筆頭演者

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1 茨城県地域リハビリテーション総合支援事業 つくば保健医療圏茨城県指定地域リハ ステーション つくば地域リハ セミナー - 第 26 回症例検討会 - - 茨城県理学療法士会第 7 回つくばブロック症例検討会 - プログラム 抄録集 日時 :2018 年 3 月 24 日 ( 土 ) 会場 : 筑波記念病院 ( つくば市 )

2 日程 2018 年 3 月 24 日 ( 土 ) 14:00~18:15 会場 筑波記念病院 S 棟 2 階大会議室 講義室 茨城県つくば市要 筑波記念病院内 TEL: ( 代表 ) 主催 共催 後援 主催 : つくば保健医療圏茨城県指定地域リハ ステーション ( 筑波メディカルセンター病院, いちはら病院, 筑波記念病院 ) 公益社団法人茨城県理学療法士会共催 : 公益社団法人茨城県作業療法士会茨城県指定地域リハビリテーション研修推進支援センター 後援 : 一般社団法人茨城県言語聴覚士会

3 演者 座長へのお知らせとお願い 一般口述発表演者の方へ 1. A 会場のセッション Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ は 茨城県理学療法士会第 7 回つくばブロック症例検討会,B 会場のセッション Ⅰ,Ⅱ, Ⅲは 第 26 回症例検討会 として開催します. 2. セッションは, 発表時間 7 分, 質疑 3 分です. 時間厳守でお願いします. 3. 発表はすべて PC 発表と致します. 4. 発表者は, セッション開始 10 分前までに会場にお越しください. 次演者席での待機をお願い致します. 座長の方へ 座長は 30 分前までに会場前にて受付をお済ませ頂き, 開始 10 分前までに, 必ず次座長席にて待機していて下さい. 1. 質疑は座長の指示に従い, 所属 氏名を述べた上で簡潔にお願い致します. 2. 質疑要旨の記載および提出の必要はありません. 質疑応答 生涯学習プログラムの単位認定について * 公益社団法人茨城県理学療法士会会員 茨城県理学療法士会第 7 回つくばブロック症例検討会 の発表者の場合 新人教育プログラム対象の方発表者は C-6 症例発表 の単位認定 取得となります. ポイントを申請される方は, 会員番号の明記されている, 会員カードを必ずご持参ください. 後日認定手続きを取らせて頂きます. * 公益社団法人茨城県作業療法士会会員発表者は 現職者共通研修受講記録 2 又は, 生涯教育制度基礎研修ポイント 2 ポイント の単位認定 取得となります. 参加者は 生涯教育制度制度基礎研修ポイント 2 ポイント の単位認定 取得となります. 生涯教育手帳に当日証明致しますので, 必ずご持参ください.

4 会場への交通 筑波記念病院 S 棟 2 階大会議室

5 会場案内 会場 S 棟 2 階大会議室 駐車場は無料です 本会に関するお問い合わせ先 つくば地域リハ セミナー事務局 ( 担当 : 筑波記念病院リハビリテーション部内飯野 神宮 ) TEL: FAX: reha@tsukuba-kinen.or.jp

6 プログラム 13:30~ 受付 A 会場 筑波記念病院 S 棟 2 階大会議室 14:00~18:15 茨城県理学療法士会第 7 回つくばブロック症例検討会 ( 口述 ) セッション Ⅰ 14:00~15:05 座長 : 塚本淳史 ( 筑波メディカルセンター病院理学療法士 ) 1. Sinking skin flap syndrome の疑いにより精神変容を認め, 介入が難渋した症例附田美咲 ( 筑波メディカルセンター病院理学療法士 ) 2. トイレ動作自立を目指した症例 ~ 他療法と動作定着に着目して ~ 飯田菜月 ( いちはら病院理学療法士 ) 3. くも膜下出血により注意障害を呈する症例の歩行能力向上を目指した理学療法を経験して森田愛理 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 4. 軽度左片麻痺患者の退院後の活動性維持のために ~ 既往のパーキンソン症候群に着目して ~ 叶谷大樹 ( いちはら病院理学療法士 ) 5. 重度右片麻痺患者に歩行感覚提示装置を用い歩行能力向上を認めた症例を経験して土田祥史 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 6. 透析患者に対するリハビリテーション 杖歩行獲得に難渋した症例 吉田光希 ( 筑波学園病院理学療法士 ) セッション Ⅱ 15:10~16:05 座長 : 下村哲志 ( 筑波学園病院理学療法士 ) 1. 下肢痙性を呈した左大腿骨人工骨頭置換術後の症例 ~ 起立動作に着目して ~ 2. 右 THA を施行し, 術前からの指導により脱臼肢位の理解 動作の定着を図れた症例 3. 転倒後, 廃用症候群となった症例の自宅退院を想定した家屋環境の調整について 坂本陽 ( いちはら病院理学療法士 ) 取次歩 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 倉嶋翼 ( いちはら病院理学療法士 ) 4. THA 後, 自覚的 機能的脚長差により歩行獲得に難渋した症例 ~ 視覚的フィードバックを利用して ~ 内藤由梨奈 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 5. 転落により胸髄完全損傷を呈した高齢症例 ~ 座位バランス能力に着目して ~ 小林雅明 ( 筑波メディカルセンター病院理学療法士 )

7 セッション Ⅲ 16:10~17:15 座長 : 小林隆弘 ( いちはら病院理学療法士 ) 1. ADL が向上して余暇活動への参加が可能になった多発病的骨折を呈した多発性骨髄腫患者の理学療法を経験して出口志穂 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 2. 肺癌末期患者の運動負荷量に対して Borg Scale を使用し ADL 拡大を図れた症例を経験して松本静流 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 3. 肺結核後遺症による慢性呼吸不全のため人工呼吸器管理となった症例を経験して ~ 限られた余命に対してどのように関わるか ~ 増尾訓映 ( 筑波学園病院理学療法士 ) 4. 慢性閉塞性肺疾患を呈した症例の理学療法を経験して 5. 術前からせん妄を呈していた冠動脈バイパス術を施行した患者を経験して 6. 安静度制限下における超高齢心不全患者の理学療法を経験して 杉田昂翼 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 伊澤希 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 今井伸 ( 筑波記念病院理学療法士 ) セッション Ⅳ 17:20~18:15 座長 : 藤沢遼 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 1. 前十字靱帯再建術後, 下腿腫脹と疼痛が遷延した症例 2. 両外脛骨障害を呈した症例 ~ 足部アライメントに着目して ~ 木村恵太 ( いちはら病院理学療法士 ) 庄司貴弘 ( 広瀬医院理学療法士 ) 3. 義足歩行獲得を目標に介入した右大腿切断後の症例 ~ 切断後の早期歩行練習の取り組み ~ 杉野裕仁 ( 筑波メディカルセンター病院理学療法士 ) 4. セルフケアにより料理中の不良姿勢及び慢性的な腰痛が消失した症例 吉田香奈 ( 広瀬医院理学療法士 ) 5. THA 施行後背臥位時の鼠径部 腰部痛が出現した症例 ~ 股関節伸展制限に着目して ~ 長岳美幸 ( いちはら病院理学療法士 )

8 B 会場 筑波記念病院 S 棟 2 階講義室 14:00~16:35 つくば地域リハ セミナー 第 26 回症例検討会 ( 口述 ) セッション Ⅰ 14:00~15:05 座長 : 伊藤永人 ( つくば双愛病院理学療法士 ) 1. 立位アライメント修正と立位荷重練習を実施し歩行能力が向上した症例 2. 心不全患者の理学療法を経験して 呼吸困難感に着目して 吉田和希 ( つくば双愛病院理学療法士 ) 田村友基 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 3. 僧帽弁輪形成術後に生じた酸素化不良に対して早期離床を目的に非侵襲的陽圧換気療法を使用した症例千葉明香里 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 4. 化学療法実施中の倦怠感により活動制限を呈した悪性リンパ腫の一症例 佐藤翼 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 5. 長期間化学療法を実施している高齢急性骨髄性白血病患者の身体機能維持が可能となった一症例野口舞 ( 筑波記念病院理学療法士 ) 6. 左片麻痺患者の歩容改善と転倒リスク軽減を目指して ~ 体幹機能に着目して ~ 伊豆野皓平 ( いちはら病院理学療法士 ) セッション Ⅱ 15:10~16:05 座長 : 高村順平 ( 筑波メディカルセンター病院作業療法士 ) 1. 右片麻痺患者の排泄動作能力獲得を目指した介入 木村直子 ( 筑波記念病院作業療法士 ) 2. 既往に知的障害を呈した胸椎損傷患者に対し, 達成感 によってリハビリへの意欲を引き出せた症例田中沙季 ( 筑波記念病院, 作業療法士 ) 3. 箸操作獲得のため, 肩甲帯の可動性と安定性向上に着目して介入を行った症例 4. 脳梗塞患者に対する箸操作獲得に向けてのアプローチを経験して 関口恵理 ( 筑波記念病院作業療法士 ) 高荷直弥 ( 筑波記念病院作業療法士 ) 5. 重度片麻痺のある開胸術後の症例に対し, 排泄動作の再獲得に向けた作業療法の経験綿引智生 ( 筑波記念病院作業療法士 )

9 セッション Ⅲ 15:40~16:35 座長 : 小野瀬一希 ( 筑波学園病院作業療法士 ) 吉川志乃 ( 筑波記念病院言語聴覚療法士 ) 1. 意志の変化により活動選択が行えた症例 鈴木龍也 ( 筑波記念病院作業療法士 ) 2. 高次脳機能障害に対するアプローチと外泊練習により在宅生活が可能となった症例小石川由梨 ( 筑波記念病院作業療法士 ) 3. できる ADL をしている ADL に汎化できた症例 ~ 精神面, 他職種協働に着目して ~ 飯田沙矢香 ( 筑波記念病院, 作業療法士 ) 4. 人工呼吸器装着中のギラン バレー症候群患者に対するコミュニケーション手段の検討東山知未 ( 筑波記念病院作業療法士 ) 5. 自己修正に伴う音断片 音韻性錯語を呈した伝導失語例の言語治療経過について飯塚梨和 ( きぬ医師会病院言語聴覚士 ) 6. 左橋梗塞により 重度嚥下障害を呈した症例を経験して ~ 経鼻経管から常食摂取に至るまで ~ 高畑司 ( いちはら病院言語聴覚士 )

10 抄録 A-Ⅰ-1 Sinking skin flap syndrome の疑いにより精神変容を認め, 介入が難渋した症例 附田美咲 ( 筑波メディカルセンター病院理学療法士 ) はじめに 外減圧術後に精神変容等が生じる Sinking skin flap syndrome(ssfs) という症状が報告されている. 急性硬膜下血腫に対する外減圧術施行後, 経過良好であったにも拘らず精神変容等により介入に難渋した症例を経験した為, ここに報告する. 本症例には症例報告に関する十分な説明を行い, 同意を得た.80 歳代女性. X 病日急性硬膜下血腫発症し, X+1 病日に外減圧術施行した. X+47 病日に回復期病院へ転院した. X+58 病日に硬膜下膿瘍発症し当院へ再入院し, X+59 病日に洗浄膿瘍ドレナージ術施行した. X+91 病日 ~X+99 病日に頭痛 嘔気 精神変容が出現した. 経過 X+90 病日の時点で基本動作修正自立, 移動は歩行器を使用し見守り. National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS) は 2/42 点, 下肢 MMT4~5, FIM112/126 点 ( 運動 77 点 ) であり経過は良好であった. しかし X+91 病日 ~X+99 病日に気分不良 食欲不振 精神変容が出現し SSFS を疑われた. そのため離床機会の減少により廃用が進行し, X+93 病日では下肢 MMT3 ~4, FIM67/126 点 ( 運動 34 点 ) まで低下した. 意欲向上を目指すため肯定的な言い回しを行い, 傾聴姿勢で関わった. また生活リズムをつけ, 病棟でも動作を行い多職種と連携した. さらに外部刺激の減少を防ぐため, 週末は気分転換を兼ねて外泊や外出を勧め外部刺激を増やした. その後症状は改善し基本動作見守り, 移動は歩行器使用し見守り, 下肢 MMT4, FIM98/126 点 ( 運動 63 点 ) まで改善した. 症例は再度 X+114 病日に回復期病院へ転院した. 考察 SSFS は広範な外減圧術後の合併症で, 減圧術数週 ~ 数か月後に発症, 激しい頭痛や精神変容を呈すとされている. 本症例は SSFS に沿った症状を発症した. しかし SSFS に対する理学療法の症例報告は少なく, 一般的には外科的治療が選択される. 今回, 精神変容に着目し介入を検討した. 肯定的な言い回しや傾聴姿勢, 病棟との連携, 外部刺激の増大により意欲改善に繋がったと考える. A-Ⅰ-2 トイレ動作自立を目指した症例 ~ 他療法と動作定着に着目して ~ 飯田菜月 ( いちはら病院理学療法士 ) はじめに 今回, 右被殻出血により左片麻痺, 左半側空間無視, 注意障害を呈した症例に対しトイレ動作獲得した結果を以下に報告する. 症例 70 代後半, 女性, 診断名 : 右被殻出血, 主訴 : 左の手足が動かない,Hope: 一人でトイレに行きたい. 本症例に発表の同意を得た. 初期評価 (26 病日目 ) Brunnstrom recovery stage(brs): 上肢 Ⅱ 手指 Ⅱ 下肢 Ⅱ, 感覚 : 左上下肢の表在 深部 足底 0/5, 体幹機能検査 (FACT):3/20, Functional Balance Scale(FBS): 2/56, Ashworth: 左下肢 0,FIM:67/126( トイレ動作 4 点, 方向転換時 下位操作軽介助 ) 座位保持 : 軽介助, 線分二等分線試験 ;24mm 右に偏位, トイレ動作 : 右上肢で手すりを引き付け起立し立位軽介助にて, 右下肢を軸脚にして方向転換を行うが左への注意が乏しく回転が不十分であり着座に介助が必要. 問題点 左下肢の随意性が低く感覚は重度鈍麻であり支持性が低く起立 立位保持困難. また立位姿勢が不安定にもかかわらず自己教示しているため口数が多く, 注意散漫であるため指示が入らず自己修正が困難. 治療 ステップ練習 歩行練習にて麻痺側の足底へ荷重感覚と下肢 体幹の固有感覚を入力. 起立の際, 引き動作でなく支持面を押す起立動作方法を練習し, 他療法や病棟スタッフと指示や介助方法を統一すること動作の定着を促した. 最終評価 (132 病日目 ) Brs : 上肢 手指 Ⅱ 下肢 Ⅳ, 感覚 : 左上肢 下肢の表在感覚 足底感覚 3/5, 深部感覚 1/5, FACT:10/20,FBS:18/56, Ashworth: 左下肢 1+,FIM:88/126( トイレ動作 5 点, 日中自立 夜間見守り ), 座位保持 : 自立, 考察 本症例はバランス能力低下, 高次脳機能の影響から初期はトイレ動作軽介助であった. 起立で右上肢を支持物を引きつけ, 非麻痺側下肢の荷重を優位として行うため連合反応が増強され左下肢の支持性が低下した. これにより随意性や感覚の促通が妨げられ, 起立やフリーハンドでの立位保持が行えていなかったと考える. そこで起立 立位動作を支持面を押す動作に変更し左下肢と足底へ荷重感覚を促すことで立位保持が可能になったが, トイレ動作時の下衣操作は介助が必要であった. そのため他療法や病棟スタッフと動作パターンを統一することで動作の学習を促しトイレ動作の定着, 立位時間の量を増加させたことにより立位バランスが向上, 立位姿勢の自己修正が可能となった. 結果, 立位バランスが向上し日中トイレ動作自立に至ったと考える.

11 A-Ⅰ-3 くも膜下出血により注意障害を呈する症例の歩行能力向上を目指した理学療法を経験して 森田愛理 ( 筑波記念病院理学療法士 ) A-Ⅰ-4 軽度左片麻痺患者の退院後の活動性維持のために ~ 既往のパーキンソン症候群に着目して ~ 叶谷大樹 ( いちはら病院理学療法士 ) はじめに くも膜下出血により左片麻痺, 注意障害を呈し歩行時の転倒リスクが高かった患者に対し, 二重課題を歩行練習に取り入れ歩行能力向上を認めた症例を経験したので報告する. 50 歳代男性. 平成 29 年 8 月意識障害が出現,A 病院にてくも膜下出血と診断された.39 病日目当院回復期リハ病棟へ転院, 演者担当となる. 尚, 発表に際し症例に同意を得た. 転院時評価 :41 病日目 JCSⅠ-1. 運動麻痺は BRS 左 Ⅴ-Ⅳ-Ⅴ. 基本動作は監視. 歩行は T 字杖歩行軽介助. 歩行時注意散漫となりやすく左足部クリアランス低下, ふらつきを呈し転倒リスクが高かった. プログラム 随意性促通練習, 筋力強化練習, バランス練習, 歩行練習, 段差昇降練習 経過 99 病日目, 身体機能が向上し訓練下での歩行は T 字杖歩行監視と歩行能力の改善を認めた. しかし, 病棟生活では人通りも多く注意障害を呈していることから注意散漫となり, 対向者や障害物を避けることができずに接触のリスクが残存. 歩行評価指標の Dynamic Gait Index( 以下 DGI) は,12/24 点で歩行速度の変更, 方向の変化, 上下左右への視線移動, 障害物を越える等の項目で減点を認めた. そこで新たに, 歩行時の視線移動や方向転換を伴う探求課題, 思考課題に応えつつ人にぶつからずに歩行する等の二重課題を歩行練習に取り入れた. また歩行能力の向上に合わせ, 段階的に課題内容を複合させたり難易度を調整する工夫をした. 最終評価 :135 病日目 基本動作は全自立. 歩行は T 字杖歩行遠位監視.DGI 得点は 19/24 点と向上, 徐々に病棟での歩行中, 対向者を避けることや注意が逸れた際のふらつきは軽減, 周囲の状況に配慮した安定した歩行が可能となった. 考察 DGI は脳卒中患者における二重課題処理能力が必要とされる歩行能力を適切に評価しうることが報告されている. 本症例は DGI の結果から, 歩行中の姿勢修正や外的刺激に対する適応反応が低下していることが示唆されたが, 最終評価時, 歩行中に姿勢を崩すことなく他の対象物へ注意を円滑に向けることが可能となった. これは, 二重課題を歩行練習に取り入れたことにより周囲環境へ注意を適切に分配させる選択的注意能力が向上したことによるものと考えた. このことから二重課題を歩行練習に取り入れることは日常生活での安全な歩行能力獲得に有効と考える. はじめに 既往にパーキンソン症候群のある軽度左片麻痺患者の回復期リハビリテーション病棟退院後の職場, デイケアでの独歩,4 点杖の歩行機会の確保に向けて, 内在的フィードバック (FB), 反復動作練習, 早期の独歩練習, 聴覚刺激を行ったことで, 本症例の Hope が可能となったので以下に報告する. 尚, 本症例の発表に同意を得た. 50 歳代後半男性. 疾患名 : 右中大脳動脈梗塞. 既往歴 : 糖尿病, 狭心症, 左脳梗塞, パーキンソン症候群. 病前 ADL: 全自立,4 点杖歩行自立. 仕事 : 研究職.Hope:4 点杖をついて職場駐車場から職場まで 10m, デイケアに行く際の自宅玄関から車まで独歩にて 5m 歩きたい. 初期評価 (69~73 病日 ) Brunnstrom recovery stage( 左 ): 上肢 Ⅳ 手指 Ⅳ 下肢 Ⅴ.Hoehn&Yahr stage:Ⅳ. 感覚 : 正常. 深部腱反射 : 正常 ~ 減弱. 筋固縮 ( 両側 ): 股内転筋群, 大腿四頭筋, 下腿三頭筋著明.10m 歩行 : セーフティアームウォーカー (ASW)18 秒,4 点杖 33 秒 ( 軽介助,3 動作揃え型 ). 歩行レベル : 独歩軽介助. 歩行姿勢 : 頭部前方偏位, 頸椎伸展, 上部胸椎後弯, 体幹前傾, 左足内反尖足. 歩行 : 歩行リズム, 動作手順の崩れ. 左遊脚相でのトゥクリアランス低下. 自制外ふらつき. 歩行障害 : すくみ足, 加速歩行, 小刻み歩行.Functional Balance Scale(FBS):20 点. 立ち直り反応 (-). ステッピング反応 (-).FunctionalIndependence Measure(FIM) 移乗, 移動項目 :14 点 /35 点 ( 移乗各 4 点, 歩行 1 点, 階段昇降 1 点 ). 治療 1 鏡使用した視覚的 FB による歩行姿勢改善. 支持基底面外への重心移動, 大股歩行, 後進歩行による体性感覚 FB.2 爪先離地から踵接地の反復練習.3 早期の独歩練習 (76 病日開始 ). 歩行中のリズミカルな声かけによる聴覚刺激. 最終評価 (119 病日 ) 10m 歩行 :4 点杖 23 秒 ( 近位見守り,2 動作揃え型 ). 歩行レベル : 独歩近位見守り (108 病日 ).Timed up and go test:asw24 秒.FBS:26 点 ( 加点項目 : 立ち上がり, 着座, 移乗 ). 歩行障害 : 初期より軽減. ステッピング反応みられることあり.FIM:28 点 /35 点 ( 車いす移乗 6 点, トイレ移乗 6 点, 浴槽移乗 5 点, 歩行 6 点, 階段昇降 5 点 ). 考察 一定の歩行リズム獲得, 自制外ふらつき減少により, 独歩,4 点杖歩行ともに近位見守りとなり,FIM,FBS,10m 歩行において向上がみられた.1 体幹正中位を意識することで, 脊柱起立筋の活動促進し, 加速歩行軽減につながった. 体性感覚 FB により, 重心移動を察知可能となり, ステッピング反応がみられるようになったと考える.2 反復練習により, 学習効果が得られた.3 早期の独歩練習とリズミカルな聴覚刺激により, 動作手順の安定に繋がった.

12 A-Ⅰ-5 重度右片麻痺患者に歩行感覚提示装置を用い歩行能力向上を認めた症例を経験して 土田祥史 ( 筑波記念病院理学療法士 ) A-Ⅰ-6 透析患者に対するリハビリテーション 杖歩行獲得に難渋した症例 吉田光希 ( 筑波学園病院理学療法士 ) はじめに 歩行感覚提示装置 ( 以下 GM) を自立歩行可能な脳卒中患者に使用した報告は散見されるが, 自立歩行困難な脳卒中患者を対象とした報告は渉猟した限り見当たらない. 今回重度右片麻痺を呈し, 自立歩行困難であった症例に対し GM での歩行練習を行ったので以下に報告する. 50 歳代男性 年 6 月右上下肢の動かしにくさが出現し, 当院来院し脳出血の診断となった.2 病日目より PT が開始され,22 病日目より GM を用いた歩行トレーニング ( 以下 GMT) を開始した. GMT 前評価 運動麻痺は BRS 右 Ⅰ-Ⅰ-Ⅱ, 筋力は左上下肢 MMT5 レベル, 表在覚は右上下肢重度鈍麻, 深部覚は右上下肢中等度鈍麻を認めた. 基本動作は起居, 起立, 移乗は中等度介助レベルであり, 歩行はサイドケイン,SLB 使用し重度介助レベルであった. 体幹の支持性は乏しく常に介助者による支えが必要, 右下肢振り出し重度介助を要した. 経過 GMT のプロトコルは週 5 回 4 週の計 20 回とした.22 病日目は速度 0.5km/h,2 人介助で 3 分 1 セットより実施し, 歩行量は 133 歩であった. 骨盤を支え重心移動, 左下肢立脚時の右股関節伸展, 右下肢膝折れ防止の介助を要した. 実施後バイタルサインに著変はなかった.26 病日目からは設定を速度 1.1km/h,2 人介助で 5 分 2 セットに変更した. 歩行量は 421 歩となった.37 病日目には速度 1.4 km /h,6 分 2 セットに変更した. 右股関節伸展, 右下肢膝折れ防止の介助はほとんどせず, 重心移動のみで歩行練習が可能となった. 歩行量は 719 歩, 歩行はサイドケイン,SLB 使用し, 体幹支持, 右下肢振り出しの介助は軽減し軽介助での歩行が可能となった.47 病日目には速度 1.8km/h,2 人介助で 6 分 2 セットに変更した. 歩行量は 897 歩と増大し, 歩行は SLB,4 点杖を使用し, 重心移動のみで振り出しは介助せず軽介助で歩行が可能となった. 考察 本症例は重度右片麻痺患者であり, 歩行練習には重度介助が必要で, 療法士の介助量が多く持続した歩行練習が困難であったが,GM を使用することで少ない介助量で持続した歩行練習が安全に行うことができた. これにより歩行量を増大し, 歩行能力改善に繋がったのではないかと考えられた. このことから GMT は自立歩行困難な重度片麻痺患者に対しての歩行練習の一手段となりえるのではないかと考えられた. はじめに 肝性脳症発症後の維持透析患者を担当し, 杖歩行獲得に向けて介入したが, 起立性血圧低下および両下肢筋の高緊張による影響で介入が進まず, 杖歩行獲得に難渋した症例の報告をする. 症例 60 代前半男性身長 168cm 体重 48kg 診断名 肝性脳症 既往歴 多発性脳梗塞, 末期腎不全, 糖尿病, 高血圧, 肝細胞癌 現病歴 2017 年 11 月頃より肝細胞癌悪化に伴い, 肝性脳症症状が強く意識障害があった. 維持透析を継続しながら内視鏡的逆行性胆管膵管造影施行. 評価 血圧 /60 70mmHg から著しく血圧の低下があり 80 90/45 60mmHg まで低下. 筋力は粗大にて 3 レベル程度で BRS は上下肢手指ともに Ⅴ ⅥStage 握力 R:9/L:8kg 両下肢の浮腫 + Gastro の過緊張あり.K,Na で低下が認められ, 低 K,Na 血症が疑われた. 足背屈 R:5 L:10 底屈 R:35 L:40 経過 熱発と血圧低下が著明であり, 介入進まずベッドサイドでのリハビリが中心となった. 基本動作は起居 起立は見守りから軽介助レベルまで低下した. 歩行は歩行器歩行レベルから平行棒内訓練レベルとなった. 血圧低下改善後より再度, 歩行訓練を開始し, 状態安定してから 4 週後に杖歩行獲得され自宅退院された. 問題点 起立性低血圧に伴い, 臥床傾向があり, 両下肢筋力低下および低 K 血症による疲労感 脱力感, 肝性脳症による両下肢筋の高緊張 ( こむら返り ) の影響での歩行の不安定性が生じた. プログラム 両下肢のストレッチ マッサージ 両下肢筋力強化練習 歩行練習を実施. 運動負荷量は 肝疾患のリハビリテーション, 腎臓リハビリテーションガイドライン で設定されている内容を参考に負荷量を設定した. 両下肢の緊張が高い状態であり, 透析前後で毎回 Gastro 筋のダイレクトストレッチと足底背屈運動を実施し, マッサージをリハビリ中の 10 分間行い,2 本杖歩行, 伝い歩きなど移動手段の検討を行った. 結果 介入により足背屈 R:10 L:10 底屈 R:40 L:40 右足関節の可動域改善で優位に認められ, 下肢筋の緊張が改善し歩行中の蹴り出すための筋発揮がしやすくなり歩行の安定性に繋がった. また, 移動手段を 2 3 パターンを練習したことで, 環境に合わせた移動が可能になった. まとめ 今回の症例では, 杖歩行レベルの獲得が自宅退院の際に必要である症例で, 身体機能面だけでなく血液データなどの情報も参考にしながら介入の負荷量設定を行い, 歩行練習へ繋げていくことが大切であることを改めて考えさせられた.

13 A-Ⅱ-1 下肢痙性を呈した左大腿骨人工骨頭置換術後の症例 ~ 起立動作に着目して ~ 坂本陽 ( いちはら病院理学療法士 ) A-Ⅱ-2 右 THA を施行し, 術前からの指導により脱臼肢位の理解 動作の定着を図れた症例 取次歩 ( 筑波記念病院理学療法士 ) はじめに 既往に頚椎症性脊髄症を呈し, 左大腿骨人工骨頭置換術を施行した症例を担当した. 早期職場復帰に向けて起立動作に着目した介入を報告する. 症例 60 歳代男性. 診断名 : 左大腿骨頚部骨折. 現病歴 :2017 年 12 月, 飲酒によるふらつきにて転倒し受傷. 受傷 3 日後に左大腿骨人工骨頭置換術施行. 既往歴 : 頚椎症性脊髄症. 受傷前 ADL: 独歩にて自立. 職業 : 電気店経営.Hope: 仕事の都合上, 術後約 1 ヶ月で職場復帰. 初期評価 ( 手術後 7 日 ) ROM: 左股関節屈曲 95, 伸展 0, 外転 25.MMT: 左股関節屈曲 3, 伸展 2, 外転 2, 膝関節伸展 3. 疼痛 : 動作時術創部 NRS3/10. 腱反射 : 両膝蓋腱 ++.Modified Ashworth Scale:1+. 起立動作 : 離殿時に平行棒内で上肢引き付け動作と左股関節内転, 内旋動作あり. 歩行 : 平行棒内歩行可. 問題点 早期職場復帰の Hope から起立動作の未獲得が問題点と考えた. 要因として, 股関節屈曲可動域制限と殿筋の筋出力低下があり, 離殿時の重心の前方移動が困難で, 上肢の引き付け動作が必要と考えた. 合わせて左股関節内転, 内旋の痙性出現に繋がると考えた. 治療 屈曲と外転を中心とした左股関節可動域練習. 殿筋筋力強化練習. 動的アライメントを考慮した起立練習. 最終評価 ( 手術後 27 日 ) ROM: 左股関節屈曲 105, 伸展 5, 外転 30.MMT: 左股関節屈曲 4, 伸展 3, 外転 2, 膝関節伸展 4. 起立動作 :50cm 台は上肢支持物なしで可.40cm 台は上肢支持使用し可. 歩行 :T 字杖使用し自立. Timed Up and GO test:24 秒 考察 本症例では Hope である早期職場復帰に向けて電気店での店長として職場へ戻る必要があり, 努力を要する起立動作に着目し介入した. 股関節屈曲, 外転を中心とした関節可動域練習, 殿筋の筋力強化練習により下肢痙性の抑制を図ることで, 上肢によるプッシュアップを用いた起立動作の獲得に繋がり早期職場復帰に繋がった. しかし, 上肢による代償を用いない起立動作の獲得はまだ至っていない. また, 歩行ではまだ独歩未獲得であり杖を使用しても歩行速度としては十分ではない.Hope である早期職場復帰は達成されたが, 課題として下肢痙性に対するアプローチが少なく, 結果的に殿筋の筋出力の低下が問題点として残った. そのため殿筋の筋力強化練習とともに痙性の抑制を図っていくことを方針に外来にてフォロー中である. はじめに 右 THA を施行し, 術前からの指導により脱臼肢位の理解 動作の定着を図れた症例を経験したため報告する. 70 歳代女性. 診断名 : 右変形性股関節症. 術式 : 右 THA( 後外側アプローチ ). 現病歴 :2 年程前から右股関節痛が増悪 軽減を繰り返していたため手術目的で入院. 既往歴 : 8 年前に左 THA( 前方アプローチ ) を行い, その数か月後に何気ない後方への振り向きで前方脱臼. その 3 年後にライナー交換を行うが, 数か月後に高い位置にあるものを取ろうとした際に手術した下肢を軸にし, 後方脱臼. 入院前 ADL: 全自立. 術前評価 疼痛 (NRS): 安静時 0/10, 階段昇段時 寝返り時に右股関節全体 3~5/10. 関節可動域 ( 右 / 左 ): 股屈曲 85/105, 伸展 15/-, 外転 20/30, 外旋 20/25. 筋力 (MMT, 右 / 左 ): 腸腰筋 4/5, 中殿筋 4/-, 外旋筋 4/5, 大腿四頭筋 5/5. 歩行 : 独歩自立. 股関節 JOA スコア : 右 42 点. 経過 術前 1 日前 : 動作指導として 1 ベッドからの起居動作 : 股関節外転位にし, 体幹を回旋せず右側から起居するよう指導.2 起立動作 : 足部が膝関節より後方に位置させ, 患肢を内旋させないよう指導.3 車椅子 ベッドへの移乗動作 : 方向転換時に小刻みに足踏みを行い, 向きを変え着座し, 上半身のみが回旋しないよう指導.4 靴下 靴の着脱動作 : 股関節外転 外旋位にし, 股関節過屈曲で行わないよう指導.5 寝返り動作 : 股関節の間に枕を挟み, 体幹 股関節の回旋しないよう指導. 術後 1 日目 : 疼痛は安静時 0/10, 体動時 2/10( 創部 ). 術後 3 日目 : 骨頭の安定させるため主に外旋筋群の筋力強化練習開始. 起居 起立 移乗時に禁忌肢位を守り実施可能. 病棟内車椅子自立. 術後 8 日目 : 病棟内歩行器自立. 術後 14 日目 :T 字杖自立, シャワー自立. 術後 15 日目 : 階段昇降自立. 術後 16 日目 : 床上動作自立 屋外歩行自立. 術後 17 日目 : 入浴動作自立. 術後 23 日目 : 退院. 最終評価 疼痛 : 安静時 歩行時 0/10. 関節可動域 ( 右 ): 股屈曲 100/110, 伸展 10/-, 外転 25/35, 外旋 20/25. 筋力 ( 右 ): 腸腰筋 4/5, 中殿筋 4/-, 外旋筋 4/5, 大腿四頭筋 5/5. 移動 :T 字杖歩行自立. 股関節 JOA スコア : 右 45 点. 退院 2 ヵ月後に電話で症例に確認したところ脱臼することなく過ごせていた. 考察 頻回に脱臼し, 入退院を繰り返している本症例に対して術前から脱臼肢位の理解 動作の定着を指導し, 術後には術前と同じく動作指導を行うことが脱臼の予防に寄与すると考える. 今後,THA 施行する患者の脱臼の予防を図るためには術前から動作指導を行っていくことが望ましいと考える.

14 A-Ⅱ-3 転倒後, 廃用症候群となった症例の自宅退院を想定した家屋環境の調整について 倉嶋翼 ( いちはら病院理学療法士 ) A-Ⅱ-4 THA 後, 自覚的 機能的脚長差により歩行獲得に難渋した症例 ~ 視覚的フィードバックを利用して ~ 内藤由梨奈 ( 筑波記念病院理学療法士 ) はじめに 左大腿骨ステム周囲骨折, 恥坐骨骨折 ( 疑い ) 後, 長期臥床となり, 廃用症候群となった症例に対して, 自宅退院を想定した上で家屋環境の調整, 動作指導を行ったため, 報告する. 尚, 本症例には十分な説明を行い, 同意を得た. 症例 80 代女性, 身長 154cm, 体重 39kg. 平成 29 年 8 月に転倒, 受診時に明らかな骨折は認められず自宅安静. 受傷 4 日後, 自宅介護困難となり緊急入院. 屋内の移動は主に車椅子. トイレの出入りは手すりと扉を使用し, 伝い歩きで自立. 方向転換の際に転倒することがあった. 外出時は, 手引き歩行で玄関から車まで移動していた. 理学療法評価 ( 入院 7 日目 ) Functional Independence Measure( 以下 FIM):37 点 ( 運動 14/91 点 ). 起居 移乗 立位 : 疼痛のため未実施. 関節可動域 ( 以下 ROM): 左股関節屈曲 90. 徒手筋力検査 ( 以下 MMT): 下肢粗大筋 2, 体幹 2. 疼痛 : 運動時, 左大腿部に Numerical Rating Scale( 以下 NRS) 8/10 点. 理学療法評価 ( 入院 43 日目 ) FIM:54 点 ( 運動 31/91 点 ). 起居 移乗 立位 : 見守り ~ 軽介助. トイレ内動作 : 中等度介助 ( 下衣操作のみ介助 ). 移動 : 車椅子介助. シルバーカー歩行 階段 伝い歩き : 見守り ~ 軽介助. ROM: 左股関節屈曲 90.MMT: 下肢粗大筋 2, 体幹 2. 疼痛 : 運動時, 左大腿部に NRS1/10 点. 家屋評価 ( 入院 30 日目 ), 調整検討案 ご自宅は予め家屋環境整備が行われており, 屋内の段差解消, トイレ内に手すりが設置してあった. しかし, ベッドからトイレまでの移動は, 手すりを使用した伝い歩きが必要で, 壁を挟んで 180 周り込む必要があった. また, 扉の全開口幅は 80cm と手すり ~ 扉まで距離があり, 支持物が遠く方向転換の際に転倒する危険性があった. 外出時は, 玄関から車までの移動の際,10m 歩行後, 階段昇降を行う必要があった. これらの問題点を踏まえ, 本症例が安全に生活するため, 以下の改善案を提示した. トイレ内に縦手すりを追加した. 扉の開口幅を 40cm で固定し, 支持物となるようにした. 外出時はシルバーカー歩行 階段昇降を見守り ~ 軽介助にて行うようにした. また, トイレ 外出時の安全な介助方法の指導をご家族に実施した. 考察 FIM の点数は上がったが, 家屋評価を行い, 本症例の動作能力で在宅生活を安全に行うには, 家屋環境が不十分であると考えた. そこで, トイレ内への手すりの追加設置, 扉の固定など, 家屋環境の調整を提案し, トイレ 外出時の動作指導をご家族へ実施したことで, 退院後の生活をより安全に過ごせると考えた. はじめに 本症例は THA 後, 荷重への恐怖心と自覚的 機能的脚長差が混在していたことで, 歩行獲得に難渋した. 補高と視覚的フィードバックを用いたプログラムにより, 自立での歩行獲得に至ったため報告する 年頃より, 両変形性股関節と診断されている 60 歳代女性. 保存療法を行っていたが, 疼痛増強し左 THA を施行. 初期評価 ( 術前 ) 入院前 ADL: 独歩自立. 長距離は T 字杖歩行. 安静度 :FWB, 独歩. 疼痛 : 運動時痛左股関節近位 NRS7/10. 関節可動域 ( 右 / 左 ): 股関節内転 10/5. 筋力 (MMT, 右 / 左 ): 腸腰筋 5/4, 中殿筋 4/3, 大腿四頭筋 5/5. 経過 術後 1 病日目より理学療法を開始. 関節可動域練習, 筋力強化, 荷重練習, 歩行練習を実施し,6 病日目に本人より左下肢への荷重に恐怖心の訴えが聞かれたため, 体重計を目視させながら荷重練習を実施した.8 病日目に荷重への恐怖心軽減したが, 歩行練習を継続していく中で, 左立脚期に膝折れ様の歩行がみられ, 本人からも左下肢の脚長差の訴えが聞かれた. 画像で, 左が 1cm 長く脚長差を認めた.15 病日目, 右に補高 2cm 使用で膝折れ様の歩行は軽減したが, 常時左股関節外転位での歩容となり, 脚長差の訴えも残存.17 病日目, 鏡を使用しアライメントを修正しながら, ウエイトシフトや歩行練習実施.22 病日目, 適切な位置で荷重が行えるようになり歩容が改善, 脚長差の訴えも消失.37 病日目,T 字杖歩行での自宅退院. 最終評価 安静度 :FWB,T 字杖. 疼痛 : 安静時 動作時なし. 関節可動域 ( 左 ): 股関節内転 5. 筋力 (MMT, 右 / 左 ): 腸腰筋 5/4, 中殿筋 4/4, 大腿四頭筋 5/5. 考察 今回,THA 後脚長差のある症例に対し, 補高と視覚的フィードバックでのボディーイメージの再学習を行ったことにより, 歩行の荷重応答期での股関節内転位での荷重が学習され, 歩容の改善を認めた. 補高だけでなく適切な荷重位での股関節内転を意識した歩行を行うことの重要性を学んだ.

15 A-Ⅱ-5 転落により胸髄完全損傷を呈した高齢症例 ~ 座位バランス能力に着目して ~ 小林雅明 ( 筑波メディカルセンター病院理学療法士 ) A-Ⅲ-1 ADL が向上して余暇活動への参加が可能になった多発病的骨折を呈した多発性骨髄腫患者の理学療法を経験して 出口志穂 ( 筑波記念病院理学療法士 ) はじめに 今回, 脚立から転落して受傷した高齢胸髄完全損傷患者を担当した. 理学療法経過で端座位バランス低下を認めていた. その要因として, 本症例のコルセット装具による体幹運動制限や損傷領域以遠の感覚脱失, 腹部周囲筋群の筋力低下が影響していると考え理学療法を実施し, 以下に報告する. 症例提示 症例は,80 代男性. 平成 X 年 Y 月に転落し Th8 椎体骨折 (AO A4), Th12 脱臼骨折 (AO C type), ASIA 分類 A. 同日 Th6-L1 後方固定術, 受傷 8 日後に前方固定術を施行した. 受傷 1 日後から当院にて理学療法を開始した. 倫理的配慮, 説明と同意 今回の発表にあたり, 症例と家族に発表内容の目的と測定に関する説明を行い, 同意を得た. 経過 術後所見 : 安静度は Jewett 型コルセット着にて車椅子移乗可. 血圧安静時 100/54mmHg, 脈拍 64/ 分整. 筋力は両上肢 5, 両下肢 0, 握力右 30kg, 左 35kg で, 表在 深部感覚ともに L1 以遠は脱失, SLR 可動域は 80. 端座位は体幹を支える介助を要した. ストーク マンデビル方式座位バランス分類は Poor. 車椅子移乗は全介助. FIM 運動項目 22 点, 認知項目 35 点. SCIM セルフケア 4 点, 呼吸と排泄管理 10 点, 移動 2 点. 転院時所見 : 血圧安静時 104/52mmHg, ベッド座位時 98/54mmHg, 脈拍 68/ 分整. SLR 可動域は 110. 端座位は見守りにて保持可能. ストーク マンデビル方式座位バランス分類は Fair. 車椅子移乗では骨盤前傾にてプッシュアップを行い介助者は臀部を支える中等度介助で行えるようになっていた. FIM 運動項目 28 点, 認知項目 35 点. SCIM セルフケア 5 点, 呼吸と排泄管理 10 点, 移動 6 点. 考察 本症例は, 早期の座位や車椅子移乗動作獲得を目的に介入を進めてきた. 介入時は脊椎固定術後より脊椎の過度な前後屈運動や長坐位は Dr より禁止されており車椅子移乗は端座位経由の側方アプローチにて実施した. その為, 端座位保持が車椅子移乗獲得に向けて必要な要因である. 座位バランスはコルセットによる体幹抑制や下肢の随意性低下, 感覚障害によって低下していると考えた. 早期より骨盤の前後傾運動練習や鏡を用いて視覚情報を取り入れた端座位保持練習を進めることで, 自ら姿勢調整し端座位保持を獲得することができた. 端座位を獲得することで側方アプローチによる車椅子移乗動作の介助量が軽減し SCIM にて移動項目が転院時に向上した. 骨盤の前後傾運動による重心移動や視覚情報を取り入れた座位保持練習が座位バランスの向上に繋がったと考えられる. はじめに 多発性骨髄腫では病的骨折の合併により,ADL, 生命予後が低下するといわれており, 患者の予後を考慮し, 骨折を予防していくことが重要である. 本症例は多発病的骨折を呈していたが, 有害事象なく ADL の向上, 余暇活動への参加が可能となったため報告する. 80 歳代前半の女性で多発性骨髄腫による病的骨折を呈しており, 基本動作能力の低下がみられた. 現病歴は昨年 10 月下旬より腰背部痛が出現し, 多発性圧迫骨折があり, 精査 治療目的で入院となった. 既往に慢性腎不全があり, 抗がん剤 ( ベルケイド ) 注射は週 1 回投与していた.5 人暮らしで日中は独居. 入院前 ADL は全自立. 趣味は園芸で HOPE は菊を育てたいであった. 初期評価第 2 病日 認知機能 :HDS-R25/30 点,PS:3,KPS:40%, 疼痛 : 骨折部周囲 (Th5 ~7,L3~5) に体動時出現 (NRS:9), 筋力 :MMT3~5, 基本動作 : 寝返りは自立, 起き上がり, 座位, 起立, 立位, 移乗は見守り,ADL:FIM73 点. 問題点 疼痛, 筋力低下, 基本動作能力低下,ADL 低下, 余暇活動困難. 目標 短期 (3W) 病棟トイレ自立, 長期 (6W) ADL, 屋外歩行自立, 余暇活動参加. 治療プログラム 筋力増強運動 (Plt 値 2 万以下 : 自動運動 ), 動作指導 ( 体幹の過屈曲, 回旋防止. 家族, 訪問看護師にも同様に実施 ), 歩行練習, 余暇活動動作練習, 環境調整を中心に実施 経過 第 16 病日 : コルセット完成, 安静度疼痛内フリーとなる. 第 21 病日 : 病棟トイレ動作自立, 第 46 病日 : 自宅退院 最終評価第 46 病日 PS:1,KPS:90%, 疼痛 : 消失, 基本動作 : 全自立, 歩行 : 独歩自立, 連続歩行約 300m で疲労感訴えあり, 屋外不整地歩行可能, バランス : TUG10.0 秒,FBS55 点,ADL:FIM 93 点, 余暇活動動作 : 苗を持った状態での屋外歩行, 環境調整による適切な姿勢での園芸作業が可能. 考察 今回, 椎体の圧壊の悪化や有害事象の誘発を予防出来たことから, 本症例に実施した理学療法プログラムは適切であったと考える. しかし, 目標に ADL 自立と立てたが, 最終的に動作の定着が困難だったため, 入浴動作に見守りを要した. 今後は症例の認知面を考慮して, 多職種や家族と早期からの連携を図る必要があると考える.

16 A-Ⅲ-2 肺癌末期患者の運動負荷量に対して Borg Scale を使用し ADL 拡大を図れた症例を経験して 松本静流 ( 筑波記念病院理学療法士 ) A-Ⅲ-3 肺結核後遺症による慢性呼吸不全のため人工呼吸器管理となった症例を経験して ~ 限られた余命に対してどのように関わるか ~ 増尾訓映 ( 筑波学園病院理学療法士 ) はじめに 栗原らは,Borg Scale は運動負荷時の呼吸困難感の評価に良好な再現性があると報告している. 今回, 肺癌に伴う呼吸困難感により自宅退院が困難であった症例に対し,Borg Scale を用いて運動負荷量の調節を行った. 呼吸困難感に対する不安を軽減しながら ADL 拡大を図り, 最終的に自宅退院に繋げることができた症例を経験したので報告する. 80 歳代女性.X-2 年に右上葉肺癌と診断され, 分子標的療法と化学療法を実施した. その後オプジーボ療法を実施し, 発熱と痰がらみが認められたため, 緩和治療を目的に当院入院となった. 初回評価 (Y+3 日 ) Performance Status( 以下 PS):Grade3.SpO2 99%( 酸素 3L ネーザル ). 下肢筋力 :MMT4. 寝返り 起き上がり : 自立, 起立 : 軽介助 (Borg Scale 胸部 12 下肢 12), 移動は車椅子を使用し全介助. 体動時に呼吸困難感と全身倦怠感を認め, 日中は臥床傾向.FIM: 運動 52 点, 認知 34 点. 入院前 ADL は自立, 屋内は伝い歩きをしていた. 経過 Y+7 日に Borg Scale 胸部 13 下肢 12,SpO2 98%( 酸素 2L ネーザル ) で独歩 3m 軽介助レベルであった. その後,Borg Scale13 を目安にしながら歩行距離を延長し,Y+12 日に Borg Scale 胸部 13 下肢 12,SpO2 96%( ルームエアー ) で T 字杖歩行 10m 見守りレベルとなり,Y+14 日より呼吸困難感を認めないときは手引きにて病棟トイレ歩行可能となった.Y+17 日に Borg Scale 胸部 13 下肢 12,SpO2 94%( ルームエアー ) で片手すりにて 20cm 段差昇降見守りレベルで可能,Y+20 日に Borg Scale 胸部 13 下肢 11,SpO2 96%( ルームエアー ) で T 字杖歩行 40m 見守りレベルとなった. 体動時の呼吸困難感は軽減し, 日中ベッド上座位で過ごすことが増えた.Y+21 日に自宅退院となった. 考察 本症例は肺癌末期であり, 初回評価時は起居や起立時に SpO2 は低下しなかったが, 呼吸困難感や全身倦怠感を認めており, 本症例も運動することに不安を感じていた. 呼吸困難感の有無だけでは運動負荷量の調節が困難だったため, 運動負荷量の調節に Borg Scale を用いた.Borg Scale を使用することでどのくらいの運動量で呼吸困難感が生じるかをセラピストと本症例が共有出来たことにより, 運動を継続しやすい環境を作ることができ, 運動耐容能の改善に繋がったと考えられる. 本症例を通して, 運動負荷量の調節が難しい患者でも, 主観的評価のできる Borg Scale を用いて患者自身が呼吸困難感を自覚することで,ADL 拡大に繋げられることを学んだ. はじめに 10 代に肺結核のため胸郭形成を施行し, 盲腸癌術後に人工呼吸器を離脱困難となった症例を経験した. 術前の余命は半年とされている中で長期人工呼吸器管理となった症例に対し理学療法士としての関わり方を考えさせられたためここに報告する. 80 歳代男性, 診断名 : 盲腸癌 (StageⅣ), 現病歴 : 腸重積のため入院となり, 盲腸癌の診断にて緊急手術を施行した. 術後挿管管理となったが, 離脱困難であったため気管切開し人工呼吸器管理となった. 入院前は妻と 2 人暮らし ( 子供 2 人は海外在住 ). 摂食訓練および発生訓練を中心に言語聴覚士も介入していた. 理学療法評価 コミュニケーション : 気切しており発声は困難であるが, 頷きや首振りでの表出あり,RASS:0~ 1,GCS:E4V1M4, 人工呼吸器の設定 :SIMV モード,FiO2 0.21,SpO2 96~98%, 呼吸数 :24~45 回 / 分, 筋緊張 : 頸部 上下肢は高緊張であり随意運動は少ない, 基本動作 ADL: 全介助 経過 術後 7 日目より理学療法が開始となり,HCU にてウィニングを試みたが喀痰困難, 無呼吸となったため再挿管となり, 術後 10 日目に気管切開となった. 術後 30 日程は状態安定せず, ベッド上で呼吸介助やスクウィージング, 体位ドレナージをで排痰を促すことで肺ケアを中心に実施していた. その後, 一般病棟へ移動し, 家族とコミュニケーションをとることが増えたことで家族の訴えや希望を聴取することができた. 介入目的や内容を再検討し, 主治医や看護師に協力を依頼し車いすへの乗車を行っていくこととなった. しかし, 呼吸器が中央配管と接続されているため, 病室から出ることは困難かと思われたが, 医師にアンビューバックを使用してもらい, 看護師 理学療法士で血圧やサチュレーションのリスク管理を行うことで病室から出ることができた. まとめ 介入当初は離床を図れていない状況であったが, カンファレンスを行い医師や看護師に協力を依頼していくことで車いすに乗車し, 病室から出ることができた. 余命を超えた現在も離床しており,1 時間程であれば人工鼻で車いすに乗車していることも可能となっている. 目先の目標は屋外への外出や介護タクシーや医療者が同席のもと自宅への外出を行っていければと考えている.

17 A-Ⅲ-4 慢性閉塞性肺疾患を呈した症例の理学療法を経験して 杉田昂翼 ( 筑波記念病院理学療法士 ) A-Ⅲ-5 術前からせん妄を呈していた冠動脈バイパス術を施行した患者を経験して 伊澤希 ( 筑波記念病院理学療法士 ) はじめに 今回, 右気胸を主病変とし, 慢性閉塞性肺疾患を呈した患者に対し, 呼吸困難感軽減を目的に, リラクゼーション, 胸郭可動性練習, 呼吸練習などのコンディショニングを実施した. その結果, 呼吸困難感が軽減し, 歩行距離の延長, 活動量の向上につながった. 症例 80 歳代の男性. 診断名は右気胸. 既往歴は慢性閉塞性肺疾患, 肺線維症.HOPE は呼吸を楽にしたい. 入院前 ADL は, 入院 1 週間前より呼吸困難感のため, 主にベッド上にて生活されていた. 経過 1 病日目, 呼吸機能は, 胸郭運動が著明に低下し, 触診にて呼吸補助筋の過緊張が認められた. 呼吸困難感の程度は Hugh-Jones 分類 Ⅴ,MRC 息切れスケール Grade5 であった. 胸郭可動性向上, 呼吸補助筋の過緊張軽減に対し, 胸郭ストレッチ, 口すぼめ呼吸, シルベスター法等のコンディショニングを実施した. 実施後は SpO2 が 94% から 96% に変化し, 呼吸数 30 回 / 分から 27 回 / 分と即時効果が認められた.3 病日目, コンディショニングを継続して実施し, 歩行練習を開始した.10m 歩行後, 努力性頻呼吸, 息切れが著明に出現した.SpO2 は 95% から 90%, 呼吸数は 29 回 / 分から 34 回 / 分と変化した. 口すぼめ呼吸, 腹式呼吸を反復して練習し, さらに自主練習として指導することで呼吸パターンを定着させた.9 病日目, 連続歩行は 30m まで可能となり, 歩行後の SpO2 は 96% から 97% を維持, 呼吸数は 29 回 / 分から 30 回 / 分となった.14 病日目より ADL 練習を開始した.ADL 練習後においても,SpO2 97% を維持していた.24 病日目, 呼吸困難感の程度は Hugh-Jones 分類 Ⅳ,MRC 息切れスケール Grade4, 胸郭拡張差は腋窩部 1.0cm, 剣状突起部 1.5cm, 第 10 肋骨部 1.5cm となり, 連続歩行は 50m まで可能となり, 退院後も自主練習を継続するよう指導し, 自宅退院となった. 考察 高橋らは 慢性閉塞性肺疾患の患者では呼吸困難感の増加に不活動を伴い,deconditioning を形成する悪循環が存在する と報告している. 今回, 胸郭ストレッチ, 口すぼめ呼吸, シルベスター法等のコンディショニングを中心に行った呼吸理学療法プログラムでは, 呼吸補助筋の作用を軽減させ, 胸郭可動性が向上し一回換気量が改善したと考えられ, 呼吸困難感の軽減に対し効果的であったと考える. 今後の生活を考慮し, 呼吸困難感が増悪しないためにも, 自主練習を継続して頂くよう指導したが, 実際に継続しているかの確認等を行い, 教育をすることで, 悪循環を断ち切ることが今後の検討課題であると考える. はじめに 先行研究より, せん妄が長期化すると術後合併症, 入院の長期化, 機能障害の長期化, 入院中及び退院後数ヶ月以内に死亡する危険性が高いとされている. 今回術前からせん妄を呈しており, 術後も遷延し長期化する可能性が高かった症例を経験したので報告する. 70 歳代後半女性. 診断名 : 狭心症三枝病変. 現病歴 :2017 年 7 月上旬に胸痛を自覚し近医受診. 急性冠症候群が疑われ緊急入院するも, 高度腎機能障害があり保存的にみていた. 症状繰り返すため 9 月上旬前医に転院搬送. 冠動脈造影にて三枝病変を認め,CABG 施行目的に 9 月中旬当院に転院,X 日に CABG 左心耳閉鎖術施行. 既往歴 : 弁膜症, 心肥大, 右大腿骨骨折, 慢性硬膜下血腫. 入院前 ADL: 清拭 ( シャワー浴 ) 以外自立. 初回評価 :X-1 日 意識レベル :JCSI-1.Intensive Care Delirium Screening Checklist( 以下 ICDSC):4 点. 夜間に点滴自己抜去. 関節可動域 : 著明な制限なし. 筋力 : 両上下肢 MMT4. 基本動作 : 寝返り自立. 認知機能 :HDS-R8/30,MMSE14/30. 昼夜逆転していた. プログラム 1 見当識の確認 2 ストレッチ 3 日中の離床機会を増やすために基本動作練習, 歩行練習 4 筋力強化練習 経過 X+1 日 :ICDSC:2 点. 危険行動なし.X+2 日 :ICDSC:2 点.U 字型歩行器で 20m 歩行可.X+3 日 : この日より午前 1 回, 午後 2 回の介入開始.ICDSC:4 点. 急に起き上がりつじつまの合わない言動あり.U 字型歩行器で 30m 歩行可.X+4 日 :ICDSC:4 点. 正中創カラヤヘッシブを自ら剥がし創部露出してしまう.X+5 日 :ICDSC:2 点. 危険行動なし.X+10 日 :ICDSC:1 点. せん妄症状なし.T 字杖で 40m 歩行可.X+12 日 : 転院.ICDSC:1 点. せん妄症状なし. 最終評価 :X+11 日 意識レベル : 清明.ICDSC:1 点. せん妄症状なし. 筋力 : 両上下肢 MMT4. 基本動作 : 起き上がり ; 胸骨保護動作の指導が必要なため見守り. 起立 ; 自立. 歩行 :T 字杖で 40m 歩行可. 認知機能 :HDS-R24/30,MMSE22/30. 昼夜逆転が改善され生活リズムが是正された. 考察 今回, 術前からせん妄を呈していた患者に対して見当識の確認や離床を含めた理学療法を頻回に実施したところ,X+5 日にせん妄が改善した. しかし,X+3 日から X+4 日にかけて ICDSC の点数が上がってしまった. より早期にせん妄の改善を図るには術後早期から理学療法の介入だけでなく, 看護師と連携して離床機会を増やすことが必要と考える.

18 A-Ⅲ-6 安静度制限下における超高齢心不全患者の理学療法を経験して 今井伸 ( 筑波記念病院理学療法士 ) A-Ⅳ-1 前十字靱帯再建術後, 下腿腫脹と疼痛が遷延した症例 木村恵太 ( いちはら病院理学療法士 ) はじめに 心不全にて緊急入院した 90 歳代の患者である. 入院時に Alb の低値を示し, 下肢筋力や ADL の低下が予測され, さらにはカテコラミン持続点滴により,2 週間ベッドサイドでの活動を余儀なくされた. そのため廃用リスクが高いと考え, 早期から廃用予防と歩行獲得を見据えた理学療法 ( 以下 PT) を実施し, 独歩での退院を実現できたので報告する. 診断名 : 心不全. 現病歴 : 感冒様症状にて近医受診後, 内服薬を処方され帰宅した. 呼吸困難感があり, 再度受診した所, 心不全を疑われ当院へ紹介入院. 一般病棟にて 4 病日目に演者が担当. 既往歴 : 高血圧, 脳梗塞. 社会的情報 :6 人暮らし, 入院前歩行様式 : 独歩 初期評価 意識清明, 難聴 認知機能の低下があるも簡単なやり取り可能,Nohria-Stevenson Profile L,NYHA 分類 Ⅲ 度, 生化学データ :Alb2.9,BNP1697.4,CRP9.14, 筋力 : 両上下肢, 体幹 MMT4, 基本動作自立, 歩行 : 安静度より未実施 目標 20 病日目で独歩にて自宅退院 経過 入院時, 急性期治療として酸素療法, 利尿薬 カテコラミン持続点滴開始. 安静度ベッドサイド ( 立位可 ).4 病日目より医師から PT 開始の指示があり, ベッドサイドにて早期から抗重力筋の筋力トレーニングと起立 着席練習を実施した. この際, 運動負荷試験の判定基準を留意して実施した. 次介入時, 運動負荷強度が適切であったかを体重やバイタルサインの推移にて推察し, 適宜強度を修正し PT を進めた.14 病日目より酸素療法 カテコラミン持続点滴が終了し安静度トイレ歩行となり, 見守りにて独歩でトイレ歩行を可能となった. 継続して歩行練習を実施し,23 病日目に独歩にて自宅退院となった. 最終評価 ( 変化点のみ記載 ) Nohria-Stevenson Profile A,NYHA 分類 Ⅰ 度, 生化学データ :Alb4.2,BNP274.7,CRP0.04, 退院時歩行様式 : 独歩 考察 先行研究より, 廃用による筋萎縮は, 抗重力筋や大きな筋肉で顕著となり, 起立 着席訓練などの下肢訓練の量を多くすることは, 歩行能力の改善のために強く勧められると報告されている. 本症例においても, 抗重力筋の筋力トレーニングと起立 着席練習を適用し, 早期から安全 有効限界を考慮し実施することで, 心不全の増悪無く, 廃用を予防し歩行能力を維持出来たと考える. 高齢心不全患者は急性期治療に伴い, 下肢筋力が低下し, 歩行能力が低下する可能性が高いと報告される. しかし, 本症例の経過を通して, 急性期治療の中においても, 運動負荷のリスクを考慮しながら PT を行うことで, 超高齢であっても歩行能力を維持し得ることが示唆された. はじめに 前十字靱帯 (ACL) 再建術を施行し, 著明な下腿腫脹と疼痛が 14 日以上にわたり遷延した患者に対し, 腫脹改善を図った結果, 疼痛が軽減し関節可動域 (ROM) 改善に至ったため, 以下に報告する. 症例 10 歳代, 男性. 診断名 : 右 ACL 損傷, 右外側半月板損傷. 現病歴 : 平成 29 年 8 月サッカーの試合中に受傷. 11 月, 当院にて右 ACL 再建術と外側半月板縫合術施行. 今回, 患者に対し発表する旨を説明し, 同意を得た. 初期評価 ( 術後 2 日目 ) 触診 : 術創部周囲及び右下腿全域の熱感 腫脹. 疼痛 : 動作時術創部痛, 安静時及び表皮レベルの触診にて右下腿全面に疼痛, 右足関節自動他動背屈時に右下腿痛 (NRS:8/10). 周径 ( 術前比 ): 膝蓋骨上 10 cm (+1.0 cm ), 膝蓋骨上 5 cm (+2.5 cm ), 膝蓋骨上 0 cm (+4.0 cm ), 下腿最大 (+4.0 cm ). 荷重 : 不可. 血液データ :CRP(0.81),D ダイマー (10.6). 投薬 : 術後 2 日目より抗凝固剤投与. 経過 ( 術後 7 日目 ) 触診 : 術後 2 日と変化なし. 疼痛 : 変化なし.ROM: 右膝関節伸展 15, 屈曲 60. 周径 ( 術後 2 日目比較 ): 膝蓋骨上 10 cm ( 1.0 cm ), 膝蓋骨上 5 cm ( 0.5 cm ), 膝蓋骨上 0 cm ( 0.5 cm ), 下腿最大 ( 0.5 cm ). 荷重 : 不可. 血液データ :CRP(0.93),D ダイマー (6.4). 医師情報 : 服薬の影響でコンパートメント症候群様の症状が出現しているとの報告あり. 治療方針 腫脹改善を図ることで疼痛が軽減し,ROM 改善に繋がると考えた. 疼痛が著明で右膝 足関節での運動及び触診が困難であったため, 患肢全体の血流改善を目的に股関節運動や弾性包帯の使用等を実施した. また, 疼痛に合わせて可及的に足趾 足関節運動を自主トレーニングとして追加した. 結果 ( 術後 14 日目 ) 触診 : 右膝関節, 下腿部の熱感 腫脹軽減. 疼痛 :NRS4/10 へ減少. 周径 ( 術後 2 日目比較 ): 膝蓋骨上 10 cm ( 1.5 cm ), 膝蓋骨上 5 cm ( 2 cm ), 膝蓋骨上 0 cm ( 1.5 cm ), 下腿最大 ( 1.0 cm ). 荷重 :Toe touch での歩行. 考察 ACL 再建術後にコンパートメント症候群に至るという報告は演者の渉猟し得る限り認められない. 今回, 服薬や理学所見などから炎症症状の程度や原因を把握し, 適切なアプローチを行ったことで, その後の身体機能への悪影響を最小限に留めることができた. これにより今後, 荷重量増加や筋力向上を目的とした通常の ACL 再建術後のリハビリテーションに繋げられると考える.

19 A-Ⅳ-2 両外脛骨障害を呈した症例 ~ 足部アライメントに着目して ~ 庄司貴弘 ( 広瀬医院理学療法士 ) A-Ⅳ-3 義足歩行獲得を目標に介入した右大腿切断後の症例 ~ 切断後の早期歩行練習の取り組み ~ 杉野裕仁 ( 筑波メディカルセンター病院理学療法士 ) はじめに 両外脛骨障害と診断を受け, 理学療法を施行した一例について報告する. 10 歳代女性. サッカー, クラブチーム所属. 既往歴 : 両足関節内反捻挫. 平成 29.7 頃よりランニング時, ジャンプ着地時に右足部内側痛出現. 平成 29.9 より当院受診し理学療法開始. 経過 ( 初期評価 ) 疼痛検査 : 右足部内側 (NRS6/10). 圧痛 : 舟状骨, 後脛骨筋. 動作時痛 : ランニング時, ジャンプ着地時出現. 徒手筋力検査 : 足関節内返し ( 前脛骨筋, 後脛骨筋 )4, 足関節外返し ( 腓骨筋 )4.X-P 所見 :Calcaneal pitch10. アライメント : 足部内反位,Leg-heel-angle 右回内 10,Navicular Index13%. 片脚立位時距骨下関節回内位, 内側縦アーチ低下. ランニング時 mid-support 時に右距骨下関節回内位, 内側縦アーチ低下,Knee in toe-out を認める. 治療 : 足部内側荷重による後脛骨筋の伸張ストレスが疼痛の主な原因と考え, 距骨下関節回内位, 内側縦アーチの補正, 静的 動的アライメントにおいて足部内側荷重から外側誘導する事を目標とした. 距骨下関節回内位, 内側縦アーチ低下に対し前脛骨筋, 後脛骨筋の筋出力向上 ( チューブエクササイズ ), 距骨下関節回内制動に対し内側縦アーチサポート処方. ランニング時, ジャンプ着地時の Knee in toe-out に対し荷重位での動作訓練 ( 足部協調性運動 ) 実施. 最終評価 (4 週後 ): 練習時, 足関節内反捻挫にて当院受診. 外脛骨疼痛消失. 考察 Sella EJ らは, 後脛骨筋が伸張する事で外脛骨と舟状骨間の軟骨結合部に強大な張力と剪断力が加わると述べている. 本症例も同様に動的アライメントにて距骨下関節回内位, 内側縦アーチ低下,Knee in toe-out を認め, 足部内側荷重が集中し, 後脛骨筋の伸張ストレスにより疼痛が出現したと考える. そのため, 前脛骨筋, 後脛骨筋筋出力向上, 内側縦アーチサポート処方する事で, ランニング時, ジャンプ着地時の距骨下関節を回外方向に誘導し荷重位置を外側に修正する事で, 疼痛軽減に繋がったと考える. また, 本症例は内反捻挫の既往があり最終評価時に再受傷を認めた. 吉田らは, 陳旧性の前距腓靭帯損傷後に二次的な障害として, 距骨の前外側回旋不安定症があると足部内返し方向への異常可動性を招きやすくなると述べ, 荷重位置を外側方向に誘導する事で, 内反捻挫のリスクが高くなると考える. 今回の症例を通して, 捻挫の既往がある対象者に対し, 足底板処方時には, 内反捻挫の再受傷に注意する必要があると考える. はじめに 両側重症下肢虚血 ( 以下 CLI) に対し, 右大腿切断となった症例を担当した. 当院では義足処方に至らなかったが, 義足歩行獲得に向けた介入により ADL 改善が得られたため報告する. 症例 60 代男性, 入院前は ADL 自立. 既往に糖尿病, 高血圧, ネフローゼ症候群 ( 透析療法 ), 狭心症, 慢性心不全, 左総腸骨動脈ステント留置術があった. 足首上腕血圧比右 1.16 左 0.87, 脈波伝播速度 27.80m/sec, 左室駆出率 40-45%, 血色素量 8.7g/dl であった. 1 病日, シャント不全のため経皮的血管形成術施行を目的に当院へ入院.Fontain 分類 Ⅲ の右 CLI により大腿動脈 - 膝窩動脈バイパス術となるが虚血進行,10 病日に右大腿切断となった. 経過 14 病日より理学療法介入. 意識清明, 安静時 NRS 創部痛 5 足部末端に鋭い幻肢痛 5, 関節可動域は右股関節伸展 0 度 内転 5 度, 左足部背屈 0 度,MMT は両上肢左下肢 4,BI35 点. 義足歩行獲得に向けて左下肢の筋力, 背屈可動域, 歩行距離の改善が必要であり, 起立練習, 歩行練習を中心に実施した. 介入時間は透析療法のスケジュールに合わせた調整を行い, リラクゼーションや休憩を挟む疼痛対応で継続的な運動療法を実施した.15 病日より平行棒内で歩行開始,16 病日より両手支持見守りで移乗可能となった.22 病日よりピックアップウォーカー ( 以下 PUW) 歩行を開始,28 病日 PUW 歩行は連続 15m まで可能となった. 当院では義足処方はせず,40 病日に転院. 最終評価は動作時 NRS 腰背部 3, 関節可動域は右股関節伸展 5 度内転 10 度,MMT は両上肢 4, 左下肢 4,PUW 歩行は連続 20m 可能, 移乗自立に伴い BI70 点となり, 車椅子レベルの ADL 獲得となった. 考察 末梢循環障害による下肢切断の 5 年後死亡率は 60-70% とされ,65 歳以上の大腿義足歩行獲得率は 9-15% とされている.CLI による切断者はそれぞれが慢性疾患を既往に持ち, 個々の疾患を加味した義足の適応判断と義足歩行獲得に向けた対応が必要である. 症例の義足歩行獲得の可能性は低いものの, 本症例は義足歩行獲得の意欲が強く, 左下肢機能も保たれているため, 車椅子併用 ADL 自立が可能と考えられた. 義足歩行獲得に向けては起立練習, 歩行練習を積極的に行う必要があったが, 阻害要因として運動耐容能が低く, 左 CLI, 心機能の低下, 貧血, 透析療法後の疲労が考えられた. 透析療法のスケジュールに合わせた介入時間の調整を行い, リラクゼーションや休憩を挟む対応を行うことで歩行練習を継続的に実施し,ADL 改善が得られたと考える.

20 A-Ⅳ-4 セルフケアにより料理中の不良姿勢及び慢性的な腰痛が消失した症例 吉田香奈 ( 広瀬医院理学療法士 ) A-Ⅳ-5 THA 施行後背臥位時の鼠径部 腰部痛が出現した症例 ~ 股関節伸展制限に着目して ~ 長岳美幸 ( いちはら病院理学療法士 ) 症例 60 歳代女性.H27.10 料理中に腰痛出現.H29.6 腰椎すべり症と診断され理学療法開始. 経過 初期評価時 (H29.6) 疼痛, 圧痛 :L1,L2 レベルの脊柱起立筋 (NRS5/10). 疼痛出現肢位 : 体幹軽度前屈保持, 長時間立位保持. 姿勢保持困難のため, 料理台に左側 on-elbow となり休息. 腹臥位で他動的に仙骨を振幅すると ( 下位から上位 )Th12 以上の分節的な動きはみられず, 肩甲骨を振幅すると ( 上位から下位 )Th6 以下は分節的な動きはみられなかった.MMT: 体幹屈曲 2.X 線 :L1,L2 すべり, 左側弯. 疼痛の解釈 : 料理台が L1,L2 の高さであり, 下位胸椎の mobility 低下による上位腰椎優位の前屈であった. そのため, 長時間の作業反復に伴い L1,L2 レベルの脊柱起立筋が受動的に伸張された状態となったことが疼痛の原因と考える. 治療 : 下位胸椎の mobility 獲得, 腹筋群の筋力向上による腰椎への負担軽減, 再発予防を目的に, 胸椎 ex, 体幹 ex 等のセルフケアを中心に実施し, 鏡を用いた姿勢の視覚的フィードバックを自己管理の方法とした. 再評価 (H30.1) 疼痛 : 腰部 -. 軽度前屈保持, 長時間立位保持可能. 他動での仙骨及び肩甲骨の振幅で胸腰椎の分節的な動き出現.MMT: 体幹屈曲 4. なお, 本症例には発表する趣旨を説明し, 同意を得た. 考察 本症例の腰痛は, 立位保持及び料理中の体幹軽度前屈保持にて出現し, 上位腰椎優位の前屈が特徴であった. 下位胸椎の mobility 低下, 腹筋群 MMT2 であることから, 上位腰椎優位の可動に対し, 体幹筋力低下による体幹安定性低下が示唆された. 胸腰椎移行部では脊柱起立筋の占める割合が多く, 菊地は, 立位中間や立位前屈での筋内圧は, 臥位時に比べて高いと述べている. 下位胸椎の mobility 低下により, 上位腰椎優位の前屈を反復したことで L1,L2 レベルの脊柱起立筋が受動的に伸張された状態となり, 筋内圧上昇, 血流量が低下し腰痛が生じたと考えた. 疼痛により料理中の姿勢保持困難となり, 疼痛回避肢位を長期間継続したことで立位姿勢不良が生じたと推測した. そのため, 視覚的フィードバックにより不良姿勢の理解, 修正を行った. また, 本症例は疼痛に対する悲観的心理から活動量低下傾向があり, 痛みの破局化や自己効力感の低下による不活発状態も慢性化の要因と考えられる. 胸椎 ex, 体幹 ex でセルフケアを行い, 視覚的フィードバックで姿勢改善を実感することで自己効力感の向上を図ったことも良好な結果をもたらした要因と考える. はじめに 左変形性股関節症と診断され,Total Hip Arthroplasty( 以下 THA) を施行後, 背臥位時に鼠径部痛と腰部痛が出現した症例を担当した. 手術後の大腰筋スパズムに着目し, 股関節伸展可動域の改善を図り, 疼痛の軽減に至ったため, 以下に報告する. 50 歳代前半女性. 現病歴 :10 歳代から左股関節に違和感があったが疼痛等無く経過し, 約 1 年前より左股関節痛が出現し,THA を施行. 既往歴 : 第 4-5 腰椎前方すべり症, 子宮筋腫 ( 子宮全摘出術施行 ). 手術前の身体機能は左股関節伸展 ROM5. 背臥位姿勢は過度な腰椎前弯は認めない. 疼痛は立脚期に鼠径部, 荷物を抱えた際に腰部に出現し, 背臥位時の疼痛は認めない. 手術後初期評価 ( 術後 6 日 ) 左股関節伸展 ROM-25.Ely test Thomas Test 陽性. 背臥位姿勢は腰部に 2 横指程度入り, 腰椎前弯が増強している. 疼痛は大腰筋に圧痛があり, 背臥位時に左鼠径部痛 NRS8/10, 腰部 ( 第 4-5 腰椎レベルの最長筋 )NRS8/10. 治療方針 大腰筋スパズムにより, 股関節伸展制限が生じ ( 鼠径部痛の出現 ), 骨盤前傾位となり腰痛前弯が増強 ( 腰部痛の出現 ) したと考える. 上記から大腰筋スパズムに着目した. 治療 大腰筋中心に治療を実施した.1 マッサージ 2 圧迫によるストレッチ 3 左大腰筋の遠心性収縮を促すため, 右下肢の振り出しを実施 1~3 を自主トレ ニングとし, ベッド上では左大腰筋短縮による左股関節屈曲拘縮予防のため腹臥位を多くとるよう指導した. 最終評価 ( 術後 27 日 ) 左股関節伸展 ROM0. 背臥位姿勢は, 過度な前弯は認めない. 疼痛は大腰筋の圧痛が軽減し, 背臥位時に左鼠径部痛 NRS3/10, 腰部 NRS3/10 へ減少. 考察 大腰筋スパズムによる股関節伸展制限に着目し, 大腰筋中心に治療を行ったところ左股関節伸展可動域が拡大し, 左鼠径部痛と腰部痛が軽減した. 一方退院時でも左股関節伸展 0 と制限があり, 左鼠径部痛 腰部痛は残存しており, スパズムによる股関節伸展制限は改善されたが, 手術前からの大腰筋の短縮の影響が考えられた.

21 B-Ⅰ-1 立位アライメント修正と立位荷重練習を実施し歩行能力が向上した症例 吉田和希 ( つくば双愛病院理学療法士 ) B-Ⅰ-2 心不全患者の理学療法を経験して 呼吸困難感に着目して 田村友基 ( 筑波記念病院理学療法士 ) はじめに 今回立位アライメントの改善に伴い歩行能力が向上した症例に対し発表の同意を得た為以下に報告する. 70 代女性, 既往歴 :H24.5 頸髄損傷,H25.3: 左大腿骨頚部骨折. 家族構成 : キーパーソンの息子と 2 人暮らし. 自宅内 ADL: 歩行器,T 字杖見守りにて歩行. 通所リハビリテーションを週 5 回利用. HOPE: 他利用者と同じ位の速度で歩けるようになりたい.NEED: 歩行速度向上. 初期評価 < 歩行時 T 字杖使用 > 歩行 : 両立脚期下肢荷重量低下. 両遊脚期股 膝関節屈曲減少, クリアランス低下と歩幅の減少.Timed Up and GO( 以下 TUG): 左回り 49.5 秒.10m 歩行 :95.5 秒,68 歩. 立位姿勢 : 体幹左回旋, 左側屈. 骨盤前屈, 左挙上, 右下制, 右回旋. 左前方注視. 立位荷重量 : 右 16 kg左 20 kg, 最大荷重量 : 左右 25 kg, 踏み出し : 左下肢 30 kg右下肢 25 kg. 筋力 (MMT): 体幹 3~5 左下肢 3~4 右下肢 4~5. 感覚 : 表在 深部共に左上下肢中等度鈍麻. 筋緊張 : 左上下肢亢進 ( 左腸腰筋, 左内外腹斜筋著明 ). 経過 H29.12/25~H30.1/27 まで週 4~5 回 1 回につき約 20 分, 治療プログラムとして筋緊張亢進に対して 1 ストレッチング 2ROM-EX を実施し, その後拮抗筋の筋出力向上の為に 3 筋力増強練習の実施.4 立位訓練は, 鏡を用いて自分の姿勢を見てもらい (1) 自己修正 (2) 口頭指示 (3) 徒手的矯正を順に実施. また, 姿勢矯正した後 T 字杖を把持し体重計上で左右への骨盤誘導による 5 荷重練習実施. リハビリ以外の時間は他利用者様と自主トレを実施. 最終評価 < 変化点のみ記載 > 歩行 : 左遊脚期時間の向上と歩幅の増加.TUG: 左回り 48.9 秒.10m 歩行 :41.8 秒,61 歩. 立位姿勢 : 体幹の左回旋, 左側屈と骨盤の左挙上, 右下制, 右回旋の軽度改善, 左前方注視改善. 最大荷重量 : 右 30 kg, 踏み出し : 左下肢 35 kg. 考察 長期の立位姿勢アライメント不良における影響で立位安定性の低下があり, 左腸腰筋, 左内外腹斜筋の筋緊張亢進また, 左右最大荷重量低下の為歩行速度低下, ふらつきがみられていると考えた. 治療プログラムを実施した結果, 立位アライメントの軽度改善, 立位時の右側最大荷重量増加がみられた事で, 右立脚期延長に繋がり左遊脚期時のクリアランスが確保され,10m 歩行で時間 歩数の減少がみられたと考えた. また, 他利用者様か 歩くの早くなったね と声掛けがあり本症例のリハビリの意欲向上,HOPE に近づいたと考えた. 今回症例を通し立位アライメントと歩行時立脚期の安定性にて相関関係があると考えた. はじめに うっ血性心不全を呈した 80 才代女性に対し, 筋力増強運動と並行して病態に合わせた歩行練習を行った. 結果, 呼吸困難感の改善を認め, 屋内歩行が可能となったため以下に報告する. 現病歴 : 大動脈弁置換術を 9 年前に施行. 心不全にて 3 度の入院歴あり. 今回, 呼吸困難感を主訴に心不全の診断にて入院となる. 胸部レントゲン : 胸水貯留, 肺うっ血あり. 生化学検査 :BNP(830.0pg/ml). 心エコー :LVEF60%. 入院前生活 : 屋内独歩自立 ( 居室からトイレまで 5m). 日中独居. 初回評価 NYHA 分類 Ⅲ, 血圧 130/55mHg, 心拍数 75bpm, 経皮的酸素飽和度 ( 以下 SpO 2 )94%(4l 鼻カニューラ ). 聴診 : 両下肺にて水泡音聴取. 筋力 : 両下肢 MMT4 5. 基本動作 : 寝返りと起き上がりは見守り. 座位保持自立. 起立動作はベッド柵把持し見守り ( 呼吸困難感あり,SpO 2 91%,Borg 指数 14). 問題点 労作時呼吸困難感, 運動耐容能低下, 廃用症候群進行リスク. 目標 2 週間で屋内伝い歩き自立での自宅退院. 経過 2 病日より理学療法開始. 筋力増強運動は, 大筋群に対し 2 病日から 19 病日まで行った. 呼吸困難感を考慮し,15 病日まで非侵襲的陽圧換気療法併用下にて行った.9 病日より歩行練習を開始した. バイタルサイン,Borg 指数, 疲労感, 体重, 食事摂取量, 表情を歩行距離拡大の指標とした.12 病日酸素吸入 OFF となったが,5m の歩行でも SpO 2 88% と低下を認め,Borg 指数 14 であった.13 病日より酸素 1l にて歩行練習を行った. また, 歩行時の呼吸困難感, 肺胞呼吸音の改善がみられ, 食事摂取量も増えてきたため, 歩行距離の拡大を図った. 入院中は心不全の増悪がなく,19 病日には, 酸素吸入 1l にて 70m の歩行でも Borg 指数 11 と呼吸困難感なく行えるようになった. 在宅酸素療法を導入し,20 病日に自宅退院となった. 考察 筋力増強運動と並行し, 病態に沿って歩行練習を実施した. 結果, 運動耐容能が改善し, 呼吸困難感を認めずに屋内歩行が可能となった. これは, 運動療法による末梢効果 ( 骨格筋 ) が一助となった可能性が考えられた.

22 B-Ⅰ-3 僧帽弁輪形成術後に生じた酸素化不良に対して早期離床を目的に非侵襲的陽圧換気療法を使用した症例 千葉明香里 ( 筑波記念病院理学療法士 ) B-Ⅰ-4 化学療法実施中の倦怠感により活動制限を呈した悪性リンパ腫の一症例 佐藤翼 ( 筑波記念病院理学療法士 ) はじめに 本症例は,80 歳代の後期高齢女性で僧帽弁逸脱症を羅患し僧帽弁輪形成術を施行した. その後, 胸水貯留, 呼吸数増加に伴う呼吸仕事量の増大と換気能力の低下による酸素化不良を伴いながらも早期離床を目標に非侵襲的陽圧換気療法 (NPPV) を使用した. その結果, ガイドラインに基づいて離床を順調に進めることができた. 年齢 :80 歳代. 性別 : 女性. 身長 :149cm. 体重 :50kg. 診断名 : 僧帽弁逸脱症. 現病歴 僧帽弁逸脱による重度の僧帽弁閉鎖不全症を認め, 手術目的に入院し僧帽弁輪形成術を施行した. 既往歴 高血圧, 高脂血症. 初回評価 意識レベル : 清明.NYHA 分類 :Ⅰ. 呼吸機能 :%VC127%,FEV 1.0 % 82.8%. 経皮的血酸素飽和度 ( 以下 SpO 2 )97%, 呼吸数 16 回 / 分. 筋力 :MMT 下肢 4 レベル. 基本動作能力 :: 独歩自立. 経過 術後 1 日目から胸部レントゲンにて胸水貯留が認められ両側下肺の部分無気肺があり, 両側下肺の拡張音も減弱していた. 呼吸パターンは正常で呼吸数は 24 回 / 分, 努力呼吸はみられなかったが喀痰が認められた.5L の酸素投与で安静時の SpO 2 が 94%~ 98% であり, 更衣動作後 SpO 2 が 91~92% と低下がみられ病棟でも NPPV を FiO 2 60% で適宜実施していた.NPPV を起立動作時にも装着し SpO 2 の低下を認めず実施可能であった. 術後 2 日目,3 日目にも痰貯留は認められ胸水も残存しており,NPPV を運動前に実施しながら歩行練習を進め, 術後 5 日目では, SpO 2 95% を保持したまま酸素投与なく 100m 歩行が可能となった. 術後 8 日目では, 独歩自立で自宅退院となった. 考察 本症例は,80 歳代の女性で僧帽弁輪形成術を施行した後, 胸水貯留, 呼吸数増加に伴う呼吸仕事量の増大と換気能力の低下による酸素化不良を生じていたため酸素化能の改善による無気肺や肺炎の予防が必要であり NPPV を早期に用いて早期の離床を図った. その結果, 本症例は, ガイドラインである術後 4 から 5 日目での歩行自立が達成可能となった. NPPV を使用することで換気の補助として働き酸素化能を改善しながら起立または歩行を行うことで心肺機能に対する負担を軽減できたためスムーズな離床が可能となったと考える. はじめに 倦怠感は化学療法や放射線療法中, 治療後のがん患者に非常に多く認められ, 全身性の疲労感による活動制限が生じると言われている. 本症例も化学療法実施中であり今回, 負荷量を調節した運動の実施や患者本人への運動指導により, 全身性の倦怠感による活動量の低下が生じながらも身体機能維持が図れたため報告する. 78 歳男性で診断名は悪性リンパ腫. 現病歴は 2 年前に悪性リンパ腫と診断され, 化学療法を実施していたが, 縦隔腫瘤が再増大傾向であり, 化学療法の効果減弱につき治療薬の変更目的で入院となる. 既往歴は関節リウマチ, 心筋梗塞などがある. 初回評価 2 病日目 PS:1, KPS:90%, JCS:Ⅰ-1, コミュニケーション : 良好 CancerFatigueScale( 以下,CFS):26/60, 関節可動域 : 著明な制限なし, 疼痛 : 左膝関節 NRS3/10, 筋力 : 両側大殿筋, 中殿筋, 4 レベル, その他 5, 基本動作 : 自立, 運動耐容能 :6 分間歩行距離 480m,ADL:(FIM)117 点 ( 運動 85 点, 認知 32 点 ) プログラム 1 関節可動域練習 2 筋力トレーニング (1RM の 60% の負荷量で実施 )3 基本動作練習 4 立位バランス練習 5 耐久性向上練習 ( 下肢エルゴメーター使用しカルボーネン法 0,6 での実施 )6 自主トレーニング指導 経過 3 病日目化学療法開始,7 病日目有害事象なく化学療法終了,8 病日目耐久性向上練習開始 最終評価 20 病日目 PS:1,KPS:90%,JCS:Ⅰ-1,CFS:28/60, 疼痛 : 左膝関節 NRS2/10, 運動耐容能 :6 分間歩行距離 500m,ADL:(FIM)117 点 ( 運動点 85, 認知 32 点 ) 考察 古谷らは, 有酸素運動や筋力トレーニングなどの運動療法を実施することにより補助療法中のがん患者の倦怠感が改善したと報告している. 今回, 文献同様に筋力トレーニング, 有酸素運動を併用して実施した. その結果, 理学療法実施前と比較し,CFS の点数が向上し倦怠感が軽減され, 身体機能の維持を図ることができた. 要因としては, 今回, 筋力トレーニングと有酸素運動をその日の患者の倦怠感に応じた負荷量を設定し, プログラムを継続して実施できたことが挙げられる. また, 理学療法介入以外の時間に運動指導を行った自主トレーニングを患者自身でその日の患者の倦怠感に合わせた負荷量で自主的に取り組むことができた結果, 患者のなかで自主トレーニングが習慣化され, 入院前と同等の運動量, 活動量を確保することができたと考えられた.

23 B-Ⅰ-5 長期間化学療法を実施している高齢急性骨髄性白血病患者の身体機能維持が可能となった一症例 野口舞 ( 筑波記念病院理学療法士 ) B-Ⅰ-6 左片麻痺患者の歩容改善と転倒リスク軽減を目指して ~ 体幹機能に着目して ~ 伊豆野皓平 ( いちはら病院理学療法士 ) はじめに がん治療における化学療法では骨髄抑制等の有害事象を出現させ, 患者の ADL 低下をもたらすと言われており, 急性骨髄性白血病においては, 若年者と比べて高齢者の方が予後不良と言われている. 今回, 長期間化学療法を実施している高齢急性骨髄性白血病患者において身体機能維持が可能となった症例を経験したため報告する. 80 歳代男性.X-2 年, 食欲不振を来し当院外来受診, 髄液検査より急性骨髄性白血病の診断で入院.X-2 年から化学療法 (AZA) にて入退院を繰り返し, 今回 26 目的で X 年に再入院し,1 病日目より理学療法を開始, 演者担当となる.2 年前の 1 より理学療法は実施されており, 自宅での自主練習も指導されていた. 既往に狭心症, うっ血性心不全, 高血圧あり. 入院前 ADL は全自立, 妻が HOT 使用しているため家事も手伝っていた. 家屋は居室が一階, 玄関に 15cm の段差が 2 段あり.HOPE は新居の準備をしたいであった. 尚, 発表に際し症例に同意を得た. 初回評価 :1 病日 PS:grade1,KPS:90%. 自覚症状 : 嘔気 倦怠感なし.MRC 息切れスケール :grade2. 関節可動域 ( : 右 / 左 ): 股屈曲 105/105, 足背屈 5/10. 筋力 (MMT: 右 / 左 ): 股外転 4/4. 握力 : 右 25.0kg 左 24.5kg. 等尺性膝伸展筋力 ( 体重比 ): 右 18.0kgf(29%) 左 17.2kgf(28%). 基本動作 : 全自立. 歩行 : 独歩自立.Timed Up & Go Test(TUG):11.3 秒.10m 歩行 : 快適 9.8 秒 (19 歩 ), 最大 7.7 秒 (18 歩 ).6 分間歩行試験 :170m で中断 (2 分 52.7 秒 ),Borg Scale 胸部 13 下肢 12. 片脚立位 : 右 30.0 秒左 4.3 秒. タンデム立位 : 両側 30.0 秒.FIM: 運動 85/91 点, 認知 35/35 点, 合計 120/126 点. プログラム ストレッチ, 筋力増強練習, 立位バランス練習, 歩行練習, 段差昇降練習, 自主練習指導 確認 経過 2 病日 AZA 開始.4 病日誤嚥により熱発, 抗生剤投与開始.5 病日解熱.8 病日 AZA 終了. 9 病日抗生剤投与終了, 自宅退院. 最終評価 :9 病日 MRC 息切れスケール :grade1. 筋力 (MMT: 右 / 左 ): 股外転 5/4. 握力 : 右 24.0kg 左 26.0kg. 等尺性膝伸展筋力 ( 体重比 ): 右 18.7kgf(33%) 左 17.9kgf(31%).TUG:10.1 秒.10m 歩行 : 快適 10.7 秒 (18 歩 ), 最大 8.1 秒 (17 歩 ).6 分間歩行試験 :228m で中断 (4 分 13.2 秒 ),Borg Scale 胸部 12 下肢 11. 片脚立位 : 右 30.0 秒左 26.2 秒. 段差昇降 :15cm 台フリーハンドにて自立. 考察 今回, 長期の化学療法実施し身体機能を維持している症例を経験した. 最終評価では下肢筋力 ADL の維持, 運動耐容能の向上を認めた. 化学療法で入退院を繰り返す患者に対し, 自宅での生活にも着目ながら運動療法を行うことで維持できたと考える. これらより, 初回入院時から継続して理学療法が介入していく重要性を再確認することができた. はじめに 左片麻痺患者に対し, 体幹機能の向上と歩容が改善により転倒リスクが軽減したため報告する. 症例 70 代男性. 診断名 : 脳梗塞 ( 右中大脳動脈 ). 既往歴 : 洞不全症候群 ( ペースメーカー ), 異形狭心症, 心室頻拍, 黄色靭帯骨化症, 腰部脊柱管狭窄症.HOPE: 歩けるようになって家に帰りたい. 本症例に発表の同意を得た. 初期評価 (38~41 病日 ) Brunnstrom Recovery Stage(BRS): 上肢 Ⅴ 手指 Ⅴ 下肢 Ⅴ. MMT: 左中殿筋 2, 左大殿筋 2, 体幹屈曲 2.ROM( 他動 ): 左股関節伸展 0. 臨床的体幹機能検査 (FACT):9/20 点. 姿勢観察 : 常時胸椎後弯, 骨盤後傾の円背姿勢. 立位時両股関節 膝関節屈曲位. 歩行観察 (T 字杖 ): 常時体幹右側屈, 円背. 左下肢遊脚期の左前足部の引っ掛かり. 片脚立位 (Rt/Lt: 秒 ):0/0.TUG( 右回り ):18 秒 10m 歩行 :23 秒 問題点 円背姿勢と骨盤後傾が見られ, 左下肢のミッドスタンス (MSt)~ ターミナルスタンス (TSt) が不十分となっていた. また左下肢の蹴り出しが減弱し, 左前足部の引っ掛かりが見られた. 治療 体幹機能低下に対して,FACT 評価項目より両下肢挙上, 片殿部挙上, 歩行時のマルアライメントに対して, 歩行器を用いた歩行練習から歩行時の体幹正中位保持の学習を図った. また左下肢の蹴り出し減弱に対して, 腸腰筋ストレッチと, 下肢の蹴り出し練習を行った. 最終評価 (68~70 病日 ) BRS: 上肢 Ⅴ 手指 Ⅵ 下肢 Ⅵ MMT: 左中殿筋 3, 左大殿筋 2, 体幹屈曲 2.ROM: 左股関節伸展 10 臨床的体幹機能検査 (FACT):15/20 姿勢観察 : 立位時の両股関節 膝関節屈曲位改善. 片脚立位 :(Rt/Lt: 秒 ):15/9. TUG( 右回り ):12.7 秒.10m 歩行 :16.95 秒歩行観察 (T 字杖 ): 体幹正中位での保持可能. 考察 体幹機能の改善により, 歩行時の体幹正中位保持が可能となり, 左下肢の TSt において蹴り出しが行えるようになった. また左下肢立脚期に床反力による前方への推進力が得られた結果, プレスイング (PSw) への移行がスムーズとなり左前足部の引っかかりが改善した. 初期評価時と比べ,FACT TUG の結果は向上しており, 体幹機能が改善した結果, 動的バランス能力が向上し転倒リスクが軽減したと考える. まとめ 体幹機能の改善により歩容が改善した結果, 左前足部の引っ掛かりが改善し, 転倒リスクの軽減につながった.

24 B-Ⅱ-1 右片麻痺患者の排泄動作能力獲得を目指した介入 木村直子 ( 筑波記念病院作業療法士 ) B-Ⅱ-2 既往に知的障害を呈した胸椎損傷患者に対し, 達成感 によってリハビリへの意欲を引き出せた症例 田中沙季 ( 筑波記念病院, 作業療法士 ) はじめに 心原性脳塞栓により右片麻痺, 高次脳機能障害を呈した症例に対し, 排泄動作獲得を目標に介入を行った. 60 代男性.2017 年 4 月入院. 翌日より作業療法開始.35 病日より回復期病棟転棟し演者担当. 初回評価 意識清明, 理解は指さし 模倣にて一部可 表出は表情変化のみ. 高次脳機能障害は右半側空間無視, 遂行機能, 短期記憶の低下, 全失語. 運動麻痺は BRS 右上肢 Ⅱ 手指 Ⅰ 下肢 Ⅰ. 感覚は客観的評価にて重度鈍麻. 右上腕部に疼痛の訴えあり.ROM は右肩関節屈曲 外転 80 で疼痛あり, 右肩関節に一横指の亜脱臼あり. 筋力は左上下肢 MMT5. 起居は中等度介助, 立位保持は L 字柵把持で可能. 移乗軽介助. 麻痺側管理は不可.ADL は食事が軽介助, 整容は手洗い重度介助, 更衣は上衣軽介助下衣全介助, 排泄は移乗に軽介助, 下衣操作に重度介助. 清拭は中等度介助. 入浴は全介助.FIM29 点 ( 運動 22, 認知 7). 家族ホープは, トイレは自分で行って欲しい. 経過 36 病日, 尿意の訴えなく誘導にて実施. 環境理解は可能だが, 動作指示入らず中等度介助. 下衣操作は中等度介助.50 病日, 手順の混乱あり, 工程毎の練習に変更. 一工程ずつ示し, 設定環境での指示理解可能となった. 一連での動作の反復練習を開始. 94 病日, 混乱なく一連の動作可能となった.100 病日より P トイレにて L 字柵へ寄りかかり立位保持監視, 下衣操作修正自立となった.137 病日,P トイレでの動作監視となった. 最終評価 理解は単語での簡単なやりとり可能 表出はナースコールで排泄の訴え可能. 高次脳機能は右側への注意向上, 発語は促しで挨拶可能.BRS 上肢 Ⅱ 手指 Ⅰ 下肢 Ⅱ. 感覚は中等度鈍麻.ROM は右肩関節屈曲 外転 90 まで疼痛なく可能, 手指伸展 外転制限あり. 基本動作は L 字柵使用し監視.ADL は食事はセッティング自立, 整容は軽介助, 更衣は上衣自立 下衣監視, 排泄は監視.FIM52 点 ( 運動 44, 認知 8). 考察 症例は正しい順序での動作が行えず, 排泄動作に介助を要していた. 遂行機能障害を呈した症例に対し, 動作を工程に分け, 段階づけて工程を増やしてくことで, 一連の動作の獲得に至ったと考える. また, 入院中から自宅を想定した環境で反復練習を行なったことで, 自宅での排泄動作監視に至ったと考える. また全失語により, 言語での指示理解が困難なため, ジェスチャー 模倣を用いることで, 動作定着の一助になったと考える. はじめに 今回, 既往に知的障害を呈した胸椎損傷患者に対し, リハビリに消極的で自主練習の定着が困難であった為, 知的レベルに合わせた視覚的な情報提供, 言語的な選択を行った. その結果, リハビリの意欲向上, 自発的な身体機能向上練習を獲得できたため以下に報告する. 30 代女性. 知的レベルは小学 1 年生レベル. 入院前 ADL: 仕事以外の時間はベッド上でテレビを見る生活であったが ADL 全自立レベル. 診断名 :Th5/6 レベル胸椎損傷. 現病歴 :X 月 Y 日お風呂場で転倒.Y+2 日, 当院受診し検査にて打撲, 捻挫と診断. 疼痛改善せず精査目的で入院したところ胸椎損傷の診断となった. 初回評価 安静度 : トイレ時のみ車椅子乗車可能. コミュニケーション : 理解 表出可能であるが, 物事を順序立てて理解することは困難. 認知機能 : 見当識エピソードの想起可能. 日中の生活 : トイレ以外は動くことはなく, ベッド上でテレビを見ている. 経過 受傷後 13 日, 脊椎固定術試行. 術後は術創部の痛みやリハビリの必要性の理解力低下により消極的であった. その為, 介入時にホワイトボードに介入時間, プログラム内容を明記し,1 つのプログラムが終わるごとにチェックを付け, 視覚的に進捗状況が分かるようにした. また, 介入終了時に提供していた自主練習帳にスタンプを押し, 達成感を得られるようにした. リハビリ以外の時間では自発的に身体を動かす様子が見られなかった為, 自主練習帳に理解しやすいように絵を用いた自主練習内容を明記し,1 日 1 項目の自主練習を自分の好きなタイミングで行うよう指導した. 翌日には自主練習の実施状況を確認し, 正のフィードバックを行った. 考察 辻野らは知的障害を呈している患者は, 障害に対する理解が無く, リハビリへの意欲が乏しい為, 本人の知的レベルや性格を把握し, 本人の好きなことを用いて課題や目標の設定を行うと報告している. 本症例の知的レベルは小学 1 年生レベルであった為, 簡単な言葉で視覚的に理解可能なプログラム内容をホワイトボードに明記したことで, リハビリの進捗状況や次に行う内容の把握ができ, 不安なくリハビリを行えたと考える. また, リハビリへの意欲が低下している状態であったが, 本人の好きなキャラクターのスタンプを用いた事で, リハビリ参加への動機づけやスタンプがたまっている自主練習帳を振り返える事で達成感や自己肯定感の向上に繋がったと考えた.

25 B-Ⅱ-3 箸操作獲得のため, 肩甲帯の可動性と安定性向上に着目して介入を行った症例 関口恵理 ( 筑波記念病院作業療法士 ) B-Ⅱ-4 脳梗塞患者に対する箸操作獲得に向けてのアプローチを経験して 高荷直弥 ( 筑波記念病院作業療法士 ) はじめに 左視床出血により右片麻痺を呈した症例を担当した. 右手での箸操作獲得に対し, 肩甲帯の可動性と安定性に着目し介入したため報告する. 尚, 発表に際し症例の同意を得た. 50 歳代男性. 職業 : 自営業. 趣味 : 自動車改造, カーレス参加. 希望 : 職場復帰, 右手での箸使用. 初回評価 :20 病日 ( 当院回復期病棟転院時 ) 意識レベル :JCSⅠ 1.Brunnstromstage( 以下 BRS): 右上肢 Ⅲ 手指 Ⅳ 下肢 Ⅳ.Modified Ashworth Scale( 以下 MAS): 右上肢 1+. 自覚症状 : 右半身に重度の痺れ. 触診 : 右肩関節 1 横指亜脱臼. 視診 : 右肩甲骨軽度外転上方回旋位. 上肢機能 ( 以下 STEF 右 / 左 ):15/98 点. 日常生活動作 ( 以下 ADL): 食事 整容は左手で自立, その他介助. 右上肢の使用無し.FIM( 運動 / 認知 / 合計 ):34/23/57 点. 経過 介入初期は肩甲帯の安定性向上を目的に, 上肢中枢部の随意性促通と, 上肢操作時の体幹アライメント修正から介入した. 徐々に痺れの軽減と, 肩甲帯の機能向上を認めた. 右上肢の参加を促すために, まずは ADL 内での両手動作訓練を開始した. 肩甲上腕リズムの再獲得と異常筋緊張の緩和により物品操作可能となったため, 右上肢で自助箸での箸動作練習を開始した. 両手動作開始後より徐々に右上肢の操作性の向上を認め,ADL 内での右上肢のみの参加が増えていった. 最終評価 :144 病日 BRS: 右上肢 Ⅴ 手指 Ⅴ 下肢 Ⅴ.MAS: 右上肢 1. 自覚症状 : 右上肢に重度の痺れ, 体幹や下肢は軽度の痺れ. 視診 : 肩甲骨アライメント正常.STEF:23/100 点.FIM:85/33/118 点.ADL: 全自立. 食事は右上肢で普通箸使用. 考察 川井は肩甲胸郭関節に関与する筋群の機能低下がおきると, 運動初期から肩甲上腕リズムが崩れ, その後も異常パターンのまま運動が行われてしまうと述べている. 本症例は, 運動麻痺が中枢部ほど重く, 肩甲骨のアライメントも崩れていたため, 上肢機能改善のためには, 肩甲骨の可動性と安定性を得て, 異常パターンの抑制が必要になると考えた. 肩甲骨のアライメントを修正した状態でプログラムを行い, 肩甲上腕リズムの再獲得と異常筋緊張の緩和が可能となった. その結果として,ADL 内にて右上肢の使用頻度が向上し, さらに右手での箸操作可能となったと考える. はじめに 鎌倉らは, 箸操作獲得に必要なことは適切な手のフォームを作り, 箸を正しく持つことであると述べている. 今回 3 度目の脳梗塞発症により手指巧緻性が低下し, 箸操作に必要な手のフォームが崩れ, 箸の使用が困難になった症例を担当し, 箸操作獲得に向けてアプローチした結果, 自助箸での箸操作獲得に至ったため報告する. 80 歳代男性. 右利き. 診断名は再発性脳梗塞.36 病日目に当院入院. 障害名は右片麻痺. 既往歴は高血圧, 高尿酸血症,2 度の脳梗塞 ( 両片麻痺 ). 入院前の日常生活動作 ( 以下 ADL) は, 食事は箸操作にて自立, その他 ADL は家族の介助が必要であった. 初期評価 37 病日目に演者担当. 意識清明, コミュニケーションは日常会話可能, 認知機能は HDS- R20/30 点. 運動麻痺はブルンストロームステージ ( 以下 BRS) 右全て Ⅴ, 左全て Ⅵ. 筋力は両上肢 MMT4. 握力右 10kg, 左 20kg. 感覚は表在感覚軽度鈍麻. 上肢機能 (STEF) 右 28 点, 左 68 点. 基本動作は監視.ADL は食事はスプーン使用して自立, 更衣 排泄は中等度介助, 入浴は全介助.FIM62/126. 目標は右手での箸操作の再獲得とした. 経過 介入初期の箸操作は手関節尺屈, 背屈に緩慢さ, 母指 示指 中指の固定性低下, 対立動作に拙劣さを認め困難であった. またスプーン操作も肘操作優位であった.38 病日目より箸を固定するため, 母指 示指 中指の対立動作と手関節の尺屈, 背屈動作を促す目的でボールペンでの書字動作練習を実施した. 手関節, 各手指の伸長性, 固定性を高めるためにストレッチと反射を用いて可動域を拡大した. 実際の食事場面でスプーンの使用を継続し, 遠位箸のフォームを意識するよう指導した.64 病日目には手のフォームが改善し手関節優位でのスプーン操作獲得, 自助箸を使用しての食事動作を獲得した. 最終評価 身体機能は BRS 右手指 Ⅵ と向上. その他著変なし.ADL は食事は自助箸にて自立. 更衣 排泄は軽介助. 入浴は全介助.STEF は右 43 点, 左は 71 点に向上した. 考察 今回適切な箸操作のフォームを獲得するにあたり, 鎌倉らは実際の食事場面でスプーンなどの代替方法で食事するよう指導することが必要とも述べている. そのため今回箸操作の獲得に至った要因として, 運動麻痺の改善, 箸操作のフォーム改善, 実際の食事場面でのスプーン操作が要因の一つと考え, また書字動作を用いた母指 示指 中指の固定性と対立動作, 手関節の尺屈, 背屈動作の促通をしたことで自助箸での箸操作を獲得できたのではないかと考える.

26 B-Ⅱ-5 重度片麻痺のある開胸術後の症例に対し, 排泄動作の再獲得に向けた作業療法の経験 綿引智生 ( 筑波記念病院作業療法士 ) B-Ⅲ-1 意志の変化により活動選択が行えた症例 鈴木龍也 ( 筑波記念病院作業療法士 ) はじめに 堀らは高齢者や心臓外科手術前からの ADL 低下のある患者ではクリティカルパスの進行から逸脱する症例も少なくないと述べている. 鈴木は心疾患の作業療法士の役割は, 患者の ADL の遂行能力を評価し効率的な動作 作業を指導すると述べている. 今回, 既往に重度片麻痺のある大動脈弁閉鎖不全症 (AR) に対して, 大動脈弁置換術 (AVR) を施行した症例に対し, 術後排泄動作能力再獲得を目標とした介入を経験したため報告する. 70 歳代, 男性. 半年前に当院の消化器外科にて右半結腸切除術を施行した際に心エコーで SevereAR を指摘され, 当院の心臓血管外科にて経過をみていた. 今回 AR に対し手術を希望されたため,AVR 目的で当院入院.1 週間抗凝固療法と術前トレーニングを行い,7 病日目に AVR 施行. 入院前 ADL は食事 整容は自立, 更衣 入浴は重度介助. 排泄は排尿は尿瓶. 排便は家族の介助の元実施. 介護保険は要介護 4. 介護保険サービスは利用せず, 自宅で生活していた. 既往歴は 58 歳で左視床出血. 術前評価 バイタルは SPO₂99%( ルームエア ). 既往の左視床出血による運動麻痺はブルンストロームステージ右上肢 Ⅲ- 手指 Ⅲ- 下肢 Ⅲ.ADL は入院前と著変なし. 術後評価 バイタルは SPO₂94~99%(O₂4l ネーザル ). 排泄動作は中等度介助. 術後経過 術後 1 日目 (POD) では車椅子乗車まで実施し,2POD に一般病棟に帰室. 環境設定として, 起居, 移乗能力向上目的に L 字柵を設置, ベッドの高さを約 40cm に設定した. 排泄動作練習開始時には創部痛があり, 離殿時に中等度介助要した. 一般的な開胸術後の動作指導に加え, 息こらえをしないよう指導を行った.6POD では動作後, 徐々にバイタルの変化は認めなくなり入院前と同じ軽介助でのトイレ動作が可能となった. 11POD に自宅退院. 最終評価 バイタルは SPO₂97~99%( ルームエア ). 排泄動作は入院前の能力を獲得した. 考察 環境調整として L 字柵を設置したことで, 移乗時に重心が前方へ移動しやすくなり, ベッドの高さを本人の起立しやすい高さに設定したことで, 基本動作能力が向上したと考えられる. また, 動作指導の結果, 息こらえが減り, 循環動体の変動が軽減されたことで, 心負荷の軽減に繋がったと考えられる. 本症例は元々右片麻痺を呈し,ADL に介助を要していた症例であるが, 以上の環境設定 指導を行ったことで効率的な動作の獲得に繋がり,ADL 能力の再獲得が可能となったと考える. はじめに 人間作業モデル ( 以下 MOHO) では, 能力障害は作業役割を取り除いたり, 作業役割から締め出したりするだけでなく, 人々を病人の役割や, 逸脱した役割へと追いやる事もある とされている. 本事例は, 患者役割となり活動選択を狭めている状態であった. 今回, 意志, 習慣に対し介入を行い, 役割の再獲得, 活動選択に至ったので以下に報告する. なお, 発表にあたり患者に同意を得ている. 事例紹介 A 氏. 左橋梗塞加療後の 80 歳代の男性. 発症 1 ヶ月で当院回復期病棟に転院. 入院前は, 妻と長男と長男の嫁の 4 人暮らし. 買い物へ行く, 町内会の参加等, 活動的な生活を送っていた. 作業療法初期評価 MOHO のリーズニングでは, 意志 : 個人的原因帰属 ( 以下 PC) の低下からリハビリをする事に価値を置き, 作業同一性は混乱. 習慣化 : リハビリは積極的だが, リハビリと休息を繰り返し, 患者役割となってしまっている. 遂行技能 :BRS 左上肢 Ⅱ 手指 Ⅱ 下肢 Ⅳ. 車椅子ベースの ADL で, 上肢の生活場面の参加はない.FIM:74/126 点,MMSE24 点. 環境 : 病室とリハ室の行き来のみ. 作業療法経過 介入初期 : こんな体じゃな. 等と PC の低下あり. 興味関心チェックシートに拒否が見られ, 機能練習に価値を置き, 作業同一性は混乱. 病前の習慣を導入. 価値の変化を期待. 介入中期 : 他患との交流頻度が増加し, 価値, 習慣に変化あり. 蕎麦屋で蕎麦を食べたい と活動レベルの目標へと変化. 目標に向けた実動作練習, 興味の強化を実施. 介入後期 : 妻とグランドゴルフに行きたい 等, 病前の役割の基づいた活動の選択が見られ, 家族と頻回に連絡をとり退院後の生活に前向きな姿勢がみられた. 作業療法最終評価 興味関心チェックシートでは, グランドゴルフ や 孫の世話 等に関心が向いていた. 意志 : 価値の変化が PC の向上に繋がり, 作業同一性の安定が図れた. 習慣化 : 役割の再獲得. それに基づいた活動選択が可能. 遂行技能 :BRS 右上肢 Ⅳ 手指 Ⅳ~Ⅴ 下肢 Ⅴ.T 字杖で ADL 入浴以外自立. 右上肢の ADL 参加が定着.FIM112/126 点.MMSE29/30 点. 環境 : 自室を開き他者交流の場を獲得. 考察 PC の低下から患者役割が定着し, 活動選択を制限した症例が, 役割を再獲得し活動選択がみられた.ADL 場面での練習や, 価値, 習慣, の変化が,PC を回復させ作業同一性の回復へと繋がったと考えられる. また作業同一性が回復した事で, 退院後の生活像が明確化し, 活動選択が行えたと思われる.

27 B-Ⅲ-2 高次脳機能障害に対するアプローチと外泊練習により在宅生活が可能となった症例 小石川由梨 ( 筑波記念病院作業療法士 ) B-Ⅲ-3 できる ADL をしている ADL に汎化できた症例 ~ 精神面 他職種協働に着目して ~ 飯田沙矢香 ( 筑波記念病院作業療法士 ) はじめに 脳室内出血により高次脳機能障害を呈した症例を担当し, 家族の協力の下, 早期の高次脳機能に対するアプローチと外泊練習を実施した結果, 自宅退院に至ったので, 考察を加え報告する. 症例 2017 年 8 月他院にて脳室内出血と急性閉塞性水頭症の診断を受けた 60 歳代女性. リハビリテーション目的に同年 9 月当院回復期病棟へ転入, 演者担当となった. 初回評価 意識清明, 高次脳機能障害として記憶障害, 注意障害, 地誌的見当識障害を認めた. 運動麻痺 筋力 関節可動域は著明な制限なし.ADL では食事 整容 更衣自立, 排泄は移動のみ見守り, 入浴は機械浴.FIM93 点 ( 運動 72, 認知 21). 経過 病棟での介入 : 初回評価実施時には病棟内で道に迷ってしまうなどみられた. 要因として, 記憶と注意機能の低下により正しい道を辿るための 目印 に着目することが困難であると仮説をたてた. 介入初期, 病棟内での移動にて教示を書いた紙を渡し歩行を実施. 介入中期, 病棟での移動範囲を拡大, 道にある目印を逐一口に出しながら歩行実施. 介入後期, 屋外歩行実施. 目印を記憶できるようになり, 会話をしながらでも段差等に注意し迷うことなく移動可能. 外泊練習 : 一度目は本人に家屋の写真を撮影してもらい, 家族に ADL チェックシートを渡し, 実際の生活場面での問題点の抽出と, 家族の障害理解を促した. 二度目は家族の協力の下, 自宅周辺や商業施設での移動の様子をチェックシートに記載. 三度目は自宅での ADL,IADL 動作の最終確認目的で実施し,ADL 自立,IADL では火の取り扱いに遠位見守りを要し, その他は自立で可能となった. いずれの練習でも帰院時に本人, 家族, セラピスト間で問題点の話し合いを行った. 最終評価 高次脳機能障害として, 記憶障害, 注意障害, 地誌的見当識障害がそれぞれごく軽度にみられた.ADL 自立, 自宅での IADL は調理で火を使う時のみ見守り,FIM121 点 ( 運動 89 点, 認知 32 点 ) 考察 高次脳機能障害を呈した症例が日常生活に支障を来さない状態まで改善し, 自宅退院へ繋がった. 要因として, 道順の中にある目印を, 言語を使って描写することにより方向判断の能力が向上し, 道に迷わず移動することが出来たこと. また, 実際に自宅での練習で, 家族に本人の ADL を評価して頂くことで高次脳機能障害に対する理解を促し, 見守り等の協力を得られる環境となったことが挙げられる. はじめに 今回恐怖心により日常に移乗動作が汎化せず,ADL 介助量が増加していた症例に対し, 精神面と他職種に着目したアプローチを実施した結果, している ADL に汎化できたため考察を加え報告する. 80 歳代女性. 診断名は間質性肺炎, 第一腰椎圧迫骨折後廃用症候群. 当院に入院歴あり. 退院後, 日中臥床により廃用症候群が進行.ADL 全介助となりリハビリ目的にて当院に再入院. 初回評価 50 病日目に療養病棟にて演者が担当. 認知良好, 筋力は両上肢 MMT3-4, 両下肢 MMT2. 感覚は表在 深部覚共に両下腿 足底に軽度鈍麻. 基本動作は起居 移乗重度介助.ADL は食事 整容自立, その他全介助.FIM は合計 58 点. 精神的特徴は些細な事で不安を抱きやすい性格. 目標は食事 整容自立, 更衣 排泄監視, 入浴介助. 経過 身体機能向上に伴い移乗が監視で可能となるも, 食事 排泄は床上での実施であった. 病棟スタッフに移乗の移行を試みたが本人の恐怖心が強く出現. 普段と違う人だから, 何かあったらと思うと怖い との訴えが繰り返し聞かれ, 汎化が困難. 恐怖心に対し, 徐々に他職種主体で実施できるよう, 演者が段階付けをし, セラピストから他職種へ頻度を調整し, 症例は成功体験を得る事ができた. 他職種への提供は紙面に記載し, 移乗方法や移乗時の注意点などを伝達し, 統一した関わりができるよう努めた. その結果, 自分で移るだけだから大丈夫 と, 徐々に恐怖心を訴える事がなくなり, 移乗が病棟に移行した後は, 食事は座位で摂取, 排泄はポータブルトイレの使用が可能となった. 最終評価 筋力は両上肢 MMT4. 基本動作は起居自立, 起立監視.ADL は排泄監視 ~ 軽介助, 更衣監視.FIM は合計 69 点と向上. 考察 症例は 移乗に危険を伴うのではないか と認識しており恐怖心を抱いていたが, 段階付けにより他職種との移乗の成功体験を重ねられた事が自信に繋がり, 恐怖心が軽減したと考える. 加えて, 危険 と感じていたものが 自分で行える という認識に変化させる事ができた事も恐怖心軽減の一因と考える. また, 他職種協働により統一した関わりが行えた事で安心感が得られ, 他職種と症例との信頼関係構築の一助となり, 移乗に対する抵抗感が消失したのだと考える. その結果, できる能力をしている能力へと汎化でき, 病棟生活での活動性が向上した. 精神面 他職種協働に着目したアプローチにより, 入院中の生活範囲の拡大に繋げる事ができた.

28 B-Ⅲ-4 人工呼吸器装着中のギラン バレー症候群患者に対するコミュニケーション手段の検討 東山知未 ( 筑波記念病院作業療法士 ) B-Ⅲ-5 自己修正に伴う音断片 音韻性錯語を呈した伝導失語例の言語治療経過について 飯塚梨和 ( きぬ医師会病院言語聴覚士 ) はじめに ギラン バレー症候群 (GBS) は四肢の遠位優位な弛緩性麻痺を主症状とし, 比較的予後良好な疾患である. しかし, 軸索型の場合は入院 1 週間以内の人工呼吸器装着例が 22% との報告もあり, 一部予後不良例に二分される. 今回, 軸索型 GBS により人工呼吸器管理を要した症例を担当し, コミュニケーション手段の獲得を目的に介入したため報告する. 70 歳代女性. 起床時から嘔吐を繰り返し, 下腹部痛を訴えていた. 同日近医受診したが, 再度嘔吐出現, 精査加療目的で当院緊急入院. 翌日呼吸状態悪化, 挿管 人工呼吸器管理.10 病日に GBS と診断され, 免疫グロブリン療法開始.11 病日気管切開. 入院前 ADL 自立. 初回評価 12 病日 意識レベル JCSⅠ 桁. コミュニケーションは, 理解は頷きと首振り可能, 口形による表出可能. 精神機能面では, 身体機能の急激な変化による落ち込みあり. 身体機能面では, 筋力は, 頸部屈曲 回旋 MMT2, その他 MMT0. 筋緊張は四肢 体幹ともに弛緩, 重度感覚障害が疑われた. 腱反射は両側消失. 経過 作業療法では, コミュニケーション手段獲得のため, 文字盤の導入, 環境調整を行った. 文字盤導入にあたり, 頸部の動きを利用し, 口にストローをくわえ文字盤を示す方法を試みたが, くわえ続けることで疲労の訴えが強く実用的でないと判断. 症例は口形での会話を希望していたが, 複雑な単語は推測に時間を要し, 繰り返しの表出により途中で諦める様子あり. 動けないことと同時に上手く伝わらないこともストレスとなっていた. そのため, 口形での会話を主としながら, 症例の使う頻度の高い言葉を文字盤に取り入れ, 同時に使用できるようにした.30 病日より右上肢優位の筋収縮が出現し, ナースコール検討. 母指の筋力向上に伴い, 効率的に力が加わるようボタン部分にガーゼを貼付し, 母指を固定. 握り動作獲得に伴い, 手首にコードを固定し すぐ押せないと不安 との症例の不安は軽減. 意思伝達が可能となった. 考察 症例の身体機能に合わせた環境調整により, 現状の能力で表出可能なコミュニケーション手段の獲得が可能となったと考えられる. 気管切開により発声困難な状況であったが, コミュニケーション手段の獲得により思いが伝えられるようになったことで, 不安の軽減にも繋がったと考える.GBS に対しては日々変化していく全身状態を適宜評価しつつ, その都度環境調整を検討し, 同時に精神的アプローチしていくことが重要である. はじめに 自己修正に伴う音断片 音韻性錯語を呈した伝導失語例を経験した. 音韻に注目した言語治療による発話症状の経過について報告する. 症例 70 歳代, 女性, 主婦, 利き手は右利き. 本症例には発表について説明し同意を得た. 現病歴 言葉が出にくくなったことを主訴に当院を受診した. 左心房血栓, 心原性脳塞栓症と診断され入院となった. 頭部 MRI にて左頭頂葉と僅かに右頭頂葉に梗塞巣が認められた. 神経心理学的所見 構成障害, 口腔顔面失行を認めた.RCPM16/36 点. 言語所見 音韻性失名詞を伴う伝導失語 ( 中等度 ). 聴覚的理解は簡単な日常会話レベルで可能だが, 軽度に語音弁別能の低下を認めた. 自発話は, 文レベルで可能であり比較的流暢であったが, 自己修正を伴う音断片が顕著であり, 音韻性錯語も認めた. 情報の伝達には, 聞き手の推測が必要であった. 復唱は, 短文レベルより困難であった. 音読は, 短文レベルまで良好であった. 書字は, 漢字, 仮名ともに単語レベルから困難であった. 言語治療経過 音韻性の誤りの軽減を目的として音韻選択, 配列課題を中心に実施した. 音韻選択課題は, 正答率の上昇を認めた. 治療初期は, 迷いながら時間をかけて音韻を選択したが, 徐々に選択を終えるまでの時間に短縮を認めた. 一方, 音韻配列課題は, 正答率は若干の向上にとどまった. その為, 自発話における音断片は徐々に減少したが, 自己修正を伴う音韻性錯語は残存した. 考察 本症例の音断片が減少したことは, 良好な仮名文字の音読というモダリティーを使用し課題を実施したことにより, 希薄であった音韻表象が強化され, 音韻出力辞書の障害が軽減した為であると考えられた. しかし, 治療後期においても, 自発話における音韻性錯語は残存しており, これを音韻バッファーレベルの障害によるものと推定した. 課題実施中の反応より, 本症例は音声と文字のマッチングに不十分さがあると考えられた. そこで, 音韻操作課題に音声と文字の対応を強化する為の課題を追加して治療を行った. この課題の実施後に音韻配列課題を実施したところ, 正答率に向上を認めた. この結果から, 今後, 音声と文字の対応の強化を行っていくことが, 音韻出力バッファーの障害の改善に有効である可能性が示唆された.

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下痢 消化管粘膜が損傷をうけるために起こります 好中球 白血球 減少による感 染が原因の場合もあります セルフケアのポイント 症状を和らげる 下痢になると 体の水分と電解質 ミネラル が失われるので ミネラルバ ランスのとれたスポーツドリンクなどで十分補うようにしましょう 冷えすぎた飲み物は 下痢を悪化させることがあるので控えましょう おなかが冷えないよう腹部の保温を心がけましょう 下痢のひどいときは

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