えることもできるが, 放射源と照射体の方向を同時に考慮した方が有用である. そこで, 放射源と照射体の 2 者の方向を考えることにより, 双方向 という用語が使用される. 本書で使用する用語は次の通りである : 放射フラックス (W): 単位時間当りに射出, 伝達, 入射する放射エネルギー量. 放射

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1 第 10 章放射の基礎 生物環境物理学の基礎第 2 版第 10 章 ( 抜粋 ) 放射エネルギーは光子によって輸送される. 光子は光速 ( 真空中で c = m/s) で移動する電磁気エネルギーの不連続な塊で, 粒子としても波動としても振舞う. 放射波長はプランク (Planck) の式によって一意的に光子エネルギーと関係付けられる. e hc = λ h はプランク定数 ( J s),λ は光子の波長である. したがって,0.55µm の波長を持つ緑色の光子は次のようなエネルギーを持つ J s 3 10 e = m m s = J 1 個の光子によるエネルギー輸送が問題にされることは少なく, たいてい 1mol 単位の光子のエネルギーが問題にされる. これは, 光子 1 個のエネルギーにアヴォガドロ (Avagadro) 数 ( ) を掛けることによって得られる. 波長 0.55µm の光子 1mol のエネルギーは次のようになる. photons J = mol photon 電磁スペクトル光子エネルギーの全体域は電磁スペクトルと呼ばれ, 光子の放射源や生物との相互作用によって, いくつかの領域や波長帯に分けられている. 電磁スペクトルの一部を図 10.1 に示す. 図の一番上の横帯 ( 対数目盛り ) は, 自然環境下における重要な放射エネルギー輸送に関係する全波長域より少し広い範囲を示し, 上半部は 2 つの重要な放射 ( 日射と熱放射 ) 源の波長域, 下半分は放射の 3 つの重要な波長域 ( 紫外域, 可視域, 赤外域 ) を示している. 電磁スペクトルの紫外域より短い波長の光子は,X 線, ガンマ線と呼ばれている. 赤外域よりも長い波長の光子は, マイクロ波, 電波と呼ばれている.2 番目の横帯は,2 つの紫外域の波長帯と可視域の各色の波長帯を示している. 一番下の横帯では, 電磁スペクトルの異なった部分におけるいくつかの生物反応を示している. 光子数と光子のエネルギー量に関する計算は, 全波長帯に拡張できる. ある波長帯の光子フラックスは, その波長帯において放射源のスペクトルが適度に連続していれば, その波長帯の平均エネルギーを波長の中央値における光子エネルギーで割ることによって求めることができる. 例えば, 光合成有効放射 (PAR) は 400~700nm の放射である ( 図 10.1). 太陽天頂角が 60, 海抜 0m における日射では,400~700nm における波長の中央値は約 550nm であり, その波長の光子エネルギーは J mol -1 である. これはおおよその値であるが,PAR 波長帯の全エネルギーと日射の光子数の変換係数として有用な値である 太陽放射 紫外可視赤外 J mol 地球熱放射 マイクロメーター 100 uvb uva 紫青緑黄橙赤短波長赤外近赤外線 ナノメーター 2500 uv 光合成有効放射 近赤外放射 (10.1) ナノメーター 日焼け (uva) ビタミンD (uvb) フィトクロム 皮膚ガン (uvb) 光子吸収に比例した光合成 緑葉による高い反射と透過 図 電磁波スペクトルのいくつかの波長帯の名称と動植物に対する顕著な生物学的相互作用 黒体放射光子は放射体あるいは吸収体の離散的なエネルギー準位の遷移によって射出 吸収される. 許容される個々の遷移によって単一波長の光子が生じる. 近接したエネルギー準位で多数の遷移が許容されるなら, スペクトル線は放射帯や吸収帯のなかで合併する傾向がある. 電磁スペクトル全体にわたって無限数の遷移が存在するなら, 媒体は完全な放射体か吸収体である. その媒体は, その上に照射される全ての放射を吸収し, また, その媒体の温度において放射できる最大量のエネルギーを射出する. このような媒体は, 黒体あるいは完全放射体と呼ばれている. このような物質は自然界には存在しないが, いくつかの物質は電磁スペクトルの一部においては黒体のように振舞う. したがって, 可視波長帯の黒体放射体や熱波長帯の黒体放射体については論ずることができるかもしれないが, 同じ物体が両方の波長帯で黒体であるとは限らない. 雪は可視放射をほとんど吸収しないが, 遠赤外放射においてはほぼ完全な黒体である 定義放射伝達は, 放射源から媒体を通して照射体に達するエネルギー輸送である. このエネルギーの交換は, 放射源と照射体の間の光線の方向, 放射の波長, 時間, 対象とする点の座標, 対象とする領域の面積によって特徴づけられる. この概念は, 入射光とは異なる方向から表面を見た場合に少し変化する. 観察対象の物体を放射源と考え, 観察者を照射体と考 1

2 えることもできるが, 放射源と照射体の方向を同時に考慮した方が有用である. そこで, 放射源と照射体の 2 者の方向を考えることにより, 双方向 という用語が使用される. 本書で使用する用語は次の通りである : 放射フラックス (W): 単位時間当りに射出, 伝達, 入射する放射エネルギー量. 放射フラックス密度 (Φ, W/m 2 ): 単位面積当りの放射フラックス. 放射度 ( W/m 2 ): ある表面に入射する放射フラックス密度. 放射スペクトルフラックス密度 (E(λ), W m -2 µm -1 ): 単位波長幅当りの放射フラックス密度. 放射強度 (I, W/sr): 単位立体角当りの表面から射出されるフラックス. 放射輝度 (N, W m -2 sr -1 ): 単位立体角当りの表面から射出される放射フラックス密度. スペクトル放射輝度 (W m -2 sr -1 µm -1 ): 単位波長幅当りの放射輝度. 放射発散度 ( W/m 2 ): ある表面から射出される放射フラックス密度.( 訳注 ;sr: 単位立体角 ( ステララジアン )) 放射伝達とエネルギーを記述する種々の用語と時間, 面積, 波長, 方向の関係を図 10.2 に示した. 図 10.2 左の 半球性 側に示した用語は, 群落, 葉, 湖, 動物など表面のエネルギー収支の考察において広く使用される. 一方, 図 10.2 右の 方向性 側に示した用語は, リモートセンシングにおいて広く使用されている. リモートセンシングでは, 一般に放射計 ( 携帯型, 航空機搭載型, 衛星搭載型 ) で特定の方向を視野に入れ, その方向の微小範囲が測定される. この微小角度の範囲は, 一般的に瞬時視野 (IFOV) と呼ばれている. 例えば, 赤外放射温度計を下方に向けて, 天頂角 50, 方向角 180 ( 南向き ),IFOV 10 で土壌表面を測定したとする. このような赤外放射温度計で測定される放射輝度は一般に 8~ 14 µm の波長帯のもので, 測定される放射輝度の天頂角は約 45~55, 方向角は約 175~185 の範囲になる. 表面の放射輝度が必要なだけ測定され, 全ての適当な角度に渡ってこれらの放射輝度を積算すれば, 放射フラックス密度が推定できる. しかし, 通常は全角度の放射輝度を測定することは難しいので, このような方法はほとんど取られない. 生物環境物理学では, リモートセンシングによる観測を, 動物や植生からの放射フラックスや熱フラックスの測定と関連づけようとすることが多い. 例えば, 赤外放射温度放射エネルギー (J) 計による方向性の放射温度の測定によって, 作物のエネルギー収支を特徴づけるのに役立つ 表面温度 の時間を加える推定値が得られる. しかし, 方向性の量と半球性の量放射フラックス (J/s = W) を混在して使用する場合, 注意が必要である. なぜなら, 方向性の量が視野角に強く依存し, 半球性の量と複雑な関係を持っているかもしれないからである. 半球性方向性生物のエネルギー収支において最も重要な用語は放射発散度と放射度である. 人間の視覚反応で重み付面積を加える方向を加えるけされたフラックスは測光単位と呼ばれ, 光合成や光量子反応に従って重み付けしたフラックスは光合成光放射フラックス密度 (W/m 2 ) 放射強度 (W/sr) 子フラックス単位と呼ばれている. 放射度に対応する放射度 ( 入射 ) 測光単位の用語は照度で,lumen/m 2 か lux の単位を持放射発散度 ( 射出 ) 面積を加えるつ. 光合成に関する用語は光合成光量子フラックス密度 (PPFD) で,mol quanta m -2 s -1 の単位を持つ. 光合成に放射輝度 (W/m 2 /sr) ついては, 放射度と照度を変換することができる. 変波長を加える波長を加える換係数は PAR の場合と同様に放射のスペクトル分布に依存する. 太陽スペクトルの場合,1 µmol m -2 s -l がおお放射スペクトルフラックス密度 (W/m 2 /μm) 放射スペクトル輝度 (W/m 2 /sr/μm) よそ 51 lux である.Gates(1980) はこのような変換をどのように行うかを示している. 図 放射エネルギー環境を表すための用語の関係 例題 10.1 表面の放射度が PAR 波長帯において 500 W m -2 である.PPFD はいくらか. 放射源は太陽とせよ. 解答前述したように,PAR 波長帯の日射のエネルギー量は J/mol である. したがって,PPFD は : J 1mol 3 mol PPFD = 500 = m s J m s あるいは 2300 µmol m -2 s -1 である. 快晴時の水平面における PAR 波長帯の放射度は約 500 W m -2 である. したがって, ここで算出した PPFD は, 快晴日に測定される PPFD の最大値の典型的な値である. 例題 10.2 植物の生育環境における放射スペクトル分布を測定する青, 赤, 近赤外のフィルターを付けた簡易測定器がある. 赤色フィルターを付けて測定した赤色域のスペクトルフラックス密度は 1.3 W m -2 nm -1 であった. この波長帯の放射度はいくらか. 2

3 解答フィルターの帯域幅がわからなければ, 放射度を知ることはできないが, 概算は可能である. 図 10.1 から, 赤色帯は 130nm の幅を持っていることがわかる. このフィルターが赤色域の全波長帯をカバーしているとすれば, この赤色光の放射度は 1.3 W m -2 nm nm = 169 W m -2 であろう. 放射エネルギーは, 反射, 透過, 吸収, 射出によって物質と相互に作用する. 物質との相互作用は, 放射の入射方向, 表面が観察される方向, 放射の波長に依存するだろう. 放射の波長依存性は次の定義において認められる. 吸収率 [α (λ)]: 波長 λ における入射放射フラックスに対する物質の吸収フラックスの割合放射率 [ε (λ)]: 波長 λ における黒体の放射フラックスに対する物質からの放射フラックスの割合反射率 [ρ(λ)]: 波長 λ における入射放射フラックスに対する物質の反射フラックスの割合透過率 [τ(λ)]: 波長 λ における入射放射フラックスに対する物質を透過するフラックスの割合照射体に到達した放射エネルギーは, 吸収されるか, 透過するか, 反射される. 全てのエネルギーはそれらのいずれかに配分されるので, α( λ) + ρ( λ) + τ( λ) = 1 となり, 黒体では,α (λ) = 1,ρ(λ) = τ(λ) = 0 である. 通常, 問題にされるのは, 単一波長ではなく, 全波長帯の吸収, 透過, 反射, 射出である. したがって, 例えば反射係数は次のように定義できる. λ 2 ρ(λ)e(λ)dλ λ ρ = 1 λ 2 E(λ)dλ λ 1 E(λ) は入射放射の放射スペクトルフラックス密度である. 吸収係数と透過係数も同様に定義できる. 図 10.1 に, よく取り上げられる波長帯を示してある. なお, この話題については第 11 章で再び取り上げる. 放射率も広い波長帯に渡って積分し, 式 10.2 のように正規化するが, これを放射係数とは呼ばず, 平均を示す上付き横線 ( ) も付記しない.(λ) も外してしまう. これは, 通常, 熱放射の発散度の計算に放射率を用いるからである. したがって, 記号 εは常に 4~80 µm の波長帯の加重平均放射率を意味する. 生物環境物理学では, よく物体と快晴時の空との間の熱放射の交換を扱う. この場合,4~80 µm の波長帯の中でも, 特に 8~14 µm の波長帯の放射率が重要である. 稀にある特定の波長帯の放射率が必要になる. 例えば, 多くの赤外放射温度計の波長帯は 8~14 µm であるが, この場合は放射率を ε8 14 と表す. 式 10.2 より, 物体の放射特性 ( 反射係数, 吸収係数, 透過係数, 放射率 ) は, 物質の特性と同じ程度に放射源の波長分布にも依存することがわかる. 放射の物質との相互作用を概念的に捉えるためには, 常に放射源, 透過媒体, 照射体を含めて考えることが有用である. 透過媒体はフィルターと呼ばれることが多い. フィルターは大気や水のように自然に存在するものもあれば, 何らかの目的で人工的に加工されたものもある. 表 10.1 は, いくつかの関連性のある放射源, 透過媒体, 照射体の組み合わせを示している. 放射と物体の相互作用を評価するためには, 以下に挙げる情報は常に必要とされる. 1. 放射源に関連した波長の関数としての放射フラックス密度 ( あるいは, 他の測定単位の放射エネルギー ). 2. 透過媒体の透過係数あるいは反射係数. 3. 照射体の波長の関数としての吸収率と, 吸収した放射に対する波長の関数としての照射体の反応 (R (λ) ). 3 (10.2) 表 環境生物物理学の研究対象となる放射源, 透過媒体, 照射体の組み合わせの例. 例放射源透過媒体照射体 1 太陽大気葉 2 グロースチャンバーのランプガラス + 水葉 3 太陽 + 大気森林群落人間の目 4 土壌ガラスレンズ赤外放射温度計表 10.1 の例 1 の場合について検討する. 日射のほとんどは大気を透過し ( 図 10.5 参照 ), 葉に入射する. この葉の吸収率は, 放射と対象とする葉の特性との相互作用に依存する ( 直達日射によって葉が熱せられる場合, 葉の吸収率は約 0.5 ( 図 11.5) で, 吸収された放射エネルギーの全てが熱に変換されるので, 反応 R ( 日射 ) は 1 である. 光合成の場合, 葉の PAR の吸収率は約 0.85 で, 光合成速度は吸収された光子量に依存する ). トウモロコシの光合成の場合, 吸収された 1mol の光子によって固定される炭素は約 0.03mol である. したがって, 葉の放射に対する反応 R (PAR) は,0.03 molco 2 molquanta -1 である. 表 10.1 の例 2 の場合, グロースチャンバーの光源の余剰熱を除去するために, 一般にガラスや水がフィルターとして使われる. そのため, 葉は光合成に不必要な放射熱にさらされず大量の PAR を吸収できる. これにより, 葉温を制御しやすくなる. 表 10.1 の例 3 の場合, 人間の目で最も感度が高いのは緑色の波長 (0.55 µm) で, 葉による可視放射の吸収が最小となる波長である ( 図 11.5 を見よ ). これは, おそらく生存のために有用な適応であろう. 例 4 の場合, 興味深いことに赤外放射温度計の波長帯 8~14 µm の反応は 1.0 である (R (8-14µm) = 1.0). この波長帯におけるガラスの透過率は 0 であるから, 土壌から射出された熱放射は完全にガラスに吸収される. ガラスは可視放射の 90% を透過するので, 人間の目にはガラスを通して土壌をはっきり見ることができるが, 土壌から射出される熱放射は赤外放射温度計には透過

4 してこない. ガラスは熱放射を射出するので, 赤外放射温度計は土壌の温度ではなくガラスの温度を測定していることになる. 放射の射出と吸収は同じ過程で生じていることはすでに示した - すなわち, 原子や分子のエネルギー状態が変わることによって, 放射が射出されたり吸収されたりする. したがって, ある物体のある波長の放射率と吸収率は等しいと予測できる. これは, キルヒホッフ (Kirchhoff) の原理が示すことで ε (λ) = α (λ) と表される. ただし, 放射率や吸収率は, ある特定波長における可能な射出あるいは吸収の割合を示しているだけで, 実際にこの波長において射出や吸収するかどうかについては言及していないことを理解しておくことは重要である. 例えば, 黒色顔料のカーボンブラックの放射率と吸収率は可視放射においてほぼ 1 である. 室温にある場合, カーボンブラックは日射波長帯の放射を吸収するが, その波長帯での射出はほとんど 0 であろう. カーボンブラックからの短波長の放射発散度がほぼ 0 であるのは, 放射率が低いのではなく, そのような低温の表面から射出される日射波長帯の放射エネルギーはほとんど無いからである. 特定波長のスペクトル発散度を計算する方法については次節で述べる. リモートセンシングは植物生物物理学において, ますます重要な役割を果たすようになってきている. 放射と植物群落および土壌表面との相互作用を解析するためには, 今まで述べてきた一般的な放射の定義より, さらに方向性を組み込んだ定義を行う必要がある. 次の 4 つの定義は反射率に関するものであるが, 透過率にも対応する. 双方向性反射率 (sr -1 ): ある視野方向からの微小入射角の放射度に対する, 他の 1 つの視野方向からみた反射放射輝度の比率. 方向性 - 半球性反射率 : ある視野方向からの微小入射角の放射度に対する, 半球全方向の積算反射放射輝度の比率. 半球性 - 方向性反射率 : 半球全方向から入射する平均放射度に対する, ある視野方向の反射放射輝度の比率. 双半球性反射率 : 半球全方向から入射する平均放射度に対する, 半球全方向の積算反射放射輝度の比率. 双方向性反射分布関数 (BRDF) という用語は, リモート センシングでは, 全ての可能な視野方向の双方向性反射率の分布全体を示す. 測定のための放射源の立体角が無限小であるべきなので,BRDF を測定することは技術的に難しい. 土壌や植物群落の BRDF を測定する際, 実際上の放射源は太陽だけである. しかし, 太陽は無限小の放射源ではなく, 常に大気による散乱放射を伴う. より有用な双方向性反射係数 (BRF) は, 等しい放射度の下における, 理想完全拡散面からの反射放射輝度に対する, 対象面の一方向の視野からの反射放射輝度の比率である. 上で定義した 4 つの方向性反射率は, 比率の分母に理想完全拡散面による反射率の値を用いれば, 係数という単語を付加できる. ある表面からの射出には入射放射は含まれていないので, 方向性放射率 という用語が適切である. ここでは重要ではないが興味深い点として, 双方向性反射分布関数では, 反射率, 双半球性反射率, 双方向性反射係数のように最大値が 1 には限定されない. 放射測定の問題を扱わずに, これらの用語の適用方法を理解することは難しいかもしれない. 次の例は参考になるかもしれない. 日射計は, 日射波長帯に感度を持つ測定機器で, 設置した平面より上の半球全方向から平面に入射するフラックス密度を測定する. 日射計は, 直達日射が入射の大半を占める快晴日に, 植物群落の放射度の測定に使用できる. また, 日射計は逆さに設置して植物群落から反射する放射の測定にも使用できる. 入射放射に対する反射放射の比率は双半球性反射率であろう. しかし, 直達日射が放射輝度において支配的なので, 実質的に方向性 - 半球性反射率に近似しているであろう. 一方, 完全曇天の場合, この比率は双半球性反射率に近似しているであろう. この 2 つの測定は似ているが, 方向性のある太陽光線と植物群落表面との相互作用には方向性があるため, 等しい必要はない. 航空機や衛星に搭載されているリモートセンシング装置のように狭い視野角の測器は, 双方向性反射係数に近似する測定を行う. 例えば, ある視野角から狭視野 IFOV 放射計で測定した放射輝度を, 太陽から表面に入射する放射フラックス密度 ( 放射度 ) で割った値は, その視野角からみた表面の双方向性反射率に近似する. もし, この狭視野 IFOV 放射計を用いて, 同一の方向と照明下で完全拡散反射板からの放射輝度を測定すれば, 測定された表面の放射輝度と完全拡散反射板の放射輝度の比は, 双方向性反射係数になるだろう 余弦則微小面が 1 点の放射源に面している場合, その表面に達する光線はほぼ平行であるから, 表面における放射度は放射された光線に対する表面の向きに依存する. これは, 表面を一定サイズの平行光線で照らし, 表面の法線と光線が成す角度を増加させた場合の照射面積を考えれば容易に理解できる ( 図 10.3). 光線に垂直な面の放射フラックスは一定であるが, 天頂角 θ が大きくなるに従って表面における照射面積は増大し続けるので, 表面における放射フラックス密度は減少する. 表面に垂直な入射光線の照射面積を A p, 表面に対して天頂角 θ の照射面積を A とすると A p /A = cos θ である. これは直接, ランベルト (Lambert) の余弦則を導く. Φ = Φ cosθ o (10.3) Φ o は光線に垂直な放射フラックス密度,Φ は表面における放射フラックス密度,θ は表面の法線と光線がなす角度で天頂角と呼ばれる. 自然環境下で普通の平行光線の放射源は太陽だけであり, ランベルトの法則は, 斜面, 壁, 葉, 動物への直達日射の放射度の計算に使用され 図 平行光線の照射面積は, 表面の法線と光線との角度 θ の増加に伴って増加する. 4

5 る. 計算の際,Φ o と太陽が表面の法線となす角度を知る必要がある. 次の例題に示すように, 周辺の放射輝度が既知の場合, 表面の放射度を式 10.3 によって求めることができる. 例題 10.3 地表の単位面積が, 放射輝度 N W m -2 sr -1 の等方的な放射をしている半球から照らされている ( 等方的とは放射輝度がどの入射方向に対しても一定ということである ). 地表面の放射度はいくらか. 解答表面の法線に対して,θ の角度をもつ微小立体角 dωの表面の放射度は N cosθ dωである. 放射輝度と立体角の積は, 放射の方向に垂直な面の放射フラックス密度である. この角度の余弦は, この放射フラックス密度を水平面の放射フラックス密度に変換する. 表面の全放射度を求めるには, 表面から見える範囲の半球の立体角全域について放射輝度を積分する.ψ が方向角であれば,dΩ = sinθ dθ ψ である. したがって, 放射度は : 2π π / 2 Φ = N sinθ cosθ dθdψ = πn (W / m 2 ) o o すなわち, 等方的放射条件下の表面の放射度は, 常に放射輝度の π 倍である. ここで N は定数で, 積分から取り除くことができる. 放射が非等方的な場合も同じ方法で表面の放射度を算定できるが,N の角度分布が積分される必要がある. 理想的な完全拡散面は理想ランベルト面と呼ばれ, その放射輝度は表面の法線と視野方向がなす角度の余弦に比例する. このような表面の方向性 - 半球性反射率は 1 である. リモートセンシングでは, 成型されたハロン樹脂や硫酸バリウムのような理想ランベルト面に近似させた様々な反射表面が用いられる. 湖, 植生, 土壌, 岩のような自然表面の反射率は, 理想反射表面の反射率とは大きく異なるかもしれない. したがって, 自然表面の反射率について議論する場合, 反射率 が何を意味するのかに注意しなければならない. 生物物理学者や微気象学者は, 日射の全波長域について積算した双半球性反射率をアルベドと呼んでいる. このような操作によって, 反射率の複雑さをいくらか避けることができる 放射の減衰直達放射を減衰させる均質な媒体中を伝播することによって, 平行な単一波長成分の放射のフラックス密度は,Bouguer の法則か Beer の法則 ( べール - ランバート - ブーゲの法則 ) が表すように減少するであろう. Φ = Φ exp( kz) (10.4) o Φ o は減衰する前のフラックス密度,z は放射が媒体中を透過する距離,k は媒体の吸光係数 (m -1 ) である. この法則を大気や植物群落の光の透過を表現するために用いる. この法則は, 厳密には減衰係数 k がほぼ一定に保たれる, 十分に狭い波長帯に対してのみに適用される. しかし, この法則は, しばしばかなり広い波長帯の放射に対して適用されている. 本書では, この法則を大気中の全日射波長域の減衰を表現するために使用する. 広い波長帯については, 放射の減衰は厳密には指数関数則に従わないかもしれない. しかし,kz の変化がそれほど大きくない場合には, 式 10.4 は広い波長帯の放射について, 距離の増加に伴う減衰をよく近似できる. 例題 式 10.4 を大気による日射の減衰を求めるために使用する場合, 距離は大気路程 m = l /cosθで測定される. したがって, 吸光係数はメートル当りではなく, 大気路程当りで表される. 天頂角 ( 太陽光線と鉛直線との角度 )60, 45,30 における日射の観測値がそれぞれ 620 W m -2,785 W m -2,871 W m -2 であった場合, 吸光係数 k とΦ o を求めよ. 解答式 10.4 の両辺を対数に変換すると,lnΦ = lnφ o - km であるから,m に対する lnφの回帰式の傾きは-k, 切片は lnφ o になるであろう. 計算に必要な数値を表に示す. またデータのグラフを図に示す. 傾きは-0.4 なので, 大気路程当たりでは k =0.4 である. 切片は 7.23 なので,Φ o = exp(7.23) = 1380 W m -2 である. この値は, 太陽定数の約 1360W m -2 に近い. 太陽放射フラックス密度の対数 天頂角 θ 大気路程 m Φ ln Φ 大気路程例題 の図 5

6 10.6 黒体放射のスペクトル分布現代物理学の飛躍的な前進の一つは, 正しい黒体放射のスペクトル分布モデルの発見であった. 古典物理学では, 放射の波長が短くなるほど表面から射出される放射エネルギーは際限なく増加すると予測していた. つまり, 宇宙のエネルギーの全ては最終的に短波長に集められ, 全て射出されることを意味しており, 紫外線崩壊 と言われていた. もちろん, 実際にはこのような崩壊は生じず, モデルの欠陥であった. この欠陥は, プランクの量子仮説によって全て解決された. すなわち, エネルギーは不連続な塊, あるいは量子によって放射され, そのエネルギーと波長は式 10.1 によって関係付けられる. 黒体からの放射スペクトルフラックス密度のプランクモデルは次式で表される. 2 h c E (, ) 2π b λ T = 5 λ [exp( hc / kλt) 1] E b (λ,t)(w/m 3 ) は, 放射スペクトルフラックス密度あるいはスペクトル発散度,T は絶対温度,h はプランク定数,k はボルツマン定数 ( J /K) である. 図 10.4 に, おおよその太陽と地球の発散度スペクトルに相当する 6000K と 288K の黒体放射スペクトルを示した. ここでは, 波長を対数目盛りで表しているので,2 つの放射のスペクトルを同じ図に示すことができていることに注意すべきである.2 つの放射のスペクトルは 3~4µm の間でほんの少し重なっているが, 重なっている部分のエネルギー量はごくわずかである. 従って, 本書では 4µm を日射波長域の最大値, 地球熱放射波長域の最小値と定義する. なお, 縦軸の太陽の発散度の目盛りは, 地球の発散度の目盛りの 10 6 倍である. 本質的に, 地球から放射されるエネルギーはすべて太陽から得られたものであるが, 地球が受け取るエネルギーは, 太陽が放射するエネルギーのほんの一部に過ぎない. 図 10.4 からわかるように, スペクトル発散度の最大値は放射表面の温度の関数である. ( 波長を基準とした ) 最大発散度の波長は, 式 10.5 の波長 λ に関する微分値を 0 として, 温度について解けば求められる. この結果はウィーン (Wien) の変位則と呼ばれている. 6 (10.5) 2897 λ m = (10.6) T λ m の単位は µm である. 図 10.4 の 6000K,288K における最大発散度波長は, それぞれ 0.48µm, 10µm である 日射および熱放射のスペクトル分布地球大気圏外の日射スペクトルの実測値が 放射スペクトル ( (W/m 2 /μm) 図 10.5 に示されている. ここでは, 横軸の波長の目盛りは等間隔である. この分布は 6000K の黒体からのスペクトル分布とほぼ一致しており, ウィーンの変位則の計算から予測されるとおり, 最大放射波長は青色と緑色の間にある. 日射が地球大気を通過すると, 一部の波長の放射は大気にほぼ完全に吸収される. 電離層中のオゾン層は紫外線をほとんど吸収する. 大気中の水蒸気は赤外線の主要な吸収体である. オゾンによる紫外線の強い吸収は, 特に生物体にとって非常に重要である. 図 10.1 に示すように, この波長域の放射は皮膚ガンの原因となる. また, 実際どのような遺伝材料に対しても突然変異を誘発し, 殺菌作用がある. このことが, 近年, フロンガスの大気への放出によるオゾン層の破壊が懸念されている理由である. これらの化合物はオゾンを破壊し, 地球の表面に到達する有害な紫 外放射フラックスを増加させ得る. 日射の全波長域のエネルギーは, 微小粒子によるレーリー (Rayleigh) 散乱および大粒子によるミー (Mie) 散乱によって減少させられる. レーリー散乱は空気分子によるもので, 特に短波長放射を散乱するので, 散乱された放射は青い. これが空が青い理由である. 太陽光線中からは青い波長の放射が選択的に散乱されるので, 太陽は赤く見える. ミー散乱は大気中の埃, 煙および他のエアロゾルによる. ミー散乱によって長波長の放射が選択的に散乱されるが, 一般的に波長依存はほとんどない. 日射スペクトルのエネルギーの約半分は 0.7µm より短い波長, 約半分は 0.7µm より長い波長にある ( 厳密には, 可視域に約 45%, 近赤外域に約 55% である ). スペクトルは, 太陽の天頂角, 雲量, 大気の構成によって変化するが, 可視域と近赤外域の比率はほと 波長 (μm) ( 図 太陽と地球からの放射を近似する 6000K と 288K の黒体からの放射スペクトル. 放射スペクトル ( (kw/m 2 /μm) 大気圏外 海水面大気路程 1.5 波長 (μm) ( 図 大気圏上端と, 大気路程 1.5 の大気を透過した海水面における太陽の放射スペクトル. 大気による短波長の吸収は主にオゾンによる. 長波長の吸収は主に水蒸気による (Gates(1980) より )

7 んど変化しない. 多くの生物環境物理学の計算では, これら 2 波長帯のエネルギー量の情報が必要であるが, 自然の一貫した 2 波長帯への均等配分によって, これらの計算は容易になっている. 地球の平均射出は 288K の黒体に相当する. 図 10.6 に, このような黒体のスペクトル発散度を示す. ほとんどの放射は 4µm より長い波長であり, 最大射出における波長は 10µm である. 地球上のほとんどの物体の発散度のスペクトルは図 10.6 と類似しているが, 最大射出とその波長の位置は, 物体の表面温度に若干依存し偏移する. 雲のない大気において, 熱放射は主に水蒸気や CO 2,O 3 による 9.5µm 付近の狭い吸収波長帯によって射出 吸収される. 赤外放射は, 分子振動や分子回転のエネルギー準位の変化によって射出 吸収される. 水蒸気,CO 2,O 3 だけが, 長波放射によって励起されるエネルギー準位を持った共通の大気の構成要素である. 図 10.6 に, 大気の発散度のスペクトルを 288K の黒体のスペクトルと併せて示す. この図は, 射出 吸収が強いいくつかの波長帯では, 大気はほとんど黒体のように振舞うことを示している. 他の波長帯では, 放射率 吸収率は低い. 大気の窓 と呼ばれる 8~13µm の波長帯は特に重要で, 288K の地球の黒体放射が最大になる波長帯と一致している. 地球から射出されるこれらの波長の放射のほとんどは, 大気に吸収されず宇宙へ失われる 放射発散度黒体放射体の単位表面積から射出される全放射エネルギーは, 式 10.5 を全波長について積分することで求められる. その結果がステファン ボルツマン (Stefan-Boltzmann) の法則である. B = σt 4 (10.7) B は射出された放射フラックス密度 (W m -2 ),T は絶対温度,σ はステファン ボルツマン定数 ( W m -2 K -4 ) である. 様々な温度に対する B の値を表 A.3 に示す. 例題 10.5 地球および太陽の平均放射発散度を求めよ. 解答地球は 288K の黒体放射体に相当する. よって, 地球の平均放射発散度は, W m -2 K -4 (288K) 4 = 390 W/m 2 である. 太陽の発散度は 6000K の黒体の発散度に相当する. したがって, 再び 10.7 式を用いれば, 太陽の表面において射出される放射は 73 MW/m 2 である. 非黒体による放射エネルギーは, 次式で与えられる. Φ = ε(λ)e b (λ,t)dλ (l0.8) ε(λ) は放射率のスペクトル分布で E b (λ,t) は式 10.5 から求められる. 放射率の波長依存がない灰色体では, 積分によって次式が導かれる. Φ = εb (10.9) 自然表面は完全な灰色体ではなく, 式 10.8 を適用した結果は, ステファン ボルツマン式のように T の 4 乗にはならない. 実際には, 地球上の常温の範囲では全ての物体は灰色体と見なすことができ, 適切な平均放射率を適用することによって式 10.7 と式 10.9 を使用することができる. この方法は, 灰色体には程遠い大気の場合でも, 大気の発散度の計算に利用できる. 次章において, ほとんどの自然表面の放射率が 0.95~1.0 であることを示す. 本書ではほとんどの計算において, 放射率を 0.97 と仮定する. ただし, 図 10.6 に示すように, 快晴時の大気の放射率は, それよりもかなり低い値をとる. 雲は大気の放射率を増加させ, 低い雲で完全に覆われた曇天時の放射率はほぼ 1 である. 快晴時の空の放射率についての経験式がいくつか利用できる. 妥当な理論的裏付けのあるものの一つに次式がある (Brutsaert, 1984). 1/ 7 ε ac = 1.72 e a 7 (10.10) T a e a は地上 1~2m で測定された水蒸気圧 (kpa),t a は気温 (K) である. この式の背景にある理論は, 大気の熱放射は基本的に地上から高さ数キロまでの大気の水蒸気濃度の関数で, 地上数百 mまでの水蒸気濃度に最も強く依存しているということである. したがって, 地上 1~2mにおける水蒸気濃度の測定値を, 地上 5km までの水蒸気濃度と鉛直温度分布の推定結果と組み合わせることで, 放射率の推定に用いることができる. 水蒸気圧と最低気温は密接に相関しているので, 地上 1~2mの気温と快晴時の空の放射率との間の相関関係も作られている.Swinbank(1963) は次式を提案している. ac = Ta ε (10.11) 放射スペクトル ( (W/m 2 /μm) 288 K 黒体 波長 (μm) ( Brutsaert (1984) は, 温度と水蒸気圧の経験的関係を用いて式 と式 を調整した. 本書では, 式 をほとんど 大気 図 地球および雲のない大気からの熱放射のスペクトル分布.88m 以下,188m 以上の放射帯は主に水蒸気から,13~188m の放射帯は主に CO 2 からのものである.9.58m の狭い放射帯はオゾンによるものである (Gates(1962) より )

8 の計算に使用し, その値を表 A.3 に示す. 水蒸気圧データが入手可能な場合は, おそらく式 の使用が望ましい. 雲の放射率は 1 であるので, 雲がある場合, 大気の放射率は晴天時よりも高い. 曇天日の大気の発散度は, 晴天部分のエネルギー放射に雲からのエネルギー放射を加えることで推定できる.Monteith & Unsworth(1990) は次のような簡易式を与えている. ε a (c) = ( c)ε ac c (l0.12) c は雲で覆われている空の割合,ε ac は式 か式 から求められる.c=0 の時,ε a (c)=ε ac,c=l の時,ε a (c)= ε ac となる. 気温 20 の時, 空の放射率は 0.97 となる. 例題 10.6 気温が 20 の時, 空の発散度を快晴時と完全曇天時で比較せよ. 解答式 10.7 あるいは表 A.3 より黒体の発散度が求められる. 式 10.7 より : B = ( ) = 419Wm 快晴時の空の放射率 ( 式 か表 A.3) は ( ) 2 =0.79 である. 完全曇天時 ( 式 で c=1) の空の放射率は =0.97. したがって, 発散度は : 快晴な空 : =331W m -2 曇天の空 : =406W m -2. 雲のない晴夜に生じる冷却や霜は, 宇宙空間に失われる放射 として説明されることがある. この記述は大袈裟で間違っている. 晴夜と曇った夜との差は, 射出ではなく入射する放射の差である. 地表面が大気から受ける放射は, 晴夜 ( あるいは晴天日 ) のほうが曇った夜よりも少ない. 地球と大気の発散度の計算と同じ方法で, 太陽の発散度を計算できる. しかし, これは, 生物環境物理学にとってはあまり価値がない. 本書では, 太陽の出力は一定であると仮定し, 全ての計算には測定された定数を用いる. 地球の大気圏外において太陽光線に垂直な面が受け取る平均放射フラックス密度は, 約 1360 Wm -2 である. この値は太陽定数として知られている. 実際の日射フラックス密度は, 太陽活動のランダムな変動によっておよそ ±1.5% 変化し, 予測される地球 - 太陽間の距離の変化によって年間 ±3.5% 変化する. これらの変動は, 放射収支における他の要因による不確実性よりもはるかに小さい. したがって, 本書ではこれらの変動を計算で考慮せず, 大気圏外における日射入力は一定で, 太陽定数に等しいと仮定する. 参考文献 Brutsaert, W. (1975) On a derivable formula for long-wave radiation from clear skies. Water Resour. Res. 11: Brutsaert, W. (1984) Evaporation into the Atmosphere: Theory, History and Applications. Boston: D. Reidel. Gates, D. M. (1980) Biophysical Ecology. New York:Springer Verlag. Monteith, J. L. and M. H. Unsworth (1990) Principles of environmental Physics. (2nd ed.) London: Edward Arnold. Nicodemus, F. E., J. C. Richmond, J. J. Hsia, I. W. Ginsberg, and T. Limperis (1977) "Geometrical considerations and nomenclature for reflectance." NBS Monograph 160, U.S. Dept. Commerce/National Bureau Standards, 問題 ~3 µm の波長帯の日射の中央値は 0.7 µm である. もし, 放射度が 1kW m -2 であれば, 光子フラックスはいくらか ~700nm の波長帯の放射エネルギーフラックス密度が 200W/m 2 である時,PAR の光子フラックス密度 (mol m -2 s -1 ) はいくらか ~700nm の波長帯の光子フラックス密度が 1000µmol m -2 s -1 である時,PAR 波長帯の放射エネルギーフラックス密度 (W/m 2 ) はいくらか. 日射 ( 全ての波長帯 ) の放射フラックス密度はいくらか K の白熱電球が最大発散度をとる波長はいくらか あなたの体の平均表面温度が 28 の時, あなたの表面の発散度はいくらか. あなたが立っている部屋の壁の温度が 20 であるとすれば, あなたの体の表面における放射度はいくらか. あなたの体の純放射熱損失を推定せよ. ε surf =0.97,ε wall =1.0 とする における快晴時と完全曇天時の空の放射発散度を比較せよ. 夜間, 地表面は完全曇天時に快晴時よりどれだけ多くの放射エネルギーを受け取るか. 8

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