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1 授業コード :6612 学科及び学年 : 放射線技術科学科 2 年次開講学期 : 後期曜日及び時限 : 木曜日 4 時限単位及び時間 :2 単位 30 時間講義室等 :131 講義室 病態と画像 Ⅰ 神経系 茨城県立医療大学 2008 年度 担当教員医科学センター教授永田博司 この科目の他の分担教員である和田野教授 山口教授の講義資料はこの冊子には含まれていません 学科学籍番号氏名

2 第 1 章脳血管障害 ( 脳卒中 )Cerebrovascular Diseases (Stroke) (1) 脳血管障害 Cerebrovascular Disease(CVD) とは ( ア ) 脳卒中 の語源呼称 : 1. 脳卒中 stroke 2. 脳血管障害 cerebrovascular disease, cerebrovascular attack(cva) ( イ )Stroke と Brain Attack (2) 疫学 epidemiology 1. 死亡原因の中での順位の推移 2. 有病率としての頻度 3. 要介護高齢者の原因疾患として 4. 日本国内の地域別の特徴 5. 日常生活能における介護を要するものの割合 6. 寝たきり老人の原疾患 (3) 脳血管の解剖と生理 ( ア ) 解剖学的特徴 1 内頚動脈系と椎骨動脈系 1. 内頚動脈系 internal carotid artery system: 脳の前 2/3 を潅流前大脳動脈 anterior cerebral artery, ACA 中大脳動脈 middle cerebral artery, MCA 2. 椎骨動脈系 : 脳の後 2/3 を潅流後大脳動脈 posterior cerebral artery, PCA 3. 内頚動脈系と椎骨動脈系の吻合 Willis 動脈輪 2 動脈灌流域 : 灌流域の Border zone( 境界域 分水嶺 watershade) 3 穿通枝と皮質枝 4 副側血行路 5 血管走行の variation ( イ ) 脳循環代謝の特徴 1 脳重量と脳酸素消費量 心拍出量 2 脳血流の自動調節能 autoregulation: 全身血圧の変動にかかわらず 脳血流を一定に保とうとする生理的機能 1

3 3 Crossed cerebellar diaschisis 交叉性遠隔性小脳機能障害 : 一側の大脳半球病変を有する症例において 本来病変のない反対側の小脳半球に脳循環障害が起こる現象 4 血液ガスと脳循環 1. 高 CO 2 血症 脳血管の拡張 2. 低 CO 2 血症 脳血管収縮 脳血流低下 Hyperventilation など ( ウ ) 脳血管抵抗を規定する因子 1 ヘマトクリット : 高ヘマトクリット値 血管の閉塞 2 赤血球変形能 : 変形能の低下 血管内での閉塞 3 血管トーヌス : 動脈硬化で弾性は損なわれる (4) 脳内出血 intracerebral hemorrhage 脳出血 cerebral hemorrhage は 脳内出血とクモ膜下出血の総称 多くは脳実質内の穿通枝動脈の破綻による出血 長期の高血圧による血管変性 ( 血管壊死及び微小動脈瘤 ) が関係する 血圧変動で高血圧に傾いた時に破綻するため 日中発症が多い ( ア ) 概念 : 教科書では 脳実質への出血を脳出血としているが 脳内出血 intracerebral hemorrhage という呼称の方が適切 ( イ ) 成因 : 1 高血圧の持続 血管壊死 破裂 2 高血圧の持続 脳内小動脈瘤 破裂 ( ウ ) 病型 : 1 被殻出血 ( 外側型出血 ) 2 視床出血 ( 内側型出血 ) 3 小脳出血 : 歯状核中心とする出血が多い 4 脳幹出血 : 橋出血が多い ( エ ) 好発部位 (CT 画像を理解するための分類 ) と頻度被殻出血 ( 外側型出血 )> 視床出血 ( 内側型出血 ) 小脳出血 脳幹出血 ( オ ) 症候 : 1 日中活動時の発症が多い 2 高血圧を伴うことが多い 3 頭痛を伴いやすい ( 必須ではない ) 4 意識障害を伴うことが多い 5 出血が脳室に穿破すると意識障害が出やすい 2

4 6 痙攣は 大脳皮質刺激症状 7 血腫 hematoma は : 血管の破裂によって出血した血液によって形成される mass (5) 虚血性脳血管障害 = 脳梗塞 cerebral infarction ( ア ) 分類について メカニズム解説分類 脳血栓 cerebral thrombosis 脳塞栓 cerebral embolism ( イ ) 病態 主に穿通枝領域に見られる小梗塞 血管壁の動脈硬化によりその場で壁在血栓が形成され 閉塞する 中大脳動脈の起始部梗塞など 主幹動脈の閉塞 動脈硬化を起こした動脈壁に血栓が形成される 次いで 血栓が剥離し 動脈血に乗って末梢の脳動脈を閉塞 不整脈 ( 心房細動など ) や弁膜症の際 心臓の内部に血栓が形成され 剥離し 脳動脈へ流され閉塞したもの ラクナ梗塞 ( 長期の高血圧を背景にして起こりやすい ) 画像上 1.5 cm以下 アテローム血栓性梗塞 ( 血栓と塞栓という違いがあるが いずれも動脈硬化を基礎として起こる点で共通している ) 心原性塞栓 1 閉塞血管と障害の関係 : 一応の対応はあるが 副側血行路や 血管走行の変異などにより 異なる 2 分類別の病態の相違 1. ラクラ梗塞 2. アテローム血栓性梗塞 3. 心原性塞栓 3 血圧変動と脳血栓 1. 血圧日内変動 2. 降圧剤 ( ウ ) 脳血栓と脳塞栓の相違 1 2 発症様式 梗塞部位 3 画像上の特徴 ( エ ) 慢性脳動脈低灌流の病態について 1 白質の変化 leukoareiosis 2 Binswanger 病 (6) 脳内出血 脳梗塞に共通した病態 ( ア ) 脳浮腫 brain edema 及び関連する病態 3

5 血腫の周辺組織は血管透過性が亢進し 血液の液性成分が漏出する その結果 神経細胞やグリア細胞の細胞間隙や 細胞内の水分含量が増加し 脳組織容積が増大する 脳梗塞の虚血部位やその周辺 脳腫瘍の周辺組織 脳外傷の組織などで見られる 頭蓋内圧亢進 increased intracranial pressure (IICP) 脳ヘルニア cerebral edema, brain edema 帯状回ヘルニア ( 右図 1) 鉤ヘルニア ( 右図 2) 大後頭孔ヘルニア ( 右図 4) 中心性ヘルニア ( 右図 3) (7) 症状 ( 脳梗塞 脳出血共通 ) ( ア ) 運動障害の特徴 片麻痺 hemiparesis 病巣側と麻痺側 上肢と下肢の差 認知機能障害右片麻痺に伴うもの : 失語症 感覚障害の合併 1. 多くは 視床に病変 2. 顔面を含む半身の感覚障害が多い 片麻痺と抑鬱 : 左片麻痺に伴いやすい 7 発症の危険因子脳梗塞 脳出血発症につながる危険因子をリストアップすること 特に生活習慣との関連を (8) 画像診断 ( ア ) 脳梗塞 1 2 CT 1. 脳浮腫による低吸収域 ( 発症後 1~2 週持続 ) と mass effect 2. 最終的には低吸収域 :gliosis と 脱髄による 3. 出血性梗塞 MRI 1. 拡散強調画像による早期診断 2. 無症候性脳梗塞の検出 3. MRA の併用 4

6 ( イ ) 脳出血 1 CT 1. 脳出血のスクリーニングとして 2. 高度の貧血の場合 3. 脳室穿破 2 MRI 1. Hemoglobin の性状による信号域の変化 2. 陳旧性出血の形態的特徴 (9) クモ膜下出血 subarachnoid hemorrhage, SAH ( ア ) 概念 ( イ ) クモ膜下腔とは ( ウ ) 原因 1 動脈瘤破裂または動静脈奇形の破裂 2 血圧上昇が破裂のきっかけ ( エ ) 頻度 1 脳内出血に比べて若年層に多い 2 動脈瘤破裂 > 動静脈奇形 3 出血した血液 くも膜下腔の髄液と混じて髄腔内を拡散する 4 動脈瘤の好発部位 破裂により影響を受ける脳の部位は? ( オ ) 症状の特徴 1 激しい頭痛 2 髄膜刺激症状 3 動脈瘤あるいは動静脈奇形による症状 :mass として 4 二次性脳梗塞は 血管攣縮によっておこる 破裂と血管攣縮により影響を受ける脳の部位は? 5 意識レベルは重症度を反映 ( カ ) 検査 1 急性期では CT による診断が有用 1. クモ膜下腔 2. cistern 3. 2 次性脳梗塞 2 慢性期では MRI による診断が有用 ( キ ) 治療 (10) 脳血管障害の治療 5

7 ( ア ) 急性期 ~ 亜急性期 1 ポイントは生命維持と脳圧の除圧 ( 頭蓋内圧亢進の軽減 ) 2 救急対応適切な病院 1. 外科的治療 ( 除圧 ) ( ア ) 血腫除去が可能な場合 ( イ ) 血腫除去が不可能な場合 2. 保存的治療 ( ア ) 浸透圧利尿剤 ( 高張液の点滴静注 ) ( イ ) 低体温療法 3. 血栓溶解療法 ( ア ) 超急性期治療の普及 ( イ ) Intervention therapy 4. 急性期リハビリテーション 3 慢性期の管理 1. 疾患としてではなく 障害としでもなく 全人的に 病い として 2. 危険因子の回避 : 生活習慣の見直しなど 3. リハビリテーション 4. 再発予防 ( ア ) 血圧コントロール ( イ ) 抗血小板抑制剤の使用 ( 脳梗塞 ) ( ウ ) 抗不整脈剤 ( 心房細動などに ) ( エ ) 抗てんかん剤の使用 6

8 第 2 章萎縮性疾患 画像診断上 脳萎縮 brain atrophy を主な所見とする疾患を ここでは萎縮性疾患と呼ぶ 病理学的な本質は 変性 degeneration である これは 神経組織を構成する神経細胞とグリア細胞の数の減少が背景にある また 細胞数の減少の他 神経組織内に異常蓄積物質が認められることがある Ⅰ 大脳が萎縮する病態 ~ 痴呆 dementia を主症状とする萎縮性疾患 ~ (1) 病態の総論 ( ア ) 知能の老化とは何か 1 記憶と状況判断 2 老化の影響を受けにくい知能要素 ( イ ) 健常老人の記憶低下と病的な記憶障害の差異 1 健常老人 ( 正常な老化 ) 1. 短期記憶の低下が起こりやすい 2. 想起障害が起こりやすい 2 病的な記憶障害 ( 痴呆の初期段階 ) 1. 体験の全体的な健忘 2. 判断力の低下や失見当識を伴うことがある 3. 記憶障害に自覚を持たない ( ウ ) 痴呆の定義 1 痴呆と正常老化の区別痴呆かどうかという判断の前提は 意識清明であること 精神機能の低下を伴う病態 ( 欝病など ) ではないこと が必要 その上で 単に記憶障害だけでなく 総合的な判断力の低下や 日常生活上や 社会生活上 支障を来たすようになった場合をいう ボケ と痴呆は同義ではない 2 痴呆と混同しやすい病態 1. 意識変容 : せん妄老人の場合 身体的な問題があるときなど 一過性に 妄想や睡眠障害 ( 昼夜の逆転 ) などが起こることがある 2. 意識水準の低下 : 軽度意識障害がある場合 痴呆と混同しやすい ( エ ) 痴呆評価スケールスケールはあくまで 程度を見るための尺度であり 決して 痴呆の診断に使われるものではない 言語性知能だけを見るテスト 動作性を見るテスト 総合的に見るテストなどがある 7

9 ( オ ) 痴呆を来たす疾患痴呆は 症状の呼称であり この症状を呈する疾患は多数ある その中でも特に重要な疾患を取り上げる ( カ ) 大脳萎縮の画像診断のポイント 1 皮質性萎縮 cortical atrophy 1. 脳溝開大の程度 2. 脳槽の拡大の程度 3. Sylvius 裂開大の程度 4. 全体的な萎縮の程度の記載 ( 例 ):1mild 2moderate 3severe の3 段階 5. その他 :CT では 開大した脳溝は slice によっては しばしば梗塞と間違いやすい MRI では 萎縮は一般的には T1 画像で判断 2 脳室拡大 ventricular dilatation 1. 程度 : 基準はないが 視認できる印象として 1mild 2moderate 3severe の3 段階に分ける ( 例 ) 2. 形状 ( ア ) 側脳室前角の形状をある程度保ったまま拡大する場合 ( イ ) 側脳室前角が膨らむ傾向を持つ場合 3 両者の組合せの程度 1. 脳室拡大 > 脳溝開大 2. 脳室拡大 < 脳溝開大 4 年齢による萎縮 age-compatible atrophy 1. 老化により脳萎縮は次第に顕著になる 2. 病的な萎縮と正常老化による萎縮を区別する絶対的な基準はない 5 伴いやすい所見 1. 側脳室周囲の大脳白質の病変 2. 深部白質の広範な病変 3. 白質のラクナ梗塞 6 MRI と CT の特性 1. 萎縮の判定だけであれば CT で十分 2. MRI ではT1 強調画像で判断 3. 皮質性萎縮の程度の把握では MRI SAS ( surface anatomy scanning) が有効 7 髄液循環動態を把握するためには 1. 水様性造影剤による cysternography 8

10 2. アイソト-プによるシンチグラフィ 3. MRI 8 脳血流の低下と萎縮性疾患 :SPECT PET ( キ ) 年齢と萎縮の程度 : 年齢相応の萎縮かどうか ( ク ) 萎縮の程度と知能の関係 (2) Alzheimer 病 ( ア ) 用語 ( 同義語 ):Alzheimer 型老年痴呆 AD ( イ ) 疾患概念 : 1. 神経細胞の脱落 ( 数の減少 ): 一定の部位で特に 変性疾患の特徴 2. 異常蓄積物質の存在 : アミロイド蛋白の蓄積 3. 殆どは孤発型であり 稀に家族性が存在する ( ウ ) 診断基準 : 記憶障害だけでなく 社会生活や職業上 支障が出てくる場合 ( エ ) 臨床経過 : 徐々に増悪 最終的には寝たきりに ( オ ) 病態 1 病理学的特徴 1. 病変の分布 : 側頭葉より後方に目立つ 2. 老人斑と神経原線維変化 2 発症のメカニズム 1. 神経細胞死 アミロイドβ 蛋白の沈着と老人斑の形成 神経原繊維変化の形成 神 経細胞死 2. アミロイド仮説 アミロイドβ 蛋白による直接的細胞毒性による神経細胞死 3. アミロイドβ 蛋白蓄積の理由 4. 大脳皮質での神経伝達物質の低下 :Acetylcholine 作動系ニューロン減 少による Acetylcholine の低下 (3) 血管性痴呆 ( 脳血管性痴呆 )vascular dementia ( ア ) 疾患概念 : 1 脳卒中 ( 脳血管障害 ) が背景にある 2 単発の病変よりも 多発の病変で起こりやすい ( 多発性脳梗塞 ) 3 脳卒中 ( 脳血管障害 ) 後遺症の病像を持つ ( イ ) 病巣の特徴 1 単発型 : 海馬の梗塞など 2 多発型 ( ラクナ梗塞 : 大脳基底核領域 ( 穿通枝領域 ) の小梗塞 ) 3 広範囲白質病変型 ( ウ ) Alzheimer 病と鑑別ができるか 9

11 1 2 画像診断の重要性 臨床像の相違 Alzheimer 病 血管性痴呆 発症様式 徐々に 脳卒中の既往あり 経過 緩徐進行性 時に階段状進行 痴呆の特徴 全般性痴呆 まだら痴呆 人格水準 早期より低下 比較的保たれている 病識 早期よりなくなる 保たれている 随伴症状 徘徊 多動傾向 情動失禁を伴う 神経徴候 あっても軽い 脳卒中としての神経症状 検査 脳萎縮のみ 梗塞等 ( エ ) その他の痴呆性疾患 1 Pick 病 2 Huntington 病 : 大脳基底核 ( 尾状核等 ) の神経細胞脱落を背景に 舞踏運動とよばれる不随意運動と 痴呆 精神症状が現れてくる遺伝性疾患 常染色体性優性遺伝形式をとる 大脳基底核 ( 尾状核 ) の萎縮が特徴で 水平断の CT MRI では 側脳室前角が特に拡大し 蝶形に見える 3 Prion 病 : 異常プリオン蛋白による 感染 症 クロイツフェルトヤコブ病などがある Ⅱ 小脳が萎縮する病態 ~ 脊髄小脳変性症 ~ (1) 小腦とは ( ア ) 構造と機能 ( イ ) 画像でどのように見えるか 1 小脳は後頭蓋窩にあるため 周囲の骨によって CT では よく描出されない MRI が有効である 2 MRI では 水平断だけでは萎縮の評価は不十分 矢状断が必要となる 3 各部の萎縮 1. 小脳虫部 ( ア ) 前葉が萎縮する ( イ ) 結果的に第 4 脳室が拡大する 2. 小脳半球 ( ア ) Primary fissure の開大 10

12 ( イ ) ボリュームの減少 3. 橋 Pons ( ア ) ボリュームの減少 ( イ ) 水平断で 十字架様高信号域 (MRI T2 画像 ) ( ウ ) 小脳が萎縮する疾患 1 主として小脳半球の萎縮するタイプ 2 小脳半球と脳幹 ( 橋 ) が萎縮するタイプ 11

13 第 3 章頭部外傷 Head Trauma (1) 頭部外傷の頻度 (2) 受傷帰転の特徴 ( ア ) 直撃損傷 Coup injury と反衝損傷 contrecoup injury ( イ ) 外力により剪断力を受けやすい 1 び慢性軸索損傷 Diffuse Axonal Injury, DAI 2 特定部位の易損性 1. 前頭葉底面 2. 側頭葉尖端面 (3) 頭部外傷の種類 ( ア ) 骨折 1 分類 ( 形状による ) 1. 線状骨折 : 鈍力によって頭蓋にたわみが生じる 直下の硬膜動脈を損傷しやすい 2. 粉砕骨折 : 直下の動脈と 脳実質の損傷 3. 陥没骨折 : 比較的小さな物体の直撃 突出物での打撲 直下の動脈と 脳実質の損傷 2 画像 1. 単純 X 線写真 正面 側面のほか Towne 撮影も 2. 側面像の左右比較 3. 陥没骨折では接線方向の撮影 4. 頭蓋骨の場合 骨折線は長期間残る 5. 軸位像の単純 X 線写真が困難な場合 CT で bone density で 6. 骨折線は 縫合線や血管溝よりも輝度が高い 7. 縫合線は 大人では通常 2mm 以下の幅である 8. 骨折線は中心部では3mm 以上の幅があり 両端で狭窄している 3 特徴的な骨折と骨折に伴う病態 1. 吹き抜け骨折 blow-out fracture: 眼窩を構成する骨は菲薄であるため 外力が加わると眼球を損傷することなく 骨折を起こす 下壁に多い 2. 頭蓋底骨折 basal skull fracture ( ア ) 頭蓋骨の たわみ による骨折 ( イ ) 徴候 1 耳介部後方の皮下出血 (Battle 徴候 ) 2 眼鏡様血腫 ( パンダの目徴候 ) 3. 外傷性髄液漏 : 骨折の結果 クモ膜下腔の髄液が 頭蓋外へ漏出し 12

14 クモ膜下腔に空気が入ってくる ( イ ) 血腫 1 硬膜の解剖学的位置関係の確認 2 血腫の種類 1. 硬膜外 ( ア ) 急性硬膜外血腫 acute epidural hematoma 1 機序 : 骨折に伴う硬膜動脈の損傷 2 臨床上の特徴 : 受傷直後は 意識障害があっても その後 一旦意識は回復することがある その後 数時間以内に 意識障害が再び現れる 3 画像 :(CT) 凸レンズ状の血腫 接する脳実質では 浮腫を認める 脳圧亢進を示す所見 4 治療 :CT で血腫を確認し 開頭し血腫除去 2. 硬膜下 ( ア ) 急性硬膜下血腫 acute subdural hematoma 1 硬膜とクモ膜の間 ~ 解剖学的特性 1. 強固な結合がない 2. 脳表の小動脈 小静脈からの出血 2 臨床症状 1. 脳実質の損傷を伴いやすく 当初から意識障害は強い 2. 血腫形成まで短時間 ( ア ) 急速に進行する意識障害 ( イ ) 脳ヘルニアに至るまで短時間 3 画像 :(CT) 三日月形の高吸収域 脳実質の損傷や 脳浮腫も重要 Contrecoup injury の部分にも血腫を形成したり 実質の損傷を伴うことがある ( イ ) 慢性硬膜下血腫 chronic subdural hematoma 1 機序 : 1. 架橋静脈の断裂による静脈性の出血 2. 高齢者 ( 脳と硬膜の間のスペースが広い ) に起こりやすい 3. 被膜の形成と時間経過 2 臨床症状 13

15 3 1. 外傷歴が明確でないことが多い 2. 高齢者では 痴呆 ボケ と誤解されることがある 3. 血腫が大きくなると頭蓋内圧亢進画像 :(CT) 1. 三日月形の高吸収域 2. 受傷後 3 週間以降は 髄液 > 血液となり 低吸収域へと変化 ( 途中 等吸収域の時期がある ) 3. Subdural fluid collection ( ウ ) 脳実質の損傷 1 局所性損傷 1. 脳振盪 cerebral concussion 頭部にある程度以上の外力が作用した直後に起こる症状で 脳には著名な病理学的変化が認められないうえに 脳の脱落症状を残さないものをいう その症状のおもなものは 意識障害 記憶喪失 脳皮質の刺激症状 延髄症状などである 多くは以上のような微候が外傷を受けた直後に現われるが 比較的短時日に回復する 画像診断でも正常 2. 脳挫傷 cerebral contusion 外力によって損傷を受けた状態をいい 一般には肉眼的に損傷が見られるものを指すが 実際には肉眼的には変化がなくとも顕微鏡的に点状出血を起こしているものも多くこれも含む 画像診断 (MRI) でも 散在する小さな出血巣を認める 同時に出血を起こし脳浮腫も加わって損傷された部分だけでなく脳の体積の増加から頭蓋内圧亢進を起こす ( ア ) 受傷の転機直撃損傷 Coup injury と反衝損傷 contrecoup injury ( イ ) 好発部位 1 後頭部に外力が加わった場合は 対側挫傷が生じやすい 14

16 2 3 前頭部に外力が加わった場合は 同側挫傷が生じやすい 側頭部に外力が加わった場合は 同側挫傷と対側挫傷が同じ程度に生 じやすい 2 広範囲の損傷 : 1. 脳振盪 cerebral concussion 6 時間以内の意識障害の回復 神経学的欠損症状を残さない 2. び慢性脳腫脹 CT で脳の density に変化がないか あるいはごく軽度 ( 白質 皮質の区別がつきにくい程度 ) であるが 脳室系が全体に狭小化し 時に消失している状態 3. び慢性軸索損傷 diffuse axonal injury, DAI: 脳挫傷の程度が軽度であるにもかかわらず 意識障害が6 時間以上 持続する 脳圧亢進は伴わない 意識障害が遷延することがある 3 その他 III 群刺激しても覚醒しない 1. 外傷性脳内出血 300 まったく動かない 2. 外傷性クモ膜下出血 200 手足を少し動かしたり顔をしかめる ( 除脳硬直を含む ) (4) 病態 100 はらいのける動作をする ( ア ) 意識障害を伴うことが殆んど II 群刺激すると覚醒する 1 意識障害の表記法 30 かろうじて開眼する 20 痛み刺激で開眼する 1. Japan Coma Scale(JCS) 10 呼びかけで容易に開眼する 2. Glasgow Coma Scale(GCS) I 群覚醒している 3 名前 生年月日が言えない 2 脳圧亢進も伴う 2 見当識障害あり 1 清明とはいえない ( イ ) 脳死と植物状態 Japan Coma Scale 1 定義の違い 2 脳死の画像診断? E: 開眼 eye opening 4 自発的に開眼する ( ウ ) 頭部外傷患者でみられやすい認知機 3 呼びかけで開眼する能障害 2 痛み刺激を与えると開眼する 1 開眼しない 1 前頭葉障害 ( 一部 側頭葉 ) に起 V: 言語反応 verbal response 因すると考えられる症状 5 見当識の保たれた会話 4 会話に混乱がある 1. 抽象的思考や複雑な問題の 3 混乱した発語のみ統合能力 判断能力の欠如 2 理解不能の音声のみ 2. 一定の行爲の維持困難 1 なし M: 運動反応 best motor response 3. 新規な行爲の学習困難 6 命令に従う 4. 自己中心的傾向 5 合目的な運動をする 4 逃避反応としての運動 5. 病前性格の先鋭化 性的脱 3 異常な屈曲運動 2 伸展反応 1 まったく動かない 15 Glasgow Coma Scale

17 抑制前頭葉及びび慢性脳障害に起因すると考えられる症候 1. 自発性の低下 2. 注意集中力の低下 3. 問題の処理速度の低下後頭葉障害に起因すると考えられる症候 1. 失語 失読 失書 失行 失認辺縁系障害に起因すると考えられる症候 1. 記憶障害全般性の障害に起因すると考えられる症候 1. 遷延性意識障害 16

Ø Ø Ø

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