断面にわたり一 E E 様に分布しているから 結局次式を得る N N N N N d d d N d () E E E 式 () により軸方向力 N による骨組部材のひずみエネルギー N が計算できる 特に トラス部材においては 普通等断面であり 軸方向力 N は一定で いわゆる部材力に他ならない そこで 式 () は次のようになる N N () E あるいは 部材の伸びを とすると かつ N E E だから N E () ずれ変形 ( せん断変形 ) に伴うひずみエネルギー密度図 -5(a) に示すように 単位長さの稜長をもつ弾性立方体 D の 4 つの側面のうち 相対する 面 と D には等分布引張力 q を作用させ 他の相対する 面,D には等分布圧縮力 q を作用させる すると この立方体の内部は単純せん断の応力場となる この応力場においては 立方体の側面,,D,D と 45 の傾斜角をもち紙面に垂直な 4 つの断面,, D,D にはせん断応力のみが作用し せん断応力度 は q に等しく も断面に一様に分布する いま これらの断面に平行に 図 -5(a) に示すように直交座標軸 および y を設け 紙面に垂直に z 軸を設ける そして これらの直交軸に平行な断面で 図 -5(b) に示すように, y, z 軸にそれぞれ平行な微小稜長 d, dy, dz を有する直方体要素 D -E F G H を切り取って考察する E O Q y D H q q Q Q D D dy F G D Q Q G dw O y q q d dz d y (a) せん断応力場 (D) (b) 微小六面体要素 (c) 合応力 Q とずれ y の関係図 -5 せん断応力場におけるひずみエネルギー この微小直方体要素の断面 F E, G F, D H G,D E H にはせん断応力の合力 Q が作 H y

8 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 8 用し せん断ひずみ DD が生じている このとき 断面 D は断面 に対して DD y だけずれている このずれ と合力 Q とは 図 -5(c) に示すように比例関係にある したがって 合力 Q y がその方向の弾性変位 y になす仕事がそのまま微小直方体要素内にひずみエネルギー d Q として蓄えられ その大きさは次の通りである d Q Q y (a) ところが 断面 D H G に作用する合応力 Q は定義に従い Q dy dz (b) 一方 ずれ y は y d (c) そこで 式 (b),(c) を式 (a) に代入すれば ずれ変形 ( せん断変形 ) に伴い微小直方体要素に蓄えられる ひずみエネルギー密度 は次式で与えられる d Q dydz d ddydz dv () 曲げ変形に伴うひずみエネルギー図 -6(a) に示すように 長さ, 曲げ剛性 EI をもつ直線部材の両端に 曲げモーメント M が作用して単純曲げの状態になり 曲げ変形を生じた場合について考える この曲げ変形により直線部材は円形にたわみ 変形前の部材軸に垂直であった両端面 と の間に相対回転角 が生ずる この相対回転角 は図 -6(b) に示すように曲げモーメント M に比例する したがって 直線部材に蓄えられるひずみエネルギー M は次式で与えられる M M (a) ところで 片持ばりの自由端に曲げモーメント M が作用する場合 が ちょうど単純曲げの状態に一致するので 自由端におけるたわみ角 が式 (a) に含まれる両端面の相対回転角 となるから [ はりのたわみ に関する配布資料 表 8-(a),(b) 各種はりのたわみおよびたわみ角 を参照 ] M (b) EI そこで 式 (b) を式 (a) に代入すれば 曲げ変形に伴い直線部材に蓄えられるひずみエネルギー M が次のように得られる M M (3) EI あるいは ひずみエネルギーを の関数として表すと EI EI EI M M (3) O M M M y dw EI O d (a) 単純曲げを受ける部材 (b) 曲げモーメント M と相対回転角 の関係図 -6 単純曲げを受ける部材のひずみエネルギー

9 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 9 ねじり変形に伴うひずみエネルギー図 -7(a) に示すように 長さ, ねじり剛性 GJ をもつ直線部材の両端に 外力ねじりモーメント T が作用して単純ねじりの状態にある場合について考える 端面 に対する端面 の相対回転角すなわち固定端 に対する端面 のねじり角 は 図 -7(b) に示すように ねじりモーメント T に比例している したがって 単純ねじりを受ける直線部材に蓄えられるひずみエネルギー T は次式で与えられる T T (a) ところで 片持ばりの自由端に集中ねじりモーメントT が作用する場合 の自由端におけるねじり角 は 次のように表される T GJ d T T d d (b) d GJ GJ そこで 式 (b) を式 (a) に代入すれば 単純ねじりを受ける直線部材に蓄えられるひずみエネルギー は 次のように与えられる T T (4) GJ あるいは 式 (b) を利用して T を の関数として表すと GJ GJ GJ M M (4) もし ねじりモーメントT が部材軸方向に変化する場合には T T d (5) GJ d d あるいは T GJ の式を用いて T をねじり率 に置き換えると d d d T GJ d (5) d しかしながら モーメントT およびねじり率 が変化すると 一般断面を有する部材には 単純ねじりによるせん断応力のほかに 付加的応力が発生するので 式 (5),(5) にそれらの付加的応力による寄与が加算されなければならない ところが 単純ねじり ( 講義資料 8) で述べたように 丸棒 中空円筒および a ta b tb が成立つ箱型断面材においては そのような 次的応力が全く生じないので 式 (5),(5) が正確に成立する また 一般の薄肉閉断面材の場合には 次的応力によるひずみエネルギーへの寄与は比較的小さいので 単純ねじりのみで与えられる式 (5),(5) を用いても ひずみエネルギー の充分な近似値を得ることができる T T T GJ T T dw O d (a) 単純ねじりを受ける部材 (b) ねじりモーメント T とねじり角 の関係図 -7 単純ねじりを受ける部材のひずみエネルギー

10 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 横荷重を受ける部材のひずみエネルギー図 -8 に示すように 任意の横荷重を受ける部材から 微小距離 d を隔てる つの隣接断面 および D によって切り取られる微小要素に蓄えられるひずみエネルギー d を求める q O y d D y dy y u y y y dy z d dy (a) 横荷重を受ける部材 (b) 断面図 (c) 微小要素図 -8 横荷重を受ける部材のひずみエネルギー 対象とする直線部材には曲げモーメント M とせん断力 Q が作用するので 曲げ変形に伴うひずみエネルギー d M とずれ変形 ( せん断変形 ) に伴うひずみエネルギー d Q が共にこの微小要素に蓄えられる ゆえに d d M dq (a) 式 (a) の右辺の第 項は長さ d の区間に対する値であり それは式 (3) において d と置き換えて得られる すなわち M d M d (b) EI 一方 第 項は式 () で与えられるひずみエネルギー密度 から次のように求められる d Q d d d d ここに d は 図 -8(b) に示す横断面にわたる面積分である (c) ところで 重心軸 z から距離 y にある直線上では せん断応力 y は はりのせん断応力 に 関する公式から 次のように表される Q K y (d) ここに Ky Sz yは断面の形状寸法により決まる y の関数である また, I I z y z はそれぞれ断面積および断面 次モーメント y は座標 y の位置での断面幅 Sz yはその位置より外側にある断面部分の重心軸 z に関する断面 次モーメントである そこで 式 (c) に式 (d) を代入すれば dq d d d d dd G G ( QG,, は断面内で一定だから ) Q Q K y dd d K yd G G Q d Q d (e) G

11 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 ここに y y S z K y d dy z y u I y ( d y dy だから ) (6) y なお dy は横断面の上縁から下縁に至る定積分を表す y u ちなみに 代表的断面についての の値は 以下に示す表 - のようになる 表 - 代表的断面における の値 横断面形状 横断面形状 長方形. 薄肉中空円 円 /9 I 型 箱型 H 型 / w : 全断面積, w : 腹板の断面積 式 (b),(e) を式 (a) に代入すると 微小要素 D のひずみエネルギー d を得る 最後に この d を d について部材長 にわたって積分すれば 横荷重を受ける部材の全ひずみエネルギー が得られる M Q p d (7) EI G なお 部材が比較的スレンダーな場合は せん断力の影響による第 項を無視できる ところで 曲げモーメント M とせん断力 Q は 部材のたわみ y との間に次のような関係がある d y M EI d, dm d d y Q EI d d d これらの関係式を式 (7) に代入すれば ひずみエネルギー は変形量でもって次のように表される d y d d y p EI EI d d G d d 特に 部材が太く短い場合を除いて せん断力の影響は小さいので d y p M EI d d p p (7) (7) 各種の断面力を含む部材のひずみエネルギー一般に 軸方向力 N, ねじりモーメントT, 曲げモーメント M およびせん断力 Q を含む部材に蓄えられるひずみエネルギー について考える 軸対称断面の場合 これらの断面力のひずみエネルギーに及ぼす寄与は 相互に独立である それ以外の断面においても ねじりによる横断面の回転中心を適切な点に選べば 曲げとねじりが連成することなく 個々の断面力による寄与を加算することにより これらの断面力を同時に受ける部材の全ひずみエネルギー を計算することができる 以上の場合には N T p (a) この式 (a) に式 (),(5),(7) を代入すれば 4 種の断面力が同時に作用するに生ずるひずみエネルギー は次式のように表される N M Q T d E EI G GJ (8) ただし ねじりの項は円形断面材 中実棒 扁平でない薄肉閉断面材の場合に有効である

12 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 仮想仕事の原理 仮想仕事 (vrtual wor) 仮想仕事の原理 (prcple of vrtual wor) 仮想変位の原理 (prcple of vrtual dsplaceet) 仮想力の原理 (prcple of vrtual force) 等価 力の釣合条件 ひずみと変位の適合条件 仮想補充仕事 (copleetary vrtual wor) 仮想仕事と仮想補充仕事 一般に 外力の仕事 については既に説明したが 例えば外力 P がその作用線方向の変位 v に対 してなす実際の仕事 W は 式 (4) で表され 図 -9 に示す O の面積 が W の値に相当する これに対応する補充仕事 W は 式 (5) で表され その値は図 -9 に示す O の面積 に相当する 図 -9 に示す点 の荷重状態から外力 P は一定値を保持し その作用点を外力の作用線の方向に任意 の仮想変位 (vrtual dsplaceet) v だけ移動させたときには 外力 P は仮想変位 v に対して想像上 の仕事をする これが仮想変位に基づく仮想仕事 (vrtual wor) W であって その値は仕事の定義に 準じて次のように与えられる P W P v (9) このW の値は 図 -9 の斜線部 D の面積に相当す W D る 仮想変位は 任意でかつ微小であって 並進変位でも回転変 P D 位でもよい しかし 構造物にあらかじめ課せられた支持条件 ( 境 P 界条件 ) や連続条件を包含する変位の適合条件を満足するような仮想変位を選ばなければならない これに対して 図 -9 に示す点 の荷重状態から変位 v は一定値 W W を保持し その変位の方向に任意の仮想力 (vrtual force) P を載 W 荷したときには 仮想力 P は実変位 v に対して想像上の仕事をす v る これが仮想力に基づく仮想補充仕事 (copleetary vrtual O wor) W であって その値は次のように与えられる v W P v () v このW の値は 図 -9 の斜線部 D の面積 に相当 図 -9 仮想仕事と仮想補充仕事 する 仮想力は 任意の荷重 ( 集中荷重, 分布荷重, 曲げモーメントなど ) でよいが それらの仮想力 は自己平衡状態 ( 力の釣合条件を満足している状態 ) であることが必要である ひずみエネルギーと補充ひずみエネルギー一般骨組構造部材内の 点において 部材軸方向の垂直応力 σと直ひずみεの間 あるいはせん断応力 τとせん断ひずみγの間に図 -(a),(b) のような関係が存在すると考える まず ひずみエネルギー およびひずみエネルギー密度 については 次のようになる dεと dγのひずみ増分の間に単位体積当たりに蓄えられるひずみエネルギー すなわちひずみエネルギー密度の増分 d は次式で与えられる ( 図 -(a),(b) のに相当 ) d =σdε+τdγ (a) 従って ひずみが からある値 εおよびγに達するまでに蓄えられるひずみエネルギー密度 は d d () この値は 図 -(a),(b) において の面積に相当する

13 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 3 特にフックの法則に従う場合には ひずみエネルギー密度 は 次のようになる E d Gd E G () また 構造物あるいは構造部材に蓄えられるひずみエネルギー は 次のようになる dv (3) V これに対し ひずみエネルギーと相補的関係にある補充ひずみエネルギー (copleetary stra eergy) および補充ひずみエネルギー密度 (copleetary stra eergy desty) については 次のようになる dσと dτの応力増分の間に単位体積当たりに蓄えられる補充ひずみエネルギー すなわち補充ひずみエネルギー密度の増分 d は次式で与えられる ( 図 -(a),(b) のに相当 ) d =εdσ+γdτ (b) 従って 応力が からある値 σおよびτに達するまでに蓄えられる補充ひずみエネルギー密度 は () d d この値は 図 -(a),(b) においての面積に相当する 特にフックの法則に従う場合には 補充ひずみエネルギー密度 は 次のようになる d d () E G E G また 構造物あるいは構造部材に蓄えられる補充ひずみエネルギー は 次のようになる dv (3) V 特に 材料がフックの法則に従う場合には 式 (), () および式 (4) から明らかなように 補充ひ ずみエネルギー密度 とひずみエネルギー密度 補充ひずみエネルギー とひずみエネルギー は相等しい (4) d, O d d d ) d ( ), ( ) ( ), ( ) ( ( ) d ) d, ( ( ) d d, E G O d d d Ed d E Gd d G E G, (a) 材料がフックの法則に従わない場合 (b) 材料がフックの法則に従う場合 図 - ひずみエネルギー密度 と補充ひずみエネルギー密度

14 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 4 仮想変位の原理 質点力学における仮想変位の原理図 - に示すように 質点 に 個の力 P, P,, P,, P が作用して釣合状態にある場合 すべての力を一定に保持したまま 質点 に仮想変位 v を与えるとき この力の系による仮想仕事 W は次のようになる W P vcos (a) ここに は 力 P と仮想変位 v を表すベクトルのなす角で v の方向を基準として反時計回りに測った一般角とする ところが この力の系は互いに釣合っているので 各力の v 方向の成分の和は となるはずであるから 次の式が成立する P cos (b) 式 (a) において共通因数 v を括り出し 式 (b) を利用するとW について次の結果を得る W v Pcos (5) 式 (5) が 質点力学における 仮想変位の原理 であり 次のように言える 質点に作用する力の系が釣合状態にある場合 その質点に任意の仮想変位が与えられるとき 力の系が仮想変位になす仮想仕事の総和は である しかし ある特定の方向の仮想変位に対して力の系による仮想仕事の和が であっても その力の系は必ずしも釣合を保っているとは言えない 力の釣合を保証するためには あらゆる方向の仮想変位に対して力の系による仮想仕事の和が となるかどうか照査しなければならない あらゆる方向の仮想変位とは 線形独立な方向の変位を意味し たとえば直交座標系においては各成分方向となる 仮想変位の原理は 初等静力学よりもはるかに広範な概念を包括するものである そして 初等静力学での釣合方程式に代わるべきものである というのは仮想変位の原理を適用すると W がまず確立され 逆に式 (6) から 釣合条件式 (b) が成立することが立証されるからである このように が任意の方向に選ばれる限り W は 力の系が釣合状態にあるための必要十分条件である 剛体力学における仮想変位の原理質点力学における 仮想変位の原理 を拡張すると 剛体力学における 仮想変位の原理 は 次のように述べることができる 剛体あるいは剛体の系において 剛体の連続条件を満足する任意の仮想変位に対して剛体あるいは剛体の系に作用する力の系がなす仮想仕事の和が であるときにのみ この力の系は釣合を保持する P r v これを 平面問題を例として定式化すれば以下のようになる y いま 図 - に示すように 剛体に 個の力の系 P, P,, P,, P P u が作用して釣合状態にある 場合 各力の大きさおよび作用線の方向を一定に P 保持しておいて 剛体に直交座標軸,y 方向の微 O P 小仮想並進変位 u, v および任意点 の回りの仮想回転変位 を与えるとき 各力の作用点の仮図 - 剛体力学における 仮想変位の原理 想変位に対して すべての力のなす仮想仕事の総和 W を求めると次のようになる W P u cos v s r s (a) ところが これらの力の系には 釣合条件が成立するので P P P P v P 図 - 質点力学における 仮想変位の原理 P

15 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 5 軸方向の力の釣合 : P cos y 軸方向の力の釣合 : P s (b) 力のモーメントの釣合 : s ここで 式 (a) を u, v P r および で括り 式 (b) を代入すると W u Pcos v Ps Pr s (6) 式 (6) の右辺の各項は 釣合条件 (b) により である そのため 任意の仮想変位 u, v および に対して仮想仕事 W は となることがわかる これより 次のような剛体力学における 仮想変位の原理 が成立つ 平面力の系が剛体に作用して 釣合状態にある場合 各力の大きさおよび作用線の方向を一定に保持しておいて 剛体に直交する 方向の仮想並進変位および仮想回転変位を与えるとき それにより生ずる各力の作用点の仮想変位に対して各力のなす仮想仕事の総和は である 剛体力学における 仮想変位の原理 は 構造物の反力や断面力の計算に応用される 例題 下図 に示す静定トラスの水平材 H の部材力を 仮想変位の原理 を用いて求めよ 図 P 図 P P H P P H H P P P 変位の境界条件を満足する仮想変位 による変位性状は 右図 のようになるから 仮想仕事の総和は次のようになる H H PP P P H H PPPP H 3P 3 H P 例題 下図に示すゲルバーばりの支点反力 R, R, R, 曲げモーメント M, M G, せん断力 Q E を 仮想変位の原理 を用いて求めよ N 6N 5 5 D E F G

16 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 6 N 5 D F 6N 5 G E R R R M M G QE Q E R 変位の境界条件を満足する単位の仮想変位に対応する変位の性状は 上図のようになる ) 支点反力 R R N R N ) 支点反力 R R N 6N R N ) 支点反力 R R N 6N R 5 N ) 曲げモーメント M M N 6N M 3 N 4 8 5) 曲げモーメント M G MG N 6N M G 5 N ) せん断力 Q E QE N 6N QE 5 N 8 右自由体について考えると Q V Q R 5 N E E

17 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 7 骨組構造物に関する仮想変位の原理一般弾性体に関する 仮想変位の原理 は 次の通りである 一般に 外力群が作用して釣合状態にある弾性連続体に対して 境界条件に適合する仮想変位を与えたとき 外力が仮想変位になす仮想仕事は 仮想変位に基因する仮想ひずみに対して実応力がなす仮想仕事 ( 内力の仮想仕事 ) に等しい W (7) トラスに関する仮想変位の原理図 -3(a) に示すように 節点外力 P, P, P D を受けて釣合状態にあるトラスの各部材には部材力 S が生じている 一方 図 -3(b) に示すように 図 (a) と双子のトラスを考え その各節点に支持拘束条件を満足するような任意の微小仮想変位 d を与える このとき ある節点に会合する部材力の方向の仮想節点変位を とする また 節点外力 P の方向の仮想節点変位をv とする 図 -3(c) に 示すように ある節点の近傍で そこに接合されるすべての部材を切断し そこに作用する部材力と外力の釣合状態に関して質点力学における仮想変位の原理を適用すると次式が成立する P v S (a) ここに v d cos, d cos であり d は仮想節点変位 cos, cos はそれぞれ外力の方向および部材軸方向の仮想節点変位 d 方向に対する方向余弦である 式 (a) と同様な等式をすべての節点について作成し 加算すると P v S (b) 式 (b) において はトラスの全節点について は つの節 点に会合するすべての部材について総和することを意味する 次に 図 -3(d) に示すように 任意のある部材 を両節点, の ここで 関係式 (c) を式 (d) に用いると (d) 部材における内力の仮想仕事 P v S (e) 図 -3 トラスにおける仮想仕事式 (e) の左辺は全節点外力の仮想仕事 W であり 右辺は全部材の内力の仮想仕事 すなわちトラス全体系の内力の仮想仕事に他ならない したがって 式 (e) は 次のように書ける W (7) かくしてトラスに関する仮想変位の原理が立証された ところで 式 (e) の右辺に含まれるトラスの仮想伸び は 仮想節点変位 d により生ずる仮想部材力と次の関係がある S S E (f) 式 (f) を式 (e) に代入すると 仮想変位の原理をトラスに適用した場合について次の有用な公式を得る PvS S (8) E H V P P S PD D (a) 実際のトラス d (b) 仮想変位を与えたトラス S S P S D d 近傍で切り取ると 仮想変位に伴う部材の仮想伸び は (c) 節点 について質点力学に (c) おける仮想変位の原理の適用 S S そこで 式 (b) の第 項の 重総和を各部材 についての総和に書き改めると P v S (d) S V

18 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 8 一般骨組部材に関する仮想変位の原理以下では はり アーチ 剛節構造物 ( ラーメン ) 斜張橋などを含む一般骨組部材に関する仮想変位の原理を定式化する 一般骨組部材軸の方向に座標 s, 横断面内に直交座標 yz, を設ける 直線部材の場合には 部材軸方向に直交座標 をとり s となる 曲線部材の場合には s は曲線座標となる いま 図 -4(a) に示すように 直線骨組部材に分布横荷重 p, 分布ねじり荷重 t, いくつかの集中荷重 P t, 集中ねじり荷重 M T, 並びに材端軸力 N, N, 材端モーメント M, M, 材端ねじりモーメントT, T および材端せん断力 Q, Q が作用し 任意断面 において 軸方向力 N, 曲げモーメント M, せん断力 Q およびねじりモーメントT が生ずる場合について考える P p p T R M N Q y M M N T T Q N D Q d (a) 外力と断面力 y dy R M Q N T dy D d (b) 応力成分 (c) 仮想変位の部材軸方向分布 (d) ねじりモーメントとねじり角図 -4 直線骨組部材に関する仮想変位の原理 そこで 部材軸 ( 軸 ) から y 軸方向で距離 y の位置に微小要素 d dy は図 -4(b) に示すように垂直応力 とせん断応力 が生じている を切り取ると その断面に 一方, 対象とする骨組部材と双子の骨組部材の点, y に 軸方向に仮想軸方向変位 u, 仮想 たわみ v, 骨組部材の仮想断面回転角 ( 仮想ねじり角 ) を与える これらの仮想変位は 図 -4(c) に模式図として示したように の関数として連続的に変化しているものとする するとこれらの仮想変位により 微小要素に仮想直ひずみ 内力の仮想仕事 d は次の通りである d d d および仮想せん断ひずみ が生ずる それで 微小要素内の (a) ここに d は微小要素の横断面 D の面積である よって 骨組部材 D における内力の仮想仕事 は次のようになる d d ところが 点 の垂直応力 は軸方向力 N と曲げモーメント M の関数として次のように表される u v N M y (b) I T d d d T

19 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 9 また 点 におけるせん断応力 は せん断力 Q との関係から次のように表される Q K y (c) 式 (b),(c) において I は部材の断面 次モーメント は断面積である また Kyは断面の形状寸法により決まる y の関数である 一方 双子の骨組部材の仮想変位 u() および v() により生ずる仮想軸方向力 仮想曲げモーメント 仮想せん断力をそれぞれ N, M, Q と記すと これらの仮想断面力により生ずる点, y の仮想直ひずみ, 仮想せん断ひずみ は次式で与えられる N M Q y Ky (d) E EI G 式 (b),(c),(d) を式 に代入すれば N M N M Q Q y y Ky Ky d d I E EI G (e) NN NM MN MM QQ K y d yd y d d d E EI EI EI G ここで d ( 断面積 ), yd ( z 軸を断面の重心軸にとれば 断面 次モーメントは となる ), y d I ( 断面 次モーメント ) となることに着目し 無次元量 K yd を導 入すれば NN MM QQ d E EI G 式 は 軸方向力 N, 曲げモーメント M, せん断力 Q による内力の仮想仕事である さらに 仮想ねじり角 とねじりモーメントT による内力の仮想仕事 は 図 -4(d) から明らかなように d T d (f) d d d T しかるに T GJ だから (g) d d GJ ここに T は仮想ねじり角 を生じさせる仮想ねじりモーメント GJ は部材のねじり剛性である 式 (f) に式 (g) を用いると TT d 3 GJ 式 3は ねじりモーメントT による内力の仮想仕事を与える 式 3は円形断面材 中実棒 扁平でない薄肉閉断面材に有効である 扁平な薄肉閉断面材 薄肉開断面材の場合には そりの影響を受けるため異なってくる 弾性連続体の力学 を参照されたい 以上を総合して 軸方向力 N, 曲げモーメント M, せん断力 Q およびねじりモーメントT を含む骨組部材に仮想軸方向変位 u, 仮想たわみ v, 仮想ねじり角 を与えたときの内力の仮想仕事 は 式,3により得られる と の和として求められる よって N N M M Q Q T T d (9) E EI G GJ

20 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 p, 集中荷重 t 一方 直線骨組部材の中間に作用する分布横荷重 P, 分布ねじり荷重 t, 集中ねじり荷重 M T 並びに材端軸力 N, N ( 方向を正とする ), 材端モーメント M, M ( 時計回り方向を正とする ), 材端ねじりモーメントT, T ( 右ねじが 方向に進む方向のモーメントを正とする ) および材端せん断力 Q, Q ( v 方向を正とする ) がなす外力の仮想仕事 W は W p v d Pv M t T N u N u Q v Q v M M T T ここに v v: 集中荷重 Pt の作用点 t における仮想たわみ ( ) : 集中ねじり荷重 M T の作用点 における仮想ねじり角 d v d v, : 材端, における仮想たわみ角 d d u u, u v u : 材端, における部材軸方向の仮想変位 v, v v : 材端, における横方向の仮想変位 ( 仮想たわみ ) (3) そこで 一般弾性体に関する 仮想変位の原理 の表現式 (7) に式 (9),(3) を代入すれば 直線骨組部材に関する 仮想変位の原理 が次のように定式化される p v d P v M t T Nu Nu Qv Qv M M T T NN M M QQ TT d E EI G GJ (3) さらに 式 (3) において 等断面部材内の任意断面の軸方向変位 u, たわみ v, ねじり角 と実断面力 N, M,Q,T との関係は次の通りである 3 du d v d v d N E E, M EI, Q EI, T GJ 4~4 3 d d d d また 等断面部材内の任意断面の仮想軸方向変位 u, 仮想たわみ v, 仮想ねじり角 と仮想断面力 N, M, Q, T との関係は次式で表される 3 d u d v d v d N E, M EI, Q EI, T GJ 45~8 3 d d d d 関係式 4~8 を式 (3) の右辺に代入すれば 実変位 u, v, 並びに仮想変位 u, v, を用いて 仮想仕事の原理を次式のように表現できる p v d P v M t T N u N u Q v Q v M M T T (3) du du d v d v E EI dv dv d d d 3 3 EI dv dv d d GJ 3 3 G d d d d

21 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 例題 右図に示すように 曲げ剛性 EI が一定である一端固定 他端単 q 純支持のはりに等分布荷重 q が満載されている場合のたわみ v を求め てみよう まず たわみ vの解として次式を選ぶ 3 v a ( ) a ( ) (a) dv これは において v, d また において v の幾何学的境界条件を満足している 双子のはりの仮想変位 v についても 式 (a) と同形の次式を選ぶ 3 va a (b) すると 仮想変位 v による内力の仮想仕事 は次の通りである d v d v EI d (c) d d 式 (c) に式 (a),(b) を代入して 定積分を実行すれば dv 3 a a3 a 3 a 3 4 d dv a 3 3 a3 4 4 a 3 a 6 d dv dv a3a6a3a6 d d 4 3 aa 3 a a 3 36 a a a a a4 69 aa 5 6 a a a a a a a d dv dv d d d a a a a4a 3 3 a aa 36a a 4a a aa39 36a a4 aa4 a aa EI 4 a 4 a a 4 a a a (d) 5

22 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 一方 外力の仮想仕事 W は次の通りである W qvdq vdq a a d q a a q a a 4 5 q a a 4 5 W qvd q a a (e) 仮想仕事の原理により式 (d) と式 (e) を等置し 任意の仮想変位 a, a に対して恒等式が成立することから 未定係数 a, a に関する次の連立方程式を得る q q EI 4 a 4 a a a (f) EI q 6 q EI 4 a a a a (f) 5 5 8EI q q これより a, a を求めると a, a (g) 6EI 4EI 式 (g) を式 (a) に代入し 整頓すれば次の通りである 4 3 q q 3 q v EI 4EI 48EI q q EI 48EI これは 次に示すように 微分方程式から求めた解と一致する 4 d y 別解 はりのたわみと荷重の関係を表す 4 階の微分方程式 EI q 4 d を逐次積分すると 次のようになる q q EIy q, EIy q 3 q 4 3 EIy 3, EIy これに 以下のような境界条件を与えて 積分定数,, 3, 4 を求める () のとき y より 3 () のとき y より 4 (3) のとき y より q q q 4 3 q (4) のとき y より q -より q 4 8 q 5 5 これをに代入すると q q q よって たわみの式 y は 次のようになる

23 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 3 q EIy 4 4 5q 48 3 q 6 q 4 3 y ( ) EI 4 q 48EI このように 仮想仕事の原理を直線骨組部材に適用する場合の解析過程は次の通りである () まず変位を未知量に選ぶ () 変位は適合条件すなわち幾何学的境界および連続条件を満足するようにする (3) 釣合が保持されるように構造物の自由度すなわち未定係数の個数に等しい互いに独立な条件式を組み立てる (4) 弾性方程式を解いて 変位の解を求める 解析過程に上述の ()~(4) の特色をもつ解析手法を一般に剛性法 (stffess ethod) あるいは変位法 (dsplaceet ethod) という 単位変位の定理による構造解析 ( 変位法 ) 釣合方程式を未知変位によって表し これを解いてまず変位を 次いで応力を求める構造解析の手法を剛性法 (stffess ethod) あるいは変位法 (dsplaceet ethod) という 未知変位の数は構造物の自由度に一致するので 自由度の小さい不静定構造物の解法として特に有効であるが 変位法を用いる場合には 構造物を静定と不静定とに区別する必要が全くない 未知変位と同数の釣合方程式は 仮想変位の原理を用いて次のように誘導される 構造物の自由度に等しい数の未知変位を選び ひずみと変位の関係を用いてひずみ分布を未知変位により表す フックの法則を用いて 応力分布を未知変位により表す 3 未知変位の任意の つを ( 単位 ) の大きさにとり 残りのすべての変位を零にしたものを仮想変位に選んで仮想変位の原理を用いる 各変位についてこれを繰り返せば 仮想変位の原理と等価な釣合方程式が 自由度の数だけ導かれることになる これを 単位変位の定理 と呼ぶ 手順,,3 により それぞれ適合条件 材料の構成条件 釣合条件が満たされる

24 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 4 ポテンシャルエネルギー極小の原理とカステリアーノの第 定理 外力の作用下に静的釣合状態にあって 弾性変形を生ずる構造物のポテンシャルエネルギー は 構造物に蓄えられるひずみエネルギー と外力のポテンシャルV の和として次式で定義される力学量である すなわち V (3) p 図 -5 に示すように 骨組構造物に分布荷重 p と集中荷重 P P P (,,, ) が作用し それぞれの作用点が作用線方向に v および v v v v (,,, ) だけ変位したとすれば 外力のポテンシャルV は 負 v の外力の仕事 W v v として 次式で与えられる 図 -5 骨組構造物の例 V pvd Pv W (33) さて この釣合状態にある骨組構造物に変位の適合条件を満足するような仮想変位 v およびv を生じさせると 内部の直ひずみ, せん断ひずみ はそれぞれ, に変化し ひずみエネルギー は 外力のポテンシャルV はV V に変化する するとポテンシャルエネルギーは から に変化する 結局 ポテンシャルエネルギーの仮想変化量 は 次式で与えられる V (a) p, P, p, P, V W V W このうち ひずみエネルギーの仮想変化量 は 図 -6(b) に示す + の面積に相当 するので と表され 次の通りである E G d d E G d d O E G d d E G d d E G v,v v,v E G d d 一方 外力のポテンシャルの仮想変化量 V は 次式で与えられる V p v v d P v v p vd P v O, v, v, (a) 外力のポテンシャルV と外力の仕事 W (b) ひずみエネルギー 図 -6 外力のポテンシャルV とひずみエネルギー の仮想変化量 d d d d, (b)

25 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 5 荷重 p, P はあらかじめ与えられるので V は図 -6(a) に示すの面積に相当し 結局 次の通りである V p vd P v p vd P v W ( 外力の仮想仕事 ) (c) 式 (b),(c) を式 (a) に代入すれば W E G d d (d) ところが 式 (d) において とW とは 仮想仕事の原理により 式 (7) に示すように相等しい よって 任意の仮想変位 v, v によるポテンシャルエネルギーの仮想変化量 は 次のように常に正値をとる E G d d (e) 式 (e) から ポテンシャルエネルギー は 図 -7 のように任意 の仮想変位に対して常に増加することがわかる すなわち 釣合状態釣合状態にある骨組構造物のポテンシャルエネルギーは 極小値をとる これを ポテンシャルエネルギー極小の原理 (prcple of u potetal eergy) という v O v v v v v 図 -7 釣合状態の近傍におけるポテンシャルエネルギーの変化いま 図 -8 に示すように 個の集中荷重 P (,,, ) が骨組構造物に作用して釣合状態にあるとき 集中荷重 P の作用点の作用線方向変位を v と記すと ポテンシャルエネルギー は 式 (3),(33) から明かに P v (34) そこで ポテンシャルエネルギー極小の原理 を適用すると (35) v 式 (35) に式 (34) を代入すると 次式を得る P (36) v 式 (36) の力学的意味は次の通りである 構造物のひずみエネルギーが変位の関数として与えられているとき ある点の変位に関するひずみエネルギーの偏導関数は その点の変位方向に作用する外力に等しい これを カステリアーノの第 定理 (astglao s frst theore) という 式 (36) に含まれる P および v としては それぞれ外力モーメントおよびその方向の回転変位を考えても本定理が成立つことは明白である P v P v v P v P 図 -8 骨組構造物の例

26 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 6 仮想力の原理 構造解析における仮想力の原理いま 図 -9(a) に示すように 実在構造物に外力群 P ( 集中外力群 ) と p ( 分布外力群 ) が作用して釣合状態にあり そのために構造物に変位 v, ひずみ, および応力, が生じたとする 一方 この実在構造物と形状寸法が全く同じ双子の仮想構造物に図 -9(b) に示すように 自己平衡状態にある任意の微小仮想力群 P( 仮想集中外力群 ) と p( 仮想分布外力群 ) が作用して 仮想変位 v, 仮想ひずみ, および仮想応力, を生ずるものとする,, v v,, S P v p (a) 構造系 ( 実在構造物 ) (b) 構造系 ( 仮想構造物 ) 図 -9 双子の構造物 P p,, S P p v P, p, W O W v,v v, v v,v (b) 内力の仮想仕事 (a) 外力の仮想仕事 W 図 - 外力の仮想仕事と内力の仮想仕事 P, p O,,,, P, p P, p W,, W v,v O, v,v O, (a) 外力の仮想補充仕事 W (b) 内力の仮想補充仕事 図 - 外力の仮想補充仕事と内力の仮想補充仕事

27 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 7 この つの構造系の間に 仮想変位の原理 を適用できる まず 構造系 に作用する実外力 P の作用点に対応する構造系 の点 の P 方向仮想変位てなされる仮想仕事および構造系 に作用する実分布外力 p が構造系 の仮想変位 v 想仕事の総和すなわち外力の仮想仕事 W は 図 -(a) に示すように W P v p v ds (a) S ここに ds は分布外力 p が作用する表面積 S について積分することを意味する S それに対応して 内力の仮想仕事 は 図 -(b) に示すように dv (b) V よって 仮想変位の原理をこれらの つの構造系に適用すれば P v p v ds dv (c) S V v に対し に対してなす仮 ところが つの構造系は幾何学的形状寸法および材質が全く同一で 双子の一対のものである そして 構造系 の外力 応力と構造系 の変位 ひずみは互いに独立である それで 構造系 の外力 応力がそれぞれ構造系 の変位 ひずみに対してなす外力の仮想仕事と内力の仮想仕事の間にも 仮想変位の原理 が成立つはずである そこで 両者を等しいとおけば 次式が与えられる v P v p ds dv (37) S V ところが 式 (37) の左辺は 図 -(a) から明らかなように 仮想外力 P, p による仮想補充仕事 W に他ならない 一方 式 (37) の右辺は 図 -(b) から明らかなように 仮想応力, による内力の仮想補充仕事 に他ならない したがって 一般に次式が成立する W (38) 以上の結果を記述すれば 次の通りである 外力の作用下に釣合状態にある構造物の実変位に対して自己平衡状態にある仮想力がなす外力の仮想補充仕事と 仮想力により生ずる仮想応力が実ひずみに対してなす内力の仮想補充仕事とは相等しい この事実を 仮想力の原理 (prcple of vrtual force) という このように 仮想変位の原理 と 仮想力の原理 は相補的関係にある 特に 剛体の系においては 式 (38) においてW とおけば おける 仮想変位の原理 で述べた結果と一致する が成り立ち 既に剛体力学に

28 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 8 一般骨組構造物に関する仮想力の原理の定式化はり トラス アーチ 剛節構造物 ( ラーメン ) 斜張橋などを包含する一般骨組部材に関して 仮想力の原理 を定式化する 一般実骨組構造物に対して 形状寸法並びに材質が全く同一の双子の仮想構造物に 自己平衡状態にある仮想外力 P およびp を図 -(a) に示すように作用させる すると 仮想骨組構造物には弾性変形が生ずると共に 仮想断面力として 仮想軸方向力 N, 仮想曲げモーメント M, 仮想せん断力 Q および仮想ねじりモーメントT が生ずる すると これらの仮想断面力により図 -(b) に示すように仮 想垂直応力 とおよび仮想せん断応力 が生ずる P p() p() T M N R y M N Q T T M N Q D d (a) 仮想外力と仮想断面力 y dy R M N T dy D d (b) 仮想応力 図 - 仮想外力を受ける骨組構造物の仮想断面力と仮想応力 いま 構造部材が対称断面で その対称軸を含む平面に垂直方向の外力がないものとすれば N, M, Q により生ずる仮想応力は 次のように与えられる N M Q y Ky (a) I また これらの仮想応力方向の実ひずみ および は 次のように表される N M Q y Ky (b) E EI G そこで 仮想応力 および がそれぞれの実ひずみ および に対してなす内力の仮想補充仕事 に関する式 の誘導と類似の計 は 一般骨組部材に関する仮想変位の原理 での仮想仕事 算経過を経て 次のように求められる d d 式 (a),(b) を式 に代入すれば N M N M Q Q y y Ky Ky d d I E EI G K y NN NM MN MM QQ d yd y d d d E EI EI EI G ここで d ( 断面積 ), yd ( z 軸を断面の重心軸にとれば 断面 次モーメントは となる ), 入すれば y d I y d を導 ( 断面 次モーメント ) となることに着目し 無次元量 K NN MM QQ d E EI G 同時に 仮想ねじりモーメントT を作用させると これと実在のねじり角 の間で内力の仮想補充

29 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 9 仕事 が生ずる その値は 次のように求められる d Td d (c) d d d T ところが ねじり率は T GJ より d d d GJ (d) ここに GJ は部材のねじり剛性である よって 式 (c) に式 (d) を用いると TT d GJ 3 以上を総合して 仮想断面力による内力の仮想補充仕事 は 式,3 により得られる の和として次のように表される N N M M Q Q T T d E EI G GJ これに対応して 仮想外力による仮想補充仕事 は 次式の通りである W t l Tl l W v p d v P M N N M M T T ここに p : 仮想分布横荷重 P : 仮想集中横荷重 : 仮想分布ねじり荷重 t M Tl : 仮想集中ねじり荷重 v, : 実在構造物のたわみおよびねじり角 v : 仮想集中横荷重 l N, N M, M T, T P : 仮想集中ねじり荷重 (39) (4) の作用点に対応する実在構造物の点 のたわみ M Tl の作用点に対応する実在構造物の断面 l のねじり角 : 仮想材端軸方向力 : 仮想材端曲げモーメント : 仮想材端ねじりモーメント, : それぞれ N, N の作用方向に対応する実在構造物の端面の軸方向変位, : それぞれ M, M の作用方向に対応する実在構造物の端面の回転角, : それぞれ T, T の作用方向に対応する実在構造物の端面のねじり角そこで 式 (38) に式 (39),(4) を代入すれば 一般骨組構造物に関する 仮想力の原理 が次のように定式化される v p d v P M t l Tl l N N M M T T NN M M QQ TT d E EI G GJ 仮想断面力 N, M (4), Q, T としては 仮想外力群との平衡条件を満足する任意の仮想力でよいか ら 実在構造物から作り出される仮想静定構造物に仮想外力群が作用したときの断面力を選べばよい このような考え方をすれば これらの仮想断面力は非常に簡単に計算される と

30 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 3 単位荷重法 一般弾性体の特定点 の変位 v を求めるのに仮想単位荷重 P P を作用させる方法 すなわち 単位荷重法 (ut load ethod) について述べてゆく いま 図 -3(a) に示すように 任意の荷重群を受ける一般弾性体内に直ひずみ とせん断ひずみ が生じて変形したときに 特定点 におけるある方向の変位を v とする この弾性体と形状寸法並びに材質が全く同じ双子の弾性体の対応点 に v と同じ方向に仮想単位荷重 P が図 -3(b) に示すように作用するときに生ずる仮想垂直応力および仮想せん断応力をそれぞれ, とする すると 仮想力の原理 の式は次のようになる v (4) ここに は仮想応力, が実ひずみ, に対してなす内力の仮想補充仕事である P R R R, v R R, P R (a) 実在弾性体 (b) 単位荷重を受ける双子の仮想弾性体図 -3 単位荷重法の基本公式 いま 基本式 (4) を基礎にして 骨組構造物に 単位荷重法 を適用する場合の公式を次のように誘導することができる 図 -4(a) に示すように 荷重群 P a, P b, を受けて 軸方向力 N, 曲げモーメント M, せん断力 Q, ねじりモーメントT が生じたとき 特定点 の一般変位 d ( 換言すれば 並進変位 v あるいは回転変位 ) は 単位荷重法 によれば次のように求められる Pa a b P b p N, M, Q, T v P c c d P d N, M, Q, T P N, M, Q, T M (a) 外力群の作用を受ける骨組構造物の一般変位 d ( 並進変 v あるいは回転変位 ) 位 (b) 並進変位 v の方向に作用する単位集中外力 P による仮想骨組構造物の断面力 (c) 回転変位 の方向に作用する単位外力モーメント M による仮想骨組構造物の断面力 図 -4 一般骨組構造物における特定点の並進変位 回転変位の計算 まず 上述の一般弾性体についての考え方に従い 実在構造物と全く同じ仮想構造物を想定し 実在構造物の特定点 における並進変位 v ( あるいは回転変位 ) を求めたい場合は 仮想構造物の対応

31 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 3 点 に単位集中外力 P ( あるいは単位外力モーメント M ) を作用させる このとき 仮想骨組構造物に生ずる仮想軸方向力 仮想曲げモーメント 仮想せん断力 仮想ねじりモーメントをそれぞれ N, M, Q,T と記す すると 仮想力の原理 の一般式 (43) において 仮想外力 P およびその方向の実変位 v の代わりに P および v, また仮想モーメントM および実回転角 の代わりに M および を用い 一方 右辺の仮想断面力 N, M, Q, T の代わりに それぞれ N, M,Q,T を代入することにより次式が成立する NN M M QQ TT d d (43) E EI G GJ ここに もし仮想構造物の点 に P ( あるいは M ) を作用させたときに生ずる仮想断面力 N, M, Q,T を右辺に用いるならば d は実在構造物の特定点 の与えられた実荷重 P a, P b, による並進変位 v ( あるいは回転変位 ) に他ならない 等断面部材の場合には 式 (43) の各項の定積 F F d 分は 表 - についての代数公式 ( 次頁と次々頁 ) を利用して直ちに計算できる 構造物に温度変化 t が生じ かつ反力 R の方向に支点変位 r が荷重群と同時に生じた場合には 内力の仮想補充仕事, t および外力の仮想補充仕事 W, r が付加的に生ずる それらの値は次の通りである r t, t N d (a) W, r R (b) r r ここに R は上述の原則に従って単位荷重を仮想構造物に作用させたときの仮想反力であり はすべての支点反力について総和することを意味する また は材料の線膨張係数である 式 (a),(b) で与えられる値をそれぞれ式 (43) の右辺および左辺に付加項として付け足すと 温度変化および支点変位を含む場合についての 単位荷重法 の一般公式を次のように得ることができる N N M M Q Q T T E EI G GJ r d tn d rr (44)

32 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 3 F F についての代数公式 () 表 - F F d a a a b c e f d a a a a a b a a c ad a b a a a b a b 6 b b a 6 a b c d af be 6 a b a c c 6 a b c e 3 c c 6 c d e f d a d d af be 6 a b e 6 c d e e のとき d d e e 3 e f 放物線分布 g 3 a g 3 a b g e e 4 c g d g 対称放物線分布 h 3 ah 3 a b h e f 3 c h 3 d h 3 次曲線分布 a 4 4 a b e e 5 c d 対称 3 次曲線分布 3 a 7a 8b 45 6 c 45 e 7 3e 45 d

33 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 33 F F についての代数公式 () 表 - F F d 放物線分布対称放物線分布 3 次曲線分布 g h 対称 3 次曲線分布 a g 3 a a 3 a 4 ah a 3 3 a b a b g 3 a b h 4 a b 45 7a 8b 4 c g c 3 c h c 5 6 c 45 e f d e e e f e e e 7 3e d g 3 d h d 45 d 放物線分布 g gg 5 gh 5 g 6 g 9 対称放物線分布 h 5 g h 8 hh 5 h 5 8 h 5 3 次曲線分布 g 6 h 対称 3 次曲線分布 g 9 8 h

34 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 34 補充ポテンシャルエネルギー極小の原理と最小仕事の原理 外力の作用下に静的釣合状態にある骨組構造物の弾性変形において 次式で定義される力学量 を補充ポテンシャルエネルギー (copleetary potetal eergy) という V (45) ここに V は あらかじめ指定された変位 v, v, に対して それぞれそれらの方向の未知外力 p ( 分布荷重 ), P ( 集中荷重 ) がもつ外力のポテンシャルの総和であり 次のように表される V p v d P v, (46) さて 外力群の作用下に釣合状態にあって弾性変形を生じる構造物において 与えられた荷重を一定にしておき かつ 釣合を保持しながら線形独立な未知外力 ( 例えば不静定反力 ) p, P を任意微小 の仮想量 p, P だけ変化させると 垂直応力およびせん断応力は, だけ変化する すると補充ひずみエネルギー は だけ変化し 外力のポテンシャル V は V だけ変化する それで補充ポテンシャルエネルギーの仮想変化量 は 次式で与えられる V (a) p, P p, P p, P V W V W,,, v O v v, v,, O,, (a) 外力のポテンシャル V と外力の補充仕事 W (b) 補充ひずみエネルギー 図 -5 外力のポテンシャル V と補充ひずみエネルギー の仮想変化量, このうち 補充ひずみエネルギーの仮想変化量 は 図 -5(b) に示す + の面積に相当するので と表され 次の通りである E d d E G d d E G dd dd E G 上式の右辺第 項は 内力の仮想補充仕事 に他ならないから G E G d d dd dd (b) E G

35 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 35 一方 外力のポテンシャルの仮想変化量 V は 次式で与えられる V p p vd P P v, p vd P v, V v p d v, P (c) 右辺の [ ] 内は 外力の補充仕事の仮想変化量 W に他ならず V は図 -5(a) に示すの面積に相当する このことを考慮し 式 (b),(c) を式 (a) に代入すれば W d d (d) E G ところが 式 (d) の右辺の第 項と第 項は 仮想力の原理 の式 (38) により消滅する また 第 3 項は常に正値をとる よって 次式が成り立つ dd E G 式 (e) から 次のことがわかる (e) 釣合状態にある弾性構造物において ある点の変位が指定されているとき その点に同一方向に作用する外力に関して 補充ポテンシャルエネルギーは 極小値をとる これを 補充ポテンシャルエネルギー極小の原理 (prcple of u copleetary potetal eergy) という この原理は 次のような実用公式の形で表現できる いま 点 の変位 v, があらかじめ指定されている場合 その方向の線形独立な未知集中外力 P に 仮想微小変化 P を生じさせたときには P P (f) 式 (f) に式 (45),(46) を用いると,, v P P v P W P P これより直ちに 次の式が成立つことがわかる v, P (47) 特に 弾性線形構造物の場合には であるから 次式が成立する P v, (47) いま 外部的 e 次不静定構造物の不静定反力を R,,, e と記すと 式 (47) あるいは式 (47) において P R とおけば 次の e 元連立方程式を得る 非線形構造物に対し v, R,,, e (48) 線形構造物に対し v, R,,, e (48) そこで 支点 の変位 v,,,, e があらかじめ与えられているとき 連立方程式 (48) あるい は連立方程式 (48) の e 個の根として 不静定反力 R が v, の関数として求められる

36 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 36 さて 弾性線形構造物を対象として 式 (47) で v とおけば P, (49) 式 (49) に含まれるひずみエネルギー は 外力の仕事 W に等しい それで この式は 外力の仕事が変位の生じ得ない点に作用する力 ( 例えば剛支点の反力 ) に関して極小値をとることを意味する それで 式 (49) の事実を 最小仕事の原理 (prcple of least wor) という これをまとめると 次のように言える 外部的 次不静定構造物 ( 弾性線形構造物 ) のひずみエネルギー を不静定力 X, X,, X の関数として表すとき その不静定力の正解は ひずみエネルギーを最小にし 次式が成立する,,, X これをカステリアーノの最小仕事の定理またはひずみエネルギー最小の定理という この定理は 構造物の熱ひずみ, 初期ひずみ, 支点変位が存在する場合には成立しない

37 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 37 相反作用の定理 ベッティの相反作用の定理 まず 図 -6(a) の ) に示すように 外力群 v,,,, P,,,,,,, 用点がその作用方向に 力群 v, P,,,, が弾性線形構造物に作用し 各外力の作 だけ変位したものとする この状態からさらに付加的に別の外 P, が作用して 外力 の作用点 が図 -6(a) の ) に示すように 付加たわみ が生ずると同時に 外力 の作用点 はその作用方向に P, v,,,, の変位 を生ずる その最終状態を図 -6(a) の 3) に示す このような外力のかけ方を載荷順序 Ⅰとする この載荷順序で外力群がなす仕事 W は次のように計算される P, P, v, v v, v, v P, P, P, ) 外力群 の載荷 ) 外力群 の載荷 3) 外力群 (+) の載荷 (a) 載荷順序 Ⅰ P, P, P, v, v, v v, v P, P, P, まず 外力群 次に 外力群 P, (b) 載荷順序 Ⅱ 図 -6 外力群の載荷順序と各段階で蓄えられるひずみエネルギー が載荷した段階でなされる仕事 Wは P, v P, が作用したときに P, が v, W, W P, v, (a) になす仕事 W は (a) これと同時に P, が v, になす仕事 W は W P, v, (a) 3 したがって 載荷順序 Ⅰの場合の全外力仕事 W は 式 (a) ~3 を加算して W W W W P, v, P, v, P, v, (b) 一方 図 -6(b) に示すように まず 外力群,,, を作用させ 次に外力群,,, ) 外力群 の載荷 ) 外力群 の載荷 3) 外力群 (+) の載荷 P, を作用させる 載荷順序 Ⅱの全外力仕事 W は 同様に W W W W P, v, P, v, P, v, (c)

38 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 38 ところが 外力のなす仕事 W は 載荷順序に無関係でその最終状態で決まる この事実に基づくと 載荷順序 Ⅰにおける外力の仕事 W と載荷順序 Ⅱにおける外力の仕事 W は相等しいことになる W W (d) 式 (d) に式 (b),(c) を代入し, 共通項を消去すれば 次の式が得られる W P, v, P, v, P, v, P, v, P, v, P, v, W P v P v (5-),,,, 式 (5-) は次のことを表している すなわち 図 -7 に示すように これを ベッティの相反作用の定理 (ett s recprocal theore) という 式 (5-) において P を一般外力 ( 例えば外力 モーメント ), v をその作用点の同一方向の一般変位 ( 例えば回転変位 ) と見なして広義に解釈することができる すなわち 弾性線形構造物に対して 外力群 v, の系には集中荷重 P,, 集中曲げモーメント M,, v, 集中ねじりモーメントT,,,, が同時に 作用し 外力群 の系には P, P,, M,, T,,,, が同時に作用する (a) 外力群 の系 (b) 外力群 の系このとき 外力群 の系においては 外力群 の 各外力の作用点 がその作用線方向に並進変位 図 -7 ett の相反作用の定理 v,, 回転変位,, ねじり角変位,,,, を生じ 外力群 の系においては 外力群 の各外力の作用点 がその作用線方向にそれぞれ v,,,,,,,, の変位を生ずる 以上のように考えて 一般化すると 次式のようになる P v M T P v M T,,,.,,,,,.,, (5-) マックスウェルの相反作用の定理式 (5-) の特別な場合として 図 -8(a) に示すように いくつかの支点で支持された弾性線形構造物において ただ つの単位集中荷重 P が点 に作用する系 と双子の構造物に他のもう つの独立な単位集中荷重 P が点 に作用する系 ( 図 -8(b) に示す ) との間について考える いずれの系においても支点反力は外力であるが 支点は変位を生じないので反力は仕事をしない それで式 (5-) の中には反力は含まれない このとき 系 において 点 で P の作用線方向に生ずる変位 を P 弾性線形構造物に 組の互いに独立な外力群 および外力群 が作用して それぞれの系で釣合状態にあるとき 外力群 が外力群 により生ずる変位に対してなす仮想仕事は 外力群 が外力群 により生ずる変位に対してなす仮想仕事に等しい v, と記すと 式 (5-) において P, P, P, v, v, v, v とおくと次式が成り立つ P v P v (5-) ここで P P であるから v v (5) (a) 単位外力 P による点 の P 方向の変位 v v P P 系 系 v P, (b) 単位外力 P による点 の P 方向の変位 v 並進変位に対して図 -8 Mawell の相反作用の定理

39 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 39 式 (5) は 次のことを表している つの同じ弾性線形構造物がある 系 では点 に単位集中荷重 P が作用し 系 では点 に単位集中荷重 P が作用する このとき 系 における点 の P 方向の変位 v は 系 における点 の P 方向の変位 v に等しい これを マックスウェルの相反作用の定理 (Mawell s recprocal theore) という いま 式 (5-) において 上記と同様に P, P, P, P, v, v, v, v, M, M, M, M,,,,, T, T, T, T,,,, とおくと次式が成り立つ P v M T P v M T (5-) ここで v などの添字についてもう一度整理しておく 第 添字は 一般変位を生じる点であり 第 添字は 一般変位の原因となった一般外力の作用点を意味する そこで 図 -8に示すように 式(5-) において M M, P P T T とすると 点 に作用する単位集中モーメント M による点 の回転角 は 点 に作用する単位集中モーメント M による点 の回転角 に等しい すなわち (5) M M 系 系 (a) 単位外力モーメント M による点 の回転変位 回転変位に対して図 -8 Mawell の相反作用の定理また 図 -83に示すように 式(5-) において P M, M P T T とすると (b) 単位外力モーメント M による点 の回転変位 M 点 に作用する単位集中荷重 P による点 の回転角 は 点 に作用する単位集中モーメント M による点 の P 方向の変位 v に等しい すなわち v (5) P 系 系 (a) 単位外力 P による点 の回転変位 3 並進変位と回転変位に対して図 -8 Mawell の相反作用の定理 v (b) 単位外力モーメント M による点 の P 方向の変位 v

40 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 4 というように マックスウェルの相反作用の定理 を一般外力と一般変位に拡張して解釈できる マックスウェルの相反作用の定理 を適用すると 一般変位( 変位 回転角など ) の影響線を簡単に求めることができる 図 -9 に示すように 単位移動荷重 P による点 のたわみ v を載荷点 の直下の縦距としてプロットし 載荷点が移動したときの v の軌跡が点 のたわみの影響線である ところが マックスウェルの相反作用の定理 によれば 式 (5) により v v である これより また この関係も拡張して 式 (5) から図 -9 に示すように P ということができる P (a) 点 のたわみ角 v 点 が移動するときの点 のたわみ v の影響線は 着目点 に単位荷重 P を作用させたときのたわみ曲線 v として与えられる (a) 点 のたわみ v (b) 単位荷重 P によるたわみ曲線 v M (b) 単位モーメント M によるたわみ曲線 図 -9 たわみ角の影響線 v 図 -9 たわみの影響線 P 点 のたわみ角 の影響線を求めるには 着目点 に単位モーメント M を作用させたときのたわみ曲線 v を描けばよい

41 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 4 ミューラー ブレスラウの定理図 -3(a) に示すように 不静定構造物の不静定反力 ( 例えば R ) あるいは不静定断面力 ( 例えば曲げ モーメント M またはせん断力 Q ) の影響線を求めることについて考える P v Q R v, R M P (a) 単位荷重 P による 反力 ( 断面力 ): 系 (b) 単位外力 P による たわみ曲線 : 系 v v, M M (c) 単位曲げモーメント M によるたわみ曲線 : 系 v Q v, Q (d) 単位せん断力 Q によるたわみ曲線 : 系 v, Q (e) せん断力が生じ得ない状態にするために設けるリンク機構 ( シアレス連結 ) 図 -3 Müller-reslau の定理 そのため 実在構造物と同一材料 形状 寸法をもつ仮想構造物を取り出し 図 -3(b),(c) あるいは (d) に示すように それぞれ反力 R, 曲げモーメント M あるいはせん断力 Q が生じない状態にしておき それに当該の反力, 曲げモーメントあるいはせん断力と逆向きで単位の大きさを有する外力 P, M あるいはQ を作用させる ちなみに 支点反力を開放するためには 図 -3(b) に示すように当該支点を撤去し 曲げモーメントを開放するためには 図 -3(c) に示すように当該断面にヒンジを挿入する また せん断力開放するためには 図 -3(d) および (e) に示すようにリンク機構 ( シアレス連結 ) を設ければよい このとき これらの単位外力の作用点 の外力方向の一般変位 ( 変位 回転角あるいは相対変位 ) を v とし 着目点 のたわみを v とする そこで 図 -3(a) に示す実構造物の系と図 (b),(c) あるいは (d) に示す仮想構造物の間で ベッティの相反作用の定理 を適用すると 次式が成立する 図 (b) の系 : v R v, R P 右図において P 系 の外力が系 の変位に対してなす仕事 W は W Pv R v, R R 系 の外力が系 の変位に対してなす仕事 W は P W P 系 ここに は点 の支点変位であり である R ところが W W, P であるから P v R v, R P 系 v v, R 単位外力 P によるたわみ曲線

42 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 4 図 (c) の系 : v M v, M M 右図において 系 の外力が系 の変位に対してなす仕事 W は W Pv M v, M 系 の外力が系 の変位に対してなす仕事 W は W M L R ここに L, R は点 での左側と右側のたわみ角 であり 曲げモーメントの連続条件から L R である ところが W W, P であるから v M v, M M 図 (d) の系 : v Q v, Q Q 右図において 系 の外力が系 の変位に対してなす仕事 W は W Pv Q v, Q 系 の外力が系 の変位に対してなす仕事 W は W Q ここに は点 の支点変位であり である ところが W W, P であるから v Q v, Q Q P よって 各系に対応して実構造物の支点反力 R, 支点曲げモーメント M, 支点せん断力 Q は 次 のように与えられる 図 (b) において : v R v, R 図 (c) において : v M v, M (5) 図 (d) において : v Q v, Q ところで 実構造物上の点 が単位荷重 P と共に移動すると 仮想構造物上の対応点 のたわみ v も移動してたわみ曲線を呈する 以上の事実より 実構造物における反力 R, 曲げモーメント M あ るいはせん断力 Q の影響線は それぞれ図 -3(b),(c) あるいは (d) に示されるたわみ曲線 v の縦距を 倍, 倍あるいは 倍した曲線に他ならない かくして 一般に次のように言える v, R v, M v, Q 不静定構造物の反力 ( あるいは断面力 ) の影響線は それらの反力 ( あるいは断面力 ) が生じ得ない状態にした仮想構造物において 当該反力 ( あるいは断面力 ) と逆向きの単位外力を作用させたときに生ずるたわみ曲線と相似で その縦距を 倍したものである v ここに v は仮想構造物の単位外力の作用点における単位外力方向のたわみ ( あるいは断面の相対回転角または相対変位 ) である これを ミューラー ブレスラウの定理 (Müller-reslau s theore) という P v v, M M M M 単位曲げモーメント M によるたわみ曲線 P P v L R 系 L R v, M v, M v, M v Q Q, Q 系 単位せん断力 Q によるたわみ曲線 Q 系 系

43 応用力学 Ⅱ 講義資料 / 構造解析学における基本原理および定理 43 カステリアーノの第 定理図 -3(a) に示すように 弾性線形構造物に外力群 P (,,, ) が作用し その作用点 に作用線方向の変位 v (,,, ) が生じたものとする 図 -3(b) に示すように 点 にのみ付加外力 P が作用して点 に付加的変位 v (,,,,, ) を生ずるものとする 図 (a) に示す系 と図 (b) に示す系 の間に ベッティの相反作用の定理 式 (5) を適用すれば 次の通りである P v P v (a) ところで 系 から系 に移行する際のひずみエネルギー増加量 は P v P v (b) 式 (a) を式 (b) に代入すれば P v P v (c) そこで 式 (c) の両辺を で除し l P をとれば l v であるから v v P v P P l v l v P P v (53) P P v v v v P (a) 系 (b) 系 図 -3 astglao の第 定理 ( 集中外力 ) 式 (36) すなわち P に対し相補的な式 (53) は 次のような力学的意味をもつ v 構造物のひずみエネルギーが外力の関数として与えられているとき ある点の外力に関するひずみエネルギーの偏導関数は その点に作用する外力の作用線方向の変位に等しい これを カステリアーノの第 定理 (astglao s secod theore) という また 式 (53) において P を一般外力 ( 例えば外力モーメント ), v を一般変位 ( 例えば回転角 ) というように カステリアーノの第 定理 を拡張解釈することができる なお 式 (53) と式 (47) すなわち v, とは同形の式であるが 後者の v, は支点変位のように問 P 題においてあらかじめ指定された変位であり P はそれによって生ずる支点反力のような未知集中外力である 前者においては それとは反対に P はあらかじめ指定された外力群に含まれる外力であり v はその外力群による未知変位である このように両者に本質的相違があることに注意を要する

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