日本内科学会雑誌第105巻第9号

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1 第 113 回日本内科学会講演会 結実する内科学の挑戦 ~ 今, そしてこれから ~ 腸内細菌と疾患 1) 腸内細菌と消化管疾患 金井隆典 Key words 炎症性腸疾患, 腸内細菌, ディスバイオシス, 糞便微生物移植 はじめに腸内細菌研究が世界中のトピックスとなり, 腸内細菌の新たな役割や腸内細菌の異常による病態への関与が次々と報告されている. また, 糞便微生物移植 (fecal microbiota transplantation:fmt) という健常人の糞便を消化管に投与し, 腸内細菌叢の異常を是正する治療法が登場した. 欧米で大きな社会問題となっている再発性 Clostridium difficile 感染症 (Clostridium difficile infection:cdi) に対して無作為割付試験によって有効性が示された. 本稿では,FMTも含め, 腸内細菌と消化管疾患の話題を提供する. 1. 腸内細菌は今なぜ話題に? 2003 年にヒトの全遺伝子配列が解読され, さらには近年の次世代シークエンサーの精度の改良と高速化により, これまでの培養法に依存しない腸内細菌の網羅的な解析が可能となり, 様々な疾患で腸内細菌叢の異常が認められることが明らかとなった. しかし, 腸内細菌叢の構成異常をdysbiosis( ディスバイオシス ) と呼ぶが, 現時点では健常人の腸内細菌叢の構成もはっきりとわかっていない. したがって, 腸内細菌叢の構成が健常人の構成から明らかに逸脱して異なっている疾患群が存在する場合, その疾患にdysbiosisが存在するという. また, 人種が異なれば, 健常人でも腸内細菌の構成も全く異なることもわかってきている. 最近の健康ブームに乗って, 善玉菌であるヨーグルトやその栄養となる食物繊維などのサプリメントが世界中で盛んに摂取されている. 実は, 動物レベルでの有益性の検証はかなり進んではいるが, 健康食品としても医薬品としても, ヒトにおける有益性を示すエビデンスレベルは低い. 実際, 消化器専門医ですら, 整腸剤の使用法についてはエビデンスではなく, 長年の経験に基づいて使用しているのが実情である. このような背景の中,FMTが最近話題になっ 慶應義塾大学消化器内科 113 th Scientific Meeting of the Japanese Society of Internal Medicine:Symposium:2. Gut microbiota and diseases;1)microbiota and gastrointestinal disease. Takanori Kanai:Division of Gastroenterology and Hepatology, Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine, Japan. 本講演は, 平成 28 年 4 月 16 日 ( 土 ) 東京都 東京国際フォーラムにて行われた. 日本内科学会雑誌 105 巻 9 号 1695

2 表 1 糞便微生物移植法の歴史 糞便微生物移植 (FMT) 紀元 4 世紀 ; デ ホング ( 中国 ). 重症下痢食中毒に yellow soap 1958; アイスマン ( 米国 )4 例の偽膜性腸炎 (Surgery 1958) 抗生物質万能の時代 NAP-1 変異クロストリジウム ディフィシル感染症の出現 ( 欧米 ) 2013; 再発性 Clostridium difficile 感染症のRCT (NEJM 2013) 2015; 潰瘍性大腸炎の RCT2 報 (Gastroenterology 2015) されている. 宿主は腸内細菌に栄養と生息環境を提供する一方で, 腸内細菌はあたかもヒトにとって1つの臓器のように機能している. 例えば, 短鎖脂肪酸やビタミンの産生, 代謝機能による宿主へのエネルギー源の供給, 腸管上皮細胞や免疫細胞の分化や成熟化, 腸内環境の恒常性の維持, 病原菌に対する感染防御などを通じて宿主に寄与していることが分子レベルで次々と解明されている. 3. 消化管疾患における腸内細菌 ているわけである ( 表 1).2012 年までは, 治療効果に関して質の高いエビデンスはなく, ほとんどが症例報告またはケース シリーズであったが,2013 年 1 月,New England Journal of Medicine 誌に再発性 Clostridium difficile 感染症に対する抗菌薬との無作為割付比較試験において,FMTの圧倒的な優越性が初めて示された 1). Dysbiosisが病態に関与していると考えられているのは, 再発性 Clostridium difficile 感染症以外にも, 炎症性腸疾患 (inflammatory bowel disease:ibd) や過敏性腸症候群といった消化管疾患や, メタボリックシンドロームや肥満などの代謝性疾患, リウマチ性疾患, 精神神経疾患など多岐にわたっている. 現在,FMTはこれらの疾患に対して全世界的に試みられている. 再発性 Clostridium difficile 感染症以外は極めてエビデンスに乏しいのが現状であるにもかかわらず, 国内外問わず何でも効くかのような報道の風潮には注意が必要である. 2. 腸内細菌とは? ヒト腸管内には1,000 種,100 兆個以上の腸内細菌が生息しており, この数はヒトの構成細胞数 60 兆個を凌駕する 2). さらに, この細菌叢が有する遺伝子数は, ヒトの全遺伝子数, 約 2 万 5,000 個の100 倍以上にも達することが報告 IBDは再発性の慢性腸管炎症を特徴とする疾患であり, 潰瘍性大腸炎 (ulcerative colitis:uc) とCrohn 病 (Crohn s disease:cd) がある.IBD の原因はいまだ解明されていないが, 動物モデルや患者サンプルを用いた免疫学的研究, ゲノムワイド関連解析 (genome wide association study:gwas) 研究, 腸内細菌メタゲノミクス研究などから, 遺伝学的素因を有する者に, 出産 ( 帝王切開 ), 抗菌薬使用, 食事, ストレス, 衛生環境などの環境因子が加わり, 腸内細菌に対する異常な免疫応答が引き起こされると考えられている. 現在, 免疫異常を標的とする治療が主流となっているが, 決して原因を抑えているのではなく, 結果である免疫異常を抑えているだけともいえる. したがって, 治療を中止すると, 多くは再発する. 一方, 腸内細菌 dysbiosisに関しては, 多くの IBD 動物モデルは無菌環境下では腸炎を発症しないこと 3), 抗生物質がある一定の効果をもつこと 4),CDでは人工肛門によって便流を遮断することで腸管炎症が沈静化すること 5),GWASで同定されたIBD 疾患関連遺伝子に腸内細菌に関連する自然免疫系の分子や粘膜バリアに関連する分子が複数含まれている 6) ことから, 腸内細菌がIBDの病態に深く関与していることが示唆されている. IBD 患者では,dysbiosisに加えて, 健常者と比 1696 日本内科学会雑誌 105 巻 9 号

3 第 113 回日本内科学会講演会 結実する内科学の挑戦 ~ 今, そしてこれから ~ 体重が 2,000 倍も違うのにほぼ同数を投与していた 投与量 体重 動物モデル 10 9 プロバイオティクス菌 / 日 25 g 図 なぜヒト IBD ではプロバイオティクスにエビデンスが乏しいのか? 動物モデルとヒト IBD でのプロバイオティクス投与量を比較すると, 体重換算では動物モデルが圧倒的に大量に投与していることがわかる. 較し, 腸内細菌叢の多様性の低下が認められている 7). また,IBD 患者でFirmicutes 門の減少, CD 患者でProteobacteria 門の増加が指摘されている 7).Firmicutes 門に含まれるClostridium 属細菌 (Clostridium cluster IVおよびcluster XIVa) は, 短鎖脂肪酸である酪酸 (butyrate) を産生し, 制御性 T 細胞を誘導する.UC 患者で,cluster IV groupのfaecalibacterium prausnitziiが減少しており 8),IBD 患者ではClostridium 属による腸管恒常性の破綻が病態に関与している可能性が考えられる. 4. プロバイオティクス ヒト IBD 10 9 細菌 / 日 有効性あり? 50,000 g 腸内細菌の制御の重要性を最初に説いたのは, 単球の貪食作用の研究でノーベル医学生理学賞を受賞したロシア人のメチニコフ博士である. メチニコフはブルガリアでのヨーグルト摂取と長寿との関連性に着目し, 乳酸菌摂取が健康増進に寄与していることを1907 年に提唱した. その後,1989 年にイギリス人の微生物学者フラーが, 腸内フローラのバランスを改善することで宿主の健康に好影響を与える生きた微生物 とプロバイオティクスを定義した. IBDにおいてもプロバイオティクスが注目さ れ, 腸内細菌叢の制御メカニズムが主に動物モデルで科学的に解明されつつある. 我々のグループは, 医療用医薬品の整腸剤として知られているプロバイオティクスClostridium butyricumが, マウス大腸炎モデルにおいて大腸粘膜のマクロファージから炎症抑制性サイトカインであるインターロイキン-10を誘導して大腸炎を抑制すること 9), さらに,Clostridium butyricumの主な菌体成分であるペプチドグリカンが腸管樹状細胞を刺激してtgf-βを産生し, 制御性 T 細胞を誘導し腸炎を抑制することを報告した 10). 他にもプロバイオティクスが明確な分子メカニズムを有し腸炎を抑制するという報告が相次いでいるが, なぜかヒトIBD 患者での臨床成績はことごとく失敗に終わっている ( 図 ). しかし, これらの報告を詳細に分析してみると, 多種類を大量に投与するある種のプロバイオティクスはIBDに有効であった. つまり, ヨーグルト1 日分のカップの1,000 倍ぐらい大量に, かつ, いろいろな種類の善玉菌のカクテルなら効くかもしれないというわけである. 5. 消化器疾患に対するFMT 1) 再発性 Clostridium difficile 感染症 Clostridium difficileは毒素を産生し, 抗菌薬投与を受けた患者や免疫抑制状態の患者に下痢などの消化器症状を引き起こす. メトロニダゾールやバンコマイシン投与が行われるが, 最近, NAP-1 遺伝子変異株が欧米に出現し,15~30% の患者では再発を認め, また, 重症化する傾向にある 11).Clostridium difficile 感染症では, 発症前の抗菌薬投与で腸内細菌叢のdysbiosisと多様性の減少によって発症する.FMTは腸内細菌叢を再構築する治療法であり, 再発性 ( 既存の抗生薬を投与しても再発する )Clostridium difficile 感染症に対しては理に適った治療法といえる. 前述のごとく,2013 年に抗生薬治療を対象とし 日本内科学会雑誌 105 巻 9 号 1697

4 表 2 糞便微生物移植の未解決課題 FMT の未解決課題 投与経路 注腸?, 大腸内視鏡下?, 胃管チューブ?, 十二指腸チューブ?, 上部内視鏡下? ドナー 配偶者?, 家族 ( 何親等まで?), 友人?, 第三者健常ボランティア? 前処置 抗生物質?, 洗腸?, 無処置? ドナー糞便投与重量 20~200 g? ドナースクリーニング 未知の感染症? た無作為割付比較試験の結果が報告された 1). これらの結果を受けて, 再発性 Clostridium difficile 感染症に対する最新の米国の治療ガイドラ インでは,FMT を 3 回以上再発した Clostridium difficile 感染症の治療法として推奨している 12). 2) 潰瘍性大腸炎 UCに対するFMTは,1989 年に最初の症例が報告された 13). 慢性持続型のUC 患者に対して, 注腸によるFMTを行った結果, 無投薬での長期寛解が得られたとしている. その後, 同じグループが難治性 UC 6 例にFMTを行い,3カ月後に全例で寛解が得られたと報告している 14). 最近の系統的レビューによると, 前述の6 例を含めて 18 例のUCのFMT 治療例が報告されている 15). そして,18 例中 13 例で効果を認めた. しかし, 症例のほとんどは症例報告例であり,publication biasを考慮する必要がある. 一方で, 最近, 相次いで発表されたUCに対するFMTの前向き試験の結果は, 決して良好なものではない.Angelberger らは中等症から重症の UC 5 例に対してFMTを行い,12 週までに寛解が得られた症例はなかったと報告している 16). また,KumpらもUC 6 例に対してFMTを行い, やはり寛解が得られた症例はなかったと報告して いる 17) 年に2つのIBDに対するFMTの有効性を検討したランダム化プラセボ対照試験の結果が示された.Moayyadi らは, 活動期 UC 患者に対して,1 注腸による週 1 回のFMT 施行群,2プラセボ群を比較した. 週 1 回のFMTを6 週間施行し, 治療開始 7 週後の寛解率を主要評価項目とした. 寛解率はプラセボ群では5%(37 例中 2 例 ) であったのに対して,FMT 施行群では24% (38 例中 9 例 ) と有為に高かった 18). 一方, Rossenらは, 軽度から中等症のUC 患者に対して, 経鼻十二指腸チューブを用いて,1 健常人ドナーの糞便を移植する群,2 自己の糞便を移植する群を比較した. 治療開始時と開始 3 週間後に2 回 FMTを行い, 治療開始 12 週後の内視鏡所見の改善を伴う臨床的寛解率を主要評価項目とした. 寛解率は自己の糞便を移植した群では 25%(20 例中 5 例 ), 健常人ドナーの糞便を移植した群では30.4%(23 例中 7 例 ) であり,2 群間で有為差は認めなかった 19). したがって, 現時点では,UC においては確立した治療法として認められていないのが現状である. IBDにおけるFMTの有効性のばらつきは, 前述したIBD 患者におけるdysbiosisが原因なのか結果なのかという問題による部分が大きいと考えられる. 再発性 CDIではdysbiosisは原因であり, dysbiosisの是正で著効する. 一方, 多因子疾患であるIBDでは,dysbiosis が炎症の原因であるのか結果であるのかは解明されていない. しかし,IBDにおいても腸内細菌叢の制御が重要な治療戦略であることには変わりなく,FMTの有効性に影響するレシピエント側の因子, ドナー側の因子,FMT のタイミングや投与回数, 間隔, 投与法など様々な課題を検討することで, より臨床応用に近づくことものと考えられる ( 表 2). おわりに Dysbiosisが疾患の病態と関連している可能 1698 日本内科学会雑誌 105 巻 9 号

5 第 113 回日本内科学会講演会 結実する内科学の挑戦 ~ 今, そしてこれから ~ 性が明らかになるにつれて,FMTはdysbiosisを是正する治療法として一躍脚光を浴びるようになってきている.FMTは, 再発性 Clostridium difficile 感染症,IBD, 過敏性腸症候群などの消化管疾患にとどまらず, メタボリックシンドローム,2 型糖尿病, 自己免疫疾患, 自閉症に対しても試みられている. 一方で,FMTに関する質の高いエビデンスとしては再発性 Clostridium difficile 感染症に対するものだけであり, 他 の疾患に対するFMTに関しては, プロトコールの最適化も含め 20), 慎重に有効性を見極めていくことが必要である. 著者の COI(conflicts of interest) 開示 : 金井隆典 ; 講演料 ( 田辺三菱製薬 ), 研究費 助成金 ( 味の素製薬, イーエヌ大塚製薬, 江崎グリコ, 大塚製薬, ミヤリサン製薬 ), 寄附金 ( 旭化成メディカル, アストラゼネカ, アッヴィ,JIMURO, ゼリア新薬工業, 第一三共, 武田薬品工業, 田辺三菱製薬, ビオフェルミン製薬, ファイザー製薬 ) 日本内科学会雑誌 105 巻 9 号 1699

6 文献 1 ) van Nood E, et al : Duodenal infusion of donor feces for recurrent Clostridium difficile. The New England journal of medicine 368 : , Epub 2013/01/18. 2 ) Qin J, et al : A human gut microbial gene catalogue established by metagenomic sequencing. Nature 464 : 59 65, Epub 2010/03/06. 3 ) Kühn R, et al : Interleukin-10-deficient mice develop chronic enterocolitis. Cell 75 : , ) Khan KJ, et al : Antibiotic therapy in inflammatory bowel disease : a systematic review and meta-analysis. The American journal of gastroenterology 106 : , ) Rutgeerts P, et al : Effect of faecal stream diversion on recurrence of Crohn s disease in the neoterminal ileum. The Lancet 338 : , ) Jostins L, et al : Host-microbe interactions have shaped the genetic architecture of inflammatory bowel disease. Nature 491 : , ) Frank DN, et al : Molecular-phylogenetic characterization of microbial community imbalances in human inflammatory bowel diseases. Proceedings of the National Academy of Sciences 104 : , ) Sokol H, et al : Faecalibacterium prausnitzii is an anti-inflammatory commensal bacterium identified by gut microbiota analysis of Crohn disease patients. Proceedings of the National Academy of Sciences 105 : , ) Hayashi A, et al : A single strain of Clostridium butyricum induces intestinal IL-10-producing macrophages to suppress acute experimental colitis in mice. Cell host & microbe 13 : , )Kashiwagi I, et al : Smad2 and Smad3 Inversely Regulate TGF-β Autoinduction in Clostridium butyricum-activated Dendritic Cells. Immunity 43 : 1 15, )Leffler DA, Lamont JT : Treatment of Clostridium difficile-associated disease. Gastroenterology 136 : , Epub 2009/05/22. 12)Surawicz CM, et al : Guidelines for diagnosis, treatment, and prevention of Clostridium difficile infections. The American journal of gastroenterology 108 : , quiz 99. Epub 2013/02/27. 13)Bennet JD, Brinkman M : Treatment of ulcerative colitis by implantation of normal colonic flora. Lancet 1 : 164, Epub 1989/01/21. 14)Borody TJ, et al : Treatment of ulcerative colitis using fecal bacteriotherapy. Journal of clinical gastroenterology 37 : 42 47, Epub 2003/06/18. 15)Anderson JL, et al : Systematic review : faecal microbiota transplantation in the management of inflammatory bowel disease. Alimentary pharmacology & therapeutics 36 : , Epub 2012/07/26. 16)Angelberger S, et al : Temporal bacterial community dynamics vary among ulcerative colitis patients after fecal microbiota transplantation. The American journal of gastroenterology 108 : , Epub 2013/09/26. 17)Kump PK, et al : Alteration of intestinal dysbiosis by fecal microbiota transplantation does not induce remission in patients with chronic active ulcerative colitis. Inflammatory bowel diseases 19 : , Epub 2013/08/01. 18)Moayyedi P, et al : Fecal Microbiota Transplantation Induces Remission in Patients With Active Ulcerative Colitis in a Randomized Controlled Trial. Gastroenterology 149 : , )Rossen NG, et al : Findings from a randomized controlled trial of fecal transplantation for patients with ulcerative colitis. Gastroenterology 149 : , )Matsuoka K, et al : Fecal microbiota transplantation for gastrointestinal diseases. Keio J Med 63 : 69 74, 日本内科学会雑誌 105 巻 9 号

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