46 福岡医誌 101(3):46 52,2010 C 型肝炎ウイルスの疫学的 臨床的研究 九州大学大学院感染環境医学分野九州大学病院総合診療科 林純, 古庄憲浩 はじめに 1989 年に C 型肝炎ウイルス (Hepatitis C virus:hcv) の塩基配列が明らかになり,1992 年には

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1 九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository C 型肝炎ウイルスの疫学的 臨床的研究 林, 純九州大学病院総合診療科 九州大学大学院感染環境医学分野 古庄, 憲浩九州大学大学院感染環境医学分野 九州大学病院総合診療科 Hayashi, Jun Furusho, Norihiro 出版情報 : 福岡醫學雜誌. 101 (3), pp.46-52, 福岡医学会バージョン :published 権利関係 :

2 46 福岡医誌 101(3):46 52,2010 C 型肝炎ウイルスの疫学的 臨床的研究 九州大学大学院感染環境医学分野九州大学病院総合診療科 林純, 古庄憲浩 はじめに 1989 年に C 型肝炎ウイルス (Hepatitis C virus:hcv) の塩基配列が明らかになり,1992 年には一般医療機関でも HCV に対する抗体が測定されるようになった. その結果, わが国は世界的にみても HCV の感染率が高いことが判明し, さらに非 A 非 B 型肝炎と呼ばれていた肝炎の大部分が HCV 感染によるものと判明した. 九州大学病院において実際に診療していた慢性肝炎の 50%, 肝硬変の 70%, 肝癌の 80% は HCV 感染によることは驚きであった 1). 当初, その感染経路の主なものは輸血および血液製剤によるものということであったが, 輸血歴のない HCV 感染者も多く存在しており, その感染経路の解明は重要な問題の一つであった. また, 肝癌患者の大部分が HCV 感染者であることから,HCV 感染と肝癌発症との関連が強く示唆され, その機序の解明も求められていた. 一方, 治療については HCV が測定される以前より, 非 A 非 B 型慢性肝炎に対してはインターフェロン (Interferon:IFN) 投与有効性が示唆されていた. 以上のことを踏まえて, 著者らが行った一般住民および血液透析患者における HCV 感染の実態調査あるいはその感染対策, および HCV 感染者に対する IFN 療法の成績を中心に述べる. 1. 感染経路 HCV の家族内感染については, 母児間感染率は約 5% で, 夫婦間感染も HCV の遺伝子解析から約 3 % と低いことが報告されていた. しかし, 性行為による感染については, 夫婦間感染は少ないものの感染機会の多い特殊浴場女性従業者での HCV 抗体陽性率は 6.2% と女性献血者の 1.4% に比較し有意に高率であり (p < 0.001), その際梅毒罹患者に高率であった 2). 本邦における HCV の主な感染経路を知るために,HCV 抗体陽性率が高い福岡県星野村 (2049 例中 19.7%) において疫学的検討を行った. その結果, 年にかけて某医療機関に通院していた住民に HCV 抗体陽性率が高く, さらに, そこでは使用した注射器および針が十分に滅菌消毒されずに, 繰り返し使用されていたことが判明した 3). 本邦で disposable の注射器および針などが使用され始めたのは 1963 年頃であり, 一般の医療機関で使用されるようになったのは 1995 年頃からである. 長崎県壱岐市での調査でも同様の結果がえられ 4), 本邦における HCV の感染経路は母児間感染および夫婦間感染よりも, 輸血を含む医療行為による感染が主流であったと考えられた. 2. 一般住民の最近の HCV の感染状況の推移上述した福岡県星野村において,1993 年での HCV 抗体陽性率は 50 歳以上では 25% 以上を示していたが, 年齢が若いほど低下し,19 歳以下には HCV 抗体陽性者は存在していなかった. すなわち,B 型肝炎ウイルスの発見を契機に 1970 年頃より, 血液由来ウイルに対する衛生観念が発達し,HCV 感染は減少の一途を辿っていると思われる. さらに,1993 年の調査で HCV 抗体陰性であった 1,351 例について追跡調 Jun HAYASHI and Norihiro FURUSYO: Department of Medicine and Surgery, Internal Medicine, Environmental Medicine and Infections Diseases, Faculty of Medical Sciences, Kyushu University Department of General Internal Medicine, Kyushu University Hospital Epidemiological and Clinical Study for Hepatitis C Virus Infection

3 C 型肝炎ウイルスの疫学的 臨床的研究 47 査を 2003 年まで行ったが, 新たな HCV 感染者は2 例 (70 歳および 74 歳女性 ) のみであった. この 2 例はいずれも某医療機関で下部消化管内視鏡検査 ( 生検を含む ) を受けていた.C 型慢性肝炎患者の大腸ポリープ摘出術に用いた内視鏡で検査を受けた一組の夫婦が,HCV に感染し急性肝炎を発症した事例が米国で報告されている. 著者らの症例も他に感染機会などがないことから, 同様な感染経路の可能性が考えられた 5). いずれにしても, 日本赤十字社血液センターでのスクリーニング体制の改善,disposable 器材の普及などから新たな HCV 感染は著明に減少していると思われる. また, 著者らが継続調査を行っている長崎県壱岐市では, 年における 30 歳以上の HCV 抗体陽性率は 17.6% で,HCV 抗体陽性者のうち HCVRNA 陽性は 76.7% であった 6). すなわち 30 歳以上の HCVRNA 陽性率は 13.5% であったが,2005 年の HCVRNA 陽性率は 2.7% と激減していた 7). この減少の原因として, この地域では九州大学病院総合診療科が 1993 年より行政および医師会と連携して,HCV 感染者の掘り起こしおよび感染者の肝機能検査を中心とした健康管理を行ってきた結果, ほとんどの感染者が医療機関に受診し管理されているため, 今回の検診に参加しなかったことが判明した. 研究機関である大学病院と地域医療機関および行政が協力した啓蒙活動により, 一般住民に HCV 感染の重要性が理解された結果と考えられた. 3. 血液透析患者における HCV 感染福岡および佐賀県の6 施設の血液透析患者 HCV 抗体陽性率は418 例中 30.4%( %) と高率であった. このうち輸血歴のない 113 例の HCV 抗体陽性率は22.1% と高く, 透析期間と比例して陽性率は上昇していた. すなわち, 透析期間が 2 年以内では 12.2%,2-4 年で16.2%,5-9 年で 28.6%,10 年以上で 57.1% であった 8). この6 施設のうちの1 施設について,HCV 感染撲滅のため感染経路を明確にすることを目的とした継続的調査を行った. この透析施設での 年の HCV 感染率は 15.4%( 年間感染率 1.711%) で, あった. この感染率は上述の福岡県星野村の 年,0.26%( 年間感染率 0.023%) と比較して有意に高率であった (p < 0.001, リスク比 59.1) 5).HCV 感染者の透析後の透析液には HCVRNA が存在していることから 9), 透析液が流れる管とダイアライザーとの接合部位の洗浄などを行っていたが,HCV 感染者の新たな発生は依然として続いていた.2000 年に同時に5 例の C 型急性肝炎の発症が認められた.HCV の遺伝子学的解析および聞き取り調査により,HCV 感染者の血液で汚染された生理食塩水のアンプルを介して感染が広がったことが判明した 10). この原因として, この生理食塩水のアンプルがリキャップできるために起こったこと, 汚染されたものを運ぶ動線が長く, また, 汚染されたものを置くテーブルと, 種々の薬剤を準備するテーブルが近接していることが感染のリスクを高めていると考えられた. 以上のことを踏まえて, 各透析ベッドの下に廃棄ボックスを設置し, 薬剤の調整は別の部屋で行うことを指導した. その結果, 現在 2010 年 4 月まで新たな HCV 感染者は出現しておらず, この透析施設の院内感染に対する関心とたゆまざる努力の成果と考えられる. また, 血液透析の HCV 感染者は肝機能検査が正常にもかかわらず肝線維化マーカーは高く, 血小板数も減少しており, 腹部超音波検査から肝病変の進行が考えられるが 11),HCVRNA 量は低いため 12), 後述する IFN 療法の効果が期待されることも判明した. 4. 肝炎および肝癌発症機序 1)HCV 感染例における肝機能異常福岡県星野村での HCV 感染 306 例について, 年 1 回行なわれる肝機能検査の 10 年間の成績をまとめて検討すると,39.5% が肝機能持続正常例,41.5% が間欠異常例,19.0% が持続異常例であった. また, 持続正常例には女性が多く, 持続異常例には男性が多かった 13). 2) 肝炎発症とウイルス側因子細胞障害性 Tリンパ球 (CTL) が認識する HCV コア領域に注目し, 福岡県星野村における肝機能持続

4 48 林純 古庄憲浩 正常例と持続異常例について, クローニング シークエンスを行った. 前者ではアミノ酸レベルでは変異がみられず, 後者では変異が多くみられた. また, 観察中, 肝機能が正常から異常になった例では, 今までなかったコア領域の変異が出現するようになった. すなわち,HCV 感染による肝障害と,HCV のコア領域でみたウイルスの quasispecies との関連性が示唆された 13)14). 3) 肝炎発症と宿主側因子 1 免疫 :C 型慢性肝炎患者の末梢血のリンパ球では IL-1β および TNF-α の産性能が亢進し 15), また,T 細胞の活性化を示すとされる可溶性 IL-2レセプターが血清中で高値を示している 16). さらに,HCV 陰性の患者に比較して,CD4 + 細胞では IFN-γ+ 細胞が有意に増加しており,CTL の前駆細胞とされる CD28 + CD8 + IFN-γ+ 細胞が増加していることも判明し,HCV 感染例における肝炎に CTL が強くかかわっていることが考えられた 17)18). 2 生活習慣 : 福岡県星野村における HCV 感染者について生活習慣因子と HCV genotype, ウイルス量を変数として多変量解析を行った.HCV 感染者では, 重労働 2 時間以上, 男性, 飲酒歴が肝機能に影響を及ぼす因子として抽出されたが,HCV 非感染者では飲酒歴のみしか抽出されなかった 19).HCV 感染者にとっては過激な運動は推奨できないと思われた. 4) 肝癌発症機序福岡県星野村での HCV 感染 411 例において,12 年間, 肝癌発症について経過観察した. 肝癌発症は 15.6% であった. 肝機能持続正常群 144 例からは,5 年目までに0 例,12 年目までに 74 歳と80 歳男性 2 例,1.4% であったが, 肝機能間欠異常群 137 例からは,5 年目に5.1%,12 年目までに 12.4% で, 肝機能持続異常群 130 例からは,5 年目までに 17.7% で,12 年目までに 27.8% であった. 肝機能異常群に有意に多くの肝癌発症がみられたことから,C 型慢性肝炎における肝癌発症には, 持続する炎症が重要な役割を果たしていると考えられた. それ以外の詳細な機序については肝細胞の再生, サイトカインや増殖因子による増殖ストレスが誘因となること, また様々の癌遺伝子の異常発現や変異産物の蓄積などにより異常クローンが発生することなどが考えられている. また, 肝機能が正常であっても, 高齢の HCV 感染者は肝癌の発症があり,HCV 感染者の診療上注意を要することと考えられた 5)14). 5.HCV 感染者に対する IFN 療法 1)PEG-IFNα-2b + リバビリン併用療法わが国では 1992 年にC 型慢性肝炎に対して IFN の投与が保険適応となった. 当初,IFNα は24 週 20), 21) βは 6-8 週投与の単独投与で, その効果は IFN 投与終了後 24 週でも HCVRNA の持続的に陰性化している有効例は約 25% で,genotype 1 型 /HCVRNA 高値の例では, さらに低く約 5% であった. また,40 歳過ぎの女性の有効率は低値であった 22). このため, 新たな IFN 療法として 2001 年より Th2 の産生を抑制することによって Th1/Th2 の比を高めるリバビリンと IFN の併用療法が行われ 23), さらに 2004 年より, 週 1 回の投与の Pegylated(PEG) -IFNα-2b とリバビリン併用の48 週投与が開始され, 現在, この治療法が主流となっている. この成績については九州大学大学院感染環境医学分野と病態修復内科学分野, 病態機能内科学分野, 病態制御内科分野, およびそれぞれの関連病院とで組織した九州大学関連肝疾患研究会 (Kyushu University Liver Disease Study:KULDS) での成績を述べる 24). 有効率は genotype 1 型では 939 例中 40.7% と genotype 2 型の 313 例中 79.6% に比較し有意に低値であったが (ITT 解析 ), 以前の IFN 単独投与に比較すると飛躍的な上昇であった. 有効に寄与する独立因子を多変量解析を用いて検討したところ,genotype 1 型では男性, 低年齢,HCVRNA 量低値,γ-GTP 低値, アルブミン高値, 空腹時血糖低値, 血小板数高値であった. その他の因子としては, ウイルスのコア領域や IFN 感受性決定領域および宿主の IFN-λ に関連する IL-28 遺伝子多型などとの関連が報告されている.genotype 2 型では IFN 治療歴が無いことおよび HCVRNA

5 C 型肝炎ウイルスの疫学的 臨床的研究 49 量低値であった. 近年,HCVRNA の測定感度がさらに改善されたことにより, 治療開始 8 週目までに HCVRNAが陰性化した例の殆どは有効例となることが理解されるようになった 25). 治療薬の減量について体重規定総投与量からみると,genotype 2 では減量とその効果に有意な差はみられなかったが,genotype 1 型では PEG-IFNα-2b は 80% 以下,RBVは60% 以下の量では, 有効率の有意な低下がみられた 26). IFN 療法の有効例では肝生検組織像も改善することを既に証明していたが 27), 多くの症例対して肝線維化測定機器 FibroScan(Echosens,Paris,France) を用いて, 非侵襲的に長期に肝病態の推移を検討した. FibroScan 値は C 型慢性肝炎の肝生検組織像の Stage 分類および Grade 分類と正の相関を示していた 28). FibroScan 値の推移から有効例では長期にわたって組織学的改善が考えられ, 無効例では一時期的な改善はみられたが最終的に悪化していることが示された 29). 2)IFN の肝癌発症抑制効果 IFN 投与患者の観察期間平均 5.7 年での肝癌発症は,IFNα 投与群では 260 例中 6.5%,β 投与群では 91 例中 4.4% で, 福岡県星野村 HCV 感染者を年齢補正した肝機能持続異常群における5 年の肝癌発症率 17.7% に比較し低い値であった. 特に, ウイルスが持続的に陰性化した有効例や, 肝機能が正常化した例に肝癌発症が少なかった 30). 肝癌細胞株 Huh7 および HepG2 を用いた in vitro の実験では,IL15 を介して IFN が癌の発育を抑制していたことから 31)32),IFN 療法による HCV の持続的な排除が望めないような症例に対しては, 肝癌発症抑制効果を期待して,IFN の少量長期投与が推奨されている. 6.HCV 感染とインスリン抵抗性 C 型慢性肝炎患者に対して食事負荷試験 ( クッキーテスト : 糖質 75g, 脂肪 28.5g, 蛋白質 7g, 計 585Kcal) を行い 33),HOMA-IR だけでなくインスリン面積, インスリン面積 グルコース面積を指標としてインスリン抵抗性を検討した. いずれの指標でも非糖尿病 C 型慢性肝炎患者では, コントロール ( 非糖尿病高血圧患者 ) に比較して高値であった 34). また,HCVRNA 量は種々のインスリン抵抗性の指標と有意な関連がみられるだけでなく, 高分子量アディポネクチンとは逆相関がみられ,HCV 感染とインスリン抵抗性との関連が強く示唆された 35). さらに,C 型慢性肝炎に対する pegifnα-2b + ribavirin 併用療法の効果とインスリン抵抗性との関連を検討した.genotype 1 型での有効率は血清空腹時インスリン高値例あるいは HOMA-IR 高値例に有意に低かったが (p < ),genotype 2 型では有意な差はみられなかった. しかし, インスリン面積, インスリン面積 グルコース面積でみると genotype 2 型でもインスリン抵抗性が存在する例では有効率が有意に低かった. さらに,pegIFN α-2b + ribavirin 併用療法を受けたC 型慢性肝炎患者のインスリン抵抗性を経時的に観察すると,HCV が完全に排除された有効例では血清空腹時インスリン値の低下あるいは HOMA-IR の低下がみられ, インスリン抵抗性の改善が認められた 33). 7.HCV と成人 T 細胞白血病ウイルス (HTLV-1) との重複感染福岡県を含む九州は HTLV-1の高浸淫地区であるが,HCV 感染者に HTLV-1 が重複感染すると,HCV 単独感染に比較して, 肝癌の発症頻度が高く, また, 若年で発症する傾向がみられることが, 著者らの調査で判明した. すなわち, 長崎県壱岐市における継続調査では,10 年間の肝癌発症率は HCV/HTLV-1 重複感染 159 例中 20.7% で,HCV 単独感染 491 例中 7.9% に比較して有意に高率であった (p < 0.001). これを 45 歳以下の年齢から観察できた例と,55 歳以上の年齢から観察できた例に分けて検討した. 前者では HCV/HTLV-1 重複感染 32 例中 21.9% で,HCV 単独感染 184 例中 4.3% に比較して有意に高率であったが (p < 0.01), 後者では HCV/HTLV-1 重複感染 127 例中 20.5% で,HCV 単独感染 307 例中 10.1% と差はみられなかった. すなわち,HCV/HTLV-1 重複感染例では HCV 単独感染例より肝癌の発

6 50 林純 古庄憲浩 症の危険性高く, 特に若年者からの発症があることが判明した 5). また,HCV/HTLV-1 重複感染例では IFN 単独療法の有効率が有意に低く 6),IFN 単独療法による肝癌発症抑制効果もみられなかった 5).HTLV-1 が HCV に重複感染すると不利な状況に働く機序の詳細は不明であるが,HTLV-1 感染細胞から未感染細胞に感染する際には, 細胞表面の gp46 を介して行われるが, 肝病態が進行しているほど, この gp46 に対する抗体の出現頻度が高く, 抗体価も高いことから 7), HTLV-1の外被蛋白の発現が肝病態に何らかの影響を与えているものと考えられる. 現在,PEG-IFN α-2b + ribavirin 療法が行われているが, この治療法では HCV/HTLV-1 重複感染例に対しても 34 例中 20 例,58.8% と HCV 単独感染 142 例中 80 例,56.3% とほぼ同等であり, 当地区では今後は肝癌発症が減少するものと思われる 5). おわりに わが国は HCV の高浸淫国の一つであり, その原因としては医療行為による感染拡大が考えられた. また,HCV 感染者のうち肝機能異常者は高率に肝癌発症がみられた.HCV 感染者に対する PEG-IFNα+ ribavirin 併用療法の有効性は genotype 1 型で 40%,2 型で 80% であった. 有効例については HCV が完全に消失するため肝病態の著明な改善および肝癌発症抑制効果がみられた. また,HCV 感染者はインスリン抵抗性がみられる例があり, このような例では IFN 療法の有効性が低い. 九州地区では成人 T 細胞白血病ウイルスの高浸淫地区でもあるため,HCV との重複感染例が高頻度にみられる. 重複感染例では若年での肝癌発症があるため, 有効性が高まった PEG-IFN-α+ ribavirin 併用療法に期待しているところである. 本稿では九州大学大学院感染環境医学分野 / 九州大学病院総合診療科の方針である予防医学の実践の一つとして,HCV 感染を取り上げた. すなわち, 著者らが取り組んだ HCV 感染の実態調査およびその感染防止対策とその効果, さらに感染患者対する肝癌発症抑制を目的とした IFN 療法の効果について述べた. 参考文献 1) Hayashi J, Hirata M, Nakashima K, Noguchi A, Kashiwagi S, Matsui M, Ishibashi H and Maeda Y : Hepatitis C virus is a more likely cause of chronic liver disease in the Japanese population than hepatitis B virus. Fukuoka Acta Med 82 : , ) Nakashima K, Kashiwagi S, Hayashi J, Noguchi A, Hirata M, Kajiyama W, Urabe K, Minami K and Maeda Y : Sexual transmission of hepatitis C virus among female prostitutes and patients with sexually transmitted diseases in Fukuoka, Kyushu, Japan. Am J Epidemiol 136 : , ) Hayashi J, Kishihara Y, Yamaji K, Yoshimura E, Kawakami Y, Akazawa K and Kashiwagi S : Transmission of hepatitis C virus by health care workers in a rural area of Japan. Am J Gastroenterol 90 : , ) Nakashima K, Ikematsu H, Hayashi J, Kishihara Y, Mitutake A and Kashiwagi S : Intrafamilial transmission of hepatitis-c virus among the population of an endemic area of Japan. JAMA 274 : , ) 林純, 古庄憲浩, 澤山泰典 :HCV 患者の変遷と疫学. 医学と薬学 62: , Kishihara Y, Furusyo N, Kashiwagi K, Mitsutake A, Kashiwagi S and Hayashi J : Human T lymphotropic virus type 1 infection influences hepatitis C virus clearance. J Infect Dis 184 : , ) Takeoka H, Furusyo N, Toyoda K, Murata M, Sagara Y, Kashiwagi S and Hayashi J : Antibody to the Human T-Lymphotropic Virus Type 1(HTLV-1) Envelope Protein Gp46 in Patients Co-infected with HCV and HTLV-1. Am J Trop Med Hyg 77 : , ) Hayashi J, Nakashima K, Kajiyama W, Noguchi A, Hirata M, Maeda Y and Kashiwagi S : Prevalence of antibody to hepatitis C virus in hemodialysis patients. Am J Epidemiol 134 : , Furusyo N, Hayashi J, Kakuda K, Ariyama I, Kanamoto-Tanaka Y, Shimizu C, Etoh Y, Shigematsu M and Kashiwagi S: Acute hepatitis C among Japanese hemodialysis patients : a prospective 9-year study. Am J Gastroenterol 96 : , Furusyo N, Kubo N, Nakashima H, Kashiwagi S, Etoh Y and Hayashi J : Confirmation of nosocomial hepatitis C virus infection in a hemodialysis unit. Infect Cont Hosp Epidemiol 25 : , ) Furusyo N, Hayashi J, Kanamoto-Tanaka Y, Ariyama I, Etoh Y, Shigematsu M and Kashiwagi S : Liver

7 C 型肝炎ウイルスの疫学的 臨床的研究 51 damage in hemodialysis patients with hepatitis C viremia : a prospective 10-year study. Dig Dis Sci 45 : , Furusyo N, Hayashi J, Ariyama I, Sawayama Y, Etoh Y, Shigematsu M and Kashiwagi S : Maintenance hemodialysis decreases serum hepatitis C virus (HCV) RNA levels in hemodialysis patients with chronic HCV infection. Am J Gastroenterol 95 : , ) Hayashi J, Kishihara Y, Yamaji K, Furusyo N, Yamamoto T, Pae Y, Etoh Y, Ikematsu H and KashiwagiS: Hepatitis C viral quasispecies and liver damage in patients with chronic hepatitis C virus infection. Hepatology 25 : , ) Hayashi J, Furusyo N, Ariyama I, Sawayama Y, Etoh Y and Kashiwagi S : A relationship between the evolution of hepatitis C virus variants, liver damage, and hepatocellular carcinoma in patients with hepatitis C viremia. J Infect Dis 181 : , ) Kishihara Y, Hayashi J, Yoshimura E, Yamaji K, Nakashima K and Kashiwagi S: IL-1 beta and TNF-alpha produced by peripheral blood mononuclear cells before and during interferon therapy in patients with chronic hepatitis C. Dig Dis Sci 41 : , ) Hayashi J, Kishihara Y, Yamaji K, Yoshimura E, Ohmiya M, Tani Y, Ikematsu H and Kashiwagi S : Serum levels of soluble interleukin-2 receptors and effects of interferon-α for patients with chronic hepatitis C virus. Dig Dis Sci 40 : , ) Kawakami Y, Nabeshima S, Furusyo N, Sawayama Y, Hayashi J and Kashiwagi S : Increased frequency of interferon-γ-producing peripheral blood CD4 + T cells in chronic hepatitis C virus infection. Am J Gastroenterol 95 : , Murata M, Nabeshima S, Maeda N, Nakashima H, Kashiwagi S and Hayashi J : Increased frequency of IFN-gamma-producing peripheral CD8 + T cells with memory-phenotype in patients with chronic hepatitis C. J Med Virol 67 : , ) Kubo N, Furusyo N, Nakashima H, Kashiwagi K and Hayashi J : Strenuous physical labor is important as a cause of elevated alanine aminotoransferase levels in Japanese patients with chronic hapatitis C viremia. Eur J Epidemiology 20 : , ) Hayashi J, Ohmiya M, Kishihara Y, Tani Y, Kinukawa N, Ikematsu H and Kashiwagi S:A statistical analysis of predictive factors of response to human lymphoblastoid interferon in patients with chronic hepatitis C. Am J Gastroenterol 89 : , ) Furusyo N, Hayashi J, Ohmiya M, Sawayama Y, Kawakami Y, Ariyama I, Kinukawa N and Kashiwagi S : Differences between interferon-α and β treatment for patients with chronic hepatitis C virus infection. Dig Dis Sci 44 : , ) Hayashi J, Kishihara Y, Ueno K, Yamaji K, Kawakami Y, Furusyo N, Sawayama Y and Kashiwagi S. Age-related response to interferon alfa treatment in women vs men with chronic hepatitis C virus infection. Arch Intern Med 158 : , Furusyo N, Kubo N, Toyoda K, Takeoka H, Nabeshima S, Murata M, Nakamuta M and Hayashi J : Helper T cell cytokine response to ribavirin priming before combined trearment with interferon alpha and ribavirin for patients with chronic hepatitis C. Antivir Res 67 : 46-54, ) 林純, 古庄憲浩, 梶原英二, 中牟田誠, 丸山俊博, 高橋和弘, 佐藤丈顕, 野村秀幸, 田邊雄一, 古藤和浩 : C 型慢性肝炎に対するペグインターフェロン α-2b とリバビリン併用療法の臨床成績. 消化器科 49: , ) Ogawa E, Furusyo N, Toyoda K, Taniai H, Otaguro S, Kainuma M, Sawayama Y and Hayashi J: Excellent superiority and specificity of COBAS TaqMan HCV assay in an early viral kinetic change during pegylated interferon alpha-2b plus ribavirin treatment. BMC Gastroenterol (in press) 26 Furusyo N, Kajiwara E, Takahashi K, Nomura H, Tanabe Y, Masumoto A, Maruyama T, Nakamuta M, Enjoji M, Azuma K, Shimono J, Sakai H, Shimoda S and Hayashi J : Association between the treatment length and cumulative dose of pegylated interferon alpha-2b plus ribavirin and their effectiveness as a combination treatment for Japanese chronic hepatitis C patients : A project of the Kyushu University Liver Disease Study Group. J Gastroenterol Hepatol 23 : , ) 岸原康浩, 林純, 中島孝哉, 野口晶教, 大宮美佐香, 柏木征三郎 : インターフェロン投与により HCV-RNA が陰性化した C 型肝炎の組織学的評価臨牀と研究 70: , ) Ogawa E, Furusyo N, Toyoda K, Takeoka H, Otaguro S, Hamada M, Murata M, Sawayama Y and Hayashi J : Transient elastography for patients with chronic hepatitis B and C virus infection : A noninvasive,

8 52 林純 古庄憲浩 quantitative assessment of liver fibrosis. Hepatol Res 37 : , Ogawa E, Furusyo N, Toyoda K, Takeoka H, Maeda S and Hayashi J : The longitudinal quantitative assessment by transient elastography of chronic hepatitis C patients treated with pegylated interferon alpha-2b and ribavirin. Antivir Res 83 : ) Kashiwagi K, Furusyo N, Kubo N, Nakashima H, Nomura H, Kashiwagi S and Hayashi J : A prospective comparison of the effect of interferon-alpha and interferon-beta treatment in patients with chronic hepatitis C on the incidence of hepatocellular carcinoma development. J Infect Chemother 9 : , ) Murata M, Nabeshima S, Kikuchi K, Yamaji K, Furusyo N and Hayashi J : A comparison of the antitumor effects of interferon-α and β on human hepatocellular carcinoma cell lines. Cytokine 33 : , ) Yamaji K, Nabeshima S, Murata M, Chong Y, Furusyo N, Ikematsu H and Hayashi J : Interferon-α /β upregulate IL-15 expression in vitro and in vivo : analysis in human hepatocellular carcinoma cell lines and in chronic hepatitis C patients during interferon-α /βtreatment. Cancer Immunol Immunother 55 : , ) Okada K, Maeda N, Kikuchi K, Tatsukawa M, Sawayama Y and Hayashi J : Pravastatin improves insulin resistance in dyslipidemic patients. J Atheroscler Thromb 12: , ) 林純 : 糖尿病に合併する感染症 :C 型肝炎ウイルス感染と糖尿病月刊糖尿病 1: , Furusyo N, Sawayama Y, Maeda S, Toyoda K, Takeoka H, Murata M, Ohnishi H and Hayashi J : High molecular weight of adiponectin levels in Japanese patients with chronic hepatitis C virus infection. Hepatol Res 37 : , ( 参考文献のうち, 数字がゴシック体で表示されているものについては, 著者により重要なものと指定された分です.) プロフィール林純 ( はやしじゅん ) 九州大学教授 ( 大学院医学研究院臓器機能医学部門内科学講座感染環境医学分野 ) 医学博士九州大学病院総合診療科科長 略歴 :1949 年福岡市に生まれ,1950 年より山口県下関市に移住.1967 年鹿児島ラ サール高校卒業.1975 年に東邦大学医学部卒業し, 九州大学医学部第 1 内科入局する. 北九州市立門司病院, 福岡逓信病院をへて,1988 年九州大学病院の総合診療部立ち上げに参加.1989 年に同部助教授,2001 年に九州大学大学院感染環境医学分野および総合診療部 ( 現, 総合診療科 ) 教授.2002 年九州大学病院臨床教育研修センター長, 感染制御部部長.2005 年に九州大学病院病院長補佐.2006 年から東邦大学医学部客員教授 ( 併任 ), 現在に至る. 専門領域 : 肝炎ウイルス, レトロウイルス, インフルエンザ, 持続感染と生活習慣病の疫学的 / 臨床的研究, 院内感染所属学会 : 病院総合診療医学会 ( 理事長 ), 感染症学会 ( 評議員 ), 動脈硬化学会 ( 評議員 ), 性感染症学会 ( 評議員 ), 内科学会, 肝臓学会 研究テーマと抱負 : 研究マインドを持った, 臨床に強い総合診療医の育成を目的として, 感染症および生活習慣病を中心とし, 臨床的に, また, 疫学的に研究を進めたい. 現在は感染症が生活習慣病に及ぼす影響を検討し, 感染症を治療すると生活習慣病が改善するのではないかと密かに期待して研究しています. 趣味 : 読書 ( 歴史関連 ), ゴルフ その他 : ゴルフ四方山話 出版( ペンネーム : 二木一白 )

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