空間的自己相関モデルにおける距離行列のべき数の推定と地価決定要因分析への応用

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1 空間的自己相関モデルにおける距離行列のべき数の推定と地価決定要因分析への応用 Estimation of the exponent of the distance matrix in a spatial autocorrelation model, and application to analysis of land prices 宮崎公策 Kosaku Miyazaki 指導教官樋口洋一郎 Yoichiro Higuchi The spatial weight matrix in the spatial autocorrelation model reflects the spatial interaction structure. In case spatial influence is based on the distance between the points, and the spatial weight matrix is composed of the exponent of the distance, the exponent indicates the strength of influence of neighboring points. This study aims to estimate the exponent of the distance in the weight matrix using Tokyo 3 ward land prices from to 004, and to explain determinants of land prices with attention to the transition of spatial interaction structure and spatial influence. Key Words: 空間的自己相関 空間的相互作用 空間波及 空間構造 地価 Spatial autocorrelation, Spatial interaction, Spatial influence, Spatial structure, Land prices 1. 研究の背景と目的 (1) 研究の背景日本の地価は戦後経済成長とともに右肩上がりで上昇を続け 1980 年代から 90 年代初頭のバブル期に高騰した この地価高騰はまず東京の都心部商業地で生じ 商業地から住宅地へ 都心部から郊外へと波及していく様子が顕著にみられた しかしバブル崩壊以降地価は下落を続け 全国平均では 13 年連続で下落している このような長期にわたる地価の下落は過去に例がない だが近年では新たな一面もみられる ここ数年東京都区部やその周辺で下げ止まりの傾向があるものの 依然として下落が続いている地点は多く 地価の二極化 多極化が進んでいる これは近年ではバブル期のような地価の上昇が期待できず 利便性や収益性といった個々の土地の価値に基づいて地価を決定する傾向が強まったからだと考えられる このような状況からみると バブル崩壊直後の下落と最近の下落の動向ではその特徴や要因が異なると考えられる バブル崩壊直後の下落は ファンダメンタルズを超えて高騰した地価が 利用価値を反映した適正な価格に戻る過程で起きている面が強かった しかし 近年の地価下落は社会経済情勢による土地の需要構造の変化という構造的な面が強くなっていると考えられる () 研究の目的バブル期の地価の波及から 地価の形成要因として空間 的な影響の存在が考慮される しかし バブル崩壊以降の下落局面でも空間的な波及は存在するのかという疑問が生じる そこで地価の高騰が始まる 年から下落局面に至る 004 年までの地価を空間的な影響を推定することができる空間的自己相関モデルを用いて分析し 地価決定要因とその変化を考察することが研究の目的の1 点目である 一方 空間的自己相関モデルでは空間的な影響の受け方を表す空間構造を空間重み付け行列で表すが 重み付け行列の構造によって推定結果が左右されるために適切な重み付け行列を設定することが重要となる しかし空間構造は観測できない未知のものであるから空間構造の恣意性を排除することができないという問題点がある 空間分析において 多くの場合空間的な影響は距離との関連が強いということが確認される この観点から空間構造が地点間距離に基づき 重み付け行列が地点間距離のべき乗から構成されているとすると そのべき数は近隣地点の影響の重要性を規定することになる そこで空間的自己相関モデルの推定において 重み付け行列のべき数を直接推定することで空間構造を探り出す手法を開発して地価分析に応用する そして地価における空間構造の変化を考察し 同時にモデルの推定精度と利用価値を向上させることを研究の目的の 点目とする. 既存研究の整理 (1) 地価の空間的連関に関する研究青山 廣瀬 1) は対前年変動率などを空間波及要因として重回帰モデルで推定し 空間波及の存在を実証した 内田

2 安藤 ) は地価に自然科学における熱伝導の拡散方程式を当 α f ( d) = f( d ) [ ] ij = d ij = D α てはめて波及現象を捉えようとした これに対し 肥田野重み付け行列は次のようにして作成する ら 3) 高塚 樋口 4) は青山 5) によって展開された地価の空間連関理論を踏まえ 空間的自己相関モデルによる推定を支持している またTakatsuka and Higuchi 6) は地価の空間波及を理論的に展開した () 空間的自己相関に関する研究 Ⅰ. 元になる行列要素に関数 f を作用させる Ⅱ. 対角成分が 0 であるため 単位行列を加えて逆数をとり 単位行列を引いて対角成分を 0 に戻す Ⅲ.Ⅱの行和をとり それを対角成分に並べた行列の逆行列をとる Dow et al 7) はシミュレーションにより最尤法のほうが最 Ⅳ.ⅡにⅢを前から掛けて行和を 1 にする 小二乗法よりも望ましい推定量が得られることを示した また Leenders 8) は空間的自己相関モデルにおける重み付け行列の重要性を主張している 3. 空間的自己相関モデル () 推定方法バイアスを避けるため推定には最尤法を用いる 重み付け行列をべき乗のパラメータの関数としてみると モデルは次のように表現できる (1) モデルと重み付け行列の作成 Y = ρw( α) Y + Xβ + ε, ε ~ N(0, σ I) 空間的自己相関モデルは通常の重回帰モデルに空間的自己相関項を加えたモデルである Y = ρwy + Xβ + ε この式から得られる対数尤度関数を各パラメータに関して 偏微分すると 説明変数のパラメータ β と誤差分散 σ の つのパラメータは Y : 被説明変数 ( N 1) N はサンプル数 ˆ ' 1 ' β = ( X X) X { In ρw( α) } Y X : 説明変数 ( 定数項を含む ) ( N k) 1 ' ' ' 1 ' ˆ σ = ( Y { In ρw( α) } In X( X X) X k は説明変数の数 n W : 空間重み付け行列 ( N N) { In ρw( α) } Y) ρ : 空間的自己相関パラメータ ( スカラー ) β : 説明変数パラメータ ( k 1) ε : 撹乱項 ( N 1) 重み付け行列の ( i, j ) 成分は地点 j の値が地点 i の値に影響を及ぼす割合である 対角成分は 0 であり 行方向の和は 1 となるように確率行列化する となり 空間的自己相関パラメータ ρ と重み付け行列のべき乗のパラメータα に帰着する これらを対数尤度関数に代入することで 空間的自己相関パラメータ ρ と重み付け行列のべき乗のパラメータα だけの集約対数尤度関数を作る 得られた ρ とα の推定値から β とσ の推定量を計算することができる ここで 重み付け行列が地点間距離のべき乗の逆数から (3) 推定量の性質 構成されているとする このとき べき数が大きい場合で β とσ の推定量はそれぞれ不偏推定量 漸近的不偏推 は重み付け行列の行方向に関して近隣地点の要素が遠隔地点の要素よりも相対的に高い値となるため 近隣地点の影響がより強いということになる したがって 重み付け行列のべき数は空間的な影響における近隣地点の重要性を規定することになる 定量であることが理論的に示される ρ, α の推定量に関してはその性質を理論的に示すことが難しいため シミュレーションを行い統計量の性質を確認する シミュレーションは次のように設定した Ⅰ. 真のモデルを Y = ρw( α) Y + Xβ + ε とおく 地点間距離行列を D とし 行列要素に作用する関数を f Ⅱ. サンプル数 N に対して X1 ~ N(100, 10), とすると 重み付け行列は次のように定式化することができる X ~ N(100, 10) をそれぞれランダムに1 回ずつ発生させ 説明変数データとする Ⅲ. サンプル数 N に対して ε ~ N(0, 1) を1 回発生させ 撹 1 W = dg { En /( f( D) In) In} e + n 乱項とする { En /( f( D) + In) I n } Ⅳ. パラメータを ρ = 0.5, α =.0, β 0 = 1.0 ( 定数 項 ), β 1 = 1.0, β = 1.0 と設定し Ⅱ Ⅲを用いてⅠのここで I n は対角要素が 1 でその他の要素が 0 の単位行列 1 モデルからY = { I ρw ( α)} (Xβ + ε) によりY を算 ( N N) En はすべての要素が 1 の行列 (N N) en はすべ出し 被説明変数データとする ての要素が 1 の列ベクトル ( N 1) dg はベクトルを行列の対 Ⅴ. ρ, β, α, σ を最尤法で推定する 角要素に並べるオペレータ / は行列の要素ごとの商をと Ⅵ.Ⅲ~Ⅴを 500 回繰り返し それらの平均値と標準偏差 る演算記号である 本研究では関数 f はべき乗の関数とし 推定値が設定値から一定範囲内に含まれた回数を求めべき数 α をパラメータとする D の ( i, j ) 要素を d ij [ ] でる 要素ごとに作用することを表すと

3 ここで サンプルが観測される空間は正方形の格子状の地域を想定し 観測地点は格子状の交点に規則正しく並んでいるものとする 重み付け行列は地点間距離行列をもとに距離の 乗の逆数として作成した 表 -1 ρ とα のシミュレーション結果 ρ α 平均標準偏差誤差 <0. 誤差 <0.1 平均標準偏差誤差 <0.5 誤差 <0.1 N= N= N= N= N= N= N= N= N= サンプル数が増加すると ρ とα の推定値はそれぞれの設定値 の近傍になる回数が多くなり 標準偏差が 0 に近づく傾向が読み取れる したがって ρ とα の推定量はともに一致性をもっていると考えられる また α の平均値は設定値.0 に近づいているため 漸近的不偏性をもっていることも予想される 4. 地価決定要因分析 (1) 使用データ ~004 年の地価公示において東京都区部で地価が継続して調査された商業地 5 住宅地 5 地点を分析に用いる 被説明変数は地価 ( 対数変換 ) であり 説明変数は最寄り駅までの距離 最寄り駅から都心までの時間 都市ガスの有無 下水道の有無 地積 容積率 前面道路幅員 人口密度 第 次産業従業者密度 第 3 次産業従業者密度を用いた また このサンプルでは商業地では全期間の全地点でガス 96 年以降の全地点で下水道 住宅地では 98 年以降の全地点で下水道が完備されているため 該当する年で各変数を除いて推定を行う () 推定モデルモデルの有用性を検証するため重回帰モデル 空間的自己相関モデル ( 重み付け行列所与 ) べき数推定空間的自己相関モデルで推定を行う 重み付け行列を所与としたモデルではその構成は距離の逆数 その 乗 3 乗の3 通りを試した (3) 商業地の推定重回帰モデルの決定係数は全期間でおよそ 0.9 であり 商業地では設定した属性要因の変数によって大部分が説明できている 空間的自己相関モデルとべき数推定空間的自己相関モデルの ( 決定係数に相当する値 ) は 重回帰 モデルの決定係数よりわずかに上昇している それぞれのモデルのパラメータの符号と有意性はほぼ一致しているため 以下ではべき数推定空間的自己相関モデルの推定結果をもとに考察する 空間要因の ρ とα に注目すると ~1987 年までと 000~004 年までで有意なパラメータがみられるが 地価のピークに差し掛かる 年からその後の急落 ~ 低迷期である 1999 年までは一貫して有意でないという結果であった 商業地ではバブル期の地価高騰時に都心から郊外へ地価が波及する過程で 属性要因の説明変数で測定可能なファンダメンタルズ以外の空間的な影響が存在した これは適正な地価の水準から乖離したいわゆるバブルに相当するものと考えられ 地価の上昇期待がさらに周辺の地価の上昇期待を生んでいった波及構造を示している 1987 年に ρ の値は大きくなりα の値は小さくなっているが これは空間的な波及の影響が強まり かつ広い範囲まで及んでいたことを示している しかしこのような構造が浸透すると そもそも適正なファンダメンタルズではなかった空間的な波及要因が土地の売却益や賃貸料の上昇を考慮すると収益を生み出すファンダメンタルズとして認識され ファンダメンタルズ自体の価値が増加する この結果 年ごろからは空間要因は影響を潜め 変わってファンダメンタルズ自体が上昇する地価を形成することになる バブル崩壊後の下落局面では表 - 商業地べき数推定モデル推定結果 パラメータ寄与率年 ρ α 駅距都心下水地積容積道路人口 産 3 産空間属性 NA NA NA NA NA NA NA NA NA

4 地価の上昇が期待できなくなり 空間的な影響はほとんどない この傾向は日本経済が長期低迷する 90 年代一貫して続いている しかし 000 年以降は再び空間要因が有意となり始め 新たな傾向が見られる このころから東京都の地価では二極化が進み 景気の回復とともに都心部などで土地取引が活性化する状況がみられる 最近ではオフィス街に商業施設が立地し 耐震性や防災性に優れて高度な IT 設備が利用できる良質なビルに対するニーズが増加している また 賃料の下落に伴って同じコストでより条件の良いオフィスを借りられるようになったため 企業が顧客への近接性や快適な環境を求めて立地を変えられるようになった このような需要の変化が空間的に近いところに利便性や収益性の高い土地を生み出し 推定結果の空間要因に影響したと考 えられる 近年では ρ と α の値がともに大きくなっている が これは空間的影響の及ぶ範囲がより狭くなり その狭い範囲では相関が大きくなっていることを示している その他のパラメータをみると 容積率と第 3 次産業従業者密度がほぼ全期間で正に有意である 容積率は土地の高度利用 第 3 次産業は都市の活性化による集客力の増加が見込まれともに収益性につながると考えられるから 正の影響は妥当である 最寄り駅までの距離は負に有意な期間がみられるが有意でない期間が多く 都心までの時間や前面道路幅員も有意ではない 商業地ではこれらの要因以外のほうが重視されることがわかる (4) 住宅地の推定重回帰モデルの決定係数はすべての年でおよそ 0.65 である 住宅地は商業地と比較して属性要因で説明できる割合が小さく 属性要因の説明変数では住宅地の地価決定要因を十分に説明できない しかし 空間要因を加えた空間的自己相関モデルとべき数推定空間的自己相関モデルでは は 0.85 程度まで上昇する 商業地同様 それぞれのモデルにおける属性要因のパラメータの符号と有意性はほぼ一致しているため 以下ではべき数推定空間的自己相関モデルの推定結果をもとに考察する 空間要因は ρ,α ともに全期間で有意であり 住宅地ではバブル期をはさんで空間的な影響が一貫して存在し の上昇や寄与率からも地価の決定に大きく影響していることがわかる したがって 住宅地では常に周囲の地点の地価を参照して地価が決定されるというメカニズムが働いているといえる また α の推定値は 1.5~.3 の範囲で安定しており相対的に商業地よりも小さいから 住宅地では広い範囲の地点の地価まで参照していることになる 商業地では利便性や収益性はその土地の属性や周辺の環境によって大きく左右されるため 距離が離れていて共通性のない地点の地価はあまり参考にされなかった 一方住宅地では利便性は考慮されるだろうが居住目的であるなら収益性はあまり考慮されず 収益還元的な価値はあまり考えられな表 -3 住宅地べき数推定モデル推定結果 % 80% 60% 40% 0% 0% -0% rho alpha 図 -1 商業地空間要因のパラメータ 図 - 商業地の要因別寄与率 残差属性要因空間要因 パラメータ寄与率年 ρ α 駅距都心ガス下水地積容積道路人口 産 3 産空間属性 NA NA NA NA NA NA NA

5 い したがって地価決定においてはファンダメンタルズの評価よりも周辺の地価を参照して地価を決定するというプロセスがとられやすいと考えられる その他の変数では 最寄り駅までの距離 都心までの時間 地積 前面道路幅員 第 3 次産業従業者密度が全期間で有意であり 商業地とは影響する要因に違いがあることがわかる 全体的にみると 住宅地の地価決定要因は商業地と比較して安定しており 特に空間要因が大きく影響していることがわかる % 80% 60% 40% 0% 図 -3 住宅地空間要因のパラメータ rho alpha Wb r : 商業地から住宅地への重み付け行列 ( N b N r ) Wr b: 住宅地から商業地への重み付け行列 ( N r N b ) N は商業地のサンプル数 は住宅地のサンプル数 b X b : 商業地の説明変数 N r X r : 住宅地の説明変数 β b : 商業地の説明変数パラメータ β r : 住宅地の説明変数パラメータこのモデルでは 商業地 住宅地それぞれの空間的自己相関パラメータと 商業地から住宅地 住宅地から商業地への波及を表す空間的パラメータの計 4つの空間的パラメータがある これに伴い空間波及構造を表す重み付け行列も 商業地 住宅地それぞれの重み付け行列と 商業地から住宅地 住宅地から商業地への空間波及構造を表す重み付け行列の計 4つを作成する 用途間波及を考慮したモデルは同時決定であるために本来なら商業地と住宅地を同時方程式として推定すべきであるが 推定を簡単にするために Wr byr, Wb rybを X と同じ説明変数 ρ r b, ρb rをそれらのパラメータとみなして商業地 住宅地を別々に推定した ここで Wr b, W b r のべき数は前章までの推定結果からあらかじめ として与え Wb 残差属性要因空間要因, W に関してはべき数まで推定した r 商業地では住宅地からの空間的な影響がほぼすべての年で有意であるという結果になった 住宅地地価の寄与率はそれほど高くはないものの 商業地では同じ商業地の地価よりもむしろ住宅地の地価に影響を受けるという結果である 0% 商業地の地価に空間的自己相関がみられないのは個々の 土地の利便性や収益性を厳しく評価されるために地域内で の差が大きいためだと考えられる 一方住宅地の地価は商 図 -4 住宅地の要因別寄与率 業地に比べて同じ地域内での差がそれほどなく空間的に安 (5) 用途間波及のモデル化と推定 定している このとき ある地点の地価の水準を決定する 同じ用途内での地価の波及だけでなく商業地から住宅地 際に地域内での差が大きい商業地よりも 安定した住宅地 住宅地から商業地といった他の用途への地価の波及も考え の水準を参照することは十分考えられる つまり 住宅地 ることができる の地価は商業地の地価水準の決定にとって重要な指標とな Yb Wb 0 Yb 0 0 Yb っている = ρb + ρr Yr 0 0 Yr 0 Wr Yr 住宅地では商業地からの空間的な影響は ~1987 年 0 Wr b Yb 0 0 Yb でのみ有意であるという結果であった これはバブルの初 + ρr b + ρb r 0 0 Yr Wb r 0 Y 期に都心部商業地の地価の高騰が周辺の住宅地に波及した r X b 0 βb とする状況を的確に表している しかしその後住宅地では + + ε 0 X r βr 商業地からの影響はみられなくなり 住宅地内での相互作 Y 用だけが存在している 住宅地においても地価の差が大き b : 商業地地価 Y r : 住宅地地価 ρ い周囲の商業地よりも同じ住宅地内の地価が地価を決定す b : 商業地空間的自己相関パラメータ ρ r : 住宅地空間的自己相関パラメータ る際の指標となっていることがわかる ρb r: 商業地から住宅地への空間的パラメータ (6) モデルの比較 ρr b: 住宅地から商業地への空間的パラメータ 推定したモデルの説明力を比較するため 尤度比検定を W b : 商業地の重み付け行列 行った 重回帰モデルとべき数推定空間的自己相関モデル W r : 住宅地の重み付け行列 の尤度比検定の結果 5% 有意水準で商業地では空間的自己

6 表 -4 商業地用途間波及モデル推定結果 パラメータ寄与率 年 ρ α 住地駅距都心下水地積容積道路人口 産 3 産商空間住空間属性 NA NA NA NA NA NA NA NA NA 表 -5 住宅地用途間波及モデル推定結果 パラメータ寄与率 年 ρ α 商地駅距都心ガス下水地積容積道路人口 産 3 産住空間商空間属性 NA NA NA NA NA NA NA 相関が有意である 年で空間的自己相関 を取り入れることが説明力を改善させていたが その他の年では重回帰モデルでも同等の説明力が得られるという結果であった 一方住宅地では全期間で空間的自己相関を取り入れることが説明力を改善させていた また 重み付け行列を所与としたモデルとべき数推定モデルを検定すると 商業地では空間要因の有意でなく寄与率が低い期間が多いため べき数の違いによる差はほとんどない 住宅地では空間要因の影響が大きく 重み付け行列の構造によって結果が左右されやすいため 多くの場合べき数まで推定したモデルの説明力のほうが優れている また 用途間波及モデルとべき数推定モデルの検定では 商業地ではほぼ全期間で用途間波及モデルが優れていた 住宅地では商業地からの影響がみられたバブル期の初期でのみ用途間波及モデルは優れているが それ以外では住宅地内の空間的自己相関モデルで十分である 5. 結論と今後の課題 (1) 結論商業地において空間的自己相関は地価高騰が始まるバブルの初期と近年にのみみられるが 住宅地からの空間的な影響がほぼ全期間で存在し 周囲の住宅地地価が地価を決定する際の指標の1つとなっている 住宅地において空間的自己相関は全期間で存在し 地価決定に大きく影響している また 商業地からの空間的な影響は地価高騰が始めるバブル期の初期にのみ存在していた また 商業地 住宅地ともにバブル期の地価高騰が進む中で空間的な影響が及ぶ範囲は広まったが 最近では狭い範囲で空間的な影響が大きくなっていることがわかった () 今後の課題重み付け行列において近接性の要素とそれに作用する関数形の他の可能性を検討すること 用途間波及の空間的自己相関モデルの推定方法 サンプル数とサンプル間の距離による影響について今後研究が必要である 1) 青山吉隆 廣瀬義伸 (199) 土地制度と地価の空間波及 土木計画学研究 15-,117-1 ) 内田隆一 安藤朝夫 () 東京圏における地価変動の時空間波及- 拡散モデルによる実証分析 不動産学会誌 11-, ) 肥田野登 : 山村能郎 樋口洋一郎 (1995) ネットワーク自己相関モデルを用いた首都圏における地価動向モデルの構築 日本不動産学会誌 9-, ) 高塚創 樋口洋一郎 () 空間的自己相関分析手法を用いた地価の空間的連関に関する統計的検証 地域学研究 6-1, ) 青山吉隆 (1991) 地価の動的 空間的連関構造に関する基礎的研究 土木学会論文集 , ) Takatsuka,H and Higuchi,Y (001) A present-value model of real estate with interneighborhood dependency of income, Journal of Real Estate Finance and Economics, 3-1, ) Dow,M, Burton,M and White,D (198) Network autocorrelation:a simulation study of a foundational problem in regression and survey research Social Networks, 4, ) Leenders,R (00) Modeling social influence through network autocorrelation: constructing the weight matrix Social Networks, 4, 11-47

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