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めぐのやぶき
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1 山梨県耐震改修促進計画平成 19 年 7 月平成 28 年 3 月 ( 改定 ) 山梨県

3 目次序章 1 計画の目的 1 2 本計画の位置づけと他の県計画との関係 1 3 計画の期間 2 第 1 章建築物の耐震診断及び耐震改修の実施に関する目標 1 想定される地震の規模被害の状況 3 2 耐震化の現状 6 3 耐震改修等の目標設定 11 第 2 章建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策 1 耐震診断及び耐震改修に係る基本的な取り組み方針 15 2 耐震診断及び耐震改修の促進を図るための支援策 16 3 安心して耐震改修を行うことができるようにするための環境整備 24 4 地震時の建築物の総合的な安全対策の推進 24 5 地震発生時に通行を確保すべき道路 25 6 特定優良賃貸住宅の空き家の活用 25 第 3 章建築物の地震に対する安全性の向上に関する啓発及び知識の普及 1 地震ハザードマップの作成公表 27 2 相談体制の整備及び情報提供の充実 28 3 パンフレットの作成配布や講習会の開催 28 4 リフォームにあわせた耐震改修の誘導 28 5 自治会等との連携に関する事項 28 6 各戸訪問による耐震化の啓発 28 7 県市町村建築関係団体による連携 29 8 税制の周知普及 29 第 4 章建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための指導等 1 耐震改修促進法による指導等 30 2 建築基準法による勧告又は命令等の実施 30 3 所管行政庁との連携 30 第 5 章その他建築物の耐震診断及び耐震改修の促進に関し必要な事項 1 市町村が定める耐震改修促進計画 33 2 県市町村関係団体による体制の整備 34 3 その他 34

5 山梨県耐震改修促進計画序章 1 計画の目的山梨県耐震改修促進計画 ( 以下本計画という ) は県内の建築物の耐震診断及び耐震改修を促進することにより建築物の地震に対する安全性の向上を図り今後予想される地震災害に対して県民の生命財産を守ることを目的として策定しました耐震化の必要性について平成 7 年 1 月の阪神淡路大震災では地震により6,434 人の尊い命が失われることになりましたこのうち地震による直接的な死者数は5,502 人でありさらに約 9 割に当たる4,831 人が住宅建築物の倒壊等によるものでしたまた平成 23 年 3 月に発生した東日本大震災はこれまでの想定をはるかに超える巨大な地震津波により一度の災害で戦後最大の人命が失われるなど甚大な被害をもたらし津波による沿岸部での被害に加え内陸部においても広範囲に渡り建築物に大きな被害が発生しました本県に影響のある南海トラフ地震や首都直下地震については発生の切迫性が指摘されひとたび地震が発生すると被害は甚大なものと想定されており特に南海トラフ巨大地震については東日本大震災を上回る被害が想定されていますこのように我が国では大地震はいつどこで発生してもおかしくない状況にあり生命財産を守るためには被害の軽減に大きく関係する住宅及び多数の者が利用する建築物の耐震化を図ることが重要です 2 本計画の位置づけと他の県計画との関係本計画は建築物の耐震改修の促進に関する法律 ( 平成 7 年法律第 123 号以下法という ) 第 5 条第 1 項に基づく都道府県の耐震改修促進計画として策定したものですまたダイナミックやまなし総合計画山梨県強靱化計画山梨県地域防災計画及び山梨県住生活基本計画などの県計画と整合を図りながら建築物の耐震化を促進するために必要な事項に関し定めたものです - 1 -

6 3 計画の期間本計画は平成 18 年度から平成 32 年度までの 15 年間を計画期間とします前計画は平成 18 年度から平成 27 年度までの10 年間の計画として策定しましたが国の建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な方針の一部改定を受け計画期間を5 年間延長するとともに所要の見直しを行いました - 2 -

7 第 1 章建築物の耐震診断及び耐震改修の実施に関する目標 1 想定される地震の規模被害の状況山梨県地域防災計画によると本県で想定される地震は次のとおりですア東海地震イ南関東直下プレート境界地震 ( 現在は首都直下地震 ) ウ釜無川断層地震エ藤の木愛川断層地震オ曽根丘陵断層地震カ糸魚川 - 静岡構造線地震なおウ~カは活断層による地震です (1) 想定される地震の規模山梨県地震被害想定調査報告書 (H8 年 3 月 ) 及び山梨県東海地震被害想定調査報告書 (H17 年 ) によると想定される地震の規模地震の位置は次のとおりです ( 表 1-1 図 1-1) 表 1-1 想定される地震一覧想定される地震東海地震南関東直下プレート境界地震 (M7,M9,M14) 釜無川断層地震藤の木愛川断層地震曽根丘陵断層地震糸魚川 - 静岡構造線地震想定される地震の規模身延町南部町の一部で震度 7 甲府市笛吹市の一部峡南地域及び富士北麓地域の一部で震度 6 強の地域が分布震源により異なるが旧北都留郡旧南都留郡旧東八代郡旧東山梨郡都留市で震度 6 弱富士吉田市忍野村山中湖村で震度 6 強の地域が分布断層に沿って震度 6 強の地域が帯状に分布また震度 7の地域が韮崎市富士川町南アルプス市に分布甲州市笛吹市で震度 7の地域が分布甲府市笛吹市中央市市川三郷町で震度 7の地域が分布し断層から甲府盆地側に震度 6 強の地域が分布断層に沿って震度 6 弱が帯状に分布し釜無川に沿って震度 6 強の地域が分布 - 3 -

8 図 1-1 想定地震の位置 (2) 人的被害山梨県地震被害想定調査報告書 (H8 年 3 月 ) 及び山梨県東海地震被害想定調査報告書 (H17 年 ) によると人的被害は次のとおりですなお東海地震については冬朝 5 時予知なしの場合としその他の地震では平日の夕方 6 時を想定したものです ( 表 1-2) 表 1-2 想定される地震による人的被害想定 ( 単位 : 人 ) 死者重傷者軽傷者合計東海地震 ,404 6,444 南関東直下プレート境界地震 ,181 5,755 釜無川断層地震 2,425 1,921 21,240 25,586 藤の木愛川断層地震 1,828 1,772 19,982 23,582 曽根丘陵断層地震 ,085 12,874 糸魚川 - 静岡構造線地震 733 1,007 11,406 13,

9 (3) 建物被害また山梨県地震被害想定調査報告書 (H8 年 3 月 ) 及び山梨県東海地震被害想定調査報告書 (H17 年 ) によると建物被害は次のとおりです ( 表 1-3) 表 1-3 想定される地震による建物被害想定 ( 単位 : 棟 ) 全壊半壊合計東海地震 6,912 30,928 37,840 南関東直下プレート境界地震 1,763 14,949 16,712 釜無川断層地震 50,840 56, ,468 藤の木愛川断層地震 38,169 56,370 94,539 曽根丘陵断層地震 16,888 33,505 50,393 糸魚川 - 静岡構造線地震 15,288 39,350 54,

10 2 耐震化の現状 ( 平成 27 年度末の推計 ) (1) 住宅建築時期別の状況等平成 20 年及び平成 25 年の住宅土地統計調査を基に平成 27 年度末の住宅数を推計すると県内の住宅総数は 329,900 戸であり昭和 55 年以前に建築された住宅は 88,800 戸で全体の26.9% を占めています ( 表 1-4) 表 1-4 建築時期別住宅数 ( 単位 : 戸 ) 住宅総数 329,900 昭和 55 年以前の 88,800 昭和 56 年以降の 241,100 住宅 (26.9%) 住宅 (73.1%) 88,800 戸 26.9% 241,100 戸 73.1% S56 年以降の住宅 S55 年以前の住宅昭和 56 年 6 月 1 日に建築基準法の耐震関係規定が改正された ( 新耐震基準 ) ため昭和 56 年 5 月 31 日以前と同年 6 月 1 日以降で分けることが必要ですが根拠としている住宅土地統計調査が昭和 55 年と昭和 56 年で分かれているため便宜上この区分を採用しています - 6 -

11 県内の住宅を建方別に見ると戸建て住宅が全体の71.1% を占めていますまた戸建て住宅の34.3% が昭和 55 年以前に建築されており住宅総数に対する割合は24.4% です一方共同建て住宅においては昭和 55 年以前に建築された割合が8.7% となっており戸建て住宅に比べ新しいものの割合が多くなっていますまた住宅総数に対する割合は2.5% と低くなっています ( 表 1-5) 表 1-5 建方別建築時期別住宅数 ( 単位 : 戸 ) 住宅総数 1 329,900 昭和 55 年以前の住宅 88,800 昭和 56 年以降の住宅 241,100 2 構成比 (2/1) 3 (3/2) 4 (4/2) 戸建て 234, % 80, % 154, % 共同建て 95, % 8, % 87, % 95,300 戸 28.9% 234,600 戸 71.1% 戸建て共同建て住宅の所有関係別に見ると持ち家は234,600 戸あり全体の70.9% を占めていますまた持ち家の35.7% が昭和 55 年以前に建築されており住宅総数に対する割合は25.3% です ( 表 1-6) 表 1-6 所有関係別建築時期別住宅数 ( 単位 : 戸 ) 住宅総数 1 329,900 昭和 55 年以前の住宅 88,800 昭和 56 年以降の住宅 241,100 2 構成比 (2/1) 3 (3/2) 4 (4/2) 持ち家 234, % 83, % 150, % 借家 91, % 16, % 74, % 91,500 戸 27.7% 234,000 戸 70.9% 持ち家借家 - 7 -

12 住宅の構造別に見ると木造住宅は241,200 戸あり全体の73.1% を占めていますまた昭和 55 年以前に建築された住宅でみると木造住宅が77,300 戸あり昭和 55 年以前に建築された住宅全体の87.0% を占めています ( 表 1-7) 表 1-7 構造別建築時期別住宅数 ( 単位 : 戸 ) 住宅総数 1 昭和 55 年以前の住宅昭和 56 年以降の住宅 329, , ,100 2 (4+7) 構成比 (2/1) 4 (3 5) 5 (H25) 7 (6 8) 8 (H25) 木造 241, % 77, % 163, % 非木造 88, % 11, % 77, % 88,700 戸 26.9% 241,200 戸 73.1% 木造非木造 (2) 住宅の耐震化の現状新耐震基準で建築された昭和 56 年以降の住宅数に旧耐震基準である昭和 55 年以前に建築された住宅のうち耐震性を有するもの及び既に耐震改修を実施したものを加えると耐震性のある住宅数は281,700 戸になり県内における住宅の耐震化率は平成 27 年度末で85.4% と推計されます ( 表 1-8) 表 1-8 住宅の耐震化の現状 ( 単位 : 戸 ) 住宅総数 1 (2+5) 昭和 55 年以前の住宅 2 耐震性を耐震改修有するものを実施したもの 3 4 耐震性が無いもの 5 昭和 56 年以降の住宅 6 耐震性有の住宅数 7 (3+4+6) 耐震化率 ( 推計値 ) 8 (7/1) 329,900 88,800 37,100 3,500 48, , , % 48,200 戸 14.6% 281,700 戸 85.4% 耐震性有り耐震性無し - 8 -

(3) 特定建築物等の耐震化の現状多数の者が利用する特定建築物等は 3,342 棟ありますこのうち昭和 55 年以前に建築された922 棟の中で耐震性を有するもの365 棟 ( 推計値 ) と耐震改修を実施したもの284 棟 ( 推計値 ) を昭和 56 年以降に建築された2,420 棟に加えた 3,069 棟 ( 推計値 ) が耐震性を有すると考えられます従って

13 (3) 特定建築物等の耐震化の現状多数の者が利用する特定建築物等は 3,342 棟ありますこのうち昭和 55 年以前に建築された922 棟の中で耐震性を有するもの365 棟 ( 推計値 ) と耐震改修を実施したもの284 棟 ( 推計値 ) を昭和 56 年以降に建築された2,420 棟に加えた 3,069 棟 ( 推計値 ) が耐震性を有すると考えられます従って多数の者が利用する特定建築物等の耐震化率は平成 27 年度末で91. 8% と推計されます ( 表 1-9) 表 1-9 多数の者が利用する特定建築物等の耐震化の現状 ( 単位 : 棟 ) 多数の者が利用する建築物総数 1 (2+5) 昭和 55 年以前の建築物 2 耐震性を耐震改修有するものを実施したもの 3 4 耐震性が無いもの昭和 56 年以降の建築物 6 耐震性有の建築物 7 (3+4+6 耐震化率 ( 推計値 ) 8 (7/1) 民間 2, ,684 1, % 公共 1, , % 合計 3, ,420 3, % 棟 8.2% 3,069 棟 91.8% 耐震性有り耐震性無し特定建築物等法第 14 条第 1 号で規定する学校体育館病院劇場観覧場集会場展示場百貨店事務所老人ホームその他多数の者が利用する建築物で一定規模以上のもの - 9 -

14 また多数の者が利用する特定建築物等を建築物の用途の特性に応じ次の3つに区分すると耐震化の現状は下表のとおりです ( 表 1-10) 災害時の拠点となる建築物不特定多数の者が利用する建築物特定多数の者が利用する建築物表 1-10 多数の者が利用する特定建築物等の耐震化の現状 ( 単位 : 棟 ) 区分用途昭和 55 年以前の建築物 1 昭和 56 年以降の建築物 2 建築物数 3 (1+2) 耐震性有建築物数 4 耐震化率 (H27 年度末 ) 5 (4/3) 災県庁舎市役所町村役場警察害署消防署幼稚園小中学校 ,165 1, % 時高校病院診療所老人ホーム建の老人福祉施設体育館等築拠物点県 % と公共建築物な市町村 % る民間建築物 % 不百貨店飲食店ホテル旅館映利特画館遊技場美術館博物館 % 用定銀行等す多る県数 % 建公共建築物の築市町村 % 者物が民間建築物 % 利特賃貸住宅 ( 共同住宅に限る ) 寄宿 386 1,242 1,628 1, % 用定舎下宿事務所工場等す多県 % る数公共建築物建の市町村 % 築者物が民間建築物 ,146 1, % 922 2,420 3,342 3, % 合計公共建築物県 % 市町村 % 民間建築物 383 1,684 2,067 1, % 民間建築物の 4 と 5 は推計値です

15 3 耐震改修等の目標設定耐震改修等の目標設定については国の基本方針を踏まえ住宅及び多数の者が利用する特定建築物等を対象とします (1) 住宅の耐震化率の目標設定 1 建替え等に伴う更新による耐震化率の推計経年とともに建築物の老朽化等に伴う建替えや除却により耐震性を有さない建築物が減るため建築物全体における耐震化率は向上しますこれまでの建替え等の動向を踏まえて推計すると平成 32 年度末における住宅の耐震化率は87.6% となります ( 表 1-11) 表 1-11 建替え等に伴う更新による耐震化率の推計の耐震化の現状 ( 単位 : 棟 ) 耐震性有の耐震化率昭和 56 年住宅数 ( 推計値 ) 住宅総数昭和 55 年耐震性を耐震性が以降の以前の有するもの無いもの住宅住宅 (3+5) (6/1) (2+5) 2 平成 27 年度 329,900 88,800 40,600 48, , , % 平成 32 年度 320,500 77,800 38,100 39, , , % 350,000 ( 戸 ) 300, ,000 耐震性無し 48,200 戸 14.6% 耐震性無し 39,700 戸 12.4% 自然更新による耐震化率の向上 200, , ,000 耐震性有り 281,700 戸 85.4% 耐震性有り 280,800 戸 87.6% 耐震性無し耐震性有り 50,000 0 平成 27 年度末平成 32 年度末 2 平成 32 年度末における住宅の耐震化率の目標国の基本方針において住宅の耐震化率については平成 32 年までに少なくとも 95% にすることを目標としています

16 本県では平成 27 年の住宅の状況とこれまでの耐震化の進捗状況を考慮し平成 32 年度末における住宅の耐震化率の目標を90% とします目標を達成するためには今後 5 年間で実施される建替え等に加え的確な施策の実施の実施により 7,650 戸の耐震化が必要になります ( 表 1-12) 表 1-12 平成 32 年度末における住宅の耐震化率の目標 ( 単位 : 戸 ) 昭和 56 年以降の住宅耐震性有の住宅数耐震化率 ( 平成 27 年度末推計値 ) 7 (6/1) 住宅総数昭和 55 年耐震性を耐震性が以前の有するもの無いもの 1 (2+5) 住宅 (3+5) 平成 27 年度 329,900 88,800 40,600 48, , , % 耐震化率の目標平成 32 年度末 8 (6/1) 平成 32 年度 320,500 77,800 45,750 32, , , % 350,000 ( 戸 ) 300, , , , ,000 耐震性無し約 4.8 万戸 14.6% 耐震性有り約 28.2 万戸 85.4% 耐震性無し約 3.2 万戸 10% 施策効果 (7,650 戸 ) 耐震性有り約 28.8 万戸 90% 施策効果による耐震化率の上乗せ耐震性無し施策効果耐震性有り 50,000 0 平成 27 年度末平成 32 年度末 (2) 特定建築物等の耐震化率の目標設定国の基本方針では多数の者が利用する特定建築物等の耐震化率について平成 25 年の約 85% を平成 32 年までに少なくとも95% にすることを目標としていますこうした状況の中県有建築物の平成 27 年度末における耐震化率は100% となりました市町村建築物の平成 27 年度末の耐震化率は 97.5% となりましたが民間の耐震化を先導する役割を担うことから引き続き耐震化を促進させ平成 32 年度末には100% とすることを目標とします民間建築物については的確な施策の推進により平成 32 年度末の目標を 92.2% とします以上により多数の者が利用する特定建築物等の平成 32 年度末における耐震化率の目標を95% とします ( 表 1-13)

17 表 1-13 平成 27 年度末における多数の者が利用する特定建築物等の耐震化率の目標 ( 単位 : 戸 ) 昭和 56 年以降の建築物耐震性有の建築物数耐震化率 ( 平成 27 年度末推計値 ) 7 (6/1) 多数の者が利用する昭和 55 年耐震性を耐震性が建築物総数以前の有するもの無いもの 1 (2+5) 建築物 (3+5) 平成 27 年度 3, ,420 3, % 耐震化率の目標平成 32 年度末 8 (6/1) 平成 32 年度 3, ,584 3, % ( 棟 ) 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1, 棟 273 棟 3,069 棟 3,330 棟平成 27 年度末平成 32 年度末耐震性無し耐震性有りまた多数の者が利用する特定建築物等を建築物の用途の特性に応じ次の3つに区分すると耐震化の目標は下表のとおりです ( 表 1-14) 災害時の拠点となる建築物不特定多数の者が利用する建築物特定多数の者が利用する建築物

18 表 1-14 平成 32 年度末における多数の者が利用する特定建築物等の耐震化率の目標 ( 単位 : 棟 ) 区分用途昭和 55 年以前の建築物 1 昭和 56 年以降の建築物 2 平成 27 年度末現在建築物数 3 (1+2) 耐震性有建築物数 4 耐震化率 (H27 年度末 ) (%) 耐震化率の目標 ( 平成 32 年度末 ) (%) 災県庁舎市役所町村役場警察害署消防署幼稚園小中学校 ,165 1, % 100% 時高校病院診療所老人ホーム建の老人福祉施設体育館等築拠物点県 % 100% と公共建築物な市町村 % 100% る民間建築物 % 100% 不百貨店飲食店ホテル旅館映利特画館遊技場美術館博物館 % 91% 用定銀行等す多る県数 % 100% 建公共建築物の築市町村 % 100% 者物が民間建築物 % 89% 利特賃貸住宅 ( 共同住宅に限る ) 寄宿用定舎下宿事務所工場等 386 1,242 1,628 1, % 93% す多県 % 100% る数公共建築物建の市町村 % 100% 築者物が民間建築物 ,146 1, % 90% 922 2,420 3,342 3, % 95% 合計公共建築物県 % 100% 市町村 % 100% 民間建築物 383 1,684 2,067 1, % 92%

19 第 2 章建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策 1 耐震診断及び耐震改修に係る基本的な取り組み方針災害に強い県土づくりのためには住宅建築物の所有者等が地域の防災対策を自らの問題としてとらえ建築士等の専門家の意見を聞きながら耐震化に取り組むことが不可欠であり県と市町村はこうした所有者等の取り組みを支援するために必要な施策を講じます住宅建築物の所有者県市町村建築関係団体は相互に連携を図りながら次に掲げるそれぞれの役割を分担し本計画を着実に実施することとします (1) 住宅建築物の所有者等の役割法の改定 ( 平成 25 年 11 月 ) により全ての住宅建築物について耐震改修の努力義務が課せられたことから所有者等は住宅建築物の地震に対する安全性を確保するとともに適正な状態で維持していく必要がありますまた耐震診断の実施と報告が義務となった建築物の所有者等は報告期限までに耐震診断を実施し所管行政庁へ報告しなければなりません (2) 県の役割住宅建築物の所有者等の耐震化に対する取り組みをできる限り支援するため市町村や建築関係団体等と連携しながら県民にとって耐震診断や耐震改修を実施しやすい環境整備に努めますまた県有建築物の耐震改修等は防災拠点としての機能確保の観点や県内における建築物の耐震化を先導する観点からも重要であることから率先してこれを実施するとともに県内自治体の先頭に立ち本計画に基づき住宅建築物の耐震化の促進に努めます (3) 市町村の役割基礎自治体として地域の特性に配慮した建築物等の耐震化の促進を図ることとしますこのため県と連携しながら住宅建築物の所有者等にとって耐震診断や耐震改修を行いやすい環境を整えるとともに自らが所有する建築物の耐震化を積極的に推進します (4) 建築関係団体建築の専門知識を有しており住宅建築物の所有者等に直接接する機会が多いことから耐震診断及び耐震改修の普及啓発に積極的に取り組むほか耐震診断及び耐震改修を希望する者の相談等に応じます

20 2 耐震診断及び耐震改修の促進を図るための支援策県民に対し住宅建築物の耐震診断及び耐震改修の必要性や重要性について普及啓発に積極的に取り組むとともに国の耐震診断及び耐震改修の補助制度や税制を活用しながら住宅建築物の耐震化を促進します (1) 住宅に関する支援策県が実施する木造住宅居住安心支援事業の概要は次のとおりです支援事業の事業主体は市町村となります市町村によって取り組み内容が異なる場合があります 1 耐震診断事業内容木造住宅について無料の耐震診断を実施対象昭和 56 年 5 月 31 日以前に建築された木造住宅事業主体市町村 ( 県は市町村に対して経費の一部を助成 ) 事業期間平成 31 年度まで 2 耐震改修に係わる設計耐震診断の結果に基づいて実施する耐震改修に係わる設計につ事業内容いて経費の一部を補助対象昭和 56 年 5 月 31 日以前に建築された木造住宅事業主体補助額 ( 率 ) 事業期間建物所有者 ( 個人 ) 建物所有者は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する限度額 300 千円負担割合所有者 1/3 国 1/3 県 1/6 市町村 1/6 平成 31 年度まで

21 3 耐震改修工事事業内容耐震診断の結果に基づいて実施する耐震改修について経費の一部を補助対象昭和 56 年 5 月 31 日以前に建築された木造住宅事業主体建物所有者 ( 個人 ) 建物所有者は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する一般世帯限度額 1,200 千円 ( 平成 31 年度以降は 900 千円 ) 負担割合所有者 1/2 県 1/4 市町村 1/4 補助額 ( 率 ) 高齢者等世帯 ( 1) 未就学児子育て世帯県が指定する地域内の限度額 1,800 千円 ( 平成 31 年度以降は 1,200 千円 ) 負担割合所有者 1/3 県 1/3 市町村 1/3 一般世帯 ( 2) 事業期間平成 32 年度まで 4 耐震性向上型改修工事耐震診断の結果に基づいて実施する耐震性向上型改修について事業内容経費の一部を助成対象昭和 45 年 12 月 31 日以前に建築された木造住宅事業主体建物所有者 ( 個人 ) 建物所有者は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する補助額 ( 率 ) 高齢者等世帯 ( 1) 未就学児子育て世帯県が指定する地域内の限度額 1,800 千円 ( 平成 31 年度以降は 1,200 千円 ) 負担割合所有者 1/3 県 1/3 市町村 1/3 一般世帯 ( 2) 事業期間平成 32 年度まで

22 5 耐震シェルター等設置耐震診断の結果に基づいて実施する耐震シェルターの設置につ事業内容いて経費の一部を助成対象昭和 56 年 5 月 31 日以前に建築された木造住宅事業主体建物所有者 ( 個人 ) 建物所有者は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する補助額 ( 率 ) 高齢者等世帯 ( 1) 県が指定する地域内の一般世帯 ( 2) 限度額 360 千円負担割合所有者 1/3 県 1/3 市町村 1/3 事業期間平成 32 年度まで 1 高齢者等世帯 :65 才以上の夫婦のみの世帯又は 65 才以上の単身世帯身体障害者 1 2 級 ( 肢体に限る ) 療育手帳 A 所持者が同居する世帯 2 県が指定する地域 : 東海地震による想定震度が 6 強以上の地域がある市町村 ( 甲府市富士吉田市南アルプス市笛吹市中央市市川三郷町早川町身延町南部町富士川町忍野村山中湖村鳴沢村富士河口湖町 (14 市町村 ))

23 (2) 特定既存耐震不適格建築物に関する支援策特定既存耐震不適格建築物のうち法附則第 3 条で規定する要緊急安全確認大規模建築物及び法第 7 条で規定する要安全確認計画記載建築物について県は市町村と連携して耐震化への支援を実施していきますなお上記以外の特定既存耐震不適格建築物については建物所有者が自発的に取り組んでいけるように啓発活動等により耐震化を促していきます支援事業の事業主体は市町村となります市町村によって取り組み内容が異なる場合があります 1 不特定多数利用建築物耐震化支援事業 1) 耐震改修に係わる設計耐震診断の結果に基づいて実施する耐震改修に係わる設計につ事業内容いて経費の一部を助成対象要緊急安全確認大規模建築物 ( 法附則第 3 条 ) 事業主体補助額 ( 率 ) 事業期間建物所有者等建物所有者等は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する限度額 1,000 m2以内の部分 :2,060 円 / m2 1,000 m2超えて 2,000 m2以内の部分 :1,540 円 / m2 2,000 m2超えの部分 :1,030 円 / m2 負担割合所有者 1/6 国 1/3 県 1/6 市町村 1/6 これに加え平成 30 年度まで国の耐震対策緊急促進事業による補助がある補助割合 1/6 平成 30 年度まで

24 2) 建替えに関わる設計事業内容耐震診断の結果に基づいて実施する建替えに関わる設計について経費の一部を助成対象要緊急安全確認大規模建築物 ( 法附則第 3 条 ) 事業主体補助額 ( 率 ) 事業期間建物所有者等建物所有者等は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する限度額住宅局所管事業関連共同施設整備等補助要領等細目による設計率を改修工事費相当分に乗じて算出負担割合所有者 1/6 国 1/3 県 1/6 市町村 1/6 これに加え平成 30 年度まで国の耐震対策緊急促進事業による補助がある補助割合 1/6 平成 30 年度まで 3) 耐震改修工事等事業内容耐震診断の結果に基づいて実施する耐震改修工事等について経費の一部を助成対象要緊急安全確認大規模建築物 ( 法附則第 3 条 ) 事業主体事業期間建物所有者等建物所有者等は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する平成 30 年度まで国の耐震対策緊急促進事業による補助がある平成 30 年度まで

25 2 災害時避難路通行確保対策事業 1) 耐震診断要安全確認計画記載建築物 ( 法第 7 条 ) に基づいて実施する耐震事業内容診断について経費を助成対象要安全確認計画記載建築物 ( 法第 7 条 ) 事業主体補助額 ( 率 ) 事業期間建物所有者等建物所有者等は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する限度額 1,000 m2以内の部分 :2,060 円 / m2 1,000 m2超えて 2,000 m2以内の部分 :1,540 円 / m2 2,000 m2超えの部分 :1,030 円 / m2 設計図書の復元費等 1,540,000 円負担割合所有者 0 国 1/3 県 1/4 市町村 1/4 これに加え平成 30 年度まで国の耐震対策緊急促進事業による補助がある補助割合 1/6 平成 30 年度まで 2) 耐震改修に関わる設計事業内容耐震診断の結果に基づいて実施する耐震改修に関わる設計について経費の一部を助成対象要安全確認計画記載建築物 ( 法第 7 条 ) 事業主体補助額 ( 率 ) 事業期間建物所有者等建物所有者等は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する限度額 1,000 m2以内の部分 :2,060 円 / m2 1,000 m2超えて 2,000 m2以内の部分 :1,540 円 / m2 2,000 m2超えの部分 :1,030 円 / m2 負担割合所有者 1/6 国 1/3 県 1/6 市町村 1/6 これに加え平成 30 年度まで国の耐震対策緊急促進事業による補助がある補助割合 1/6 平成 32 年度まで

26 3) 建替えに関わる設計事業内容耐震診断の結果に基づいて実施する建替えに関わる設計について経費の一部を助成対象要安全確認計画記載建築物 ( 法第 7 条 ) 事業主体補助額 ( 率 ) 事業期間建物所有者等建物所有者等は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する限度額住宅局所管事業関連共同施設整備等補助要領等細目による設計率を改修工事費相当分に乗じて算出負担割合所有者 1/6 国 1/3 県 1/6 市町村 1/6 これに加え平成 30 年度まで国の耐震対策緊急促進事業による補助がある補助割合 1/6 平成 32 年度まで 4) 耐震改修工事事業内容耐震診断の結果に基づいて実施する耐震改修工事について経費の一部を助成対象要安全確認計画記載建築物 ( 法第 7 条 ) 事業主体補助額 ( 率 ) 事業期間建物所有者等建物所有者等は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する限度額住宅 ( 木造 ):13,500 円 / m2 住宅 ( 非木造 ):33,500 円 / m2 住宅以外 :48,700 円 / m2 負担割合所有者 4/15 国 1/3 県 1/6 市町村 1/6 これに加え平成 30 年度まで国の耐震対策緊急促進事業による補助がある補助割合 1/15 平成 32 年度まで

27 5) 建替え工事事業内容耐震診断の結果に基づいて実施する建替え工事について経費の一部を助成対象要安全確認計画記載建築物 ( 法第 7 条 ) 事業主体補助額 ( 率 ) 事業期間建物所有者等建物所有者等は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する限度額耐震改修工事に相当する費用 ( 耐震改修工事参照 ) と見積価格を比較して安価な方を採用負担割合所有者 4/15 国 1/3 県 1/6 市町村 1/6 これに加え平成 30 年度まで国の耐震対策緊急促進事業による補助がある補助割合 1/15 平成 32 年度まで 6) 除却工事事業内容耐震診断の結果に基づいて実施する除却工事について経費の一部を助成対象要安全確認計画記載建築物 ( 法第 7 条 ) 事業主体補助額 ( 率 ) 事業期間建物所有者等建物所有者等は市町村に対して補助の申込みを行う県は市町村に対して経費の一部を助成する限度額耐震改修工事に相当する費用 ( 耐震改修工事参照 ) と見積価格を比較して安価な方を採用負担割合所有者 4/15 国 1/3 県 1/6 市町村 1/6 これに加え平成 30 年度まで国の耐震対策緊急促進事業による補助がある補助割合 1/15 平成 32 年度まで

28 3 安心して耐震改修を行うことができるようにするための環境整備 (1) 専門技術者の養成県内においては耐震化を図るべき住宅等が相当数存在することからこれらの耐震化を円滑かつ適切に促進するためには専門技術者の養成が必要不可欠ですこのため従来から ( 一社 ) 山梨県建築士事務所協会等により耐震診断や耐震改修に関する技術的な講習会を開催してきました今後もこうした専門技術者の養成のための講習会を必要に応じ開催します (2) 県民向け情報の提供等県民に対し耐震診断や耐震改修などに関する情報を容易にわかりやすく提供するためホームページへの掲載やパンフレット等の配布のほか無料相談窓口を県庁 ( 建築住宅課及び各建設事務所 ) 並びに ( 一社 ) 山梨県建築士会に設置しています今後もこうした活動を継続し安心して耐震改修を行うことのできるような環境整備に努めることとします 4 地震時の建築物の総合的な安全対策の推進 (1) 地震発生前の対策 1 ブロック塀等の転倒防止対策地震時のブロック塀等の倒壊により死傷者が発生したり道路を塞いで避難や救助活動の障害となるなどの危険性が指摘されていますこのことからブロック塀等の倒壊の危険性を県民や建物所有者に周知することや正しい施工方法や補強方法などについてパンフレット等により普及啓発を行うとともに建築物防災週間等の機会を捉えて耐震化を促していきます 2 ガラス天井の落下防止地震時にオフィスビルの窓ガラスが割れて飛散したり天井等の装飾具等が落下するなどの事故が発生していますこれらのことからガラスや天井の落下の危険性について県民や建物所有者に周知するとともに国の技術基準に適合していない特定天井については建築基準法の定期報告制度等を活用しながら落下防止対策の普及啓発を行ないながら改修を促していきます 3 エレベーターの安全確保地震時のエレベーター内部の閉じこめ事故を防止するため地震対策等がなされていない既存エレベーターについては建築基準法の定期報告制度等を活用しながら地震時の安全性が確保されるよう普及啓発を行ないながら改修を促していきます

29 4 家具等の転倒防止地震が発生すると家具等が転倒しこれにより負傷したり避難等の妨げになったりしますこのため身近な地震対策として家具等の転倒防止についてパンフレット等により普及啓発に努めます (2) 地震発生後の対応大規模地震等により建築物が被害を受けた場合には余震等から人命等を守るため被災建築物応急危険度判定制度に基づき県及び市町村は速やかに判定支援本部や判定実施本部等を設置し被災建築物の判定活動を実施しますまた応急危険度判定士が不足する場合には全国に対し判定士の派遣要請を行うとともに判定士の受け入れ体制の整備等必要な措置を講じますさらに迅速で着実な判定作業が実施されるよう今後も県内の建築士を対象に応急危険度判定士の養成に努めます 5 地震発生時に通行を確保すべき道路緊急車両の通行や住民の避難路を確保するため市町村が指定した次の避難路に敷地が接し地震により倒壊した場合に道路を閉塞する一定高さ以上の建築物について国及び市町村と連携しながら耐震化を促進していきます市町村耐震改修促進計画に記載した法第 6 条第 3 項第 1 号の適用を受ける道路 ( 山梨県地域防災計画に定められた第一次第二次緊急輸送道路等 ) 6 特定優良賃貸住宅の空き家の活用住宅の耐震改修に際し工事期間中の仮住居の確保が必要となる場合適切な仮住居が確保できない場合が想定されますこのため住宅の耐震改修の実施に伴い仮住居を必要とする者に対し県は特例として次の条件により特定優良賃貸住宅又は特定公共賃貸住宅を賃貸することができることとします ( 表 2-1)

30 表 2-1 特定優良賃貸住宅への入居条件法第 17 条第 3 項の規定により認定を受けた耐震改対象者修の計画に係る住宅の耐震改修を実施する者であって仮住居を提供することが必要と認められる者入居者の募集をしたにもかかわらず 3 箇月以上入居仮住居として提供でき者がない特定優良賃貸住宅で例外的に入居者を入居る特定優良賃貸住宅させることについて知事の承認を得た住戸であること仮住居として賃貸できる期間等 2 年を上限として借地借家法第 38 条第 1 項の規定による定期借家契約であること

第 3 章建築物の地震に対する安全性の向上に関する啓発及び知識の普及耐震化を促進するために県民に対する地震災害の情報や耐震化の重要性耐震改修に関する様々な情報を発信し意識の啓発及び知識の普及に努めます 1 地震ハザードマップの作成公表県では東海地震等の被害想定結果や震度分布図などのハザードマップを公表しています建築物の所有者等が

31 第 3 章建築物の地震に対する安全性の向上に関する啓発及び知識の普及耐震化を促進するために県民に対する地震災害の情報や耐震化の重要性耐震改修に関する様々な情報を発信し意識の啓発及び知識の普及に努めます 1 地震ハザードマップの作成公表県では東海地震等の被害想定結果や震度分布図などのハザードマップを公表しています建築物の所有者等が地震防災対策を自らの問題又は地域の問題として意識するためには住民にとって身近な情報として感じられるよう想定される地震の揺れやすさ ( 震度 ) の程度を示す地震ハザードマップの策定が有効ですこのハザードマップは住民に理解しやすいことが重要であることから個々の建築物の所在地が認識可能な程度の縮尺とすることが望ましいと考えられますこうしたことから県民にとって身近な市町村において震度分布図などの地震ハザードマップの整備を推進するものとし県は必要な情報の提供等を行うものとします図 3-1 東海地震における想定震度分布図 ( 出典 : 山梨県地域防災計画 ( 平成 19 年 1 月 ))

32 2 相談体制の整備及び情報提供の充実県では建築住宅課及び各建設事務所において地震相談窓口を開設するとともに ( 一社 ) 山梨県建築士会においても窓口を設置し ( 一社 ) 山梨県建築士事務所協会等との連携を図りつつ県民からの耐震診断や耐震改修等の相談に応じています今後もこうした耐震に関する相談窓口の設置を継続するとともに耐震改修工事の実例集などを拡充整備し耐震改修を実施しようとする県民に対しわかりやすい情報の提供に努めることとします 3 パンフレットの作成配布や講習会の開催県では耐震診断及び耐震改修を促進するため耐震診断等に関するパンフレットの他耐震改修工事の実例集なども作成し地震相談窓口等において配布していますさらに ( 一社 ) 山梨県建築士事務所協会が主催する耐震診断や耐震改修に係る技術的な講習会に対し積極的に支援しています今後も建築物の耐震化を促進するためホームページ等への掲載やパンフレットの作成配布等により県民に対し各種の情報を提供するとともに建築士を対象とした技術的な講習会の開催に努めることとします 4 リフォームにあわせた耐震改修の誘導住宅設備の更新やバリアフリー化等を目的としたリフォームにあわせて耐震改修工事を行うことは効果的でありこれを普及させるため県では耐震改修工事の実例集等のパンフレットを作成し配布していますまたリフォームに関する相談窓口を県や各市町村及び ( 一社 ) 山梨県建築士会に設置しリフォーム工事に関する相談を受けるとともに建築関係団体等で構成する山梨県ゆとりある住生活推進協議会が運営するホームページやまなし住まいのプロ情報ナビ ( においても耐震改修等に関する情報の提供に努めているところですなお公益財団法人住宅リフォーム紛争処理支援センターが運営するリフォーム支援ネットリフォネット ( 等の活用を通じてリフォームに関する情報を県民に紹介しています 5 自治会等との連携に関する事項地震防災対策の基本は自分たちの地域は自分たちで守るであることから県は市町村と連携して地域ぐるみでの意識啓発や耐震診断及び耐震改修の実施に向けた情報提供等 ( 建築物防災出張講座の開催 ) を実施しています今後も県と市町村の適切な役割分担のもとに地域の自治会や自主防災組織等を巻き込む中で住宅等の耐震化が促進されるよう引き続き情報提供等に努めます 6 各戸訪問による耐震化の啓発木造住宅の耐震化へのきめ細やかな普及啓発と耐震診断補強工事を推進するため

33 県市町村自治会建築士等が連携し古い木造住宅が密集している地区等を中心に各戸訪問を実施し耐震化への普及啓発と相談補助制度の紹介申し込みの受付けを実施していますまた耐震診断が義務化となった避難路沿道建築物についても同様に各戸訪問を実施し耐震化の啓発を行っていきます 7 県市町村建築関係団体による連携県内の住宅建築物の耐震化を促進するため県市町村建築関係団体で連携して山梨県住宅建築物耐震化促進協議会を平成 24 年 3 月に設立しました協議会では行政職員のスキルアップのための講習会の開催や建築物の耐震化の促進に関する情報の共有を図っております山梨県住宅建築物耐震化促進協議会構成メンバー ( 一社 ) 山梨県建築士会 ( 一社 ) 山梨県建築士事務所協会 ( 一社 ) 山梨県建築設計協会 ( 一社 ) 山梨県建設業協会山梨県建設組合連合会山梨県甲府市富士吉田市都留市山梨市大月市韮崎市南アルプス市北杜市甲斐市笛吹市上野原市甲州市中央市市川三郷町早川町身延町南部町昭和町富士河口湖町西桂町道志村富士川町忍野村山中湖村鳴沢村小菅村丹波山村 8 税制の周知普及県と市町村は耐震改修促進税制等の優遇税制の広報周知を行なうことにより耐震化を促進します

34 第 4 章建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための指導等 1 耐震改修促進法による指導等 (1) 指導助言の方法所管行政庁は特定既存耐震不適格建築物の所有者に対して耐震化の必要性等を説明するとともに耐震診断耐震改修の実施について文書等により必要な指導及び助言を行う (2) 指示の方法所管行政庁は特定既存耐震不適格建築物のうち必要な耐震診断及び耐震改修が行なわれていないと認める特定既存耐震不適格建築物の所有者に対して文書等により必要な指示を行う (3) 公表の方法所管行政庁は前項により指示を受けた特定既存耐震不適格建築物の所有者が正当な理由がなく指示に従わず公表を行なう場合はホームページ等への掲載により行う 2 建築基準法による勧告又は命令等の実施前述の公表を行ったにもかかわらず当該建築物の所有者等が耐震改修等を行わない建築物のうち建築基準法第 10 条の規定に該当する建築物についてはその所有者等に対し同条の規定に基づく勧告又は命令を行う 3 所管行政庁との連携所管行政庁が優先的に指導等を行うべき建築物の選定及び実施等については所管行政庁相互において連携して行う所管行政庁建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいいその他の市町村の区域については都道府県知事をいう本県の場合甲府市内は甲府市長がその他の地域は知事が所管行政庁となる

35 耐震診断及び耐震改修に関する指導等の標準的な流れ特定既存耐震不適格建築物指導助言の実施法第 15 条第 1 項耐震診断耐震改修の実施耐震診断耐震改修の未実施指示の実施法第 15 条第 2 項耐震診断耐震改修の実施耐震診断耐震改修の未実施公表の実施法第 15 条第 3 項耐震診断耐震改修の実施耐震診断耐震改修の未実施除却改善修繕等勧告命令建築基準法第 10 条耐震診断耐震改修の未実施

36 特定既存耐震不適格建築物一覧法法第 14 条第 1 号政令第 14 条第 1 項用途法第 14 条の所有者の努力義務及び法第 15 条第 1 項の指導助言対象建築物法第 15 条第 2 項の指示対象建築物第 1 号幼稚園保育所階数 2 以上かつ 500 m2以上階数 2 以上かつ 750 m2以上第 2 号学校小学校中学校中等教育学校の前期課程若しくは特別支援学校老人ホーム老人短期入所施設福祉ホームその他これらに類するもの老人福祉センター児童厚生施設身体障害者福祉センターその他これらに類するもの階数 2 以上かつ 1,000 m2以上屋内運動場の面積を含む階数 2 以上かつ 1,000 m2以上階数 2 以上かつ 1,500 m2以上屋内運動場の面積を含む階数 2 以上かつ 2,000 m2以上第 3 号学校上記以外の学校階数 3 以上かつ 1,000 m2以上 - ボーリング場スケート場水泳場その他これらに類する運動施設病院診療所劇場観覧場映画館演芸場階数 3 以上かつ 2,000 m2以上集会場公会堂展示場卸売市場百貨店マーケットその他の物品販売業を営む店舗ホテル旅館賃貸住宅 ( 共同住宅に限る ) 寄宿舎下宿事務所博物館美術館図書館遊技場公衆浴場階数 3 以上かつ 1,000 m2以上 - 階数 3 以上かつ 2,000 m2以上 - 階数 3 以上かつ 2,000 m2以上飲食店キャバレー料理店ナイトクラブダンスホールその他これらに類するもの理髪店質屋貸衣装屋銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗工場 ( 危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物を除く ) 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合の用に供するもの自動車車庫その他の自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設保健所税務署その他これらに類する公益上必要な建築物階数 3 以上かつ 1,000 m2以上 - 階数 3 以上かつ 2,000 m2以上第 4 号体育館 ( 一般公共の用に供されるも ) 階数 1 以上かつ 1,000 m2以上階数 1 以上かつ 2,000 m2以上法第 14 条第 2 号法第 14 条第 3 号危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物地震によって倒壊した場合においてその敷地に接する道路の通行を妨げ多数の者の円滑な避難を困難とする恐れがありその敷地が市町村耐震改修促進計画に記載された道路に接する建築物政令で定める数量以上の危険物を貯蔵又は処理する全ての建築物耐震改修促進計画で指定する避難路の沿道建築物であって前面道路幅員の 1/2 超の高さの建築物 ( 道路幅員が 12m 以下の場合は 6m 超 ) 500 m2以上左に同じ上記のほかマンションを含む住宅や小規模建築物についても所管行政庁の指導助言対象

37 第 5 章その他建築物の耐震診断及び耐震改修の促進に関し必要な事項 1 市町村が定める耐震改修促進計画市町村は法第 5 条第 7 項の規定を踏まえ本計画を参考としつつ地域の実情を勘案した市町村ごとの耐震改修促進計画をできるだけ早期に定めるよう努めるものとします計画策定にあたり国の基本方針と本計画の内容を勘案し住宅と特定建築物の耐震化の目標を定めるとともに市町村が所有する公共建築物の耐震化計画を作成するものとします ( 表 5-1) さらに地域住民等との連携による啓発活動について地域の実情に配慮しつつ計画に位置づけるものとしますなお耐震化を促進するためには県及び市町村が連携し諸施策を積極的に推進することが重要であることから県は市町村に対し資料提供や必要な助言及び技術支援を行うこととします表 5-1 市町村耐震改修促進計画の記載事項例項目内容耐震診断及び耐震改修の実施に関する目標想定される地震の規模被害の状況耐震化の現状耐震改修等の目標の設定公共建築物の耐震化耐震診断及び耐震改修の促進を図るための施策に関する事項基本的な方針支援策の概要安心して耐震改修できる環境整備地震時の総合的な安全対策優先的に耐震化に着手すべき建築物の設定重点的に耐震化すべき区域の設定啓発及び知識の普及に関する事項地震ハザードマップの作成公表相談体制の整備情報提供の充実パンフレットの配布講習会の開催等リフォームに併せた耐震改修の誘導策家具の転倒防止策の推進自治会等との連携策取組支援策

38 所管行政庁との連携に関する事項所管行政庁となる市町村における指導等所管行政庁とならない市町村における県との調整等その他耐震診断及び耐震改修の促進に関し必要な事項関係団体による協議会の設置協議会による事業の概要 2 県市町村関係団体による体制の整備円滑かつ適切な耐震化を促進するため県市町村及び県内建築関係団体による体制を整備し耐震診断及び耐震改修の促進に関する情報交換等を行うこととします 3 その他南海トラフ地震や首都直下地震の切迫性が指摘されるとともに活断層による大規模地震の被害が想定されている本県にとって耐震性の高い住宅ストックを確保することは重要な課題であることから新たに建築される住宅建築物については現行の建築基準法に従って適切に建築されるよう引き続き建築基準法に基づく中間検査や完了検査の徹底を図るとともに住宅性能表示制度等の活用を促進します

基本方針

沼津市耐震改修促進計画沼津市耐震改修促進計画は建築物の耐震改修の促進に関する法律 ( 以下法という ) 第 6 条第項に基づき市内の建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るために策定するものである本計画策定にあたり国の基本方針及び県の耐震改修促進計画の内容を勘案し住宅と法第条による特定既存耐震不適格建築物 ( 以下特定建築物という ) の耐震化の目標を定める建築物の耐震診断及び耐震改修の実施に関する目標の設定