( 3 ) 所得税法上非課税となっているもの給与所得者の通勤手当公的年金の遺族年金障害年金雇用保険の失業等給付生活用動産の譲渡損害賠償金見舞金慰謝料など宝くじの当選金などこれらによる収入は社会政策的な見地などから所得扱いされない = 非課税となる Ⅱ 確定申告が必要となる人は誰か

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はならぶり
5 years ago
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1 確定申告とは何か? 所得税入門若者生活労働サポート会代表 2 級ファイナンシャルプランニング技能士田口裕貴 Ⅰ 確定申告所得税とは何か 1 確定申告所得税の定義確定申告とは所得税の確定した金額を自分で申告する制度のことをいうまた所得税とは毎年 1 月 1 日から 1 2 月 3 1 日までの 1 年間にどんな種類の所得がどれだけ生じたかを計算しその所得に対して法律で定められた税率をかける制度である確定申告によって確定した所得税の金額を算出し源泉徴収 ( いわゆる天引き ) された所得税額があるのであれば確定した所得税額と天引きされた所得税額を比較し過不足を調整する 2 所得金額所得税額とは? ( 1 ) 原則的な所得金額の計算方法所得金額 = 収入金額 - 必要経費但し例外あり例えば給与所得の場合給与所得金額 = 給与額 - 給与所得控除額また上記給与所得金額計算の例外もあり ( 例外の例外 ) 給与所得控除額よりも必要経費が多い場合給与所得金額 = 給与額 - 必要経費 c f. 大島訴訟 ( サラリーマン税金訴訟 ) 1 最三小判平元判時号 6 9 頁 ( 2 ) 原則的な所得税額の計算方法所得税額 = 所得金額税率なお税率については超過累進税率 2 が採用されている 1 首藤重幸総評サラリーマン訴訟判批水野忠恒他編別冊ジュリスト号租税判例百選第 4 版 ( 年 ) 2 0 頁廣澤民生所得税の不平等サラリーマン税金訴訟判批高橋和之他編別冊ジュリスト号憲法判例百選 Ⅰ 第 5 版 ( 年 ) 7 0 ~ 7 1 頁 2 まず累進税率とは課税標準額の増加に応じて累進的に課税されるもの ( すなわち高所得者になればなるほど税率が上がるもの ) でありそのうち超過累進税率とは課税標準を多段階に区分し一定額を超過するごとに高率を適用するもの ( すなわち所得額にし 1

2 ( 3 ) 所得税法上非課税となっているもの給与所得者の通勤手当公的年金の遺族年金障害年金雇用保険の失業等給付生活用動産の譲渡損害賠償金見舞金慰謝料など宝くじの当選金などこれらによる収入は社会政策的な見地などから所得扱いされない = 非課税となる Ⅱ 確定申告が必要となる人は誰か 1 確定申告が ( 義務的に ) 必要な人給与所得者のうち次のいずれかに該当する人 ( 1 ) 給与収入金額が 2, 万円を超える人 ( 2 ) 給与以外の所得もありそれが 2 0 万円を超える人 ( 3 ) 2 箇所以上から給与を受けていてそれぞれの額が 2 0 万円を超える人 ( 4 ) 同族会社の役員やその親族などでその同族会社からの給与のほかに貸付金の利子店舗工場賃貸料機械器具の使用料などの支払を受けた人 ( 5 ) 給与について災害減免法により所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人 ( 6 ) 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで給与の支払を受ける際に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収されないこととなっている人公的年金受給者退職所得がある人のうち外国企業から受け取った退職金など源泉徴収されないものがある人上記以外の人であって所得がある人 2 義務ではないが確定申告をすれば税金が戻ってくる人給与所得者のうち給与から所得税が源泉徴収されているが給与総額が万円以下の人給与所得者のうち年の途中で退職するなどして年末調整をしていない人給与所得者のうち次の制度の適用を受けられる人たがって税率が上がってくる仕組みのこと ) をいう ( 増田英敏加瀬昇一編確認租税法用語成文堂年加瀬昇一執筆部分 ) 2

3 雑損控除や医療費控除寄付金控除いわゆる住宅ローン減税政党等寄付金特別控除等公的年金受給者のうち医療費控除や社会保険料控除などが受けられる人退職所得がある人のうち一定の要件に該当する人 Ⅲ 所得税の計算の流れ 1 所得額を計算する収入金額 - 必要経費 2 所得控除額 ( 後述 ) を計算し 1 からその額を引く課税総所得金額 3 課税総所得金額に税率をかける所得税額が算出される 4 税額控除が受けられる場合には 3 からその額を控除する支払うべき所得税額が算出される 5 源泉徴収された額予定納税した額がある場合には 4 で算出された金額とそれらの金額を比較する過不足を算出することになる既に払いすぎであれば還付請求もし払うべき税額が不足していれば後日納付 ( 期限は 3 月 1 6 日まで ) Ⅳ 所得の種類 1 所得の分類所得税法上所得は 1 0 種類に分類される ( 1 ) 利子所得 ( 預貯金の利子など ) ( 2 ) 配当所得 ( 株式の配当金など ) ( 3 ) 不動産所得 ( アパートの貸付など ) ( 4 ) 事業所得 ( 小売業卸売業など ) ( 5 ) 給与所得 ( 給料賞与など ) ( 6 ) 譲渡所得 ( 土地や建物の譲渡株式などの譲渡など ) ( 7 ) 一時所得 ( 保険の満期返戻金など ) ( 8 ) 雑所得 ( 公的年金など作家以外の原稿料収入など ) ( 9 ) 退職所得 ( 退職金など ) ( 1 0 ) 山林所得 ( 山林の伐採譲渡など ) これら 1 0 種類の所得がどれだけあるかを計算し最終的にまとめて総所得金額がいくらであるかを算出する 3

2 若者に特に関係しそうな所得の計算方法 ( 1 ) 給与所得給与所得は給与収入 - 給与所得控除額によって求める給与所得控除額については次の表のとおりとなる国税庁ホームページより引用 ( 最終アクセス日 H 2 7. 2. 2 4 ) h t t p s : / / w w w. n t a. g o.

4 2 若者に特に関係しそうな所得の計算方法 ( 1 ) 給与所得給与所得は給与収入 - 給与所得控除額によって求める給与所得控除額については次の表のとおりとなる国税庁ホームページより引用 ( 最終アクセス日 H ) h t t p s : / / w w w. n t a. g o. j p / t a x a n s w e r / s h o t o k u / h t m P o i n t : 給与所得が万円以下の場合給与所得控除額は収入金額の 4 0 % となるただしその額が 6 5 万円に満たない場合には 6 5 万円となる ( 2 ) 雑所得雑所得に該当するものとして公的老齢年金のほかあ原稿料や講演料印税などがある公的老齢年金以外の雑所得については収入金額 - 必要経費で求める ( 3 ) 一時所得一時所得に該当するものとして競馬や競輪の払戻金生命保険の一時金などがあるこれらについても収入金額 - 必要経費で求める 4

5 Ⅴ 所得控除 1 所得控除とは何か所得控除とは所得金額から一定の金額を控除して税負担を軽減する制度のことである 3 その目的には 2 つの側面があるひとつは生存権保障の表れとしての担税力を考慮した人的控除でありもうひとつは不可避的な支出でその負担によって担税力が減少するものについて考慮するためのものである 4 2 所得控除の種類所得控除には次のものがある雑損控除医療費控除社会保険料控除小規模企業共済等掛金控除生命保険料控除地震保険料控除寄付金控除寡婦寡夫控除勤労学生控除障害者控除配偶者控除配偶者特別控除扶養控除基礎控除 3 若者に特に関係しそうな所得控除について ( 1 ) 基礎控除すべての人に適用される控除である生存権保障の観点から設けられたもの総所得金額から 3 8 万円を控除する ( 2 ) 社会保険料控除健康保険や年金の保険料の支払合計額を総所得金額から控除する ( 3 ) 医療費控除年間の医療費自己負担額が 1 0 万円を超えた場合に適用一定額を総所得金額から控除する ( 4 ) 配偶者控除扶養控除配偶者 ( 一定の所得以下であること ) がいる場合に一定額を総所得金額から控除扶養控除についても同様 3 増田加瀬前掲書 ( 注 2 ) 3 3 頁 4 増田加瀬前掲書 ( 注 2 ) 3 3 頁 5

Ⅵ 税金の計算総所得金額から所得控除額を引き課税対象所得額を算出するその金額がいくらかによって税率が変わる国税庁ホームページより引用 ( 最終アクセス日 H 2 7. 2. 2 4 ) h t t p s : / / w w w. n t a. g o. j p / t a x a n s w e r / s h o t o k u / 2 2 6 0.

6 Ⅵ 税金の計算総所得金額から所得控除額を引き課税対象所得額を算出するその金額がいくらかによって税率が変わる国税庁ホームページより引用 ( 最終アクセス日 H ) h t t p s : / / w w w. n t a. g o. j p / t a x a n s w e r / s h o t o k u / h t m Ⅶ 税額控除税額控除には次のものがある配当控除 ( 特定増改築等 ) 住宅借入金等特別控除政党等寄付金特別控除住宅耐震改修特別控除住宅特定改修特別税額控除認定住宅新築等特別税額控除かなり細かい内容なのでここでは省略要するに住宅ローンを組んだり住宅のバリアフリー工事をした場合などに税額控除を適用するというものこれらに該当する場合には上記 Ⅵ で算出した税額から税額控除によって算出された額を控除する ( 税額を直接減らすという効果がある ) Ⅷ 源泉徴収済み税額などとの比較上記 Ⅶ までで確定した所得税額が算出されている状態にあるこれと既に源泉徴収 ( 天引き ) されている税額を比較する不足額があればさらに税金を支払うこととなる税金の過払い状態にあれば還付を受けることができる 6

7 Ⅸ その他参考事項 1 申告書の様式について A 様式と B 様式がある A 様式は給与所得だけがある人向け B 様式はどんな所得があっても使えるが項目が多く複雑通常は A 様式で対応可能 2 源泉徴収票について所得税法上源泉徴収をした人は源泉徴収票を渡さなければならない義務がある給与から所得税が天引きされているのに源泉徴収票が交付されない場合は所得税法違反なので税務署に報告すべき 3 確定申告書の作成についてインターネット上で簡単に作成できるように国税庁ホームページでソフト (? ) が公開されているのでそれを使うと非常に便利です必要箇所を入力するだけで勝手に計算してくれます国は e - t a x を推進していますが紙での申告書作成も可能なのでそれを選択し申告会場に持っていくことをおすすめしますなお e - t a x は電子証明書がないと使えないのでもし住基カードなどを持っていてかつカードリーダーを持っているのであれば 2 4 時間どこでも確定申告ができる e - t a x がおすすめですちなみに電気屋さんなどで確定申告のソフトが売っていますが買う必要はありません国税庁が公開しているソフトがオフィシャルなわけですし機能としても十分なのでそちらを利用することを強くお勧めします国税庁ホームページ申告書作成コーナーの U R L は h t t p s : / / w w w. n t a. g o. j p / t e t s u z u k i / s h i n k o k u / s h o t o k u / t o k u s h u / i n d e x. h t m です 7

Ⅹ 実際の計算次の源泉徴収票から税額を計算し税金を払うことになるのか還付を受けることができるのかを考えてみてください参考資料本文及び脚注であげたもののほかに北野弘久編現代税法講義 5 訂版 ( 法律文化社 2 0 0 9 年 ) 国税庁平成 2 6 年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き確定申告書 B 用 h t t p s : /

8 Ⅹ 実際の計算次の源泉徴収票から税額を計算し税金を払うことになるのか還付を受けることができるのかを考えてみてください参考資料本文及び脚注であげたもののほかに北野弘久編現代税法講義 5 訂版 ( 法律文化社年 ) 国税庁平成 2 6 年分所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き確定申告書 B 用 h t t p s : / / w w w. n t a. g o. j p / t e t s u z u k i / s h i n k o k u / s h o t o k u / t e b i k i / p d f / 0 2. p d f ノースアイランド編うかる! F P 技能士 3 級速攻テキスト ( 日本経済新聞出版社年 ) 8

税法実務コース所得税学習スケジュール回数学習テーマ内容第 1 章テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得所得税の仕組み税額計算所得税が課税されないものについて学習しますテーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

税法実務コース所得税学習スケジュール回数学習テーマ内容第 1 章テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得所得税の仕組み税額計算所得税が課税されないものについて学習しますテーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得税法実務コース所得税学習スケジュール回数学習テーマ内容第 1 章テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得所得税の仕組み税額計算所得税が課税されないものについて学習しますテーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得所得の分類各種所得金額の計算方法について学習しますなお不動産所得事業所得第 2 章テーマ6